○湯山勇君 ただいまの
矢嶋委員の質問に関連をして、特に私は民間
バスの問題についてお尋ねいたしたいと思います。
まあ今年度特に
学校統合の予算が昨年の倍額に増加されておりますから、町村合併に伴う
学校統合というものはさらに促進するというように
考えております。ところがそのことは一面、特に
中学校においてですけれ
ども、通学距離が非常に長くなるということもこれはやむを得ないことだと思います。で、私が調べたところによりましても四カ町村が合併いたしまして、そのために今までは徒歩通学の範囲にあったものが二里以上の通学をしなければならない、これが百名をこえておる、こういう事実も起っております。ところが御
承知のように、そういうようなところであっても、最近民営
バスといいますか、民間
バスが非常に発達して、
バスの路線は渓谷々々になっておりますから利用ができるわけでございます。ところがこの
料金ですけれ
ども、これはさっき御
答弁の中に申請によって認可するということでございますが、実際は通学
割引の
制度をとっていないところもあるやに聞いておりますし、それから私の調べたところでは、ここからここまでは通学
割引をするけれ
ども、これを越えた分についてはしないというように距離
制限をしておるのもございます。これはたとえて言えば、埼玉の方から来るのに東京までは通学
割引をするけれ
ども、東京を越えた横浜までは
割引をしない、こういうことなのです。いなかですからそういうことをやっておるところもあります。で、こうなりますと
学校統合はできる、それによって
バスのお客さんはふえるのにもかかわらず、結局
学校統合の影響は父兄にだけに負担増になって参りますから、その金額は月二、三百円、はなはだしいのはもっと多いのもあるようでございます。これは非常な負担になっておるので、特に僻地
教育振興会等においても通学費の補助を出してもらいたい。こういう
要望もかなり強く出ておると思います。今
内藤局長からはスクール・
バスということも
考えるということでございますけれ
ども、
文部省はずいぶん僻地の通学
バスについては
努力をなさったのにかかわらず、昨年も今年も、また来年度もこれは実現を見てはおりません。そういたしますと結局、この
学校統合の被害は父兄だけにかかってくる。このことは、なるほど形態としてはよくなったように見えますけれ
ども、
教育の機会均等、こういうような点から言えば必ずしも
学校統合ということが所期の効果を上げ得ないというようなことになるわけで、これは解決の
方法としては、やはり
政府からこういう場合の通学費に対する補助をすることが
一つあると思います。
それから第二は、局長の言われたように、スクール・
バス、これをまあ
政府として積極的に補助をして設けさせると、それから第三は、スクール・
バスでさっき言われたように、ただ町村と
バス会社の契約でなくして、運輸省なり
政府なり、直接
関係しておられる運輸省、
文部省が積極的にこの問題を取り上げて、実現の方向に
努力をするということでなければ、現地まかせではとてもこれは実現しないと思うわけです。
最後に残された問題は、特に運輸省の方でお計らい願って、そういう通学の
バス料金については、そのことによって乗るものがふえたということですから、さっきの御
説明のように、現在のワクの中で
割引率をふやすというのでしたらこれは減収になりますけれ
ども、そのことによって数十人、数百人の乗客がふえるわけですから、この分については相当
割引をしましても、とにかくぎりぎりのところまで
割引をしていただいてもさしあたって経営に
支障があるという要素は出てこないと思いますので、そういう方面からの
割引の措置を講じていただく、これらの
方法しか私はないのじゃないかと思いますけれ
ども、残念ながらそのどの
一つも現在とられてはいないわけです。このままほおっておくということは、町村合併も
政府の施策としてこれは
文部省は責任ないとは言えないし、運輸省もまた
政府の施策として相当強制的にやられたわけですから、運輸省も責任はおれたちにはないのだというわけのものでもこれはないと思います。また
学校の統合にいたしましても
政府の施策としてやってこられた以上、そのしわ寄せを父兄にだけ寄せてそれで知らぬ顔しておけるというものでもないと思いますので、私はただいまの
矢嶋委員の御質問に関連して、これについて一体どうされるのか、将来その点についてはどうしても適切な対策を立てなければならないというようにお
考えになっておられるか、それらの点について
文部省及び運輸省の御所見を伺いたいと思うわけでございます。