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1957-04-16 第26回国会 参議院 内閣委員会 第21号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
三十二年四月十六日(火曜日) 午前十時五十一分開会
—————————————
委員
の異動 四月十二日
委員平島敏夫
君
辞任
につ き、その
補欠
として、
井村徳二
君を議 長において指名した。 本日
委員苫米地義三
君及び泉山三六君
辞任
につき、その
補欠
として
前田佳
都 男君及び
植竹春彦
君を議長において指 名した。
—————————————
出席者
は左の
通り
。
委員長
亀田
得治
君 理事 上原 正吉君
大谷藤之助
君 秋山 長造君 竹下 豐次君
委員
木村篤太郎
君
前田佳
都男君 松岡 平市君 松村 秀逸君 伊藤
顕道
君
田畑
金光
君 永岡 光治君
委員外議員
吉田
法晴
君
国務大臣
国 務 大 臣
小滝
彬君
政府委員
防衛庁長官官房
長
門叶
宗雄
君
防衛庁防衛局長
林 一夫君
防衛庁人事局長
加藤 陽三君
防衛庁経理局長
北島
武雄
君
事務局側
常任委員会専門
員
杉田正三郎
君
—————————————
本日の
会議
に付した案件 ○
防衛庁設置法
の一部を改正する
法律
案(
内閣提出
、
衆議院送付
) ○
自衛隊法
の一部を改正する
法律案
(
内閣提出
、
衆議院送付
)
—————————————
亀田得治
1
○
委員長
(
亀田得治
君) それでは
内閣委員会
を開会いたします。
委員
の
変更
について御報告いたします。四月十一日
付井村徳二
君が
辞任
され、その
補欠
に
平島敏夫
君が選任されました。十二日
付平島敏夫
君が
辞任
され、その
補欠
に
井村徳二
君が選任されました。以上御報告いたします。
—————————————
亀田得治
2
○
委員長
(
亀田得治
君)
防衛庁設置法
の一部を改正する
法律案
、及び
自衛隊法
の一部を改正する
法律案
、両案を一括して議題に供します。まず両案について
政府委員
より細部の
説明
を願います。
門叶宗雄
3
○
政府委員
(
門叶宗雄
君)
さき
に
国務大臣
から両法案の
提案
の
理由
及びその内容の
概要
について御
説明
がありましたが、これについて
補足説明
をいたしたいと存じます。 まず
防衛庁設置法
の一部を改正する
法律案
について申し上げます。
海上自衛官
の
定員
は、現在二万二千七百十六人でありますが、
改正定員
は、二万四千百四十六人で千四百三十人の増であります。そののおもなものは、
航空部隊
の
整備充実
に必要な
人員
及び
幹部候補生学校
の
新設
その他の
陸上施設
の
拡充
に伴い必要な
人員
であります。
海上要員
については、
船艇
の
新造完成
及び
米国政府
からの
艦艇
の
引き渡し等
に伴い、これが就役に必要な
人員
の増が行われるわけでありますが、
他方大型上陸支援艇
の
返還
時期の到来により、これを
返還
する等のため若干の減員をみることとなります。
航空自衛官
の
定員
は、現在一万四千四百三十四人でありまして、
改正定員
は、一万九千九百二十五人で、その増は差し引き、五千四百九十一人であります。この
増員
は、
航空集団司令部
の
新設並び
に第三
航空団
及び第四
航空団
の増設のほか、
航空保安管制気象群
の
新設並び
に
補給処
及び
学校
の
充実整備
その他に必要な
人員
であります。
自衛官
以外の職員は、一千五百七十五人
増員
されますが、その
内訳
は、
海上自衛隊
では
地方総監部
、
航空基地等
の
要員
として五百七十一人、
航空自衛隊
では、
訓練航空警戒群
、
補給処等
の
要員
として八百五十六人の
増員
をみるほかは、
技術研究所
の機能の
拡充
に必要な
増員
八十人、
調達実施本部
の
整備
に伴う
増員
三十人、
防衛大学校
の
管理要員
の増二十八人等がそのおもなものであります。
防衛庁
の
附属機関
である
技術研究所
は、その設備、
技術等
において他に求め得ないものがありますので、その
事務
に
支障
のない限り部外からの
委託
を受けて、その
事務
に関連がある
技術的調査研究
、設計、試作及び試験を行うことができることといたしております。 次に、
自衛隊法
の一部を改正する
法律案
について申し上げます。
練習隊群
は、
幹部候補生出身
の三等
海尉等
の
乗艦訓練
を行う
部隊
で、
練習隊群司令部
及び若干の
練習隊
から
編成
することといたしております。 この
練習隊群
の
新設
とともに
自衛艦隊
の
隊務
の円滑な
遂行
をはかるため、その
編成
を改めることとしております。すなわち、
警戒隊群
を
廃止
することとし、
自衛艦隊
は、
自衛艦隊司令部
、
護衛隊群
、
掃海隊群
を
基幹
として
編成
することを原則とし、必要がある場合は、
自衛艦隊司令部
及び
護衛隊群
以外の
部隊
の一部を
編成
に加えないことができることとしております。
航空集団
の
編成
は、
航空集団司令部
、
航空団
二、
訓練航空警戒群
三及びその他の
直轄部隊
をもって
編成
することといたし、
航空集団司令部
は、東京都に置くことといたしております。
新設
の第三
航空団
及び第四
航空団
は、その
司令部
をともに宮城県桃生郡矢本町に置くこととし、第二
航空団
はその
司令部
を浜松市から
北海道千歳
郡
千歳
町に移すことといたしております。なお、第二
航空団
及び第四
航空団
は、
航空集団
の
編成
に加わり、第一
航空団
及び第三
航空団
は、
訓練部隊
として
長官直轄
といたす
予定
であります。 なお、
航空集団
を
編成
するに際し、
航空団
の
編成
を改めることとし、
航空団
が従来
航空団司令部
、
飛行群
及びこれらの
支援部隊
をもって
編成
されていたのを、
航空団司令部
、
飛行隊
及びこれらの
支援部隊
をもって
編成
することといたしております。
航空集団
及び
航空集団司令部
の特別の
事由
による
増置
、
廃止
またはその名称及び所在地の
変更
については、
方面隊
、
管区隊
、
混成団
、
地方隊
または
航空団
と同様に、
国会閉会
中であるときに限り、
政令
で
増置
、
廃止
または
変更
の措置ができることといたしております。 なお、
長官
は、必要があると認める場合は、
方面総監
、
管区総監
または
地方総監
と同様、
航空集団司令
にも
補給処長
または
病院長
を
指揮監督
させることができることといたしますほか、
長官
が
学校長
・
補給処長
または
病院長
に本来の
事務
以外の
事務
を処理させた場合、これらの
事務
について
方面総監
、
管区総監
、
混成団長
または
地方総監
と同様に、
航空集団司令
にも
学校長
、
補給処長
または
病院長
を
指揮監督
させることができることとしております。 現在、
防衛出動
、
治安出動
、
海上
における
警備行動
、
災害派遣
、
訓練
その他の
事由
により必要があるとき、特別の
部隊
が
編成
できることとなっておりますが、今回さらにこれらの場合において、
所要
の
部隊
をその隷属する
指揮官
以外の
指揮官
の一部
指揮下
に置くことができることとして、
自衛隊
の
指揮運用
の円滑をはかることとしていることは、
さき
に
国務大臣
の
提案理由
にあった
通り
でありますが、特別に
編成
される
部隊
または同一
指揮官
の下に置かれる
部隊
が
陸上自衛隊
、
海上自衛隊
の
部隊
または
航空自衛隊
の
部隊
のいずれか二以上から成るときは、その
指揮系統
を明らかにする必要がありますので、その
部隊
に対する
長官
の
指揮監督
について、
陸上幕僚長
、
海上幕僚長
または
航空幕僚長
が行う職務については、
長官
が定めるところによるものとしております。
最後
に、
長官
は、当分の間、
自衛隊
の
任務遂行
に
支障
を生じない限度で、特別の
技術者
で
自衛隊
以外にその
養成
または
教育訓練
を行う
施設
がないと認めるものの
養成
または
教育訓練
の
委託
を受け、これを実施することができることといたしております。 なお、
自衛隊法
の一部を改正する
法律
は、
航空集団
並びに第三
航空団
及び第四
航空団
の
設置
の時期等が、
施設等
の
事由
であらかじめ規定することが困難でありますので、公布の日から起算して十月をこえない範囲内で
政令
で定める日から施行することといたしております。 以上をもちまして
補足説明
を終ります。
亀田得治
4
○
委員長
(
亀田得治
君) ちょっと
速記
をとめて。 〔
速記中止
〕
亀田得治
5
○
委員長
(
亀田得治
君)
速記
を起して。
北島武雄
6
○
政府委員
(
北島武雄
君) それでは、
昭和
三十二
年度
防衛庁予算
の
概要
につきまして御
説明
を申し上げます。お手元には、たしか「
昭和
三十二
年度
防衛庁予算案
の大要」という約十枚見当の書類があるかと思いまするが、これによりまして御
説明
申し上げます。 まず最初の
ページ
で
歳出予算
でございますが、右側に各
組織別
に、
昭和
三十二
年度
と三十一
年度
と対照いたしまして、その
差引増減
を出しております。
合計欄
をごらんいただきますと、
昭和
三十二
年度
の
予算
は千十億円でございまして、
昭和
三十一
年度
の千二億円に対比いたしまして八億円の
増加
に相なっております。
組織別
には
陸上自衛隊
におきましては、
昭和
三十二
年度
は五百二億四千六百万円でございます。前
年度
に対比いたしまして三十七億二千百万円の
減少
、
海上自衛隊
は三十二
年度
二百十九億二千五百万円でありまして、前
年度
に対比いたしまして九億二千九百万円の減であります。
航空自衛隊
は三十二
年度
二百五十五億五千三百万円でありまして、前
年度
に対比いたしまして五十五億三千三百万円の
増加
でございます。その他の
官房各局
以下
付属機関
につきましては、そう目新しいものはございませんが、その中で
防衛大学校
をごらんいただきますと、三十二
年度
は六億八千百万円で、三十一
年度
は七億五千九百万円、七千八百万円の
減少
でありまして、
技術研究所
は三十二
年度
十五億四千万円でございまして、前
年度
に対比いたしまして二億五千八百万円の
減少
であります。こういうことに相なっております。 次に、二
ページ
の
国庫債務負担行為
でございますが、
昭和
三十二
年度
の
国庫債務負担行為
は
陸上自衛隊
、
海上自衛隊
、
航空自衛隊
及び
技術研究所
に関するものでございまして、
合計
いたしまして二百億六千百万円でございまして、前
年度
が百四十二億八千二百万円でございますので、
差引
五十七億七千九百万円の
増加
ということに相なっております。 なお
継続費
につきましては、
昭和
三十一
年度
におきまして、
潜水艦
の
建造費
として
総額
二十七億千八百円の御
承認
を得ております。今回
総額
には異同はございませんが、年限を一カ年間繰り延べまして
昭和
三十四
年度
までといたしまして、
年割額
を
変更
いたしておりますほか、新たに
昭和
三十二
年度
に
計画
いたしておりまする
甲型警備艦
の
建造
につきましては、新規にこれを
継続費
とすることにいたしまして、
総額
三十六億六千九百万円で、
昭和
三十二
年度
以降
昭和
三十四
年度
までを
継続費
として御
承認
を得た次第でございます。その
昭和
三十二
年度
年割額
が七億三千百万円、こういうことに相なっております。 次に
定員関係
でございます。一番右の
合計欄
をごらんいただきますと、
昭和
三十二
年度
の
自衛官
、非
自衛官
合せまして二十二万三千五百二名でございまして、
昭和
三十一
年度
の同様の数字が二十一万五千四人でございましたので、
差引
八千四百九十八人の
増加
ということに相なっております。
組織別
につきましては、
陸上自衛隊
におきましては、非
自衛官
におきまして百三人の
減少
、これは
昭和
三十一
年度
の当初
防衛庁
の新
庁舎
ができました際に、
陸上自衛隊
から百三人、
海上自衛隊
から三人、
航空自衛隊
から二人、計百八人を
庁舎
の
管理
のために
内局
のほうに事実上振り向けまして、これを
昭和
三十二
年度
におきまして
内局
の
定員
に振りかえたのであります。そのために、
陸上自衛隊
におきまして非
自衛官
が百三人の
減少
、
自衛官
につきましては
増減
ございません。
海上自衛隊
におきましては、
自衛官
、非
自衛官
合せまして二千一人の
増加
、
航空自衛隊
におきましては、同じく
自衛官
、非
自衛官
合せまして六千三百四十七人の増ということに相なっております。その他の
機関
につきましては
内局
の百八人は、ただいま申しました
陸上自衛隊
、
海上自衛隊
、
航空自衛隊
からの、
庁舎
の
管理要員
のための振りかえでございます。あとおもだったものにつきましては、
防衛大学校
につきましては二十八名の増と相なっております。大体におきましてこれは
管理要員
の
増加
でございます。
技術研究所
におきまして八十人の
増加
をいたしました。なお
調達実施本部
におきましては、その機構を若干
拡充
することといたしまして、一副
本部長
及び二課の
新設
ということで三十人の
定員
の
増加
を御
承認願
つたわけでございます。 次に、
昭和
三十二
年度
予算編成
の
前提
といたしました
自衛隊
の勢力につきまして御
説明
申し上げます。 まず
陸上自衛隊
の
定員
は、ただいま御
説明
申し上げましたように、非
自衛官
におきまして百三人
減少
いたしまして、
自衛官
、非
自衛官
合せまして十七万千九百十七人でございます。このほかに、
定員外
といたしまして
予備自衛官
、三十二
年度
末に約一万一千という目標で
計画
いたしております。そのほか
部隊等
の
編成
につきましては、現在の
二つ
の
方面隊
、六つの
管区隊
、三つの
混成団
の現
態勢
をそのまま維持する
計画
でございます。なお
弾薬
につきましては、
訓練
に使いまする射耗弾の補充と若干の備蓄を目途といたしまして、実包につきまして新たに
国内調達
を行うことといたしました。この
関係
の
経費総額
九億三千万円が計上されております。うち直接発注に
伴つて
これに要する費用が九億千二百万円、残りの千七百万円が砲弾の
検査用経費
でございます。
海上自衛隊
につきましては、
定員
は三十一
年度
の二万四千六十一人のところ、二千一人
増員
いたしまして二万六十六十二人ということに相なっております。
艦艇
につきましては、現
態勢
が四百七隻で十万八百四十六トン、新たに二十七隻
増勢
いたしまして一万五百四十八トン、
合計
いたしまして四百三十四隻で十一万一千三百九十四トンと相なるわけであります。この現
態勢
と申しますのは、現存すでに就役しているという意味ではございませんで、
既定計画
によりまして
国会
の御
承認
を経たもの、すなわち
既定計画
に基くものでございます。
備考欄
には現
態勢
中には
建造
中のものを含み、かつ
年度
中に
廃船予定
のもの及び
米国
に
返還予定
のLSSL五隻を控除して計算いたしております。ただいま申し上げました
増勢分
一万五百八十一トン、二十七隻の
内訳
は次の(5)
ページ
にございます。
日本側調達
にかかるものと
米供与
にかかるものとがございます。
日本側調達
にかかるものにつきましては、三十二
年度
予算
によりまして
警備艦甲
型二隻、
掃海艇中型
三隻、小別二隻、駆潜艇二隻、
特務艇高速
型二隻、合せて十一隻五千五百二十四トンの
計画
でございます。なおこのほか
米供与
の分といたしまして、
米国
で現在あります
警備艦
二千五十トン型二隻、
掃海艇中型
二隻、難船十二隻、計十六隻の
供与
を受ける
予定
でございまして、合せまして二十七隻一万五百八十一トンということに相なるわけであります。 次に
海上自衛隊
の
航空機
でございますが、
固定翼
とへリコプターとに分けまして、
合計
いたしまして現
態勢分
は七十三機、これに
増勢分
といたしまして百一機であります。三十二
年度
末には百七十四機という
見込み
でございます。
内訳
につきましてはP2
Vー
7が十機
増勢
で三十二
年度
末十六機、
PV2
は
増勢
なし、S2Fが二十八機の
増勢
で三十機となっております。
PBY
、TBM、JRF、KALはいずれも
増勢
がございませんで、新たに
SNJ
三十七機
増勢
、
SNB
二十六の
増勢
で、以上
固定翼
といたしまして百一機の
増勢
ということに相なっております。
回転翼
すなわちヘリコプターにつきましては
増勢
が見込んでございません。
海上自衛隊
の
部隊等
の
増強
につきましては、まず
海上部隊
におきまして
護衛隊
と
警戒隊
を
基幹
といたしまして、
練習隊
を新たに
編成
いたします。
航空部隊
につきましては、
機数
の
増加
に伴い
所要
の
増強
を行います。また新たに
幹部候補生学校
を
新設
するほか、
後方部隊
及び
教育機関等
を
増強
する
計画
に相なっております。従来
陸上自衛隊
と
航空自衛隊
におきましては、
幹部候補生学校
がございましたが、
海上自衛隊
にはございませんで、江田島の
術科学校
におきまして
幹部候補生
のコースを行なっておりました。
教育体系
を確立しこれを充実するために、新たに
幹部候補生学校
を独立して設けるという
計画
でございます。 次に
航空自衛隊
におきましては、三十一
年度
の
定員
が一万六千三百人のところ、六千三百四十七人
増加
いたしまして二万二千六百四十七人の
定員
と相なる
見込み
でございます。
航空自衛隊
の
航空機
につきましては
実用機
、
練習機
、
実験機
と分けて
最後
に
合計
がつけてございます。
小計欄
をごらんいただきますと、現
態勢
におきましては
実用機
が百六十一機、
練習機
が三百三十六機、
実験機
が二機、
合計
四百九十九機、これに対しまして三十二
年度
の
増勢
といたしまして、
実用機
百五十五機、
練習機
百六十九機、及び
実験機
二機、合せて三百二十六機の
増勢
で、
年度
末におきましては八百二十五機となる
見込み
でございます。
航空自衛隊
の
部隊等
の
増強
につきましては、
航空集団司令部
と
北部航空訓練部
を
新設
いたします。
航空団
につきましては現在までに
二つ
ございますが、三十二
年度
におきましてさらに
二つ
を
新設
するほか、
飛行隊
一を第二
航空団
に増配する
予定
でございます。それから
航空保安管制気象群
を
新設
しますほか、
所要
の
後方部隊
及び
教育機関等
を
増強
する
計画
になっております。 次に以上の、
予算編成
の
前提
といたしました、
相互防衛援助協定
によります
米国援助
は、どうなっておるかということでございます。(8)ベージ以下でございますが、
陸上自衛隊
におきましては、
編成装備品乙類
の
損耗分更新
は、
在来
の
米供与品
の
剰余分
を充当し、その
不足分
を
国内調達
することといたしております。
編成装備品
は
甲類
と
乙類
とございまして、
甲類
はいわゆる
殺傷火器類
、
装備品乙類
は非
殺傷火器類
、たとえば車両、
通信施設器材等
でございます。
陸上自衛隊
につきましては
増勢
がございませんので、
編成装備品乙類
の
損耗更新
のみでございます。これにつきましては、できるだけ
在来
の
米供与品
の
余剰分
を充当して、その
不足分
を
国内
で調達するということでございます。
弾薬等
の
供与
も引き続き若干ある見込でございますが、従来から
相互防衛援助協定
によりまして、往復の旅費だけ
日本側
が負担して、
米国
における
滞在費
は
米国持ち
という、
米国留学生
の制度がございます。これも従来に引き続きまして
計画
いたしております。
陸上自衛隊
におきまして三十二
年度
に
米国留学
八十名、そのほかごく
上級
の
幹部
におきまして
短期間
の
視察
五名を見込んでおります。
海上自衛隊
におきましては、
艦艇
につきましては
警備艦
二隻、
掃海艇中型
二隻、
雑船
十二隻の
供与
を期待いたしておりますほか、
航空機
につきましてP2V十機、S2F二十八機、
SNJ
三十七機、
SNB
二十六機、
合計
百一機の
供与
を期待いたしております。なお従来に引き続きまして
艦艇
の
搭載兵器
、
弾薬
、
各種教材等
の
供与
を期待いたしますほか、
陸上自衛隊
と同様な
米国留学生
の
派遣
も
予定
いたしております。
海上自衛隊
におきましては
米国留学生
百十八名の
予定
であります。そのほか
短期間
の
上級幹部
の
視察
六名を
予定
いたしております。
航空機
につきましてはF86四十五機、C46六機、T6四十三機、
航空機
におきまして計九十四機の
供与
を期待いたしております。なお
装備品
につきましては、わが国で国産不可能なものについては従来からも
供与
があるわけであります。三十二
年度
も同様な
供与
を期待いたしております。
相互防衛援助協定
による
米国留学生
といたしましては、
航空自衛隊
におきまして百七十九名、このほか
上級幹部
の
短期視察
五名を
予定
いたしております。 次にF86
ジエツト戦闘機
、T33
ジエツト練習機
の
国産関係
でございます。これにつきましては第一次
計画
、第二次
計画
につきまして
国会
で御
承認
を得たわけであります。今回第三次
計画
としまして御
承認
を得ましたのは、F86におきまして百二十機でございます。(9)
ページ
の表をごらんいただきますと、第一次
計画
は計七十機、第二次
計画
におきまして百十機、第三次
計画
におきまして百二十機。その
進行年度割
は三十三
年度
において六十機、三十四
年度
において六十機を
予定
いたしております。このF84の
国産関係
の
年度別予算計上額
が次の
ページ
にございます。第一次分につきましては、三十
年度
におきまして
国庫債務負担行為
十九億九千八百万円、これが三十一
年度
におきまして
国庫債務負担行為
十一億五千百万円、三十二
年度
において八億四千七百万円の
予算
が組まれております。第二次
計画
につきましては、三十一
年度
において
歳出予算
六億二千九百万円のほか、
国庫債務負担行為
七十億三千二百万円の御
承認
を経ております。三十二
年度
の
歳出予算
として四十四億四千八百万円のほか、
国庫債務負担行為
として七億三千五百万円くらいの
増加
を
予定
いたしております。今回の第三次
計画
につきましては、三十二
年度
の
歳出予算
に計上されました額は十八億七千万円でございまして、
国庫債務負担行為
としまして九十四億七千五百万円の御
承認
を得た次第でございます。T33の
生産計画
につきましては第一次
計画
は九十七機、第二次
計画
は八十三機でございましたが、第三次
計画
といたしまして三十機の御
承認
を得たのであります。三十三
年度
において三十機が就航する
予定
であります。この
年度別予算計上額
の見方はただいまのF86と同様でございますが、第三次分だけについて申し上げますと、第三次の三十機につきましては、三十二
年度
におきまして
歳出予算
として二億六千八百万円、
国庫債務負担行為
として十二億六千一百万円の御
承認
を得た次第であります。 簡単でございますが以上をもちまして御
説明
を終ります。なお御質問によりましてお答え申し上げます。
亀田得治
7
○
委員長
(
亀田得治
君) 御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
田畑金光
8
○
田畑金光
君 今回の
関係法改正
で、
海上自衛隊
あるいは
航空自衛隊
の
増員
が主として行われて、
陸上自衛隊
については
定員
の
増強
がなされていないわけです。この点は
年度
内の特殊的な情勢からこういうことになつたものと
考え
ますが、それとも
昭和
三十三
年度
以降についても御
方針
としては、
海上
あるいは
航空自衛隊
の
増強
に
重点
をおくのであるのかどうか、この点をまず伺つておきたいと思います。
小滝彬
9
○
国務大臣
(
小滝彬
君)
防衛庁
といたしましては、陸の方もさらに
増強
する必要があるというように認めておりましたけれども、本
年度
の
予算編成
の諸
方針
によりまして、なるべく
防衛費
は前
年度
程度にとどめるということになりましたので、特におくれてスタートいたしました
航空関係
あるいは
海上関係
の方に、
重点
を本
年度
は置いたのであります。がしかし今後はもちろんできるだけバランスのとれた
自衛隊
ということを
考え
ておるのでありまして、今後も
航空
あるいは
海上関係
も漸次
増強
しなければならないところと思いますが、同時に陸の方もただ今の十六万だけでなしに、できるならば
予算
の
関係
もありますので、
国会
の御
承認
を得なければならないわけであります。がこの方も漸次私どもの
考え
といたしましては、いま少し
増強
する必要がある、こういうふうに
考え
ておる次第であります。
田畑金光
10
○
田畑金光
君 本
年度
の事情はよくわかりましたが、そうしますと来
年度
以降は
陸上
についてももう少し
増強
していきたい。こういうことになって参りますと、当然
予算規模等
についても、
防衛関係予算
の
増額
ということが予測されると思うのです。本
年度
は
国庫債務負担行為
とか
継続費
というものは多額に上っておりますが、それを除く
歳出予算
においては八億前後の
増額
で、表面的には前
年度
と
防衛関係予算
は大差のない、こういう姿をとつておるわけです。来
年度
あるいは来
年度
以降といった方が適切かと思いますが、一体どういうふうな
増強計画
を
考え
ておられるわけですか。
小滝彬
11
○
国務大臣
(
小滝彬
君) これは他の
委員会
でも
説明
いたしておりまするように、
国防会議
もできておることでありまするから、
国防会議
の方にかけて
審議
をして、できるだけはっきりとした
計画
をもって今後進みたいと思っております。ただ、今ちょっとどれだけにするかというはっきりとした案ができ上っているわけではなく、今後
国防会議
で
審議
をお願いして、それを定めていくようにしていきたい、こういう
考え
を持っております。
田畑金光
12
○
田畑金光
君
国防会議
でかけて
方針
をきめるというお話ですが、
国防会議
ができてから実質的な
国防
の
基本方針等
についてここで相談したことは、われわれも聞いておりませんが、近く開かれる
予定
のようです。いつごろ開かれてそうしてまたそこにどういう具体的な内容、あるいは
方針
をかけようという
予定
であるのか、これを承わつておきたいと思います。
小滝彬
13
○
国務大臣
(
小滝彬
君) 私は第一回はぜひとも今月中に開きたいという希望をもって、目下その準備を進めておる次第であります。ただそれじやどういう案でこれに臨むかと申しますると、これは今
事務
的にも検討中でございまして、
防衛庁
限りとしても確定したものではございません。しかし防衛の基本
方針
などにつきましても、断片的には
国会
等で御
説明
申し上げておりますけれども、こうしたものもよく検討いたしまして、はっきりとした形で
承認
を受けるということにいたしたいと
考え
ておりまするが、そういうものを
国防会議
で出しまして、逐次そうしたものを固めていくという
考え
でおります。
田畑金光
14
○
田畑金光
君
事務
当局で今検討されておるというわけですが、
事務
当局で検討されておるというのはどういうふうな構想のもとで進められておるわけですか。またどの程度の作業をやつておられるのか、とにかく防衛六カ年
計画
というものは、今まで再々一応の輪郭というものは
国会
等でも聞いておりますけれども、しかし今度はそれを手直しするのだというようなことも聞いておりまするが、どの程度の作業をやつておられるのか、これは
事務
当局でもいいが承わりたいと思うのです。
林一夫
15
○
政府委員
(林一夫君) 現在
事務
的に防衛
計画
を検討しておるのでございまするが、どの程度のことをやつておるかと申しますると、従来
防衛庁
に試案というものがあったのであります。これを中心といたしまして将来の事情を考慮し、また財政状況その他一般を考慮して、いろいろの角度からこれを検討しておるのであります。やはり前からの
方針
でありまする国力国情に応じてやるということが一つの点であります。そうして内容の装備をなるべく実質的に改善していくという点が一つの
考え
方、そういうような点を考慮して、現在検討をいたしておるのであります。まだ具体的数字までは出てこないのでありますが、そういうような観点から目下鋭意検討いたしておる段階でございます。
田畑金光
16
○
田畑金光
君 いつもお尋ねいたしますと国力国情に応じて、それからまた質的な向上を
考え
てとこういう御答弁で、一昨年聞いても去年聞いてもことし聞いても同じ答弁しか得られないわけです。私のお尋ねいたしたいのは、たとえば本
年度
予算
においては前
年度
と変りないが、しかし
海上自衛隊
と
航空自衛隊
には具体的に相当な
増強
が行われておるわけです。あるいは
国庫債務負担行為
や
継続費
も振り当てますならば、実質的には防衛というものは相当額前
年度
よりふえているわけですが、いかなるテンポで、いかなる構想のもとに今
事務
当局で検討されておる
計画
は進められておるのか。国力国情とそういう抽象的な文句じやなくして、たとえば国の財政の中に占める
防衛費
というものは、一体どの程度の位置を占めるべきものであるのか。あるいはまたよく国民所得の
関係
等に関連して言われておりますが、そういう具体的のものとの関連において、国力国情にどういう具体的に沿う案を
考え
ておるのか。質的な向上の問題と言われておりますが、これはどういうことなんですか、質的な向上の問題とは。たとえばいろいろ
編成
装備の充実とともに新しい兵器の導入とか、こういうようなこと等も当然質的な向上の中に入って来ようと思うのですが、具体的にどういう内容の作業をやつておるのか、それはいつまでに結論が出し得るのか、その
予算
に即してもう少し具体的な
説明
を願いたいと思うのです。
林一夫
17
○
政府委員
(林一夫君) さらに具体的に申しますと、陸につきましては前々からその三十五
年度
の目標を十八万といういうに申し上げております。その十八万はそのままにしまして、その装備につきましては今後その内容において質的改善をしていく。たとえばこれをさらに具体的に申しますと、従来の装備は大部分
米国
から
供与
を受けておつたのであります。その中には古いのも相当ある、こういうようなものにつきましては今後これを補充していく場合に、これを置きかえていく場合においては、わが方で大いに研究して優れたものに置きかえていくというような
計画
をいたしております。漸次質的改善、機械化というような
考え
のもとに検討いたしておるわけであります。 海について申しますと、
海上
艦艇
も御承知のように現在の
艦艇
の大部分は
米国
から
供与
を受けたものでありまして、その中には古いものが相当入っておる。具体的に申しますとLSSLというようなものがその代表的のものであります。こういうものにつきましては今後これを順次
返還
をしていく。そのかわりに新しいものを
建造
して補充をしていくというような構想のもとに検討いたしておるわけであります。また
海上
の
航空機
につきましても、対潜哨戒機をどうするかということにつきまして今後大いに検討しなければならぬ問題があるのであります。そういうような点について先を見通していかにして行くかというようなことについて、大いに頭を悩ましておるのであります。
航空自衛隊
につきましては、現在は御承知のようにF86Fという
ジエツト戦闘機
がその装備の中心になっておるわけであります。ところが、最近は御承知のようにセンチユリー・シリーズと申しましょうか、F100台の
航空機
が出て来ておるのであります。このようにだんだんとすぐれた
ジエツト戦闘機
が出て来ておるのでありますので、とのF86Fのあとにはどういう機種をもっていったら適切であるかというような点について、その性能とかあるいは生産技術の点、いろいろの点について検討をしているわけであります。大体おもな点はそのような点でございまして、このような点についていろいろの角度から検討して質問改善をはかつて行く、こういうふうに
考え
ております。
田畑金光
18
○
田畑金光
君 なかなかお苦しい答弁でどうも息詰まるようですが、それはなんでしょうか、世にいわゆる伝えられている防衛六カ年
計画
の手直しが、今言つたような御答弁の内容でしょうか。先ほど十八万の
昭和
三十五
年度
までに
陸上
自衛官
を持つというようなことは、基本
方針
に変りがない。こういう御答弁でしたが、そうしますと、今作業されている
計画
は従前の防衛六カ年
計画
の具体的な内容と解していいのか、あるいは従来の防衛六カ年
計画
を、新たな情勢の下に新たな構想でやり直しておられるということで解釈していいのか、その点
長官
から承わりたいと思います。
小滝彬
19
○
国務大臣
(
小滝彬
君) 私は従来試案として作りました
防衛庁
の一応の
計画
というものは、これは貴重な資料であると
考え
ます。しかしながら御承知のようにイギリスなんかでも防衛白書、
国防
白書が出て、いろいろ新しい兵器の発達なんかに伴うところの
考え
方の変化というものが見られるわけであります。同様に日本の防衛
計画
におきましても、
防衛庁
が最初
防衛庁
限りで作つた試案というものは、もう二年も前に作つたものでありますから、その後の情勢というものも考慮に入れなければならぬ。そうしてその情勢は国際情勢もあればまた国民所得、経済方面における
国内
の事情の変化というものもありますので、せつかく新しく
国防会議
で
審議
してもらうからには、そうした
国内
的ないろいろの変化、あるいは軍事的な面におけるいろいろな進歩、あるいはまた国際情勢の変化、いろいろな点を勘案して新しいものに作り上げるという
考え
方であります。ただ、今防衛局長が
説明
いたしましたように、従来ありました案というものも貴重なる資料でありますので、あれは
田畑
さんの方から見られれば、それに対する手直しをしたということになるかもしれませんが、私どもは必ずしもこれまでの案にこだわることなく、今の日本の実情に最も適した
自衛隊
を逐次
増強
して行くという
方針
で進む
考え
でございます。
田畑金光
20
○
田畑金光
君 そうしますと新しい情勢に即応して
考え
を立てられるといたしますと、先ほど防衛局長の御答弁では、
陸上
自衛官
はやはり十八万名だということを言っておられましたが、
陸上
自衛官
の
増強
についてはどういう
考え
方でおられるのですか。あるいは
年度
計画
はどういうことになるわけですか。
小滝彬
21
○
国務大臣
(
小滝彬
君) ただ
防衛庁
限りで
考え
ましても、それが
予算
の面やいろいろな面で実行できるかどうかわかりませんが、私はやはり心防衛局長が申しましたように、十八万というものはもともと軍事的な立場から言えば、必要と思われる半分程度のものであるというのが普通の
考え
方であります。日本の方では何としてもこの機動性あるいは機械化の点が十分いっていない点もあるし、また動員能力というようなことも
考え
まして、日本の今のあれではそういう点に十分なる能力がないというような点を
考え
まするときには、やはり十八万程度までは陸も持たなければならない、こういう
考え
を持っております。ただしかし、それの利用と申しまするか、実際の面における
訓練
等につきましては、これはもちろん確定いたしておりませんが、私就任以来の
考え
方といたしましては、あるいは今きまつておる災害
関係
のための出動、
災害派遣
であるとか、あるいは土木
関係
についてのお手伝いをするとかいうような面もございますけれども、さらにこうした面について利用できるならば、そうした面にも陸の
自衛隊
というものは活用して、そうしてほんとうに国民に親しまれるところの
自衛隊
というものになり得るのではないか。こうした点は社会党の御
方針
にもある程度合致する点もあるのじゃないか。こういうふうな
考え
方で進んでおります。
田畑金光
22
○
田畑金光
君 今のお話はこういうことですか。十八万名というのは日本の必要とする頭数からいうと半分ぐらい程度であると。まあそういうようなお話でありますが、今後
自衛隊
の任務は今言つたような国土建設のあるいは土木工事、
災害派遣
等を
考え
た場合には、もう少し十八万という数に限定、固定しないで
増強
も
考え
られるし、
考え
ているのだ、こういうことなんですか。
小滝彬
23
○
国務大臣
(
小滝彬
君) いや、そういう意味じやございません。私は、十八万程度は最小限度日本においては、もう有事の際と申しまするか、今までそれに対する動員能力がないからこの程度のものを置いて、しかしそれで十八万で余力のある際には、できるだけそういう方面にも
自衛隊
というものを活用するという
考え
方も、あわせて持ちたいというのでありまして、限度としては大体十八万をもって進んでいくという、これまでの
考え
方には特に修正を加える必要がないのではなかろうかという
考え
でございます。もちろん確定的にはそれは
国防会議
で皆さんにお諮りしなければならないし、ほかの要素も
考え
なければなりませんが、
防衛庁
限りの案としては今申し上げたような程度であります。
田畑金光
24
○
田畑金光
君 そうするとその作業ですが、テンポはどういうことになるわけですか。来
年度
一万名とかあるいは二万名とかこういうことになろうかと思いますが、その点はどういう作業で今進めておられるわけですか。
林一夫
25
○
政府委員
(林一夫君) 私が申し上げましたのは
事務
的に申し上げておるのであります。
事務
的な検討の段階におきましては、目標は三十五
年度
十八万ということになります。その間どういうふうに作業していくかは、これはやはり海空との
関係
もありまして、まだはっきりきまつていないのでありますが、一応三十五
年度
十八万というところに目標を置いて、来
年度
一万あるいは次
年度
の一万を何人ふやすかまだはっきりきまつておりませんが、来
年度
はぜひ一万
増員
したいというようなことで検討いたしております。
田畑金光
26
○
田畑金光
君 今お話のような、
防衛庁
の
事務
当局でやつておられる作業というものは、大体いつごろまでに結論をつける、あるいは
国防会議
に出し得る成案を得る、こういうことになるわけですか。
林一夫
27
○
政府委員
(林一夫君)
事務
的なまとめは近いうちにできると思うのです。
田畑金光
28
○
田畑金光
君 近いというのはいつごろですか。
林一夫
29
○
政府委員
(林一夫君) 本月中にはまとめたいと思っております。いつ幾日までにできるということははっきり申し上げられません。きわめて近いうちにそれはまとまる。
田畑金光
30
○
田畑金光
君 あなたのお話の質的な向上ということで、大臣もお答えになりましたが、たとえば英国のこの間の
国防
白書によりますと、一九六〇年までには徴兵制を
廃止
するというようなことも申しております。さらにまた軍事
予算
についても年間一億一千万ポンド以上削るということも言っております。そうして兵隊の数を減らして新しい原子兵器の方向に装備をいたしていく、こういうことを白書は言っておるわけです。また西独のアデナウアー首相等も西独でやはり原子兵器を取り入れるというようなことも言っております。そういうような客観情勢をかんがみながらという大臣のお言葉は、それが質的向上ということになって参りますと、従来の日本の
自衛隊
の装備や兵器等について、大きな変革が行われるものと
考え
られますが、この点はどういうふうになるわけなのですか。
林一夫
31
○
政府委員
(林一夫君) 英国なりあるいはNATO方面におきましては、今後原子兵器を逐次装備していくというように伺つておるのであります。わが方におきましては、原子兵器につきましては御承知のように、
国内
にこれを持ち込むことは
考え
ていないという総理の御答弁にあるように、原子兵器をわが国において装備するというようなことは
考え
ていないわけであります。ただこのような新しい兵器がどんどんできてくるということを
考え
ますと、やはりこういうものに対するところの防備なり
部隊
の
編成
とか運用というような面のことは、
考え
る点が相当出てくるのじゃないかと思うのです。先ほど申しました陸の機械化というようなことも、やはり機動性を高めるとか、あるいは機甲性を高めるというような点は、このような点から
考え
てもだんだんと必要となってくるのです。そういうような意味におきまして質的改善も
考え
ておるのです。わが方において原子兵器を今後装備していくというようなことはもちろん
考え
ていないのです。こういうような新兵器に対するいろいろの
編成
なりあるいは装備というものは、一応
考え
ていかなければならないと、こういうふうに
考え
ておるのです。
田畑金光
32
○
田畑金光
君 その新兵器に対して機動力を持たせるとか、それがために機械化をするとか、新しい
編成
装備を
考え
るというわけですが、具体的にどういうことになるわけですか。新兵器に対抗するにはやはり新兵器を、こういう
考え
方が常識的に
考え
られるわけで、また先ほど大臣の答弁を聞いていても、英国の
国防
白書やNATOの最近の動向からいっても、日本も新しい
考え
方でこういうことになってきますと、当然これは新しい原子兵器等を必然的に取り入れられなくちやならぬという結論にこそなれ、あなたの今の御答弁ではわかりませんが、具体的にどういうことになるわけですか。
林一夫
33
○
政府委員
(林一夫君) 具体的のことは先ほど申しましたように、今後原子兵器に対するものとしましては、その防衛方法はたとえばその装備の点について、これをさらに数えれば、機動性あるいは機械化というような点、あるいはこれに伴う
部隊
の
編成
、運用の点、こういうような点について、今後大いに検討していく必要があるというように
考え
、そのような意味からして、装備の質的改善をはかつていくというふうに
考え
ておるのであります。
田畑金光
34
○
田畑金光
君 幾ら聞いても同じ答弁ですが、具体的なものは何も聞けないわけです。御答弁ないのです。どういうことなんですか。大臣に一つお
考え
を承わりたい。
小滝彬
35
○
国務大臣
(
小滝彬
君) 私は今具体的に何をどうするということを申し上げかねますが、しかし
部隊
というものはとにかく自衛のためにあるからには、自衛の能力というものを
考え
なければならぬ。合理化と申しまするか、ただ昔風なことをやつていればいい、数を十八万そろえればいいという種類のものではないので、今の防衛局長の答弁は非常に抽象的であったかもしれませんが、そういう実際の効果のある装備というものを
考え
なければならぬ。そこで、この
委員会
で申し上げたか、あるいは
予算
委員会
でございましたか、たとえば誘導弾のようなものも結局研究する必要がある。そういう意味で私は技術研究というようなものは非常に重要だと思うのです。しかし今、
田畑
さんのお話では、だから原子兵器を持たなければならぬという
考え
に進むのではないかとおっしゃるのですが、それはあるいはよその国ではそうであるかもしれないが、日本は日本の国情というものがあり、国民感情というものがある。そうして、日本は日本だけで独力ですべての防衛を全うしようというのではなくて、最終的には共同防衛というところの
考え
を持っておりますので、日本の国情に反する装備、そうしたことを
考え
ておるのではなくして、今申しました、情勢に応じたそうして日本でやり得る限度のものを、できるだけ合理的に進めていく。こういう基本的な
考え
方であります。
田畑金光
36
○
田畑金光
君 先ほどの
長官
のお話の中に、今後
自衛隊
というものは、もう少し運用というような面で
考え
ていきたいというお話で、たとえば
災害派遣
とか土木工事とか公共事業等に、転用できる点は転用していきたい。これは非常にいい
考え
方だと思うのです。やはり
自衛隊
が非生産的なものであるという国民感情からいっても、もう少しこれを生産的な面に活用するということは、これは非常に望ましいことだと思うのです。やはり各地でいろいろ水害とかあるいは潮害とか災害が起きているわけで、こういうような場合は
自衛隊
を積極的にそういうような面に運用するということは、非常にけつこうなことだと思うのですが、これをもう少し制度化して、そのような面にうんと動いてもらう。こういうようなことは、いま少し積極的に
考え
てもらつてもいいと思うのですが、この点どの程度お
考え
になっておるのか、お聞かせ願いたいと思います。
小滝彬
37
○
国務大臣
(
小滝彬
君) 御承知のように、
防衛庁設置法
にもまた
自衛隊法
でも、そういう方面に使い得る規定はございますがしかし
部隊
の
訓練
とかいうような面で率直に申しまして、
部隊
長あたりは
訓練
の方を非常に重要視いたします
関係
上思うように進んでいない。しかし今
年度
におきましても作業隊などはさらに
増強
する
予定
を立てております。そうなれば、土木工事の
委託
を受けるというような面もよりよく実行し得るだろうと思います。私はもう少しさらに進んで、こうした面について、
部隊
編成
の上からも少し
考え
直して、そうした面で今までよりもよりよく活動し得るようにいたしたいと思って、そういう
考え
方を庁内の
関係
者にも申しておりまするが、今具体的にはどういう法規の改正をするかということになりますると、そこまでまだ具体化はいたしておりません。しかし、その
考え
で少くとも私がこの仕事を引き受けておりまする以上指導していきたい。こういう
考え
でおります。
田畑金光
38
○
田畑金光
君 実はこの間、福島県の久之浜町という所で非常な高潮の災害をこうむつたのです。そのとき郡山駐屯の
陸上自衛隊
が、何百名か知事の要請で現地に
派遣
されて、災害の防止に非常な献身的な努力を払つて、相当県民感情というか地方住民の感情からいって、
自衛隊
に好感を呼んだというような例があるのです。その他の災害の場合も同じようなことがあったわけですが、やはりこういうような点は
自衛隊
の今後の運用において十分
考え
てもらわなければならん点じやなかろうかと、こう思うのです。ところがこれは話がとびますけれども、それだけ非常に
自衛隊
に対する関心を呼んだ直後ですが、今たしか
自衛隊
の募集をやつていると思うのです。福島県の割当が何ぼだったか知りませんが、地方連絡部、あるいは末端の市町村長等が大いに募集に協力しようと努力はしておりますけれども、六百名でありましたかそれに対して何と何十名程度の応募者しかいない、こういう姿で困っておるわけです。これはどつちの方で御担当か知りませんが、こういう傾向というものに全国的に今年は向うのじゃないかと思うのです。それはなぜかというと、たとえば経済がこう好況になって、あるいは雇用の機会が多くなる。新制高等
学校
を卒業した諸君の働く場所が開かれてきますと、そのしわ寄せば今の募集状況等に端的に現われてくるのじゃないかと、こう思うのです。福島のように、今度の災害で相当これは募集には好都合だという
関係
者の見通しであったにもかかわらず、皮肉な現象には全く応募者がいないということで大へん困っておるのですが、この点、加藤人事局長に今年の模様について御
説明
を願いたいと思います。
加藤陽三
39
○
政府委員
(加藤陽三君) 今お話がございましたごとく、ただいま三十二
年度
の第一回の隊員の募集をやつております。四月一日から六月の中旬まででございます。今までの例によりますと、大体締め切りのまぎわにたくさん出てくるのでございまして、募集を開始いたしました当初というものは、従前の例によりましても応募者は少いのでございます。数十名というのはただいま初めて聞きましたけれども、私どもの
考え
方といたしましては、いろいろな条件の変化がございまするけれども、一年を通じますると、大体昨年と同じくらいの応募者を得られるのではないか、かように
考え
ております。 御参考までに申し上げますると、一般隊員について申しますると、
昭和
三十一
年度
は三万九千二百八十七名採用したのでございまするが、これに対しまして二十万一千百六十七名の応募者がございました。三十
年度
は三万五千七百五十二名の採用に対しまして二十万二千百二十六名、二十九
年度
が少し少うございまして、五万七百八十一名の採用に対しまして十七万四百三十四名という状況でございます。大体二十万程度の応募者は、三十二
年度
につきましても年間を通じますれば、得られるのではないかというふうな見通しを持っております。
田畑金光
40
○
田畑金光
君 私のお尋ねしておるのは、
自衛官
の募集に、経済の好不況というものが相当影響があると、こう見ておりますが、あなた方としてはそう見ておられませんか。
加藤陽三
41
○
政府委員
(加藤陽三君) 全然ないとは思いません。思いませんけれどもいろいろな事情を勘案してみますると、大体昨年程度、二十万くらいは年間を通ずれば応募せられるのではないか、というふうに見ておるわけでございます。
田畑金光
42
○
田畑金光
君 この
予算
説明
によりますと、
予備自衛官
というものが三十二
年度
末一万一千名、三十一
年度
末は八千名、こういうことでありますが、この
予備自衛官
というものについて、今後どの程度の
増員
を
計画
しておられるのか。これは、先ほど来お話の防衛六カ年
計画
とやはり関連して、これの増一員等についても
考え
ておられるのか、あるいはこれは無
関係
なのかどうか、その点一つ。
加藤陽三
43
○
政府委員
(加藤陽三君)
予備自衛官
につきましては、現在の
自衛隊法
では一万五千名以内と、こうなっておるのでございます。ただ、毎年の
予算
で一応の目標をきめておりまして、
昭和
三十一
年度
におきましては、
年度
末八千名という目標で採用して参りました。三月三十一日現在で、正確な数字は届いておりませんけれども、私の方に入っておりまする報告によりますると、七千四百名ぐらいというふうな報告を聞いております。 御承知のごとく、
昭和
二十五年、警察予備隊が発足いたしまして以来、その退職者は約十万余りおるのでございますが、その中には、いろいろな事情で、病気でやめた者でありますとか、あるいは十分な
訓練
を経ないでやめた者とか、いろいろおりまするので、それらの者全部が対象になるわけではございませんけれども、そのうちの数万の者は
予備自衛官
になり得る対象者でございます。私どもは、将来の防衛
計画
におきまして、どれくらいにきまることになりまするか、ただいまのところ存じませんけれども、数年後には、一万五千名のところまではもっていけると思っております。
田畑金光
44
○
田畑金光
君 そうしますと、この
予備自衛官
の増については、
年度
計画
というものは立っていないんですか。将来の目標が一万五千名で、その一万五千名を充当するには、
昭和
三十二
年度
末はこうだ——三十二
年度
は一万一千名ですが、三十三
年度
あるいは三十五
年度
末には一万五千名ということになるのかどうか、そういう防衛
計画
との関連です。
林一夫
45
○
政府委員
(林一夫君)
予備自衛官
につきましても、
年度
計画
で数字をきめたいと
考え
ておるのであります。
予備自衛官
の募集能力、あるいは応募実績というようなものを見まして、この防衛
計画
において
計画
いたしたいと、こういうふうに
考え
ております。現在のところ、何名にするかということはまだきまつておりません。
田畑金光
46
○
田畑金光
君 この
海上自衛隊
の場合ですが、本
年度
甲型警備艦
を二隻持つことになるわけですね。それから、この
予算
書によりますと、
艦艇
は現
態勢
が四百七隻で十万八百四十六トン、ことし
増勢分
が二十七隻で一万五百四十八トン、
合計
四百三十四隻で十一万一千三百九十四トン、こういうことになるわけですが、今回アメリカから
米供与
として、日米
相互防衛援助協定
によって
警備艦
が二隻来ると、こういうことになっているわけです。これは三十二
年度
内に、これは二隻の現物がこちらに来るのか、それとも域外買付というようなこと等を言われておりますが、それはどういう形で来るのか、これを一つ御
説明
願いたいと思うんです。
北島武雄
47
○
政府委員
(
北島武雄
君) 先ほど御
説明
申し上げましたお手元の書数の五
ページ
のところの、
米供与
警備艇二隻と記載してございますのは、これは、すでに完成しているものをそのままわが国に
供与
されるものでございます。なおこのほか、三十二
年度
中におきまして、域外調達によって駆逐艦二隻が
建造
される
予定
ということになっております。
田畑金光
48
○
田畑金光
君 そうしますと、四
ページ
の
増勢分
二十七隻、一万五百四十八トンの中には、今域外調達による二隻というものが入っておるのか、入っていないですか。
北島武雄
49
○
政府委員
(
北島武雄
君) 三十二
年度
防衛庁予算案
の大要を作りました当時におきましては、この話は確定いたしておりませんので、ただいまの数字に入っておりません。
田畑金光
50
○
田畑金光
君 そうしますと、今度域外調達で、二隻日本に
供与
されるということになりますれば、それはどういう手続と申しますか、
予算
上の問題、財政上の問題、これはどういうことになるわけですか。
小滝彬
51
○
国務大臣
(
小滝彬
君) これは、そういう調達をいたしましても、でき上るのは
昭和
三十五年でございますから、その前には、こういう
供与
品としての量には入らないわけでございまして、今後の漸増に役立つというわけでありまして、今
年度
や来
年度
に提供されるものではない。提供されるまでは、ただ域外調達の仕事が進行しておるというにとどまるわけであります。
田畑金光
52
○
田畑金光
君 いや、その点ですが、アメリカが要するに二隻の船を日本に
供与
するわけです。三十四
年度
になるか、五
年度
になるかは別にいたしまして、その援助資金はどういうふうな形で、どういう手続を経て、日本に域外発注として出てくるのか、その経路を御
説明
願いたいと思うのです。
小滝彬
53
○
国務大臣
(
小滝彬
君) 御承知のように、域外調達は、原則的に直接調達でありまして、車両の場合とか、いろいろの日本の会社から買い付けますときには、向らの調達に
関係
する役人がおつて、直接支払いで買い付けるわけであります。しかし、その場合は、日本の国情に沿わないような非常なたたき買いをする場合もあるし、また時期的になるべく均分して、日本の経済を混乱させることのないように、デイスターブすることのないようにやらせるには、あたかも調達庁が労務を間接提供しておるような、そういう方法が望ましいという
考え
方もあり得るわけでありまするけれども、普通の場合は、直接調達をしている。しかし艦船は、日本が将来使うということになれば、向うの設計でやるというよりも、日本の方で設計してやつた方が、より日本の国情に適したものになり得るし、日本の方は、そういう艦船を作る能力を持っておりますから、今度、今御指摘のような駆逐艦の
建造
につきましては、間接調達——政府の方が中へ入って、そうして監督も
防衛庁
の方でやつて、そうしてそれを完成した暁に米側から提供を受ける、こういう方法によりたい。そういうような大体の話になっておる次第でございます。
田畑金光
54
○
田畑金光
君 そうしますと、この場合は、直接援助資金が造船会社に行くというのでなくて、政府なら政府の手を通じて、この艦船
建造
資金が会社に流れる、こういう経路になるわけですか。
小滝彬
55
○
国務大臣
(
小滝彬
君) 実は、私といたしましては、金の方は……、監督をするとか、設計については、われわれが使いたいものであるから、日本の技術のためにもなるからやるが、この金の支払いの方は、直接払いにしてもらつた方が都合がいいと
考え
まして、やはりいろいろ交渉いたしましたが、どうも向うの方では、日本の方で引き受けて、それを調達してくれるからには、金の面も、結局取り過ぎるという勘定ではあるけれども、やはり政府の方に払つて、政府の方の責任でそれを作つてもらいたいという希望が非常に強いため、今度のこの駆逐艦二隻の域外調達というものをいたします際には、支払いも、形式的には日本政府に支払つて、日本政府がその支払われた範囲内において下請の業者に支払う、こういう格好になると思います。
田畑金光
56
○
田畑金光
君 そうしますと、政府は、域外調達について、その資金は、特別会計を作られて、特別会計の運用によってやっていく、こういうような方向になるわけですね。
小滝彬
57
○
国務大臣
(
小滝彬
君) 大体そういう
考え
方で進んで参ります。
田畑金光
58
○
田畑金光
君 これは、こういう域外調達というもの、特に艦船について、これは初めてなんですか。それとも飛行機等について、あるいはその他機材等について、こういうケースがあったのかどうか。今回初めてこういう措置がとられようとしているのか。 さらに関連してお尋ねしたいのは、この資金は、アメリカの軍事援助資金の一環でありましょうが、MSA協定に基く
供与
、こういうことになってくるわけですか。一つ、これらについて御
説明
願いたいと思うのです。
北島武雄
59
○
政府委員
(
北島武雄
君) 従来の調達方式は、先ほど
長官
から御
説明
いたしましたように、
米国政府
が直接日本の業者と契約をいたしまして、でき上りましたものを日本政府に
供与
される、こういう格好でございました。ところが、艦船につきましては、今度初めていわゆる間接調達の形式をとることに相なっておるわけであります。どうしてこういう格好になるかと申しますと、
米国
側の
説明
では、普通の
装備品
と違いまして、艦船につきましては、でき上るまでに数年かかるわけでございます。その間、
米国政府
が直接業者に発注するということになりますと、その間常時、監督のために、あるいは経理検査のために、相当な
人員
を日本に
派遣
しなければならない。こういうことは、
米国
としては実はなしがたいというので、従来からも、たしかこの艦船
関係
の域外調達につきましては、すでに
米国政府
は九カ国と実施いたしております。その大部分がやはり政府側を相手といたしまして、政府を通じてこのような間接調達をいたしております。ただ、たつた一つの例外は、イタリアなんでございます。イタリアは、この引き受けます会社が政府の公団でございまして、実質は、いわゆる政府
機関
という格好になっております。これは、実質的には政府の間接調達ということに相なろうかと思います。
米国
の
方針
といたしましては、艦船の域外調達については、従来すべて、ただいま申し上げましたような方式でもって実行いたしているのであります。
亀田得治
60
○
委員長
(
亀田得治
君)
速記
をとめて。 〔
速記中止
〕
亀田得治
61
○
委員長
(
亀田得治
君)
速記
を起して。 暫時休憩いたします。 午後零時十五分休憩 —————・————— 午後一時五十五分開会
亀田得治
62
○
委員長
(
亀田得治
君) これより
内閣委員会
を再開いたします。
委員
の
変更
について御報告いたします。 今日付で苫米地義三君、泉山三六君が
辞任
され、その
補欠
として
前田佳
都男君及び
植竹春彦
君が選任されました。以上御報告いたします。
—————————————
亀田得治
63
○
委員長
(
亀田得治
君) 休憩前に引き続き、
防衛庁設置法
の一部を改正する
法律案
及び
自衛隊法
の一部を改正する
法律案
、両案を一括して議題に供します。両案について御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
伊藤顕道
64
○伊藤
顕道
君 官房長に伺いますが、前
年度
からの繰越金ですね、これを二百数十億ほどあるというふうに伺つておるのですが、さらにこの二百数十億については今年中に使い切るということをアメリカに約束しておると、そういうことを承知しておるのですけれども、そこで、この二百数十億ではちょっと把握しにくいので、正確な二百何十億かということを具体的に承わりたい。 それと、この二百数十億については、どういう方面に使われておるか、そういうことをまずお伺いしたい。
門叶宗雄
65
○
政府委員
(
門叶宗雄
君) 繰り越しの問題、今すぐ経理局長が参りまして御
説明
を申し上げます。
亀田得治
66
○
委員長
(
亀田得治
君) ちょっと
速記
をとめて。 〔
速記中止
〕
亀田得治
67
○
委員長
(
亀田得治
君)
速記
を起して。
北島武雄
68
○
政府委員
(
北島武雄
君) 御承知の
通り
に
昭和
三十
年度
から三十一
年度
に繰り越しました金額は二百二十八億円、三十
年度
に至るまで各年若干ずつ
減少
いたして参りました。ただ、三十一
年度
の繰越見込額はいかほどかというこういう御質問かと思いますが、実は御承知の
通り
に財政法上四月一ぱいまでは三十一
年度
の支出が行われるわけです。ただいまのところ確定的な数字はまだつかめておりません。二月下旬までの実績があるので、これによりまして推算いたしますと、ただいまのところでは、ほぼ前
年度
程度になるのではなかろうか、こういうふうに
考え
ております。
亀田得治
69
○
委員長
(
亀田得治
君) 具体的な金額を言って下さい。
北島武雄
70
○
政府委員
(
北島武雄
君) 確実な金額はただいまのところ、先ほど申し上げましたように、まだ締め切らないとわからないのでありますが、
昭和
三十
年度
の繰り越しは二百二十八億ございます。
昭和
三十
年度
から三十一
年度
に繰り越しましたものは二百二十八億円でございます。三十一
年度
から三十二
年度
に繰り越す金額は、先ほど申し上げましたように、ただいまのところ締めておりません。四月一ばいたちませんと、五月の半ばになりませんと、ほんとうの確定的な数字はわからない。従って、ただいままでのところはまだ推算の域を出ないのでありますが、当初
考え
ておりましたものよりも思ったほど改善ができませんでした。はなはだ恐縮でございますが、大体におきまして前
年度
程度二百三十億見当の繰り越しが出るのじやなかろうか、こういうふうに
考え
ます。 それからまた繰越金の使途というお尋ねでございますが、繰越金は、御承知の
通り
に一応
二つ
に分れまして、一つは契約済み繰り越しと申しまして、これはすでに当該
年度
におきまして支出負担行為をいたしましたが、納入あるいは工事の竣工がおくれておりますために支払いが完結いたさない分、まあこの分につきましては、当然三十二
年度
におきましてすでに契約したものにつきまして、竣工あるいは納入が行われますれば、支払われるのでございます。もら一つは、三十一
年度
中に契約の
予定
ではございましたが、種々の事情から契約まですることができなかった金額は、これはまあ契約未済繰り越しと言っております。これにつきましては、当初の
計画
がやはりございますので、当初の
計画
に従いまして、それぞれ三十二
年度
中に契約が行われ、支出が行われる、こういう
関係
になります。それから三十二
年度
中にその繰越金は使い切れるかと、そういうお尋ねでございますが、財政法によりますと、明許繰り越しのものにつきましては——繰り越し明許という制度がございます。あらかじめ特定の費目につきまして、
国会
の御
承認
を経まして繰り越すことができる費目、これは繰り越し明許の費目と申しますが、かかるものにつきましては、三十一
年度
から三十二
年度
に繰り越されますが、そのあとの分につきましては特定の、特別な事情によりまして、財政法の他の規定の、いわゆる自己繰り越しの規定に該当する場合じゃないと、財政法上繰り越しが行えません。それから三十一
年度
から三十二
年度
に自己繰り越しで参りましたものは、もうこれは三十二
年度
から三十三
年度
へ繰り越されることはないのであります。大体繰り越し
関係
につきましては、ただいまのところそういうふうな状況でございます。
伊藤顕道
71
○伊藤
顕道
君 その契約済みとか、契約
予定
の面に使われているのでしょうか、それ、具体的にわかつていないのですか。
北島武雄
72
○
政府委員
(
北島武雄
君) 具体的にわかつております。ただいま実は……
伊藤顕道
73
○伊藤
顕道
君 およそでいいのです。大綱で……。
北島武雄
74
○
政府委員
(
北島武雄
君) ごく大綱を申し上げますと、
防衛庁
の費目で繰り越しとなります費目の大きなものは三つでございます。 一つは、いわゆる器材費でございまして、これは
装備品
その他
訓練
並びに
自衛隊
の装備
関係
の一切の、何と申しますか、物品費、物件費でございますか、その内容は非常に広範囲に分れております。
陸上自衛隊
におきましては、たとえば
装備品
の
乙類
の試作の費用とか、それから
海上自衛隊
におきましては艦船の需品
関係
あるいは
航空自衛隊
におきましては
航空機
の需品
関係
といったものが大口でございまして、このほか、器材費以外に、
施設
整備
費それと艦船
建造費
、これが繰り越しの大きな原因となっておりますが、
施設
整備
費と申しますと、これは演習場、飛行場等の不動産取得の
関係
の経費でございます。艦船
建造費
はもちろん
海上自衛隊
関係
の艦船
建造
の費用でございます。大ざつぱに申しまして、
昭和
三十一
年度
から三十二
年度
に繰り越しました二百二十八億の内沢は、器材費におきまして百四億、それから
施設
整備
費におきまして五十三億円、艦船
建造費
六十四億円でございます。三十一
年度
から三十二
年度
に繰り越される金額も、ほぼ大体この程度の数字に相なるかと、ただいまのところ
考え
ております。
伊藤顕道
75
○伊藤
顕道
君 官房長にお伺いしますが、在日米軍の配置状況を一つお伺いしたい。基地とか数量、
人員
そういうような面について。
門叶宗雄
76
○
政府委員
(
門叶宗雄
君) 在日米軍の大体の数でございますが、陸海空を合せまして、地上
部隊
は約九万ということに相なっております。そのうち陸について申しますと、陸が大体三万ないし四万、空が五万、海が、
海上部隊
を入れまして二万弱ということに相なっております。海
関係
の地上
部隊
は横須賀、佐世保が中心、その他は
海上部隊
に相なっております。
伊藤顕道
77
○伊藤
顕道
君 陸が三万ないし四万ですと、三万ないし四万にはだいぶ開きがあるのですが、いま少し正確にわからないものですか。と申しますのはやはり在日米軍の兵力がわからないでは、日本の防衛
計画
も立たないと思うのですよ。そういう関連からいって、三万ないし四万ではちょっと……。幾らか大体わかつているのじゃないですか。
門叶宗雄
78
○
政府委員
(
門叶宗雄
君) 在日米軍の正確な数字は、米軍当局において発表いたしておりませんので、この機会に私から申し上げることは差し控えたいと思います。三万ないし……はなはだ概数で申しわけございませんが、その点で御了承願いたいと思います。
伊藤顕道
79
○伊藤
顕道
君 私のお伺いしたい点は、三万でも四万でもいいわけですけれども、そういう数字を正確に把握して、そして日本のいわゆる防衛
計画
は立っていくと思うのですけれども、そういう数があいまいもことしておったのでは、
防衛庁
としても
計画
を立てにくいのじゃないですか。そういう点、どういうふうにしておられますか。
門叶宗雄
80
○
政府委員
(
門叶宗雄
君)
防衛庁
としては大体米軍の数は連絡をもらつております。ただ、米軍当局として正確なる数字を発表することを差し控えておりますものですから、申し上げるのを差し控えさしていただきたいということでございます。
伊藤顕道
81
○伊藤
顕道
君 なお、在日米軍の
弾薬
庫とかその他兵器倉庫というのがあちこちあるのですが、そういうものについての実態を伺いたい。
門叶宗雄
82
○
政府委員
(
門叶宗雄
君) 兵器庫その他詳細なものにつきましては、ただいま資料がございませんので、なお調達庁
関係
でこの仕事を取扱つておりますので、そちらの方からお聞き取り願つた方がいいのじゃないかと思います。
伊藤顕道
83
○伊藤
顕道
君 わかつている程度で一つ。
門叶宗雄
84
○
政府委員
(
門叶宗雄
君)
防衛庁
側としては、今正確なものを承知いたしておりませんです。
伊藤顕道
85
○伊藤
顕道
君 それと、アメリカの
国防
総省で第一騎兵師団の引き揚げを考慮しているというような報道を承知しているのですけれども、在日米軍の撤退
計画
というようなものがあると思うのですが、それの実情について伺いた いのですけれど。
門叶宗雄
86
○
政府委員
(
門叶宗雄
君) 今
年度
についての米軍の
陸上
部隊
の撤退については、まだ連絡がございませんが、昨年地上
部隊
が約一万撤退いたしております。昨年当
委員会
におきましても御
説明
申し上げましたが、騎兵師団の三分の一約四千の海兵師団、空挺団、それぞれ三千と四千、合せて一万一千が昨年中に撤退いたしました。そういうふうな連絡を受けております。
伊藤顕道
87
○伊藤
顕道
君
さき
に
陸上自衛隊
の一万名の
増員
をとりやめて、先へ持っていくという
計画
を承わつたのですが、それによってアメリカの撤退が
変更
になるようなことはないですか。
門叶宗雄
88
○
政府委員
(
門叶宗雄
君) 具体的に、来
年度
の
陸上自衛隊
が一万
増員
をとりやめた、それなるがゆえに、直ちに地上
部隊
の撤退はとりやめるということはないと承知いたしております。
伊藤顕道
89
○伊藤
顕道
君 次に自衛力の漸増に伴う撤退と、
国防
基本
方針
との関連はどうなりますか。
林一夫
90
○
政府委員
(林一夫君) 自衛力の漸増は、これはわが国の
方針
でございます。
国防
方針
は、いずれは
国防会議
において正式に決定されるのでありますが、自衛力の漸増ということが
国防
方針
の一つとして
考え
られると思います。
伊藤顕道
91
○伊藤
顕道
君 在日米軍が撤退した後、基地とか演習場のうちで、いわゆる民有地があるのですね。この民有地についてはどういう措置をとられることになっておりますか。
北島武雄
92
○
政府委員
(
北島武雄
君) 米軍が撤退いたしまして、従来米軍に提供いたしておりました
施設
が不要になつたという場合におきましては、一応接収解除という手続のあることは御承知の
通り
であります。この場合に、もし国有地でありまして、それを
防衛庁
があと引き続き使用したいという場合におきましては、大蔵省より所管がえを受けまして、
防衛庁
が行政財産として使用することに相なるかと思いますが、民有地につきましては、もし、それが
防衛庁
としても必要であるということになりますと、あらためて民間の土地の所有者と話し合いを進めまして買収するということに相なるかと思いますが、これは、個々の具体的な場所によりましてそれぞれ異なるものでございまして、撤退いたしまして、接収解除になりましたその
施設
につきまして、
防衛庁
の必要としない場合も多々あるわけでございます。
伊藤顕道
93
○伊藤
顕道
君 次に、
航空団
編成
に当つて、この御
計画
によると、北方にのみ配置されておるわけですが、いかなる形の侵略を予想されておられますのか、南方に何ら配置されてない、それについての
理由
、それと、こういうことは、アメリカの軍事政策の一翼として、アメリカの意図に基いてやつているのかどうか、こういうような点、まとめてお伺いしたいと思います。
林一夫
94
○
政府委員
(林一夫君) 御承知のように、現在ありまする第一
航空団
、第二
航空団
は浜松に配置されております。本
年度
第三
航空団
、第四
航空団
を
増置
するのでございますが、現在
設置
されております第一
航空団
、第二
航空団
が浜松にあります
関係
上、場所的に非常に狭く、かつ不便であります。ところが、近く北海道の
千歳
基地、これは米軍の基地でありますが、これが共同使用かできるようになりますのに伴いまして、この浜松から第二
航空団
を
千歳
の方に移したい、こういうふうに
予定
しておるのであります。もう一つ、現在ジエツト機として使用できますのは、浜松を除きましては、松島があるくらいのものでありまして、さしあたり第三
航空団
、第四
航空団
を松島に配置するということになっておるわけであります。
伊藤顕道
95
○伊藤
顕道
君
司令部
を最初名古屋に置くというような話を承わつたのですが、結局東京に
変更
になつたようですが、何か
理由
でもありましたでしょうか。
林一夫
96
○
政府委員
(林一夫君)
航空団司令部
は、もともと
航空団
の
設置
の場所でありまする浜松にあり、各
航空団
設置
の場所にある。お尋ねの点は、
航空集団司令部
のことではないかと思うのであります。
伊藤顕道
97
○伊藤
顕道
君 そうです。
林一夫
98
○
政府委員
(林一夫君)
航空集団司令部
につきましては、現在東京を
予定
しておるのであります。やはり
航空集団
というものは、全国的に各
基幹
部隊
を統括するというような
関係
で、通信連絡というような
関係
上、東京に
設置
するのが適当である、こういうふうに
考え
まして、東京を
予定
しておるわけであります。
伊藤顕道
99
○伊藤
顕道
君 次に、レーダー組織の現状と
航空団
との
関係
はどのようになっておりますか。
林一夫
100
○
政府委員
(林一夫君) 御承知のように、現在レーダー組織は米軍の
管理
下にあるわけであります。これは全国的に配置してあるわけであります。そのレーダー組織にわが
航空自衛隊
の
部隊
を
派遣
いたしまして、
訓練
を受けておるわけであります。
航空団
の
関係
は、現在のところ、そのような事情のもとにおきまして、レーダー組織は米軍の
管理
下にあるということでございますので、わが方の
航空団
とは直接の
関係
はないのでありまするが、今後、そのレーダー
施設
が順次わが国に
返還
されるようになりますと、そのレーダー
部隊
と
航空団
との間に
関係
が生じてくるわけであります。
伊藤顕道
101
○伊藤
顕道
君 次に、先ほどの御
計画
で、駆逐艦等の
供与
が先方からなされるように聞いておるわけですけれどもこういう場合、
関係
法案がどんなような形で出てくるか、そういう点を伺いたい。
北島武雄
102
○
政府委員
(
北島武雄
君) おそらく一両日中に
国会
へ御
提案
申し上げまして御
審議
をお願いすることになるかと思いますが、ただいままでのところといたしましては、この域外調達に関する経理を明確にいたしますために特別会計を
設置
するということ、それと、これに伴いまして、
防衛庁
の従来の権限の中には、このような調達契約を結ぶことは規定されておりません。当分の間、
防衛庁
がこういう仕事ができるということを明確ならしめる意味におきまして、
防衛庁設置法
の一部改正ということをその法案において規定されるだろう、こういうふうに
考え
ております。
伊藤顕道
103
○伊藤
顕道
君 この場合、秘密保護について米軍側からいろいろ注文等はあったと思うのですが、そういう点について米側の見解をお伺いしたい。
門叶宗雄
104
○
政府委員
(
門叶宗雄
君) 今度のOSP
関係
、域外調達
関係
の駆逐艦の発注に関連いたしまして、特に従来の秘密保護法では不十分だからこれを変えろ、あるいは特例な措置を
考え
ろ、こういうような申し出はないようでございます。
伊藤顕道
105
○伊藤
顕道
君 かつて戦時中に軍機保護法というものがあったわけですけれども、そういうような心配はないですか。
門叶宗雄
106
○
政府委員
(
門叶宗雄
君) 今度のOSPに関連しまして、軍機保護法類似のようなものを作るというようなことは
考え
ておりません。
伊藤顕道
107
○伊藤
顕道
君 先ほどお伺いして、繰越金が大体前
年度
同様あるように伺つたわけですが、そういうことがありますし、また一方では
陸上
一万名を減員して先に持っていった、そういう
計画
のようですが、そのかわり、
陸上
を減らしたかわりに、海空については相当
増強
しておる。装備力の
増強
とか、ロケツト兵器、それからジエツト機などに非常に力を注いできたわけですけれども、こういうようなことは、結局アメリカの原子戦争
態勢
に即応するように受け取れるのですが、そういう点について伺いたい。
林一夫
108
○
政府委員
(林一夫君)
海上自衛隊
、
航空自衛隊
につきましては、質的改善をはかるということは、かねがねわれわれの
計画
しておったところでありますし、来
年度
の
予算
においてもその点を考慮に入れておるのであります。これを具体的に申しますと、誘導兵器の研究とか、あるいはジエツト中間
練習機
の試作とか、あるいは各種電子機器の研究とか、水中機器の研究とか、特車等の試作というような研究開発面に特に
重点
を置いておるのであります。このような質的な方面に
重点
を置いて、その開発をはかつて、装備の充実、質的向上をはかつていきたいと
計画
しておるのであります。このような
考え
方は、新兵器と何か直接な
関係
があるかというようなお尋ねであろうかと思いますが、もちろん、先ほどもちょっと申し上げたのでございますが、新兵器が各国においてどんどんできていくというような趨勢にあるものでありまするので、これらに対応して、わが国においても新しい兵器をどんどん研究し、その質的改善をはかつていきたいと、こういうふうに
考え
ておるのであります。たとえば、誘導弾のごときも、エリコンを購入し、また近く
米国
においても研究用として一部
供与
を好意を持って
考え
ておるというふうにいわれておるのでありまするが、このような誘導弾の現物の
供与
を受けて、大いに研究の方に力を入れて、将来このような技術の進歩、装備の改善というようなことをはかつていきたいと、こういうふうに
考え
ております。
伊藤顕道
109
○伊藤
顕道
君 最近の報道によりますと、総理大臣がアメリカに行くについて、いろいろ
国防
の基本
方針
の作成を急いでおると、そういうふうに伺つておるのですが、大体二十日前後に
国防会議
で十分検討すると、こういうようなことですが、大体この点については、防衛六カ年
計画
は従来からあったわけですけれども、こういうことをさらに再検討して、そういうものをアメリカへ持っていくわけですか、そういう点について伺いたい。
林一夫
110
○
政府委員
(林一夫君) 現在防衛
計画
につきましては、検討を加えておるのでありまして、これができ上りますれば、
国防会議
にかけて、政府の
計画
として決定するという段階になるわけであります。このような防衛
計画
を岸総理が
米国
に持っていかれるかどうかということについては、私はまだ存じておりません。
秋山長造
111
○秋山長造君 ちょっと関連して。今の点ですが、われわれ新聞で見たり、あるいはいろいろな所から耳にしたところによりますと、岸総理がアメリカへ行かれるについて、日本の防衛
計画
というものをやはり準備しなければならないということで、
防衛庁
の
事務
当局に対してそれを一つ早くまとめてもらいたいという命令があったやに聞いておるのですけれども、そういうことは今の答弁では全然ないというようなことですが、どつちがほんとうですか。
林一夫
112
○
政府委員
(林一夫君) ただいまお話の、岸総理から、渡米に当つて、防衛
計画
を持って行くから早くまとめてくれというようなことは、私は伺つておらないのであります。ただ、防衛
計画
を早くまとめるということにつきましては、
国防会議
並びに
防衛庁
といたしましても急いでおるのであります。岸総理から特にアメリカに持って行くから、これを至急まとめよということについては、伺つておらない次第でございます。
秋山長造
113
○秋山長造君 特にアメリカに行くからという頭書きはついてないにしても、とにかく早くまとめてほしいということは、言われておるわけでしよう。
門叶宗雄
114
○
政府委員
(
門叶宗雄
君) 御承知の
通り
、
国防会議
ができてすでに半年以上になります。たびたび議会におきましても、
国防会議
何をしているかというようなおしかりを受けます。また
防衛庁
の
計画
も、
防衛庁
試案として議会において申し上げてからすでに二年を経過いたしております。すみやかに
防衛庁
が持っております長期防衛
計画
、必ずしもこれを基礎にするというわけでもございませんが、政府の長期
計画
にしたいという
考え
をもちまして、
防衛庁
においては漸次研究を進めておるわけであります。三十三
年度
予算
の問題にも関連いたしまして、すみやかにこの
計画
を政府の
計画
にいたしたいというような意味合いで目下作業を急いでおる次第であります。
秋山長造
115
○秋山長造君 そういたしますと、二年前にいわゆる防衛六カ年
計画
の
防衛庁
の試案というものができておるわけですね。その後二年前の案から出発をして、そうして幾たびかこれが改訂されて、そうして最終的な決定を見ないままで今日に及んでおる状態だと思う。そこで、まあ今日、今の時点での
防衛庁
案というものは、まだはっきりまとまつておらないにしても、一番今に近い時点において何らかの形でまとまつた
防衛庁
の試案というものがあるのじゃないかと思うのですが、二年前に
防衛庁
の方から出された防衛六カ年
計画
試案と同じ程度にまとまつた案でもけつこうなんですが、それを資料にして配付していただけませんか。
門叶宗雄
116
○
政府委員
(
門叶宗雄
君) 先ほどから申し上げております
通り
、防衛六カ年
計画
ないし長期防衛
計画
は、
防衛庁
においてもまだ検討の段階でございます。申し上げられますことは、ここで小瀧大臣から御
説明
がありました
通り
、三十五年を最終
年度
とする最終目標を申し上げる程度でございます。それ以上のことは、今日のところ、まだ申し上げる段階に至っておりません。御了承願います。
秋山長造
117
○秋山長造君 二年前のあのときには、大体年次
計画
というものが、一応試案ではあるけれども、できておつたわけでしよう。
門叶宗雄
118
○
政府委員
(
門叶宗雄
君) 二年前に、陸の十八万、海の十二万四千トン、空の千三百機ということは、当
委員会
におきましても申し上げた次第でありますが、その具体的な年次
計画
については、
防衛庁
としても最終決定には至らなかったものでございます。従いまして、当時も年次別の
計画
は御
説明
申し上げなかったと存じます。
秋山長造
119
○秋山長造君 最終決定はしてなかったということはわかるのですけれども、しかし、最終
年度
の目標数字は十八万、千三百機、十二万トン、こういう線が出ている以上は、やはり何か年次
計画
を積み重ねた結果がそういう目標数字になって出てきたのだろうと思うのですから、やはりその目標数字そのものが当時最終確定ということではなしに、一つの試案での目標数字ということだったわけですから、だから、試案でけつこうなんですけれどもね。今の段階で作業をしておられる数字をそのまま出せということは、今日今すぐということは無理かもしれないけれども、二年前あの目標数字が出された当時には、たとえ試案ではあるにしても、その積み重ねていった
計画
、年次別の
計画
というものが一応
防衛庁
の手元にはできておつたと思うのですね。そのときの数字でけつこうなのですが、われわれに提供していただけませんか、その資料。
門叶宗雄
120
○
政府委員
(
門叶宗雄
君) 当時におきましても、先ほど申し上げました
通り
、年次別の詳細な決定というものは、
防衛庁
においてもなされておらなかった次第であります。なお、今日の段階においてはさらに申し上げました
通り
、現在検討を続けておる次第でございます。今これを当
委員会
に出すということはいかがかと思う次第であります。
秋山長造
121
○秋山長造君 そういたしますと、やはり目標数字というのは、こまかく積み上げた上でできてきた数字ではない。だれかの頭に思いついた大ざつぱな見当として、ああいう数字を打ち出されたわけですか。そうではないと思うのです。やはりそれは、こまかい年次
計画
を積み上げた上でああいう数字が出たのですから、あの数字をしばしば発表されておられるくらいだから、その目標数字をはじき出してきた年次別の
計画
というものも発表されて別に不都合はないとも思うし、特に、二年前のもうだいぶ古くなつたものでもあるのだから、なおさら資料として出されることに一向差しつかえないのじゃないかと私は思うのですがね。
門叶宗雄
122
○
政府委員
(
門叶宗雄
君) いろいろ検討の段階において、年次別な数字もあるいは出たと思いますが、
防衛庁
としては、先ほど来申し上げました
通り
、一応の最終目標を決定いたし、これを
防衛庁
試案といたしたわけでありますが、さらにこれを細分した年次別な
計画
については、
防衛庁
としても、決定したものを今日まで持っていなかった次第であります。
秋山長造
123
○秋山長造君 そうすると、年次別の
計画
というものは、別に
防衛庁
として決定したものは当時もなかったということになると、その結果、積み上げられて出されたあの目標数字ですね、この目標数字というものも、結局当時も決定をしたという決定案ではなかったわけですね。その目標数字は決定案だったのですか。
門叶宗雄
124
○
政府委員
(
門叶宗雄
君) 当
委員会
で申し上げました最終目標は、一応
防衛庁
としては、
防衛庁
限りではございますが、決定したものといたしておるわけでございます。
秋山長造
125
○秋山長造君 じや、最終目標数字だけは、
防衛庁
限りでもちろん質問をしておるわけですが、
防衛庁
限りとしては決定しておったけれども、しかし、その数字をはじき出す途中のところは何も決定していなかったと、こういうことですか。これはおかしいと思うのですね。根拠なしに、そういうものを結論だけ決定するということは、ちょっとあり得ぬと思うのですがね。どうですか。
亀田得治
126
○
委員長
(
亀田得治
君) ちょっと
速記
をとめて。 〔
速記中止
〕
亀田得治
127
○
委員長
(
亀田得治
君)
速記
をつけましょう。
門叶宗雄
128
○
政府委員
(
門叶宗雄
君) 先ほど来申し上げた
通り
でございまして、何とぞ御了承願いたいと思います。
秋山長造
129
○秋山長造君 それは、了承願いますと言っても了承できませんよ。結論だけ数字を並べられて、途中のところは了承してくれと言っても、それは了承しようにも了承する足がかりも手がかりもありやしない。
田畑金光
130
○
田畑金光
君 一昨年八月、当時の重光外相がアメリカに渡られましたね。あのときも、最終案ではないが、アメリカと話し合いを進める上に
支障
のない程度の、
防衛庁
だけの防衛六カ年
計画
なるものの外貌は携行されたと思うのです。で、あのときの内容と、その後
防衛庁
当局が作業されておる内容と、幾らも違いがないようにわれわれは見ておるわけで、実際はそうでないと思いますけれども、先ほど来秋山君から資料の要求がなされておりますが、まず私は、第一には、一昨年の八月に重光外相が携行された当時の状態におけるアメリカに折衝された資料、それを出していただきたいと思うのです。それは、その後新聞発表等で明らかにもなっておりますが、今度岸総理が携行される資料等も、大よそ一昨年のそれと似たような内容ではなかろうか。その後の二年間の客観情勢の変化で、今度携行されるものは、またさらに具体的なあるいは内容等においても変つたものであるかもしれぬが、一昨年の重光外相の行かれたときの資料は、これはありましようから、それを一つ出していただきたいと思います。
門叶宗雄
131
○
政府委員
(
門叶宗雄
君) その問題につきましては、当
委員会
におきましても、
関係
大臣から——外務大臣あるいは
防衛庁
長官
からしばしばお答えがあったはずでございますが、重光さんが向うへ行って、向うに示したというものは、先ほど来申し上げました、三十五年を終期にする最終の目標を持って行かれた、その具体的なものを向うで示したということはないということを
委員会
でしばしば御答弁になっておるはずでございます。
田畑金光
132
○
田畑金光
君 そうしますと、今度の岸総理の持って行かれるのも、あなた方の方で今作業されておることは、これは天下公知の事実ですが、それもまた、三十五年だけ目標をこうだと
考え
ていかれようとするわけですか。
門叶宗雄
133
○
政府委員
(
門叶宗雄
君) これは、私からお答えするのは、まことに不適当と思いますが、おそらくそういう具体的なものを総理はお持ちにならないのじゃないかと私は
考え
ておる次第でございます。御了承願います。
田畑金光
134
○
田畑金光
君 けしからぬ話ですね。先ほど私の質問に対して、加藤人事局長でありましたか、防衛局長でありましたか、来年は、具体的に一万名、
陸上
自衛官
をふやすということをはっきりとお答えになつたのです。はっきりとね。
陸上
自衛官
について、すでに来年は一万ふやすということは決定されておるわけなんです。これはまた、われわれも、本年の防衛分担金の日米相互の折衝の中から、来年は少くとも一万名ふやすということは、もうすでに先約をなされておることはわれわれも知っておりますが、しかし、いずれにいたしましても、来
年度
の
陸上
自衛官
については、一万名ふやすということをはっきり御答弁なさつておる。でありますならば、当然海についても空についても、こういう
増強計画
があるのだ。これがないはずはないじやありませんか。あなた方の御答弁、いつまでも、三十五年の終局目標はこうだ、そういうようなことでごまかそうとしても、それはごまかすことはできない。
国防会議
というものがそもそもできたときに、
国防会議
を何のためにあなた方は急いだのだ。そのときの政府は、要するに年次
計画
というふうなもの、そうして終局は、三十五
年度
の
計画
はこうだ、終局の
計画
はこうだし、それに至る年次
計画
はこうだ、こういう
国防
の基本的な
方針
とか、あるいは
自衛隊
の
増強計画
について、具体的なものをかけるのがこの
国防会議
なんだ。そこで
国防
の大
方針
をきめるのだ。そういうわけで、
国防会議
というものは急いで作られたわけです。にもかかわらず、今日なおそういうような答弁ということは、あなた方はほんとうにどういう気持でやつておるのか、(笑声)不可解だが、これを一つ資料を出していただきたい、資料を……。
門叶宗雄
135
○
政府委員
(
門叶宗雄
君) 先ほど、資料と申しますと、今の重光さんが持って行つた資料でございますか。
田畑金光
136
○
田畑金光
君 まああれだこれだと言わんと、それもそうだし、それから、先ほど来秋山君が要求した資料もそうだし……。
門叶宗雄
137
○
政府委員
(
門叶宗雄
君) その点は、先ほど来御答弁申し上げた点で御了承願いたいと思います。 なお、先ほど防衛局長が、来
年度
一万の陸の
増強
をしたいと申したのは、
防衛庁
の
事務
当局の、これこそほんとうの
事務
当局だけの
考え
でございます。
秋山長造
138
○秋山長造君 それでいいのです。
田畑金光
139
○
田畑金光
君 それでいいのです。あなた方の作業されておるその資料でいいのです。
事務
当局で今
考え
ているのは、
陸上
自衛官
一万ふやすということでしよう。それから、空についても海についても持っておられるわけですから、それを一つ出していただきたい。
林一夫
140
○
政府委員
(林一夫君) 私が先ほど、来
年度
一万
増員
したいということが先ほど来問題になっておるようであります。けれども、これは官房長がただいま申し上げたように、
事務
当局の検討の段階においては、もちろんそういう希望を持っておるのであります。先ほども申し上げましたように、長期
計画
の年次
計画
につきましては、いろいろ問題があるのでありまして、なかなか案としてもまだまとまらないのであります。これを具体的に例をあげて申しますと、たとえば戦闘機についての新機種につきまして、F86のあとにF100代の戦闘機を持ってくるとしましても、いろいろの種類があるのです。101、102、104と、いろいろ種類がございます。どれが適当であるかどうかということは、これはわからない。こういうものを
計画
して行く場合において、十分にやはりデータを集めて検討して行きませんと、その
計画
も相当非現美的なものになるというような心配があるので、十分検討しているのでありまして、まだ草案としてもまとまつていないのであります。この点は一つ具体的に内容を
説明
しろと申されても、どうも申し上げかねるのでありまして、その点は一つ御了承を願いたいと思います。
秋山長造
141
○秋山長造君 私が先ほど来要求している資料は、資料の要求として引つ込めるつもりはないのですけれども、あくまでお願いしたいのですが、それとはまた一つ別な資料をお願いしたい。別な資料は、一応
防衛庁
の方で決定した陸海空の最終目標というものははっきりしている。そこで、年次
計画
でなしに、その最終目標の内容ですね、たとえば
航空機
千三百機と言いましても、一体どういう機種を何機作つて行くのか、それからまた
海上自衛隊
についても、あるいは戦闘艦を何隻とか、
航空
母艦を何隻とか、あるいは
潜水艦
を何隻というようなこまかい
内訳
があるわけですね。そういう目標数字の詳しい
内訳
というものは資料として出していただけますか。
門叶宗雄
142
○
政府委員
(
門叶宗雄
君) その点今検討中の問題でございます。ただ、ここの
委員会
において、やはり同じ御質問に対しまして、
航空機
については大体
実用機
が半数、
練習機
が半数、千三百機の半ばは
実用機
ということを
考え
ておりまして、その具体的なこまかい
内訳
につきましては、目下検討中であるという次第でございます。
秋山長造
143
○秋山長造君 そういたしますと、目標数字は二年前にすでに打ち出されて、しかもそれが
防衛庁
としては少くとも確定した数字だったわけです。ところが、その内容については二年後の今日に至ってもまだ検討中だということになると、やつぱりこれはだれかが天才的にぴかつと光つて、思いついたものをそのまま発表したという以外にはもう根拠はないわけですね。
門叶宗雄
144
○
政府委員
(
門叶宗雄
君) 三十五年の目標をきめるに当りましては、そういう下からの積み上げと合わせまして、財政規模その他をにらみ合せ、またどれだけの防衛が可能であるかというような、そういういろいろな条件を組み合せました数字でございまして、必ずしも
内訳
は、はっきりこれはこうなって、それを三十三年、三十四年にはどうするのだということだけではございません。いろいろな、たとえばしばしばここで申し上げております
通り
、国民所得の大体二%強を
防衛費
におざき願うというような財政的な見地、あるいはこれだけのものでおよそ不完全であるが、ある程度の防衛ができる、そういういろいろな面から検討して、まず三十五年においては、この程度のものをぜひ持ちたいという意味のものでございます。それでは年次別に三十三年、三十四年にはどういうことをやつて行くのだということにつきましては、いろいろ御疑念の点もございますが、なかなかはっきりした
計画
を立てることが困難で、引き続き検討をしておる段階でございます。
秋山長造
145
○秋山長造君 いや、私だから最近のものを出してほしいと言っているのじゃないのです。一昨年、目標数字を
防衛庁
の確定案として出されたときのその数字の詳しい内容を示す資料でけつこうですから、出していただきたいということを言っておるのです。いろいろな点を考慮して出した数字だとおっしゃる以上は、やはりその考慮したといういろいろな内容があるわけだと思うのですね。
門叶宗雄
146
○
政府委員
(
門叶宗雄
君) この点、先ほど来御答弁申し上げました
通り
、当時におきましても、詳しい年次別なものは……。
秋山長造
147
○秋山長造君 年次別は要らぬのですよ。私は資料を二種類要求しておるのです。それで、まず最初に要求した資料は、年次別の
計画
を示す資料をいただきたいということを要求した。ところが、それについてはもう幾ら要求されても出さぬということですから、私は出さぬでも、あくまで要求したいから、だからそれは引つ込めないけれども、まあそれは一時たな上げにして、第二の資料として、では年次
計画
を示す資料でなくてもいいから、この最終目標の詳しい
内訳
を、年次別でなくてもいいから、
内訳
を示す資料を示してもらえぬか、当時の、二年前のということを、これは第二番目の資料要求として申し上げておるのです。だからその第二番目の資料は出していただけないかということについてお答えをいただきたいと思うのです。
門叶宗雄
148
○
政府委員
(
門叶宗雄
君) その点につきましては、先ほど来申し上げました
通り
、当時におきまして、はっきりきまつたものではございませんので、引き続きその
内訳
についても検討をいたしておる次第でございます。
秋山長造
149
○秋山長造君 そういたしますと、内容はいろいろ引き続いて検討されておるということでありますと、従ってその目標数字ということも動くわけですね。だから今日の段階では目標数字も動くかもしれぬ、従ってまた内容についても当時とはいろいろ事情が変つておるから、どうなるかわからぬから、今のあなた方の手元で作業しておられる資料を出せというなら、それは私はあるいは無理かとも思うのです。だけれども、少くとも二年前には、目標数字というものは、これはさっきあなたがおっしゃったように、
防衛庁
としての確定数字だったということをおっしゃる。だから目標数字が
防衛庁
として二年前の案で確定しておった以上は、まあその後いろいろ検討を加えて、また不確定の状態にはなつたかもしれぬが、当時としては、やはり目標数字が決定したそのときには、やはりその目標数字の内容というものも、これは決定しておったに違いないと思うのですがね。ですから当時のその決定しておった時限での資料を示していただけないか、それもいけないのですか。
門叶宗雄
150
○
政府委員
(
門叶宗雄
君) その点につきまして、先ほど来御答弁申し上げております
通り
、当時におきましても決定したものはございません。
亀田得治
151
○
委員長
(
亀田得治
君) ちょっと
速記
をとめて。 〔
速記中止
〕
亀田得治
152
○
委員長
(
亀田得治
君)
速記
を始めて。
秋山長造
153
○秋山長造君 私、若干資料要求をお願いしたいと思うのですが、その第一は、先ほど来問題になっております二年前のものでけつこうですから、一つ防衛六カ年
計画
のこの
内訳
について、微細を
防衛庁
の方でお
考え
願つて、ぜひとも資料を提供していただきたいと思う。 それから第二点は、先ほど伊藤
委員
から質問のありました
防衛庁
の
予算
の繰越金の問題です。これを警察予備隊が発足して以来、今日に至るまで年次別に、
年度
別に承諾していただいて、そしてその繰越金の
内訳
と、それから繰り越した後におけるこの経費の消化状況を示す資料をいただきたい。それから第三は、これも先ほど伊藤
委員
から質問がありましたが、駐留アメリカ軍の
人員
、それからその
人員
の配置、どこに何がいるという配置。それから、さらにアメリカ軍の持っておる主要な機材、たとえば
航空機
の場合とすれば、F86が何機日本にいる。あるいはF100が何機いる。その他そういうおもだった兵器の数量、それからたとえばオネストジヨンなんかが、どれだけどこにあるということを示す資料をいただきたい。 それからその次に、やはりこれも伊藤
委員
が先ほど質問しておられましたが、アメリカ軍の兵器庫、あるいは
弾薬
庫、これは個々にはわれわれも知ってるのもあるし、知らぬのもあるわけです。こういうものの位置なり、あるいはその数なりというようなもの、これは管轄は調達庁かもしれませんけれども、しかしその内容は、やつぱり
防衛庁
と非常に
関係
のあるものですから、できれば一つあなた方の方から調達庁の方へ連絡してでも、これらのものを示す資料を作つていただきたい。 それから、防衛生産の
関係
で、兵器、
弾薬
を
防衛庁
で発注をしておられるわけですが、その兵器別の今日に至るまでの
防衛庁
の発注額、それから、もしできたら、さらにその発注に応ずる納入実績を示すような資料をいただきたい。 それからその次に、今日あちこちに米軍の基地があるわけですが、特に飛行場等については、日米共同で使用しておるわけですが、この米軍基地の中で、日米共同使用をしておる
施設
については、共同使用規定というものが作られておる。その共同使用規定の写しをいただきたい。 それから
最後
に、
自衛隊
の
教育訓練
をやる場合の、いわば
方針
を書いたものだと思うのですが、
教育訓練
要綱というものがあるということを聞いておるのですが、その
自衛隊
の
教育訓練
要綱、もしこれがそれぞれの
部隊
で、それぞれにこういうものを作つてやつておられるということならば、その中の代表的なものでけつこうです。それから、全体まとまつたものでやつておられるならば、そのまとまつたものの
教育訓練
要綱の写しをいただきたい。 私のお願いする資料は一応それくらいにしておきます。
亀田得治
154
○
委員長
(
亀田得治
君) お諮りいたします。吉田
法晴
君より、
委員外議員
としての発言の要求があります。 発言を許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
亀田得治
155
○
委員長
(
亀田得治
君) 御異議ないと認めます。吉田
法晴
君。
吉田法晴
156
○
委員外議員
(吉田
法晴
君) 資料の要求をしておけというお話ですから、今の秋山さんのに多少補足してお願いをしたい。 繰越状況については詳細に出してもらいたいというあれがありましたが、それに関連をして、演習場、それから工事という言葉が
政府委員
から
説明
がありました。それから装備等の
拡充
新設
の
計画
、これは断片的に
委員会
で
説明
が従来ございますが、それと実際の各地でやりますあれとは相当食い違いがある、そこで三十二
年度
だけでなしに、将来にわたって、六カ年
計画
が四カ年
計画
に関連をすることでありますけれども、演習場工事その他装備の
拡充
、
新設
計画
を出していただきたい。 それから、秋山さんからも米軍の配備状況、装備の状況、
弾薬
庫の状況等の要求がございましたが、それを狭義の日本のあれに限らないで、日本及び日本区域という言葉がございますが、沖縄等、日本の今の何と申しますか、行政権の区域に限らないで、日本区域ということで、広く、その程度で出していただきたいと思います。 それから秋山さんからございませんでしたが、昨年のドラゴンフライ等に関連をいたしまして、行政協定二十四条の具体的な取りきめ、飛行場の共同使用の点は、秋山さんから要求なされましたが、共同行動について取りきめがあるように思います。取りきめがあれば、どういうメモの程度にしろ、あるいは打ち合わせの程度にしろかまいません。それから日本の武器、
弾薬
についての保有状況、これは
弾薬
について受け入れて、方々でむだになっていた云々という点がありますが、兵器、
弾薬
の保有状況、保有備蓄の状況。 それから先ほど来、伊藤さんから……、これは
田畑
さんですか、
田畑
さんから御質問があつて米軍の漸次撤退と戦略
変更
に伴う自衛
計画
についての
変更
について、原子兵器に対抗して隊の
編成
、防衛等を
考え
て質的改善をはかるとか、誘導弾等の研究等は、国民感情にマツチして云々という話がございましたが、そういう米軍の漸次撤退と、それから戦略
変更
に伴う自衛
計画
の
変更
、それから特にその中で誘導弾に関する
計画
、これは陸海空軍にわたって、それからそのほか装備の改善
計画
、これは今後の
計画
にも関連をいたしましょうが、装備について改善を
考え
られておるところの
事務
局案、それから先ほど秋山さんからの資料にございましたが、これは製造の実態ですが、
国内
の武器製造の能力、それから今後の
見込み
、
計画
というよりもむしろ
見込み
、現在の能力とそれから将来
考え
られておるところ、それから共同使用の
関係
がございましたが、その共同使用と言いますか、米軍が一部使用を放棄なり、あるいは制限をして参りまして、
自衛隊
がまた使つて参っておりますが、その実際は先ほど秋山さんから要求がありました、その法的な
関係
、法的にどういう工合に処理し、解釈をしておるか、これは多少質問をしないとわかりにくいかもしれませんが、
防衛庁
で
考え
ておられる法的
関係
、それからもう一つは、
最後
にレーダーの
返還
に伴う
計画
、わかりましたですか。
亀田得治
157
○
委員長
(
亀田得治
君) ちょっと
速記
をとめて。 〔
速記中止
〕
亀田得治
158
○
委員長
(
亀田得治
君)
速記
を始めて。 それでは、
委員会
は本日はこれにて散会いたします。 午後三時二十五分散会