運営者
Bitlet
姉妹サービス
kokalog - 国会
yonalog - 47都道府県議会
nisalog - 東京23区議会
serelog - 政令指定都市議会
hokkaidolog - 北海道内市区町村議会
aomorilog - 青森県内市区町村議会
iwatelog - 岩手県内市区町村議会
miyagilog - 宮城県内市区町村議会
akitalog - 秋田県内市区町村議会
yamagatalog - 山形県内市区町村議会
fukushimalog - 福島県内市区町村議会
ibarakilog - 茨城県内市区町村議会
tochigilog - 栃木県内市区町村議会
gunmalog - 群馬県内市区町村議会
saitamalog - 埼玉県内市区町村議会
chibalog - 千葉県内市区町村議会
tokyolog - 東京都内市区町村議会
kanagawalog - 神奈川県内市区町村議会
nigatalog - 新潟県内市区町村議会
toyamalog - 富山県内市区町村議会
ishikawalog - 石川県内市区町村議会
fukuilog - 福井県内市区町村議会
yamanashilog - 山梨県内市区町村議会
naganolog - 長野県内市区町村議会
gifulog - 岐阜県内市区町村議会
sizuokalog - 静岡県内市区町村議会
aichilog - 愛知県内市区町村議会
mielog - 三重県内市区町村議会
shigalog - 滋賀県内市区町村議会
kyotolog - 京都府内市区町村議会
osakalog - 大阪府内市区町村議会
hyogolog - 兵庫県内市区町村議会
naralog - 奈良県内市区町村議会
wakayamalog - 和歌山県内市区町村議会
tottorilog - 鳥取県内市区町村議会
shimanelog - 島根県内市区町村議会
okayamalog - 岡山県内市区町村議会
hiroshimalog - 広島県内市区町村議会
yamaguchilog - 山口県内市区町村議会
tokushimalog - 徳島県内市区町村議会
kagawalog - 香川県内市区町村議会
ehimelog - 愛媛県内市区町村議会
kochilog - 高知県内市区町村議会
fukuokalog - 福岡県内市区町村議会
sagalog - 佐賀県内市区町村議会
nagasakilog - 長崎県内市区町村議会
kumamotolog - 熊本県内市区町村議会
oitalog - 大分県内市区町村議会
miyazakilog - 宮崎県内市区町村議会
kagoshimalog - 鹿児島県内市区町村議会
okinawalog - 沖縄県内市区町村議会
使い方
FAQ
このサイトについて
|
login
×
kokalog - 国会議事録検索
1957-03-22 第26回国会 参議院 農林水産委員会 第19号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
三十二年三月二十二日(金曜日) 午後二時二分開会
—————————————
委員
の異動 三月二十日
委員小笠原二三男
君辞任に つき、その補欠として
江田三郎
君を議 長において指名した。
—————————————
出席者
は左の
通り
。
委員長
堀
末治
君 理事 重政
庸徳
君
藤野
繁雄
君 東 隆君
清澤
俊英君 河野 謙三君
委員
秋山俊一郎
君 雨森 常夫君
佐藤清一郎
君 下條
康麿
君 柴田 栄君 田中 啓一君 仲原 善一君
安部キミ子
君 北村 暢君 小林 孝平君 鈴木 一君 上林 忠次君 千田 正君 北條 雋八君
政府委員
林野庁長官
石谷
憲男
君
事務局側
常任委員会専門
員
安楽城敏男
君
—————————————
本日の会議に付した案件 ○
森林法
の一部を
改正
する
法律案
(内 閣提出)
—————————————
堀末治
1
○
委員長
(
堀末治
君) ただいまから
農林水産委員会
を開きます。
最初
に
委員
の変更について御報告いたします。去る三月二十日
小笠原二三男
君が辞任されて、
江田三郎
君が選任されました。
堀末治
2
○
委員長
(
堀末治
君)
森林法
の一部を
改正
する
法律案
を議題にいたします。 この
法律案
につきましては、前回の
委員会
において
提案理由
の
説明
を聞いたのでありますが、ただいまから
法律案
の
内容
その他について
補足的説明
を聞くことにいたします。
石谷憲男
3
○
政府委員
(
石谷憲男
君)
森林法
の一部を
改正
する
法律案
の
提案理由
につきまして、
補足的説明
を申し上げたいと存じます。
昭和
二十六年第十国会におきまして、
森林法
はほとんど全面的に近い
改正
を見たのでありまするが、その当時の
わが国
の
森林
の
事情
は、豊富な
森林資源
を包蔵いたしておりました領土を失いましたこととあわせ、戦時中及び戦後のはなはだしい乱伐によりまして、
森林
の
立木蓄積
は戦前の九十一億石から一挙に六十億石にまで減少し、しかも百十五万
町歩
に及ぶ
造林未済地
と三十万
町歩
に達する
荒廃地
が残された上に、頻々として水害に見舞われ、さらにこれに加えるに
復興需要等
の
ため
の
林産物
、なかんずく
木材
の
消費
は急激に
増大
いたし、これに伴い
既開発
の
里山
における
森林伐採
が急速に
進展
し、
生長
の
最高期
に達しない
幼壮齢木
が大量に
伐採
されるというきわめて異常な
緊迫状態
にあったのでありまして、いわば
森林
の
危機状態
ともいうべきものであったのであります。 すなわち、
国有林
、
民有林
を通じて、すでに
開発
せられ、当面の
伐採利用
の
対象
となっておりました
森林
の
立木蓄積
は約二十四億石、その年間の
生長量
は八千二百四十万石と推算されておりましたのに対しまして、
伐採量
は
用材
一億一千万石、
薪材
九千万石、合せて二億石にも達しまして、実に
生長量
の二倍半にも及ぶ過伐がこの
地域
で行われ、早急に未
利用林
を
開発
しない限り、
既開発林
の
立木蓄積
は遠からず枯渇してしまうのではないかというような憂うべき
状態
に追い込まれていたのであります。 かかる
事態
に対処いたしまして、
森林
の
施業
を
合理化
し、その
国土保全機能
の回復をはかりながら
森林復興
への道を開く
手段
といたしまして、
森林経営
の
計画化
が強く要請されるに至ったのでありまして、この趣旨に基き、
昭和
二十六年の
改正森林法
によりまして、
現行
の
森林計画制度
が新たに
発足
いたし、今日に及んでいるような次第でございます。 その
制度
の骨子といたしましては、第一に、
国有林
及び
民有林
の
経営
を有機的に調整いたしまする
ため
、
両者
を通ずる
森林施業
の基準を定め、第二にさらに
民有林
につきましては、生育の途上にある
幼壮齢木
の
伐採
は
許可制
を、また
生長
の
最高期
を過ぎた
林木
の
伐採
は
届出制
をとることといたしまして、
奥地林
への
伐採移行
を自然に誘導しながら、
増大一途
の
林産物
の
需要要請
にこたえて参りますとともに、第三に、さらに
造林
の
促進策
といたしまして、
民有林
の
伐採跡地
及び無
立木地
に対し
造林指定
をすることによりまして、
資源造成
の
促進
をはかり、あわせて
森林所有者
それぞれの行う
施業
の
合理化
に資する
ため
の
指導事項
の充実をはかって参りますとともに、第四に、
国有林
、
民有林
を通じ、
国土保全
の
ため
の
保安林
の
整備拡充
をはかることを
内容
としておるのであります。 さりながら、今後におきましても、後述いたしますように、
森林資源
とその
生長量
と
林産物
特に
木材
の
消費需要
との間にはかなり著しい懸隔があり、全体的には今なお過伐の
状態
にある次第でありまして、今後の
需要
問題を
考え
て参りますとき、取り急ぎ
林力
の
増強
、未
利用林
の
開発促進等
、一連の
施策
を積極的に推進する要あることを痛感いたす次第であります。 従いまして、かかる
施策
を総合的に
実施
する
手段
といたしまして、
森林計画制度
は依然きわめて必須なものと確信する次第でございます。 本年度に至るまでの
既往
五カ年間におけるこの
制度
の
実施
結果といたしまして、全
民有林
につき
森林
の調査が一応終了いたしたのでありますが、これにより
民有林
につきましては、従前よりもはるかに高い精度の
実態把握
が得られたようなわけでありまして、この結果によりますと、
国有林
、
民有林
を合せた
森林
の
面積
は二千三百六十万
町歩
、その
立木蓄積
は六十六億石、そのうち
既開発林
の
立木蓄積
は二十六億石、その
生長量
一億四百万石となっておりまして、一
町歩当り
の
蓄積
が
昭和
二十六年当時よりは低下しておる
状況
と、特に
針葉樹資源
の
窮乏
の姿とが明らかに看取できるのであります。このことは、
針葉樹
におきましては
消費
と
資源
との
関係
が
制度
の
発足
当時と同様依然容易ならざる
状態
にありながら、
既開発
の
里山
における異状な過伐の継続によって、何とかそのときどきの
需要
をまかなってきておることを明らかに示しておるのであります。 以上のことをあわせ
考え
ますとき、今後はさらに
森林生産
の
増強
と
国土保全
に対し、一段と強力かつ適切な
内容
を具備する
計画
たらしめるとともに、一そう現実にマッチするよう整備すべきように
考え
る次第であります。 次に、その
主要点
について簡単に申し述べます。 その第一は、
音通林
の
広葉樹
の
伐採
の
許可制
を取りやめ、
届出制
とすることであります、
広葉樹
の
伐採状況
を
昭和
三十一年度について見まするに
用材
四千二百万石、
薪炭林
七千八百万石、合計一億二千万石でありまして、今後の
用材需要
は
パルプ
、
繊維板産業
の
進展
に伴いまして急速に
増大
する
趨勢
にあり、従いまして、従来
薪炭林
として利用されていたものが、これらの
用材
の
利用分野
にとってかわられ、
両者
の区分を必要としないように相なるものと
考え
られるのであります。また
薪炭林
の
需要
につきましては、ほぼ
現状
のまま横ばいするものと
考え
られますので、
用薪材
を通じ
資源
と
消費
の
関係
を総合的に勘案いたしますと、との
程度
の
数量
は未
開発林
の
開発
が進むことと、
薪炭林施業
の
合理化
による
成長量
の
増加
とをあわせ
考え
まするならば、将来の
需給
上さして大きな問題はないものと
考え
られるのであります。 次に、過去の実績を見まするに、
広葉樹用材
の
伐採許容限度
に対し
伐採
の
許可申請
の
数量割合
は四割前後で、しかも
許可申請数量
が
許容限度
を超過いたしまして、実際に
伐採
の
制限
を受けたものはごくわずかであります。また
薪炭林
について見ますと、
伐採許容限度
に対する
許可申請量
の
割合
は四四%前後でありまして、
許可
の
申請数量
が
許容限度
を超過した
森林
区数は三百五十、
全国森林
区数の一七%にすぎないのでありまして、
既往伐採許可
の
対象
にはいたしておりましたものの、実際の
伐採
にはさして影響はないものと言い得るのであります。また、今後ますます
消費
の
増大
を予想されます
針葉樹用材
の
需要
に対処いたしまする
ため
には、
広葉樹
の
伐採
後これを人工
造林
化することを速急に進めなければならないのでありまして、これが
ため
に、
国有林民有林
を通じ千百万
町歩
の
造林地
を確保するよう、
昭和
三十二年度からその
実行
に移るわけでありまして、これらの諸点を
考え
あわせますと、手続的にも
森林所有者
に相当めんどうな
伐採許可制度
は、この際支障のない限り緩和し、
施業改善
の
指導
に
重点
を向けることといたしたのであります。従いまして、この際
普通林
の
広葉樹
はすべて
届出
によって
伐採
できることにいたしたいのであります。この結果は、あらかじめ
伐採
の予定しがたい
零細所有者
にとりましても、また農閑期を利用して行われますような
製炭事業者
にとりましても、きわめて好都合なことに相なるものと思われるのであります。これについての
改正
は、第七条、第八条、第十五条及び第十六条にわたっております。 第二に、
針葉樹資源
は
蓄積
で三十億石、その
成長量
は八千三百万石でありますが、これを
既開発林
だけについて見ますと、
蓄積
で十四億石、その
成長量
は五千万石でありまして、これを
昭和
三十年度の
伐採量
一億四千万石と比べますると、二・八倍の過伐となっており、特に
民有林
にあっては三・四倍にも達するのであります。その上、今後
パルプ用材
、
建築用材等
の
需要
は漸次
増加
の
趨勢
にありまして、
木材
の
需要
は今後四十年後には現在量の約倍量となることが推測されるという
状況
から判断いたしますと、
民有林
につきましてこのような過伐が引き続き行われますならば、
林道開設
が順調に進んだといたしましても、
針葉樹材
の
需給
と
資源
との
関係
は、
昭和
二十六年当時に比べ一そう
事態
の悪化を来たしているものと言わざるを得ないのであります。 かかる
事態
にかんがみまして、明三十二年度から
国有林
、
民有林
を通じまして、
林種転換
による
拡大造林
を進めることといたしておりますが、これとあわせまして、
林木
の
品種改良事業
による
成長量増大
を目ざす
施策
を強力に取り進めて参りたい所存でございます。 以上申し上げましたことにより、
針葉樹
については従来
通り伐採許可
の
制度
を存置して、
幼壮齢林
の
伐採抑制
を行いながら、あわせて
間伐保育等
については十分に
指導
を行い、
生産増強
の
ため
の方策を講ずることとし、この場合の
伐採許可
の回数が
往来年
二回でありましたものを年四回といたしまして、本
制度
の運用の円滑を期したいと思う次第であります。これは第十六条第七項の
関係
であります。 第三点といたしまして、
普通林
につきましては可能な限り
伐採制限
を緩和する反面、強力な
造林施策
を推進することに
重点
を置くことにいたしたのでありますが、
保安林
につきましては、防災並びに他
産業
の保護に当る
重大使命
にかんがみまして、
伐採制限
は従来
通り
とし、さらに
施業
要件に違反した
伐採
を行うような場合には、
伐採
の
許可
を取り消すことができるようにいたし、
保安林施業
の万全を期したいと思うのであります。これは第十六条に第十一項として新たに一項を設けました。このほか、これに関連いたしまして、第十九条を
改正
することといたしているのであります。 次の
事項
は、
公有林
に対し
経営計画
を作成いたしまして、
公有林
の
振興
に資したいということであります。
公有林
は
わが国森林面積
の約一割五分を占める存在でありまするが、戦後の
市町村財政
の
窮乏等
によりまして、近年
森林蓄積
の減少が目立ち、
一般私有林
の一
町歩当り平均蓄積
二百十五石に対しまして、
市町村有林
では百四十石、
財産
区
有林
では百一石にすぎない
状況
であります。 また、
公有林
は
私有林
と違いまして
公共団体
の
基本財産
として十分な管理を行い、
一定区域
の
住民
の
生活向上
及び
福祉増進
の
ため
に
経営
されなければならないのでありまして、この目的に沿い得るように
国有林野整備臨時措置法
により、あるいはまた新
市町村建設促進法
によりまして、
国有林野
を
市町村等
に限って売り払う等の
施策
を行なって参っているのであります。 すなわち、
公有林
は財政的に、また直接生計に必要な
林産物
の供給を通じまして、
住民
全体の
公益維持
に役立つよう、
一定
の
方針
に基き
計画
的に
森林施業
を行う必要があるように思うのであります。
公有林
に対する
指導
、監督につきましては、
市町村
の
基本財産
としては
地方自治法
、またそれが
森林
であることによりまして
森林法
の規制を受けるのでありますが、
現行森林法
におきましては、
森林計画制度
によりまして、
一般私有林
と
同一条件
の
施業規制
が行われることになっているのであります。しかしながら、
さき
に申し述べましたような意味合いからいたしまして、この際
公有林
だけの
経営計画
を作成し、これによって適切な
指導
を加えて参る必要があるように思うのであります。これが
ため
には、必要のある場合に自主的に
地方公共団体
の長が
経営計画
を作成するよう
指導
いたすことを本則といたしまして、現在の
市町村
の
財政事情
並びに
技術能力
から見まして、
都道府県知事
はその作成につき必要な援助を与えることが適切な
措置
であろうかと
考え
る次第であります。そうしてこの
経営計画
が適当であると認められます場合には、その毎年の
立木
の
伐採
については、
当該森林
区の
伐採許容限度
の中から、
当該分
を抜き出し、その範囲内のものにつきましては
伐採許可制度
の
対象
からこれをはずし、やや
弾力性
のある
森林施業
が
一定方針
に基いて
計画
的に行われることによりまして、
公有林
の
振興
をはかりたいと思うのであります。これにつきましての
改正
は第八条及び第十六条にわたっております。 最後に、
農山村民
の
経済振興
をはかります
ため
には、
林業技術
の
普及
を通じまして
農家経営
の
合理化
を
促進
し、あわせて
農山村民
の
自主性
の確立を企図する
普及活動
がきわめて重要であり、また一方
国土
の
保全
と
森林資源
の保続培養をはかる
森林計画制度
が円滑に運営されることは、現下の
国家的要請
としてきわめて重要なことであります。しかも、この
両者
の
活動
は、現地につきましてはきわめて
密接不離
な
連係
を保ちつつ、一貫した
方針
のもとに行われなければならないのであります。
林業改良普及事業
につきましては、
昭和
二十五年度
林業改良普及制度
の
発足
とともに、
林業専門技術普及員
と
地区技術普及員
を配置することとし、前後多少の人員の増減はありましたが、三十年度現在千百四十人が
全国
に配置されていたのであります。一方
森林
区
実施計画
の
実行
を確保する
ため
の
林業経営指導員
の
制度
は、
昭和
二十七年度から
発足
し、三十年度現在二千六十人が各
森林
区に配置されていたのであります。 ところが、
昭和
三十一年度に至りまして、
さき
に申し上げました
通り
、
両者
の
業務
を
一つ
の体系に統合して
一貫性
を持たせることの
必要性
から、
両者
をあわせて三千百五人の
技術者
を府県の中央と
地区
の
現場
に配置することにいたしたのであります。そしてさらに
業務
の
実態
と
農山村民
との直接の
連係
を強化することの
必要性
にかんがみまして、
昭和
三十二年度には、右の三千百五人の配置を
現場
に厚くし、
専門技術員
五百四十七人、
地区技術員
二千五百五十八人とし、
第一線
の強化を
計画
中であります。そしてこれら
第一線
の
業務
がうまく進むかいなかはもっぱら人にあるわけでありまして、これが
ため
には、長くその
業務
に献身できますよう、身分上の安定をはかるとともに、その
能力
につきましても、
一定
の
資格要件
を備えたものから採用するよう
措置
することが最も望ましいわけであります。従いまして、
専門技術員
と
林業改良指導員
の名称にそれぞれ変更統一いたしますとともに、その任用の
資格要件
を定めるよう
措置
いたしたいと
考え
る次第であります。この
改正
は第百八十七条、第百九十五条
関係
であります。 以上で
森林法
の一部
改正案
についての
補足説明
を終りたいと思います。
堀末治
4
○
委員長
(
堀末治
君) 御質疑の
向き
は逐次、御発言をお願い申し上げます。
藤野繁雄
5
○
藤野繁雄
君
国有林野
が
国有林野整備臨時措置法
または
町村合併促進法
によってだいぶ
払い下げ
があったのでありますが、
地元市町村
からの
申請
と実際に
払い下げ
された
割合
は、どういうふうな大体
状態
になっておるか、お伺いしたいと思います。
石谷憲男
6
○
政府委員
(
石谷憲男
君) ただいまの御質問でございますが、
申請
と申しましても、正規に
書類
をもって
申請
をして参っておる場合と、それからこのほかに口頭でもって一応
希望
を申し述べておられるような場合と、さまざまあるわけでございますが、私
ども
の
承知
しております限りにおきましては、一応
書類
をもって申し出ておられるものの総計が約十三万
町歩
という
程度
に
承知
をいたしておるわけでありまして、これらのものにつきまして、
昭和
二十九年度以降今年度中に処理し得るものを含めまして、売り払い可能なものの
面積
は約一万五千
町歩
でございます。
藤野繁雄
7
○
藤野繁雄
君 そうしますというと、
国有林野整備臨時措置法
によって
払い下げ
られたのは十三万九千
町歩
くらい、
町村合併促進法
によって
払い下げ
られたのが三千
町歩
くらいあるんじゃなかろうかという
考え
があるのでありますが、そうするというと、今のとだいぶ
数字
が違ってくるようになりますが、その
関係
はいかがでしょうか。
石谷憲男
8
○
政府委員
(
石谷憲男
君) 御
承知
のように、
国有林野整備臨時措置法
によりまして
昭和
二十六年度以降
昭和
三十年に至る間に売り払いましたのが、約十三万
町歩
以上あるわけであります。その後、
町村合併促進法
によりまして売って参りましたもの、それから引き続きまして新
市町村建設促進法
によって売っております、売りつつありますもの、こういうものを合計いたしまして、ただいま私申し上げましたように、一万五千
町歩
、こういうふうに申し上げたのであります。
藤野繁雄
9
○
藤野繁雄
君 そうしますと、大体において申し込みが約十三万
町歩
ということになれば、実際に
払い下げ
可能の
面積
が約一割、こういうふうなことであるのでありますが、その一割くらいでなくては、
政府
の方で検討されれば
払い下げ
が不可能な
状態
であるということになるのでありますか、あるいはそのうちにさらに検討を進めておられるというのがあるのでありますか、その点お伺いしたいと思うのであります。
石谷憲男
10
○
政府委員
(
石谷憲男
君) これらのものは、今申し上げました
数字
はいずれも、
市町村
から
希望
として申し出られたものであると思いまして、この中には
国土保安
上必要な
森林
ということで、
法律
によりましてまあ該当しないような部分も入っている。あるいは
北海道等
の場合におきましては、一
町村
から五千
町歩
、六千
町歩
という相当まとまった要望があった
向き
もあるのであります。そのほか、御
承知
のように、
合併
されました
市町村
がその
地域
内にある
国有林
について売り払いを受けることができるということになっておるわけでありまして、
申請
の中には
合併
しない他
地域
の
市町村
の
所在国有林
を
希望
されておるというようなものもありまして、それらにつきましては、私
ども
の方といたしましては可能な限り問題を集約いたしまして
話し合い
を進めておる、こういう
状況
でございます。それから一応二十九年度から
実施
いたしているわけでございますが、急激に出て参っておりまするものは三十年度以降でありまして、従いまして、現在どんどん
話し合い
を進めつつあるという
状況
でございまするので、今後かなり
進展
をみるであろう、かように期待しておるわけであります。
藤野繁雄
11
○
藤野繁雄
君 それから次は、ただいま
林野庁長官
の
説明
によってみまするというと、
市町村有
のものというようなものは、
私有林
と比較すると、一
町歩当り
の
石数
が非常に少いのであるから、これをすみやかにこの
法律
によって対策をねらなくちゃならないということであるのでありますが、
今市町村有
の
土地
の闊葉樹はこれに書いてあるそのままよりも、できるだけ簡単な
方法
で
伐採
ができるようにし、そうして
針葉樹
について一そう力を入れるというようなことになるとしたならば、
針葉樹
に力を入れていくことによって一
町歩当り
の
石数
は急激に
増加
するというお
考え
なのかどうか、お尋ねしたいと思うのであります。
石谷憲男
12
○
政府委員
(
石谷憲男
君) まあ
一般
に
公有林
と申しますものの中には、御
承知
のように、
都道府県有林
、
市町村有林
、
部落有林
、こういうようなふうに大きく区分されるわけでございまして、
部落有林
と言われておりますものの
実態
はきわめて複雑怪奇な
内容
を持っていることは、御
承知
の
通り
でございます。従いまして、私
ども
が今回
森林法
の一部
改正
によりまして、
施業計画
の
編成台帳
にいたしたいというように
考え
ておりますものは、ひとまず
都道府県有林
並びに
市町村有林
並びに
財産
区
有林
というふうに、こういうことで
権利義務
の
関係
が非常に明確なものについてのみやって参りたい、こういう
考え
でおるわけであります。
一般公有林
、なかんずく
市町村有林
以下の
公有林
が
現状
でははなはだしく荒れておる。
森林
の
生産
からいきますと、きわめて低位な
状態
に置かれている、こういうことにつきましては、さまざまの
原因
はあろうかと思うわけでございまするが、やはり可能な限りこれを
針葉樹
造林地
化するということによりまして、これらの
土地生産力
を急激に引き上げて参りたい、こういうような
考え
方からいたしまして、すでに古くから
助成措置
を講じ、さらに
公有林野宮
行
造林
によりまして
造林事業
を進めておる、こういう
関係
であるわけであります。そのことによりまして、いわゆる荒れている
状況
を回復して、将来の
治山治水
の上にもきわめて好影響のあるような
森林状態
に回復させるということとあわせまして、
市町村
の
基本財産
の
造成
というようなことにも役立ち得る、その
手段
といたしましては、できるだけ
針葉樹
の
造林地
をすみやかに作ってもらいたい、こういうことに尽きるのじゃなかろうか、かように
考え
ております。
藤野繁雄
13
○
藤野繁雄
君
市町村
の
合併
に対して常に問題になるものは
財産
区の問題であるわけなんですが、
財産
区の
財産
の
処分
は、
合併
ができ上ったならば
市町村
の
村令
の
決議
を要する、そういうふうなことであれば、
財産
区を持っておってでも、
市町村会
が
決議
をせなかったならば
処分
ができないというようなことになってくるのでありますから、
財産
区を持っておってでも特別に利益がないというようなことになるようにも想像されるのでありますが、
財産
区と
市町村会
の
決議
と、こういうふうな点について将来何とか
方法
を
考え
られるというようなことがあるのであるか、あるいは現在のままにしておかれるという
考え
であるか。
町村合併
の場合においては、できるだけ
財産
区というようなものは認めないというようなことで進められる
方針
であるか、あるいはこれは
自治庁
の
関係
になるかわかりませんけれど、
林野庁
としてのお
考え
を承わりたいと思うのであります。
石谷憲男
14
○
政府委員
(
石谷憲男
君) お説のように、現在
財産
区
有林
という形において維持されておりまする
公有林
は、かなりの
面積
に達するのでございます。約六十五万
町歩
にも達するという
状況
でございます。これらの
財産
区ができましたのは、最近の
町村合併
の
促進
の過程においてできたものが非常に多いわけであります。先ほど
市町村有林
や
部落有林
が他のものに比べましてかなり荒れておるという
状況
を申し上げたのでございますが、特に近年この荒れる
原因
になっておりますものの
一つ
といたしまして、六三制の
制度
が取り入れられました場合に、新しい
学校建築
というようなもので、大体
共有財産
として保有しておりました
市町村有林
を
伐採
いたしまして、その収益でやって参ったということで、あの時期には利用可能のものが大量に切られた、こういう
事情
があります。旧
町村
当時のことをいろいろ
考え
てみますというと、御
承知
のように、
最初
は郡、後になりますと県知事の
許可
があって初めて、
共有財産
の
森林
の
処分
ができる。戦後の
地方自治法
によりましては、
町村議会
の
議決
を経れば自由に
処分
ができるということで、
許可
、認可というものはなくなっております。そういうことが、実をいいますと、
伐採
をきわめて容易にし、その結果といたしまして、急速に
森林伐採
が進んだというようなことの事由の一半じゃなかろうか、私
ども
はかように
考え
ておるわけでございまして、特に
林野庁当局
といたしましては、
財産
区の
財産
を
処分
いたしまする場合には、むしろやはり
町村議会
の
議決
を経るというような、やや安心のつく段階というものがあるのが好ましいじゃないか、最近の
実態
から見ましてそのように
考え
ます。
藤野繁雄
15
○
藤野繁雄
君 今度の
森林法
の
改正
では、
針葉樹
林を積極的に増産させる、こういうふうなことであるのでありますが、例をとってみまするというと、
針葉樹
のうちの松、これにはマツクイムシというものがおって非常な害を及ぼしている、あるいはマツケムシというようなものがおって非常に害を及ぼしている。そうして一方の方ではマツクイムシについてはすでに研究が済んだのであるから、農林省としてはマツクイムシの研究はしないのだ、こういうふうな
説明
も聞いておるのでありますが、現在の
状況
からいえば、マツクイムシに対する研究は済んだといたしましても、これの駆除対策というものはさらに徹底的にやらなければできないと思うのであります。現在のマツクイムシの駆除対策くらいではマツクイムシの駆除は絶対にできない、こういうように
考え
ておるのであります。また、日本にはいろいろの風致林がありますが、そういうふうなものが片っぱしからマツクイムシにやられておる、あるいは防風林のようなものがマツクイムシにやられるということで、研究は済んだから、もう研究はしない……。しかし研究が済んだならば、済んだ結果によって、こういうふうなものの被害を免れるような対策を講じていかなければならない。現在においてはその対策がまだ十分でないと思うのでありますが、マツクイムシ対策及びマツケムシ対策、そういうふうなことについてお伺いしたいと思うのであります。
石谷憲男
16
○
政府委員
(
石谷憲男
君) 御
承知
のように、特に戦後になりまして、西日本一帯にマツクイムシ、マツケムシの大量発生を見まして、その
ため
に非常に膨大な松材が緊急に
処分
されなければならないというようなことになったわけでございますが、戦前におきましてはかようなことは実はあまり経験のなかった事象でございまして、その根本
原因
といたしましては、やはり長い期間にわたりますところの
森林
の奪略的の取扱いによりまして、いわゆる地方というものが非常に大きく衰えておるということが基本的な
原因
じゃなかろうか、かように
考え
るわけであります。当時応急的な防除
措置
といたしまして、マツクイムシ、マツケムシの防除をいたしたわけでございますが、
状況
によりましては国みずからが直接にやる、県営でやる、
森林所有者
みずからがやる、こういったやり方に区分いたしまして、鋭意やって参ったわけでございますが、最近の情勢からいいますと、次第に下火になっているという
状況
でございますけれ
ども
、決して油断はならない。マツクイムシの根本的な
措置
というものは現在完全に終っておる、かように私
ども
は
考え
ておるわけではないのでございまして、発生の
状況
によりましては、これを徹底的に防除する必要がある、かようなふうに
考え
ておるわけでございます。
藤野繁雄
17
○
藤野繁雄
君 現在マツクイムシの
処分
をする
ため
に、松の木を持っておる者はこれを
政府
の命令によって
処分
した
ため
に、松の木を持っておる者はこれを倒し、皮をはぐというような費用が、材を
処分
するところの金額よりも大きい、こういうふうな
状態
であるから、所有者が被害の松の木を倒せといっても、それが不可能であるということに陥った場合には、所有者がその松の木を切らないという場合には、
政府
みずからが自分の費用によって倒してまでもこれの駆除をやるという決心があられるかどうか、お伺いしたいと思います。
石谷憲男
18
○
政府委員
(
石谷憲男
君) 従来のように、要するに林分的に大量に発生いたしておりました当時においては、ただいま御質問のような
事態
があまりなかったのであります。そこで
立木
を
伐採
するということは、普通のいわゆる経済行為でもいたすわけでございますから、これは自分の費用、自分の手でやってもらいたい。
伐採
いたしまして搬出の段階までは、
一般
にやられておる。ことにマツクイムシの防除対策といたしましてやらなければならぬのは剥皮、焼却です。剥皮、焼却に対しまして補助金の
対象
となるものは、補助金を国、都道府県から支給いたしてきております。ところが、最近のように集団発生というものがだんだん下火になりまして、要するに発生が散発ということになりますと、その被害木の焼却ということは経済的に成り立たない、こういうふうな
状況
に相なるわけでございまして、従いましては、お説のように、今後伐倒いたしましたものを売り払った価格によってはそれだけのものをカバーできないようなことが、今後の問題としてはたびたび起きてくるのじゃなかろうか、従いまして、今後の問題といたしましては、そういう場合に必要とあれば当然国みずからがこれを補助してやるというような場合もあり得るものだということで、研究を進めていきたい、かように
考え
ております。
藤野繁雄
19
○
藤野繁雄
君 それからこのマツクイムシと同じのが、同じ
針葉樹
の木にも発生したという話を聞いているのでありますが、宮崎県かどっかに。その後、木に対する被害の
状況
はいかがですか。
石谷憲男
20
○
政府委員
(
石谷憲男
君) ただいまのお話は、杉材のタマバエという害虫の発生じゃないかと思っておりますが、これは熊本県のごく一部、宮崎県の限られた部分だけに発生をいたしておりまして、しかもこれは大部分は
国有林
でございますが、これらのものをすみやかに除去するということを徹底してやっておりますので、その後の蔓延はあまりないようでございます。
藤野繁雄
21
○
藤野繁雄
君 いま
一つ
今後のマツケムシの駆除ですね、駆除の
方法
は研究の結果でなければわからないだろうが、どういうふうな研究をされて、どういうふうな
方法
で駆除されるお
考え
であるか、
計画
があったらばお伺いしたいと思うのであります。
石谷憲男
22
○
政府委員
(
石谷憲男
君) 御
承知
のように、従来は伐倒、剥皮、焼却というような系統の駆除対策を中心といたしまして、やって参ったわけであります。薬剤散布というような
方法
でやったのでありますが、今後の問題といたしまして私
ども
が取り上げて研究いたしておりまするのは、薬剤散布じゃございませんで、要するに燻煉法と申しますか、煙によりまして絶やしてしまうというような駆除
方法
を実は研究をいたしたのであります。ある
程度
の効果があるというようなことも聞いておりますので、これで効果があればこういう
方法
をやって参りたいと、かように
考え
ております。
藤野繁雄
23
○
藤野繁雄
君 これが最後ですが、第百八十七条のさっきお話があった林業
専門技術員
及び
林業改良指導員
、これは政令の定むる
事項
としての印刷物をもらっておりますが、従来のものをそのまま継承をして引きつがせるのであるか、あるいは従来のものが試験に合格しなかったというようなことであったならば、これはやめなくちゃいけないようなことになってくるのだろうと思いますが、従来のものはどういうふうな基準によって採用しておったか。また今後農林大臣の定める学歴あるいは経験を有するというようなものについて、どういうふうに従来と差があるか、承わりたいと思うのであります。
石谷憲男
24
○
政府委員
(
石谷憲男
君) 従来、都道府県
関係
の
民有林
行政を推進して参ります末端の職員機構といたしまして、ただいま御
説明
申し上げましたように、林業の改良
普及
事業の推進をいたします
普及
員と、それから
森林法
に基きますところの
森林
区
実施計画
を
実行
して参ります
林業経営指導員
、こういう二様あったわけでありますが、これらはいずれもやはり林業の技術援助による地方林政の
振興
、こういうことに役立たせる職員でございますので、本質的にはいずれも技術職員でございます。従いまして、これらを
一つ
統合いたしまして、仕事の繁閑によって有無相通ずるというような運営をする方が、むしろ
実態
によく合ったと言えるのじゃないかというようなことから、
昭和
三十一年度以降
両者
を統合したわけであります。それで当時林業
普及活動
におきましては、全員で一千人少々ありました中で、七百数十人の専門技術
普及
員というものがございまして、むしろ頭でっかちの組織になっておったわけでありますが、この統合いたしました機会にそれを廃しまして、
林業専門技術普及員
につきましてはごく専門的に限られた人間を置くようにいたしまして、むしろ自主的に
森林所有者
と接触いたしまする一部の人間に厚く配置がえをしたということでございます。従いまして、従来専門技術
普及
員の
資格要件
を持っておりましたものが、
地区
普及
員に出ておる、こういうような
状況
になっております。従来といたしましても、それぞれの
制度
のもとに任用の
資格要件
というものをきめておりまして、それに合格した者から任用をしていく。ただいま申し上げました専門技術
普及
員のごとき場合におきましては、その資格試験に通らなかった、従って適格者がないというような場合もございまして、そういう場合には代理
制度
を一応認めまして、試験に通るまでの間は代理でいこうというようなことに
考え
ていたわけでございまして、私
ども
は今回のこういった名称変更、
資格要件
をきめます機会に、従来の基準を変えるというような
考え
方は持っておらぬのであります。たしか従来は、旧制大学卒業者の場合におきましては実務経験が三年以上、専門学校、短期大学卒業者の場合におきましては六年以上ということをもって、一応の
資格要件
としておったように私
ども
は
考え
ておるわけであります。
東隆
25
○東隆君 私は、農業の方には適地通産というのがありますが、林業の方ももちろん適地適産があって、
木材
、
広葉樹
と
針葉樹
の場合に、やはり
土地
を選ぶ問題であるとか、そういうふうなものはあるんじゃないかと思いますが、その点はどうですか。
石谷憲男
26
○
政府委員
(
石谷憲男
君) お説のように、林業におきましても、やはり適地適木ということがあくまでも
造林
を進めて参ります原則に相なっておるわけでございまして、農業の場合のごとくそれほど適合性というものの移り変りが顕著ではございませんけれ
ども
、やはりそういうものがあるわけでございます。そこで大体私
ども
といたしましては、もちろん適地適木ということを
考え
て
造林
計画
を進めるのでございますが、その中でも、たとえば自然に放置しておけば
広葉樹
の天然林が再生をする、ところが、それを切った跡に人工植栽をすれば優位な
針葉樹
ができ上る。多くの林はそういう条件のものでございます。ただし、むしろ地帯的に、植えましてもなかなか育たない、たとえば北海道の北の方に参りました場合に、内地におけるような杉、ヒノキを植えても、育たない。北海道のエゾマツ、トドマツのようなものを東京辺に持って参りましても、育たない。こういうように、地帯的に適合する樹種というものはおのずからきまるわけでございますが、そういう地帯内のものでありますと、今申し上げましたように、
広葉樹
を切りました跡に
針葉樹
を植えるということにつきましては、相当な幅広い適合性があるわけであります。そういうような
考え
で
造林
計画
の問題を進めていきたいというふうに
考え
ております。
東隆
27
○東隆君 私は、
パルプ
の
資源
に、
針葉樹
でなくて
広葉樹
を用いることができるようになったと、こういうことを聞いているのですが、一応今回の
改正
を少し見方を変えて見ますと、
広葉樹
の、しかも立地条件として非常にいいところにある
広葉樹
が、しかも幼木が
伐採
をされる危険が多分に起きてきつつあるのではないか、こういう問題が
考え
られるのですが、これはどういうふうに
考え
られますか。
石谷憲男
28
○
政府委員
(
石谷憲男
君)
広葉樹
ということになりますというと、その主要な部分は、何と申しましても、やはり
薪炭林
の供給林でございます。これはもちろん農家周辺の
地域
にもありまするし、かなり奥まった所もこれはございますが、要するに
薪炭林
の供給林として
経営
をされている
広葉樹
林というものが、これは大部分でございます。それで残るものが要するに
用材
林
生産
の
広葉樹
林ということになるわけでございますが、これらのものはいずれもいわゆる奥山にあります天然成林であります。
広葉樹
の人工植栽林というものはほとんどないわけでありまして、いずれも残っておる
地域
というものは奥山の、しかも奥地にある
広葉樹
、こういうことになりまするので私
ども
といたしましては、そういうものの相当多くの部分というのは、従来からいわゆる
伐採許可制度
の
対象
でなく、
伐採
の
届出制
度の
対象
になっておるものがかなり多くあるといったような
状況
からいたしましても、それほどこの
措置
によりまして、急速に
広葉樹
資源
というものに対する
伐採
が進行するというようには
考え
ておらぬわけであります。一応この
措置
によりまして、非常に大きく影響を受けて参りますのは、
薪炭林
の場合でございます。そのように御了承いただきたいと思います。
東隆
29
○東隆君 その
薪炭林
はよくわかるのですが、
薪炭林
がそういうように減少していくのはいいんですが、今の
状態
で、お話を聞きますと、薪炭用に向けられるものは年々減ってきている、こういうようなお話でありますが、私はある
程度
薪炭用のものは今後とも必要でないかと思うのですが、それは主として
広葉樹
に待たなければならぬ。しかも、それが立地条件からいって、非常に遠い所にそういうものが置かれる、こんなようなことになりますと、国民の生活の面から
考え
まして、だいぶむずかしい問題を将来に残していく。こういうふうに
考え
られますが、これは心配ございませんか。
石谷憲男
30
○
政府委員
(
石谷憲男
君) 今の御質問でございますが、私
ども
といたしましても、必要な
薪炭林
の供給というものは、現在も
森林
にしなければならないということは当然なことでございます。特にこれは
農家経営
等と
密接不離
にからんでおりますのでこういうものの確保は優先的にはかって参らなければならぬということは、
国有林民有林
を通じまして、そういう
考え
方でやっておるわけでございます。ただ、
実態
的に申しまするというと、近年の薪炭
消費
というものが確かに相当
程度
減って参っておる。まあこの中心は都市並びに都市周辺の
地域
ということでございまして、やはり電熱あるいはガス練炭等によりまして、従来の薪炭
消費
というものが多く取りかわりつつあるということは事実でございます。そういうような影響と
考え
られるのでございまするが、大都市並びに大都市の周辺
地域
におきましては、年々薪炭
消費
が急速に減っている。従いまして、
全国
平均いたしまするというと、大体横ばいだと、こういう
状況
でございます。 それからもう
一つ
の問題といたしましては、必要な
薪炭林
というものは、これは確かに供給しなければならぬことでございますが、現在の薪炭
消費
の
実態
というものはなかり熱効率を大きくロスするような方向で行われているというような意味合いからいたしまして、生活改善等の意味合いからいたしまして、かまどの改善というようなことが非常にやかましく取り上げられておりますが、要するに、少いもので同じだけの熱効果を期待できるという方向も、これは確かに
資源
の節用の面からいきまして、適当な
方法
であるということと、
薪炭林
の相当主要な部分というものは農家の周辺にあるわけでございまして、私
ども
といたしましては
薪炭林
の改良事業というようなことをさらに積極的にやりまして、一単位当りの
生産
量を高めていく、そこにいわゆる
生産
量の高まりによりまして、相当
程度
の余地と申しますか、従来維持しておった
薪炭林
の一部分を他に転用せしめて差しつかえないという余地が出て参りますと、これはやはりある
程度
用材
林の
造成
に充てて参りたい、こういうことを
考え
ていくべきものじゃないか。 そういう意味合いからいたしまするというと、
薪炭林
の
消費
というものが大体横ばいになってきた、あるいは漸次減って参るということにつきましては、これが農山村の副業として、従来の現金収入を得る上の相当大きな仕事をしておったというようなことが、大きく脅威されぬ限りにおきましては、
資源
政策の面からいきますというと、それほど悲しむべきものではない、かようにこれは理解しておるわけであります。
東隆
31
○東隆君 私は、
木材
の将来を
考え
たときに、いろいろ合板であるとかその他いろいろな加工をしたものですね、そういうようなものが将来使われていくということになって参りますと、どういうものが
対象
かと申しますと、やはり
針葉樹
じゃなくて
広葉樹
じゃなかろうか。従って、
広葉樹
はやはり相当残しておいて、そうしてそれをやはり有効的に使うことを
考え
なければならぬと思います。この点は、今
針葉樹
が
用材
として、あるいは
パルプ
の
関係
なんかから、やはり相当要望されておるので、その線に沿い過ぎるのじゃないか、こういう気がするのですが、そういう点はどうですか、将来を見通して。
石谷憲男
32
○
政府委員
(
石谷憲男
君) これは先ほ
ども
ちょっと御
説明
申し上げた中にあったかと思いますけれ
ども
、私
ども
は今できるだけ
造林地
化して参りたい、
造林地
化するにおきましては、
針葉樹
の
造林地
を作って参りたい、こういうふうに
考え
ております。最高の目標は、大体一千六百万
町歩
の
造林地
を作り上げようということでございまして、現在は
国有林
、
民有林
合せまして大体五百六十万
町歩
の
造林地
があり、現在の
造林地
を倍加するというのが一応技術的に、しかも将来
木材
の
需給
が非常に逼迫するということを前提にいたしました場合の見通しを取り入れて、経済的にもペイする、こういう見解でございます。ところが、全
森林
面積
というのは、もちろん御
承知
のように二千六百万
町歩
あるのでありまして、千百万
町歩
造林
いたしました場合にも、千五百万
町歩
は依然として残っております。残る
森林
というのは大体天然に成育する木を
伐採
いたしまして、その後は萠芽あるいは天然下種という
方法
によって、天然にやはりまた新しい林が再生される、こういう方式から
森林
を作って参る。その場合の大体全部と申し上げていいくらいのものが、これは
広葉樹
ということになるわけでございますからして、できるだけ
針葉樹
の
造林地
化を進めるといたしましても、大量にやはり
広葉樹
林というものは残らざるを得ないということでございます。従いまして、まあ、この段階では
造林地
化を大いに進めたいという表現を強調いたしましても、その
ため
に
広葉樹
が大きく減って参るということにはなかなか相ならぬ問題であると、私はかように
考え
ておるわけであります。
東隆
33
○東隆君 私は、これも聞いた話でありますが、天然更新の場合に、最後になるものは
針葉樹
だ、こういう話を聞いておるのですが、たとえば火が入って焼けた跡地にはすぐシラカバがはえたりなんかする。それが次第にそのあとになって、
針葉樹
になってくる。
針葉樹
は陰性の
関係
でもって、非常にしけた所でもはえてくる、こういうような
関係
で
針葉樹
が最後には勝利を得るのだ、こんなような話を聞かされておるのですが、これは自然の林は、自然に更新されるときにはそういうような運命をたどっているのじゃないか、こういうふうに聞かされたのですが、これはどうなんですか。
石谷憲男
34
○
政府委員
(
石谷憲男
君) これは植物の発生史的な見方からいたしますというと、現代は要するに
広葉樹
の時代だ。
針葉樹
というものは過去の遺物的なものになっておるわけでございます。従いまして、
針葉樹
林の生育を持っております
地域
というものは、世界的に見ましてある
地域
に偏しておるということでございます。そこで一応現在の天然成林を切りました場合におきましては、切った跡にまっ先にはえてくるものは明らかにこれは
広葉樹
でございます。しかも非常に陽性な
広葉樹
、明るいところを好む
広葉樹
がはえてくる。こういう意味で、北海道あたり切りますと、シラカバがすぐはえてくる、こういうことになるのですが、そのうちにだんだん林が
生長
して参りまして、いわゆる天井の閉鎖というものが行われて参りますと、その下には次第に陰性のものがはえてくるということなのです。今おっしゃいましたお話は、ある条件のもとにおいてはそういう形をとるということになります。要するに、
広葉樹
が自然に発生するような条件のもとにおきましては、自然に放置しておきますというと、長い
森林
の生成の過程のうちにはそういうことに相なるということでございまして、これは要するに、こういうことだと思うのでございますが、その
地域
において生育いたしますところの
針葉樹
と
広葉樹
というものの、この大体生理的な樹高限界と申しますか、要するに、ある
一定
のところまでは直径が、ある
一定
のところまでは木の高さが伸びる、このいわゆる最高の樹高限界というものが、
一般
に
針葉樹
の方が
広葉樹
よりも高いわけであります。たとえば、北海道あたりにおきまして言えると思いますが、
針葉樹
のところ、エゾマツ、トドマツということになりますと、三十五、六メートルから三十七、八メートル、それに反しまして、
広葉樹
はせいぜい三十メートル、あるいはそれ以下だ。ということになりますというと、要するに林間が閉鎖する段階が違ってくるということにもなるわけであります。そこで最後的には
針葉樹
が勝利を占める。要するに、上部にまで伸びてきて、そこで安定するということが
針葉樹
に多いわけであります。そういうことに御理解願えたらけっこうだと思います。 ただ、どこの山でも、切りっぱなしにしておきまして、それで
針葉樹
がはえてくるというわけには参らぬと思います。で、たとえば一番よく天然にはえて参りますのは赤松でございますが、赤松のような場合におきましても、山頂から次第に入ったものが、山の中腹くらいにくるというと、おのずから自然に
針葉樹
もとまってしまうというような
状況
でございまして、おそらくただいまのお話はそのようなふうな現象をとらまえてのお話だと思うのであります。
安部キミ子
35
○
安部キミ子
君 私は、この日本の
国土
の
状況
を見てみまして、山の木が非常に切られておりまして、終戦直後の
状態
と現在とあまり変っていないような印象を受けるのです。で、終戦直後に
林野庁
では、あの戦時中に切ったいわゆる過伐の
状態
について何とか対策を立てなければいけないというふうなお
考え
を持っておられたと思いますが、
最初
に、
林野庁
がこの
森林
政策にどういう手を打たれたのでしょうか、それをまずお尋ねしておきたいと思います。
石谷憲男
36
○
政府委員
(
石谷憲男
君) 敗戦によりまして、南樺太と、それから北部朝鮮、中部台湾といったような、従来非常な
森林資源
的に見まして富豊な
立木
の包蔵
地域
が失われたわけでございまして、そのことによりまして、先ほど申し上げましたように、従来戦前で九十一億石の
森林蓄積
があったものが、一挙に六十億石に減少して、現在の
状況
は六十六億石でございますが、一応当時の終戦直後の、残された
地域
の
森林蓄積
は六十億石というところであったと思います。そこで、要するに戦前のことを申し上げますというと、大体このサガレン材、あるいは北米、カナダ、あるいは南洋材、こういうものが、多いときには大体二千万石くらいも内地に入っておった。こういう
状況
の上に、国内
資源
的に見ましても、非常に優位なものがあった。それに対しまして、
消費
の面は現在の約半分であった。こういうことでございますから、戦前は要するに国内の
需給
——
木材
に関する、
林産物
に関する
需給
事情
というものは非常に穏やかな立場で推移しておった、こういうことが言えると思うのであります。要するに、この敗戦によりまして大きく
資源
地帯を失ったということと、それから現在の国内における
木材
の価格休系、輸入材のやはり価格というものとの不均衡な点からと、もう
一つ
はそれらの
地域
においても、
木材
をあのなまのままで、丸太のままで出すということについて非常に批判的だといったようなことからいたしまして、現在は年間大体八百万石
程度
のものがやっと国内に入っている。そのうちの七百万石というものはこれは南洋材でございまして——特殊材に使われる南洋材でございまして、その他のものが百万石足らずでございまして、いわば輸入材が国内の
需給
に対しまして相当顕著な影響を、どうこうという
状況
にあるということじゃないわけであります。 その上に持っていきまして、
消費
の面からいいますというと、戦前各地方に進出しておりました
パルプ
工業のごときものが、終戦後は縮小しまして、この四つの島に入ってきた。それから一方この
用材
は、従来は
用材需要
の中の半分というのは、大体土木建築の
用材
であったのですが、近年におきましては、むしろその比率がだんだん減って参りまして、
需要
の絶対量にもかかわりませず、現在の構造材料としての
消費
率は四割くらいになっております。反対に工業原料としてのものが六割くらいという
状況
でございますが、とにもかくにもそういった工業
用材
としてのものが、国内の少い
資源
を目がけて、それに全面的に移動しておるというような
状況
になってきた。 それからまた近年になりまして、建築の不燃化といったようなことから、かなり
木材
の
需要
を節約するような方向がとられつつありまするけれ
ども
、それにもかかわりませず、現在依然として建築
関係
に使われるこの
木材
の
数量
は減っておりません。要するに、
需要
はきわめて旺盛だ、まあこういう
状況
でございまして、当然そこには国内の
森林生産
量と、国内の
消費
との間にきわめて顕著なアンバランスがあるということは、これはもちろん仰せの
通り
でございます。 ところが、一体国内の、先ほど申し上げました二千六百万
町歩
の全
地域
の
森林
が同じようなあるいは
状態
にありますが、
伐採
され、利用され、その後
造林
されるというような、いわゆる稼働
状態
にあるかといいますと、そういう
状態
ではございません。むしろ
地域
の四割というものは、いわゆる道がないままに死蔵されている
資源
であります。という
状況
でございまして、
地域
の四割、
立木蓄積
のおよそ六割は未利用の
状態
だということもほぼ明らかになっておるわけであります。 そこで
林野庁
といたしましては、当面の
消費需要
というものが急速に伸びておるという
状態
に対しまして、これを直接的にどういうように律するというような方策もないわけでございますので、いわゆる奥地未
利用林
に対して林道の開さくをすみやかに行なって、これらを利用可能の
状態
に置くのだという政策が
一つ
、それから戦後に百十五万
町歩
の
造林
の未済地があったわけであります。これに対しましては緊急に
造林
を進めて参るというような
措置
をとる。それと、かたがたあわせまして、この現在
改正
を御審議していただいておりまする
森林法
を、
昭和
二十六年に大
改正
をいたしまして、まあ
幼壮齢林
に対しましては
伐採
の
制限
も行う、それからそれ以上の年令のものに対しては、
伐採
の
届出制
により、
森林伐採
の
実態
というものをできるだけ詳細に把握していく、こういうような
措置
を今まで
実施
して参っておるようなわけであります。
安部キミ子
37
○
安部キミ子
君
昭和
二十六年に
森林法
が強化されまして、その効果が一体あったのですか、ないのですか。
石谷憲男
38
○
政府委員
(
石谷憲男
君) その判断はなかなかむずかしいと思うわけでございまするが、私
ども
といたしましては相応な効果があったと、かように
考え
ておるわけであります。 そこで、
一つ
申し上げておかなくちゃならぬと思うわけでございますが、要するに、現在のこの
森林法
によりまするところの
伐採
の
制限
制度
でございますが、この中に言っておりまするこの適正伐期齢級というものを、樹種ごとにきめておるわけでございます。何でもかんでも
伐採
制度
にかけるわけじゃございませんで、ある
程度
において、ある樹種は一体適正な伐期というものは何年であるかというきめ方を実はいたしております。それでその伐期に到達するまでの間の
立木
を
伐採
しようとする場合におきまして、初めて
許可制
度の
対象
にする。その年令に達しました以降の
立木
の
伐採
は、二カ月の事前
届出
と、こういうことで済ませると、こういうことにいたしておりますわけであります。たとえていいますと、山口県のある
地区
の松につきましては、適正伐期齢級を三十年というきめ方をしております。それで適正伐期齢級と申しまするのは、要するに切りますときの平均
成長量
の最大な時期というものをいわゆる適正伐期齢級と称しております。まあ要するに、その成長まつ盛りにあるものを
許可制
とし、成長が最盛期に達して、それ以降のものはやはり
許可制
度の
対象
にすることは無理だ、これは
届出制
度でもって
実態把握
をしよう、こういうことでございます。 そこで、
伐採許可制度
にかけるものの
数量
でございますが、今申し上げましたようなやり方でございまするからして、ある
地域
において
伐採
を
許可
し得る
数量
の限度というものは幾らかというものを計算をしまして、これを与えておるわけでございます。そのいわゆる計算のもとになっておるのは、その
地域
の現在あります
立木
の毎年の
成長量
でございます。毎年の
成長量
をもとにいたしまして、
森林
区という単位ごとにその
地域
内で切れますところの
伐採許可
をしてもよろしい
数量
の限度というものを設けまして、その限度内のものについて
伐採許可
の
申請
を待って逐次
許可
をして参る、こういうような
状況
になっております。 それで、私
ども
がこの
森林法
改正
を二十六年にいたしましたときにおきましては、おそらく
全国
一せいに、各
森林
区ごとに
伐採
の許容し得る限度以上の
伐採許可
の
申請
があるものだというように
考え
て、
実施
に取り組んだわけでございまするけれ
ども
、その後の
実施
過程を見まするというと、
針葉樹
につきましては、
森林
区の七五%は確かにオーバーしておる、残りの二五%は許容し得る限度の範囲内にあるという
状況
が出ております。そこで七五%の
伐採許可
の限度をこえた
申請
の出ましたものにつきましては、事実この
制度
の運用によりまして、それは
許容限度
以内に押えられるということでございます。私はそれ相応にやはり効果があったものだというように
考え
ております。
安部キミ子
39
○
安部キミ子
君 先ほどあなたの提案
説明
を聞いておりましても、このままでほおっておいたら大へんなことになるというような印象を受けた。そして今ここに出されております
計画
、
森林
計画
の表を見ましても、私はこういうふうなことも必要でしょうが、もっと根本的なことをした方がより
計画
なり目標に早く達せられるのじゃないかということを
考え
る。終戦直後農地は解放されましたけれ
ども
、
森林
は解放されない
ため
に、
民有林
にあっては、一部の地主が広範な
地域
を私有しているわけです。その人たちは自分の都合で勝手にどんどん売っておるのですね。これに対して押える
法律
というものがないわけなんです。でありますから、貨車など見ましても、あの木が適齢期であろうなどと思えないような、まあせめて十五年になったかならないか、まあ年令でいえば中学生ぐらいの成長期の木が、どんどん切られて
パルプ
工場に運ばれておる。
パルプ
工場の周囲を見てごらんなさい。あれだけの木が切られておるというこの事実を、私は非常に不思議に思うておるわけなんです。全く無
政府
状態
じゃないか、
森林
政策については無
政府
状態
じゃないか、こういうふうな印象も受けるわけです。汽車の中から山を見ましても、ほとんど終戦直後の山の形状と変っていないというような印象を受けて、それよりかもっとまた頭がはげていきよる、木が切られていきよるというふうな印象を受けるのですが、その根本的な問題として、民有地を解放すると申しましても、一応
政府
が買い取らなければならないだろうし、
計画
的な充実した
計画
を立てるには、やはり
政府
が
計画
した方がいいと思んです。そういう意味で、民有地を
政府
が買い上げて根本的な林業政策を立てる御意思はないのかどうか。
石谷憲男
40
○
政府委員
(
石谷憲男
君) 私
ども
は、現在の民有地を国の手で買い上げて、その上で
国有林
として
計画
を立てて参る、こういう
考え
方は持っておりません。ただ、私有地に対しまして
許可
かあるいは
届出
ということでないというと、自分のものが全然切られないというような
制度
を設けておりますことは、これは明らかに戦後の荒廃した
森林
に対しまする緊急
措置
としてやられておる、私
ども
はこういうように
考え
ておるわけでありまして、要するに、今のお話でございまするが、どんどん
パルプ
資材なんかとして若いものが切られておるというお話でございますが、これは私
ども
といたしましては、かりに適正な伐期というものをきめております場合に、それ以前に、達するまでのものが無
許可
で切られておるとするならば、これは違法だということになると思います。以前のものでありましても、
許可
し得る限度までのものとしましては、これは
許可
をいたしておるわけでございます。それから一見されます、丸太でございましょうけれ
ども
、あれはやはり元から、末からのものが全部ああいう貯木場に出ておるわけでございます。そこの部分だけごらんになると、十五年生かあるいは十二、三年生というものがある場合でありましても、必ずしもそれは元の丸太じゃないということになりまするというと、そういうようなごらんになり方も実はできるわけでございます。 それからまあ、この戦後の
状態
から全然変っておらぬじゃないかというようなお話でございますが、とにもかくにも、先ほど申し上げました、終戦直後百十五万
町歩
にも達しました
造林
の未済地は、
昭和
三十一年度でもって全部
造林
を完了するわけでございます。ただ木を植えただけでは、やはり手入れがそれに続きませんというと、なかなか成林しがたいという実情というものは確かにありますけれ
ども
、私
ども
承知
しておる限りにおきましては、
造林事業
は大体
計画
通り
に進行しておるということでございまするので、私は、しさいにごらんいただきまするというと、戦後の荒れた
状態
からは相当
程度
に回復しておるというように
考え
ておるわけでございます。
安部キミ子
41
○
安部キミ子
君 私の知っておるある大地主さんは、切りっぱなしなんです。木を売って、あと、なさらない。まあ三十年なり五十年なりすれば金にもなりましょうけれ
ども
、
造林
してもすぐ金にはならぬというので、なさらないという所が相当広範囲にあるんですね。こういうときには
政府
はどういう手を打たれるんですか。
石谷憲男
42
○
政府委員
(
石谷憲男
君) 現在の
森林法
によりますというと、例の
森林
区
施業計画
という
計画
がございます。これは五ヵ年を一期にする
計画
でございますが、その
計画
によりまして、そのいわゆる五ヵ年でございます
計画
の
実施
期間中に
造林
をしなければならぬ最小限度の
面積
というものは、指定されることになっております。その
森林
区
施業計画
に基きまして、毎年の
森林
区
実施計画
という
計画
が、これは策定されることになっておるわけでございますが、この
計画
によりますというと、
森林
区
施業計画
の中に盛られたいわゆる
造林
の最小限
面積
というものに基きまして個所別に
造林
すべき所を指定をすることになっております。それで、それがどうしても苗木の
需給
だとかあるいは
造林
資金の確保の問題とかいうことで、
造林
ができかねるというような場合におきましては、部分的に
計画
を変更いたしまして、
造林
をしない。その年に
造林
を指定されたところの
造林
をしなくてもいいというような扱いをしておるわけでございまして、まあ私
ども
といたしましては、そういう特殊な事例がある場合もあるかと思いまするが、最近におきましては、大体今申し上げました最小限
面積
というふうに指定して参りましたものに対して、約三割ずつの
増加
造林
が毎年
実行
できるというふうな
状況
にもありまするので、今のようなお話はきわめて特殊な異例のものじゃなかろうか、かように
考え
ておるわけです。
安部キミ子
43
○
安部キミ子
君 いわゆる
民有林
ですけれ
ども
、戦時中に
保安林
がずいぶん軍部の方で切られたんです。ところが、これも今申しましたように、何の自後の
措置
がしてない。いわゆる
造林
がしてない所がたくさんある。そういうときに、
政府
はどうなさるか。
石谷憲男
44
○
政府委員
(
石谷憲男
君) お説のように、従来
保安林
でありましたものが、戦時中にいわゆる正規の手続を経ないで
伐採
しておるというような事例も確かにたくさんあると思います。それから戦後の緊急開墾といったような
事態
下におきましても、
保安林
がそのまま、解除の手続を経ないで、緊急開拓の用に供されたという事例も、決して少くはないわけでございます。しかしながら、やはり林業政策の面におきましては、この保安
制度
の運用というものを的確に行なって参ることは、ぜひとも必要な
措置
でありますので、戦後いち早く
保安林
の整備事業というものを取り上げまして、現在
保安林
の指定というものを進めつつあるわけでございまして、大体四百万
町歩
の
保安林
の設定を目標にいたしまして、現在はかれこれ二百六十万
町歩
ばかりの
保安林
の指定を行なっておるということに相なっておるわけでございます。 それから、理由なくして
保安林
について
現状
を変更したような場合におきましては、
造林
命令の
措置
をいたす手続も実はあるわけでございまして、本案につきましては、
伐採
につきましても、
現行
法によりますというと、すべての林が
許可制
度の
対象
になっております。
普通林
でありますというと、ただいま申し上げました、ある
一定
の年令以上になれば
届出
で済むという林も、
保安林
でありますというとすべてこれは
許可制
度をとっております。かなりむずかしい
内容
の
施業
要件というものを、
保安林
の一筆ごとの団地に対しまして与えておりまして、かなりむずかしい
森林
取扱い上の規制を加えて、
保安林
の完璧をはかっておるという
状況
でございます。
安部キミ子
45
○
安部キミ子
君 私が一番心配しますのは、局長が植林の
状況
がうまくいっているように
説明
なさいますけれ
ども
、実際は私はそうでないように思うのです。汽車に乗ってお歩きになってもわかるように、ずっと東海道、東京から下関、九州まで歩いてごらんになったら、あの
通り
でしょう。もう山はみんな木らしい木はありませんよ。それでこの
計画
の
通り
になさるとすれば、何年であれがりっぱに
造林
できる見積りですか。
石谷憲男
46
○
政府委員
(
石谷憲男
君) 鉄道沿線からごらんいただきますというと、木らしい木はなくなっているということでございますが、あの
地域
の、鉄道から見られる
地域
の中でも、
森林
として将来これを
計画
して参るという
対象
に対しましては、小さい木が、苗木が植わっておるという
状況
が至る所にごらんいただけると思います。 それからもう
一つ
は、松等の場合におきましても、要するに、最後に先生から御質問がございましたけれ
ども
、確かに林業にも適地適木という観念があるのでありますが、
造林
をもってしてはなかなか
森林
になり得ないというものもあると思います。林地をかき起すという
措置
によりまして、自然に天然下種によって山ができ上ってくる。松というものは大体そういうことでございます。もちろん植える場合もありますけれ
ども
、そういう
方法
をとっておるということでございますからして、私
ども
といたしましては、大体
造林
計画
の線に沿いまして必要な所は進んでおるというようにお
考え
いただきまして、けっこうでございます。さように
考え
ます。
安部キミ子
47
○
安部キミ子
君 それからバルブ会社との契約なんですが、売買に当って非常に高く買うように目の先では
考え
られるので、
民有林
の所有者はみんな今山の木を切っています。私の知っている範囲でも、相当どんどん切っております。こういうことは何とか手を打たなきゃ、やっぱり金に困ったりすれば、金ほしさに、どんどん適齢期でない木を切って売っております。それから
パルプ
会社の方でも、良心的にそういうふうなものを押えりゃいいんですけれ
ども
、自分の事業のことを
考え
て、少々高く出せば買える、高く出すから山を切れというふうな働きかけをしておるわけなんですね。こういうことは、私は、あなたがいろいろ
計画
なさいましても、結局賽の河原じゃないかと、こう思うわけです。これに対してあなたの方で何か打つ手がありますか。
石谷憲男
48
○
政府委員
(
石谷憲男
君) これは、どんどん若い木が無
計画
に切られておるというようにお
考え
いただいておるようでございますが、これはそういうわけぢゃないのでございます。ある
森林
区という単位について、そこで
伐採許可
の許し得る、許容し得る限度の
数量
というものの中では、確かに
伐採許可
を受けまして若い木も切られておる。しかし、それは無
制限
じゃなくて、その限界内にはとどまっておる、こういうことに相なるわけでございます。
安部キミ子
49
○
安部キミ子
君 それは、
法律
はそうなっておりましょうけれ
ども
、困っておる農家はそういうことを無視して、隠れるようにして切っておるのが実情なんですよ。私の家も少し山を持っておりますし、親類なんかでもそういう形で売っておりますが、これは私は重大事だと思うんですよ。そういうことを私はお尋ねしておるわけです。
石谷憲男
50
○
政府委員
(
石谷憲男
君) 今申し上げましたように、限度の範囲内で
許可
をすることになっております。ところが、地方によりましては、ただいまお話のありましたように、最近
パルプ
会社が非常に買いあさっておるということになりまするというと、要するに、
伐採許可
の
申請
というものがどんどん出て参るわけでございます。そうすると、
伐採許可
の
申請
量というものが
許可
をし得る限度をオーバーするという場合が当然出てくるわけでございます。そういうものを
許可
をしない場合におきましては、
伐採
調整資金という金の貸し出しによりましてやはり生活緩和をして参る。これはいわゆる
森林
組合を通じて貸付をいたしておりまするが、一件につきましては三十万円が限度でございます。きわめて金利の低いいわゆる生活資金としての役立ちをするような
伐採
調整資金というものの貸し出しが、ただいま申し上げましたようなケースには適用される。大体年間二十億ぐらいな金の貸付をいたしておるわけでございます。それによって私
ども
は当然、従来であれば生活に困って切りたいという
希望
を持たれる人が、この
制限
制度
の
ため
に一応
許可
にならないという
対象
を救う
方法
として、そういう
制度
を採用しておるわけでございます。
清澤俊英
51
○
清澤
俊英君 二点、お伺いしたいと思います。というのは、頂戴しました要項の第三のところに、三行目に、「
普通林
の
立木
」となっていますが、はなはだ不勉強で、
普通林
というのがわかりませんが、こいつを
一つ
教えていただきたい。 それから同じページのうしろから二行目に、「認定の基準その他必要な
事項
は政令で定めるものとし」と、こうなっているが、政令が今もありますね。現在の政令でこの問題については出ているのがある。その政令のどの部分が大体違うということでよろしいですから、なるべく簡単に御
説明
を願いたい、あまりたくさん言われると、わからなくなりますから。わかりましたが……。
石谷憲男
52
○
政府委員
(
石谷憲男
君) 要綱でございますね。
清澤俊英
53
○
清澤
俊英君
法律案
要綱の第三に、「
森林
の
立木
」となって、「
普通林
の
立木
のうち」と、こうあります。その
普通林
というのが不勉強でわかりませんから、わかるようにしていただきたいと思います。 それから最後から二行目で、「認定の基準その他必要な
事項
は政令で定めるものとし」、これは全部お聞きしないでいいが、現在あるもののうち、もし変るものがあったらどれどれ、こういうふうに、ごく簡単に教えていただきたい。 それからその次に、
市町村等
に所要の援助を
都道府県知事
はなすことができるというが、この援助の意味はどういうことをいうのか。金を出してやるというようなことになりますれば、非常に喜んでするんだろうが、それを「援助を行い得るものとする」ということは、援助を行い得るものとする……。別にしなくてもよろしい、こういうことになるが、ここがちょっとどういう意味合いでこういうものができ上っておるか、三点をまずお聞きしたい。
石谷憲男
54
○
政府委員
(
石谷憲男
君)
最初
でございますが、
普通林
と申しますのは、要するに、
制限
林に対しましてまあ
普通林
という言葉を使っておるわけでございます。法令等によりまして
森林
の取扱いがさまざまに
制限
を受けるものがあるわけでございまして、そういうようなものを
制限
林と称しております。まあ
保安林
あたりも
制限
林の
一つ
になっております。国立公園の特別
地域
というようなものも
制限
林の
一つ
になっております。そういうような
制限
のないいわゆる
森林
の
地域
を
普通林
と、まあこう言っているわけでございます。 それから次の、終りから二行目の、「
経営計画
に定める
事項
及びその
経営計画
の認定の基準その他必要な
事項
は政令で定める」と書いてありますが、これは実は今まできめておる
経営計画
というのは、今回の
改正
によりまして、初めて
公有林
だけについて
考え
ようということでございまして、これは今「基準その他必要な
事項
は政令で定める」といっておりまするその政令
事項
というものは、これから定めるものでございまして、従来はないわけでございます。 それから、援助ということでございますが、これはいわゆるそういう
計画
案を作りまするもとの調査、あるいは
計画
案の編成というものに対しまする予算的な援助でございます。
清澤俊英
55
○
清澤
俊英君
市町村等
に所要の援助を行わなければならないんでなくして、「行い得るものとする」というんですから、ここはどうもおかしいんですがね。いやだきゃ、しないでいい。「援助を行い得るものとする」と、こうなっておりますから、だから、そういう
申請
があったら、予算のかかることだから、
都道府県知事
はこれの援助を行わなくてもいいことになる。やっぱりこれは成文の何かの
関係
かと思いますがね。
石谷憲男
56
○
政府委員
(
石谷憲男
君) まあそういうことは実際問題としてないと思いますけれ
ども
、
市町村
が
希望
がなければまあやるというわけにいかないということでございます。それから、
市町村
に実際それだけのことがやり得る
能力
があれば、まあやらない場合もあり得るということなものですから、「行い得る」というふうにしたわけでございます。
清澤俊英
57
○
清澤
俊英君 次に、さっきからずっとお伺いしておりますと、ちょっとわかるようでわからぬところがあるのです。というのは、
用材
はだんだん少くなってきて、いろいろな
制限
林を設けたりして、これから
森林
の増産拡大をはかっていこうと、こういう趣旨であります、これが。ところが、この法案を見ますと、
許可制
を廃止して認可制にする。しかも、これを
都道府県知事
の認可制に移すというようなことになりましたら、これは実情から見れば、どうも野放図な認可が行われやせぬか、こういうことが
考え
られる。これはやはりそういうめんどうが抜ければ、だんだん過伐傾向が出てくると思うのに、この法案を読みしなに
考え
ているとき、こういった目的と
改正
が逆行しているようなものが感じられますが、その点は大丈夫ですか。
石谷憲男
58
○
政府委員
(
石谷憲男
君) これはまあざっと申し上げますというと、要するに、
広葉樹
につきましては、大体
消費需要
の
実態
というものが、上
向き
ではなくて横ばいの傾向をさらに示しておる。従いまして、これに対しましては、あながち
許可制
度というむずかしい
制度
の体制をとらなくてもいけるんじゃないか。と申しますのは、
許可制
度の
対象
になりまする扱い件数でございますが、
薪炭林
の場合に約二十万件あるわけでございます。それから、
用材
林の場合に約二十万件、両方で四十万件あるわけでございます。非常にまあ手数をかけた
制度
の運用になっているわけでございます。にもかかわらず、実際問題といたしまするというと、
伐採許可
の
制度
にはかけておるが、実体的には
伐採許可
の
制度
というのがあってもなくても同じに近いような
実態
が、
広葉樹
林の
薪炭林
についてはありますから、これをやめまして、ところが一方、
針葉樹
の
用材
林ということになりますというと、これはもう、先ほどのお話にもありましたように、もう
パルプ
産業
その他の
需要
がどんどんふえて参りますのに伴いまして、非常に急速度でふえておるわけでございます。ところが一方、
資源
の面から見ますというと、さっぱりこれは急速に
資源
をふやすというわけにいかない。そこでいわゆる
消費
と供給の不つり合いが生じておるわけであります。この方にこそ
伐採制限
制度
というものの一そう的確さを期して行かなければならぬ。そこで、私
ども
といたしましては、従来あってなきがごときといいますか、そういう言い方はちょっと語弊があると思いますが、そういう存在でありました
広葉樹
薪炭林
の
制限
制度
をはずすことによりまして浮いてくる手をもって、
必要性
の増しております
針葉樹
の
用材
林に対する
伐採制限
の
実施
に当てて参る。そのことによりまして、従来年二回、二月と六月に
許可
の締め切りをやっておったのですが、それをさらに二回ふやすということによって、いわゆる
伐採許可制度
の運用というものが取引その他の
実態
に合って参りますから、そういう面からもこういう
制度
に服しやすくする。こういう、いわば五カ年間やってみました上で、現実に何といいますか、手直しした方がいい点について手直しをした、こういうような意味にお
考え
いただきますればけっこうかと思います。
河野謙三
59
○河野謙三君 長官にお伺いするのは適当でないかもしれませんけれ
ども
、
一つ
伺いたいのは、県並びに
市町村
の所有する山林ですね、これの評価基準というものは、国の持ついわゆる
国有林
の評価基準というものと合致したものですか。もっと平たく言うと、村が、あなたの方から山を
払い下げ
ますね、そうした場合に、村有
財産
として評価をしますね。その場合の評価基準というものと、国が従来やっている評価基準というものと、何か連絡があるのですか。
石谷憲男
60
○
政府委員
(
石谷憲男
君) これは法的な連絡だとか、あるいは格別それ以外でも連絡めいたものはございません。ただ、私の方では、
国有林
を売り払いまする場合の基準をきめておるというだけでございまして、
民有林
の場合は、県
有林
、公
私有林
を問わず、どのような基準を採用しなきゃならぬというようなことにつきましては、何も
関係
ございません。
河野謙三
61
○河野謙三君 これを統一する必要があるということを認められておりますか。
石谷憲男
62
○
政府委員
(
石谷憲男
君) その
必要性
を認めるという問題につきましては、そういう事件に逢着したこともないのですが、研究はしてみたいと思います。
河野謙三
63
○河野謙三君 私がお伺いするのは、最近の
町村合併
以来、特に
市町村
が
国有林
の
払い下げ
ということを非常に
希望
するわけですね。その
一つ
の理由として、新
市町村
が
財産
のバランスを合せる
ため
に、国からたとえば
払い下げ
たものが千円の評価になっておる。ところが、
払い下げ
を受けると、とたんに今度それを五千円に評価するということによって、
市町村
のバランスが非常に合ってくるわけです。そういう必要上、
国有林
の
払い下げ
ということが非常に盛んに行われているということも私はあると思うのですよ。これはまあ邪道ですね、そういう意味で
町村
が
国有林
の
払い下げ
を受けるということは。別の意味でならいいですよ。そういう点が私はあると思うのですが、そういうことがあるとすれば、評価基準というものを、国の行う評価基準と、
市町村
の評価基準というものは、必ずしも一致しなくてもいいが何か
一つ
の基準を設けなきゃいかぬじゃないか。これは
自治庁
の方の問題でもあり、大蔵省の方の問題であるかもしらぬけれ
ども
、同時に、盛んに今日のように
市町村
から山林の
払い下げ
についてあなたの方に申し込みがあった場合、これに対する対策としても、
一つ
そこの点に私は検討を要する点があると思うのですが、いかがでしょうか。
石谷憲男
64
○
政府委員
(
石谷憲男
君) これは、おっしゃるように、あるいは
自治庁
の問題かと思いますが、先ほど私から申し上げましたように、現に
町村合併
に伴う
国有林野
の売り払いもどんどん進行しておりますので、私
ども
の方からそういうことを強く申し入れいたしまして、何か統一された評価基準というものを設けてもらうようにいたすように、取り計らいます。
河野謙三
65
○河野謙三君 それから、ついでにもう
一つ
お伺いしたいのですが、本年度の
林野庁
の特別会計において、これは黒字はきまっておりますが、食糧庁と違って黒字にはきまっているでしょうけれ
ども
、大体の見通しはどうですか。
石谷憲男
66
○
政府委員
(
石谷憲男
君) 三十一年度でございますが、大体
国有林野
事業特別会計の予算は、御
承知
のように、収支均衡のつくようになっております。四百十億の規模で、収支相均衡をするという
状況
になっております。それで実は年度の当初におきましては、とうてい四百十億の収入が
木材
市況の
状況
によりまして確保できないということで、私
ども
は
実施
面におきまして相当
程度
歳出予算をしぼって事業
計画
を立て、
実施
いたしたのであります。たしか三百六十億にしぼったと
承知
しておりますが、そうしますと、年度当初には大体三百六十億くらいの収入しか予定できないということでもって、支出をしぼった。そこで、それに比べますと、おそらく六十億ぐらいな増収になるかと思いますが、成立をしております予算に比べますというと、大体十億くらいが予算額をオーバーして歳計剰余金に入っていく金額になるだろう、こんなふうに
考え
ております。
河野謙三
67
○河野謙三君 そういたしますと、今予想ですけれ
ども
、収支どのくらいの黒字が出て、国庫に納め得る額というものはどのくらいございますか。
石谷憲男
68
○
政府委員
(
石谷憲男
君) これは一応国庫ということでございますが、国庫にそのまま納入されるということには相なっておりませんので、一応歳計剰余金という形で
国有林野
事業特別会計の中に残るわけでございます。これは資金運用部に預託をするということになっております。従いまして、この収入予算できめられた収入以上に超過して収入されたものは、いずれも歳計剰余金としてそのまま振り向けられる。その額を一応予算面で対比いたしますと、十億前後ということになります。こういうふうに
考え
ております。 ただこの年度の中途におきまして、だいぶ予算をしぼって参ったのでございますが、仕事によりましては年度の中途に、大体収入が期待されるという段階になりましてから、ずっと事業
計画
を広げていきまして、予算まで到達させようというのもございますが、ものによりますというと、そういうわけにもいかないものが出て参りますので、これは不用額として年度末に残す、不用額が今年は若干出て参るのじゃないかと、かように
考え
ております。それはそのまま歳計剰余金の方に残る、こういうことに相なっております。
河野謙三
69
○河野謙三君 ところで、ラフな
数字
でけっこうですが、本年度は大体
林野庁
で、この
木材
を
林野庁
が買却する
石数
ですね、金額はどれくらいでございますか。
石谷憲男
70
○
政府委員
(
石谷憲男
君) 三十一年度ですか……。大体四百十億の中で九二%くらいな
木材
、
石数
にいたしまして五千六百万石、これが
生産
計画
でございまして、これはちょっと調べまして……。
河野謙三
71
○河野謙三君 しろうとですから、こまかいことは伺いませんが、かりに五千六百万石といたしますと、年間国内で流通する
木材
の量の何%くらいに当るのですか。
石谷憲男
72
○
政府委員
(
石谷憲男
君) 大体四分の一でございます。
河野謙三
73
○河野謙三君 四分の一に該当する
数量
が国の手によって市場に出されるということになりますと、この
数量
によって
木材
の価格のコントロールというものは自由自在にできると思うのですが、
木材
の価格のコントロールということについての使命を果す
ため
にどういう
措置
をとっておられますか。
石谷憲男
74
○
政府委員
(
石谷憲男
君) 今申し上げました五千六百万石というのは、三十一年度は非常に膨張しておるというように
考え
ております。平常年度におきましては大体四千五、六百万石というのが
国有林
の標準でございます。 それで、今お話しのように、確かに国内年間
消費
の四分の一近いものを
国有林
で
生産
しておるということになれば、価格調整の面について相当の働きがあるのではないかというふうなことでございますが、御
承知
のように、
国有林
の非常に主要な部分というのは北海道、東北であります。それから今おっしゃるような意味合いのことは、北海道
地域
におきましてはやり得ると思いますが、東北
地区
におきまするというと、出て参りまするものが、いわゆる秋田の天然杉、青森のヒバとかいったような、いわば特殊な
国有林
だけが
生産
しているというものでございますから、要するに、
国有林
で売り払いますものがいわば価格を作るというような
状態
になっております。北海道のものにいたしますというと、大体道内で、これはほとんで平常な
状態
においては北海道は道内
消費
でございます。これは二十九年度の風害が発生いたします前の
状況
から見ますと、大体千七、八百万石ぐらいのものが年間の
消費
であると思います。この中の約七五%というものは
国有林
でございます。北海道におきましては特に、
国有林
において売り払いまする価格というものが逆に道内価格を形成することになっております。まあこういうような
状況
に目下あるわけでございまして、その
ため
格別
国有林
でこの価格操作というようなところを意識的にやっている
状況
は今までないわけでございますが、要するに、
国有林
の売払価格というものが道内の市場価格というものを作り、また
国有林
の売り払いの建前は、道内の市場価格をもとにして
国有林
の売払価格を作るという建前で、非常にその辺の取りきめがむずかしいという
状況
でございます。
河野謙三
75
○河野謙三君 私は、その点は
林野庁
として非常に積極性を欠いておったと思うのですが、これは、
林野庁
の使命は
国土
の
保全
、
森林資源
の保護ということが大きな使命であるということは間違いないけれ
ども
、現在のような膨大な
国有林
を持ち、今お話にありますような莫大な
払い下げ
をしている
林野庁
が、もっと積極的に、
林野庁
の三大使命といいますか、その
一つ
の使命の中に、国内の
木材
の価格調整を
林野庁
が使命とするというのは、これは当然の使命であると思います。それに向って積極的であるべきだと、私はそう思うんですよ。それであればこそ、そういう前提に立ちまして、あなたの方で直接に製材所を持ったり、その他いろいろ加工施設を持つということはわかるけれ
ども
、そういう使命も持たないで、何がゆえに製材その他の加工施設をあなたの方でやっていなければならぬか。それが単なる試験の
程度
で、もっと、のこぎりをどういうふうに改良するとか、
伐採
をどういうふうに改良するとかいうことなら、試験の
程度
でできることであって、あなたの事業がいかに特別会計であるからといって、製材とか炭焼きまで、そんなことまで私はやる必要はないと思う。これは特別会計の中で、あなたの方の製材の収支は一体どうなっているか、炭焼き小屋の収支はどうなっているのか、こういう収支は一体どうなっているのか。私は収支は大してよくないと思います。きわめて非能率的なものだと思います。そういう非能率的なものを何が
ため
にやっていなければならぬか。極端にいえば、山から全部山師に売ってしまったらいいんじゃないかと思うのですが、ところが、それを製材し、さらに製材することによって国内の
木材
価格のコントロール、それから品質の改善、こういうことまで行くなら、そこに私は意味があると思う。そこのところは一体どうなんですか。
石谷憲男
76
○
政府委員
(
石谷憲男
君) これは御指摘の
通り
でございまして、実は
昭和
の初めに、先ほど問題になりました例の
広葉樹
の利用
促進
ということが非常にやかましく取り上げられまして、当時
広葉樹
材の中で大宗をなすものはブナでございますが、ブナはたとえば炭に焼くとか、あるいはげたの歯に使うというような非常に限られた用途しかなかった。新たな用途の面から
開発
が進まない。そのときに、いわゆるブナのフローリングとか、あるいはブナの羽目板とかいったようなことで、建築材としてブナを使うというようなことを取り上げたわけでございます。その
ため
には、なかなか民間企業としてはこれを取り上げにくいということから国が率先
広葉樹
材の製材事業というものを始めたというのが、いわば現在の
国有林
の製材事業までやっておりますもとであります。ところが、大体そういうふうな時代的な使命というものは果し終えた
現状
であります。昨今の情勢からいたしますというと、確かに、
一般
の民間企業に比べて非能率ではないかという御指摘もございますが、私
ども
といたしましては、できるだけすみやかにこれを取りやめたいという
方針
で実ば整備をいたしておるわけであります。 それから木炭の場合でございますが、これは積極的に木炭
生産
というものを国が行なって参るというような意図じゃございませんけれ
ども
、天然生林を切りまして、そうして跡地に
造林
をして参る場合に、
用材
だけはとにかく何とか間に合っていけるわけでありますが、その跡には何にもならないような木というものが非常にたくさん残るわけであります。そうしますというと、これは炭でも焼くか何かしませんと、跡地の
造林
ができないというような
状況
もございまして、むしろ私
ども
が官行製炭をやり、現在やります場合の
考え
方といたしましては、その跡地
造林
をする場合に、どうしても除去しなければならぬものがある。まあ何とか炭に焼くか何かして除去する以外にないというような所に、官行製炭というものを
計画
していく、こういう
方針
で、実は消極的にやっている
程度
でございます。
河野謙三
77
○河野謙三君 大体私が今申し上げたことについて、その方向でやっておるということでありますから、私もそれでけっこうでありますが、私は資料を要求するのが仕事じゃありませんけれ
ども
、この法案と
関係
なく資料をいただきたいのですが、今お話伺いますと、製材とかその他
林野庁
の事業ですね、そういう加工業、こういう分野はだんだん減らしていくということなんですか。一体、この両三年、それはどの
程度
に漸減の傾向にあるか、
数字
をもって
一つ
お示し願うと同時に、もしさらに将来にわたって三ヵ年なり五ヵ年の間にはどういうふうに整理していくつもりかというのがありましたら、
数字
をお示し願いたいと思います。
石谷憲男
78
○
政府委員
(
石谷憲男
君)
承知
いたしました。
東隆
79
○東隆君 私は不審に感じたことが
一つ
あるのですが、それは阿寒国立公園地帯、あそこに参りましたときに、多分あそこは
国有林
じゃないかと思うのですが、その途中に、観光課の所有地が棒くいが立っているのですね。たとえば雄阿寒の付近でありますが、雄阿寒温泉ですか、あそこに行く途中にそういうような所があるのですね。ああいうような所はおそらく、今度の
改正
なんかが行われますと、
届出
でもって
伐採
される、こんなような問題が起きてくるのじゃないかと思うのですが、そういうような地帯が、実は不思議に感じているのですが、ああいうのはどういうことになっておるのですか。
石谷憲男
80
○
政府委員
(
石谷憲男
君) それはおそらくそういう特別の
地域
になりますと、いわゆる先ほど申し述べました
普通林
でなくして、
制限
林と申しますか、そういう取扱いになっておるのじゃないかと思いますが、
制限
林になっておりますというと、これは明らかにすべての樹木の
伐採
というのは
許可制
度でございますので、問題はないのじゃないかと
考え
ております。
東隆
81
○東隆君 国立公園地帯の中に、特別にああいう
私有林
を認めておるのが少し不思議のように思うのですが、それはどんなような
関係
でできておるのですか。
石谷憲男
82
○
政府委員
(
石谷憲男
君) 後刻よく調べてみますが、私の方で過失その他で認めておるか、さもなくば以前からの
民有林
か、いずれかと思いますが……。
北村暢
83
○北村暢君 「我が国林業の長期見透し」という資料、それの十四ページの上から四行目のところに、「
昭和
三十年度における
木材
の
消費
量は、一億四千五万石に達し」ということがあるのですが、その次のページの、十五ページのまん中辺に、「
昭和
三十年度の
用材
伐採量
一億八千万石は
既開発林
の年
生長量
の約三倍に近い。」こういうふうになっていますね。この
数字
がちょっと、どうしてこういうふうに違うのか。それからもう
一つ
は、今もらった林業
関係
資料のうちの三十七ページの三十二表ですね、「
昭和
三十——七十年の
造林
計画
に基く
森林
成長量
の推移」というところに、三十年度が
用材
と
薪材
とで一億八千万石の
生長量
がある、こういうふうになる。そうすると、この
数字
の統一が、たれが読んだってこれはちょっとわからないのじゃないかと思うのですがね。この点を
一つ
知らしてほしいのですがね。十五ページのところで
用材
の
伐採量
が一億八千万石で、この資料の方の
生長量
の一億八千万石だというと、これは過伐にも何にもならない、とんとんになっておるようにしか
考え
られないのですが、三倍の
生長量
を伐っておるという結果になっておりますが……。
石谷憲男
84
○
政府委員
(
石谷憲男
君) これは一億四千五百万石という三十年度の
木材
消費
量は、これは素材
数量
でございます。それからあとの
用材
伐採量
一億八千万石というのは、これはいわゆる
立木
数量
でございます。それからもう一方の方の資料の三十七ページでございますが、これは要するに
用材
林、
薪炭林
、こういうものを含めまして一億八千万ということでございます。しかも、これはいわゆる未
利用林
の部分の
生長量
も加わっておるということでございまして、従いまして、先ほどの三倍とかいうような
数字
を出します
ため
には、この中の
用材
林の
既開発林
だけの
生長量
に対して三倍ということに相なろうかと思うわけであります。しかも、この一億八千万石も、これは
立木
数でございます。
北村暢
85
○北村暢君 そうすると、未
利用林
も含めての
生長量
の維持というのは、これはしろうとが見ると全くわからないと思うのですけれ
ども
、どういうことなのですか。しろうとが見ると、未
利用林
を含んでおる、大体
既開発林
と未
開発林
の
生長量
が一億一千三百万石くらいと、こういうふうに思っておるんですけれ
ども
、それが一億八千万石となるというと、ちょっと多いような感じがするのですがね。
石谷憲男
86
○
政府委員
(
石谷憲男
君) 九ページに載っけております「
国有林
、
民有林
別
開発
進度別用薪別
資源
表」というやつをごらんいただきますと、その辺の
関係
が比較的はっきりしておるんじゃないかと思います。これによりますと、現在の全
森林
の
成長量
は、既に
開発
、未
開発
、未利用含めまして、一億八千百五十万石ということになっておりまして、そのうち
既開発林
の成長率は一億四百万石ということでございまして、それがさらに
用材
林と
薪炭林
にわけて計上されておるということでありますので、これでごらんいただきますと非常にはっきりするのじゃないかと思います。
北村暢
87
○北村暢君
昭和
七十年度の
需給
の
消費
量が二億八千万石になっておりますね、現在の一億四千五百万石の約倍。そうして二億八千万石で、それに対する
成長量
が三億六千七百万石ということになっておりますが、これはそうすると、
既開発
をしていった後における
成長量
と……。これは未
開発林
全部含めての
成長量
が三億六千七百万石になっているようですから、そうすると、実際に利用のできるものの
成長量
というのは、これは一体どのくらいになっていて、
昭和
七十年における
需要
二億八千万右というものが国内の
成長量
だけで完全にまかなえる、こういうふうに思われるのですが、その点は確実にまかなえるようになるのですか、どうですか。
石谷憲男
88
○
政府委員
(
石谷憲男
君) この三十七ページの表をごらんいただきますと、
昭和
七十年までに至る
森林
成長量
の推移がここに出ておるわけでございますが、これは
用材
林につきまして三億一千二百万石、これが総
成長量
でございますが、これはあくまでも
立木
の
数量
でございます。これから期待されまするいわゆる素材の
数量
は約二億二千万石でございます。それから
昭和
七十年ごろにおけるいわゆる
木材
の
消費
量を推定いたしますと、これが約現在の倍量の二億八千万石、これはあくまでも丸太でございます。従いまして、二億八千万石に対比しますいわゆる成長可能量は二億二千万石、従って依然としてそこに六千万石くらいの不足がある、こういうことになるわけでございます。
北村暢
89
○北村暢君 それで三十一ページのグラフのところにやはり輸入、それから
合理化
によってまかなう分が出ているわけですね。この
合理化
によってまかなうというのはどういう意味なんですか。廃材を利用するとか何とかいうことなんですか、それとも、
消費
の
合理化
をして節約をしていくという意味なんですか。どういう意味なんですか。
石谷憲男
90
○
政府委員
(
石谷憲男
君) 今お説のような意味合いのことももちろん入ると思いますが、御
承知
のように、最近
パルプ
工場などにおきましても、設備の改造によりましていわゆる
生産
原単位というものが引き下っております。それから坑木等に
消費
いたします分は坑内鉄化というような問題とのからみにおきまして、いわゆる一トン採掘いたします
ため
の原単位は現実に引き下げられておるというような
状況
もあるわけでございます。あるいは電柱その他従来くい材として使われておりましたものが、コンクリート・ポールなんかによりましてだいぶ転用されてきておる。従って、電柱材に使われる
木材
の
消費
量が下ってくる。こういうようなものが入っておるというようにお
考え
願ったらけっこうではないかと思います。それから最近の例は、チップ利用が非常に進んでおりまして、従来は薪にしか使われなかったいわゆる廃材と申しますか、チップが
パルプ
材に引き当てられておる。こういうことも利用
合理化
による資材の節約ということになろうと思います。
北村暢
91
○北村暢君 そういうふうに、電柱をコンクリート・ポールにするとかといった
合理化
によるものを、この二億八千万石に入れるというが、私は入れない方がかえっていいのではないか、
消費
の中に入れるのはおかしいじゃないか。輸入は一千万石
程度
で、あとは伸びない。そこで五千万石か六千万石であるならば、あとは育種による
合理化
でやるのだ、こういうことであったが、
合理化
というが、使わないものを計上するのはおかしいと思う。 それからもう
一つ
、現在は
成長量
の約三倍、特に
民有林
は
既開発林
の過伐ということで、約
成長量
の四倍ぐらいを切っておる。
国有林
は三倍にも行っていない。未
開発林
ということが、まだそう
開発
されてない現在には、
既開発林
で
成長量
の四倍に行っておる。現在そういうような
状況
です。それで戦後ずっと緊急
造林
なり何なりやって参りまして、今年度でもって旧
伐採跡地
の
造林
は全部終る、こういうことで、あとは林種改善による
造林
を強化をしていくのが、今度の
法律案
の趣旨のようであります。
既開発林
と今後の
開発
を含めた
成長量
のバランスのとれる年次というものは、一体何年ごろになるのか、何年ごろになれば
成長量
の範囲内で済むことになるのですか。それまでは相当
奥地林
を切っていく
ため
に、
成長量
をオーバーしてくるのではないか、こういうことになるだろうと思います。
昭和
何年ごろに、
成長量
の範囲内で切っていけば
需給
のバランスがとれる年になるのですか。
石谷憲男
92
○
政府委員
(
石谷憲男
君) ただいまの
合理化
によって節約をし得るものは入れない方がいいじゃないかというお話ですが、この二億八千万石を推定いたしておりますその推定要素の中には、
現状
が入っておるわけでございますから、従って今後
一つ
の目標として掲げても、それに達する過程において減っていくというものは、当然減らさなければいかぬじゃないか、そういう意味で、そういうものを入れたというわけです。 それから、ただいまの一体いつになったら
消費
と
伐採
の均衡がとれるかということでございますが、七十年後に千万
町歩
の
造林
を作りまして、七十年後の
需給
推定をやるのだという場合でありましても、やはり六千万石足りない、こういう
数字
でございますから、本来的なやはり
数字
操作の上の
需給
均衡というものは得られないということになると思います。これはたとえば育種事業等によりまして、どれだけのことが一体できるかという問題にかかってくるのではないかと思います。
堀末治
93
○
委員長
(
堀末治
君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
堀末治
94
○
委員長
(
堀末治
君) 速記を起して下さい。 本日は、これにて散会いたします。 午後四時十一分散会