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1957-04-16 第26回国会 参議院 内閣委員会 第21号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年四月十六日(火曜日)    午前十時五十一分開会   —————————————   委員の異動 四月十二日委員平島敏夫辞任につ き、その補欠として、井村徳二君を議 長において指名した。 本日委員苫米地義三君及び泉山三六君 辞任につき、その補欠として前田佳都 男君及び植竹春彦君を議長において指 名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     亀田 得治君    理事            上原 正吉君            大谷藤之助君            秋山 長造君            竹下 豐次君    委員            木村篤太郎君            前田佳都男君            松岡 平市君            松村 秀逸君            伊藤 顕道君            田畑 金光君            永岡 光治君   委員外議員            吉田 法晴君   国務大臣    国 務 大 臣 小滝  彬君   政府委員    防衛庁長官官房    長       門叶 宗雄君    防衛庁防衛局長 林  一夫君    防衛庁人事局長 加藤 陽三君    防衛庁経理局長 北島 武雄君   事務局側    常任委員会専門    員       杉田正三郎君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○防衛庁設置法の一部を改正する法律  案(内閣提出衆議院送付) ○自衛隊法の一部を改正する法律案  (内閣提出衆議院送付)   —————————————
  2. 亀田得治

    委員長亀田得治君) それでは内閣委員会を開会いたします。  委員変更について御報告いたします。四月十一日付井村徳二君が辞任され、その補欠平島敏夫君が選任されました。十二日付平島敏夫君が辞任され、その補欠井村徳二君が選任されました。以上御報告いたします。   —————————————
  3. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 防衛庁設置法の一部を改正する法律案、及び自衛隊法の一部を改正する法律案、両案を一括して議題に供します。まず両案について政府委員より細部の説明を願います。
  4. 門叶宗雄

    政府委員門叶宗雄君) さき国務大臣から両法案の提案理由及びその内容の概要について御説明がありましたが、これについて補足説明をいたしたいと存じます。  まず防衛庁設置法の一部を改正する法律案について申し上げます。  海上自衛官定員は、現在二万二千七百十六人でありますが、改正定員は、二万四千百四十六人で千四百三十人の増であります。そののおもなものは、航空部隊整備充実に必要な人員及び幹部候補生学校新設その他の陸上施設拡充に伴い必要な人員であります。海上要員については、船艇新造完成及び米国政府からの艦艇引き渡し等に伴い、これが就役に必要な人員の増が行われるわけでありますが、他方大型上陸支援艇返還時期の到来により、これを返還する等のため若干の減員をみることとなります。  航空自衛官定員は、現在一万四千四百三十四人でありまして、改正定員は、一万九千九百二十五人で、その増は差し引き、五千四百九十一人であります。この増員は、航空集団司令部新設並びに第三航空団及び第四航空団の増設のほか、航空保安管制気象群新設並び補給処及び学校充実整備その他に必要な人員であります。  自衛官以外の職員は、一千五百七十五人増員されますが、その内訳は、海上自衛隊では地方総監部航空基地等要員として五百七十一人、航空自衛隊では、訓練航空警戒群補給処等要員として八百五十六人の増員をみるほかは、技術研究所の機能の拡充に必要な増員八十人、調達実施本部整備に伴う増員三十人、防衛大学校管理要員の増二十八人等がそのおもなものであります。  防衛庁附属機関である技術研究所は、その設備、技術等において他に求め得ないものがありますので、その事務支障のない限り部外からの委託を受けて、その事務に関連がある技術的調査研究、設計、試作及び試験を行うことができることといたしております。  次に、自衛隊法の一部を改正する法律案について申し上げます。  練習隊群は、幹部候補生出身の三等海尉等乗艦訓練を行う部隊で、練習隊群司令部及び若干の練習隊から編成することといたしております。  この練習隊群新設とともに自衛艦隊隊務の円滑な遂行をはかるため、その編成を改めることとしております。すなわち、警戒隊群廃止することとし、自衛艦隊は、自衛艦隊司令部護衛隊群掃海隊群基幹として編成することを原則とし、必要がある場合は、自衛艦隊司令部及び護衛隊群以外の部隊の一部を編成に加えないことができることとしております。  航空集団編成は、航空集団司令部航空団二、訓練航空警戒群三及びその他の直轄部隊をもって編成することといたし、航空集団司令部は、東京都に置くことといたしております。  新設の第三航空団及び第四航空団は、その司令部をともに宮城県桃生郡矢本町に置くこととし、第二航空団はその司令部を浜松市から北海道千歳千歳町に移すことといたしております。なお、第二航空団及び第四航空団は、航空集団編成に加わり、第一航空団及び第三航空団は、訓練部隊として長官直轄といたす予定であります。  なお、航空集団編成するに際し、航空団編成を改めることとし、航空団が従来航空団司令部飛行群及びこれらの支援部隊をもって編成されていたのを、航空団司令部飛行隊及びこれらの支援部隊をもって編成することといたしております。  航空集団及び航空集団司令部の特別の事由による増置廃止またはその名称及び所在地の変更については、方面隊管区隊混成団地方隊または航空団と同様に、国会閉会中であるときに限り、政令増置廃止または変更の措置ができることといたしております。  なお、長官は、必要があると認める場合は、方面総監管区総監または地方総監と同様、航空集団司令にも補給処長または病院長指揮監督させることができることといたしますほか、長官学校長補給処長または病院長に本来の事務以外の事務を処理させた場合、これらの事務について方面総監管区総監混成団長または地方総監と同様に、航空集団司令にも学校長補給処長または病院長指揮監督させることができることとしております。  現在、防衛出動治安出動海上における警備行動災害派遣訓練その他の事由により必要があるとき、特別の部隊編成できることとなっておりますが、今回さらにこれらの場合において、所要部隊をその隷属する指揮官以外の指揮官の一部指揮下に置くことができることとして、自衛隊指揮運用の円滑をはかることとしていることは、さき国務大臣提案理由にあった通りでありますが、特別に編成される部隊または同一指揮官の下に置かれる部隊陸上自衛隊海上自衛隊部隊または航空自衛隊部隊のいずれか二以上から成るときは、その指揮系統を明らかにする必要がありますので、その部隊に対する長官指揮監督について、陸上幕僚長海上幕僚長または航空幕僚長が行う職務については、長官が定めるところによるものとしております。  最後に、長官は、当分の間、自衛隊任務遂行支障を生じない限度で、特別の技術者自衛隊以外にその養成または教育訓練を行う施設がないと認めるものの養成または教育訓練委託を受け、これを実施することができることといたしております。  なお、自衛隊法の一部を改正する法律は、航空集団並びに第三航空団及び第四航空団設置の時期等が、施設等事由であらかじめ規定することが困難でありますので、公布の日から起算して十月をこえない範囲内で政令で定める日から施行することといたしております。  以上をもちまして補足説明を終ります。
  5. 亀田得治

    委員長亀田得治君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止
  6. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 速記を起して。
  7. 北島武雄

    政府委員北島武雄君) それでは、昭和三十二年度防衛庁予算概要につきまして御説明を申し上げます。お手元には、たしか「昭和三十二年度防衛庁予算案の大要」という約十枚見当の書類があるかと思いまするが、これによりまして御説明申し上げます。  まず最初のページ歳出予算でございますが、右側に各組織別に、昭和三十二年度と三十一年度と対照いたしまして、その差引増減を出しております。合計欄をごらんいただきますと、昭和三十二年度予算は千十億円でございまして、昭和三十一年度の千二億円に対比いたしまして八億円の増加に相なっております。組織別には陸上自衛隊におきましては、昭和三十二年度は五百二億四千六百万円でございます。前年度に対比いたしまして三十七億二千百万円の減少海上自衛隊は三十二年度二百十九億二千五百万円でありまして、前年度に対比いたしまして九億二千九百万円の減であります。航空自衛隊は三十二年度二百五十五億五千三百万円でありまして、前年度に対比いたしまして五十五億三千三百万円の増加でございます。その他の官房各局以下付属機関につきましては、そう目新しいものはございませんが、その中で防衛大学校をごらんいただきますと、三十二年度は六億八千百万円で、三十一年度は七億五千九百万円、七千八百万円の減少でありまして、技術研究所は三十二年度十五億四千万円でございまして、前年度に対比いたしまして二億五千八百万円の減少であります。こういうことに相なっております。  次に、二ページ国庫債務負担行為でございますが、昭和三十二年度国庫債務負担行為陸上自衛隊海上自衛隊航空自衛隊及び技術研究所に関するものでございまして、合計いたしまして二百億六千百万円でございまして、前年度が百四十二億八千二百万円でございますので、差引五十七億七千九百万円の増加ということに相なっております。  なお継続費につきましては、昭和三十一年度におきまして、潜水艦建造費として総額二十七億千八百円の御承認を得ております。今回総額には異同はございませんが、年限を一カ年間繰り延べまして昭和三十四年度までといたしまして、年割額変更いたしておりますほか、新たに昭和三十二年度計画いたしておりまする甲型警備艦建造につきましては、新規にこれを継続費とすることにいたしまして、総額三十六億六千九百万円で、昭和三十二年度以降昭和三十四年度までを継続費として御承認を得た次第でございます。その昭和三十二年度年割額が七億三千百万円、こういうことに相なっております。  次に定員関係でございます。一番右の合計欄をごらんいただきますと、昭和三十二年度自衛官、非自衛官合せまして二十二万三千五百二名でございまして、昭和三十一年度の同様の数字が二十一万五千四人でございましたので、差引八千四百九十八人の増加ということに相なっております。  組織別につきましては、陸上自衛隊におきましては、非自衛官におきまして百三人の減少、これは昭和三十一年度の当初防衛庁の新庁舎ができました際に、陸上自衛隊から百三人、海上自衛隊から三人、航空自衛隊から二人、計百八人を庁舎管理のために内局のほうに事実上振り向けまして、これを昭和三十二年度におきまして内局定員に振りかえたのであります。そのために、陸上自衛隊におきまして非自衛官が百三人の減少自衛官につきましては増減ございません。海上自衛隊におきましては、自衛官、非自衛官合せまして二千一人の増加航空自衛隊におきましては、同じく自衛官、非自衛官合せまして六千三百四十七人の増ということに相なっております。その他の機関につきましては内局の百八人は、ただいま申しました陸上自衛隊海上自衛隊航空自衛隊からの、庁舎管理要員のための振りかえでございます。あとおもだったものにつきましては、防衛大学校につきましては二十八名の増と相なっております。大体におきましてこれは管理要員増加でございます。技術研究所におきまして八十人の増加をいたしました。なお調達実施本部におきましては、その機構を若干拡充することといたしまして、一副本部長及び二課の新設ということで三十人の定員増加を御承認願つたわけでございます。  次に、昭和三十二年度予算編成前提といたしました自衛隊の勢力につきまして御説明申し上げます。  まず陸上自衛隊定員は、ただいま御説明申し上げましたように、非自衛官におきまして百三人減少いたしまして、自衛官、非自衛官合せまして十七万千九百十七人でございます。このほかに、定員外といたしまして予備自衛官、三十二年度末に約一万一千という目標で計画いたしております。そのほか部隊等編成につきましては、現在の二つ方面隊、六つの管区隊、三つの混成団の現態勢をそのまま維持する計画でございます。なお弾薬につきましては、訓練に使いまする射耗弾の補充と若干の備蓄を目途といたしまして、実包につきまして新たに国内調達を行うことといたしました。この関係経費総額九億三千万円が計上されております。うち直接発注に伴つてこれに要する費用が九億千二百万円、残りの千七百万円が砲弾の検査用経費でございます。海上自衛隊につきましては、定員は三十一年度の二万四千六十一人のところ、二千一人増員いたしまして二万六十六十二人ということに相なっております。艦艇につきましては、現態勢が四百七隻で十万八百四十六トン、新たに二十七隻増勢いたしまして一万五百四十八トン、合計いたしまして四百三十四隻で十一万一千三百九十四トンと相なるわけであります。この現態勢と申しますのは、現存すでに就役しているという意味ではございませんで、既定計画によりまして国会の御承認を経たもの、すなわち既定計画に基くものでございます。備考欄には現態勢中には建造中のものを含み、かつ年度中に廃船予定のもの及び米国返還予定のLSSL五隻を控除して計算いたしております。ただいま申し上げました増勢分一万五百八十一トン、二十七隻の内訳は次の(5)ページにございます。日本側調達にかかるものと米供与にかかるものとがございます。日本側調達にかかるものにつきましては、三十二年度予算によりまして警備艦甲型二隻、掃海艇中型三隻、小別二隻、駆潜艇二隻、特務艇高速型二隻、合せて十一隻五千五百二十四トンの計画でございます。なおこのほか米供与の分といたしまして、米国で現在あります警備艦二千五十トン型二隻、掃海艇中型二隻、難船十二隻、計十六隻の供与を受ける予定でございまして、合せまして二十七隻一万五百八十一トンということに相なるわけであります。  次に海上自衛隊航空機でございますが、固定翼とへリコプターとに分けまして、合計いたしまして現態勢分は七十三機、これに増勢分といたしまして百一機であります。三十二年度末には百七十四機という見込みでございます。内訳につきましてはP2Vー7が十機増勢で三十二年度末十六機、PV2増勢なし、S2Fが二十八機の増勢で三十機となっております。PBY、TBM、JRF、KALはいずれも増勢がございませんで、新たにSNJ三十七機増勢SNB二十六の増勢で、以上固定翼といたしまして百一機の増勢ということに相なっております。回転翼すなわちヘリコプターにつきましては増勢が見込んでございません。  海上自衛隊部隊等増強につきましては、まず海上部隊におきまして護衛隊警戒隊基幹といたしまして、練習隊を新たに編成いたします。航空部隊につきましては、機数増加に伴い所要増強を行います。また新たに幹部候補生学校新設するほか、後方部隊及び教育機関等増強する計画に相なっております。従来陸上自衛隊航空自衛隊におきましては、幹部候補生学校がございましたが、海上自衛隊にはございませんで、江田島の術科学校におきまして幹部候補生のコースを行なっておりました。教育体系を確立しこれを充実するために、新たに幹部候補生学校を独立して設けるという計画でございます。  次に航空自衛隊におきましては、三十一年度定員が一万六千三百人のところ、六千三百四十七人増加いたしまして二万二千六百四十七人の定員と相なる見込みでございます。航空自衛隊航空機につきましては実用機練習機実験機と分けて最後合計がつけてございます。小計欄をごらんいただきますと、現態勢におきましては実用機が百六十一機、練習機が三百三十六機、実験機が二機、合計四百九十九機、これに対しまして三十二年度増勢といたしまして、実用機百五十五機、練習機百六十九機、及び実験機二機、合せて三百二十六機の増勢で、年度末におきましては八百二十五機となる見込みでございます。航空自衛隊部隊等増強につきましては、航空集団司令部北部航空訓練部新設いたします。航空団につきましては現在までに二つございますが、三十二年度におきましてさらに二つ新設するほか、飛行隊一を第二航空団に増配する予定でございます。それから航空保安管制気象群新設しますほか、所要後方部隊及び教育機関等増強する計画になっております。  次に以上の、予算編成前提といたしました、相互防衛援助協定によります米国援助は、どうなっておるかということでございます。(8)ベージ以下でございますが、陸上自衛隊におきましては、編成装備品乙類損耗分更新は、在来米供与品剰余分を充当し、その不足分国内調達することといたしております。編成装備品甲類乙類とございまして、甲類はいわゆる殺傷火器類装備品乙類は非殺傷火器類、たとえば車両、通信施設器材等でございます。陸上自衛隊につきましては増勢がございませんので、編成装備品乙類損耗更新のみでございます。これにつきましては、できるだけ在来米供与品余剰分を充当して、その不足分国内で調達するということでございます。弾薬等供与も引き続き若干ある見込でございますが、従来から相互防衛援助協定によりまして、往復の旅費だけ日本側が負担して、米国における滞在費米国持ちという、米国留学生の制度がございます。これも従来に引き続きまして計画いたしております。陸上自衛隊におきまして三十二年度米国留学八十名、そのほかごく上級幹部におきまして短期間視察五名を見込んでおります。  海上自衛隊におきましては、艦艇につきましては警備艦二隻、掃海艇中型二隻、雑船十二隻の供与を期待いたしておりますほか、航空機につきましてP2V十機、S2F二十八機、SNJ三十七機、SNB二十六機、合計百一機の供与を期待いたしております。なお従来に引き続きまして艦艇搭載兵器弾薬各種教材等供与を期待いたしますほか、陸上自衛隊と同様な米国留学生派遣予定いたしております。海上自衛隊におきましては米国留学生百十八名の予定であります。そのほか短期間上級幹部視察六名を予定いたしております。航空機につきましてはF86四十五機、C46六機、T6四十三機、航空機におきまして計九十四機の供与を期待いたしております。なお装備品につきましては、わが国で国産不可能なものについては従来からも供与があるわけであります。三十二年度も同様な供与を期待いたしております。相互防衛援助協定による米国留学生といたしましては、航空自衛隊におきまして百七十九名、このほか上級幹部短期視察五名を予定いたしております。  次にF86ジエツト戦闘機、T33ジエツト練習機国産関係でございます。これにつきましては第一次計画、第二次計画につきまして国会で御承認を得たわけであります。今回第三次計画としまして御承認を得ましたのは、F86におきまして百二十機でございます。(9)ページの表をごらんいただきますと、第一次計画は計七十機、第二次計画におきまして百十機、第三次計画におきまして百二十機。その進行年度割は三十三年度において六十機、三十四年度において六十機を予定いたしております。このF84の国産関係年度別予算計上額が次のページにございます。第一次分につきましては、三十年度におきまして国庫債務負担行為十九億九千八百万円、これが三十一年度におきまして国庫債務負担行為十一億五千百万円、三十二年度において八億四千七百万円の予算が組まれております。第二次計画につきましては、三十一年度において歳出予算六億二千九百万円のほか、国庫債務負担行為七十億三千二百万円の御承認を経ております。三十二年度歳出予算として四十四億四千八百万円のほか、国庫債務負担行為として七億三千五百万円くらいの増加予定いたしております。今回の第三次計画につきましては、三十二年度歳出予算に計上されました額は十八億七千万円でございまして、国庫債務負担行為としまして九十四億七千五百万円の御承認を得た次第でございます。T33の生産計画につきましては第一次計画は九十七機、第二次計画は八十三機でございましたが、第三次計画といたしまして三十機の御承認を得たのであります。三十三年度において三十機が就航する予定であります。この年度別予算計上額の見方はただいまのF86と同様でございますが、第三次分だけについて申し上げますと、第三次の三十機につきましては、三十二年度におきまして歳出予算として二億六千八百万円、国庫債務負担行為として十二億六千一百万円の御承認を得た次第であります。  簡単でございますが以上をもちまして御説明を終ります。なお御質問によりましてお答え申し上げます。
  8. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
  9. 田畑金光

    田畑金光君 今回の関係法改正で、海上自衛隊あるいは航空自衛隊増員が主として行われて、陸上自衛隊については定員増強がなされていないわけです。この点は年度内の特殊的な情勢からこういうことになつたものと考えますが、それとも昭和三十三年度以降についても御方針としては、海上あるいは航空自衛隊増強重点をおくのであるのかどうか、この点をまず伺つておきたいと思います。
  10. 小滝彬

    国務大臣小滝彬君) 防衛庁といたしましては、陸の方もさらに増強する必要があるというように認めておりましたけれども、本年度予算編成の諸方針によりまして、なるべく防衛費は前年度程度にとどめるということになりましたので、特におくれてスタートいたしました航空関係あるいは海上関係の方に、重点を本年度は置いたのであります。がしかし今後はもちろんできるだけバランスのとれた自衛隊ということを考えておるのでありまして、今後も航空あるいは海上関係も漸次増強しなければならないところと思いますが、同時に陸の方もただ今の十六万だけでなしに、できるならば予算関係もありますので、国会の御承認を得なければならないわけであります。がこの方も漸次私どもの考えといたしましては、いま少し増強する必要がある、こういうふうに考えておる次第であります。
  11. 田畑金光

    田畑金光君 本年度の事情はよくわかりましたが、そうしますと来年度以降は陸上についてももう少し増強していきたい。こういうことになって参りますと、当然予算規模等についても、防衛関係予算増額ということが予測されると思うのです。本年度国庫債務負担行為とか継続費というものは多額に上っておりますが、それを除く歳出予算においては八億前後の増額で、表面的には前年度防衛関係予算は大差のない、こういう姿をとつておるわけです。来年度あるいは来年度以降といった方が適切かと思いますが、一体どういうふうな増強計画考えておられるわけですか。
  12. 小滝彬

    国務大臣小滝彬君) これは他の委員会でも説明いたしておりまするように、国防会議もできておることでありまするから、国防会議の方にかけて審議をして、できるだけはっきりとした計画をもって今後進みたいと思っております。ただ、今ちょっとどれだけにするかというはっきりとした案ができ上っているわけではなく、今後国防会議審議をお願いして、それを定めていくようにしていきたい、こういう考えを持っております。
  13. 田畑金光

    田畑金光君 国防会議でかけて方針をきめるというお話ですが、国防会議ができてから実質的な国防基本方針等についてここで相談したことは、われわれも聞いておりませんが、近く開かれる予定のようです。いつごろ開かれてそうしてまたそこにどういう具体的な内容、あるいは方針をかけようという予定であるのか、これを承わつておきたいと思います。
  14. 小滝彬

    国務大臣小滝彬君) 私は第一回はぜひとも今月中に開きたいという希望をもって、目下その準備を進めておる次第であります。ただそれじやどういう案でこれに臨むかと申しますると、これは今事務的にも検討中でございまして、防衛庁限りとしても確定したものではございません。しかし防衛の基本方針などにつきましても、断片的には国会等で御説明申し上げておりますけれども、こうしたものもよく検討いたしまして、はっきりとした形で承認を受けるということにいたしたいと考えておりまするが、そういうものを国防会議で出しまして、逐次そうしたものを固めていくという考えでおります。
  15. 田畑金光

    田畑金光君 事務当局で今検討されておるというわけですが、事務当局で検討されておるというのはどういうふうな構想のもとで進められておるわけですか。またどの程度の作業をやつておられるのか、とにかく防衛六カ年計画というものは、今まで再々一応の輪郭というものは国会等でも聞いておりますけれども、しかし今度はそれを手直しするのだというようなことも聞いておりまするが、どの程度の作業をやつておられるのか、これは事務当局でもいいが承わりたいと思うのです。
  16. 林一夫

    政府委員(林一夫君) 現在事務的に防衛計画を検討しておるのでございまするが、どの程度のことをやつておるかと申しますると、従来防衛庁に試案というものがあったのであります。これを中心といたしまして将来の事情を考慮し、また財政状況その他一般を考慮して、いろいろの角度からこれを検討しておるのであります。やはり前からの方針でありまする国力国情に応じてやるということが一つの点であります。そうして内容の装備をなるべく実質的に改善していくという点が一つの考え方、そういうような点を考慮して、現在検討をいたしておるのであります。まだ具体的数字までは出てこないのでありますが、そういうような観点から目下鋭意検討いたしておる段階でございます。
  17. 田畑金光

    田畑金光君 いつもお尋ねいたしますと国力国情に応じて、それからまた質的な向上を考えてとこういう御答弁で、一昨年聞いても去年聞いてもことし聞いても同じ答弁しか得られないわけです。私のお尋ねいたしたいのは、たとえば本年度予算においては前年度と変りないが、しかし海上自衛隊航空自衛隊には具体的に相当な増強が行われておるわけです。あるいは国庫債務負担行為継続費も振り当てますならば、実質的には防衛というものは相当額前年度よりふえているわけですが、いかなるテンポで、いかなる構想のもとに今事務当局で検討されておる計画は進められておるのか。国力国情とそういう抽象的な文句じやなくして、たとえば国の財政の中に占める防衛費というものは、一体どの程度の位置を占めるべきものであるのか。あるいはまたよく国民所得の関係等に関連して言われておりますが、そういう具体的のものとの関連において、国力国情にどういう具体的に沿う案を考えておるのか。質的な向上の問題と言われておりますが、これはどういうことなんですか、質的な向上の問題とは。たとえばいろいろ編成装備の充実とともに新しい兵器の導入とか、こういうようなこと等も当然質的な向上の中に入って来ようと思うのですが、具体的にどういう内容の作業をやつておるのか、それはいつまでに結論が出し得るのか、その予算に即してもう少し具体的な説明を願いたいと思うのです。
  18. 林一夫

    政府委員(林一夫君) さらに具体的に申しますと、陸につきましては前々からその三十五年度の目標を十八万といういうに申し上げております。その十八万はそのままにしまして、その装備につきましては今後その内容において質的改善をしていく。たとえばこれをさらに具体的に申しますと、従来の装備は大部分米国から供与を受けておつたのであります。その中には古いのも相当ある、こういうようなものにつきましては今後これを補充していく場合に、これを置きかえていく場合においては、わが方で大いに研究して優れたものに置きかえていくというような計画をいたしております。漸次質的改善、機械化というような考えのもとに検討いたしておるわけであります。  海について申しますと、海上艦艇も御承知のように現在の艦艇の大部分は米国から供与を受けたものでありまして、その中には古いものが相当入っておる。具体的に申しますとLSSLというようなものがその代表的のものであります。こういうものにつきましては今後これを順次返還をしていく。そのかわりに新しいものを建造して補充をしていくというような構想のもとに検討いたしておるわけであります。また海上航空機につきましても、対潜哨戒機をどうするかということにつきまして今後大いに検討しなければならぬ問題があるのであります。そういうような点について先を見通していかにして行くかというようなことについて、大いに頭を悩ましておるのであります。  航空自衛隊につきましては、現在は御承知のようにF86Fというジエツト戦闘機がその装備の中心になっておるわけであります。ところが、最近は御承知のようにセンチユリー・シリーズと申しましょうか、F100台の航空機が出て来ておるのであります。このようにだんだんとすぐれたジエツト戦闘機が出て来ておるのでありますので、とのF86Fのあとにはどういう機種をもっていったら適切であるかというような点について、その性能とかあるいは生産技術の点、いろいろの点について検討をしているわけであります。大体おもな点はそのような点でございまして、このような点についていろいろの角度から検討して質問改善をはかつて行く、こういうふうに考えております。
  19. 田畑金光

    田畑金光君 なかなかお苦しい答弁でどうも息詰まるようですが、それはなんでしょうか、世にいわゆる伝えられている防衛六カ年計画の手直しが、今言つたような御答弁の内容でしょうか。先ほど十八万の昭和三十五年度までに陸上自衛官を持つというようなことは、基本方針に変りがない。こういう御答弁でしたが、そうしますと、今作業されている計画は従前の防衛六カ年計画の具体的な内容と解していいのか、あるいは従来の防衛六カ年計画を、新たな情勢の下に新たな構想でやり直しておられるということで解釈していいのか、その点長官から承わりたいと思います。
  20. 小滝彬

    国務大臣小滝彬君) 私は従来試案として作りました防衛庁の一応の計画というものは、これは貴重な資料であると考えます。しかしながら御承知のようにイギリスなんかでも防衛白書、国防白書が出て、いろいろ新しい兵器の発達なんかに伴うところの考え方の変化というものが見られるわけであります。同様に日本の防衛計画におきましても、防衛庁が最初防衛庁限りで作つた試案というものは、もう二年も前に作つたものでありますから、その後の情勢というものも考慮に入れなければならぬ。そうしてその情勢は国際情勢もあればまた国民所得、経済方面における国内の事情の変化というものもありますので、せつかく新しく国防会議審議してもらうからには、そうした国内的ないろいろの変化、あるいは軍事的な面におけるいろいろな進歩、あるいはまた国際情勢の変化、いろいろな点を勘案して新しいものに作り上げるという考え方であります。ただ、今防衛局長が説明いたしましたように、従来ありました案というものも貴重なる資料でありますので、あれは田畑さんの方から見られれば、それに対する手直しをしたということになるかもしれませんが、私どもは必ずしもこれまでの案にこだわることなく、今の日本の実情に最も適した自衛隊を逐次増強して行くという方針で進む考えでございます。
  21. 田畑金光

    田畑金光君 そうしますと新しい情勢に即応して考えを立てられるといたしますと、先ほど防衛局長の御答弁では、陸上自衛官はやはり十八万名だということを言っておられましたが、陸上自衛官増強についてはどういう考え方でおられるのですか。あるいは年度計画はどういうことになるわけですか。
  22. 小滝彬

    国務大臣小滝彬君) ただ防衛庁限りで考えましても、それが予算の面やいろいろな面で実行できるかどうかわかりませんが、私はやはり心防衛局長が申しましたように、十八万というものはもともと軍事的な立場から言えば、必要と思われる半分程度のものであるというのが普通の考え方であります。日本の方では何としてもこの機動性あるいは機械化の点が十分いっていない点もあるし、また動員能力というようなことも考えまして、日本の今のあれではそういう点に十分なる能力がないというような点を考えまするときには、やはり十八万程度までは陸も持たなければならない、こういう考えを持っております。ただしかし、それの利用と申しまするか、実際の面における訓練等につきましては、これはもちろん確定いたしておりませんが、私就任以来の考え方といたしましては、あるいは今きまつておる災害関係のための出動、災害派遣であるとか、あるいは土木関係についてのお手伝いをするとかいうような面もございますけれども、さらにこうした面について利用できるならば、そうした面にも陸の自衛隊というものは活用して、そうしてほんとうに国民に親しまれるところの自衛隊というものになり得るのではないか。こうした点は社会党の御方針にもある程度合致する点もあるのじゃないか。こういうふうな考え方で進んでおります。
  23. 田畑金光

    田畑金光君 今のお話はこういうことですか。十八万名というのは日本の必要とする頭数からいうと半分ぐらい程度であると。まあそういうようなお話でありますが、今後自衛隊の任務は今言つたような国土建設のあるいは土木工事、災害派遣等を考えた場合には、もう少し十八万という数に限定、固定しないで増強考えられるし、考えているのだ、こういうことなんですか。
  24. 小滝彬

    国務大臣小滝彬君) いや、そういう意味じやございません。私は、十八万程度は最小限度日本においては、もう有事の際と申しまするか、今までそれに対する動員能力がないからこの程度のものを置いて、しかしそれで十八万で余力のある際には、できるだけそういう方面にも自衛隊というものを活用するという考え方も、あわせて持ちたいというのでありまして、限度としては大体十八万をもって進んでいくという、これまでの考え方には特に修正を加える必要がないのではなかろうかという考えでございます。もちろん確定的にはそれは国防会議で皆さんにお諮りしなければならないし、ほかの要素も考えなければなりませんが、防衛庁限りの案としては今申し上げたような程度であります。
  25. 田畑金光

    田畑金光君 そうするとその作業ですが、テンポはどういうことになるわけですか。来年度一万名とかあるいは二万名とかこういうことになろうかと思いますが、その点はどういう作業で今進めておられるわけですか。
  26. 林一夫

    政府委員(林一夫君) 私が申し上げましたのは事務的に申し上げておるのであります。事務的な検討の段階におきましては、目標は三十五年度十八万ということになります。その間どういうふうに作業していくかは、これはやはり海空との関係もありまして、まだはっきりきまつていないのでありますが、一応三十五年度十八万というところに目標を置いて、来年度一万あるいは次年度の一万を何人ふやすかまだはっきりきまつておりませんが、来年度はぜひ一万増員したいというようなことで検討いたしております。
  27. 田畑金光

    田畑金光君 今お話のような、防衛庁事務当局でやつておられる作業というものは、大体いつごろまでに結論をつける、あるいは国防会議に出し得る成案を得る、こういうことになるわけですか。
  28. 林一夫

    政府委員(林一夫君) 事務的なまとめは近いうちにできると思うのです。
  29. 田畑金光

    田畑金光君 近いというのはいつごろですか。
  30. 林一夫

    政府委員(林一夫君) 本月中にはまとめたいと思っております。いつ幾日までにできるということははっきり申し上げられません。きわめて近いうちにそれはまとまる。
  31. 田畑金光

    田畑金光君 あなたのお話の質的な向上ということで、大臣もお答えになりましたが、たとえば英国のこの間の国防白書によりますと、一九六〇年までには徴兵制を廃止するというようなことも申しております。さらにまた軍事予算についても年間一億一千万ポンド以上削るということも言っております。そうして兵隊の数を減らして新しい原子兵器の方向に装備をいたしていく、こういうことを白書は言っておるわけです。また西独のアデナウアー首相等も西独でやはり原子兵器を取り入れるというようなことも言っております。そういうような客観情勢をかんがみながらという大臣のお言葉は、それが質的向上ということになって参りますと、従来の日本の自衛隊の装備や兵器等について、大きな変革が行われるものと考えられますが、この点はどういうふうになるわけなのですか。
  32. 林一夫

    政府委員(林一夫君) 英国なりあるいはNATO方面におきましては、今後原子兵器を逐次装備していくというように伺つておるのであります。わが方におきましては、原子兵器につきましては御承知のように、国内にこれを持ち込むことは考えていないという総理の御答弁にあるように、原子兵器をわが国において装備するというようなことは考えていないわけであります。ただこのような新しい兵器がどんどんできてくるということを考えますと、やはりこういうものに対するところの防備なり部隊編成とか運用というような面のことは、考える点が相当出てくるのじゃないかと思うのです。先ほど申しました陸の機械化というようなことも、やはり機動性を高めるとか、あるいは機甲性を高めるというような点は、このような点から考えてもだんだんと必要となってくるのです。そういうような意味におきまして質的改善も考えておるのです。わが方において原子兵器を今後装備していくというようなことはもちろん考えていないのです。こういうような新兵器に対するいろいろの編成なりあるいは装備というものは、一応考えていかなければならないと、こういうふうに考えておるのです。
  33. 田畑金光

    田畑金光君 その新兵器に対して機動力を持たせるとか、それがために機械化をするとか、新しい編成装備を考えるというわけですが、具体的にどういうことになるわけですか。新兵器に対抗するにはやはり新兵器を、こういう考え方が常識的に考えられるわけで、また先ほど大臣の答弁を聞いていても、英国の国防白書やNATOの最近の動向からいっても、日本も新しい考え方でこういうことになってきますと、当然これは新しい原子兵器等を必然的に取り入れられなくちやならぬという結論にこそなれ、あなたの今の御答弁ではわかりませんが、具体的にどういうことになるわけですか。
  34. 林一夫

    政府委員(林一夫君) 具体的のことは先ほど申しましたように、今後原子兵器に対するものとしましては、その防衛方法はたとえばその装備の点について、これをさらに数えれば、機動性あるいは機械化というような点、あるいはこれに伴う部隊編成、運用の点、こういうような点について、今後大いに検討していく必要があるというように考え、そのような意味からして、装備の質的改善をはかつていくというふうに考えておるのであります。
  35. 田畑金光

    田畑金光君 幾ら聞いても同じ答弁ですが、具体的なものは何も聞けないわけです。御答弁ないのです。どういうことなんですか。大臣に一つお考えを承わりたい。
  36. 小滝彬

    国務大臣小滝彬君) 私は今具体的に何をどうするということを申し上げかねますが、しかし部隊というものはとにかく自衛のためにあるからには、自衛の能力というものを考えなければならぬ。合理化と申しまするか、ただ昔風なことをやつていればいい、数を十八万そろえればいいという種類のものではないので、今の防衛局長の答弁は非常に抽象的であったかもしれませんが、そういう実際の効果のある装備というものを考えなければならぬ。そこで、この委員会で申し上げたか、あるいは予算委員会でございましたか、たとえば誘導弾のようなものも結局研究する必要がある。そういう意味で私は技術研究というようなものは非常に重要だと思うのです。しかし今、田畑さんのお話では、だから原子兵器を持たなければならぬという考えに進むのではないかとおっしゃるのですが、それはあるいはよその国ではそうであるかもしれないが、日本は日本の国情というものがあり、国民感情というものがある。そうして、日本は日本だけで独力ですべての防衛を全うしようというのではなくて、最終的には共同防衛というところの考えを持っておりますので、日本の国情に反する装備、そうしたことを考えておるのではなくして、今申しました、情勢に応じたそうして日本でやり得る限度のものを、できるだけ合理的に進めていく。こういう基本的な考え方であります。
  37. 田畑金光

    田畑金光君 先ほどの長官のお話の中に、今後自衛隊というものは、もう少し運用というような面で考えていきたいというお話で、たとえば災害派遣とか土木工事とか公共事業等に、転用できる点は転用していきたい。これは非常にいい考え方だと思うのです。やはり自衛隊が非生産的なものであるという国民感情からいっても、もう少しこれを生産的な面に活用するということは、これは非常に望ましいことだと思うのです。やはり各地でいろいろ水害とかあるいは潮害とか災害が起きているわけで、こういうような場合は自衛隊を積極的にそういうような面に運用するということは、非常にけつこうなことだと思うのですが、これをもう少し制度化して、そのような面にうんと動いてもらう。こういうようなことは、いま少し積極的に考えてもらつてもいいと思うのですが、この点どの程度お考えになっておるのか、お聞かせ願いたいと思います。
  38. 小滝彬

    国務大臣小滝彬君) 御承知のように、防衛庁設置法にもまた自衛隊法でも、そういう方面に使い得る規定はございますがしかし部隊訓練とかいうような面で率直に申しまして、部隊長あたりは訓練の方を非常に重要視いたします関係上思うように進んでいない。しかし今年度におきましても作業隊などはさらに増強する予定を立てております。そうなれば、土木工事の委託を受けるというような面もよりよく実行し得るだろうと思います。私はもう少しさらに進んで、こうした面について、部隊編成の上からも少し考え直して、そうした面で今までよりもよりよく活動し得るようにいたしたいと思って、そういう考え方を庁内の関係者にも申しておりまするが、今具体的にはどういう法規の改正をするかということになりますると、そこまでまだ具体化はいたしておりません。しかし、その考えで少くとも私がこの仕事を引き受けておりまする以上指導していきたい。こういう考えでおります。
  39. 田畑金光

    田畑金光君 実はこの間、福島県の久之浜町という所で非常な高潮の災害をこうむつたのです。そのとき郡山駐屯の陸上自衛隊が、何百名か知事の要請で現地に派遣されて、災害の防止に非常な献身的な努力を払つて、相当県民感情というか地方住民の感情からいって、自衛隊に好感を呼んだというような例があるのです。その他の災害の場合も同じようなことがあったわけですが、やはりこういうような点は自衛隊の今後の運用において十分考えてもらわなければならん点じやなかろうかと、こう思うのです。ところがこれは話がとびますけれども、それだけ非常に自衛隊に対する関心を呼んだ直後ですが、今たしか自衛隊の募集をやつていると思うのです。福島県の割当が何ぼだったか知りませんが、地方連絡部、あるいは末端の市町村長等が大いに募集に協力しようと努力はしておりますけれども、六百名でありましたかそれに対して何と何十名程度の応募者しかいない、こういう姿で困っておるわけです。これはどつちの方で御担当か知りませんが、こういう傾向というものに全国的に今年は向うのじゃないかと思うのです。それはなぜかというと、たとえば経済がこう好況になって、あるいは雇用の機会が多くなる。新制高等学校を卒業した諸君の働く場所が開かれてきますと、そのしわ寄せば今の募集状況等に端的に現われてくるのじゃないかと、こう思うのです。福島のように、今度の災害で相当これは募集には好都合だという関係者の見通しであったにもかかわらず、皮肉な現象には全く応募者がいないということで大へん困っておるのですが、この点、加藤人事局長に今年の模様について御説明を願いたいと思います。
  40. 加藤陽三

    政府委員(加藤陽三君) 今お話がございましたごとく、ただいま三十二年度の第一回の隊員の募集をやつております。四月一日から六月の中旬まででございます。今までの例によりますと、大体締め切りのまぎわにたくさん出てくるのでございまして、募集を開始いたしました当初というものは、従前の例によりましても応募者は少いのでございます。数十名というのはただいま初めて聞きましたけれども、私どもの考え方といたしましては、いろいろな条件の変化がございまするけれども、一年を通じますると、大体昨年と同じくらいの応募者を得られるのではないか、かように考えております。  御参考までに申し上げますると、一般隊員について申しますると、昭和三十一年度は三万九千二百八十七名採用したのでございまするが、これに対しまして二十万一千百六十七名の応募者がございました。三十年度は三万五千七百五十二名の採用に対しまして二十万二千百二十六名、二十九年度が少し少うございまして、五万七百八十一名の採用に対しまして十七万四百三十四名という状況でございます。大体二十万程度の応募者は、三十二年度につきましても年間を通じますれば、得られるのではないかというふうな見通しを持っております。
  41. 田畑金光

    田畑金光君 私のお尋ねしておるのは、自衛官の募集に、経済の好不況というものが相当影響があると、こう見ておりますが、あなた方としてはそう見ておられませんか。
  42. 加藤陽三

    政府委員(加藤陽三君) 全然ないとは思いません。思いませんけれどもいろいろな事情を勘案してみますると、大体昨年程度、二十万くらいは年間を通ずれば応募せられるのではないか、というふうに見ておるわけでございます。
  43. 田畑金光

    田畑金光君 この予算説明によりますと、予備自衛官というものが三十二年度末一万一千名、三十一年度末は八千名、こういうことでありますが、この予備自衛官というものについて、今後どの程度の増員計画しておられるのか。これは、先ほど来お話の防衛六カ年計画とやはり関連して、これの増一員等についても考えておられるのか、あるいはこれは無関係なのかどうか、その点一つ。
  44. 加藤陽三

    政府委員(加藤陽三君) 予備自衛官につきましては、現在の自衛隊法では一万五千名以内と、こうなっておるのでございます。ただ、毎年の予算で一応の目標をきめておりまして、昭和三十一年度におきましては、年度末八千名という目標で採用して参りました。三月三十一日現在で、正確な数字は届いておりませんけれども、私の方に入っておりまする報告によりますると、七千四百名ぐらいというふうな報告を聞いております。  御承知のごとく、昭和二十五年、警察予備隊が発足いたしまして以来、その退職者は約十万余りおるのでございますが、その中には、いろいろな事情で、病気でやめた者でありますとか、あるいは十分な訓練を経ないでやめた者とか、いろいろおりまするので、それらの者全部が対象になるわけではございませんけれども、そのうちの数万の者は予備自衛官になり得る対象者でございます。私どもは、将来の防衛計画におきまして、どれくらいにきまることになりまするか、ただいまのところ存じませんけれども、数年後には、一万五千名のところまではもっていけると思っております。
  45. 田畑金光

    田畑金光君 そうしますと、この予備自衛官の増については、年度計画というものは立っていないんですか。将来の目標が一万五千名で、その一万五千名を充当するには、昭和三十二年度末はこうだ——三十二年度は一万一千名ですが、三十三年度あるいは三十五年度末には一万五千名ということになるのかどうか、そういう防衛計画との関連です。
  46. 林一夫

    政府委員(林一夫君) 予備自衛官につきましても、年度計画で数字をきめたいと考えておるのであります。予備自衛官の募集能力、あるいは応募実績というようなものを見まして、この防衛計画において計画いたしたいと、こういうふうに考えております。現在のところ、何名にするかということはまだきまつておりません。
  47. 田畑金光

    田畑金光君 この海上自衛隊の場合ですが、本年度甲型警備艦を二隻持つことになるわけですね。それから、この予算書によりますと、艦艇は現態勢が四百七隻で十万八百四十六トン、ことし増勢分が二十七隻で一万五百四十八トン、合計四百三十四隻で十一万一千三百九十四トン、こういうことになるわけですが、今回アメリカから米供与として、日米相互防衛援助協定によって警備艦が二隻来ると、こういうことになっているわけです。これは三十二年度内に、これは二隻の現物がこちらに来るのか、それとも域外買付というようなこと等を言われておりますが、それはどういう形で来るのか、これを一つ御説明願いたいと思うんです。
  48. 北島武雄

    政府委員北島武雄君) 先ほど御説明申し上げましたお手元の書数の五ページのところの、米供与警備艇二隻と記載してございますのは、これは、すでに完成しているものをそのままわが国に供与されるものでございます。なおこのほか、三十二年度中におきまして、域外調達によって駆逐艦二隻が建造される予定ということになっております。
  49. 田畑金光

    田畑金光君 そうしますと、四ページ増勢分二十七隻、一万五百四十八トンの中には、今域外調達による二隻というものが入っておるのか、入っていないですか。
  50. 北島武雄

    政府委員北島武雄君) 三十二年度防衛庁予算案の大要を作りました当時におきましては、この話は確定いたしておりませんので、ただいまの数字に入っておりません。
  51. 田畑金光

    田畑金光君 そうしますと、今度域外調達で、二隻日本に供与されるということになりますれば、それはどういう手続と申しますか、予算上の問題、財政上の問題、これはどういうことになるわけですか。
  52. 小滝彬

    国務大臣小滝彬君) これは、そういう調達をいたしましても、でき上るのは昭和三十五年でございますから、その前には、こういう供与品としての量には入らないわけでございまして、今後の漸増に役立つというわけでありまして、今年度や来年度に提供されるものではない。提供されるまでは、ただ域外調達の仕事が進行しておるというにとどまるわけであります。
  53. 田畑金光

    田畑金光君 いや、その点ですが、アメリカが要するに二隻の船を日本に供与するわけです。三十四年度になるか、五年度になるかは別にいたしまして、その援助資金はどういうふうな形で、どういう手続を経て、日本に域外発注として出てくるのか、その経路を御説明願いたいと思うのです。
  54. 小滝彬

    国務大臣小滝彬君) 御承知のように、域外調達は、原則的に直接調達でありまして、車両の場合とか、いろいろの日本の会社から買い付けますときには、向らの調達に関係する役人がおつて、直接支払いで買い付けるわけであります。しかし、その場合は、日本の国情に沿わないような非常なたたき買いをする場合もあるし、また時期的になるべく均分して、日本の経済を混乱させることのないように、デイスターブすることのないようにやらせるには、あたかも調達庁が労務を間接提供しておるような、そういう方法が望ましいという考え方もあり得るわけでありまするけれども、普通の場合は、直接調達をしている。しかし艦船は、日本が将来使うということになれば、向うの設計でやるというよりも、日本の方で設計してやつた方が、より日本の国情に適したものになり得るし、日本の方は、そういう艦船を作る能力を持っておりますから、今度、今御指摘のような駆逐艦の建造につきましては、間接調達——政府の方が中へ入って、そうして監督も防衛庁の方でやつて、そうしてそれを完成した暁に米側から提供を受ける、こういう方法によりたい。そういうような大体の話になっておる次第でございます。
  55. 田畑金光

    田畑金光君 そうしますと、この場合は、直接援助資金が造船会社に行くというのでなくて、政府なら政府の手を通じて、この艦船建造資金が会社に流れる、こういう経路になるわけですか。
  56. 小滝彬

    国務大臣小滝彬君) 実は、私といたしましては、金の方は……、監督をするとか、設計については、われわれが使いたいものであるから、日本の技術のためにもなるからやるが、この金の支払いの方は、直接払いにしてもらつた方が都合がいいと考えまして、やはりいろいろ交渉いたしましたが、どうも向うの方では、日本の方で引き受けて、それを調達してくれるからには、金の面も、結局取り過ぎるという勘定ではあるけれども、やはり政府の方に払つて、政府の方の責任でそれを作つてもらいたいという希望が非常に強いため、今度のこの駆逐艦二隻の域外調達というものをいたします際には、支払いも、形式的には日本政府に支払つて、日本政府がその支払われた範囲内において下請の業者に支払う、こういう格好になると思います。
  57. 田畑金光

    田畑金光君 そうしますと、政府は、域外調達について、その資金は、特別会計を作られて、特別会計の運用によってやっていく、こういうような方向になるわけですね。
  58. 小滝彬

    国務大臣小滝彬君) 大体そういう考え方で進んで参ります。
  59. 田畑金光

    田畑金光君 これは、こういう域外調達というもの、特に艦船について、これは初めてなんですか。それとも飛行機等について、あるいはその他機材等について、こういうケースがあったのかどうか。今回初めてこういう措置がとられようとしているのか。  さらに関連してお尋ねしたいのは、この資金は、アメリカの軍事援助資金の一環でありましょうが、MSA協定に基く供与、こういうことになってくるわけですか。一つ、これらについて御説明願いたいと思うのです。
  60. 北島武雄

    政府委員北島武雄君) 従来の調達方式は、先ほど長官から御説明いたしましたように、米国政府が直接日本の業者と契約をいたしまして、でき上りましたものを日本政府に供与される、こういう格好でございました。ところが、艦船につきましては、今度初めていわゆる間接調達の形式をとることに相なっておるわけであります。どうしてこういう格好になるかと申しますと、米国側の説明では、普通の装備品と違いまして、艦船につきましては、でき上るまでに数年かかるわけでございます。その間、米国政府が直接業者に発注するということになりますと、その間常時、監督のために、あるいは経理検査のために、相当な人員を日本に派遣しなければならない。こういうことは、米国としては実はなしがたいというので、従来からも、たしかこの艦船関係の域外調達につきましては、すでに米国政府は九カ国と実施いたしております。その大部分がやはり政府側を相手といたしまして、政府を通じてこのような間接調達をいたしております。ただ、たつた一つの例外は、イタリアなんでございます。イタリアは、この引き受けます会社が政府の公団でございまして、実質は、いわゆる政府機関という格好になっております。これは、実質的には政府の間接調達ということに相なろうかと思います。米国方針といたしましては、艦船の域外調達については、従来すべて、ただいま申し上げましたような方式でもって実行いたしているのであります。
  61. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 速記をとめて。    〔速記中止
  62. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 速記を起して。  暫時休憩いたします。    午後零時十五分休憩    —————・—————    午後一時五十五分開会
  63. 亀田得治

    委員長亀田得治君) これより内閣委員会を再開いたします。  委員変更について御報告いたします。  今日付で苫米地義三君、泉山三六君が辞任され、その補欠として前田佳都男君及び植竹春彦君が選任されました。以上御報告いたします。   —————————————
  64. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 休憩前に引き続き、防衛庁設置法の一部を改正する法律案及び自衛隊法の一部を改正する法律案、両案を一括して議題に供します。両案について御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
  65. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 官房長に伺いますが、前年度からの繰越金ですね、これを二百数十億ほどあるというふうに伺つておるのですが、さらにこの二百数十億については今年中に使い切るということをアメリカに約束しておると、そういうことを承知しておるのですけれども、そこで、この二百数十億ではちょっと把握しにくいので、正確な二百何十億かということを具体的に承わりたい。  それと、この二百数十億については、どういう方面に使われておるか、そういうことをまずお伺いしたい。
  66. 門叶宗雄

    政府委員門叶宗雄君) 繰り越しの問題、今すぐ経理局長が参りまして御説明を申し上げます。
  67. 亀田得治

    委員長亀田得治君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止
  68. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 速記を起して。
  69. 北島武雄

    政府委員北島武雄君) 御承知の通り昭和三十年度から三十一年度に繰り越しました金額は二百二十八億円、三十年度に至るまで各年若干ずつ減少いたして参りました。ただ、三十一年度の繰越見込額はいかほどかというこういう御質問かと思いますが、実は御承知の通りに財政法上四月一ぱいまでは三十一年度の支出が行われるわけです。ただいまのところ確定的な数字はまだつかめておりません。二月下旬までの実績があるので、これによりまして推算いたしますと、ただいまのところでは、ほぼ前年度程度になるのではなかろうか、こういうふうに考えております。
  70. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 具体的な金額を言って下さい。
  71. 北島武雄

    政府委員北島武雄君) 確実な金額はただいまのところ、先ほど申し上げましたように、まだ締め切らないとわからないのでありますが、昭和三十年度の繰り越しは二百二十八億ございます。昭和三十年度から三十一年度に繰り越しましたものは二百二十八億円でございます。三十一年度から三十二年度に繰り越す金額は、先ほど申し上げましたように、ただいまのところ締めておりません。四月一ばいたちませんと、五月の半ばになりませんと、ほんとうの確定的な数字はわからない。従って、ただいままでのところはまだ推算の域を出ないのでありますが、当初考えておりましたものよりも思ったほど改善ができませんでした。はなはだ恐縮でございますが、大体におきまして前年度程度二百三十億見当の繰り越しが出るのじやなかろうか、こういうふうに考えます。  それからまた繰越金の使途というお尋ねでございますが、繰越金は、御承知の通りに一応二つに分れまして、一つは契約済み繰り越しと申しまして、これはすでに当該年度におきまして支出負担行為をいたしましたが、納入あるいは工事の竣工がおくれておりますために支払いが完結いたさない分、まあこの分につきましては、当然三十二年度におきましてすでに契約したものにつきまして、竣工あるいは納入が行われますれば、支払われるのでございます。もら一つは、三十一年度中に契約の予定ではございましたが、種々の事情から契約まですることができなかった金額は、これはまあ契約未済繰り越しと言っております。これにつきましては、当初の計画がやはりございますので、当初の計画に従いまして、それぞれ三十二年度中に契約が行われ、支出が行われる、こういう関係になります。それから三十二年度中にその繰越金は使い切れるかと、そういうお尋ねでございますが、財政法によりますと、明許繰り越しのものにつきましては——繰り越し明許という制度がございます。あらかじめ特定の費目につきまして、国会の御承認を経まして繰り越すことができる費目、これは繰り越し明許の費目と申しますが、かかるものにつきましては、三十一年度から三十二年度に繰り越されますが、そのあとの分につきましては特定の、特別な事情によりまして、財政法の他の規定の、いわゆる自己繰り越しの規定に該当する場合じゃないと、財政法上繰り越しが行えません。それから三十一年度から三十二年度に自己繰り越しで参りましたものは、もうこれは三十二年度から三十三年度へ繰り越されることはないのであります。大体繰り越し関係につきましては、ただいまのところそういうふうな状況でございます。
  72. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 その契約済みとか、契約予定の面に使われているのでしょうか、それ、具体的にわかつていないのですか。
  73. 北島武雄

    政府委員北島武雄君) 具体的にわかつております。ただいま実は……
  74. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 およそでいいのです。大綱で……。
  75. 北島武雄

    政府委員北島武雄君) ごく大綱を申し上げますと、防衛庁の費目で繰り越しとなります費目の大きなものは三つでございます。  一つは、いわゆる器材費でございまして、これは装備品その他訓練並びに自衛隊の装備関係の一切の、何と申しますか、物品費、物件費でございますか、その内容は非常に広範囲に分れております。陸上自衛隊におきましては、たとえば装備品乙類の試作の費用とか、それから海上自衛隊におきましては艦船の需品関係あるいは航空自衛隊におきましては航空機の需品関係といったものが大口でございまして、このほか、器材費以外に、施設整備費それと艦船建造費、これが繰り越しの大きな原因となっておりますが、施設整備費と申しますと、これは演習場、飛行場等の不動産取得の関係の経費でございます。艦船建造費はもちろん海上自衛隊関係の艦船建造の費用でございます。大ざつぱに申しまして、昭和三十一年度から三十二年度に繰り越しました二百二十八億の内沢は、器材費におきまして百四億、それから施設整備費におきまして五十三億円、艦船建造費六十四億円でございます。三十一年度から三十二年度に繰り越される金額も、ほぼ大体この程度の数字に相なるかと、ただいまのところ考えております。
  76. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 官房長にお伺いしますが、在日米軍の配置状況を一つお伺いしたい。基地とか数量、人員そういうような面について。
  77. 門叶宗雄

    政府委員門叶宗雄君) 在日米軍の大体の数でございますが、陸海空を合せまして、地上部隊は約九万ということに相なっております。そのうち陸について申しますと、陸が大体三万ないし四万、空が五万、海が、海上部隊を入れまして二万弱ということに相なっております。海関係の地上部隊は横須賀、佐世保が中心、その他は海上部隊に相なっております。
  78. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 陸が三万ないし四万ですと、三万ないし四万にはだいぶ開きがあるのですが、いま少し正確にわからないものですか。と申しますのはやはり在日米軍の兵力がわからないでは、日本の防衛計画も立たないと思うのですよ。そういう関連からいって、三万ないし四万ではちょっと……。幾らか大体わかつているのじゃないですか。
  79. 門叶宗雄

    政府委員門叶宗雄君) 在日米軍の正確な数字は、米軍当局において発表いたしておりませんので、この機会に私から申し上げることは差し控えたいと思います。三万ないし……はなはだ概数で申しわけございませんが、その点で御了承願いたいと思います。
  80. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 私のお伺いしたい点は、三万でも四万でもいいわけですけれども、そういう数字を正確に把握して、そして日本のいわゆる防衛計画は立っていくと思うのですけれども、そういう数があいまいもことしておったのでは、防衛庁としても計画を立てにくいのじゃないですか。そういう点、どういうふうにしておられますか。
  81. 門叶宗雄

    政府委員門叶宗雄君) 防衛庁としては大体米軍の数は連絡をもらつております。ただ、米軍当局として正確なる数字を発表することを差し控えておりますものですから、申し上げるのを差し控えさしていただきたいということでございます。
  82. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 なお、在日米軍の弾薬庫とかその他兵器倉庫というのがあちこちあるのですが、そういうものについての実態を伺いたい。
  83. 門叶宗雄

    政府委員門叶宗雄君) 兵器庫その他詳細なものにつきましては、ただいま資料がございませんので、なお調達庁関係でこの仕事を取扱つておりますので、そちらの方からお聞き取り願つた方がいいのじゃないかと思います。
  84. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 わかつている程度で一つ。
  85. 門叶宗雄

    政府委員門叶宗雄君) 防衛庁側としては、今正確なものを承知いたしておりませんです。
  86. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 それと、アメリカの国防総省で第一騎兵師団の引き揚げを考慮しているというような報道を承知しているのですけれども、在日米軍の撤退計画というようなものがあると思うのですが、それの実情について伺いた  いのですけれど。
  87. 門叶宗雄

    政府委員門叶宗雄君) 今年度についての米軍の陸上部隊の撤退については、まだ連絡がございませんが、昨年地上部隊が約一万撤退いたしております。昨年当委員会におきましても御説明申し上げましたが、騎兵師団の三分の一約四千の海兵師団、空挺団、それぞれ三千と四千、合せて一万一千が昨年中に撤退いたしました。そういうふうな連絡を受けております。
  88. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 さき陸上自衛隊の一万名の増員をとりやめて、先へ持っていくという計画を承わつたのですが、それによってアメリカの撤退が変更になるようなことはないですか。
  89. 門叶宗雄

    政府委員門叶宗雄君) 具体的に、来年度陸上自衛隊が一万増員をとりやめた、それなるがゆえに、直ちに地上部隊の撤退はとりやめるということはないと承知いたしております。
  90. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 次に自衛力の漸増に伴う撤退と、国防基本方針との関連はどうなりますか。
  91. 林一夫

    政府委員(林一夫君) 自衛力の漸増は、これはわが国の方針でございます。国防方針は、いずれは国防会議において正式に決定されるのでありますが、自衛力の漸増ということが国防方針の一つとして考えられると思います。
  92. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 在日米軍が撤退した後、基地とか演習場のうちで、いわゆる民有地があるのですね。この民有地についてはどういう措置をとられることになっておりますか。
  93. 北島武雄

    政府委員北島武雄君) 米軍が撤退いたしまして、従来米軍に提供いたしておりました施設が不要になつたという場合におきましては、一応接収解除という手続のあることは御承知の通りであります。この場合に、もし国有地でありまして、それを防衛庁があと引き続き使用したいという場合におきましては、大蔵省より所管がえを受けまして、防衛庁が行政財産として使用することに相なるかと思いますが、民有地につきましては、もし、それが防衛庁としても必要であるということになりますと、あらためて民間の土地の所有者と話し合いを進めまして買収するということに相なるかと思いますが、これは、個々の具体的な場所によりましてそれぞれ異なるものでございまして、撤退いたしまして、接収解除になりましたその施設につきまして、防衛庁の必要としない場合も多々あるわけでございます。
  94. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 次に、航空団編成に当つて、この御計画によると、北方にのみ配置されておるわけですが、いかなる形の侵略を予想されておられますのか、南方に何ら配置されてない、それについての理由、それと、こういうことは、アメリカの軍事政策の一翼として、アメリカの意図に基いてやつているのかどうか、こういうような点、まとめてお伺いしたいと思います。
  95. 林一夫

    政府委員(林一夫君) 御承知のように、現在ありまする第一航空団、第二航空団は浜松に配置されております。本年度第三航空団、第四航空団増置するのでございますが、現在設置されております第一航空団、第二航空団が浜松にあります関係上、場所的に非常に狭く、かつ不便であります。ところが、近く北海道の千歳基地、これは米軍の基地でありますが、これが共同使用かできるようになりますのに伴いまして、この浜松から第二航空団千歳の方に移したい、こういうふうに予定しておるのであります。もう一つ、現在ジエツト機として使用できますのは、浜松を除きましては、松島があるくらいのものでありまして、さしあたり第三航空団、第四航空団を松島に配置するということになっておるわけであります。
  96. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 司令部を最初名古屋に置くというような話を承わつたのですが、結局東京に変更になつたようですが、何か理由でもありましたでしょうか。
  97. 林一夫

    政府委員(林一夫君) 航空団司令部は、もともと航空団設置の場所でありまする浜松にあり、各航空団設置の場所にある。お尋ねの点は、航空集団司令部のことではないかと思うのであります。
  98. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 そうです。
  99. 林一夫

    政府委員(林一夫君) 航空集団司令部につきましては、現在東京を予定しておるのであります。やはり航空集団というものは、全国的に各基幹部隊を統括するというような関係で、通信連絡というような関係上、東京に設置するのが適当である、こういうふうに考えまして、東京を予定しておるわけであります。
  100. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 次に、レーダー組織の現状と航空団との関係はどのようになっておりますか。
  101. 林一夫

    政府委員(林一夫君) 御承知のように、現在レーダー組織は米軍の管理下にあるわけであります。これは全国的に配置してあるわけであります。そのレーダー組織にわが航空自衛隊部隊派遣いたしまして、訓練を受けておるわけであります。航空団関係は、現在のところ、そのような事情のもとにおきまして、レーダー組織は米軍の管理下にあるということでございますので、わが方の航空団とは直接の関係はないのでありまするが、今後、そのレーダー施設が順次わが国に返還されるようになりますと、そのレーダー部隊航空団との間に関係が生じてくるわけであります。
  102. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 次に、先ほどの御計画で、駆逐艦等の供与が先方からなされるように聞いておるわけですけれどもこういう場合、関係法案がどんなような形で出てくるか、そういう点を伺いたい。
  103. 北島武雄

    政府委員北島武雄君) おそらく一両日中に国会へ御提案申し上げまして御審議をお願いすることになるかと思いますが、ただいままでのところといたしましては、この域外調達に関する経理を明確にいたしますために特別会計を設置するということ、それと、これに伴いまして、防衛庁の従来の権限の中には、このような調達契約を結ぶことは規定されておりません。当分の間、防衛庁がこういう仕事ができるということを明確ならしめる意味におきまして、防衛庁設置法の一部改正ということをその法案において規定されるだろう、こういうふうに考えております。
  104. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 この場合、秘密保護について米軍側からいろいろ注文等はあったと思うのですが、そういう点について米側の見解をお伺いしたい。
  105. 門叶宗雄

    政府委員門叶宗雄君) 今度のOSP関係、域外調達関係の駆逐艦の発注に関連いたしまして、特に従来の秘密保護法では不十分だからこれを変えろ、あるいは特例な措置を考えろ、こういうような申し出はないようでございます。
  106. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 かつて戦時中に軍機保護法というものがあったわけですけれども、そういうような心配はないですか。
  107. 門叶宗雄

    政府委員門叶宗雄君) 今度のOSPに関連しまして、軍機保護法類似のようなものを作るというようなことは考えておりません。
  108. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 先ほどお伺いして、繰越金が大体前年度同様あるように伺つたわけですが、そういうことがありますし、また一方では陸上一万名を減員して先に持っていった、そういう計画のようですが、そのかわり、陸上を減らしたかわりに、海空については相当増強しておる。装備力の増強とか、ロケツト兵器、それからジエツト機などに非常に力を注いできたわけですけれども、こういうようなことは、結局アメリカの原子戦争態勢に即応するように受け取れるのですが、そういう点について伺いたい。
  109. 林一夫

    政府委員(林一夫君) 海上自衛隊航空自衛隊につきましては、質的改善をはかるということは、かねがねわれわれの計画しておったところでありますし、来年度予算においてもその点を考慮に入れておるのであります。これを具体的に申しますと、誘導兵器の研究とか、あるいはジエツト中間練習機の試作とか、あるいは各種電子機器の研究とか、水中機器の研究とか、特車等の試作というような研究開発面に特に重点を置いておるのであります。このような質的な方面に重点を置いて、その開発をはかつて、装備の充実、質的向上をはかつていきたいと計画しておるのであります。このような考え方は、新兵器と何か直接な関係があるかというようなお尋ねであろうかと思いますが、もちろん、先ほどもちょっと申し上げたのでございますが、新兵器が各国においてどんどんできていくというような趨勢にあるものでありまするので、これらに対応して、わが国においても新しい兵器をどんどん研究し、その質的改善をはかつていきたいと、こういうふうに考えておるのであります。たとえば、誘導弾のごときも、エリコンを購入し、また近く米国においても研究用として一部供与を好意を持って考えておるというふうにいわれておるのでありまするが、このような誘導弾の現物の供与を受けて、大いに研究の方に力を入れて、将来このような技術の進歩、装備の改善というようなことをはかつていきたいと、こういうふうに考えております。
  110. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 最近の報道によりますと、総理大臣がアメリカに行くについて、いろいろ国防の基本方針の作成を急いでおると、そういうふうに伺つておるのですが、大体二十日前後に国防会議で十分検討すると、こういうようなことですが、大体この点については、防衛六カ年計画は従来からあったわけですけれども、こういうことをさらに再検討して、そういうものをアメリカへ持っていくわけですか、そういう点について伺いたい。
  111. 林一夫

    政府委員(林一夫君) 現在防衛計画につきましては、検討を加えておるのでありまして、これができ上りますれば、国防会議にかけて、政府の計画として決定するという段階になるわけであります。このような防衛計画を岸総理が米国に持っていかれるかどうかということについては、私はまだ存じておりません。
  112. 秋山長造

    ○秋山長造君 ちょっと関連して。今の点ですが、われわれ新聞で見たり、あるいはいろいろな所から耳にしたところによりますと、岸総理がアメリカへ行かれるについて、日本の防衛計画というものをやはり準備しなければならないということで、防衛庁事務当局に対してそれを一つ早くまとめてもらいたいという命令があったやに聞いておるのですけれども、そういうことは今の答弁では全然ないというようなことですが、どつちがほんとうですか。
  113. 林一夫

    政府委員(林一夫君) ただいまお話の、岸総理から、渡米に当つて、防衛計画を持って行くから早くまとめてくれというようなことは、私は伺つておらないのであります。ただ、防衛計画を早くまとめるということにつきましては、国防会議並びに防衛庁といたしましても急いでおるのであります。岸総理から特にアメリカに持って行くから、これを至急まとめよということについては、伺つておらない次第でございます。
  114. 秋山長造

    ○秋山長造君 特にアメリカに行くからという頭書きはついてないにしても、とにかく早くまとめてほしいということは、言われておるわけでしよう。
  115. 門叶宗雄

    政府委員門叶宗雄君) 御承知の通り国防会議ができてすでに半年以上になります。たびたび議会におきましても、国防会議何をしているかというようなおしかりを受けます。また防衛庁計画も、防衛庁試案として議会において申し上げてからすでに二年を経過いたしております。すみやかに防衛庁が持っております長期防衛計画、必ずしもこれを基礎にするというわけでもございませんが、政府の長期計画にしたいという考えをもちまして、防衛庁においては漸次研究を進めておるわけであります。三十三年度予算の問題にも関連いたしまして、すみやかにこの計画を政府の計画にいたしたいというような意味合いで目下作業を急いでおる次第であります。
  116. 秋山長造

    ○秋山長造君 そういたしますと、二年前にいわゆる防衛六カ年計画防衛庁の試案というものができておるわけですね。その後二年前の案から出発をして、そうして幾たびかこれが改訂されて、そうして最終的な決定を見ないままで今日に及んでおる状態だと思う。そこで、まあ今日、今の時点での防衛庁案というものは、まだはっきりまとまつておらないにしても、一番今に近い時点において何らかの形でまとまつた防衛庁の試案というものがあるのじゃないかと思うのですが、二年前に防衛庁の方から出された防衛六カ年計画試案と同じ程度にまとまつた案でもけつこうなんですが、それを資料にして配付していただけませんか。
  117. 門叶宗雄

    政府委員門叶宗雄君) 先ほどから申し上げております通り、防衛六カ年計画ないし長期防衛計画は、防衛庁においてもまだ検討の段階でございます。申し上げられますことは、ここで小瀧大臣から御説明がありました通り、三十五年を最終年度とする最終目標を申し上げる程度でございます。それ以上のことは、今日のところ、まだ申し上げる段階に至っておりません。御了承願います。
  118. 秋山長造

    ○秋山長造君 二年前のあのときには、大体年次計画というものが、一応試案ではあるけれども、できておつたわけでしよう。
  119. 門叶宗雄

    政府委員門叶宗雄君) 二年前に、陸の十八万、海の十二万四千トン、空の千三百機ということは、当委員会におきましても申し上げた次第でありますが、その具体的な年次計画については、防衛庁としても最終決定には至らなかったものでございます。従いまして、当時も年次別の計画は御説明申し上げなかったと存じます。
  120. 秋山長造

    ○秋山長造君 最終決定はしてなかったということはわかるのですけれども、しかし、最終年度の目標数字は十八万、千三百機、十二万トン、こういう線が出ている以上は、やはり何か年次計画を積み重ねた結果がそういう目標数字になって出てきたのだろうと思うのですから、やはりその目標数字そのものが当時最終確定ということではなしに、一つの試案での目標数字ということだったわけですから、だから、試案でけつこうなんですけれどもね。今の段階で作業をしておられる数字をそのまま出せということは、今日今すぐということは無理かもしれないけれども、二年前あの目標数字が出された当時には、たとえ試案ではあるにしても、その積み重ねていった計画、年次別の計画というものが一応防衛庁の手元にはできておつたと思うのですね。そのときの数字でけつこうなのですが、われわれに提供していただけませんか、その資料。
  121. 門叶宗雄

    政府委員門叶宗雄君) 当時におきましても、先ほど申し上げました通り、年次別の詳細な決定というものは、防衛庁においてもなされておらなかった次第であります。なお、今日の段階においてはさらに申し上げました通り、現在検討を続けておる次第でございます。今これを当委員会に出すということはいかがかと思う次第であります。
  122. 秋山長造

    ○秋山長造君 そういたしますと、やはり目標数字というのは、こまかく積み上げた上でできてきた数字ではない。だれかの頭に思いついた大ざつぱな見当として、ああいう数字を打ち出されたわけですか。そうではないと思うのです。やはりそれは、こまかい年次計画を積み上げた上でああいう数字が出たのですから、あの数字をしばしば発表されておられるくらいだから、その目標数字をはじき出してきた年次別の計画というものも発表されて別に不都合はないとも思うし、特に、二年前のもうだいぶ古くなつたものでもあるのだから、なおさら資料として出されることに一向差しつかえないのじゃないかと私は思うのですがね。
  123. 門叶宗雄

    政府委員門叶宗雄君) いろいろ検討の段階において、年次別な数字もあるいは出たと思いますが、防衛庁としては、先ほど来申し上げました通り、一応の最終目標を決定いたし、これを防衛庁試案といたしたわけでありますが、さらにこれを細分した年次別な計画については、防衛庁としても、決定したものを今日まで持っていなかった次第であります。
  124. 秋山長造

    ○秋山長造君 そうすると、年次別の計画というものは、別に防衛庁として決定したものは当時もなかったということになると、その結果、積み上げられて出されたあの目標数字ですね、この目標数字というものも、結局当時も決定をしたという決定案ではなかったわけですね。その目標数字は決定案だったのですか。
  125. 門叶宗雄

    政府委員門叶宗雄君) 当委員会で申し上げました最終目標は、一応防衛庁としては、防衛庁限りではございますが、決定したものといたしておるわけでございます。
  126. 秋山長造

    ○秋山長造君 じや、最終目標数字だけは、防衛庁限りでもちろん質問をしておるわけですが、防衛庁限りとしては決定しておったけれども、しかし、その数字をはじき出す途中のところは何も決定していなかったと、こういうことですか。これはおかしいと思うのですね。根拠なしに、そういうものを結論だけ決定するということは、ちょっとあり得ぬと思うのですがね。どうですか。
  127. 亀田得治

    委員長亀田得治君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止
  128. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 速記をつけましょう。
  129. 門叶宗雄

    政府委員門叶宗雄君) 先ほど来申し上げた通りでございまして、何とぞ御了承願いたいと思います。
  130. 秋山長造

    ○秋山長造君 それは、了承願いますと言っても了承できませんよ。結論だけ数字を並べられて、途中のところは了承してくれと言っても、それは了承しようにも了承する足がかりも手がかりもありやしない。
  131. 田畑金光

    田畑金光君 一昨年八月、当時の重光外相がアメリカに渡られましたね。あのときも、最終案ではないが、アメリカと話し合いを進める上に支障のない程度の、防衛庁だけの防衛六カ年計画なるものの外貌は携行されたと思うのです。で、あのときの内容と、その後防衛庁当局が作業されておる内容と、幾らも違いがないようにわれわれは見ておるわけで、実際はそうでないと思いますけれども、先ほど来秋山君から資料の要求がなされておりますが、まず私は、第一には、一昨年の八月に重光外相が携行された当時の状態におけるアメリカに折衝された資料、それを出していただきたいと思うのです。それは、その後新聞発表等で明らかにもなっておりますが、今度岸総理が携行される資料等も、大よそ一昨年のそれと似たような内容ではなかろうか。その後の二年間の客観情勢の変化で、今度携行されるものは、またさらに具体的なあるいは内容等においても変つたものであるかもしれぬが、一昨年の重光外相の行かれたときの資料は、これはありましようから、それを一つ出していただきたいと思います。
  132. 門叶宗雄

    政府委員門叶宗雄君) その問題につきましては、当委員会におきましても、関係大臣から——外務大臣あるいは防衛庁長官からしばしばお答えがあったはずでございますが、重光さんが向うへ行って、向うに示したというものは、先ほど来申し上げました、三十五年を終期にする最終の目標を持って行かれた、その具体的なものを向うで示したということはないということを委員会でしばしば御答弁になっておるはずでございます。
  133. 田畑金光

    田畑金光君 そうしますと、今度の岸総理の持って行かれるのも、あなた方の方で今作業されておることは、これは天下公知の事実ですが、それもまた、三十五年だけ目標をこうだと考えていかれようとするわけですか。
  134. 門叶宗雄

    政府委員門叶宗雄君) これは、私からお答えするのは、まことに不適当と思いますが、おそらくそういう具体的なものを総理はお持ちにならないのじゃないかと私は考えておる次第でございます。御了承願います。
  135. 田畑金光

    田畑金光君 けしからぬ話ですね。先ほど私の質問に対して、加藤人事局長でありましたか、防衛局長でありましたか、来年は、具体的に一万名、陸上自衛官をふやすということをはっきりとお答えになつたのです。はっきりとね。陸上自衛官について、すでに来年は一万ふやすということは決定されておるわけなんです。これはまた、われわれも、本年の防衛分担金の日米相互の折衝の中から、来年は少くとも一万名ふやすということは、もうすでに先約をなされておることはわれわれも知っておりますが、しかし、いずれにいたしましても、来年度陸上自衛官については、一万名ふやすということをはっきり御答弁なさつておる。でありますならば、当然海についても空についても、こういう増強計画があるのだ。これがないはずはないじやありませんか。あなた方の御答弁、いつまでも、三十五年の終局目標はこうだ、そういうようなことでごまかそうとしても、それはごまかすことはできない。国防会議というものがそもそもできたときに、国防会議を何のためにあなた方は急いだのだ。そのときの政府は、要するに年次計画というふうなもの、そうして終局は、三十五年度計画はこうだ、終局の計画はこうだし、それに至る年次計画はこうだ、こういう国防の基本的な方針とか、あるいは自衛隊増強計画について、具体的なものをかけるのがこの国防会議なんだ。そこで国防の大方針をきめるのだ。そういうわけで、国防会議というものは急いで作られたわけです。にもかかわらず、今日なおそういうような答弁ということは、あなた方はほんとうにどういう気持でやつておるのか、(笑声)不可解だが、これを一つ資料を出していただきたい、資料を……。
  136. 門叶宗雄

    政府委員門叶宗雄君) 先ほど、資料と申しますと、今の重光さんが持って行つた資料でございますか。
  137. 田畑金光

    田畑金光君 まああれだこれだと言わんと、それもそうだし、それから、先ほど来秋山君が要求した資料もそうだし……。
  138. 門叶宗雄

    政府委員門叶宗雄君) その点は、先ほど来御答弁申し上げた点で御了承願いたいと思います。  なお、先ほど防衛局長が、来年度一万の陸の増強をしたいと申したのは、防衛庁事務当局の、これこそほんとうの事務当局だけの考えでございます。
  139. 秋山長造

    ○秋山長造君 それでいいのです。
  140. 田畑金光

    田畑金光君 それでいいのです。あなた方の作業されておるその資料でいいのです。事務当局で今考えているのは、陸上自衛官一万ふやすということでしよう。それから、空についても海についても持っておられるわけですから、それを一つ出していただきたい。
  141. 林一夫

    政府委員(林一夫君) 私が先ほど、来年度一万増員したいということが先ほど来問題になっておるようであります。けれども、これは官房長がただいま申し上げたように、事務当局の検討の段階においては、もちろんそういう希望を持っておるのであります。先ほども申し上げましたように、長期計画の年次計画につきましては、いろいろ問題があるのでありまして、なかなか案としてもまだまとまらないのであります。これを具体的に例をあげて申しますと、たとえば戦闘機についての新機種につきまして、F86のあとにF100代の戦闘機を持ってくるとしましても、いろいろの種類があるのです。101、102、104と、いろいろ種類がございます。どれが適当であるかどうかということは、これはわからない。こういうものを計画して行く場合において、十分にやはりデータを集めて検討して行きませんと、その計画も相当非現美的なものになるというような心配があるので、十分検討しているのでありまして、まだ草案としてもまとまつていないのであります。この点は一つ具体的に内容を説明しろと申されても、どうも申し上げかねるのでありまして、その点は一つ御了承を願いたいと思います。
  142. 秋山長造

    ○秋山長造君 私が先ほど来要求している資料は、資料の要求として引つ込めるつもりはないのですけれども、あくまでお願いしたいのですが、それとはまた一つ別な資料をお願いしたい。別な資料は、一応防衛庁の方で決定した陸海空の最終目標というものははっきりしている。そこで、年次計画でなしに、その最終目標の内容ですね、たとえば航空機千三百機と言いましても、一体どういう機種を何機作つて行くのか、それからまた海上自衛隊についても、あるいは戦闘艦を何隻とか、航空母艦を何隻とか、あるいは潜水艦を何隻というようなこまかい内訳があるわけですね。そういう目標数字の詳しい内訳というものは資料として出していただけますか。
  143. 門叶宗雄

    政府委員門叶宗雄君) その点今検討中の問題でございます。ただ、ここの委員会において、やはり同じ御質問に対しまして、航空機については大体実用機が半数、練習機が半数、千三百機の半ばは実用機ということを考えておりまして、その具体的なこまかい内訳につきましては、目下検討中であるという次第でございます。
  144. 秋山長造

    ○秋山長造君 そういたしますと、目標数字は二年前にすでに打ち出されて、しかもそれが防衛庁としては少くとも確定した数字だったわけです。ところが、その内容については二年後の今日に至ってもまだ検討中だということになると、やつぱりこれはだれかが天才的にぴかつと光つて、思いついたものをそのまま発表したという以外にはもう根拠はないわけですね。
  145. 門叶宗雄

    政府委員門叶宗雄君) 三十五年の目標をきめるに当りましては、そういう下からの積み上げと合わせまして、財政規模その他をにらみ合せ、またどれだけの防衛が可能であるかというような、そういういろいろな条件を組み合せました数字でございまして、必ずしも内訳は、はっきりこれはこうなって、それを三十三年、三十四年にはどうするのだということだけではございません。いろいろな、たとえばしばしばここで申し上げております通り、国民所得の大体二%強を防衛費におざき願うというような財政的な見地、あるいはこれだけのものでおよそ不完全であるが、ある程度の防衛ができる、そういういろいろな面から検討して、まず三十五年においては、この程度のものをぜひ持ちたいという意味のものでございます。それでは年次別に三十三年、三十四年にはどういうことをやつて行くのだということにつきましては、いろいろ御疑念の点もございますが、なかなかはっきりした計画を立てることが困難で、引き続き検討をしておる段階でございます。
  146. 秋山長造

    ○秋山長造君 いや、私だから最近のものを出してほしいと言っているのじゃないのです。一昨年、目標数字を防衛庁の確定案として出されたときのその数字の詳しい内容を示す資料でけつこうですから、出していただきたいということを言っておるのです。いろいろな点を考慮して出した数字だとおっしゃる以上は、やはりその考慮したといういろいろな内容があるわけだと思うのですね。
  147. 門叶宗雄

    政府委員門叶宗雄君) この点、先ほど来御答弁申し上げました通り、当時におきましても、詳しい年次別なものは……。
  148. 秋山長造

    ○秋山長造君 年次別は要らぬのですよ。私は資料を二種類要求しておるのです。それで、まず最初に要求した資料は、年次別の計画を示す資料をいただきたいということを要求した。ところが、それについてはもう幾ら要求されても出さぬということですから、私は出さぬでも、あくまで要求したいから、だからそれは引つ込めないけれども、まあそれは一時たな上げにして、第二の資料として、では年次計画を示す資料でなくてもいいから、この最終目標の詳しい内訳を、年次別でなくてもいいから、内訳を示す資料を示してもらえぬか、当時の、二年前のということを、これは第二番目の資料要求として申し上げておるのです。だからその第二番目の資料は出していただけないかということについてお答えをいただきたいと思うのです。
  149. 門叶宗雄

    政府委員門叶宗雄君) その点につきましては、先ほど来申し上げました通り、当時におきまして、はっきりきまつたものではございませんので、引き続きその内訳についても検討をいたしておる次第でございます。
  150. 秋山長造

    ○秋山長造君 そういたしますと、内容はいろいろ引き続いて検討されておるということでありますと、従ってその目標数字ということも動くわけですね。だから今日の段階では目標数字も動くかもしれぬ、従ってまた内容についても当時とはいろいろ事情が変つておるから、どうなるかわからぬから、今のあなた方の手元で作業しておられる資料を出せというなら、それは私はあるいは無理かとも思うのです。だけれども、少くとも二年前には、目標数字というものは、これはさっきあなたがおっしゃったように、防衛庁としての確定数字だったということをおっしゃる。だから目標数字が防衛庁として二年前の案で確定しておった以上は、まあその後いろいろ検討を加えて、また不確定の状態にはなつたかもしれぬが、当時としては、やはり目標数字が決定したそのときには、やはりその目標数字の内容というものも、これは決定しておったに違いないと思うのですがね。ですから当時のその決定しておった時限での資料を示していただけないか、それもいけないのですか。
  151. 門叶宗雄

    政府委員門叶宗雄君) その点につきまして、先ほど来御答弁申し上げております通り、当時におきましても決定したものはございません。
  152. 亀田得治

    委員長亀田得治君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止
  153. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 速記を始めて。
  154. 秋山長造

    ○秋山長造君 私、若干資料要求をお願いしたいと思うのですが、その第一は、先ほど来問題になっております二年前のものでけつこうですから、一つ防衛六カ年計画のこの内訳について、微細を防衛庁の方でお考え願つて、ぜひとも資料を提供していただきたいと思う。  それから第二点は、先ほど伊藤委員から質問のありました防衛庁予算の繰越金の問題です。これを警察予備隊が発足して以来、今日に至るまで年次別に、年度別に承諾していただいて、そしてその繰越金の内訳と、それから繰り越した後におけるこの経費の消化状況を示す資料をいただきたい。それから第三は、これも先ほど伊藤委員から質問がありましたが、駐留アメリカ軍の人員、それからその人員の配置、どこに何がいるという配置。それから、さらにアメリカ軍の持っておる主要な機材、たとえば航空機の場合とすれば、F86が何機日本にいる。あるいはF100が何機いる。その他そういうおもだった兵器の数量、それからたとえばオネストジヨンなんかが、どれだけどこにあるということを示す資料をいただきたい。  それからその次に、やはりこれも伊藤委員が先ほど質問しておられましたが、アメリカ軍の兵器庫、あるいは弾薬庫、これは個々にはわれわれも知ってるのもあるし、知らぬのもあるわけです。こういうものの位置なり、あるいはその数なりというようなもの、これは管轄は調達庁かもしれませんけれども、しかしその内容は、やつぱり防衛庁と非常に関係のあるものですから、できれば一つあなた方の方から調達庁の方へ連絡してでも、これらのものを示す資料を作つていただきたい。  それから、防衛生産の関係で、兵器、弾薬防衛庁で発注をしておられるわけですが、その兵器別の今日に至るまでの防衛庁の発注額、それから、もしできたら、さらにその発注に応ずる納入実績を示すような資料をいただきたい。  それからその次に、今日あちこちに米軍の基地があるわけですが、特に飛行場等については、日米共同で使用しておるわけですが、この米軍基地の中で、日米共同使用をしておる施設については、共同使用規定というものが作られておる。その共同使用規定の写しをいただきたい。  それから最後に、自衛隊教育訓練をやる場合の、いわば方針を書いたものだと思うのですが、教育訓練要綱というものがあるということを聞いておるのですが、その自衛隊教育訓練要綱、もしこれがそれぞれの部隊で、それぞれにこういうものを作つてやつておられるということならば、その中の代表的なものでけつこうです。それから、全体まとまつたものでやつておられるならば、そのまとまつたものの教育訓練要綱の写しをいただきたい。  私のお願いする資料は一応それくらいにしておきます。
  155. 亀田得治

    委員長亀田得治君) お諮りいたします。吉田法晴君より、委員外議員としての発言の要求があります。  発言を許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  156. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 御異議ないと認めます。吉田法晴君。
  157. 吉田法晴

    委員外議員(吉田法晴君) 資料の要求をしておけというお話ですから、今の秋山さんのに多少補足してお願いをしたい。  繰越状況については詳細に出してもらいたいというあれがありましたが、それに関連をして、演習場、それから工事という言葉が政府委員から説明がありました。それから装備等の拡充新設計画、これは断片的に委員会説明が従来ございますが、それと実際の各地でやりますあれとは相当食い違いがある、そこで三十二年度だけでなしに、将来にわたって、六カ年計画が四カ年計画に関連をすることでありますけれども、演習場工事その他装備の拡充新設計画を出していただきたい。  それから、秋山さんからも米軍の配備状況、装備の状況、弾薬庫の状況等の要求がございましたが、それを狭義の日本のあれに限らないで、日本及び日本区域という言葉がございますが、沖縄等、日本の今の何と申しますか、行政権の区域に限らないで、日本区域ということで、広く、その程度で出していただきたいと思います。  それから秋山さんからございませんでしたが、昨年のドラゴンフライ等に関連をいたしまして、行政協定二十四条の具体的な取りきめ、飛行場の共同使用の点は、秋山さんから要求なされましたが、共同行動について取りきめがあるように思います。取りきめがあれば、どういうメモの程度にしろ、あるいは打ち合わせの程度にしろかまいません。それから日本の武器、弾薬についての保有状況、これは弾薬について受け入れて、方々でむだになっていた云々という点がありますが、兵器、弾薬の保有状況、保有備蓄の状況。  それから先ほど来、伊藤さんから……、これは田畑さんですか、田畑さんから御質問があつて米軍の漸次撤退と戦略変更に伴う自衛計画についての変更について、原子兵器に対抗して隊の編成、防衛等を考えて質的改善をはかるとか、誘導弾等の研究等は、国民感情にマツチして云々という話がございましたが、そういう米軍の漸次撤退と、それから戦略変更に伴う自衛計画変更、それから特にその中で誘導弾に関する計画、これは陸海空軍にわたって、それからそのほか装備の改善計画、これは今後の計画にも関連をいたしましょうが、装備について改善を考えられておるところの事務局案、それから先ほど秋山さんからの資料にございましたが、これは製造の実態ですが、国内の武器製造の能力、それから今後の見込み計画というよりもむしろ見込み、現在の能力とそれから将来考えられておるところ、それから共同使用の関係がございましたが、その共同使用と言いますか、米軍が一部使用を放棄なり、あるいは制限をして参りまして、自衛隊がまた使つて参っておりますが、その実際は先ほど秋山さんから要求がありました、その法的な関係、法的にどういう工合に処理し、解釈をしておるか、これは多少質問をしないとわかりにくいかもしれませんが、防衛庁考えておられる法的関係、それからもう一つは、最後にレーダーの返還に伴う計画、わかりましたですか。
  158. 亀田得治

    委員長亀田得治君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止
  159. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 速記を始めて。  それでは、委員会は本日はこれにて散会いたします。    午後三時二十五分散会