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大谷藤之助君 ただいままでの
委員会の経過で、相当
調査会のばく然としたところも明らかになってきたわけでありますが、この案そのものについては賛成いたしますけれ
ども、これについて今までの
委員会の経過から見て、
付帯決議を提案したいと思います。その提案いたします理由を、ここに三点ばかり大きい点を申し上げますれば、当初から問題になりましたこの
調査会の目的といいましょうか、
調査会の目途とするところがはっきりここにうたわれていない。従ってこれからあるいは発展的に
考えますことは、
恩給制度のあり方なり、あるいはまた将来の
公務員の
年金制度にも
関連して、この
恩給法の根本的に改正を加えると、かようにも取られるというような節もございますけれ
ども、
審議の経過から見まして、また
政府側からの
説明によりますと、この範囲は、現行
恩給法の範囲内と、これに基く諸問題を
一つ検討是正してもらう。この点がはっきり出てきたわけであります。また
調査会自体に対しましても、また範囲を拡げた問題でやりまして、この半ヵ年ぐらいの期間内にそういう根本的な問題が
解決されるにはあまりにも時間が短かい。そのような点から申しましても、できるだけ現在明確になっておりますこの不均等、不合理の問題を、現行
恩給法の範囲内でなるべくすみやかに
一つ是正点を見出す、ということがこの
調査会に対する
付帯決議のまず第一点の理由であります。
次の問題は、いろいろ
議題として
調査会の
内容として取り上げる
事項についてのいろいろの問題が出ておりますが、これはこの
議題については
政府側から明確に
議題の諮問をされるわけでもなく、今までの
審議会の
委員会の経過から見ましても、この
委員会で取り上げられた問題は少くともその
調査会の
議題の
一つとして慎重に
検討してもらいたいということが、この
付帯決議の理由の第二点であります。
第三点は、この
法律によって
調査会というものに、十一月十五日という前例の少い
期限付の
調査会を設けられておる。しかもこの
調査会でやられる範囲は、現在の
恩給法なりあるいは
援護法のこれに基くものだということで、相当限定されておる範囲であります。この十一月十五日という日にちがここに制限されたことは、むしろ
先ほど政務次官の御
答弁にもありましたように、
政府としてもまあおそくも
昭和三十三年度からこの報告に基いてこれを実施したい、そういう
一つの
政府の気持の現われだろうと思いますが、この
調査会そのものも見ようによりますれば、まあ悪くこれを見る人は
調査会を設けることによって、
一つこの不
均衡あるいは不合理
是正なり、また相当額のここに
予算も
考えられるということで、
調査会という名前にかくれて、どうも食い逃げされるのじゃないだろか。悪くとる者はかように要望者の側では見る者もおりますが、しかし私
どもとしましては、むしろこの
調査会は
政府としては当然やらなければならぬ。ことを今日まで戦後十二年もほってある。少しでもよけいに
予算を盛ってまた要望者なりまた
関係者の満足もさせてやりたい、その
政府の親心を
調査会によってなおこれを強力に押してもらう。こういう
意味であろうと
考えますし、また
先ほどの
大蔵政務次官の
答弁もそういう線によってのまあ気持の現われの
一つだろうと、かように解釈いたしたいわけであります。同時にこの
内容がかように限定された範囲の問題としますと、
恩給法の問題にしましても、また
援護法の問題にしましても、ここで
先ほど議題として希望いたしましたような
項目は、もう当然今日まで
解決し尽されていなければならぬ問題であって、むしろ見ようによってはこれが今日まで戦後十二年、あるいは
遺族の問題で、あるいはまた傷病者の問題で、あるいはその他の
援護法に
関連しました問題で、今日なおかように問題が山積しておるということは、見ようによっては
政府の怠慢とそしられてもいたし方ない問題であろうと思います。来年度の
予算を待つまでもなく、当然もう今年度あたりにこの問題の頭が出されなければならぬとかようなことも
考えるわけでありまして、この
調査会の報告によりまして、来年度これは
大蔵政務次官が、気持の一端ということでなく、
政府において確実にこれを
一つ完全実施するように持って行ってもらいたい。これが理由の第三点でありまして、これに基きまして
付帯決議の案を御披露いたしまして、皆さん方の御賛同を得たいと思います。
付帯決議(案)
この
法律により設置される
臨時恩給等調査会においては、現行
恩給法に基く各種の不
均衡不合理の
是正並びに之に伴う戦傷病者
戦没者遺族等
援護法の改正及び
昭和三十一年
法律第百七十七号「旧
軍人等の
遺族に対する
恩給等の特例に関する
法律」の本
委員会付帯決議事項の実施等、
戦没者遺族その他の処遇の抜本的
解決に資するため、速かに
調査審議を遂げ、
政府はその報告により
昭和三十三年一月一日よりこれを実施し、くとも
昭和三十四年度内に完全実施するよう措置すべきである。