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政府委員(中川
董治君) この
売春関係事犯の私
ども警察
関係におきまする取締りの
状況でございますが、すでにお話もあったかと思いますが、来年の四月一日から刑事
処分に関する
規定が全面
施行されるのでありますが、これは、
売春防止法の
法律の
趣旨ができるだけ行政
措置によって、ことに保護更生等の
措置によって、だんだんこういった社会悪をなくしていこう、こういう精神に
法律構造がなっておりますので、現段階におきましては現行法の、すなわち現行法と申せば刑法とかあるいは地方の都道
府県等の条例と昭和二十二年の勅令九号、こういった現行法に基きまして、取締りに当っておるのであります。現行法によって取締りに当っておりますので、
売春防止法全面
施行のごとく、きちんと十分条文の
趣旨に沿うという取締りについては、相当に隘路があるのでございますが、ことに強制的売春をやらせるとか、非常なこの
婦人等に対して迷惑をかけることが顕著で、売春が行われておる、こういったものを
中心に取締りを逐次強化いたしておるのであります。従いましてこういった人身売買、いわゆる人身売買という
関係が予知されるものにつきましては、相当の取締りの実績を上げておるのでございます。
次にお尋ねの擬装といいますか、いろいろくぐっていろいろまあ考えはせぬだろうかというお話でございますが、これはすべての
犯罪について言えることでございましてたとえば窃盗につきましても、人の物を窃取するについてはいろいろ工夫して、なかなか人に見かけられぬように詐取するというふうに、犯人としては考えるのでございますので、売春事犯
関係につきましても同様なことがあり得るわけでございますが、われわれ最末端におきまして
犯罪の捜査に従事している者といたしましては、経験のいかんを問わない、実態が法の禁止するところであるかどうかということをきわめて参ることでございます。いわゆるコール・ガールというようなシステムを用いている
人たちもございます。お話もありましたが、コール・ガールというシステムを用いてやっておりましても、婦女を売春のために強制していると、あるいは婦女をそういったように管理していると、こういう実態を持っておるということにつきまして証拠が得られましたものにつきましては——これは証拠収集ということが、隘路によって若干うまくいかないという事例もないことはありませんが、証拠によりまして、たとえば勅令九号の違反、こういうことが立証できたものにつきましては、どしどし
検挙いたしておりますので、いろいろ世間ではあれやこれやを考えて、あの手この手を考えておるというふうに言われておるのでございますが、私
たち捜査当局といたしましては、あの手この手を考えましてもその実態を究明していく、われわれ捜査当局としては証拠に基いて証明する必要がございますので、そういった点についてはいろいろ工夫いたしまして、警察官の教養等も、そういった
趣旨の教養も徹底いたしまして、警察庁はもちろんでございますが、
関係機関と大いに協力いたしまして、
売春防止法の
制定された
趣旨に即応して、私
たちの任務を果して参りたいと、こう考えておる次第であります。