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1957-05-16 第26回国会 参議院 逓信委員会 第19号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年五月十六日(木曜日)    午前十一時二十七分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     剱木 亨弘君    理事            手島  栄君            最上 英子君            鈴木  強君    委員            石坂 豊一君            新谷寅三郎君            中山 壽彦君            宮田 重文君            横川 信夫君            三木 治朗君            光村 甚助君            森中 守義君            山田 節男君            横川 正市君   委員外議員            永岡 光治君   政府委員    郵政政務次官  伊東 岩男君    郵政大臣官房電    気通信監理官  松田 英一君    郵政省簡易保険    局長      成松  馨君    郵政省電波監理    局長      濱田 成徳君   事務局側    常任委員会専門    員       勝矢 和三君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○電波法の一部を改正する法律案(新  谷寅三郎君外五名発議) ○郵政事業職員等共済組合法案横川  正市君外十四名発議) ○長野県美ケ原にテレビ中継所設置促  進の請願(第九三号)(第一一四号) ○ラジオ山口テレビ放送局及びラジ  オ放送中継局開設に関する請願(第  一八六一号) ○福島県会津若松市にテレビ中継放送  局設置請願(第一九一五号) ○身体障害者ラジオ聴取料減免に関  する請願(第一九三五号) ○兵庫県香住町にラジオ放送中継局設  置の請願(第二一一七号) ○福島郵便局庁舎改築促進に関する  請願(第一四四号) ○合併町村郵便集配変更実現促進  に関する請願(第四三一号) ○名古屋港開港五十年記念郵便切手発  行に関する請願(第五〇五号) ○茨城県日立市入四間町木の根坂に特  定郵便局設置請願(第九三九号) ○簡易郵便局待遇改善に関する請願  (第一一〇七号) ○郵便切手類売さばき所及び印紙売さ  ばき所に関する法律の一部改正に関  する請願(第一二一五号) ○福島県勝常村に郵便局設置請願  (第一二五八号) ○北海道旭川市東三条に特定郵便局設  置の請願(第一六四四号) ○北海道苫小牧北部地区郵便局設  置の請願(第一六六六号) ○宮城県気仙沼市内脇地区に無集配  特定郵便局設置請願(第一六六七  号) ○茨城県東海村に無集配特定郵便局設  置の請願(第一八五二号) ○大分県豊後高田郵便局庁舎新築促進  に関する請願(第一九四四号) ○千葉県八千代台町に無集配特定郵便  局設置請願(第二〇五一号) ○和歌山県白浜町に簡易保険郵便年  金加入者ホーム設置請願(第二八  七号) ○神戸有馬町に簡易保険郵便年金  加入者ホーム設置請願(第一一四  二号) ○神戸有馬町に簡易保険郵便年金  加入者ホーム設置請願(第一三四  〇号) ○北海道小樽朝里温泉郷簡易保  険、郵便年金加入者ホーム設置の請  願(第一四〇四号) ○高知県夜須町に農村公衆電話架設の  請願(第五〇六号) ○熊本県久木野村に農村公衆電話架設  の請願(第一四三四号) ○高知津大村中半農村公衆電話架  設の請願(第一九四一号) ○高知津大村玖木農村公衆電話架  設の請願(第一九四二号) ○高知県大正町に農村公衆電話架設の  請願(第一九四三号) ○高知県中村市常六に公衆電話架設の  請願(第一九七六号) ○高知大津郵便局管内電話高知電  話局区域編入に関する請願(第五八  七号) ○横浜市鶴ケ峰等の地域を神奈川電話  局特別加入区域から解除するの請願  (第一二五七号)   —————————————
  2. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) ただいまより委員会を開会いたします。  電波法の一部を改正する法律案を議題といたします。  順次御発言を願います。
  3. 横川正市

    横川正市君 電波法提案に当っての今までの委員会の経緯については、実は私の方では三、四回前の委員会で、提案者新谷委員の方から相当以前からオート・アラームの検討を事務当局に依頼されておった、その依頼の結果、どういうふうな結論が出たかについても明らかではないし、さらにまたその計器それ自体必要度合いについても、事務当局は明確な結論を出しておらない。これは計器をつけることを拒んでおるというふうな印象を受ける質問があったのが、それが、私どもはこの委員会で最終的にこの電波法の一部改正法律案を必要とする討論の私は内容ではなかったかと思う。その当時の状況から勘案してみますと、まず、提案者の方にお聞きしなければならないのは、日本近海における航行の安全の度合いというものが、電波関係従事員、つまり通信士の非常にたゆまない努力と労力によって、相当程度これらを補ってきたいろいろな例が過去にあるのではないだろうか、こういうふうに思うわけであります。そこで、まず一つは、計器ができたというその計器能力というものを聞いてみますと、計器それ自体は、たとえば五百KCに対する作動をするにとどまって、一分間の事前警報を授受して、その後においては、通信士が船の位置ないしは遭難状況あるいは救済までの船のいろいろな条件というようなものを通信士が初めて聞きつけて、これを察知する、こういうふうになるわけであります。ただその五百KCの波を受けるだけのものであれば、私は日本近海における通信士が三番交代努力をして積み重ねてきた現在の航海上の安全を保持しておった努力と、それからそれをある程度通信士を削減して計器によって補えるという部面と、こういったものは何か性格的に違うのではないかという印象を私は実は受けるわけであります。そこで、この通信士の八時間勤務による非常に神経をとがらせて警戒に当るというものに対して、プラスオート・アラームを設置して、さらに人力で十分に警戒のできない点を補う、こういう考え方ならば、あえて私どもは反対をしないのでありますけれども計器をつけることによって今まで相当程度警戒その他において大きな実績を上げ、遭難その他についても大きな功績を上げてきておるものを、これを幾らかでも削減するということは、実際上の行き方としては私はどうもふに落ちかねる、そういうことで計器ができたから、ないしは計器発達したからということと、それから十分な能力を持って働く通信士能力に依然としてたよらなければならない不幸な遭難の非常に多くあるこの実情というものと勘案してみた場合に、これを片一方の計器をつけることによって幾らかでもそういう過去の実績に照らして努力をして、しかも、その実績を積み重ねて現状に至った通信士現状というものを、勤務的に時間的に削減することは不合理じゃないか、こう思われるわけなんですが、その点についての提案者考え方をまず一つお聞きしておきたいと思います。
  4. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 お答えいたしますが、日本近海で非常に航行上の危険が多い、これはよく言われることなんです。これはまあ気象とか潮流とかいろいろの関係からある程度言えるだろうと思います。しかし、この日本近海には日本船だけが航行しているわけじゃない、外国の船も非常にたくさん日本近海航行するわけであります。それならば、その日本の船だけについて安全度が非常に低いかというと私はそうじゃないと思います。最小限度船舶の安全に関する規定は御承知のように「海上ニ於ケル人命ノ安全ノ為ノ国際条約」という条約がございまして、船舶構造から遭難した場合の救命設備あるいはそれに関連するいろいろの施設あるいはやり方というようなもの、あるいは今問題になっておりまする無線電信の備付、あるいはその運用というようなことにつきましても、すべて国際的に一つ基準がきめられております。この基準に従いまして日本の船ももちろん設備もし、運用もしておるわけでありますが、私はこの無線電信に関しましては、今お話がありましたが、日本近海におきまして、この無線電信従事員の数を国際的な水準に下げて、たとえば運用の時間でありますとか、聴取時間についても改正を加えることによりまして、そのために日本近海におる日本船舶航行の安全だけが非常に阻害されるというふうには考えられないと思います。ただこれは相対的な問題でありまして、それを人が三交代でやっておるよりも、機械を使った方がそれよりも、機械というものは御承知のように空中電波とか、いろいろなものによって障害を起しますので、そういう障害を起すおそれのある機械を使うことによって、他船——他の船からの遭難信号を受けられない場合も出てくることだと思いますので、それは何と申しますか、機械を使った方が耳で聞いておるよりも不正確な場合があるということは、これは言えるだろうと思うのです。私は横川委員の御質問も多分そういう意味質問しておられると思うが、海上における安全という問題については、二つ考えなければならないと思う。もちろんこの安全条約というものは、自分の船の安全ということも一面に考えておりますけれども、それから海上で起る他の船の遭難、これを早く救助し合わなければならないという、そういう趣旨海上安全ということも考えておる。このオート・アラームというものは、私から御説明するまでもありませんが、遭難信号を発信いたします前に、五百KCでそういう電波を送るということになるのでありますが、それを受けてアラームするわけでございます。いわば他の船からの遭難遭難信号を、人が常時そこへついていなくてもアラームしてくれてそれによってすぐ配置につけるというような設備オート・アラームとして——安全条約では、もしそのオート・アラーム設備せられておる場合には、大体旅客船についてはこの程度貨物船についてはこの程度というふうに明確な規定を置いておるわけです。その規定日本現行法とが非常に開きがあるということで、電波法の一部改正提案をしておるわけでございます。それならば、もう一つの問題は自分の船の安全の問題であります。これは先ほども申し上げましたように、船の構造から無線の問題も含めましていろいろな問題がある、影響するわけでありまして、今日まであなたが言われるように、無線電信従業員の諸君が非常に働いて、海難の多いといわれる日本近海における海難の率を減らすように協力してこられたという努力は、私は率直に認めたいと思うのですが、しかし、自分の船の安全ということになりますと、これは単に無線技士を何人乗せておいたからそれでいいというものではないのであります。これは無線ももちろん自分の船の安全に役立つことは言うまでもございませんけれども、他に非常にたくさんの部分の、船の構造から船に関するいろいろな施設運用というものが競合しまして初めて日本の船の安全というものを確保できるというふうに考えられるのであります。ここで問題にしておりますのは、そういうことも加味するのですが、この安全条約の中で、無線電信設備について非常に明瞭な規定がございます。今まで日本ではオート・アラームに関しましては、今お話がありましたが、最近まで信頼すべき計器ができなかった、そういうために常時耳に当てて聞いておらなけりゃならなかったというような状態になっておったのを、私の調べたところによりますと、オート・アラームについては、昭和二十七年から八年にかけまして、電波監理局実地日本製オート・アラームについての試験をされた。そうしてその結果、特異な点も発見されましたが、これならば条約要求する自動警急機として使用をしていいだろうということで、型式承認を与えておられます。その段階まで参りますと、私の考えではこの条約規定してありますように、つまり現在各国が行なっておりますような方向無線通信士の数を逓減をすると同時に、オート・アラームを各船舶に備え付けさせるという措置をとる方向に向っていいんじゃないかということで、これを提案をしておるような次第であります。一応これをもって終ります。
  5. 横川正市

    横川正市君 今の答弁の中で、私はまあ率直に言って、実は私たちも無線関係実地にいじってその用に立ってきた立場から、無線に対する信頼度合いというものをある程度、やはりあまり高く評価できないのではないだろうかと、こう思っておるわけなのです。ことに、この船舶に備え付けられております無線局等条件というのは、これはもちろん海上でありますから、電波伝播力は一番いいという伝播力を持っておるとそう思われますけれども、しかし、実際に無線そのものを使っている立場に立って考える場合に、人によって運用される面と、機械によって運用される面という、そういう分け方でなしに、無線局全体の何といいますか、ものの考え方といいますか、そういうものを有線に対する補助機関であったり、あるいは通信の場合であっても、点検制度を非常に強化したりして無線不安定度合いというものを補っているわけです。ことに、この計器そのものの性格を見ますと、これはいわば五百KCの波を受けるにとどまるわけですね。それ以外の何の用もなさないわけです。ですから五百KCの波が微弱であっても、あるいは近距離にあっての強力なものであっても、確かにそのことによって動く機械を備え付けることは、これはその意味ではいろいろと常時傍受をしている、あるいは常時傍受中にダイヤルを回しているという通信士神経その他を補ってくれる、いわゆる補佐的な役目をするということはわかるわけなのです。しかし、機械そのものはいかに発達しても、波をこれを受けるといういわゆる非常に単純な機械設備であって、それ以外のものは何もしないということであれば、SOSが発せられる以前に、たとえば一分間の警報P音が出るわけですね、そのP音が果して一分間規定通り出されるかどうかということも、まあ非常に私は遭難緊急性から考えてみても、必ずしもそれが一分間送信されるというようには、なかなかその場に立ち至ったときはむずかしかろうと思うのです。そうすると、やはりP音があるいは何秒かだったにしても他船からの救助を一刻も早く仰ぎたいという船の立場というのは、常にその船の位置を先に放送するとか、あるいはどの程度の時間海面に現状維持できるかというような問題等も常時放送しなければならない、非常に緊急性他船に訴えなければならないという、こういう立場に立っておそらく放送するだろうと私は思うのです。そういうふうに遭難という特にこの差し迫った実情考えた場合に、今まで日本通信士がそれぞれ三直制によって常時傍受、常時行動ということでそれらのものに対処してきたことと、それから計器がついているということで削減されるということには、いささか私は現状において賛成しがたい。まだ残しておきたいという切なるものがあるのではないかと思うのです。そういう点で、まあ計器発達そのものによってこれを云々することよりか、たとえば外国船なんかの場合に一人で八時間傍受、十六時間計器によるところの傍受と、こういうふうに変っているということが、それ自体が実は非常に日本制度に対して復帰したいという要望を持っておるということも聞くわけなんですが、そういう現在運用しております状態においても、計器それ自体に対してはあまり多くの信頼を持たない、あるいは多くこれに責任を負わせないという状態にあるのですから、そういう建前からすれば、結論からいって、三直制プラス計器と、こういうふうになぜ改正が出てこないのか。ことに、この補助的な役割の計器という考え方を逸脱して、そうしてその直接担当する人にかわるべき計器というふうにものの考え方を変えたというのは、私はいささか一つ今の段階では飛躍があるのではなかろうかと、こういうふうに考えておるわけなんです。その点で新谷さんの意見は、計器に非常に信頼を持っておるようでありますが、私はまだそこまで計器信頼を得て、この海難という不幸な事態を幾らかでも少くする、あるいは救助の手が一刻も早くいく、こういうものにはならないと思うのですが、その点をどう考えておられるのか、一つ聞かしていただきたいと思います。
  6. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 先ほどお答えしたことを繰り返すようなことになるのですが、オート・アラームにつきましては、郵政省の方から専門家が来ておられますから、詳しく説明をするのがいいかもしれませんが、安全条約では、自動警急機というものはこういうふうな作用をするものでなければならぬと、こういう性能を持っているものでなければならぬ、そういうことを書いてある。で、結局これがオート・アラーム海上安全条約で取り上げているこのオート・アラームに対する要求最小限度のものだろうと私は思うのです。で、日本オート・アラームがそこまできているかどうかという問題ですが、それは先ほど申し上げた通りで、郵政省型式承認を与えておられる、そういうような状態をもとにして考えますと、このオート・アラームによって他の船がSOSを出す前に五百KCの波を送ってきた、それを受けてアラームする、普通の状態においてアラームし得るということであれば、それで一応は足りるものだというふうに考えられるのでありまして、もちろん自動警急機というものに対して絶対の信頼を置けといってもこれはできないでしょう。まあさっき申し上げたように、私はこの方の専門家ではありませんが、空中電力状態なんかを見ると、これはオート・アラームだけではありません。船の無線そのものが使えなくなるというような事態も、これは起ってくるのであります。ですから無線自体につきましても、ある程度同じようなことが言えるのじゃないかと思うのです。しかし、条約では、お互いの協力によって、海上における人命及び財産の安全をお互いに協力してばかろうじゃないかという趣旨で、まあ少くともこういう程度性能を持っておるオート・アラームをつけておれば、旅客船についてはこの程度貨物船についてはこの程度のものを、この程度運用時間、聴取時間を要求しようというような規定を明瞭に置いておるわけであります。で、私は、あなたのおっしゃったように、自動警急機発達によりまして、日本国際水準に達したと、であるから、きのうも森中委員が御質問になったので私はお答えしたのですが、現在、一面におきましては、船舶乗組員が非常に不足してきておる。無線技師に関しましては、船舶職員法の付則かに書いてありましたように、年令制限まで下げて、二十才未満というあの年少の無線通信士でありましても、これを一人前の通信士として扱わざるを得ないというような状態までこの船舶乗組員無線通信士の数がむしろ足りないという事情であるようでありますから、この際にこの自動警急機をつけさして、そうして、これを国際水準から参りますと、もっと軽減しなければならないわけでありますけれども、一挙にそこまで参りますことは、船内の長い間の慣習とか、勤務状態とかいうものに対して悪い影響を与えることがあってはいけないというので、私はむしろその中間的な、第二次的な方法によって、ある程度の軽減をしたらどうかということを提案しておるのであります。その点は、一つ趣旨をよく御了承いただきたいと思うのです。  それからなお、これは十分お調べのことと思いまするけれども、あるいはお忘れになっておるかと思うので、念のためにこの安全条約について申し上げておきたいと思いますが、これは一九四八年のロンドン会議の結果できた安全条約でありまして、われわれも両院においてこれを批准することに対して承認を与えておるものであります。この無線電信一つ規則の中で、大体趣旨から申しますると、こういうことが書いてあります。「第三規則に従って無線電信設備を備えることを要する旅客船は、自動警急機を備えるときは、この規則のdの規定に従うことを条件として、且つ、海上において、資格のある通信士によって聴覚による方法で、中波帯無線電信遭難周波数において次の聴取をしなければならない。」とありましてですね、その第一は「二百五十人以下の旅客を輸送し、又は輸送することを認められる場合には、一日に合計して少なくとも八時間の聴取」、それから第二は「二百五十人をこえる旅客を輸送し、又は輸送することを認められ、且つ、相次ぐ二港間における十六時間をこえる航海に従事する場合には、一日に合計して少なくとも十六時間の聴取。この場合には、船舶は、資格のある少なくとも二人の通信士を乗り組ませなければならない。第三「二百五十人をこえる旅客を輸送し、又は輸送することを認められ、且つ、相次ぐ二港間における十六時間未満航海に従事する場合には、一日に合計して少なくとも八時間の聴取」、それから貨物船でありますが、「第三規則に従って無線電信設備を備えることを要する貨物船は、自動警急機を備えるときは、この規則の(d)の規定に従うことを条件として、且つ、海上において、資格のある通信士によって聴覚による方法で、中波帯無線電信遭難周波数において次の聴取をしなければならない。」、第一は「総トン数五千五百トン以上の場合には、一日に合計して少なくとも八時間の聴取」、第二は「総トン数千六百トン以上五千五百トン未満の場合には、一日に合計して少なくとも八時間の聴取。これらの貨物船の特殊の条件のために八時間の聴取を課することが実行不可能であると認める主管庁は、一日に合計して二時間以上の可能な最大聴取時間を確保する措置を執らなければならない。」、で、貨物船旅客船とに分けまして、このような国際条約規定がありまして、これはわれわれもこれに批准することを承認しておるものであります。しかし、これは私の考えでは最小限度要求でありますから、この要求まで一挙に軽減するということは、今の実情から見ても適当ではないであろうということで、先ほど申し上げたように、中間的な案ではありますけれども実情を考慮して、提案をしておるような——遠洋旅客船については二十四時間、遠洋大型貨物船については十六時間というような方針を骨子にして提案をしている次第であります。
  7. 横川正市

    横川正市君 私は、この日本の現在の通信士三直制にして、そしてその通信の確保を、船舶無線局から確保してきたというのには、相当長い歴史と、それから実情があったと思うのですよ。ですから、その今の航海の安全の批准をしたという立場というのは、これは最低の決定であって、それをこえて実施する場合には、やはりその実情に沿うて努力の結果、ないしはそういう実情に合さなければならなくなった現実が、ものを解決して現状になったのじゃないか。ですから、そういう意味合いからいきますと、日本はこの機器にどの程度信頼をおくかということが一番大きな問題じゃないかと思うのであります。その機器にどの程度信頼をおくかという点について、私ども新谷さんに先ほどからお聞きしているのですが、答えがないのは、たとえば三直制プラス機器という考え方がなぜ出ないのか、いわゆる船主協会とか、あるいはまあその他の理由——その他の理由ということになれば、通信士の養成が間に合わないとか、あるいは年令を引き下げをしたとかということもあるでしょうが、しかし、実際上の問題としては、少くとも日本の現在までの船舶の必要としていった通信士勤務条件というものは、これはやはり三直制がいかに日本以外の国においてさえ賛意を表せられておったかという点を考えると、その作り上げた過程というのは、非常にいろいろな問題はあったにしても、必ずしもむだだということで作り上げられたのではないと思う。ですからそういう意味からいきますと、機器には私あまり信頼をおかないのです。信頼をおかないというよりは、機器それ自体の持っている能力というものが、非常に単純な、いわゆる五百KC傍受するにとどまる機械でありますから、やはり人的に補わなければならない。機器をつけても補わなければならないパーセンテージというものは、非常に高いと見るのが、私は機器に対する信頼度だと思うのです。だからそういうことで、私は三直制プラス機器という考え方に立って、そしてそれぞれ現状に合ったその態勢というものが必要なんではないか、この段階から始めて次の段階へ踏み出す方がまともなんじゃないか、機器がついたからといって 一つ海難でもそのことによって防止できなかった場合のことを考え機器というものを私たちは見るべきではないか、こういうふうに考えておるわけなんであります。その私の考えの、いわゆる三直制プラス機器という、機器をつけてさらに今のような態勢を整えていくと、こういう考え方新谷さんの考え方にあるのかないのか。まあないわけじゃないけれども現状よりかは、やや緩和された形で提案されているというふうに説明されておりますが、私はそこをもう一つ現状というものにマッチさせるために機器をつけて、これは何といっても、無線というものは有線に対する補助的な役割を今までやってきたので、ことに、航海中の単独無線局あたりは、その考え方はまだ私は捨て切れないだろう、なるほど地上におけるいろいろな機器発達はあっても、海上における無線状態というのはまだまだ地上における発達との度合いとは並行していないと、こういうように考えるので、現状においては、少くとも機器がそれほど日本の国産において十分間に合うものができるというならまずその船につけさせる、そういうことで現状というものはいくべきじゃないだろうか、こういうように思っておるわけなんでありますが、その点はどうですか。
  8. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 今の横川委員お話三直制をやって、さらに機器をつけさせるという意味は、強制かどうか私よく承わらなかったのですが、かりに何らかの方法で法規規定をして、そうして行政、ないしそれに類する行政官庁の介入によって、そういう機器をつけていくということは私は考えておりません。それまでの必要は、私は今の海上航行の安全を確保する建前からいきましても、今の状況ではそれまでの必要はないと考えております。三直制をすればそれでその船は十分であろうと思います。ただこれはまた別の問題かと思います。たとえば非常に大きな旅客船——われわれがここで問題にしておりますのは海上の安全ということについてのそういう観点から問題にしておる、非常に大きな旅客船、たとえば大西洋を航行しておりますような、クイーン・メリーとかクイーン・エリザベスとか、その他の大きな旅客船等におきまして、これは非常にたくさんの通信も扱うでありましょうし、航行安全という観点からいきますと、同じことだと思いますけれども、そういうふうな非常にたくさんの通信を扱い、船の運航の業務上必要とするようなものにつきましては、これは法律航海の安全ということを考え規定している以外に、実際上船会社がその業務上の必要としていろいろの機器もつけるでありましょうし、あるいはいろいろの無線電信施設も、条約なんかの要求している以上に、数多くのものをつけているだろうと思うんですが、それは別であります。しかし、全般的な私たちの意図しております海上航行安全という見地から、法律最小限度要求しようという、こういう建前から申しますと、今横川委員の仰せになったような意味において、私はそれを必要とは考えておりません。
  9. 横川正市

    横川正市君 大体その機器に対する新谷委員考え方というのは、現状におけるテストの結果としての日本機器がある程度使用に耐えられるようなものが作られるようになった、こういうことが前提なわけですね。私は、そういう前提に立つことは、現状だから言えるんでありますが、事実現在まで航行の安全を確保するために、通信士の任務という立場から、私は少くとも日本現状通信士勤務時間、勤務状態というものは、必ずしも日本の生産される機器に左右されて作り上げられてきたものではないんじゃないか、機器そのものに対する私たちの考え方は、これはいわば外国製品を云々するんではないんでありますけれども、もしも機器そのものがもっと信頼度の置けるものであるならば、その意味で私は日本の船主の方々はもっと早期にこれを取り入れて実際の態勢というものを作る、そういう動きがあったんじゃないだろうか、しかし、それがなくて相当長年月にわたって通信士の養成とそれから通信士の確保によってこれが行われてきた、こういうことは私は必要に迫られた結果としてだというふうに考えますし、それから結果的にそういう態勢が他より非常に有効であったという証左が物語るのじゃないだろうか、こう考えたわけなんです。で、絶対的な考え方としては、機器が生産されるようになったということよりか、機器の持っている能力というものは一体どうなのかというところに、私は安全というものを建前にする、こういう航海無線局の場合には建前としてはとるべきじゃないだろうか、こういうふうに考えるわけなんですが、その点で提案者として、機器能力というのは一体どの程度に人的なものを補えるというふうにお考えになっているか、たとえば、私は、非常に単純な計器であります五百KCの波を感受した場合に、ブザーが鳴るというだけの装置であって、事実上はあまり時間的に発達の過程というものは違っておらないんじゃないか、なるほど精巧さにおいて、それから敏感度においては変ったかもしれないけれども、実際上は、発展の度合いというものはあまり見るべきものは私はないんじゃないだろうか、こういうふうに思うのです。ですから、問題はその機器の持っている能力が果して人的な面で補ってきた今までのいろいろな有効な手段というものにどの程度役立つものか、このことが私はやっぱり判断としては一番大切なんじゃないかと思うのですが、その点はどうですか。
  10. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 機器がどの程度人にかわる能力を持つとか、ことに、日本製オート・アラームというものは現状はどうかというような意味の御質問だったと思いますけれども、その機械類は、先ほど申し上げたように、これは今の段階ではいろいろの妨害、障害もあり得ることでありますから、これはもう絶対的に百パーセントその役をするものであるということにはならないだろうと思うのです。しかし、そういうことは先ほども申し上げましたように、無線電信自身についても言えることなんです。この間もたくさんそういったことをわれわれ耳にしたのですが、南極からの電信がとだえてしまった、これは何か私はよくわかりませんけれども、やはり空中電力状況が悪くなって通信ができなかったという話、これは無線電信自身についても通信できないという状態が起り得るわけです。ですから単にそれはこのオート・アラームだけの問題ではないと思う。従って、そういう点を考えておるからこそ、条約におきましても各国が同意をして最小限度この程度性能を持っておるオート・アラームでなければならないという一つの標準をきめておるわけです。それに従って各国が国内法をこしらえて、それぞれに自分のところで生産する機器については、これが条約規定に合うかどうかということを検査をして承認を与えておるわけであります。でありますから、私は、これは繰り返して申し上げるのでありますが、機器につきましては、これは人にかえるとか、人にかえることによってより安全度が高まるだろうといわれる理論は、ある程度これはそうであろうと思うのです。とにかく一つの目的に向って作られた機器ですから、人間がやっておる場合には、それをいろいろに応用して操作し得るわけですから、それを人間がしょっちゅう二十四時間ウオッチしているのと比べまして、機器オート・アラームによる方がいいのだとか、あるいはそれで十二分にまかなえるのだということを申しておるのではない。しかし、私はこういった問題については、大体機器発達状況を見て、やはり国際的な一つ水準というものがありますから、その水準に近づけて考えでいくことが一つのやはり大きな計画だろうと私は思うのです。こういう方向というものが、最近はオート・アラームというようなものが果していいかどうかというような議論をされる方もあるようですが、しかし、われわれとしましては、そういった問題は将来大いに研究しなければならぬと思うのですけれども、一応条約の建前、われわれが承認をして調印をし、批准をしておるこの条約の建前は、オート・アラームがある場合にはこう、ない場合にはこうというふうにして、オート・アラームのあるなしによりまして区別を設けて条約規定しておるということであります。これは専門的な研究はけっこうであります。現在はこの条約のそういう趣旨、方針にのっとって国内的にも立法していくことが当然だと、私はそういうふうに考えます。
  11. 横川正市

    横川正市君 私はこの問題を論議するのに、やはり何といっても総合的な安全を保ちながら航海しなければならないという、あるいは何らかの形で遭難があった場合には、全力をあげて救助しなければならないという、そういう立場にあってものを考えるべきで、利害というものはこれによってどうこうということではないと思うのです。ですから、たとえば機器がりっぱになったから、機器をつけることによって中小企業がどうだとか、あるいは人員が不足するからそれをカバーするとか、あるいは定員を減じて船主の立場を擁護するとかいう立場ではなしに、航海安全度というものをやはり第一義にして考えるべきではなかろうか、そういう建前からすると今言われているいろいろな内容で、どうしてもやはりふに落ちかねるのは、もちろん無線機も磁気あらしやその他空中状態では、実際上用をなさないという場合もありますし、それから湿気を呼んでも無線機は実際上機能が停止する場合もあるし、あるいは電力的な機械の故障があっても動かなくなるわけですから、そういう故障による機械の作動が停止した状態におけるものと同一視して、私は計器をつける、つけないという問題について論議すべきではないと思うのです。あくまでも私はやはり計器をつけることによって、どれだけ航海の安全が保障されることになるのか、このことが根本でなければならない、そういうふうに考えますと、あくまでも計器というものは補助的な役割をするものだ。そうすると現在八時間ウオッチという非常に神経を使う勤務に従事しておる通信士の補助的な役割をするのだということになるならば、あえて私は計器を備え付けることに対して別段反対をしない。ところが、計器の持っておる能力を全面的に信頼をして、そのことによって通信士の配置状況を変える、このことからくる安全度というものを考えたときに、軽々に計器を備え付けて、そして定員配置についてこういうふうに変更するのだという結論は、私はつかないじゃないだろうか。だから現状において、やはりもしも航海安全度というものを全面的に考えるならば、しかも、計器発達というものもある程度信頼が置ける段階になったというのであれば、現在の制度プラス計器をつけて、さらに総合的な両者の調整というものを強化する、あるいは通信士の疲労の度合いというものをある程度カバーする、こういうふうに現状としては持っていくべきじゃないだろうか、こういうふうに思うわけなんですが、計器を備え付ける即そのことによって定員の配置状況を変えるということにはどうしても納得しがたいものがあるわけなんです。そういう観点から何もお聞きするので、おそらくこれは見解の相違か、あるいはもっと意見の違いということになりますが、実際上はなかなか納得し得る段階に至るのはむずかしかろうと思いますが、私は計器というものはそういうものじゃないかと思う。ことに、オート・アラームは単純な受信機です。五百KCの波が来たときだけ作動する装置ですから、非常に単純な計器なんです。ですからこれはあくまでも通信士の補助的な役割のものとして備え付けるのが妥当なのであって、通信士にかわってこの機械をつけるという思想に立つのは間違いだと思うのですが、この点、もう一回はっきりしていただきたいと思います。
  12. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 繰り返してのお尋ねでございますが、先ほど来私がるる申し上げた通りであります。あるいは根本的には、横川委員とは不幸にして見解の相違になるかもしれません。ただ、私の趣旨をもう少し端的に御了解いただくために、説明の方法も少し変えてみたいと思う。同じことなんですけれども、このオート・アラームをつける、つけぬの問題は、条約によりまして例の大西洋で沈んだタイタニック号から端を発して、お互いにもっと近くに船がおれば、他の船が遭難信号を送った場合に早く飛んでいってやれるようにしようじゃないかというお互いの相互援助の義務を課しておる。他の船から送ってくる遭難信号を絶えず通信士傍受七なくても、あるいは休んでおっても、そういう信号があればすぐ起きて配置につけるようにしておこうじゃないかということから、オート・アラームというものがこの条約規定されておる。これは今日においては相互的な国際的な義務だと思うのです。そういう意味オート・アラームというものは活用されてしかるべきだ。条約もそれ以上のものは要求しておりません。で、もう一つのものは何かといいますと、これは自分の船の安全ということです。それならば、さっきも私他の言葉で申し上げたのですが、船の安全には無線というものは非常に重要な一つ要求でございましょう。その他に安全条約にこんなにたくさんの規定があります。構造とか船舶の不燃性とか、あるいは救命設備とか、いろいろたくさんの規定があるわけです。その中に無線電信というものが取り上げられておる。条約では、先ほど申し上げたような程度において、船の安全のために、こういうふうな船はこの程度において無線電信を備え付けて、この程度運用をしなければならないという規定条約は置いておるのであります。これは他の部面に対するお互いの相互援助の義務を規定しておるものであると同時に、一面には無線電信というものは自分の安全のためにももちろん活用されるべきものであります。そこで、自分の船の安全ということになりますと、これはあなたのおっしゃったように、常時ウオッチをしておった方が、常時ウオッチをしない船よりもよりいろいろな気象の通報でありますとか、船の安全に関する報告にあるいは注意事項というようなものを受けられるわけでありますから、それよりいいだろうということになるわけでございます。しかし、この点、私は程度の問題だろうと思っております。現に、これならばどの船もみんな無線電信をつけて、どの船もみんな三交代制の方がいいんだという議論になりますが、これは、そういうことを今無線通信士要求しておりませんし、だれも要求する者はない。今まで、日本の千六百トン以上のいわゆる貨物船あるいは旅客船がいわゆる三交代制をとつております趣旨は、電波法関係から来ておる。で、そういう機器類が発達して、相当にこれは外国並みに使えるというような状態になっているにかかわらず、一面において、電波法の、今私が提案しておりますこの部分の改正をされなかった。そのために、運用時間というものに縛られてしまつて、どうしても、ある船は二十四時間ウオッチしなきゃならぬ、ある船は十六時間ウオッチしなきゃならぬということになって、自然にそこから船舶通信士の数というものは、間接的でありますが、きめられてきたというような状態になってきたのであります。繰り返すようでありますが、私は全日の無線機器の、あるいはオート・アラーム発達状況からいきまして、この点を緩和しても海上安全にさしたる支障はない、こういう見地から提案をしておるのであります。  なお御参考に申し上げますが、日本のオート、アラームをつけまして、最近日本からたくさんの船が輸出されます。日本で船を作って外国の方にどんどん輸出しておりますことは御承知通りであります。で、これらの船の中で日本オート・アラームをつけて出かけて帰っていく船がたくさんあるかといいますと、これは今オート・アラームについて型式承認を受けておりますのは二社でありますけれども、この一社について調べますと、最近二、三年の間に約二十数はい、三十隻近くの船が日本オート・アラームをつけて、貨物船でありますれば、無線技師が一人乗り組んで帰っていくという状況であります。私は船内の船員の勤務状態のこともありますから、一挙にそこまでいくのはいかがかと思います。でありますから、これはやはり国際水準というものを考えて、私の提案では、遠洋に行きます大型貨物船については二人——現在は三人でありますが、二人にしたらどうかというように、これは段階的に規定を設けて、実情に沿うように相当に配慮をしたつもりであります。
  13. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) ちょっとお諮りしますが、午前の質疑は進行中でありますけれども、午前中は一応これで休憩にしまして、午後一時半から……、よろしゅうございますか。  それでは休憩にいたします。    午後零時二十四分休憩    —————・—————    午後二時二十三分開会
  14. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) それでは午前中に引き続き会議を開きます。  ただいま郵政事業職員等共済組合法案が本委員会に付託になりましたので、これを議題として、まず、提案者の説明を聴取したいと思います。永岡光治君。
  15. 永岡光治

    委員外議員(永岡光治君) ただいま議題となりました郵政事業職員等共済組合法案について、提案理由を御説明申し上げます。郵政事業のごとき、現業的労務を主体とする企業体におきましては、日本国有鉄道、日本電信電話公社等の場合と同じく、その職員の職務内容は、一般公務員のそれとは趣きを異にし、自然他に転職もできませんし、老後の生活安定いかんが職員の勤務意欲に与える影響はきわめて大きく、従って、長年勤続者に退職後の生活を保障できるような年金制度の確立は、企業能率向上のためにきわめて必要なことでありまして日本国有鉄道、日本電信電話公社、日本専売公社の職員につきましては、昨年より公共企業体職員等共済組合法が適用せられることとなりまして、恩給制度の適用を受けている者と、共済組合の年金制度の適用を受ける者とが一本に統合され、これらの間にありました不合理、不均衡は逐次是正せられていくこととなりましたことは、すでに御承知通りであります。郵政事業におきましても、これら国鉄、電電公社ときわめて類似する、あるいは密接不可分な現業的労務を主体とした事業体でありますことは、元来この三事業、あるいは二事業が、かつて運輸通信省、あるいは逓信省という同一行政機構のうちにあったことがあり、電電公社とは昭和二十四年まで一箱であった沿革に徴しても明らかであります。しかも、電電公社分離以降現在におきましても、その末端機関とは同一局舎を使用しているものが多く、かつ同公社から委託された業務に従事している多数の職員は、公社職員と全く同一職務内容の勤務に販している現状でありまして、今後ともこのような実体は持続されることになるのであります。  しかしながら、現在の郵政事業における職員の年金制度は、約十二万名の任官者は恩給法、その他の約十四万名は共済組合法と二本建になっておりまして、そこには次に御説明申し上げますような他の官庁には例を見ない多くの不合理、不均衡が山積し、事業運営上からも労務管理上からも早急な解決を迫られている実情にあります。すなわち現行両制度を比較しますと、その給付内容はほぼ同程度であるにもかかわらず、恩給法納金は共済組合の長期給付掛金に比べ著しく低いので、実質的に給与上の差別待遇となっており、特に郵政事業におきましては、その職員二十六万名の約半数を占める特定郵便局職員の場合は、任用制度上、昭和十八年以前は全く任官という道がなく、従って恩給法の適用を受けることができなかったため、現在任官している職員であつてもそれ以前の不利益、不均衡は依然未解決のまま残されており、これが解決の要望は久しく叫ばれてきたのでありますが、現行制度のもとでは是正救済の道がなく、これに基因する不平不満はますます深刻化し、勤労意欲にも重大な影響を与えている現状であります。さらに現行制度上、恩給法上の公務員となるためには、御承知通り任官ということを前提条件とされておりますが、郵政事業におきましては、他の一般行政官庁と異なり任官が非常におそく、採用後平均十数年もたたないと任官できない実体にあります。これは実質的な給与上の不利益というだけにとどまらず、これがため長年忠実に勤務した者が退職に際し、共済組合法または恩給法のいずれからも、年金受給資格を取得できない多数の職員を生ぜしめるという致命的な欠陥を招来している現状であります。その他全国一万六千にわたる現業局従事員、特に外勤従事員等につきましても、現行制度ではとうてい救済し得ない不合理が多々ありまして、事業運営上重大な支障となっておりますことは、人員の少い一般行政官庁におけるそれとは根本的に異なるものがあるのであります。  以上御説明申し上げましたように、現行制度をこのまま郵政事業職員に適用しておくことは、いかなる観点から見ましてもまことに不適当であることは明瞭でありまして、これらの矛盾と不合理を解決する道は、任官という制約を受けない合理的な一元的年金制度を確立する以外になく、これが早急な実現は全職員の多年の熱望とも合致いたしますし、ひいては、職員の勤労意欲を増進し、郵政事業の円滑な運営に資するきわめて適切な施策であると信ずるものであります。以上のような観点に立ちましてこの際、国鉄、電電等三公社職員が現に適用となっております公共企業体職員等共済組合法に準じた内容をもって、ここに郵政事業職員等共済組合法案を提出した次第であります。  以下この法律案の内容の大略について御説明申し上げます。  第一に、郵政省には国家公務員共済組合法に基く共済組合があるのでありますが、本法案においてはこれとは別に、郵政事業特別会計においてその俸給を支弁する職員等を対象として、別個の共済組合を設け、長期給付、短期給付及びその他の福祉事業を行おうというのであります。  第二に、恩給と共済組合の長期給付とを統一して、一本化した退職年金制度を全職員に適用することといたしておりますが、各年金及び一時金について簡単に述べますと、まず退職年金は、二十年以上組合員であった者が退職したときに支給することとし、その年額は俸給年額の百分の四十を基礎として、二十年をこえる年数により一定の金額を加算することといたしましたが、その支給開始年令は五十五才を原則といたしております。  また組合員期間二十年以上の者が五十五才前に年金の支給を希望する場合には、退職年金のかわりに減額退職年金を支給できることとしましたが、その年額は、退職年金の年額から五十五才と実際の支給開始年令との差年数に応じた一定額を減じたものとすることといたしております。  次に、遺族年金は、退職年金受給資格者の遺族に支給することとし、その年額は退職年金の半額といたしました。なお、それを受ける遺族の範囲は、国家公務員共済組合法による遺族と大体同様といたしました。  次に、一時金については、国家公務員共済組合法によるそれとほぼ同様でありますが、退職年金の充実を重視した関係上、早期退職者に支給されるものは掛金の払い戻し程度に押えることといたしました。  次に、廃疾年金については、給付事由はほぼ国家公務員共済組合法のそれと同様でありますが、その年額を不具廃疾の程度に応じて俸給年額の百分の六十、百分の四十五及び百分の三十五の三段階とした点が異なっております。  第三に、短期給付については、国家公務員共済組合法のそれと全く同様であります。  第四に、長期給付に要する費用は、組合員の在職中の掛金とこれに見合う郵政事業特別会計の負担金とを基金として積み立て積立金とその運用益によってまかなうことといたしておりますが、掛金と負担金との割合は、国家公務員共済組合法の負担割合と同じく、四十五対五十五といたしております。この結果掛金率は約四三%負担金率は五・二%となります。  なお、以上の掛金率は、国家公務員共済組合法とはほぼ同程度でありますが、恩給法の二%に比べますと二倍以上となっております。  しかしながら新制度におきましては、恩給法及び国家公務員共済組合法の適用を受けた期間を、新制度の組合員期間に通算することにいたしておりますが、従来の恩給制度は基金制度によっていないので、積立金は全く存在せず、また、共済年金制度においてもたび重なる年金改訂及び給与改訂のために、現実に積み立てられている金額は、本来必要であるべき積立金に比べまして巨額の不足を生じている状態であります。この不足額は新制度のもとにおいても、そのまま引き継がなければならないのでありますが、これら不足額は、従来の制度においては国家が負担することになっておりますので、新制度においても従来通り郵政事業特別会計が負担することといたしました。しかして、その支払の方法については、将来にわたる郵政事業特別会計の財政経営状態を勘案しつつ、漸次補てんしていくことといたしております。なお、この金額は、年金受給者の増加に伴い、逐年増加することになりますが、新組合に引き継がれた過去の組合員は、一定年数の後には次第に減少いたしますので、将来においては、法施行後新たに加入した組合員のみが残ることとなり、従って郵政事業特別会計の負担額は恩給制度が引き続き適用されておる場合に比べれば、相当軽減されることとなるのであります。  次に、短期給付の掛金と負担金との割合は、国家公務員共済組合法と同様五十対五十といたしており、その率はいずれも約三%となっております。  以上本案の主要点について御説明申し上げましたが、新制度実施前の権利義務関係の取扱い方をきめるいわゆる経過措置について、きわめて詳細な規定をいたしておりますが、最後に、この法律施行の日に在職する郵政事業職員及び国家公務員とが相互に交流できるように、この法律による給付と恩給または国家公務員共済組合法による長期給付との調整を講ずることといたしております。  以上、郵政事業職員等共済組合法案提案理由及びその内容の概略を御説明申し上げた次第でありますが、何とぞ十分御審議の上、すみやかに御可決下さいますよう御願いいたします。
  16. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕
  17. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) では速記を始めて。  本案の質疑は、明日に譲りまして、請願を審議いたします。  ちょっと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  18. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 速記を始めて下さい。  これより請願の審査を行います。請願は付託の順に審査するのが先例でありますが、便宜お手元に配付いたしております印刷物の表によりまして審査を進めたいと思いますから、御了承願います。(「異議なし」と呼ぶ者あり)  まず、第九十三号並びに第百十四号、長野県美ケ原にテレビ中継所設置促進の請願を議題といたします。紹介議員は、羽生三七君外一名でございます。本件について、専門員より本請願趣旨について御説明を願います。
  19. 勝矢和三

    ○専門員(勝矢和三君) 御説明いたします。  テレビジョンが国家の文化向上の推進力であす、国民文化生活に占める度合いが強いにもかかわらず、テレビ視聴の自由は、東京及び大阪など大都市の周辺に局限されている現状はまことに遺憾である、美ケ原にテレビ中継所を設置することによって、電電公社のマイクロウェーブ実現とともに、全県視聴の便に浴し得ることが技術的に証明されたから、すみやかにこの中継所を設置してもらいたいというのであります。
  20. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 本件について、政府側の御所見をお述べ願います。
  21. 伊東岩男

    政府委員(伊東岩男君) 長野県美ケ原にテレビジョン放送局を設置されたいとの請願につきましてお答えいたします。御承知通り、テレビジョン放送局の置局計画につきましては、さきにテレビジョン放送用周波数の割当計画基本方針の一部修正案及び割当計画案を作成し、それぞれ電波監理審議会に諮問いたし、目下同審議会において検討を進めております。当省におきましては、同審議会の答申を得ましてから、最終的に右の基本方針及び具体的割当計画を決定する運びにいたしております。本請願で御要望の、美ケ原にテレビジョン放送局を置くことにつきましては、この周波数の割当計画案でもそのようになっておりまするので、これが決定されましたならば、美ケ原からテレビジョンの電波が発射されることになり、御要望の趣旨に沿うことができるものと存じます。
  22. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 本件について御質疑はありませんか。——本件をいかが取り計らいましょうか。(「採択」と呼ぶ者あり)それでは本請願を採択下ることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕
  24. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 速記を始めて下さい。  次に、第千八百六十一号、ラジオ山口テレビ放送局及びラジオ放送中継局開設に関する請願、紹介議員赤松常子君を議題といたします。
  25. 勝矢和三

    ○専門員(勝矢和三君) 御説明いたします。  ラジオ山口は、山口県民の強い要望によって徳山、下関両地区のテレビ放送局並びに下関、萩、岩国三地区の放送中継局の開設を申請中であるが、百六十万県民の熱望している郷土テレビの恩恵に浴し得るよう、電波割当計画上の困難を排して、ぜひとも同局の実現につき考慮されるとともに、県下の難聴地区解消のため、放送中継局の開局を実現せられたいというのであります。
  26. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 政府側の御所見をお述べ願います。
  27. 伊東岩男

    政府委員(伊東岩男君) 株式会社ラジオ山口の計画している徳山及び下関両市のテレビジョンの放送局並びに下関、萩及び岩国各市のラジオ放送局に開設の免許を与えられたいとの請願についてお答えいたします。  まず、テレビジョン放送局につきましては、ただいまテレビジョン放送用周波数の割当計画基本方針の一部修正案及び具体的な周波数の割当計画案を電波監理審議会に諮問中でありまして、同審議会の答申を得ましてから、最終的にこれらを決定したいと存じておりまするので、個々の地域におけるテレビジョン放送局の置局については確信できない段階にありまするが、請願の次第につきましては、今後御要望の点も十分考慮しつつ検討していきたいと存じます。  次に、ラジオの中継放送局の開設につきましては、当省といたしましても、衆議を尽して決定いたしました標準放送用周波数割当計画に基きまして、周波数事情の許す限り、一般放送事業者の放送が全国的に聴取ができますよう努力いたしていたところであります。御要望の三局の開設申請につきましても、この趣旨に沿うて目下審査を進めております。しかしながら、当該地区は、技術基準から見まして、周波数の割当が非常に困難な事情にありまするが、なお一そう検討いたしたいと存じます。
  28. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 本件を採択することに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  29. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 御異議ないと認め、さように決定いたします。  次に、第千九百十五号、福島県会津若松市にテレビ中継放送局設置請願、田畑金光君紹介。
  30. 勝矢和三

    ○専門員(勝矢和三君) 御説明いたします。  NHKにおける福島県に対するテレビジョン中継放送局の第一次実施計画は一カ所の予定の由であるが、会津若松市は会津文化の発祥地であり、特に只見川電源地帯を有し、国家的産業の一大基盤として着々発展しており、本県における文化あるいは産業の中心都市であるとともに、テレビジョン放送の立地条件からしても最適地であるから、当市に第一次的にテレビジョン中継放送局をぜひ早急に設置してもらいたいというのであります。
  31. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 政府の御所見をお願いします。
  32. 伊東岩男

    政府委員(伊東岩男君) お答えいたします。  御承知通り、テレビジョン放送局の置局計画につきましては、ただいまテレビジョン放送用周波数割当計画基本方針の一部修正案及び具体的な割当計画案を電波監理審議会に諮問中であります。当省といたしましては、この計画案において、福島県のテレビジョン放送用周波数の割当を福島、郡山及び会津若松の三地区としておりますが、福島県の置局は会津若松市を第一にされたいとの御要望につきましては、日本放送協会にこれを伝えまして、今後の置局計画上十分参考とするよう連絡いたしたいと思います。
  33. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 採択することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  34. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  次に、第千九百三十五号、身体障害者ラジオ聴取料減免に関する請願、重宗雄三君紹介。
  35. 勝矢和三

    ○専門員(勝矢和三君) 御説明いたします。  身体障害者のラジオの聴取は、自力更生の意欲を高め、闘病に欠くことのできないものとなっているが、その聴取料が重い負担となっているから、戦傷病者に対しては、現在施行の恩給法による項症以上とあるのを同法の二款症以上を対象とすること、身体障害者福祉法による手帳所持者にして本人が世帯主で、独立の生計を営む者に対しては、半額免除とすること、ただし、常に就寝している者に対しては、全額免除とすることとしてもらいたいというのであります。
  36. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 政府の御所見を伺います。
  37. 伊東岩男

    政府委員(伊東岩男君) お答えいたします。  まず、第一の戦傷病者に対する放送受信料の免除につきまして、日本放送協会において、昭和二十九年十月一日から戦傷病者のらち恩給法別表第一号表の二に定める程度、これは、特別項症から第六項症までとなっておりますが、その程度の不具廃疾の状態にある者を半額免除の対象としております。本請願は、これらの受信料免除の対象範囲を拡大し、恩給法別表第一号表の三に定める第二款症以上の戦傷病者に対しても同様の措置を講ぜられたいとの御趣旨でございまするが、受信料は、別に生活困窮者に対しても、全額免除の処置が講ぜられておりまするので、特に生活上お気の毒な方には、その方法によって御趣旨の線に沿い得ているものではないかと存じます。  また第二、第三の身体障害者に対する受信料の免除につきましては、生活保護法に規定する生活扶助を受けている者の設置する受信設備、貧困者として福祉事務所長または町村長の証明する盲人の設置する標準放送の受信設備及び同様の手続によって証明されたろう者の設置するテレビジョン放送の受信設備に対し全額を免除することになっており壊して、これ以上対象範囲を広げることは、同協会の予算面への影響等から見まして、困難な実情にあるのではないかと存じます。  なお、請願の御趣旨は、協会へ連絡し、十分に研究してもらうことにいたします。
  38. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 本請願を採択することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  39. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  次に、第二千百十七号、兵庫県香住町にラジオ放送中継局設置の請願、松浦清一君紹介を議題といたします。
  40. 勝矢和三

    ○専門員(勝矢和三君) 御説明いたします。  兵庫県香住町は、気象的条件に恵まれず、さらに沿海州、朝鮮本土の放送局から大きな電波が送られるため、裏日本、特に北陸方面の放送だけ受信可能で、昼夜ともほとんどBKを中心とする地方局の放送受信は、このたびの電波五十キロから百キロヘの増強による難聴地帯解消の計画にもかかわらず、不能なため、多大の不便を感じているから、この中継局を設置してもらいたいというのであります。
  41. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 政府の御所見を伺います。
  42. 伊東岩男

    政府委員(伊東岩男君) 兵庫県城崎郡香住町に日本放送協会の放送局を設置されたいとの請願について、お答えいたします。  標準放送の聴取状態の改善につきましては、当局におきましても、全国津々浦々において、良好に聴取されるよう努力しているところでありまして、また、日本放送協会におきましても、その目的が達せられるよう全国的視野に立って事業計画を進めている次第でございます。  しかしながら、香住町に放送局を設置することにつきましては、同協会の予算面、周波数の事情等から見まして、早急にこれを実現することが困難かと存じますが、請願趣旨日本放送協会にも伝え、今後の研究問題の一つとするよう要望すると共に、当省におきましても諸事情を十分検討の上、同地域の聴取状態の改善に努力していきたいと存じております。
  43. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 本請願を採択することに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  44. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  次に、第百四十四号、福島郵便局庁舎改築促進に関する請願、石原幹市郎君紹介。
  45. 勝矢和三

    ○専門員(勝矢和三君) 御説明いたします。  福島郵便局の現庁舎は、大正七年の建築であって、すでに三十八年を経過しているため、腐朽、狭隘はなはだしく、倒壊の危険さえ感ぜられる現状である。なお、当庁舎の敷地の一部百一坪と建物百四十五坪が福島市における昭和三十一年度実施予定の都市計画によって街路に編入されるため、建物撤去の余儀なき状態になっている際でもあるから、福島市の中央官庁街に位置している当庁舎をすみやかに改築してもらいたいというのであります。
  46. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 政府の御所見を伺います。
  47. 伊東岩男

    政府委員(伊東岩男君) 福島郵便局局舎は、狭隘かつ構造不良であるばかりでなく、福島市における都市計画により局舎の一部を撤去する必要があるため、早急改善の必要が認められますが、現敷地に新築する関係上、目下当局舎を使用中の福島電報局の移転を待って新築する計画でおります。  なお、電報局が昭和三十二年度中には移転する見通しが立ちましたので、昭和三十三年度予算に新築方計上する予定であります。
  48. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 本請願を採択することに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  49. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  次に、第四百三十一号、合併町村郵便集配変更実現促進に関する請願、紹介議員石原幹市郎君を議題といたします。
  50. 勝矢和三

    ○専門員(勝矢和三君) 御説明いたします。  町村合併によって町村の境界が変更されたが、現在の郵便集配区は合併前町村の区域によって実施されているため、新町村内において集配区の異なる地域が多く、これがため各種通知書、  一般書簡等の遅延を招き不便この上ない実情であるから、すみやかに集配区を新町村区域に変更せられたいというのであります。
  51. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 政府の所信をお述べ願います。
  52. 伊東岩男

    政府委員(伊東岩男君) 町村合併に伴い、同一行政区分を分轄して二以上の郵便局で郵便物の集配を受け持つようになり、区分、運送上困難を生じている向きについては、地況等の関係を考慮し、できる限りこれを整理統合することとして、逐次郵便物集配受持区域の調整方に取り運んでおる次第でございます。
  53. 森中守義

    森中守義君 今の問題、これはこの委員会でもしばしば論議がかわされて参りました。言われておるように、確かに新しい町村の合併等によりまして、区分上あるいは配達上確かにまずい点もあろうかと思いますが、やはりこれでは今の郵政当局の御答弁から申しますと、やはり一行政区に一郵政局という、こういう考えはけっこうでありましょうが、しかし、今までも論議がかわされてきたうちから明らかになっておりますように、従業員の待遇の問題、特に配置転換等、きわめて微妙な、かつむずかしい問題を含んでおります。この点について、私は特に郵政当局の疎漏のない御処置をお願いしておきたいのであります。  なお、この問題は、聞くところによれば、全逓と郵政省との団体交渉の進行の過程にあるようでございますので、願わくば一方的に御措置にならないように、特段の御注意を喚起しておきたいと思います。
  54. 伊東岩男

    政府委員(伊東岩男君) 町村合併に伴いましてその行政区域内に二つ以上の局がある場合には、これを合併することは、原則としてその通りになっておりまするけれども、今日までの各地の情勢からいたしまして、さようにいたしますることによって、非常に不便な点、不合理の点等もあるやに承っておるのでございまするから、これらの点をよく調整する上については、今お話のような点も顧慮しなければならないばかりではなく、それはやはりよく趣旨を徹底せしめて、理解せしめるということを郵政省においても積極的にやる必要があるのじゃないか、さような方向で指導していって、理解の上に立った合併、あるいは、今お話のような問題等も十分考えていかなくちゃならぬと考えております。
  55. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 本請願を採択することに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  56. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  次に、第五百五号、名古屋港開港五十年記念郵便切手発行に関する請願、草葉隆圓君外紹介。
  57. 勝矢和三

    ○専門員(勝矢和三君) 御説明いたします。  名古屋港は、わが国中部産業圏の海外門戸として目ざましい発展、活躍をなしているが、本年はあたかも開港五十年に相当するので、この機会にわが国内外に名古屋港の周知宣伝をいたしたいから、記念切手を発行してもらいたいというのであります。
  58. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 本件について政府側の御所見をお述べ願います。
  59. 伊東岩男

    政府委員(伊東岩男君) わが国には開港場が多いのであります。すでに横浜、長崎等開港百年に近いものもありまするが、名古屋港はその歴史から見ましても比較的新しく、またその貿易量が最大であるとも言えませんので、特にその五十周年を記念して記念切手を発行することは、他との権衡から見ましても適当でないと考えている次第でございます。
  60. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 本請願を採択することに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  61. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  次に、第九百三十九号、茨城県日立市入四間町字木の根坂特定郵便局設置請願、宮田重文君紹介。
  62. 勝矢和三

    ○専門員(勝矢和三君) 御説明いたします。  茨城県入四間町字木の根坂は、戸数約六百戸、人口三千五百でおもに日立鉱山の従業員であって、鉱山従業員の郵便物は便宜上、鉱山木の根坂事務所において一括して本山郵便局へ持参しているが、一般部落民約四百戸、二千の住民は、八キロ離れた中里局か四キロ離れた日立鉱山局を利用しなければならない不便な状態にあるから、当木の根坂に特定郵便局を設置してもらいたいというのであります。
  63. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 政府の御所見をお述べ願います。
  64. 伊東岩男

    政府委員(伊東岩男君) 請願の地に無集配特定局を設置することは、利用予定戸数が少いため、設置標準に達しないので、現状においては実現は困難と思われます。  なお、窓口機関利用上の不便はあると思いまするので、簡易郵便局の設置ならば、将来顧慮することといたしたいと存じます。
  65. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 本請願を採択することに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  66. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  次に、第千百七号、簡易郵便局待遇改善に関する請願、一松定吉君紹介。
  67. 勝矢和三

    ○専門員(勝矢和三君) 御説明いたします。  簡易郵便局は、事業の性質上利害を度外視して業務に従事すべきことはもちろんであるが、毎月の手数料が五千円に達することはあり得ない状態にあるため、法第十三条に基く必要経費の支弁も、赤字に悩む受託者はこれを顧みる余地がない実情であるから、現行法における簡易郵便局の任務は一部の制約のほかほとんど無集配特定局と異なるところがなく、さらに公務員の待遇改善が重視されているとき、簡易郵便局の待遇に関しても適当の改善策を講じてもらいたいというのであります。
  68. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 政府側の御所見をお述べ願います。
  69. 伊東岩男

    政府委員(伊東岩男君) お答えいたします。  郵政事務の取扱い量の少いへんぴな地方まで、省直営の窓口機関を設置しますることは、合理的な経営の見地から妥当でないので、このような地方における郵政事務普及のための処置としましては、この業務を地方公共団体及び農業協同組合等の公共組合に委託し、その協力を得て経済的にこの業務の普及を図ることとしましたのが簡易郵便局制度であります。しかして受託者に対しましては、取扱い事務量に応じて所定の手数料を支払い、受託者である地方公共団体等の代表者は、その責任において簡易郵便局の運営をはかる仕組みになっているものであり、また同局の事務取扱者は、その団体の職員とされているのであります。従いまして、同取扱者の給与改善等につきましては、当然受託者の責任においてなさるべき性質のものであります。  なお、取扱い手数料は各月によって多少の差異はありますが、簡易局約千二百局のうち、取扱い手数料が五千円以上の局が約百十局、二万円以上の局も約二局はある状態でございます。
  70. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 本請願を採択することに御異議ありませんか。
  71. 森中守義

    森中守義君 希望があります。この簡易郵便局制度の淵源は、政務次官の御説明の通りであるかもわかりませんが、やはり本筋としては、いわゆる公共団体であろうと何であろうと、国の機関に委託ということは、私は筋として余り正しいことでないであろうと思う。しかも、そういう淵源があったにしても、昨今の風潮としましては、この簡易郵便局は全部無集配郵便局に格上げをしてくれと、また格上げするいろいろな要素があるようであります。従いまして、あくまでも一般国民に対するサービスの提供という面からいっても、採算がとれるか、とれないかという問題はありましょうけれども、やはり完全に郵政省の正規な機関として置きかえることができるように、この問題につきましては、私はそういう方向に進めていただきたい、こういう工合に希望しておきたいと思います。
  72. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 本請願を採択することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  73. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  次に千二百十五号、郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部改正に関する請願、田中一君紹介。
  74. 勝矢和三

    ○専門員(勝矢和三君) 御説明いたします。郵便切手類等の売さばき手数料は、きわめて低廉で、しかも、一定限度以上を超過すれば手数料を支給しないという不合理な規定になっているから、この法律第七条を改正して手数料の増額をはかり、かつ百万円の最高限度制限額を撤廃してもらいたいというのであります。
  75. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 本件について政府側の御所見をお述べ願います。
  76. 伊東岩男

    政府委員(伊東岩男君) この請願のように郵便切手類及び印紙の売さばき手数料の率を改めますと、約十二億三千万円の支出増となり、現在の郵政財政のもとではとうていまかないがたいとともに、現行手数料の率もこれと同種の他の業務の手数料と比較しますと極端に低いとは認められませんので、御要望には応じかねる次第でございます。
  77. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 本請願は採択することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  78. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 御異議ないと認めさよう決定します。  次に、第千二百五十八号、福島県勝常村に郵便局設置請願、田畑金光君招介。
  79. 勝矢和三

    ○専門員(勝矢和三君) 御説明いたします。  福島県勝常村は、会津盆地の中央平坦地に位し、農業経済、交通ともに発展した地方であるが、郵便局がないため、郵便貯金、保険その他の利用は四キロの遠隔にある塩川局による状態で、まことに不便であるから、ぜひとも本村に郵便局を設置してもらいたいというのであります。
  80. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 政府の御所見をお述べ願います。
  81. 伊東岩男

    政府委員(伊東岩男君) 請願の地に無集配特定局を設置することは、利用予定戸数が少いため、設置標準に達しないので、現状においては実現は困難と思われます。  なお、窓口機関利用上の不便はあると思われますので、簡易郵便局の設置ならば将来考慮することといたします。
  82. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 本件を採択することに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  83. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  次に、千六百四十四号、北海道旭川市東三条に特定郵便局設置請願、千六百六十六号、北海道苫小牧北部地区郵便局設置請願、千六百六十七号、宮城県気仙沼市内脇地区に無集配特定郵便局設置の請願、千八百五十二号、茨城県東海村に無集配特定郵便局設置の請願、いずれも横川正市君紹介、四件を議題といたします。
  84. 横川正市

    横川正市君 東三条局の立地条件は、隣接局との間が大体五十メートルぐらい、立地条件からは欠けておるわけですが、最近の住宅事情がどんどんこの方面に伸びていっておりまして、それぞれ隣接局とは千メートルないし八百メートル離れておりまして、さらに隣接局の七条局と永山通局との局間距離は四百メートルぐらいありまして、この線路をはさみましてもこの立地条件というのは必ずしも適地ではなかったと思うのであります。そういう関係で片寄り過ぎている郵便局の利用度は非常に少くて、現在最も必要度の高いこの東三条には郵便局の設置がない、こういうことから請願に及んだものであります。  それから苫小牧の北部地区には大体地域といたしましては、千二百ぐらいの予想地がありまして、二十九年には南部地区に、同じ苫小牧市は相当りっぱな局舎を提供いたしまして、郵便局を開局したという事例があるわけであります。さらにこの北部地区にも、苫小牧市としては無償提供ないしは貸付といういずれの方法でも十分この郵政当局にこたえるだけの局舎を提供したい、そういうことから郵便局舎の設置を市長以下請願したものであります。  宮城県の気仙沼は、これは海岸に面した地方におきまして、まだその戸数は立地条件にかなっておらないようでありますが、相当広範な地域に局の設置がない、非常に不便だということから請願に及んだものであります。  それから茨城県東海村は御案内のように原子力研究所が設置されまして、この秋には職員住宅、その他入れましても五百戸ぐらいは設立される見込みであります。さらに二千五百ぐらいの職員を要すると同時に、人口の増大はおそらく七千ぐらいは増大するのではないか、隣接局との間は大体二キロぐらい離れていると見ていいのではないかと思いまして、そういう状況にありますので、ぜひ無集配郵便局を設置してほしい、こういう請願であります。  以上四件の説明を終ります。
  85. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 以上四件につきまして政府の御所見を願います。
  86. 伊東岩男

    政府委員(伊東岩男君) 大体現場を調査した結果によりますると、やはり基準に達しないので、設置困難ということが考えられておりまするけれども、ただいま御説明のような事情がありまするならば、これは再考いたしまして、再調査の上、相当考えた上でなるべく請願趣旨に沿いたいと考えております。
  87. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 本四件を採択することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  88. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  次に、千九百四十四号、大分県豊後高田郵便局庁舎新築促進に関する請願、矢嶋三義君紹介。
  89. 勝矢和三

    ○専門員(勝矢和三君) 御説明いたします。  大分県豊後高田郵便局は、昭和二十五年十月普通郵便局に昇格し、職員数も相当の増員となり、又市町村合併による近接七カ町村の合併で取扱い事務量も大幅な増加を来たしたのであるが、局舎がきわめて狭隘かつ老朽であるから、すみやかに改築してもらいたいというのであります。
  90. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 政府の御所見を願います。
  91. 伊東岩男

    政府委員(伊東岩男君) 豊後高田郵便局舎は構造不良で、かつ有効面積が少いため、改善の要が認められますので、昭和三十四年度以降、なるべく早い機会において新築方考慮することにいたします。
  92. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 本請願を採択することに御異議はございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  93. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  次に、二千五十一号、千葉県八千代台町に無集配特定郵便局設置の請願、川口爲之助君紹介。
  94. 勝矢和三

    ○専門員(勝矢和三君) 千葉県八千代台町は、京成電鉄が新設した八千代台駅を中心とした新住宅都市で、しかも、既設郵便局は京成電鉄沿線習志野市大久保町と八千代町、大和田町にあるため、いずれも電車で郵便用務を達する現状であるから、特にこの地に無集配特定郵便局を設置してもらいたいというのであります。
  95. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 政府の御所見を願います。
  96. 伊東岩男

    政府委員(伊東岩男君) 請願の地に無集配特定郵便局を設置することは、設置標準に達しますが、他との振り合い上、現状においては早急には実現は困難と思われるのであります。
  97. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 本請願を採択するに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  98. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  次に、二百八十七号及び汗百四十二号、千三百四十号、千四百四号は、いずれも内容が同じでございますので、一括して議題としたいと思います。  第二百八十七号、和歌山県白浜町に簡易保険郵便年金加入者ホーム設置請願、前田佳都男君紹介。千百四十二号、神戸有馬町に簡易保険郵便年金加入者ホーム設置請願、松浦清一君紹介。千三百四十号、これは千百四十二号と同じでありますが、松澤兼人君紹介。千四百四号、北海道小樽朝里温泉郷簡易保険郵便年金加入者ホーム設置請願横川正市君紹介、以上四件を議題といたします。
  99. 勝矢和三

    ○専門員(勝矢和三君) 御説明いたします。  いずれも老人ホーム設置に関する請願でありまして、二百八十七号は、和歌山県白浜温泉地区にこれを設置してもらいたいというのでありまして、千百四十二号は、兵庫県有馬地区に同じくこの種のホームを設置してもらいたい、千四百四号は、札幌及び小樽の中間にあります朝里温泉郷にこのホームを設置してもらいたいという請願でございます。
  100. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 政府の御所見をお述べ願います。
  101. 伊東岩男

    政府委員(伊東岩男君) お答えいたします。  簡易保険郵便年金加入者ホームの設置については、その後全国各地から設置方の強い要望がありますが、将来ともなるべく全国の加入者が均等に利用できるように設置したいと考えておりまするので、請願の趣きは今後計画の際に参考にいたしたいと思います。  なお、この場合に申し上げておきますが、大体省としての方針は、将来各局ごとに一カ所ぐらいずつを置きたい、こういう方針ではございまするが、これは財政等のにらみ合いが必要でございまして、そういったような方針で推進する予定でございます。
  102. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 本件をいかが取り扱いましょうか。
  103. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 これは郵政省の現在の方針では、一郵政局にとりあえず一つくらいこしらえていきたいという御方針のようで、これは財政上やむを得ないかと思うのですが、しかし、一郵政局に一つということで制限をしていく必要もないことであります。われわれとしては、この老人ホームを各地に設置されるということは非常に望ましいことですから、今のところ、とにかくいろいろ地名はあげられておりまするけれども、こういう地名につきましては、必ずしもこれに一つ作る場合に、たとえば白浜に作るか神戸に作るかというようなことについては、非常に強い制限をするという意味ではなく、早くこういう必要な所に老人ホームをなるべく財政事情の許す限りたくさん置いていくというような意味で、私は採択された方がいいんじゃないかと、こういうふうに考えます。
  104. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 本請願を採択することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  105. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 御異議ないと認め、四件とも採択を決定いたします。  次に、第五百六号、千四百三十四号、千九百四十一号、千九百四十二号、千九百四十三号、千九百七十六号は、いずれも内容が同様でございますので、一括して議題としたいと思います。  まず、第五百六号は、高知県夜須町に農村公衆電話架設請願横川正市君紹介。それから千四百三十四号、熊本県久木野村に農村公衆電話架設請願森中守義君紹介。千九百四十一号、高知津大村中半農村公衆電話架設請願横川正市君紹介。千九百四十二号、高知津大村玖木農村公衆電話架設請願、同じく横川正市君紹介。千九百四十三号、高知県大正町に農村公衆電話架設請願、同じく横川正市君紹介。千九百七十六号、高知県中村市常六に公衆電話架設請願、同じく横川正市君紹介。以上六件を一括して議題といたします。
  106. 勝矢和三

    ○専門員(勝矢和三君) 五百六号は、高知県の夜須町に戸数が九十戸あり、しかも、農協出張所、小学校その他があるが、交通も不便な所であるから、ここに公衆電話を置いてもらいたいという趣旨請願であります。千四百三十四号は、熊本県の久木野村上二子石は非常に交通不便な所で、しかも、経済的にも恵まれていない部落であるが、最近県道がこの村を貫通するようになってから、ようやく経済的にも恵まれてくるような状況になってきたのであるが、公衆電話を置いて、この付近の通信上の便宜をはかってもらいたいという趣旨請願でございます。千九百四十一号は、高知県の津大村でありまして、この村は十八部落を有する広大な農山村であるが、公衆電話のある部落はわずか五部落にすぎない。その他の部落は非常に通信上の不便を感じており、かつまた交通上の関係からいっても、二キロないしは六キロの所に電話の便を達するためには行かなければならないというふうな地区であるから、ここに公衆電話を置いてもらいたいというのであります。それから千九百四十二号は、高知津大村玖木に農村公衆電話を置いてもらいたいというのでありましてこの村は特に交通のきわめて不便な所であって、村内においても孤立した状況にあるような地形であるから、特にすみやかに架設してもらいたいというのであります。千九百四十三号は、高知県の大正町でありましてこれは県下で有数な大きな町であるが、本町の中心地田野々から遠く離れたこの地区は、通信上の施設が全然ないために、物心両面に住民は多大な不便を感じているから、すみやかに本年度においてこれらの部落に農村電話を作ってもらいたいというのであります。それから千九百七十六号は、高知県の中村市常六、このほか三部落は戸数が二百余り、また人口が千百三十九人を有する大きな部落であるが、ここにも電話がないために部落の住民が非常に不便をしているから、すみやかにこの常六部落に公衆電話を作ってもらいたいというのであります。
  107. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 本件について政府の御所見をお述べ願います。
  108. 伊東岩男

    政府委員(伊東岩男君) 一括して順次御答弁申し上げます。  五百六号の高知県夜須町に農村公衆電話架設については、できるだけ昭和三十二年度において農村公衆電話を設置したいと考えます。千四百三十四号の熊本県久木野村に農村電話架設の請願については、架設順位は、享便戸数、公共施設の有無等によりきめることにしておりまするが、御要望の二子石部落につきましては、他に先順位の部落が相当多数ありまするために、直ちに御要望に沿うことは困難でございます。千九百四十一号の高知津大村中半農村公衆電話架設の件でございまするが、御要望の津大村中半部落には、昭和三十二年度中に、他部落との均衡を考慮の上ででき得る限り御要望に沿いたいと考えます。千九百四十二号の高知津大村玖木に農村公衆電話設置の件でございまするが、御要望の玖木部落には、昭和三十二年度中に、他部落との均衡を考慮してでき得る限り御要望に沿いたいと考えます。千九百四十三号の高知県大正町に農村公衆電話架設請願でございまするが、農村公衆電話の設置順位は享便戸数、公共施設の有無等によってきめることになっておりまするが、御要望の大正町奥打井川部落には、昭和三十二年度中に、他部落との均衡を考慮の上ででき得る限り御要望に沿いたいと考えております。また大正町由津川、下津川、相去、芳川各部落につきましては、他に先順位の部落が相当多数ありまするので、当分の間御要望に沿うことは困難であります。次に、千九百七十六号の高知県中村市常六に公衆電話架設請願でございまするが、農村公衆電話の架設順位は享便戸数、公共施設の有無等によりきめることになっておりまするので、御要望の中村市片魚部落につきましては、昭和三十二年度中に、他部落との均衡を考慮してでき得る限り御要望に沿いたいと考えます。また、中村市常六、三ツ又、大屋敷部落につきましては、他に先順位の部落が相当多数ありまするので、直ちに御要望に沿うことは困難でございます。
  109. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 以上六件を採択することに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  110. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  次に、第五百八十七号、高知大津郵便局管内電話高知電話局区域編入に関する請願横川正市君紹介。
  111. 勝矢和三

    ○専門員(勝矢和三君) 御説明いたします。  高知県大津村は高知市の近郊農村であるが、近い将来には同市への合併編入が約束されている立地条件にあるから、伝えられる昭和三十二年度高知電話局の自動化が実施され通信機構の再編成されるのを機会に、当大津郵便局所管の電話を高知局に編入せられたいとの請願でございます。
  112. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 政府の御所見をお述べ願います。
  113. 伊東岩男

    政府委員(伊東岩男君) 本件につきましては、大津局は高知局と距離が遠いばかりでなく、現行行政区域を異にしておりまするので、高知局に編入することはただいまのところ困難でございます。
  114. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 本件を採択することに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  115. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  次に、第千二百五十七号の横浜市鶴ケ降等の地域を神奈川電話局特別加入区域から解除するの請願、三木治朗君外一名紹介。
  116. 勝矢和三

    ○専門員(勝矢和三君) 横浜市保土ケ谷区鶴ケ峰、二俣川、西谷、川島地域は、神奈川電話局の特別加入区域となっているため、電話加入を希望しても思うにまかせず、地域内の会社、工場、商店等はもとより住民全部が非常な不便を余儀なくされている実情であるから、一日も早く特別加入区域を解除し、普通加入区域となるよう特段の配慮をせられたいとの請願であります。
  117. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 政府の御所見をお述べ願います。
  118. 伊東岩男

    政府委員(伊東岩男君) 御要望の保土ケ谷区鶴ケ峰、二俣川、西谷、川島地域につきましては、昭和三十二年六月六日から横浜中央電話局の普通加入区域に編入することといたします。また、二俣川地域につきましては、神奈川分局よりの距離も遠くかつ同局の局内設備、線路設備とも新規の申し込みに応ずる余裕がありませんので、今直ちに御要望に応ずることは困難でありまするが、将来二俣川地域に独立の電話局を設置して電話架設の御要望に応ずるよう検討していただきたいと考えるのでございます。なお、二俣川地域、希望ケ丘地区につきましては、さしむき川井郵便局または瀬谷郵便局の普通加入区域に編入するよう目下検討中でございます。
  119. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 本請願は採択するとに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  120. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  以上、決定いたしました請願の報告書につきましては、委員長に御一任願います。(「異議なし」と呼ぶ者あり)  本日は、これにて散会いたします。    午後三時三十七分散会