○
東隆君 その次に、私は、農業協同組合の部長さん、見えていますね。
私はこの際お聞きをしたいのは、問題は公正取引という
関係なんでありますが、協同組合で原料乳の統制あるいは共同販売の統制、そういうようなことをやるのは、これは当然な、今まで月になりまして、私の方から
中心工場に関する計画はどのようになっておるのかという照会をいたしております。県の方からは、当時
知事さんがかわられて、
知事選の行われるときでございましたので、
知事代理者である副
知事の名をもちまして、
中心工場担当者は地元の
農民の総意によって決定する旨の回答が来ております。八月に至りまして県の畜産課長が上京して参りましたので、当方の担当課の方で、この地域指定をいたすのには
中心工場についての計画を明瞭にしてもらいたい、この決定にはそういうことが必要であるそういうことを連絡をしておいた次第であります。それからしばらくしまして県の担当部長が上京されまして、やはりこの地域指定の問題、特に計画の内容である
中心工場問題で
協議をいたしたのでありますが、
中心工場は二工場とすることができないか、あるいは十和田地区は雪印乳業が担当しておるのであるから、三八地域は
明治乳業に担当させることはどうかというような御質問がございました。それに対しましては、当方の係官からそれぞれお答えをいたしまして、
酪農振興法による地域指定の場合には、その
趣旨からして
中心工場は
一つであってもらいたい。雪印にするか
明治にするかという問題は、これはもちろん十和田地域が雪印であるから、三八は
明治であるというような
考え方も
一つの
考え方ではあるとしても、結局地元の
農民の意向がまず第一であるから、それに基いて県当局がいろいろ
考えられて決定され、
農林省の方に申請をされる、こういうことが順序ではないかという話をいたしておいたのであります。その後、新しい
知事さんも見えまして、いろいろとそういうふうの
お話がございましたが、同様の
お話を申し上げてきた次第でございます。それで、三十一年の九月十四日になりまして、県では商工農林部長名をもちまして、八戸市に地域内の市町村長、農協組合長、あるいは乳業者の諸君を集めまして、
中心工場の問題について
協議をいたして
意見を聴取いたしております。その際には、大多数の者が雪印乳業を支持した模様でございます。
その間におきまして、
農林省の方といたしましては、三十一年度におきます全国の集約酪農地域の指定を急いでおったのでございますが、三八地域でありますとか、そのほか数カ所のまだ問題を残しております地域を除きまして、約二十の地域をとりあえず三十一年度の集約酪農地域として第一次決定をいたしまして、告示をいたしました。従って、三八地域はその際は見送りになったわけであります。
一方、青森の方では、県
知事は、県の
条例によって設置されておりまする県の畜産振興
審議会に、この雪印乳業を三八地域の
中心工場に担当せしむることの可否につきまして諮問されまして、全
委員の賛成を得た旨の報告を受けたのであります。
県の方ではそのような経過をたどられまして、さらにこの件についての、三八地域内の全市町村、全農協組合長及び全乳業者あてに、
知事名の文書をもちまして、これらの諸君の
意見を徴せられたのであります。その結果、
明治乳業ほか二つの農協を除きまして、
同意書が参りましたので、それらのことを公告をされますると同時に、雪印乳業を
中心工場とすることに、これを県の計画であるといたされまして、先に提出されました申請書のうちの計画変更申請書を、十一月一日に提出されております。
その後になりまして、あるいはこれの
先ほど申しました終りのころかとも思いまするが、地元の
関係の農業者の方々、あるいはその他の方々が、数回にわたりまして上京をされまして、いろいろと陳情を聞かしていただきました。これは、
中心工場といたしましての
明治を是とする方々、あるいは雪印を是とする方々、両方ともに陳情がございました。
で、当方といたしましては、その間に、雪印なり
明治の方に乳を出しておられる
農民の一部の方が、その名前をもちまして、公取
委員会の方に独占禁止の違反の事実があるという
意味の連絡が、公取
委員会の方にあった趣きを聞きましたので、公取
委員会の方にも数回にわたりまして御連絡をいたしまして、どういう事情かお打ち合せをお願いしたわけであります。さように連絡を数回重ねまして、それぞれ問題点とされておるところを、もちろん公取
委員会でございますので、最終的なこと、あるいは審決前にいろいろなことをそのままお漏し願うわけには参りませんでしたけれ
ども、問題点とされておる諸点につきましての個所を、私たちにもよくわかるように連絡をしていただきましたので、それらのものについて、公取
委員会の方で現地へ出張して調べられた場合の
関係者、及び県の方から提出しました文書、あるいは
関係者の諸君の
意見を当方でも聴取いたしまして、この地域の指定をすべきかいなかを、
農林省内部として
協議をいたしたわけでございます。
さようにいたしまして、当方としては諸般の事情を
考えまして、この公取
委員会の方で指摘されておりまする個々の事例につきましての事実が、もちろんこれらの事実は当然またこれが法に違反するかどうかというような諸点は、現在
審議中の公取
委員会におきましていずれ明白になることだと思いまするが、それらの事実につきまして、当方といたしましても必ずしもその事態が明瞭でないものもございましたし、あるいは当方の見解としてその事件について、それはどうもそのように思わないというのもございましたし、いろいろございましたが、かりに公取の方で御指摘になっておる諸点が事実といたしましても、なお全体の地元の
関係いたしておりまする
農民の意向のすべてを、逆転させるほどのものでないという判定のもとに、またこの地域の将来のことを
考えての酪農を振興していく必要があるという観点からも、いろいろとそこらの諸点を勘案いたしまして、
農林省としては、これを集約酪農地域に指定して、その一部に計画として載っておる雪印乳業を
中心工場としての計画は、これを妥当なものであると認めましたので、三十二年の二月二日にこれを集約酪農地域として指定をいたしたわけでございます。
その以後の事情は、冒頭に申し述べましたように、審決の開始がなされまして、現在審決の手続が進んでおる。かような実情でございます。