○
説明員(
武田誠三君) 私、
食糧庁総務部長の
武田でございます。長官、ちょっと衆議院の方の
委員会に呼ばれておりますので、私かわりまして御
説明を申し上げたいと思います。
お
手元に「
食糧庁の部」という
プリントを差し上げてございますが、これに基きまして
概略を御
説明申し上げたいと思います。
最初に、予算の
関係から申し上げた方がよろしいかと思いますので、おしまいの方の十八ページ及び十九ページに、三十一年度の
歳出入の見込、それから二十四ページと二十五ページのところに来年度の
歳出入予算の
概要をお示しをいたしております。
で、まず
食糧庁では、御
承知のように、米、
麦——主要食糧としての
米麦の
買い入れ、
売り渡し、これは
国内産のもの並びに
外国産のもの、それからそれによります
主要食糧の
需給の均衡をとるようなことをやってきておるのでありますが、
主要食糧以外のものといたしまして、
農産物価格安定法に基きまして、
イモ類——これは
澱粉あるいは切りぼしカンショの形で
買い入れをし、また大豆、
菜種等につきましての
生産者価格の支持を
目的といたしました
買い入れをやっております。それから
飼料需給安定法に基きまして、
えさの
価格を安定いたさせますために、
外国から、ふすま、トウモロコシ、その他の
飼料を
買い入れまして、これを
国内で
払い下げをいたしまして、
飼料の
価格安定を期しております。そのほかに、もう
一つ、
テンサイ糖の
振興法に基きまして、北海道におきます
テンサイの
買い入れ、
売り渡しを行なっておるわけでございます。従いまして、
食糧管理特別会計におきましては、
食糧管理法に基きます
物資、それから
農産物価格安定法に基きます
物資、
飼料需給安定法に基きます
物資、
テンサイ糖振興法に基きます
物資というふうに、四つの異なる
目的を持った
法体系から出て参りますものを、
買い入れ、
売り渡しをいたしておるわけでございます。
そこで、まず三十一年度の
歳入歳出の
概略は、この十八ページにございまするように、
歳入といたしましては、全体で四千九百二十五億九千四百六十万一千円の
歳入、それに対します歳出五千二百三十八億五千六百九十三万一千円、こういうことに相なっておりまするが、この
損益の
関係は、一ページ前をめくっていただきましたところの、十六ページ及び十七ページにございますが、右側の利益の部の所の一番下の所に、本
年度損失百六十一億四千二百九十八万三千円という金額が掲げられてあるわけでございます。この百六十一億円と申しますものは、いろいろな今申し上げました各主食、あるいは
えさ、
澱粉、そういったものの
損益を全部通計をいたしまして、出て参りました金額になっておるわけでございます。
そこで、この百六十一億円の
部門別の
損益の大要でございますが、
国内の米におきまして、百九十九億の
赤字を予想をいたしております。それから、これは
プリントに書いてございませんのですが、
国内の麦におきまして六十二億の
損失、それから、外米におきまして二億円の
損失、
外国麦におきまして百十九億円のこれは黒字、益であります。それから
農産物、
澱粉等でありますが、これにおきまして六億の
赤字、
テンサイ糖におきまして四億、
飼料におきまして六億、その他で一億、合計いたしまして百六十一億の
損失見込み、大体
部門別にいたしますと、こういう見込みに相なっておるのであります。
それから三十二年度でございますが、三十二年度は、お
手元にお配りしてあります表の中の二十三ページの右側の一番下の所でありますが、本
年度損失百四十一億八千万円、大体百四十二億の
数字を見込んでおるわけでありますが、これを今申し上げました
部門別にいたしますと、
国内の米におきまして百七十三億の
赤字、麦におきまして七十五億の
赤字、それから
外国米におきまして十七億の
赤字、それから
外麦、
輸入麦におきまして百三十二億の黒字、
農産物におきまして二億の赤、
えさで七億の赤、合計いたしまして百四十二億というものを一応予想をいたしておるわけでございます。
食管特別会計の大体の
損益の三十一年度及び三十二年度の見通しといたしましては、今申し上げましたような形に相なっておるわけでございます。
そこで私どもで、今
食糧庁におきましてやっております仕事の
内容につきまして、すでに御
承知と存じますが、ごく
概略御
説明を申し上げたいと思います。
最初に、
食管法に基いております
米麦の
買い入れ、
売り渡しに関します仕事でございますが、これは
国内の米の
集荷につきましては、御
承知のように、三十
年産米から
予約集荷制度、いわゆる
事前売渡申込制度と申しておりますが、従来の強権に基きます
割当供出制度から、事前に農家の方から今年の米についてこの
程度の
売り渡しの
申し込みをするという
予約をしていただきまして、それに基いて
買い入れを行うという
制度を
実施いたしております。
予約集荷制度の
概要は、おおむね作付前を本来目途といたしておるのでありますが、いろいろ米価の
関係その他で、六月ないし七月のころにおきまして各
生産者からその
生産者が
登録をいたしております
指定集荷業者、これは大
部分が
農業協同組合でありますが、そのほか一部
集荷商人が入っておりますが、自分の
登録しております
指定集荷業者にその年にとれます米について、何ぼの
売り渡しをしたいということの
申し込みをしていただくわけであります。その
申し込みに伴いまして、
石当り二千円の
概算金を支払うということにいたしまして、おおむね七月末日ごろまでに
予約の受け付けを完了をいたすわけであります。その後、実際の
集荷高その他が明らかになりました時期に、凶作その他によりまして当初の
予約数量を
政府に
売り渡しができないという場合には、それにつきまして補正をいたしておるのであります。そういうような形で最終的にきまりましたものを、法規上は
供出割当をするという、これはまあ形だけの問題になりますが、ということで、
集荷をいたしておるわけでございます。今日までの米の
集荷の
実績は、ここの第一ページにございまするような
数字をたどっておりますが、三十
年産米は、御
承知のように、非常な大豊作でありまして、最終の買入
数量は三千百八十九万八千石という大きな
数字になっております。それから三十一
年産米、昨
年産米につきましては、この表は十二月十日で古い
数字になっておりますが、最近現在で二千八百四十八万九千石、約二千八百五十万石の
集荷の成績を上げておるわけでございます。そういう形で
国内の米につきましては
集荷をいたしております。
かようにいたしまして
買い入れをいたしました米を
配給に乗せているわけでございますが、
配給関係につきましては、四ページの所に各
米穀年度別の
配給数量と
配給辞退の状態を表にしてお示ししてございますが、これを
政府から米の卸屋さんを通じて各
消費者に
配給をいたしているわけでありますが、御
承知のように、
生産県とそれから著しく不足をいたします
消費県とございます。そこで
東北北陸のような過剰の地帯から、京浜、京阪神といったような
消費地帯に米の輸送をいたしまして、それを各県の
卸売業者に毎月売却の割当をいたしまして、
売り渡しをいたしまして、かつ、それが
小売を通じて
消費者の方に流れていくということになっております。
現在、米の
配給日数につきましては、
生産県におきましては、
内地米の
基本配給を十日、それから
中間県、これは米を搬出もしないし、また搬入もいたさない、いわば自給自足の県でありますが、これらの県に対しましては、
基本配給としておおむね九日分、それから
消費県におきましては、
内地米の
基本配給は八日ということで
実施をいたしております。そのほかに、
希望配給といたしましては、各県を通じて十日分の
内地米の
希望配給をやっておるという形でございます。そのほかに、
内地米の
配給といたしましては、従来の
労務加配米、これが昨年の十月から
職場配給というように形が変ったのでありますが、いわば、
職場における各労務者に対しての
食糧の
配給を、
職場を通じて行うという
制度を別途に行なっております。これが大
部分の
内地米の
配給でありますが、そのほかに、一部
飲食店に対しまして
配給いたします
業務用米の
配給制度、これを
実施いたしております。そのほか、
内地米の大きな
需要の
一つといたしまして、いわゆる
酒米がございます。
酒米につきましては、特に
特定の
酒米品種というものがございますので、これは一般の米よりやや高く買入れをいたしまして、また高く酒屋さんに
払い下げをいたしておるという形になっております。この
酒米の
需要量は、おおむね百二十万石ないし百三十万石くらいの
数字に達しております。
そのような形で
内地米の
配給をいたしておるのでありますが、最近の
配給実績というものは、この五ページの31・R・Yと書いてあります三十一
米穀年度におきまする大体の推定は、
基本配給におきましては約九一%の
有効需要であります。九%
程度の
配給辞退が年間を通じてあった。それから
希望配給におきましては、五四%の
配給辞退で、
有効需要としては四五%というような
程度に相なっております。これは、
基本配給における
配給辞退は、主として
東北地帯において起っているものであります。それから
希望配給につきましては、これは東北、
北陸等の大
生産県におきましては、むしろほとんど、
有効需要と申しますか、受配がきわめて少い。ほとんどゼロに近い県が相当あったわけでございます。大
消費地におきましては非常に高い
有効需要を示しておりますが、
希望配給における
受配状況というものは、
生産県、
中間県、
消費県によりまして非常に率が違っております。最近、三十一
米穀年度は三十
年産米の豊作の影響が非常に大きく現われておりまして、最近の一月から二月にかけまして、
基本配給、
希望配給、ともに
相当程度の
有効需要の伸びを示しかけてきております。
大体
内地米につきましては、今申し上げましたような形で
集荷を行い、また
配給を行なっておるわけでありますが、この
配給の面におきまして、
卸売業者、
小売業者、
消費者の間の
結びつきの
関係でございますが、これは
消費者が各
小売業者に
登録をしていただきまして、さらに
小売は
特定の卸しに
登録をしていただく、こういう形で系列をはっきりさしておるわけであります。その場合に、
消費者と
小売業者との間は、年二回自由に
登録がえができるという形になっておりまして、
消費者の御
希望に応じまして、年二回時期を限って
登録変更ができる、こういう形に相なっております。
それから、その次に
内地の芝の
集荷でございますが、これは十一ページのところに買入
数量の推移というものが書いてございますが、麦の
集荷につきましては、これは御
承知のように、二十七年から
間接統制の形をとりまして、従来の直接統制をはずしたわけでございます。現在は、従いまして、麦につきましては
生産者あるいは
生産者団体等から
売り渡しの
申し込みがありますれば、
随時政府はこれを
買い入れをするという形に相なっております。このときの現在の内憂の動きにつきましては、御
承知のように、
食糧管理法によりまして、麦の
価格が二十五、六年の麦価をベースにいたしまして、それによる
パリティ価格でかげんをきめられております。一方、その当時と麦の、
食糧全体が漸次
需給が緩和されて参りましたという事態等によりまして、
政府の買入
価格は非常に高くて、それから逆に
政府の売渡
価格はやや逆ざやの観を最近では呈しているわけであります。そういうようなことから、大麦、裸麦、小麦、いずれにつきましても、ほとんど大
部分のものが
政府の買入
数量になってしまって、自由流通の
数量はきわめて少いという形に相なってきております。特にその傾向は、裸麦と小麦において著しいということが言えるであろうと思います。
政府の買入
数量の推移につきましては十一ページのところにずっと出ております。
今申しました麦の買入
価格の動きでありますが、これは十二ページと十三ページのところに書いてございます。大麦につきましては、三十一年産の大麦の買入
価格は千六百九十九円でございます。それに対しましての売渡
価格千六百六十五円ということで、逆ざやに三十一年産麦についてはなってしまっておるのであります。それから裸麦につきましては、買入
価格が二千二百二円、売渡
価格は二千百五十円ということで、これも五十二円の逆ざやになっております。それから小麦につきましては、買入
価格二千百九円、売渡
価格二千七十五円ということで、これも三十四円の逆ざやになっておるのであります。このような形に相なっておりまして、ここに麦の問題としては大きな問題があるのではないかというように考えておるわけでございます。
麦につきましては、かようにいたしまして、
政府に
買い入れになりました麦を、各麦のこれまた
生産県、
消費県という違いがございますので、一部麦の搬出入を行いまして、それぞれの地点において製粉
業者あるいは精麦
業者に対して、それの
需要に応じて割当売却を行なっておるという形に相なっております。
それから、その次に外米でございますが、外米につきましては、御
承知のように、準
内地米ないし指定外米と呼ばれておりますいわゆる日本米の系統の米がございます。それから別途にタイ、ビルマ等で
生産をされますインディカ系の細長い形をした米があるわけでございます。この二つの種類の米の輸入をいたしておるわけでございますが、いわゆる指定外米はどういう所の産米であるかと申しますと、これは台湾米、それからアメリカの加州米、あるいはヨーロッパのイタリア米、エジプトの米、スペインの米等が大体指定外米と称せられるグループに入るわけでございます。それから普通の、いわゆる普通外米と称しまするものは、タイ、ビルマが主でございます。このほかヴェトナムでありますとか、中共米の一部等が普通外米であります。なお、申し落しましたが、中共米の中には指定外米のグループに属するものも
一部ございます。大体そういう形になっておりますが、現在指定外米の
政府で買付を行なっておりますのは、主として台湾だけでございます。そのほか昨年一部中共の米を買付をいたしておりますが、最近買付をいたしておりますのはほとんど全部台湾米でございます。それから普通外米につきましては、タイとビルマからもっぱらこれを購入をいたしております。
これは、御
承知のように、指定
登録商社に対しまして入札制をもって
買い入れをいたしておるわけでありますが、
政府の買入場所は港の倉庫渡しということに相なっております。その
買い入れました外米をそれぞれ、各地の
需要に応じまして
政府の方で運送をし、
卸売業者に売る、こういう形に相なっておりますが、指定外米につきましては、
中間県におきまして一日、それから
消費県におきまして二日というものを、
配給のワクにいたしております。そのほか業務用に指定外米の売却をいたしておる。それから普通外米につきましては、これは全国一律に一人当り一カ月について五キロという、これは制限があってないようなものでありますが、という形で
配給をいたしております。従いまして、普通外米につきましては、ほぼ自由にそれぞれの
登録をしておられるお米屋さんから購入ができるという形に、実質的には相なっておるわけでございます。
そのほか、外米の
需要といたしましては、砕米を一部輸入をいたしておりますが、これはもっぱらみそ等の加工原料に向けておるものでございます。
以上のような形で外米の
買い入れ、
売り渡しを行なっておりまするが、
外麦につきましては、これは小麦と大麦、いずれも輸入をいたしております。ここに
一つ表に落ちておりますが、大麦につきましては、御
承知のように、カナダとアメリカと豪州と、この三地域から買付をいたしております。それから大麦につきましても同様に、カナダ、アメリカ、豪州、この三地域からの輸入であります。輸入につきましては、同様に入札
制度によりまして、着港の倉庫渡しで
政府が
買い入れをいたしまして、これを各
消費地で、
政府運送にかけた上で、割当売却をいたしておるという形に相なっております。
大体以上のような形で米と麦の
買い入れ、
売り渡しをいたしておるのでございますが、次に
農産物価格安定法関係のイモ類につきましては、これは御
承知のように、
澱粉の
価格、それから切りぼしカンショの
価格を維持をいたすことによりまして、
生産者のカンショの
価格を維持していくという形で、
買い入れを例年いたしておるのでございますが、これにつきましては、年々
買い入れをして
売り渡しがほとんど進んでおりませんために、非常に手持ちがふえております。
それから、
えさにつきましては、ふすま、トウモロコシ、
飼料大豆、
飼料小麦というものを
外国から買付をいたしまして、これを
国内の時価に準拠いたしまして
払い下げを
実施をいたしておるのでございます。
それから
テンサイにつきましては、
テンサイ糖の五カ年
計画に基きます
生産計画に基きまして、
買い入れ計画を立てて、これによっての
テンサイ糖の振興をいたしておる、かような形に相なっておるわけでございます。
大体の業務の
内容は以上の通りでございますが、そこで予算の中におきます主要な項目について御
説明を申し上げて参りたいと思います。
この二十四ページのところにございますように、
歳入といたしましては
食糧の売払代、これは米と麦の年間の売却高であります。これが四千八百七十七億。それからそのほかに
農産物等売払代、これは
澱粉、切りぼしカンショ、それから
えさといったようなものの
売り渡しでありますが、これの売渡代金が二百五十五億
程度であります。それから
一般会計からの受け入れ十三億というのがございますが、これは学校給食の
関係の麦を安く売っておりますので、その間の
価格差補給の金でありますが、十三億。それから検査印紙収入、これは
米麦以外の
農産物につきまして公営検査を
実施いたしておりますが、その際の検査手数料収入でございます。四億二千万円。そのほか雑収入として二十六億何がしの金が載っておりますが、これは現在、米または麦を
卸売業者あるいは製粉、精麦
業者に売却をいたします場合に、一部一週間から二週間
程度の延納
制度を認めております。その延納期間の金利収入がこのおもなるものでございます。以上を締めくくりました五千百七十六億というものが、
食管特別会計におきます普通の
歳入総額に相なるわけでございます。
それから歳出といたしましては、
食糧の買入費、これは
米麦の
国内産、
外国産、含めまして四千百七十七億の
買い入れ総額に相なります。それからその次に事務費九十九億、約百億に近い
数字であります。これは
食管特別会計に属しております職員の人件費、旅費それから庁費がこの中に入っております。約百億でございます。それから
農産物等の買入費、これは
澱粉その他のものの
買い入れが二百四十四億円、それから
食糧管理費二百六十三億円、これは
食糧の運賃、保管料、それから各種の手数料等を含んだものでございます。それから
農産物等の
管理費も、同様の
趣旨のものが十一億、それからサイロ及び倉庫
運営費とございますのは、横浜と名古屋に小麦の受け入れのためのサイロ施設を持っております。そのほか東京の深川を初めといたしまして、大阪、名古屋、門司、あるいは産地の酒田でありますとか、秋田等々の地域に
政府倉庫を持っております。このサイロと
政府倉庫の
運営のための経費が一億一千万円でございます。それから他会計への繰り入れ百二十五億、これは
食糧証券を発行いたしまして、それの利子の国債整理基金
特別会計への繰り入れであります。これが百二十五億、そのほかに予備費として三百億を計上いたしまして、五千二百二十三億ということに相なるわけでございます。
この五千二百二十三億と五千百七十六億との差額が四十七億円に相なりますが、これが下に書いてございます差引糧券発行増加高四十七億に相当するわけでございます。三十一年度末の
食糧証券の発行高が三千四百二十億ということに相なりますので、これを加えました三千四百六十七億円というものが三十二年度末におきます
食糧証券の発行高に相なるわけでございます。
そこで、ここに内訳をお示ししてないので申しわけないのでありますが、
食糧管理費二百六十三億円というものがございますが、これのあらかたの内訳を申し上げますと、
食糧管理費二百六十三億円の内訳は、運搬費がこのうち九十八億四千六百万円でございます。それから
集荷業務取扱費といたしまして五十億五千万円。この
集荷業務取扱費と申しますのは、米の
集荷あるいは麦の
買い入れに際しまして、
指定集荷業者に対して支払いをいたしております
集荷手数料でございます。五十億のうちの約四十一億
程度のものがそういった金でございます。それからそのほかに
集荷促進協力費といたしまして、これは
都道府県に主として配付をいたしております金でありますが、約二億五千万円、それから
集荷団体に対しまして
予約集荷のための奨励費といたしまして七億円というものが計上いたされております。そのほか大きなものといたしましては、保管料の支払いが百十一億ございます。そのほか保管中の
米麦等の薫蒸その他の手入費がございますが、約三億円余の経費を計上いたしております。以上が
食糧管理費のおもな
内容でございます。
それから
農産物等の
管理費が十一億ございますが、このうち
澱粉あるいは切りぼしカンショ等、
農産物価格安定法に示されております
物資に関します
管理費が約六億円でございます。六億円のうちの大
部分は保管料でございまして、約五億一千万円余りに相なっております。それから
テンサイ等の
管理費が一億七千万円ほどで、これは保管料でございます。それから
えさの
管理費が三億五千万円で、これも大
部分が保管料支払いの経費でございます。
大体以上のような
内容に相なっておるのでございますが、大体米の
需要量というものがどの
程度あるかということをさらに申し上げておきたいと思いますが、これは四ページと五ページをごらんいただきますとおわかりに相なりますように、三十一
米穀年度におきましては、売却
実績としての
内地米は三百四万六千トン、それから
希望配給で五十七万二千トン、両者合計いたしまして約三百六十万トンほどの
需要量というものがあるわけでございます。それから準
内地米におきましては二十一万トン、普通外米におきまして約三十万トンというのが、三十一
米穀年度の
需要の
実績でございますが、この構成は、
内地米の
基本配給並びに
希望配給が非常に大きくなりましたために、準
内地米あるいは普通外米の売却が非常に減っておりますが、これを二十八年あるいは二十九年の所をごらんいただきますと、準
内地米につきましては、二十八年が約二十万トン、普通外米が約五十七万トン、両方合せまして約八十万トン近い売却
実績に相なっております。それから二十九
米穀年度におきましては、準
内地米が三十七万トン、普通外米が百八万トンということで、両者合せまして約百四十五万トン余りの
需要になっております。それから三十
米穀年度におきましては、準
内地米が四十一万トン、普通外米が六十七万トン、合せまして百十万トンという
程度の
需要になっておるのであります。非常に、三十年の豊作以来、準
内地米並びに外米の
需要が激減してきておるということはおわかりいただけるかと思うのであります。
それから麦の問題につきましては、先ほど申し上げましたように、
国内の買入
価格と売渡
価格との間に逆ざや
関係になっておりまして、
国内産麦はおおむね
政府の
手元に集買されてくるという形に相なっておりますが、これを製粉と精麦と二つの業態があるわけでございますけれども、まず製粉
関係におきましては、
国内の小麦は、御
承知のように、主としてうどんその他のめん用粉である特質を持っております。それからパン用粉といたしましては、御
承知のように、カナダのマニトバ小麦を中心といたしまして、
外麦を主として使っておるわけでございます。それで
外麦の輸入につきましては、そういった
関係から、製粉
関係におきましては
外麦にほとんどすべてをたよっておるというような実は形に相なっておるのでございます。
外麦の輸入量はおおむね二百万トン
程度のものを、小麦としては年々輸入をいたしております。三十一会計年度におきます輸入量は、約二百二十万トン
程度の
外麦の輸入に相なっております。それから
国内の小麦は、この表にございますように、
買い入れとしては約五十万トン前後が例年の姿であります。大
部分が
外麦にたよっておるという形でございます。
それから精麦
関係につきましては、大裸麦を
国内で
買い入れ、
外国からは
外国産の大麦の輸入をいたしております。
国内の麦の買入
数量はおおむね九十万トンから百万トン
程度のものを
買い入れをいたしております。それに対しまして
外麦の輸入は八十万トン前後というのが大体の姿でございます。精麦につきましては、二十七年の直接統制から
間接統制に移行いたしまして以来、非常に設備の増設が行われまして、最近では非常な実は乱立状態になってしまいまして、精麦企業の操業度が約二五%前後というような形に相なってきておるのであります。そこへもってきまして、一昨年からの豊作の
関係等がありまして、企業の非常な倒産を続出するというような形が現われて参りまして、ただいまこれらにつきましては業界の再編成、企業整備を中心としました再編成を今
実施をいたしております。小麦につきましては、精麦に比べますと、中小製粉はやはり三十年の豊作以来非常な苦しい経営を続けてきておりますが、精麦業界ほどの競争というものまでには立ち至っていないようでありますが、これは最近の小麦あるいは精麦の売れ行きを見ておりますと、やはり小麦の方が回復が早いようであります。
麦につきましては、今申し上げました業界の、製粉、精麦界の問題と、さらに
国内の麦の
価格体系の問題とが当面してあるという形に相なっております。
非常に雑駁に御
説明を申し上げましたが、
食糧庁でやっております
食管特別会計の大ざっぱな
内容と、やっております仕組につきまして、ごく簡単に御
説明を申し上げました。