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1957-05-08 第26回国会 参議院 内閣委員会 第29号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年五月八日(水曜日)    午後一時五十二分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     亀田 得治君    理事            上原 正吉君            大谷藤之助君            秋山 長造君            竹下 豐次君    委員            木村篤太郎君            松岡 平市君            松村 秀逸君            伊藤 顕道君            永岡 光治君            八木 幸吉君   国務大臣    労 働 大 臣 松浦周太郎君   政府委員    総理府恩給局長 八巻淳輔君    行政管理庁監察    部長      岡松進次郎君    大蔵政務次官  足立 篤郎君   事務局側    常任委員会専門    員       杉田正三郎君   説明員    大蔵省主計局主    計官      高木 文雄君    厚生省引上援護    局援護課長   小池 欣一君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○臨時恩給等調査会設置法案内閣提  出、衆議院送付) ○国家行政組織に関する調査の件  (官庁保有自動車監察状況に関す  る件)   —————————————
  2. 亀田得治

    委員長亀田得治君) これより内閣委員会を開会いたします。  臨時恩給等調査会設置法案議題に供します。本案について御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
  3. 永岡光治

    永岡光治君 労働大臣は、給与担当大臣でありますので、恩給関係所管大臣としてお尋ねをするわけですが、昨日、本委員会におきまして、臨時恩給等調査会設置法案の第二条の問題に関連いたしまして、どうも調査対象がばく然として、よくわからない、従って、解釈によっては非常に狭く解釈されるし、あるいはまた、広く解釈されないこともない、特に第四号は、「その他前三号に関連する事項」ということでありますので、動員学徒開拓団徴用者等々のいろいろの問題があるわけでございますが、そこで、きのうの質問では、将来発足して、これを審議するに当っての対象になるであろうと予想される項目恩給局の方から出していただいたのでありますが、これで大体の企図せんとするところはわかりましたが、労働大臣、この際、こういう恩給等に関する問題については、あらゆるものを網羅して、あまり漏れないように、これでもうすべてを解決するような、そういう調査をしてもらいたいのであるが、大臣考えを伺うのが第一点です。  それからもう一つは、第二号の「前号に掲げる者以外の者の恩給に関する事項」ということになっておるわけでありますが、これは、いうところの文官恩給であるわけですが、公務員制度調査会あるいは人事院勧告等がありまして、公務員全般についての恩給、つまりこれは、退職年金という形で政府答申しているわけでありますが、そういう関連はどうなのか。きのう一応恩給局長意見は承わりましたが、労働大臣給与担当大臣としての国務大臣でありますが、どういうようなものをこの二号で予定しておるのか、もしこれが、すでにもらっておる、つまり既定の恩給のみに限定するということであれば、その他の問題はどうなるのか、それが第二点です。  それから第三点は、こうして恩給は、一応答申によっては是正になるでありましょうが、任官しなくて、公務員であって年金をもらっている人があるわけですね。共済年金、これは、ペースを改訂されても何にもならないわけです。そういうものは政府として、給与担当大臣として、どう均衡をとろうとしておられるのか、これが第三点です。  それから、時間の関係で、ついでにあれしますが、第四点は、第六条の総理大臣に報告しなければならない期限を今年の十一月十五日までにということになっておりますが、その意図とするところは何かと、きのう承わりましたところが、来年度予算に反映できるように、つまり、率直にいえば、来年度から実施できるように、来年度予算を組まれるように、こういう目途がありますので、こういう期限にしたというのであるのでありますが、従来政府の運用を見て参りますと、いろいろ調査会を作りましたけれども、一向答申を尊重していない、あるいは人事院勧告等も尊重していないきらいが強いわけでありますが、ついては、この答申が出ても、また言を左右にいたしまして、三十三年度に実施しない、こういうおそれ、が多分にあると思いますので、三十三年度には必ず実施するのか、はっきりした決意を承わりたい。  以上四点でございます。
  4. 松浦周太郎

    国務大臣松浦周太郎君) 第一点にお問いになりました問題は、「その他」というものに包含して、一々書いてありませんけれども、御指摘になりましたような、従来国会その他で議論になっておる恩給問題に対する諸問題を全部あげて審議いたしまして、それをどう取り扱うということについては、その審議機関調査機関の中において決定せられるでありましょうが、御指摘になりましたような点、学徒の点その他一切をあげて、この機会に、その他の事項で取り扱って善処したいと思っております。  それから第二点は、退職年金制度の問題でありますが、公務員制度調査会の方でこれは調査いたしまして、これと見合ってやるのでありますが、退職手当の問題と退職年金の問題と恩給等の問題は、からませてやるということよりも、調査室の方で独自にやる方がいいという考えを持っております。  第三点の問題も、これは退職年金制度の方でともに検討せられるものではないかと思っておるのでありますが、そのようにいたしたいと思っております。  一番重点の問題でありますが、調査会答申は、十一月十五日総理大臣答申するようになっておるのでございますが、これは、今までの朝野議論国会において、今年度からということが相当強くあり、私ども政務調査をやっておった時代から、党内におきましても重要な問題になっておりますから、そういうような朝野のすべての議員の意見が反映して、この調査会設置ということに至ったのでございますが、この経緯にかんがみまして、来年度の予算編成に間に合うために、十一月十五日といたしたのでございますから、ここの決定事項は、私は朝にあると野にあるとは問わず、これはぜひ一つ解決いたしたい、さように思っております。
  5. 永岡光治

    永岡光治君 朝にあると野にあるとを問わず、あなたの御決意はわかりました。これは、岸内閣としてやるというふうに解釈していいですか。
  6. 松浦周太郎

    国務大臣松浦周太郎君) その通りでございます。
  7. 永岡光治

    永岡光治君 それでは、第二条の四号、あらゆる問題というのは、どうも私は、今の答弁ですと、恩給の問題のすべてのように受け取れるのですが、そうではなくて、この二条でいわれている軍人軍属あるいはすでに恩給をもらっておる文官など、そういうものに直接関連のあるものを網羅すると、こういうことじゃないのですか。一般公務員全部の問題ではないのじゃないかと思いますが、調査することと答申することとは、もちろんこれは違いましょうが、どの程度答申していいかどうかは、お考えになるのでしょうが、調査対象は、公務員制度調査会等において検討して、いうなれば、公務員全体の恩給制度といいますか、退職年金制度といいますか、そういうものまで調査するという考えであるのか、そうでないのか。
  8. 松浦周太郎

    国務大臣松浦周太郎君) 先ほど申しましたように、退職年金制度は、公務員調査室の方へ分けて参りたい、こういうことで、恩給の方とちょっと性質が違いますから、これはこれで、新退職年金制度という問題については、これは別途に一つ考えたいと思っておるのでございます。
  9. 永岡光治

    永岡光治君 大体意向はわかりましたが、第二号に関連いたしまして、私から質問いたしましてこの恩給は、どうもだんだん是正されていく、ペース・アップが行われますと、適当な時期を選んで是正することに従来もやって、今度もこれをやるだろうと思うのでありますが、問題は年金ですね。同じ公務員でありながら、恩給をもらえなくてやめた方々年金、これは、共済年金ということで支給されておりますが、その不均衡恩給との不均衡、これは、当然私は是正する必要があるということを申し上げておるわけですが、それは、公務員制度調査会の方の結論を待ってということを言っておりますが、給与担当大臣としては、それはあまりつれないと思います。どういうお考えですか。少くとも新しい退職年金制度が出るまでもなく、現在の恩給と、現在もらっておる共済年金との不均衡、これは当然是正する必要があるのじゃないですか。
  10. 松浦周太郎

    国務大臣松浦周太郎君) 御説の通り、当然その不均衡是正しなければならないと思っております。
  11. 永岡光治

    永岡光治君 それはいつ。
  12. 松浦周太郎

    国務大臣松浦周太郎君) 今度の調査会その他を通じてやりたいと思っております。これと、公務員制度調査室の方における新退職年金制度調査とかねて、両方ともいたしたいと思っております。
  13. 永岡光治

    永岡光治君 そうすると、その共済伍金恩給とのアンバラの是正というのは、これは当然、この三十三年度で実施するということになれば、三十三年度予算でそのことも是正する方針だ、こういうことですね。
  14. 松浦周太郎

    国務大臣松浦周太郎君) きょうでございます。
  15. 秋山長造

    秋山長造君 大臣にお伺いしますが、先ほども御質問がありましたように、われわれは、大臣提案説明を聞いたときには、とにかくこの問題の全般を見きわめるとか、強力な調査審議会を設けるというような、非常に意気込んだ御説明があったので、もうてっきりこれは、恩給制度そのものの再検討というところまで掘り下げていかれるものと思っておった。ところが、昨日恩給局長からお話を聞いてみると、そうではなくて、そう根本的なものではない。ただ当面、現在の恩給制度のワク内でのいろいろな問題を片づけよう、いわば非常に技術的といいますか、事務的な問題をねらっておられるようです。そこで、やっぱり今永岡君から御質問がありましたように、それじゃ恩給制度そのものの問題を今後どうするのか。あるいは退職年金の問題、あるいは厚生省には、厚生大臣諮問機関として、国民年金委員というものを五名新設されるというようなもの、また共済年金の問題というように、やっぱりばらばらなんです。そういう問題を将来どうもっていくのかという大きな問題については、大臣は、あるいは政府方針はどうなのか。どういうところをねらっておいでになるか、昨年の二十四国会で、当時の川崎厚生大臣は、参議院の予算委員会で、この問題については、はっきり国民年金制度一本に統一していきたいという御答弁があったのですけれども、それは答弁のしつ放しで、その後一向に準備が進められているようにも見えない。それらの点について、政府の基本的な方針をお伺いしておきたい。
  16. 松浦周太郎

    国務大臣松浦周太郎君) 重要な御質問でありますが、政府部内の意見をまとめなければ、責任を持った答えはできないのでありますけれども、今年できましたこの調査会は、先ほど申しましたように、現在の制度内において、いろいろ国会内における御議論もあり、その他の議論もありますから、それらの、現在の恩給制度の中において、いろいろ議論のある部分をまとめて解決をいたしたい。特に、いろいろここに書いてありますが、この四項目の中における点、その他の今御指摘になりましたような問題を処理することが主眼であって、この調査会は、恩給制度を基本的に変えるということでないことは、一つ御了承願いたいと思います。恩給制度の基本的な問題については、いろいろ意見があります。川崎君のような、国民年金制度にしまして、現在のように国費の一割もこれに費していくというようなことは、これは今は制約がありますから、やむを得ませんけれども、順次そういった方向に変えていく。つまり役人軍人だけが老後の生活は保障されるけれども国民生活全体から見るならば、個人企業であっても、国家の機構の中に生きておる以上、公けのことに奉仕している。それが、一方は、もう老後非常に困るけれども役人軍人だけにそれがやられるというようなことは、これは考えなければならぬと思うのです。けれども、今私にお問いになった、それなら、私の個人意見はあります。個人意見を申し上げも、ちょうど川崎君がこの前に言って、それが行われないのと同じようなことになりますから、そういう面に対しましては、政府がこういう方針をとっているとは言っておりませんけれども、この国民年金制度を作るということは、これは、石橋総理大臣施政方針演説を岸現在の総理大臣はお読みになって、国民年金制度を作りたいということはきまっておりますから、その方向にいろいろな調査を進めておりますけれども、いつからこうやるということは、まだきまっておりません。国民年金制度というものは、社会保障の一番大きな問題であるから、その方向に進みたいということは、施政方針の中にありますから、それぞれの機関。で目下いろいろ検討中でございます。
  17. 秋山長造

    秋山長造君 重ねてお伺いしますが、そうしますと、こう了解してよろしゅうございますか。政府としては、現在のいろいろな恩給制度あるいはこれに関連した制度というものは近い将来において、社会保障制度に切りかえていく。そうしてその社会保障制度なるものの具体的な内容は、国民年金制度一本ということに持っていこう。こういう方針であり、目標花もって準備を進めていかれるというように了解してよろしゅうございますか。
  18. 松浦周太郎

    国務大臣松浦周太郎君) 先ほど申しましたように、現在は応急的な問題を現制度の中においてやっていく、将来は、施政方針演説の中に述べましたような方向において検討を進めていきまして、それがまとまったならば、国民年金制度に切りかえたいというの、が政府方針であると思います。
  19. 八木幸吉

    八木幸吉君 恩給の総額も、九百億以上に上ってきて、財政上からすると、これは、根本的に再検討する時期に来ていると思うのですが、その方法等は、今大臣がお述べになりましたような大方針政府としてもお考えになる、これはわかるのでありますが、ごく端的に、素朴な点を一点だけ伺いたいのですが、この臨時恩給等調査会調査すれば、従来不均衡になっておった軍人文官との不均衡は、階級いかんを問わず是正される、つまり同じになると、こう考えてよろしいのでございますか。
  20. 松浦周太郎

    国務大臣松浦周太郎君) お問いになった点、はっきりいたしませんが、軍人文官との不均衡をこの調査会で完全になくすると、こういう意味でございますか。そういう目的をもってこれをやったのでございますから、先ほどもお答えいたしましたようなふうに、その他の問題で相互的に調整しまして、前に列記しておる四項目はもちろんでありますが、その他の問題で十分検討しまして、不均衡のないようにいたしたいと、こういう考えの上に立っております。
  21. 八木幸吉

    八木幸吉君 もう一ぺん念を押しておきますけれども、従来軍人遺家族等から常に私ども聞いておるところでは、文官に比較して、命を的に働いた軍人の方は恩給が低い。だから、財政的に非常に一千億が多くて、もっと減らすというのなら、犠牲をひとしくするのなら満足するけれども文官より軍人の方が安いということは腹に据えかねると、こういう陳情をしょっちょう聞いておるのですが、階級いかんを問わず、軍人文官とは、この調査会答申が出ましたら全然均衡がとれる、こう了解していいか。どうかです。
  22. 松浦周太郎

    国務大臣松浦周太郎君) 審議の過程において、どいううふうになるかわかりませんけれども、私といたしましては、今お問いになった点については不均衡のないように、極力努力いたしたいと思います。
  23. 竹下豐次

    竹下豐次君 先ほど大臣のお答えの中に、政府としては、将来国民年金制度を施行するという方針で今研究を続けている、まあそういうことになるだろうというようなお話であったようですが、公務員制度調査会答申を見ますると、言葉が簡単で、はっきりしない点もありますけれども、その点がどういうことになりますか。私がここに書き抜いていますのを念のために読み上げてみますと、その答申では、国家公務員は、もろもろの法律的制約のもとに、公務に専念することを要求されており、長期にわたって勤務した者については、その勤務の特殊性に基き、雇用者たる国がその退職後の生活を保障する必要がある。退職年金制度は、この意味において、一般社会保障制度とは区別して考えらるべきものである。こう書いてあるのですね。これはどういう意味か、はっきりしない点もありますけれども、これは、先ほど大臣がお述べになりました、民間の者と、それから公務員とを区別してはならないというような御意思が、川崎さんの意見とあわせて陳述されたわけでありますが、ここに答申に誓いてあるものは、そういう意味とは違った意味で、国家公務員は特殊の性質があるんだという答申をしているように見受けられるのです。先ほどの御説明を承わりますというと、こういう答申があるのだけれども、もうそれは、政府の方では受け入れないで、やはり社会保障的のものとして、民間公務員とをそう特別に取り扱わないような方針で進みたいのだと、こういうようなふうに承わったのでありまするが、念のためにもう一ぺん一つ……。
  24. 松浦周太郎

    国務大臣松浦周太郎君) 大体まあそのようでありますけれども、私の申し上げました真意は、政府が今やろうという、施政方針の中に述べました国民年金制度云々というのは、きょうあすの問題じゃなくて、相当先のことをきしておると思います。そこまでいくためには、一、二年、もっと長くかかるかもしれません。けれども、今問題になっておるのは、現制度下における諸種の問題でございますから、応急的には、今各方面からの答申並びに今調査しようとする機関を作る問題において、応急的な問題を処理し、将来の問題につきましては、秋山さんのお問いになりましたように、これは、あらゆる問題の格差をなくするとともに、国民年金制度一本でいくと、秋山さんの仰せになりましたような方向でいくという考え方に立っております。言いかえるならば、応急的には、現在のような諸種答申の問題とあわせて、今審議願っておるところの調査制度を活用し、恒久的には、国民年金制度一つ十分研究いたしまして、先進国にあるような制度社会保障的にやっていきたい。これが政府の今日の方針であると思っております。
  25. 大谷藤之助

    大谷藤之助君 大臣でも、あるいは恩給局長でもけっこうですが、先ほど八木先生からも御質問が出ておったわけでございますが、抽象的には、この調査会を通じて、政府意図も、あるいは、又武官均衡をとる、あるいは文官なら文官、あるいは軍人なら軍人、その中における不均衡是正一つ完璧に、抜本的にやるというお話は当然わかるわけですが、そうしますと、具体的には、ここにいろいろ個々の問題があるわけですが、そういう御意図のもとにやられるとしますと、この調査会について、別に調査事項はここに出ておりますけれども議題について政府から諮問されるわけでもなく、必ずしもどうも、審議される内容と私どもの期待しておるところとが一致しないという点もありはしないかと思います。先ほどからの御答弁によれば、こういう点は、当然これは調査会で取り上げられる問題たという点がここに想像されると思いますが、その具体的な問題について、ちょっうとお尋ねをしたいと思います。  まず恩給法の問題につきまして言うと、文武官均衡をとる、不均衡是正をやるということになりますと、一番大きな問題は、まず戦没者遺族公務扶助料倍率の引き上げ、これをさらに掘り下げていきますというと、昭和二十八年末以前の文官公務扶助料と、まずこの倍率まで一つ引き上げて増額しなければ、この不均衡の矛盾は是正されない。この点は、当然今度の調査会考えられると思いますが、どうでございますか。
  26. 八巻淳之輔

    政府委員八巻淳輔君) 旧軍人遺族公務扶助料倍率の問題につき寂して、これが昭和二十八年八月一日以前の文官公務扶助料倍率よりも低いという点の御指摘がございまして、これが不均衡であるという意味におきまして、この検討をされるということは当然この問題は調査会議題になり得るだろうと思います。で、果してそこに、どういう沿革的な理由があって不均衡であるかどうか。また、その不均衡是正するとして、どの程度にすべきか、あるいはそれは矯正しなければならない不均衡であるかどうかという、あらゆる面からその問題は検討されて、そうしてこれに対する解決というものの御答申をいただくというのがわれわれの期待するところであります。
  27. 大谷藤之助

    大谷藤之助君 時間もないから、御答弁は簡単でけっこうですが、そうすると、次の問題になる点は、これは戦没者遺族だけでなく、あるいは旧軍人または文官の一部、これが現在の昭和二十九年以降の文官に比較して、仮定俸給ベースにおいて一万二千円、現在の者は一万五千円、三千円の開きがある。これがまた不均衡一つの大きな問題ですが、これも当然考えられる。よろしゅうございますか。
  28. 八巻淳之輔

    政府委員八巻淳輔君) 御指摘通りでございます。
  29. 大谷藤之助

    大谷藤之助君 次に、もう一つ文官軍人あるいは遺族扶助料を比べまして工合悪い点は、ただいまのベースあるいは倍率を引き上げましても、なおここに、文官と旧軍人関連する遺族扶助料の問題を比べてみますというと、階級にお分れ一方の文官に比べて、武官なりあるいはその遺族扶助料の根本になっておる仮定俸給においては、佐官は二号俸引き下げられておる。あるいは将官においては三号俸引き下げられておる。これを是正をされなければ、先ほど八木委員の御質問になりました、また大臣文武官均等に一つ持っていきたいと言う点も、永久に是正されぬわけですが、かような不合理についても、当然これは審議されると考えてよろしゅうございますか。
  30. 八巻淳之輔

    政府委員八巻淳輔君) そういうような問題についても、審議対象になると思います。
  31. 大谷藤之助

    大谷藤之助君 もう一つは、通算加算の問題、これは、文官のみならず、文武官にやはり通じた問題でありますけれども、これも一つ抜本的な審議をここにされる、これもよろしゅうございますか。
  32. 八巻淳之輔

    政府委員八巻淳輔君) 御指摘通りと思います。
  33. 大谷藤之助

    大谷藤之助君 大体恩給法についての大きな点は、その辺を一つ是正をされるならば、一応の荒筋は達すると思いますが、次は今度は援護法の問題に関連しまして、小池さんも見えておりますから、こまかい点は小池さんでけっこうでございますが、一々具体的に調べてみますと、今の恩給法是正によりまして、当然援護法の自然的な改正を待たなければならぬという問題があると思いますが、第一番に、公務扶助料増額される。こうなりますというと、当然援護法における遺族年金増額と、なおまた、先ほどちょっと落しましたけれども、当然恩給法においても、この傷病恩給の問題はこれはもう大きな問題の一つでもありますし、取り上げられると思いますが、これの増額ということが考えられれば、また援護法においても当然の措置はとられる、これはよろしゅうございますですか。
  34. 小池欣一

    説明員小池欣一君) 御指摘通りでございます。
  35. 大谷藤之助

    大谷藤之助君 次の問題は、昨日来からいろいろ御質問が出ておるわけでありますけれども昭和三十一年法律第百七十七号旧軍人等遺族に対する恩給等の特例に関する法律、この法律に基きまして、本委員会付帯決議が出ております。この中の一番大きな問題である旧日赤の救護員、あるいは被徴用者、それから動員学徒戦闘参加者、それから国民義勇隊員、満洲開拓青年義勇隊員、特別未帰還者等戦没者遺族遺族年金を支給する件、この件も当然議題一つとして、これは審議してもらいたいことでございますけれども、これはどうでございましょう。
  36. 小池欣一

    説明員小池欣一君) こういう、従来準軍属といわれておりました方々遺族年金を支給せよ、こういう問題が審議されるかどうか、こういう御質問でございますが、まあ遺族年金の支給という結論が出ますかどうかは別といたしまして、こういう方々に対する処遇というものはどうするかということは、当然調査会にかかると思っております。
  37. 大谷藤之助

    大谷藤之助君 そうしますと、今の問題で、遺族年金は工合が悪い、今厚生省なり政府の方の見解としては、どういう措置をとったら一番適当だと、何か考えておられる点はございませんでしょうか、ありましたらどうぞ。
  38. 小池欣一

    説明員小池欣一君) この問題は、今非常にむずかしい問題でございまして、たとえば、無給の軍属というような方々の処遇というような問題との関連もございまして、結論というところまでは参っておりませんけれども、現在の処遇は必ずしも十分でないということは、私どもも十分認めておるところでございますが、当然調査会で十分御審議をいただきたいというふうに考えております。
  39. 大谷藤之助

    大谷藤之助君 次の問題は、共済組合からも年金を受け取っていない、受けられない内地死亡の軍属がございますが、これはかなりの数に上るわけでありますが、この遺族遺族年金の支給の問題はどうですか。
  40. 小池欣一

    説明員小池欣一君) もしも共済組合ではずれております方々遺族援護法で処遇をせい、こういう問題は、これは従前からある問題でございますが、これを果して共済組合で措置すべきか、あるいは遺族援護法で処遇すべきかという問題は、いまだ結論は出ないわけでございます。やはり調査会でいろいろ御検討を願わなければならない問題であると思います。
  41. 大谷藤之助

    大谷藤之助君 次は、ソ連及び中共における一般邦人の刑死者、これも平和条約を結んでいない関係で、まあソ連の方は片づいたわけでありますが、中共はまだそういう状態にありますが、この関係の者については、この刑死者に遺族年金は支給されておらない。その他の地区におった者は、遺族年金は支給されている。この不合理の是正はどういうふうになりますか。
  42. 小池欣一

    説明員小池欣一君) ソ連中共の一般邦人の刑死者の方でございますが、ソ連、中共の裁判と申しますのは、内容につきまして必ずしも明確でない部面もあると存じますけれども、従来遺族援護法は、平和条約を締結した国での刑死者の方々につきましては、処遇をいたしておる関係上、当然調査会におきましても検討しなければならぬと思っております。
  43. 大谷藤之助

    大谷藤之助君 次は、現在の援護法の法の不備に関連する問題でありますけれども、戸籍法等の法律の不備によって失格者が出ております。昭和二十年、例の新憲法、新戸籍法の制定の前後の問題でありますが、これは、法的に措置するということは、非常にむずかしい点があるかもしれませんと思いますけれども、この戸籍法等の不備による失格者の調整、それから現在の援護法国家補償といいましょうか、恩給法に準ずる精神から生れ出ているこの援護法において、父母、祖父母、子孫の年令制限にいろいろ矛盾しているところがある。この辺の改正の問題、これについてはどうでございましょうか。
  44. 小池欣一

    説明員小池欣一君) 戸籍法の法律の不備による失格者の調整という問題でございますが、これは、戸籍簿の問題であろうと思いますが、十分これは検討をいたしてみまして、必要があれば調査会にかけたいというふうに考えております。それから父母、祖父母あるいは子孫の年令制限を現在援護法でやっております趣旨は、御承知の通り遺族援護法国家補償的な精神に基きますところの援護、こういうような基本的な考え方をしております関係上、ある程度の年令制限はやむを得ないという建前を従来とっておるわけでございまして、この点については、十分検討をいたしたいと思っております。
  45. 大谷藤之助

    大谷藤之助君 現在選択によって、遺族年金を継続受給している恩給法上の扶助料受給の資格者がおります。これが恩給法上の受給権をすべて失格した場合に、残った者が第一順位者として現在もらっておるのは頭金ではなくて、いわゆる五千円なり一万円の手当しかもらっていない。当然これは、選択法ができた場合に、かような措置がとられていなければならぬわけで、そういう先順者がなくなった場合には、第一順位者として頭金最低三万五千円、こういう遺族年金をもらわなければならぬ、このような措置は、当然調査会審議を待つまでもなく、措置してもらわなければならぬものと思います。が、この辺はいかがですか。
  46. 小池欣一

    説明員小池欣一君) ただいま御指摘の点は、大へんごもっともな点でございまして、調査会に私どもの方から内容を十分御説明をしまして、御審議を願いたいと考えております。
  47. 大谷藤之助

    大谷藤之助君 次の問題は遺族年金、それから公務扶助料は、生活保護法の適用上、これは所得とみなさないと、従来いろいろ論議され、またなかなか根強い皆さん方の御要望もあるわけですが、この点についての御見解なり、また調査会との関係について……。
  48. 小池欣一

    説明員小池欣一君) 生活保護法は、私どもは所管いたしておりませんので、私から申し上げるのは不適当かと思いますが、従来生活保護法の建前上、不差別平等という考え方をとっております関係上、遺族年金あるいは公務扶助料も収入として認定をいたしておる実情でございます。ただ、実態といたしまして、身体障害者控除あるいは母子世帯の控除というような、生活保護法の建前をくずさない範囲におきまして、社会局において措置しておるように私ども承知をしておるのでございます。この点は、私から申し上げるのは大へん不適当かと存じますが、むずかしい問題じゃなかろうかと思っております。
  49. 大谷藤之助

    大谷藤之助君 今の問題は、公務扶助料なり、あるいは遺族の中からいいましても、困っておる母子家庭については、一番大きな問題の一つであろうと思うのですが、で、私は、これに関連して、最近この公務扶助料で、三万五千円で、兵の階級のものは、所得税の免税の措置も、範囲を拡大して、広げられたわけであります。今のこの生活保護法上の適用とみなさぬという点においては、基礎額を広げるなり、あるいはまた、最低のものについて、そう生活保護法の建前をくずすという点にもならぬかと思われる点も多々あるわけでして、この点は再検討なり、この調査会においても、これまた当然、なるべく要望が実現するような線に、一つ政府としても、当局としても考えてもらいたい、こう思います。  それから次の問題について、動員学徒の傷癖者に、現在何の手当も出ていないようですが、動員学徒等の傷癖者に障害年金を支給すると、遺族年金関連しまして、当然この措置を一つ今度実現してもらいたい。この点について伺います。
  50. 小池欣一

    説明員小池欣一君) 動員学徒あるいは徴用工というような、従来準軍属といっております方々が、身体傷害者になられた場合に、何らの措置がしてないということでございますが、これは、実情から考えまして、お考え通りでございまして、結論が障害年金になりますか、あるいは障害一時金になりますかは別といたしまして、当然私どもといたしましては、調査会でぜひ御審議を願いたい、こういうふうに考えておる次第であります。
  51. 秋山長造

    秋山長造君 恩給局長お尋ねしますが、今、気前よく全部引き受けられたわけなんで、これは非常にけっこうですけれども、ただこの法律の第二条に、四号にわたって書いてあるのですが、これは、一号、二号、三号、四号という順序に従って調査審議を進められていくのですか。これはどういうことになるのですか。
  52. 八巻淳之輔

    政府委員八巻淳輔君) これは、書き方としてこういう順序になったのでございまして、その調査会調査審議の、その運営の仕方として、この順序になるかどうか、時間的にこういう順序になるかどうかということは、調査会の運営の問題になると思うのでございますが、ウエートの大きな問題から取り上げていくということになれば、こういう第二条の一号から順繰りと、こういうことになろうかと思っております。
  53. 秋山長造

    秋山長造君 それで、ざっと項目をあげてみても、今大谷さんがあげられたぐらい、もうすでに十六項目あるわけですね。さらにそのほかに、昨日永岡君も質問しておりました、満州国の官吏、軍人あるいは外地鉄道の職員、こういうようなものの恩給通算の問題なんかも加わってくるわけだから、これは、二十にも三十にも項目はなってくると思うのですがね。それだけのものを、わずか半年で調査審議をやって、そして結論を出して、政府に報告をするということが、これは、事実問題としてできると考えておられるのですか。どうですか。
  54. 八巻淳之輔

    政府委員八巻淳輔君) これは、われわれ事務当局として、できるだけあらゆる資料を整えまして、調査審議が円滑に進むように、また、委員会の構成をきれる方々にも御勉強を願って、その内容調査審議の結果をお出しいただく、こういうことを考えているわけであります。
  55. 秋山長造

    秋山長造君 そうすると、あなたの方の事務当局の見通しとしては、これはできると、こういう見通しでおられるようですが、しかも、どの項目にしても、これは文章に書く便宜上一、二、三と、こう書いただけで、別にどれが重くてどれが軽いというものじゃないという御答弁なんです。そうすると、やはり軽重厚薄はないということなんですけれども、どうも私は、常識的に考えてみて、どうしてもやはり初めの方に書いてある問題でもう審議の期間が満ちてしまって、あとの方は、仕方がないから、次の機会にというふうなことになるおそれが多分にあるのじゃないかと思うのです。そういうことのないように、やはり少くとも今この委員会審議の上で予想されている、あるいは意見の出ているくらいな項目は、少くともどれも漏れなく一つ審議調査対象にしてもらわなければ、ただ希望だけ持たして、実際の結論は、頭の辺だけがちょこっと入って、あとは、しりの方は消えてしまう、あとは泣き寝入りと、こういうようなことになったのでは、この調査会を設けた意味の大半は失われると、その点についてのあなたの方の見通しなりお考えというものを再度お伺いしたいことと、ついでにもう一点お伺いしますが、第二条の二号の内容文官である、こういう御説明だったのです。まあ文官ということならば、この「前号に掲げる者以外の者」というようなわかりにくい言葉じゃなしに、「文官」とはっきり書いた方がいいのじゃないか。その差しつかえがあるのかどうかということ。  第三点は、三号に、「前二号に関連する戦傷病者云々」と、こう書いてある。だから、「前二号」であるから、一号の旧軍人ももちろん入るし、それから文官も入るわけですね。だから、文官関連する戦傷病者又は戦没者云々というのは、具体的にどういうものが入るのか、その三点をお伺いしたい。
  56. 八巻淳之輔

    政府委員八巻淳輔君) ただいま調査会の運営の問題につきまして、内容が非常に豊富であれば、なかなか短期間に審議ができないじゃないかというようなお話でございましたが、問題をある程度整理いたしまして、分析して参りまするというと、いろいろな数字の面から言って、割合にさばきがつくのじゃないかと、また、そういう意味で、できるだけわれわれも、委員方々に御理解いただくように、今までこの問題についての甲の議論、乙の議論、いろいろあったわけですが、それを分析して、そうして提示して、その御判断を仰ぐというように、できるだけ審議の時間をかけなくても、その判断をいただけるというようにいたすように、努力したいと思っております。  第二点の「前号に掲げる者以外の者の恩給に関する事項」、これは、文官と端的に言えばいいじゃないかという仰せでございますが、実は、文官恩給という言葉が法律的に熟しておりませんので、これをもしもこまかく申しますというと、教育職員であるとか、警察関係の職員であるとか、いろいろに、こまかくまた分けて申さなければならないわけなのでありまして、一口に文官恩給という言葉がありませんものですから、むしろ第一号を出しまして、そうしてそれ以外の者といえば、それは、裏返しにいえば、文官恩給であるというふうな立て方にしたわけであります。  それから第三点の「前二号に関連する戦傷病者、戦傷病者又は戦没者の遺族等の援護」、戦傷病者、戦没者遺族の援護に関することで関連するのは旧軍人の場合だけではないか、確かに御指摘通りでございます。大体の傾向といたしまして、軍人公務扶助料なり、公務傷病恩給に見合うものが戦傷病者戦没者遺族援護法遺族年金あるいは障害年金でございますから、ほとんど一号に関連するものばかりでございます。しかしながら、まあ法律の体裁上と申しましょうか、また穴が、落ちがあるといけないという気の配り方からいたしましても、「前二号に関連する」と申したのでございまして、たとえば、もしも文官恩給について、文官恩給のいわゆる、昨年の公務傷病範囲拡大に関する恩給法の特例がございましたが、あれは、軍人だけについての内地死亡者の遺族に対する特例でございますが、もしもこれを文官の内地死亡者にも拡充すると、こういうことになりますれば、またこれが波及して、戦傷病者戦没者遺族援護法対象であるところの軍属にも波及する、こういう問題になってくるのでありまして、それからそれへと波及してくるというような問題もございまして、必ずしも二号に関連しないということはないというものもあるわけでございます。そういう意味で、法規の技術的な書き方といたしましては、「前二号に関連する」というふうに書いたわけでございます。
  57. 秋山長造

    秋山長造君 私は、それは技術的な問題ではないと思う。体裁だとか、技術だとかいう問題ではなしに、やはりそういう具体的な必要があるからこそこうなりたのだろうと思う。あるいは具体的な必要がないならば、何も体裁もくそもないので、それは、三号は一号のすぐ次にくっつけたらいいのです。具体的な必要があるのかないのかです。具体的理由がなければ、ただ条文を作る技術的な問題というようなことは私は性質が違うと思いますね。具体的な必要があるのですね、二号をも含めるという。
  58. 八巻淳之輔

    政府委員八巻淳輔君) 今私が例にとりましたような、文官公務扶助料につきまして特例を設ける、たとえば、文官が内地で発病によって死亡したと、こういう場合にも、公務扶助料に準ずるものを給する、あの昨年の特例法の拡充をやる、もしもそういうふうな問題が議題になりますれば、これは、その問題に関連して、当然また軍属に関するそうした内地死亡者に対する遺族年金の特例というふうな問題が派生的に起ってくるわけです。そういうふうなものも、もしもこの調査会調査審議対象にしようとするならば対象にし得るという状態に置くと、こういう意味で、それをカバーする意味で、「前二号」ということを書いたのです。
  59. 秋山長造

    秋山長造君 くどいようですけれども、私さらにお尋ねしますが、この文官で、内地死亡をした人が万一かかる問題になるかもしれぬからというと、その確率はどの程度なのですか。私は、万一そういうことがあったならばという、万一の場合を想定して、特に条文の上でわざわざこうされるというならば、むしろそういうことでなしに、四号というものがあるのですからね、ちゃんと。「その他前三号に関連する事項」ということで、四号というばく然とした規定があるのですね。だから、四号という、こういう非常にばく然とした規定がある以上は、前の一号、二号、三号というものは、具体的な、相当はっきりした内容を盛ったものを一号、二号、三号にうたったので、そうしてそれで漏れたものがあるかもしれないから、念のために四号の規定を設けておく。これが私はやはり条文を作る上での常識だと思うのですがね。万一調査会議題になるかもしれぬから、その用意にこうしたのだというのは、それは四号の話だと思うのですがね。どうでしょうか。私は、かえってこういうことは非常に条文の体裁としてもおかしいし、技術的にも私は、きわめてこれは不細工な条文の作り方だと思う。いかがでしょう。四号という規定がちゃんとあるのですから、三号以下はよほど具体的な、内容のはっきりしたものを一号、二号、三号にはうたうべきだ。ばく然とした、万一議題になるかもしれぬというような性質のものは、四号の「その他」の項でこれは全部拾い上げたらいいと思う。
  60. 八巻淳之輔

    政府委員八巻淳輔君) 第二条の各号に掲げましたことは、もちろん、この調査会審議対象になるようなおもな項目を頭に置きながら書いたのでございますが、もちろん、その調査会に対して、こういうことに限定して調査して下さいというふうに、内容的にしぼっておるわけではございませんので、少くとも軍人恩給に関すること、それから文官恩給に関すること、また、それらの問題に関連して、戦傷病者あるいは戦没者遺族に関すること、こういうことについて今問題になっておることを十分調査審議を遂げて、そうして恩給法なり、現在の恩給法、また遺家族援護法であるとか、そういうようなものの上にあるところの不合理等を直していくということでありますれば、なるたけ調査会の独自の立場で問題を提起し、問題を審議するということがまた適当ではないかという意味で、考えられることをできるだけ幅広く盛り込めるという意味で、「前二号に関連する」と、こう書いたわけであります。
  61. 秋山長造

    秋山長造君 ただいまの局長の答弁は、これは全然納得できません、私は。それは、ただ今のその場での思いつかれたことをおっしゃっただけで、これはやはり、条文の体裁としては、それは自主性にまかせるとか、この調査会で問題になる点が今具体的に想定できないからというようなことなら、それはもう四号で全部それを拾い上げることになっておるのです、この法律は。だから、やはり条文の体裁あるいは筋道としては、これは、二号と三号を入れかえるべきですよ。そうすれば、私はきわめてはっきりすると思うのです。だからまあ、この点は一つ、立法技術の問題もあるし、また、今言ったような、具体的な内容の適不適ということもありますから、これは、十分もう一度考え直していただきたいと思います。  それから、発言したついでに、もう一つお尋ねいたしますが、この調査会予算はどうなっておりますか。
  62. 亀田得治

    委員長亀田得治君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕
  63. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 速記を起して。
  64. 八巻淳之輔

    政府委員八巻淳輔君) この臨時恩給等調査会設置法に要する予算は、私の方から大蔵省へ、これが決定になりました後において、予備金の要求をいたしたい、こう思っております。
  65. 秋山長造

    秋山長造君 予備金ですか、予備費ですか。
  66. 八巻淳之輔

    政府委員八巻淳輔君) 予備費です。
  67. 秋山長造

    秋山長造君 予備費から出すというのは、どれだけの金をどの予備費から出すのですか、具体的な話を聞いておるのです。
  68. 八巻淳之輔

    政府委員八巻淳輔君) 今のお尋ねは、それは調査会の事務費のことでございましょうか。調査会の事務費はただいま事務的に大蔵省の主計局の方と折衝しておりますが、計算をつめておりますけれども大体二百万円見当のところで、これを予備金でまかなうということで事務的に話し合っております。
  69. 秋山長造

    秋山長造君 予備金というのはあるのですか、予備金というのは。どこのどういう予備金なんですか。強力な調査会を作るというのに予算を一文もつけずに何をやるのですか。
  70. 足立篤郎

    政府委員(足立篤郎君) 主計局からお答えいたさせましょうか。
  71. 亀田得治

    委員長亀田得治君) どうぞ。
  72. 高木文雄

    説明員(高木文雄君) ただいまのお尋ねの点につきましては、かねて恩給局から相当金が要るから事務費をみてもらいたいという話を承わっております。私ども恩給局との話し合いで現在進んでおりますところでは、従来この種の調査会なり諮問委員会なりいろいろな場合がございまして、それが予算を編成いたします際には予定いたしませんでしたけれどもその後の経過から、設置されますような場合にはとりあえずは普通の場合には、恩給局の上であれば恩給局の事務費でまかなっていていただく、歳出権は認められておるわけでありますから恩給局の事務費でまかなっていていただく。しかし実際やってみますと、その諮問委員会性質なりあるいは調査会性質なりによって非常に実際金がかかる場合もあり、予算の中でまかなわれぬ場合もございまして、もしいよいよ足りなければ予備費をもってまかなうというのが大体の例であります。従って今回もそのようにしていただきたい。その場合に予備費と申し上げます意味は、一般会計予算全体といたしまして大蔵省所管に計上してあります八十億円の予算、これは災害のときにも使いますし、その他いろいろな場合に使うわけでありますが、その予算考えておるわけでございます。
  73. 秋山長造

    秋山長造君 その点は二百万円というさっきのお話だったんですが、大体そういうことになるのですかどうですかという点と、それからもう一点はこれは政府の提案された法律案で、しかも調査会結論を十一月十五日までに出せというような期限付きの審議会、調査会というのはこれは非常に珍しい例だと思うのです。それだけにやはり来年度の予算編成等とのにらみ合せということも当然考えておられるだろうし、また政府自身としても大体調査会結論というものがどういう結論が出て、そしてそれを実施するためにどれだけの経費が要るだろうという大体の見当は立てておられるはずだと思うのです。その大体の見当なるものが、一体どの程度のものを予想した上でこういうふうに日にちを限った法律を出されたのか、その点政務次官にお伺いしておきたい。
  74. 足立篤郎

    政府委員(足立篤郎君) 御承知の通り予算を編成してしまいましてからあと、この法案を出すに至りましたのは実はにわかに決定したことでございまして、国会側の御意向等もございまして政府として急遽この法案を出すことにきまった事情は、委員各位も大体御承知と思います。さような経過からいたしまして、今御指摘のようにあらかじめ政府側でこの調査会の運営等につきましてこまかに計画を立て、その上で練りに練って法案を作ったというような時間的な余裕もございません。従ってこの調査会が今後運営されます場合に、問題がなかなか幅の広い問題でございますし、なおまた深刻な問題もたくさん持っておりますので、相当回数にわたって開かれることも予想されるわけでございます。われわれも何回開くというようなことを予定いたしましても、これはかえって予算に縛られるというと語弊がありますが、運営が制約されるということでもいけないと思います。先ほど高木主計官からお答え申し上げた通り予算がすでにきまったといいますか、予算案が出てしまってからの法案でございますので、大蔵省といたしましては相当弾力性を考えまして、とりあえずの処置としては恩給局予算でできるだけまかなっていく、そうして結果を見まして予備費の支出を必要とするようになると思いますが、これはそのときに処置をつけたい、今申し上げた通り相当回数、丁寧な審議が行われるであろうということも予想いたしているような次第でございます。
  75. 秋山長造

    秋山長造君 いやいや、今のお答えは第一点の質問に対するお答えで、第二点のもっと重要な問題に対してお答えがないのですがね、今お答えになったのは第一点のこの調査会そのものの経費の問題。第二点にお尋ねしたのはもっと重要な問題なんで、この十一月十五日とわざわざ期限を切って、しかも今おっしゃるように十分に練りに練る余裕もなしに早々の間に出された。それだけ急がれそうして具体的に日にちを切っておられる以上は、当然新年度の予算編成ということを想定しておられると思うのです。だからそうなれば大体この結論がどういう結論が出るであろう、そうしてその結論を実施するためにはどのくらいの新規の財源が要るだろう、という見通しが当然政府自身になければならぬと思う、その見通しを第二点にお尋ねしたのです。
  76. 足立篤郎

    政府委員(足立篤郎君) この調査会が慎重に調査研究をしました結果、どのような結論が出されるかということについての見通しは持っておりません。調査会が十分御研究願い、妥当な結論をお出し願うことを期待いたしておるわけでございます。なお先ほども御指摘がありました通り、こういう調査会あるいは審議会というようなもので、それを設置いたします場合に、その答申の期日をきめるというのはまことに異例なことでございます。こういった十一月十五日といった期日をもって法案にも明記したということは、とりもなおさず政府といたしましてはできる限り三十三年度の予算には間に合したいという誠意の現われというふうにお汲み取りを願いたい。従いまして大蔵省といたしましてもその結論を尊重いたしまして、できるだけ予算にこれを実現化いたしたいと心がけておる次第でございます。
  77. 秋山長造

    秋山長造君 じゃあもっと具体的にお伺いしますが、たとえば第二条の一号にうたってある旧軍人恩給の問題ですね、この遺族扶助料は今一万二千円ベースになっているのですね、一般文官は一万五千円ベースなんです。三千円ベースを引き上げるために、この旧軍人並びに文官を通じてどのくらい費用が要るのかというその予想額、それからさらにまた先ほど大谷委員からいろいろ項目をあげての御質問がありましたが、大体さっきの大谷委員があげられた十六項目全部盛り込むとして、どれくらいな経費がかかるものか、そういう点お尋ねしたい。
  78. 八巻淳之輔

    政府委員八巻淳輔君) これはたとえば旧軍人遺族公務扶助料の今倍率の引き上げの問題でございますか、それとも一万二千円ベースを一万五千円ベースに引き上げるという問題でございましょうか。ちょっと。
  79. 秋山長造

    秋山長造君 両方。
  80. 八巻淳之輔

    政府委員八巻淳輔君) いずれにいたしましてもベース・アップの問題、一万二千円ベースを一万五千円ベースにする、こういう問題は文官につきまして約二十八億、それから軍人につきまして約九十億合わせまして百十八億、百二十億近いものがかかる。その上に公務扶助料もまた率を上げる、こういうことになりまするとやはりその関係で、これは正確な数字を今持っておりませんけれども相当の額がまた上るわけであります。でこの委員会におきましてもしもそれをやると、やり方によってもいろいろ違いましょうけれども、するということを考えます場合に、もちろん財政のことも考えなければならないでしょうし、そういうものをにらみ合せて、そしてどういうところへ押しつけるかというようなことが検討の中心問題であると、こう思っております。
  81. 秋山長造

    秋山長造君 もう一点でやめますが、それはもう財政の面でにらみ合わして、おっつけるときはおっつけるのですけれども、それは財政の問題は別問題として、ただ今大谷さんから項目別にあげられたような点、あるいはその他恩給局長なり厚生省の手元において問題になりそうな点、そういうものを全部盛り込むとして大体の見当でいいのです。何百億くらい要るのだという見当でいいのですが、大体どのくらい要るという見当を立てておられるんですか、もうその点だけ伺います。
  82. 八巻淳之輔

    政府委員八巻淳輔君) これは自民党の政調の方に私どもが御説明申し上げましたときの資料でございますが、恩給関係におきまして公務扶助料の問題、傷病恩給の問題、普通加算の問題、こういうようなものをひっくるめまして、またこれが地方公共団体の恩給費に及ぼす波及の度合、あるいは援護法の改正に関連する問題というものをひっくるめまして、全体で約四百五十億というものが平年的にかかるということになっております。
  83. 八木幸吉

    八木幸吉君 今の四百五十億の中には、一万二千円を一万五千円に上げるベース・アップは入っておりますか。
  84. 八巻淳之輔

    政府委員八巻淳輔君) 入っております。
  85. 八木幸吉

    八木幸吉君 その自民党に御説明になった書類をあとでよろしゅうございますから、資料にして一つ委員長を通じて頂戴したいと思います。  それから先ほどの話なんですが、秋山委員お話になりました二条の三号の戦傷病者及び戦没者、これはたとえば長崎、広島の原爆で死んだり、傷ついた公務員はこれに該当しますか。
  86. 八巻淳之輔

    政府委員八巻淳輔君) 広島、崎の原爆で公務によって戦傷病にかかった、こういう方々はただいま文官としての公務傷病恩給を受けておるわけでございます。
  87. 八木幸吉

    八木幸吉君 だからつまり空爆で勤務時間中に死んだり傷ついた人は、この三号に入りますか入りませんか。
  88. 八巻淳之輔

    政府委員八巻淳輔君) その方が恩給法上の公務員でありますれば第二号、すでに現在その遺族の方が文官公務扶助料を受けておるわけでございます。またその方が生きて戦傷病者である、こういう場合には現在文官公務傷病恩給を受けておるわけであります。
  89. 八木幸吉

    八木幸吉君 そうすると先ほど秋山委員質問に帰ってきますが、どうもこれで約束されるものは何にもないようにわれわれでも思いますが、それはそうですが。何か恩給権のある者以外のそういった戦争での傷ついたり死ぬ人がありますか。
  90. 八巻淳之輔

    政府委員八巻淳輔君) ただいまのお尋ね、どういうお尋ねかはっきりわからないのですが、御趣旨は第三号に「前二号に関連する」ということで、文官恩給関連した戦傷病者、戦没者、遺族関係の援護という問題はないであろうと、こういう御質問の延長としてそういう問題だと承わってよろしゅうございましょうか。
  91. 八木幸吉

    八木幸吉君 はあ。
  92. 八巻淳之輔

    政府委員八巻淳輔君) そういたしますと御指摘のようにあまり多くの例というものはないと思います。広島、長崎の原爆に倒れられたあるいは傷つけられたという方々が、公務員である場合には文官恩給対象になっておるわけであります。またその方たちがいわゆる援護法上の軍属であれば当然三号の問題になってくるわけであります。ただしかし、その方々について、まあこれは観念的に申し上げますが、長崎、広島の原爆関係文官公務傷病者あるいは公務死亡者というものについてだけ、特別な処遇をするというようなことがもしありとすれば、そういうことになればまた軍属という問題にもこれは関係してくると、こういうことがあるわけです。もちろんそういうことは考えられませんけれども、私ども考えておるわけじゃございませんけれども、ただそうした意味においては関連してくると。先ほど例に申し上げました内地死亡軍人遺族に対する特例というようなもので、問題がもし文官にこれが波及してくる、こういうことになれば、さらにその問題は軍属にも波及してくる、こういう関連においてはそういう問題はできるだけ軍人に限りたいと私たちは考えておるわけでありますけれども、そういう限りにおいてはあるといえばそういう関係においてはあるということになると思います。こういうことであります。
  93. 八木幸吉

    八木幸吉君 先ほど秋山委員恩給局長との質疑応答を伺っておって、これは原爆の公務員の戦傷病者等にこれがあるのかと思って実は伺っておったのですが、そのお話を伺っておると秋山委員が御指摘になったようにこの条文は全く意味がないと、こう私も了解するのですが、何か意味を発見されるのに非常に苦心されておるように伺うのですが、結局これはどうも意味のない条項だと、こういうふうに承知いたします。
  94. 竹下豐次

    竹下豐次君 先ほど恩給局長の御答弁で四百五十億という数字を出されたのですね。これは御希望の数字だろうと思っております。そこで大蔵政務次官にお伺いしたいのですが、お聞きの通り恩給局長は四百五十億の金は必要であるということを先ほど答弁されたですね。調査会でこの程度の金額を必要であるという決議ができた場合に、大蔵省はそれだけの金は支出するというだけの準備はございますですか。
  95. 足立篤郎

    政府委員(足立篤郎君) 先ほども申し上げました通り、この法案によりまして恩給制度調査会が生まれるわけでございまして、学識経験者等を集めまして十分調査研究を願いまして、妥当な線を出していただこうという意図でございます。今ここで調査会の結果がどういうものが出るであろうか、またそれはのめるかのめないかというようなことを大蔵省の立場として表明いたすということは、これは穏当でないと思いますので、この点は一つ御理解を願いまして弁明は避けさしていただきたいと思います。
  96. 大谷藤之助

    大谷藤之助君 関連質問でちょっと今の八木委員、それから竹下委員から御質問が出てちょっと恩給局長答弁が食い違っておるように思うのですが、質問された意味の方がよくおわかりにならなかったのじゃないかと思いますが、三号はこれはなくしていいのではなくて、これは大問題、これ抜かれたのでは大へんなことになるのですが、今の公務員公務中に死亡した、もうこれは当然の恩給の受給権者が大部分でほとんど問題なかろうと思いますが。公務員ということにとらわれれば三号はそれでほとんど問題が残らぬのでありますけれども、実際問題では広島の原爆では学生もおりますし、戦闘参加者という者もおりましょうし、あるいは国民義勇隊員もおりましょうし、全部これは三号によって三万円の弔慰金をもらっている。そういう者はいかぬから、遺族年金にしろということで、先ほど私がお話した調査の問題がたくさん含まれておりますが、これは恩給法関連ではないのですから、そういう意味で三号が抜かれては困るので、私は多少は聞きとられた意味で誤解があると思いますけれども、私はそういうふうに解釈しておるのですが、どうなんでしょう。
  97. 八巻淳之輔

    政府委員八巻淳輔君) もちろんただいま大谷委員の御指摘通り、三号そのものはもちろん重要な規定なんでありまして、ただ先ほどからの議論になって私ども指摘されて困っておるのは、前二号というもののうちで一号の方はわかるけれども、第二号の方はあまり関連性が稀薄じゃないかという点の御指摘でございます。これはまあ法律技術ということで逃げては申しわけありませんけれども、一号、二号と引っくるんで、恩給という一つのカテゴリーなんで、これが戦傷病者援護というのは一号、二号、三号という一つの対立したものと考えますと、前二号というのは恩給関連した援護のことだと、こういうふうに一つ考えていただきたい。
  98. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 速記をやめて。    〔速記中止〕
  99. 亀田得治

    委員長亀田得治君) じゃ速記を起して。
  100. 竹下豐次

    竹下豐次君 大蔵政務次官にちょっと希望を申し添えておきたいと思うのですが、ただいま私の質問に対するお答えは私も了解ができますけれども、御答弁のこの席でしにくい点だろうということは予想しておったわけでありますが、ただ私この前在外財産の審議会の委員をしておったのです。そのときに大蔵事務次官がやはり委員として出席しておられました。審議会では政府の心がまえを、金額をどの程度政府は出せるのだろうということを聞きたかったのです、早く。出しようによって非常に莫大な金がかかるのですね。また引き締めようとすれば相当に引き締めることもできる、そういうことはやはり委員会としても相当に常識を働かせなければならない問題であろう、それに委員は実は苦しんだのです。そこ。で平田さんに対してなるべく早く言ってくれということを再三かわるがわる注文したのですけれども、大蔵省の立場を非常に考えられましてなかなかおっしゃらなかった。それがためにやはりこの議事の進行をいききかやつぱりおくらかされたというようなこともあるわけであります。これは私のついこのごろの体験であります。で今ここで私はその金額をはっきり承わることは、これは注文が無理だろうと思っておりますから要求いたしませんけれども、そういうことをお考え下さいまして、なるべく腹がまえだけは早く適当な時期に、おそらくこれは調査会の方から注文が出てくることだろうと思っておりますけれども、早く発表できるだけの準備をしていただきたいと思います。それだけ希望を申し添えます。
  101. 足立篤郎

    政府委員(足立篤郎君) 御意見は十分伺いました。
  102. 永岡光治

    永岡光治君 先ほど労働大臣給与担当大臣を呼びまして伺ったところが、期限をつけたのは、先ほど政務次官も言っておりましたが、来年度予算に間に合うようにということで責任をもって来年度はやる、朝にあろうと野にあろうと。こういう発言がありましたが、それは岸内閣でもそうか、そうだと言明されたのでありますが、三十三年度で実施するわけですね、結論に従って。
  103. 足立篤郎

    政府委員(足立篤郎君) 先ほど私がお答えしました通りに、諸般の情勢を勘案しなければなりませんし、財政事情もいろいろございますので、今ここで一銭一厘違わぬものを、予算を組むということをお答え申し上げる自由は持っておりません。これはおそらく大蔵大臣が出席なすっても同様だと思うのでございます。ただ十一月十五日という期限を切ったことで政府の誠意のあるところを申し。上げたのであります。これは三十三年度の予算に誠意を持って、できるだけこれを盛り込むように善処いたしたいということを申し上げたのであります。
  104. 永岡光治

    永岡光治君 一銭一厘じゃなくていいんですがね。とにかく実施すると、こういうことですね。いずれ結論を見てやるでしょうけれども、そういうことを明確にしてもらいたい、これは第一点ですがね。この大臣説明資料を見ましても、相当強力な委員会を作るということですが、メンバー、陣容はどのくらいでやるのですか。短期間でやろうとしているわけですが、これは百万円ぐらいですか、予算はそのくらいでやるのですか。
  105. 八巻淳之輔

    政府委員八巻淳輔君) これは内容は、印刷費と会議費、会議費が主でございますが、あと委員方々の住所地によっては旅費が出るわけでございます。相当頻繁にやるといたしましても、実は会議の単価は非常に安いのでありまして、頻繁にやるといたしましてもそう大したものにならない。二百万円というのはわれわれの方の大蔵省に対する要求でございます。その程度であります。
  106. 永岡光治

    永岡光治君 私はそのくらいではおそらくこの際一気に解決しようという資料は困難じゃないかと思う。二百万円としても、先ほどの高木主計官ですかの説明によると、予算の通過したあとでその費目は組んでなかった。そこでひとまずやってもらいたい。あとで予備費を支出して補正を行うと、こういうことになるわけですね。そういう説明でしたですね。
  107. 高木文雄

    説明員(高木文雄君) まずやっていただきまして、その金の工合により、どうしても恩給局予算の中ではやり繰りがつかないということになりました場合には、予備費を支出することになると思います。
  108. 永岡光治

    永岡光治君 恩給局予算はそんなずさんなものですか、三十二年度は。
  109. 高木文雄

    説明員(高木文雄君) 予算でございますが、予算はたとえば各省庁の庁費、旅費というものをみてみますと……。
  110. 永岡光治

    永岡光治君 余っているのですか。
  111. 高木文雄

    説明員(高木文雄君) つまり具体的の内容をきめて組んだもののほかに、およそ人がいれば水も使うでしょうし、電気も使うだろうということで人にかける平均的な共通費も入っておりますから、そこで実際使ってみますと、たとえば去年は何とかやり繰りをして自動車を一台買ったというような場合もあり得るわけでございますから、ことしは、それじゃ自動車はがまんをしようというふうな程度、その程度のものはあるということはいえるのであります。しかしもしこの調査会が具体的にいろいろお仕事をなすった結果、たとえば膨大な調査をやらなければならぬカードを作っていろいろなことをやろうということになり、足りなくなればそこらはもう少し調査会の御審議をどういうふうにお進めになるか、それによって変ってくると考えております。
  112. 永岡光治

    永岡光治君 そういうことであれば、今後予算が成立したから新しいものについては出せないという理由は、私は成り立たないと、そういうふうに解釈したいと思うのです。今後給与等の問題がいろいろ出てきますが、予算が通過したから出せないということは一切やめてもらいたい。それは理由になりません。それだけはっきり言っておきます。そういうずさんな国会に対する審議をあなた方要求されたのは問題だと思うのです。金はやってみれば出るのだという、そういういいかげんな予算だったら、これは私たちは問題にしなければならぬと思います。
  113. 高木文雄

    説明員(高木文雄君) 私の説明の仕方が非常にまずかったかもしれませんが、従来からたとえばことしの例といたしますと、食糧関係につきまして現在臨時調査会が開かれておりますが、これらのものにつきましては金額は多くはございませんが、別途に組み込んであります。そこで政府予算を組みましたあとに起りました事態については、予備費をもってまかなうというの、が、金額がそれほど大きくない限り、うんと大きいものは補正予算ということになりますが、金額がそれほど大きくない限り、予備費をもってまかなうということで、予備費を八十億認めていただいているわけでございますが、そこでその場合に、いきなり最初から予備費を出していくか、あるいは一応まかないをつけてそして足りないときに予備費を出していくかということは、従来必ずしもはっきりしたルールがあるわけじゃなくて、金額のいかんによってやっておりますので、そういうふうなやり方から、直ちに予算そのものが非常に甘いという御批判を受けるとすれば、今後考えていかなければならぬと思いますけれども、現在の段階ではこれでお許しを願いたいと思います。
  114. 亀田得治

    委員長亀田得治君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕
  115. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 速記を起して下さい。
  116. 永岡光治

    永岡光治君 この結論が出た場合に、十一月十五日を目途としておるということは、当然次の三十三年度には実施をするという覚悟があると思うのですが、それがどういう程度に実施するか、それを政府検討することになりましょうが。とにもかくにも実施するという決意であることは間違いがないと思うのですが、その辺のところを明確にしてもらいたいと同時に、先ほど私が聞いたわけですが、共済年金ですね、一般の。これもこれと均衡をとってやるというお話でしたが、実施を一緒にやるのだと、こういうお話でしたけれども、それは間違いがないか、明確にしてもらいたい。それはこういうことです。恩給一般公務員共済年金をもらっておるところに不均衡が出ておるわけですね。もう一回それをよくわかるように言いますが、
  117. 足立篤郎

    政府委員(足立篤郎君) いや、わかりました。ただいまの御意見通り、大蔵省としても、この調査会結論が出ました場合には、三十二年度予算におきまして、できる限り実施をいたしたいという決意でございます。  なお共済年金の問題につきましては、調査会答申の結果によりたいと思いますので、不合理のある点はおっしゃる通りどももわかっておりますので、調査会答申の結果によりまして善処いたしたいと思います。
  118. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 速記をやめて下さい。    〔速記中止〕
  119. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 速記を起して。質疑はこれにて尽きたものと認めます。これより討論に入ります。御意見のおありの方はそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。
  120. 大谷藤之助

    大谷藤之助君 ただいままでの委員会の経過で、相当調査会のばく然としたところも明らかになってきたわけでありますが、この案そのものについては賛成いたしますけれども、これについて今までの委員会の経過から見て、付帯決議を提案したいと思います。その提案いたします理由を、ここに三点ばかり大きい点を申し上げますれば、当初から問題になりましたこの調査会の目的といいましょうか、調査会の目途とするところがはっきりここにうたわれていない。従ってこれからあるいは発展的に考えますことは、恩給制度のあり方なり、あるいはまた将来の公務員年金制度にも関連して、この恩給法の根本的に改正を加えると、かようにも取られるというような節もございますけれども審議の経過から見まして、また政府側からの説明によりますと、この範囲は、現行恩給法の範囲内と、これに基く諸問題を一つ検討是正してもらう。この点がはっきり出てきたわけであります。また調査会自体に対しましても、また範囲を拡げた問題でやりまして、この半ヵ年ぐらいの期間内にそういう根本的な問題が解決されるにはあまりにも時間が短かい。そのような点から申しましても、できるだけ現在明確になっておりますこの不均等、不合理の問題を、現行恩給法の範囲内でなるべくすみやかに一つ是正点を見出す、ということがこの調査会に対する付帯決議のまず第一点の理由であります。  次の問題は、いろいろ議題として調査会内容として取り上げる事項についてのいろいろの問題が出ておりますが、これはこの議題については政府側から明確に議題の諮問をされるわけでもなく、今までの審議会の委員会の経過から見ましても、この委員会で取り上げられた問題は少くともその調査会議題一つとして慎重に検討してもらいたいということが、この付帯決議の理由の第二点であります。  第三点は、この法律によって調査会というものに、十一月十五日という前例の少い期限付の調査会を設けられておる。しかもこの調査会でやられる範囲は、現在の恩給法なりあるいは援護法のこれに基くものだということで、相当限定されておる範囲であります。この十一月十五日という日にちがここに制限されたことは、むしろ先ほど政務次官の御答弁にもありましたように、政府としてもまあおそくも昭和三十三年度からこの報告に基いてこれを実施したい、そういう一つ政府の気持の現われだろうと思いますが、この調査会そのものも見ようによりますれば、まあ悪くこれを見る人は調査会を設けることによって、一つこの不均衡あるいは不合理是正なり、また相当額のここに予算考えられるということで、調査会という名前にかくれて、どうも食い逃げされるのじゃないだろか。悪くとる者はかように要望者の側では見る者もおりますが、しかし私どもとしましては、むしろこの調査会政府としては当然やらなければならぬ。ことを今日まで戦後十二年もほってある。少しでもよけいに予算を盛ってまた要望者なりまた関係者の満足もさせてやりたい、その政府の親心を調査会によってなおこれを強力に押してもらう。こういう意味であろうと考えますし、また先ほど大蔵政務次官答弁もそういう線によってのまあ気持の現われの一つだろうと、かように解釈いたしたいわけであります。同時にこの内容がかように限定された範囲の問題としますと、恩給法の問題にしましても、また援護法の問題にしましても、ここで先ほど議題として希望いたしましたような項目は、もう当然今日まで解決し尽されていなければならぬ問題であって、むしろ見ようによってはこれが今日まで戦後十二年、あるいは遺族の問題で、あるいはまた傷病者の問題で、あるいはその他の援護法関連しました問題で、今日なおかように問題が山積しておるということは、見ようによっては政府の怠慢とそしられてもいたし方ない問題であろうと思います。来年度の予算を待つまでもなく、当然もう今年度あたりにこの問題の頭が出されなければならぬとかようなことも考えるわけでありまして、この調査会の報告によりまして、来年度これは大蔵政務次官が、気持の一端ということでなく、政府において確実にこれを一つ完全実施するように持って行ってもらいたい。これが理由の第三点でありまして、これに基きまして付帯決議の案を御披露いたしまして、皆さん方の御賛同を得たいと思います。    付帯決議(案)  この法律により設置される臨時恩給等調査会においては、現行恩給法に基く各種の不均衡不合理の是正並びに之に伴う戦傷病者戦没者遺族援護法の改正及び昭和三十一年法律第百七十七号「旧軍人等遺族に対する恩給等の特例に関する法律」の本委員会付帯決議事項の実施等、戦没者遺族その他の処遇の抜本的解決に資するため、速かに調査審議を遂げ、政府はその報告により昭和三十三年一月一日よりこれを実施し、くとも昭和三十四年度内に完全実施するよう措置すべきである。
  121. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 他に討論はございませんか……。ちょっと速記をやめて下さい。    〔速記中止〕
  122. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 速記を始めて。他に御発言がなければ討論は終局したものと認めます。これより採決に入ります。臨時恩給等調査会設置法案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  123. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 全会一致でございます。よって、本案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  次に、討論中に述べられました大谷委員提出の付帯決議案を議題に供します。大谷君提出の付帯決議案を、本委員会の決議とすることに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  124. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 全会一致と認めます。よって、本付帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  なお、本院規則第百四条による本会議における口頭報告の内容、第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成、その他自後の手続につきましては、慣例によりこれを委員長に御一任願いたいと思いますが御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  125. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 御異議ないと認めます。よってきょう決定いたしました。それから報告書には多数意見者の署名を付することになっておりますから、本案を可とされた方は順次御署名を願います。   多数意見者署名    松岡 平市  松村 秀逸    永岡 光治  八木 幸吉    大谷藤之介  木村篤太郎    上原 正吉  秋山 長造    竹下 豐次
  126. 亀田得治

    委員長亀田得治君) ちょっと速記をやめて下さい。    午後三時四十五分速記中止    —————・—————    午後四時十三分速記開始
  127. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 速記を起して。  次に、国家行政組織に関する調査の一環として、官庁保有自動車に対する監察状況に関する件を議題に供します。本件に関し御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
  128. 秋山長造

    秋山長造君 最近正規のルートを通らないで、いわゆるやみルートによって高級外車がずいぶん入っておる。これは先般来新聞等でも大きく取り上げられたことがある問題ですから、監察部長御承知だと思うのです。私どもの調べたところによりますと、昨年の九月現在で、全国の陸運局並びに陸運事務所に登録されておる外車が十三万四千九百十五台になっております。だから現在はおそらくそれをはるかに上回るだろうと思います。そのうちいわゆる官公庁で買い上げて使用しておる高級車が四割前後を占めておるとわれわれは考えるのです。政府の方は、一方では、鳩山内閣以来国産車を使えというかけ声を大いにかけてこられ、また法律上でも外車の使用ということを相当きびしく規制されておられるにもかかわらず、政府機関である各官庁、それからさらにはまた地方公共団体等において、正規のルートを通ぜずしてやみルートで外車をまるで競争のように買い入れて、そして大臣、次官、下は局長、係長に至るまで、やみルートで入った外車を乗り回しているという事実を私どもつかんでいる。この問題について行政管理庁としてどういうように考えておられるか。またこういう問題について、徹底的な調査をなさったことがあるのかどうか、ということをまずお伺いいたしたい。
  129. 岡松進次郎

    政府委員岡松進次郎君) 秋山委員からのお尋ねに対しましてお答え申し上げます。実は私の方で昨年官庁保有自動車調査をやったのでございますが、その内容は、三十一年三月末現在を押えまして調査いたしましたのでございます。なお、調査いたしましたのは乗用車に限っておりましてバス、トラック、あるいはその他ジープ等の特殊車につきましては調査いたしておりません。なお、調査いたしました範囲につきましては、大体いわゆる国家機関としての国の行政機関全般にわたって調査いたしておりますけれども、たとえば病院とか郵便局とか、そういうふうに非常に保有車両が少いと見られるものは、非常に時間もかかりますし、また限られた期間で調査いたしました関係上除きましたけれども、大多数の乗用車につきましては調査したつもりでおります。ただいまお話のありました陸運局に登録いたしました自動車は、これはもちろん全国的の外車の数と存じますけれども、その中でいわゆる国の行政機関で持っております、ただいま申しました三十一年三月末現在の外車は、割合に少いのでございまして、全体の保有自動車数が三千一百九十八台でございますが、その中で外車は二千二百七十一台という計算になっております。それで、なおお尋ねのように、この中にいわゆるやみルートで買った車があるかどうかというお尋ねでございますが、実はこれを調査いたしました目的が、いわゆる官庁によりまして、非常に新しい車を持っておる官庁、古い非常にボロボロの車で運営しておる官庁があるかと思うと、また自動車の購入の、何と申しますか、財源と申しますか、そういうものは普通庁費をもって買うべきものが正常とされておりますのが、事業費で、事業用でない、いわゆる乗用車を買っておるといったような実情もございますし、また、その運営面につきましても非常に自由に使っておる、あるいは切り詰めて使っておる、そういう管理面につきましてもいろいろとアンバランスがある。従いまして、それは必ずしも使っております官庁の責任ばかりでなく、あるいは予算等におきまして非常に切り詰められておるために、自由に自動車が買えないためにいろいろ流用して買っておる。これは会計法規上の違反でないにしても、運営面についてアンバランスがあるのはおもしろくない。この実情を調査して関係官庁に自粛を要望し、かつ大蔵当局につきましてもやはり予算の編成の面におきまして、なるべく正常の形に、無理のない形に官庁自動車の保有の形を合理化した方がいいのじゃないかという意味で、何か調査をやったわけでございますので、外国車の数はあるいは何年型というようなことはわかっておりますが、これがいかなるルートでいかなる方法で買い入れたかといった点までは、まだ実は調査いたしておりません。またそれを調査いたしますにつきましては、これは捜査権も十分ないと、またそういう不正の点は十分究明できないと存じます。われわれの調査はそういう意味調査いたしましたことを申し上げておきます。
  130. 秋山長造

    秋山長造君 捜査権がなければ捜査できないとおっしゃったけれども、それは限度の問題だと思います。これを法律違反だから刑事問題として処理していくというところまでの権限は、あなたのところにはないと思うのですけれども、しかしそれぞれの官庁が外車をどういう手続でどういう相手から買ったかという調査はこれはできると思うのです。その点はどうですか。
  131. 岡松進次郎

    政府委員岡松進次郎君) それは調査すればできます。ただ相手の業者等につきましては、われわれの方は調査権がございません。官庁についてだけの調査はできます。
  132. 秋山長造

    秋山長造君 それは直接あなたの方が業者を調査するということは、これはできないことでありましょう。しかし買い入れた官庁を通じての調査はできるわけでしょう。
  133. 岡松進次郎

    政府委員岡松進次郎君) いわゆる会計上の経理面の調査ということはできます。
  134. 秋山長造

    秋山長造君 あなたの方では昨年の三月三十一日現在で調査されておるのですが、今年の今日現在の時限に一番近いところでこの調査はできますか、今日現在での。
  135. 岡松進次郎

    政府委員岡松進次郎君) 現在でやろうと思えばできますけれども、われわれの方の監察計画とか、いろいろ年間計画もきめてございますので、これだけをすぐ取り上げてやるというようなことは、いろいろ経費とか人員の都合あるいは監察計画の事情等によりまして研究してみないと直ちにお答えできないと思います。
  136. 秋山長造

    秋山長造君 あなたの方で調査されてから年度末まで、三十一年度についての調査は全然やっておられないのですか。資料も全然ございませんか。
  137. 岡松進次郎

    政府委員岡松進次郎君) 調査いたしましたのは三十一年の八月十日から、これは非常に急いでやりましたので、またあまりだらだらやっては意味がないというので二ヵ月で非常に馬力をかけてやりました調査でございますので、従ってその時限の関係上昨年の三月末現在というものを押えてやっております。その後には調査いたしておりません。
  138. 秋山長造

    秋山長造君 以前のことも以前のことで調べていただきたいと思うのですが、三十一年度の通産省の外車の割当を見ますと、外人観光客輸送用として五百六十六台、新聞社報道用として百六十一台、合計七百二十七台ということになっております。だから官庁には一台も割当はない。ところが今日各官庁で乗っておられる自動車には五六年型あるいはもう五七年型が出ているかもしれない。そういうきわめて最近の新しい外車が相当数入っておる。そういうものが通産省の割当がないのに一体どこから入ったのかということも私大いに疑問をもつのですが、そういうような問題もあります。それからまたやみルートと称するそのルートがどういうことになっておるかということも、これは私が言わなくてもあなた方の方でも大体は想像がつくと思うのですがね。とにかく私の問題とするのは、このやみルートを通じてどんどん車が入っておるということ自体が問題だし、それからさらにそういうものを、国産車奨励というかけ声をやっておる政府の役所自身が使っておる、ということが第二の問題だと思う。それからさらに右へならえで、地方の官公庁がやはり相当多くの金をかけて、わざわざそういうものをやみルートを通じて買って使っておるということが第三の問題。いずれにしても、これはあなたの方をわずらわして一つ正確な実情を調べていただきたいと思う。昨年三月三十一日現在は三千二百九十八台ということですが、今年三月三十一日現在でもけっこうですがね。それより新しければなおさらけっこうですが、できるだけ今に近い時限で外車の保有数の正確なものを調べてほしい。そうしてそれらの外車がどういう手続でどういうルートを通じて入っておるのかということも調べていただきたい。さらにまたきつき言いました三十一年度中に官庁に入った外車がどれだけあって、それがどういうルートで入ったのかということも調べていただきたい。とりあえずこの三点について早急にお調べを願って、その資料をこの委員会にお配りいただきたい。それをいただいた上であらためて大臣にも来ていただいてこの問題を徹底的に究明したい。いかがですか。
  139. 岡松進次郎

    政府委員岡松進次郎君) ただいまの御要求に対しましてちょっと私から申し上げたいことがありますので、御了承願いたいと思います。実は官庁の車がやみのルートで入るということは絶対に私はないと断言は申しかねます。御承知と思いますが、外国車を手に入れる方法が、十分研究しておりませんが、三つあるように考えられます。一つは正式に外貨の割当を受けて購入する場合、これはただいま大蔵省の予算編成方針から申しましても、いわゆる交換差金を予算につけるというような方法をとっておりますので、官庁が正式に外貨の割当を受けて輸入するというようなことは、まずあまり考えられないのじゃないかというふうにも考えます。にもかかわらず官庁が外車を手に入れるという方法は、しからばどういう方法かと申しますと、これはもう御承知と思いますけれども、三十年の四月に通産省の告示で、進駐軍の兵士が登録後一年を経過して年式が二年以上古いものならば売ってもよろしい。それより新しいような外車を売った場合には違反だというような告示が出ております。従って登録後一年を経過して年式が二年以上古いもの、今年でいいますと今年は五七年でございますから、五五年型の直ならば差しつかえない。またこれはよく研究いたしておりませんが、アメリカはたしか一年先に売り出すので、場合によっては五六年型でも二年経過したというようなことになる場合もあるのじゃないか、こういうふうに考えます。そうするとそういうものは正式に手に入れることができるわけであります。ですから、これは、もう一つの例は、無為替輸入ということが認められております。これは、公共的なものは無為替で輸入することができる。しかしこれは、二年間転売してはいけないという、何か通産省で、これは行政措置でやっておるようでございますが、しかしこれは、別に、転売しないというような、何か誓約を取ってやっておるらしいのですが、罰則がないために、中には、二年前に転売するというようなこともあるようでございます。あるといたしましたら、最初に述べました、いわゆる登録後一年経過して、二年以上古い車を買うという場合であろうと思いますが、こういうような条件を考えあわせてみますと、三十一年の三月末現在でやりました外国車につきましては、五十三年といったような車もありますが、これは、調べてみなければわかりませんけれども、もちろん、二年以上経過した形式でございますし、違反になっていないのじゃないか、こういうような関係で、言葉をお返しまするわけじゃありませんが、官庁として、こういう告示が出たあとにおきまして、そう違反を犯してまでも外国車を買っていくという例は、非常に少いのじゃないかというふうにも想像できるわけであります。
  140. 秋山長造

    秋山長造君 今の御答弁は、あなた自身も相当善意に想像しての御答弁だと思います。その点は一つ、きつき私お願いした資料を早急にお作り願った上で、あらためて究明したいと思うのですが、同時に、じゃ、違法なルートで入れてないのだから、かまわぬじゃないかということ自体も、これまた別な角度から問題になると思うのですね。一方では国産車奨励を大いにやっておられるわけです。そのやっておるもの自体が、自分は外車密どんどん使うと、ルートが正規であろうとやみであろうと、とにかくどんどん外車を使うということ自体が、私は大きな問題だと思います。とにかく行政監察という建前からいくと、非常にこれは問題だと思います。だから、そのこと自体も問題だし、その上に、しかも、入手したルートについて問題があるとすれば、問題は二重に重なると思います。ですから、今のお願いした資料を一つ作っていただきたいのですが、いただけますか。
  141. 岡松進次郎

    政府委員岡松進次郎君) 実は、ただいま非常に重要な監察計画を一ぱいやっておりますので、実は、昨年のこの調査も、二ヵ月間、ほとんど幹部の方は、ほかの仕事をなげうってやったような関係がございます。相当これは、やはり手数を要することでございますので、今やっております監察計画等のまとまりがおくれるというようなことも、研究してみないとわかりません。帰りまして、上司とも相談いたしまして、御趣旨は十分尊重いたしますが、やる時期その他につきましては、あらためて御相談いたしたいと思いますが、いかがでございましょう。
  142. 亀田得治

    委員長亀田得治君) ちょっと私から、関連して申し上げてみたいと思いますが、先ほどの三千二百九十八と二千二百七十一という数字は、これは本省だけじゃなしに、国、出先機関ども入れた数字でありますか。
  143. 岡松進次郎

    政府委員岡松進次郎君) そうでございます。
  144. 亀田得治

    委員長亀田得治君) そこでですね。この数字の何年型という点はわかっていると、こういう先ほどお話でしたが、その点も一つ、これはすでに調査済みのものですから、出してもらいたいと思うのです。何年型が何台、何年型が何台と、そうすると、私ども大体の傾向というものがわかってくる。  それからもう一つは、今何年型というのを各省別に、どうせ調査された集計でしょうから、それを各省別に集計してもらいたいと思う。  その二つはすぐできますな。今までの調査の中から拾えばいいのですから。
  145. 岡松進次郎

    政府委員岡松進次郎君) できると思います。
  146. 亀田得治

    委員長亀田得治君) もう一つは、三十二年の三月三十一日までの官庁に対する外車の割当数ですね。昨年度までの割当数、これは、あなたの方から電話で、割当をやっている通産省の方へお聞き合せ願えばわかるわけです。これはもう、われわれから直接呼んでやってもいいのですが、この問題は、あなたの方に相当働いてもらいたいと思うから、お願いするわけだが、その点の一つ資料も整えてほしいと思います。
  147. 岡松進次郎

    政府委員岡松進次郎君) 先ほどの年次別は、私の方は、たしか五十年以上を新車、四十九年から四十五年を中古車、それ以前を古車というふうに……、自動車の販売としては、そういう五十年というような古いのを新車とは言わないそうですけれども、官庁は割合に古い車を使っているという意味で、五十四年とかいいますと、幾らもないのですから、五十年以上を一応新車とした区別をやっていますので、各省から出していただいたのも、これに当てはまったのがこれこれというふうに私どもやっていますから、このクライスラー五十二年なら五十二年が新車だというのじゃなく、これは、五十年から五十三年までの程度のものだと、こういうぐらいしか出せないと思いますが、その点いかがでしょうか。
  148. 亀田得治

    委員長亀田得治君) そういう程度しかわかっておらなければ、それでけっこうですから……。
  149. 岡松進次郎

    政府委員岡松進次郎君) 大体今の委員長の御要求は、これは、私どもの方で整理いたしますから、できますのですが……。
  150. 亀田得治

    委員長亀田得治君) できますな。それから、先ほど秋山委員の要求された中でも、三つおっしゃったのだが、すぐわかるようなものもあるように思うのですが。
  151. 岡松進次郎

    政府委員岡松進次郎君) われわれの方から出向かないで、各省に一応調査表を配りまして報告を求める、こういう程度でしたらできますが、一々それを、帳簿を当って、今おっしゃったようなものを調べるということになりますと、これは全国的で、相当ひまもかかりますし、今の監察計画に影響しますので、私一存ではちょっとお引き受けすることはできないということを申し上げておきます。
  152. 秋山長造

    秋山長造君 それは、即席では引き受けられんという御答弁なんですね。帳簿に当って調べるということは、これは私お願いしても、できないということですか。
  153. 岡松進次郎

    政府委員岡松進次郎君) いや、できないとは申しませんが、相当、つまり今監察では、ほかの計画も出ておりますから、それをあと回しにするとかするのも非常に困りますし、今時期でなければ……、官庁は、事務によっては、たとえば、税務署でいえば、所得税の徴収の時期は避けてもらたいといったようなことで、それを避けてやっているようなこともございますので、それをやめてあとからというわけには、非常に官庁に迷惑をかけるといったようなこともございますし、やりかけた仕事を今中止するということもどうかと思います。官庁に照会して取るといった、いわゆるそういう机上調査的なことならば、何とか御要求に間に合せます。で、こういう問題は、私の方も昨年やりましたのですが、いわゆる自動車も一つの需品調査でございます。こういう面につきましては、また時期を見て、全般的な監察をやらなければならぬとは感じておりますけれども、これもいろいろ計画の都合で、時期等ははっきりいたしませんけれども、そういう機会に、また時期を見て、官庁の自動車の正常なあり方といったようなものを監察する点につきましては、異存ないところでございます。今すぐにということになりますと、ちょっと無理じゃないかという感じがいたします。
  154. 秋山長造

    秋山長造君 では、書類で照会されて、資料を集められるということならば、大体どのくらいかかりますか、日にちは。
  155. 岡松進次郎

    政府委員岡松進次郎君) はっきり申し上げられませんけれども、これは表を作りまして、関係地方に趣旨を徹底して、それから各官庁に伝達して、書いて出してもらい、それを集めて、中央で集計いたしますから、二十日か一月くらいかかるのじゃないか。それは、きょう言ってあしたというふうには官庁はなかなか出していただけませんし、しかし、一年間ですから、数はそう多くはないと思います。外国車だけですから。ちょっと今、見当つきませんが、やはり全国から資料を郵送して参りまして、まとめまして、そう二日や三日でというわけにはいかないと思います。
  156. 亀田得治

    委員長亀田得治君) こういうふうなことはできませんか。あなたの報告を見ても、内閣の方針に反して国産車を使わない官庁の一番大きいやつは、文部、林野、こういうふうに例があげてある。だから、文部省と農林省の二省だけでいいですから、これも出先機関はよろしい。文部、農林の本庁において、三十一年度中に外車を買ったことがないかどうか。これなら、もうすぐ本庁の会計へあなたの方から御連絡願ったらわかるでしょう。もし買ったとしたら、それは何年型か、そして、そのルートはどっちのルートであったか。あなた三つおっしゃったわけだが、第一のルートは、これは割当がないはずですからね。二か、三か、あるいはそれ以外のやつか。もし文部、農林両方ともなかなかめんどうだというなら、どっちか一つでもいいですから、具体的にそいつをやってみて下さい。これならできますな。
  157. 岡松進次郎

    政府委員岡松進次郎君) 中央官庁だけでしたら、あえて農林と文部だけでなく、外国車の購入が多い官庁は、今いろいろ考えてみますと、そう数はない、わずかだろうと思いますが、あるいは先ほど申し上げたのは、少し言葉が悪かったかもしれませんが、中央官庁だけでしたら、電話でも聞けますし、書類でも取れますから、そう時間はかからんと思います。全国的の出先の事務所のあれまで、あまり買ってないと思いますけれども、出先は、一年間の外国車ですから、数は非常に少いように感じて参りましたが、それでも、言ってやって、郵送して参りますから、それに時間がかかる。中央だけでしたら、ある程度まとめて、不十分でございますけれども、どんなものを買っているかという程度の調査なら、お引き受けできるのじゃないかと思います。
  158. 秋山長造

    秋山長造君 では、やはりわれわれとしては急ぎたいのです。それで、今おっしゃるように、本省だけでけっこうですから、だから、文部省だけ、農林省だけと言わないで、全中央官庁について、台数、それから年式、形式ですね。それから入手のルート、価格、その他の点を至急に一つ調査して、資料を作っていただけませんか。
  159. 岡松進次郎

    政府委員岡松進次郎君) いつまでと言っていただければ、できないことはお引き受けできませんから……。
  160. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  161. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 速記を始めて。
  162. 八木幸吉

    八木幸吉君 今の資料ですが、たとえば北海道開発庁なんか、東京事務所がありますね。ごくわずかしかいないのに、自動車が四台もあるというふうに、この前私聞いたのですが、それは第二次でいいですけれども、東京に出先機関を持っているなにぐらいは、すぐ調べられるのじゃないですか。
  163. 岡松進次郎

    政府委員岡松進次郎君) そう言いますと、建設省も地建等が相当ありますし、中央だけということで御勘弁願います。この表にも、大体北海道開発庁が多いことが載っておりますが、それが外国車ということになりますと、あるいはあっても、一台かそこらだと思います。
  164. 亀田得治

    委員長亀田得治君) それでは、本件に関する質疑は、本日はこの程度にいたします。  委員会は、これにて散会いたします。    午後四時四十七分散会