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説明員(岡井正男君) お説の
通り、日ソ問題と、四カ国のオットセイ問題、日韓問題、いずれもわれわれとして非常に大事な問題であると同時に、緊急解決すべき問題と心得ておりまして、日ソにつきましては、技術的な面で相当ソ連の方も資料を持ってくるということは予想せられますので、対応的に、私の方といたしましても、あの
漁業協定の項目にありまする鮭鱒、カニ、ニシンにつきましては、それぞれ水研あるいは大学等の従来の権威者をたびたび御足労願いまして、かたがた部内の
関係部長以下やはりその道に勉強をしておる者、並びに民間の方でよく事情を科学的に
承知しておるような人に御参集願いまして、カン詰め的に相当期間勉強をしたわけであります。要は、その点で非常に困るのは、ブランクになって、相手方のソ連の沿岸近くから河川遡河した鮭鱒の資料が、戦前の分はわかりますが、その後の分につきましては、ソ連から出されている雑誌あるいは新聞等の切り抜き等を総合判断するというようなことで、その点は非常にわれわれとしては困っておる点でございますが、幸いにして、統計面におきましては、向うの発表というものもある
程度推定数が出ましたので、対比いたしまして、一例をあげてみますれば、統計学上から分析をいたしますると、大体この
程度とるのであれば北洋の鮭鱒資源にはそう心配要らぬのじゃないかというような点も見出だされると思います。その他いろいろな科学的な理由づけにつきましては、むしろ先生方、御賢慮い
ただくと思いますが、交渉をまぎわに控えておりますので、
一つ別の機会に内々にお漏らしすることのお許しを得たいと思います。
それからオットセイ問題につきましては、事実上は、昨年の暮れに大体に四カ国で話し合いがついておるわけでございますが、なぜ今日まで延引しておるかと申しますると、ソ連語の翻訳、あるいはまたソ連側からいえば英語の翻訳等に、若干のニューアンスが違うというような点も持ち寄っての出直しとか、あるいはまた会場の変更等もございましたために、二月の九日に最終的な調印をやるということに相なっております。いずれ調印後におきまして、この本
委員会の催しのときに
内容を詳しく申し上げる予定にいたしております。
大要、あらましを一口に言いますると、今後六カ年間は海上における商業的な猟獲は行わない。
日本側からいいますると、この点は不満ではございまするが、しかし
調査という形におきまして、その間にアジア圏のものにおきましては、四千頭
程度を
調査において捕獲する。そのうち大部分は
日本側がとって、若干をソ連がとるというように、頭数もはっきりといたしております。それから歩合
制度につきましては、アメリカ及びソ連が陸上でとれたものの皮の一五%は、毎年
日本及び陸上でとれないカナダに配分するということになっております。従いまして、これの予定収入は三十二年度におきましては、粗収入が約九千万円、それを皮に直すいろいろの経費などを差し
引きますと、四千五百万円
程度でございまするが、三十二年度以降におきましては逐次増収になりまして、純益におきましても見積りは三十三年度は一億三千万円、三十四年度になると二億円をこえるというようなことに相なりまするので、この収入と見合いをかねての将来の
予算措置につきましては、よく議員先生方の御
要望の線を十分に勘案いたしまして、今後の
予算措置については
検討を加えたい、かように思っております。
本年度はさしあたり、
予算として二千万円
程度を、主として陸上取締り、海上の
調査、陸上の
調査等に充てるというような見込みにいたしております。
それから日韓問題につきましては、遺憾ながら、いまだいつごろになればはっきりするという見通しはつきませんが、一番心配しておりますのは、漁夫が最近もまた不法拿捕によりまして増加いたしまして、現在は約一千人に近い
程度の人が韓国に抑留されておるわけでございます。どうもその拿捕の方法などを見ますと、最近は李ラインを相当離れているにかかわらず、向うの方が強引に引っぱっていく。中には、かわいそうに、小さな船に親子が乗って、しかも延縄を対馬沖でやっているというようなのを、ちょうどネコがネズミを追うような追い方をしまして、無理やりに李ラインに追い込んで、そうしてつかまえて、そうして李ラインでやっているじゃないかという、こういうような非常に残酷な拿捕をやっております。非常にわれわれは内心憤慨にたえないものがあるのでございますが、逆に、外務省といろいろと打ち合せしておりますが、どうも人質をふやすために、ことさらにああいうことをやっているのじゃないかというように、悪く解釈すれば思われるのであります。こういう状態が続く場合には、
漁業問題をすなおに話し合いするというような段階にも、なかなか立ち至らぬのではあるまいかと、非常にわれわれとしては心配いたしております。まあ外務省とも十分連絡いたしまして、何とか一日も早く拿捕されている漁夫を
日本に帰すようにという打ち合せと
努力は、続けて払っておる次第であります。