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1957-05-14 第26回国会 参議院 逓信委員会 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年五月十四日(火曜日)    午前十時五十分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     剱木 亨弘君    理事            手島  栄君            最上 英子君            鈴木  強君            長谷部ひろ君    委員            石坂 豊一君            新谷寅三郎君            中山 壽彦君            宮田 重文君            横川 信夫君            三木 治朗君            光村 甚助君            森中 守義君            山田 節男君            横川 正市君   国務大臣    郵 政 大 臣 平井 太郎君   政府委員    郵政大臣官房電    気通信監理官  松田 英一君    郵政省郵務局長 松井 一郎君    郵政省電波監理    局長      濱田 成徳君   事務局側    常任委員会専門    員       勝矢 和三君   説明員    外務省アジア局    第二課長    小川平四郎君    日本電信電話公    社副総裁    靱   勉君    日本電信電話公    社業務局長   吉澤 武雄君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○電波法の一部を改正する法律案(新  谷寅三郎君外五名発議) ○有線放送電話に関する法律案(内閣  提出、衆議院送付) ○電気通信並びに電波に関する調査の  件  (国際電信電話株式会社運営に関  する件) ○郵政事業運営に関する調査の件  (日本と中共との郵便約定に関する  件)   —————————————
  2. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) ただいまより委員会を開会いたします。  まず、電波法の一部を改正する法律案議題といたします。  発議者より提案理由説明を聴取いたします。
  3. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 ただいま議題になりました電波法の一部を改正する法律案提案理由及びその内容概略を御説明申し上げます。  船舶無線電信局種別に応じてその運用義務時間を定めますことは国際条約上の要請でありますが、各局種内容をどのように定めるかは各国政府の自由にまかされております。これに応じまして、現行電波法におきましては、国内的考慮をも加えた上、船舶無線電信局種別を設け、その種別ごとにそれぞれ段階的に運用義務時間を定めております。しかして、この運用義務時間の長短は、船舶に乗り組むべき通信士の員数に関連いたしますとともに、聴守義務時間とも関係することになっております。ところが、最近におきましては、無線機器、特に警急自動受信機いわゆるオート・アラームの発達相当著しいものがありまして、現行法制による運用義務時間は必ずしも実情に適合したものではないものとなって参っております。他方、諸外国の例についてみましても、特殊の事例を除きまして、主要海運国におきましては、原則として非旅客船については運用義務時間は八時間、従って、乗組通信士は一人となっております。  このような事情にかんがみまして、この際、船舶無線電信局種別を改編いたしまして、一定船舶について運用義務時間を軽減する措置を講ずることが必要であると考える次第であります。しかし、これを実施するに当りましては、現状に急激な変化をもたらしますことは、多年にわたる船内勤務の慣習に及ぼす影響の点等から望ましくありませんので、漸進的にその実施をはかることが妥当であると考えられます。そこで、このような事情をも考慮いたし、また船舶安全の保持及び公衆通信業務取扱い等に支障を与えない範囲内で、適当と考えられるところに従いまして、電波法の規定につき所要の改正を施したいと考える次第であります。  以上がこの改正法案を提出するに至りました理由でありますが、以下改正法案内容を簡単に御説明申し上げます。   第一は、船舶無線電信局種別内容を改めたことであります。現行法におきましては、局の種別は、通信長配置に関する第五十条において定めておるのを改めまして第六十三条において定めることといたしました。その内容は、常時運用を必要とする第一種局は、現行法上は総トン数三千トン以上の旅客船または五千五百トンをこえる非旅客船船舶無線電信局となっておりますが、これを遠洋区域を航行する旅客定員二百人以上の旅客船無線電信局のみといたしました。運用業務時間一日十六時間の第二種局甲は、現行法におきましては、総トン数三千トン未満五百トン以上の旅客船義務船舶局である船舶無線電信局及び総トン数五千五百トン以下下六百トン以上の非旅客船の、同じく義務船舶局である船舶無線電信局であります。ここに義務船舶局と申しましたものは、船舶安全法無線設備の設置を義務づけられております船舶無線局のことであります。改正法案におきましては、これを改めまして、旅客船につきましては、遠洋区域を航行する総トン数五千五百トンをこえるもので旅客定員二百人未満のものと、近海区域を航行する旅客定員二百人以上のものとの無線電信局とし、非旅客船につきましては、遠洋区域を航行する総トン数一五千五百トンをこえるものの無線電信局といたしました。  次に、運用義務時間が一日八時間の第二種局乙でありますが、これは現行法によりますと、旅客船につきましては、第一種局及び第二種局印に入らない残余のすべてのものであり、非旅客船につきましては、第一種局及び第二種局甲以外の無線電信局のうち公衆通信業務を取り扱うものであります。改正法案におきましては、この種別の局に属するものは、旅客船につきましては、新しい第一種局及び第二種局甲に該当しない残余の全部であります。また、非旅客船につきましては、総トン数五玉五百トンをこえるものについては、遠洋区域を航行しないものの無線電信局、五千五百トン以下千六百トン以上のものにつきましては、義務船舶局と、義務船舶局でないもののうち公衆通信業務を取り扱うものとであり、千六百トン未満のものにつきましては、公衆通信業務を取り扱うものがこれに入ることとなります。  最後に、運用義務時間が四時間の第三種馬でありますが、これは、現行法上第三種局甲とされているものをそのまま継承いたしました。すなわち、総トン数十六百トン未満五百トン以上の非旅客船義務船舶局公衆通信業務を取り扱わなものであります。なお、現行法におきましては、第六十五条第六項に第三種局乙という種別を掲げておりますが、これは運用義務時間とは関係がなく、特にその必要がないと考えられますので、改正法案におきましては、その内容を規定するにとどめ、局種名称は用いないことといたしました。  以上のように船舶無線電信局種別ごと内容を改めたことによりまして、運用義務時間が従前に比し軽減されるものが出て参りますが、その結果、これらの船舶局におきましては、運用義務時間と結びつけて聴守義務時間が定められているものにつきましては、聴守義務時間が軽減され、また乗組通信士最小必要数も減少いたすこととなるわけであります。  改正の第二点は、前述の措置に伴いまして、通信長配置定めている第五十条及び聴守義務に関する第六十五条を改めまして、局種名称を用いないで規定するようにいたしたことでありますが、これは形式上の整備にとどまり、その実質について改正を加えたものではありません。  以上が改正法案提案理由及びその内容概略でありますが、慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
  4. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 本法案質疑は、都合によりまして、有線放送電話に関する法律案審議を終了しましてから行いたいと思います。
  5. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) それでは有線放送電話に関する法律案議題といたします。  これより質疑に入ります。
  6. 手島栄

    手島栄君 有線放送電話法律案につきまして、一、二大きな問題だけを質問したいと思います。  第一番は、第四条に許可基準がうたってありますが、その中でその一に「その住民が社会的経済的に相互に比較的緊密な関係を有し、かつ、その相互間における電話による連絡が不便となっている地域業務区域とする」という条項でありますが、その前段の方は「住民が社会的経済的に相互に比較的緊密な関係を有し」というのはまあ抽象論でありますが、その下の「相互間における電話による連絡が不便となっている地域」ということが、おそらく許可の際の一番はっきりした標準のもとになるのじゃないかと思います。電話連絡が不便だということは、具体的にいえばこういうことかという問題を、許可をする場合に一番先考えられなければならぬ問題だと思いますが、この点は法律で明らかでない。おそらく、しかし、許可されるまでには内規等によって相当はっきりしたものが、一般にうなずけるような標準が定まると思いますが、現在の段階におきましてお考えになっているのは、どういう点を標準とされるのか、一応承わっておきたいと思います。
  7. 松田英一

    政府委員松田英一君) お答え申し上げます。第四条第一号の許可基準の問題でございますが、その住民が社会的経済的に相互に比較的緊密な関係を有する地域と申しますのは、いわば農村共同体と申しましょうか、あるいは農山等共同社会といわばみなされるような地域というふうなことをこの含みとして考えておりまして、都市とみなされるような地域は、その業務区域の中に認めないという考えであります。それからお示しのございました「その相互間における電話による連絡が不便となっている地域」ということは、いろいろ考えられますけれども、その業務区域住民の大部分公社普通加入区域外に居住しておるというような地域は大体これに該当するのではないかと考えておりますが、電話による不便の度合いということにつきましては、まず電話普及度合いということによって判断されるのでありますけれども、なお電話に対する必要の程度とか、あるいは住民の密度とか、あるいは地況とかによりましてもいろいろと異なってくるものでありますので、その認定につきましては、これらの点を十分に考慮いたしますとともに、公社の行う公衆電気通信業務との関係をもよく考えまして、実情に適したような運営を行いたいというふうに考えておる次第であります。
  8. 手島栄

    手島栄君 その加入区域普通加入区域外のものというふうにすれば非常にはっきりした標準が出てくるのでありますが、今の説明の中で、公社電話状況とか、その他電話普及状態とかという話になりますと、非常にその区域標準というものがむずかしくなってくるのであります。実際お定めになるときには、電話連絡が不便だということは、相当はっきりした標準でおやりにならぬと許可がやりにくいのじゃないかと思いますが、今話が出ましたように、大部分普通加入区域外だということがお話にありましたが、一番はっきりした標準であろうと思いますが、大体それでおやりになるつもりですか。
  9. 松田英一

    政府委員松田英一君) 将来電話が非常に普及して参りまして、私ども理想的に考えているような状況になりました場合には、加入区域内には電話の不便な所はない、従って、加入区域外だけをそういうものとして考えていっていいというふうな事態がわれわれとしては望ましい事態だと思うのでございますけれども、現状におきましては、何分加入区域内でもいろいろな関係がございまして、まだ十分に電話普及していないという状況もございますので、その点はやはり現状に即して、今の段階としては、この基準を動かしていかねばならないだろうというふうに考えておる次第であります。
  10. 手島栄

    手島栄君 おそらく現在もうすでに有線放送仕事が始まっておりますので、現在のものが通話ができるようにしようと思えば、現在のものは電話加入区域内もあるし、外もあるし、それを現状のままで認めるとなれば非常にやりにくい点があると思いますが、少くとも将来の問題として許可をする場合には、何とかもう少しはっきりした標準でお定めにならぬと非常にお困りじゃないかと思うのです。大体この有線放送電話というのは、ほんとうは電話かどうか、私らは非常に疑問を持っておる。通信という以上は、特定人間通信秘密が保たれなければ通信でないのです。郵便にしても、信書の秘密ということが一番大きな問題であります。電信電話におきましても、特定人間通信というものは秘密が保たれるということが一番大きな通信の要件でありますが、これはほとんど通信秘密は保たれない。三十、四十という同じ状態の者がいつでも聞き得るような状態にあるということは、通信という言葉から見れば、不完全きわまるものでありますが、ただ自然的にここまでできたもので、これによって一般の人が不便ながら利益を受けておるという現状を合法的に認めようというのがこの法律案の趣旨でありますので、こういうものを広く認めるという考え方は、非常に危険じゃないかと思いますので、従来、すでに実施されておる有線放送地域におきまして、あるいは厳格にいえば、あなた方の持っておられる標準に当てはまらないようなものをある程度認めていくということはやむを得ないと思いますが、今後許可すべき新しい問題については、相当厳格な解釈をされた方がいいんじゃないか。非常に説明がしにくい点があると思いますので、それ以上は言いませんが、それだけを希望しておきます。  それからもう一つの問題は、有線電気通信法の一部を改正されまして、有線放送電話業務の用に供する設備公社または会社の設置する有線電気通信設備とは、相互に接続さしてはならない、これがまあ一つの大きな有線放送の限界でありまして、今ちょっと申し上げましたように、有線放送電話というものは完全な通信設備じゃないのです。従って、その区域内の人が不完全であっても仕方がない、自分たちはそれでいいという範囲内の人々に対しては、今度の法律でそれを合法化されるということでいいのですけれども、これを公社電話並びに国際電話線につなぐということになりますると、区域内の人ばかりでなくして、区域外の人はいわゆる不完全な通信というものと接続されて、非常な不便を感ずる問題が出てくるので、ここではっきりと、これらの公社その他のものとは連絡させないというふうにきめられたのは当然なことだと思います。ただ問題になってきますのは、この有線放送の問題が出ると、われわれは質問を受けるのですが、実際は公社電話とつないでおるところはあるのじゃないか、あるいは事実あるとかいうような問題がいろいろ言われておりますが、この点だけははっきりとこの法律によって禁ぜられておるように措置していただきたいと思いますが、さらば、現在の公社施設農山漁村に対して非常に完備しておるか、あるいは農山漁村がその公社電話を使用するために、経済的に許されるような状態になっておるかということにつきましては、やや疑問があるのであります。大体、通信とか交通とかいう仕事は、お客さんが非常に多い所で施設をすればもうかるのはさまっておるのでありまして、経営、経済的の面から、通信事業というものはややもすれば非常にたくさん人のおる、繁華な所にだけ発達をして、いなかの方はその施設が行き届かない、これはもうからないから自然にそういうふうになってくるのでありますが、公社はその性格から見ましても、もうかる所も、もうからない所も普及していただかなければならぬ義務があるのでありますが、おそらく今でもそういう点を見ますると、比較的いなかの方は便益が薄いという点は感じられるのであります。従いまして、この有線放送電話というような何らの計画もなしに、実際上、必要からこういうものが生まれてきたということを見ましても、相当公社としてもお考えにならなければならぬ点があるのではないかと思いますが、私はこの有線放送電話というものがいかに発達しても、公社電話とは接続されるときはないのではないかと思いますので、こういう点が、私とすればもっと遠距離通話ができるような希望も今までよりも熾烈になって参ると思いますが、公社はこの際、こういう問題にかんがみて、何か地方にもっと便利に、一般の現在の通信施設では多少不便であっても、もう少し電話普及するようなお考えお持ちになっておるかどうか、そういうお考えがありますれば、その一端をお漏らし願いたいと思います。
  11. 靱勉

    説明員(靱勉君) お答え申し上げます。ただいまの初めの方の問題で、今度の有線放送電話施設は、一般公衆電話にはつながない、これは今手島委員のおっしゃったような意味合いにおきまして、つなぐことができないわけでありますが、私どもそのままにしておく意思はございませんで、すでに予算等におきまして御説明申し上げましたように、無電話部落におきます公衆電話普及ということを考えております。これは三十二年度におきましても、全国の部落三千を対象といたしまして、公衆電話に約十三億の資金を投じまして整備する予定になっております。そういう地域におきまして、付近の地域その他必要な遠距離通信を行うには、だんだんと公衆電話を御利用願いますれば、目的がある程度達せられるのではないか、また公衆電話は簡単な委託形式でありますので、あるいは外部からかかってきたものに対する連絡等のこともできますので、この有線放送電話放送公衆施設につながらないからといって別に御不便はないというように考えております。  それが第一で、第二といたしまして、ただいま御質問の、公社のさらに農山漁村等におきまする電話施設整備について、なお考えていないかどうかという点でございますが、これは私ども、農山漁村におきまする電話整備につきましては、現在確かに御指摘のように、一般都会等に比べてみますと低位にございます。これは必ずしももうからないからやらないということではなかったのでありまして、何といいましても需要数というものが絶対に都会において多かった。年々三十万から四十万、この五カ年間、この五カ年計画を実施して参りましたが、毎年積み残しの壁は減っていかないというようなわが国電話需要状況であります。しかも、第二次五カ年計画におきまして、年々二十万以上の加入者創設計画を策定しておりますが、それでも加入者といたしましては、人口一〇〇に対して三・八になる程度ということで、なかなかわが国電話需要に十分応じていく態勢といたしましては、第一次五カ年計画現状では容易に、需要に対して三分の一程度、あるいはそれ弱しか応ぜられないという状況でございまして、地方におきまする電話施設のまだ普及していない点ははなはだ遺憾に存じておるわけでございます。しかしながら、相当もうすでに長い年限でありますし、農山漁村における産業の発達状況から見ますれば、電話施設整備ということは絶対的に必要なのでございますので、私ども在来やって参りました方向に加えまして、さらに団体加入というような一つ制度もこの際設けて実施していきたい、こういう考えで現在計画を立てている次第でございます。  そこで、加入区域外、これがまあ第一番に問題になるわけですが、区域外電話施設をどうしていくかと申しますと、私どもといたしましては、まず先ほど申しましたように、公衆電話のない集落と申しますか、約一万八千カ所あると私ども計算しておりますが、これには必ず最小一個の公衆電話をつける、それからさらに多数共同電話、これは在来もやって参っておりますが、加入区域から外にまたがる線条につきましては、それに加入される方々に共同負担を願う。従いまして、十共同であっても、あるいは一加入当り五万円程度あるいはそれ以上の負担を願う場合も長距離の場合ありますが、公衆電話施設は全部電柱線条公社負担において施設いたしますので、それを利用いたしまして、多数共同電話施設していきますと、そういう基本的な経費というものは必ずしも負担を願わないでできるということで、こういう多数共同電話制度をとっておりましても、なかなか普及しなかったのが、今度は相当経費が安くなりますので、そういうことで相当普及できるのではないか。  それからさらに、群集電話と申しまして、できるだけ線条を節約した方法をとる、あるいはもちろん相当需要の多い所におきましては、交換事務開始ということも積極的にやっていきたい、こういうような形でやっておりましたが、さらに、今申し上げました団体加入と申しますか、こういう新しい制度一つ本年度は試行してみたい、試みに行なってみたいという考えに立っております。この観念と申しますのは、やはりある地域におきまする集団的な加入増高に対しまして、まず原則としましては、これは多数共同である、従って、それ以外に交換事務開始等におきましては、これは公社におきまして、そこに交換局を設け、交換要員配置するわけでございますが、この交換設備はあるいは直営の場合、あるいは自営の場合・両方一つ考えていく、しかも、その交換サービス団体の側においてやっていただく、ちょうど申しますれば、都会等におきまして同一の構内におきまして多数の構内交換電話を持っている、百でも二百でも、いろいろと御案内のようにいわゆるPBXと申しますが、そういう観念で、あるいは時間の制限、あるいは交換上の作業というものをその団体においてお願いする、こういうことによりますと、要するに料金というものが非常に安くなる、すなわち低額の運用費というものを公社基準においてお支払い願う、しかも、それには、ただいま御審議対象になっておりまする有線放送電話につきましては、一定技術基準を持った——A規格B規格と分けておりますが、なるべくなら、当然あるいは将来相当長くとういうものを一ぺんやりますれば継続しなければなりませんから、電柱等におきましては、不注入柱は四、五年で腐る、注入柱にしますれば五倍くらいの寿命もある、長い計算においては絶対的に経済的であります。そういうようなわけで創設費は多少かかりますが、維持費は、現在有線放送電話におきまして負担しているのを若干上廻るというようなところを考えまして、そういう簡単な、しかも、団体の皆さんで運用していただくというような形をこの農村等においては考える必要があるというように現在考える次第であります。しかも、一定技術基準を持ちますので、これには交換局からその交換所まで公社公衆通信線を広げまして、市外通話でもできるというような形によりまして、有線放送電話より創設費相当高くなりますが、運営費等においてあまり負担が重くならぬというふうなことで農山村等の上電話普及考えたらどうかということを考えている次第であります。  その他加入区域内におきまして、今有線放送電話その他いろいろと有線放送電話発達し、また加入区域内でいながら、いわゆる無電話部落のような形態になっておりますが、これらにつきましては、今後相当加入電話の増設というものをやっていきたいということで、大体農山漁村対策としましては、本年度から第二次五カ年計画の終末、すなわち合計しまして六カ年間に百六十億程度資金を投じて整備いたしたい、さらに町村合併に伴う電話施設整備ということに関連いたしまして、地方におきまする電話整備拡充もはかりたい、これにつきましては非常に経費を要するのでございまして、大体十カ年間計画しましても、三百億というような非常な経費を要するわけでありますが、これも農山村の電話普及対策と直接関係あるものとして、町村合併に伴う電話施設整備拡充に対しましても、必要なる予算を求めまして、全体的に五カ年計画といたしましては、均衡のある電話普及をはかりたいという計画をただいま考えておるような次第であります。
  12. 手島栄

    手島栄君 大体公社の御意見もわかりましたが、従来のやり方は、たとえば、今例をあげますと、公衆電話公衆電話というものは一つのそういう設備があって、それを農村にも置いていくというやり方でありまして、従来の電話普及ということは、現在きまった施設地方にだんだん推し進めていくというのがやり方であったのでありますが、たまたま有線放送をもとにした電話というものは、公社考えもしないし、また企画もしないようなものが実際に発達してきた、それでこれをとにかく認めるということになったのでありまして、これを契機に、ただいま靱副総裁の話の中にもありましたが、農山漁村、そういうごくへんぴな所に現在公社が持っておる考え方の施設を広げるということはなかなかむずかしいのです。従って、多少今よりは通信の性質としては劣っておるが、しかし、経費も安くなるので、新しい考え方でそういう施設考えてみるということは非常な大きな進歩だと思いますが、また非常な危険も伴うのでありまして、今後の問題でありますから、今どうというわけでありませんが、一つ農山漁村という、経済力が非常に低い所に電話普及する以上は、質が落ちても、経費をうんと落すというような考え方の新しい方式をお考えになることは非常にけっこうなことだと思います。有線放送電話というような飛び離れた通信施設さえできるようになって参りましたので、この点を勘考されまして、新しい制度農山漁村普及するような努力を、この上ともやっていただきたいと思います。  なお、最後にもう一点だけ、今度有線放送電話施設に対しては法律ができまして、取締りをやらなければならぬ部分がずいぶん多くなって参りましたが、郵政省では、現在の定員その他でこれだけの仕事をやっていける自信がおありなのでしょうか、それをちょっと承わりたいと思う。
  13. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) ちょっと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  14. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 速記を始めて下さい。
  15. 松田英一

    政府委員松田英一君) 私どもの現在いる人間でこれに対する仕事がやれるかということでございますが、私どもといたしましては、このために確かに仕事は非常にふえて参るのでございますけれども、今後これの運用につきまして、現在の人間にできるだけ有効に働いてもらうことを考えまして、と申しますのは、大体この仕事につきましては、各地方電波監理局におきまして、第一次的な仕事をやってもらいます。本省でやって参りますのは、相当デリケートの関係にあるようなこと等につきまして、中央で処理するというふうな仕事やり方でやりたいと思っておりますので、そこら辺の運用を十分に能率的に考えまして、何とか仕事をやっていけるだろうというふうに考えておる次第でございます。  なお今後につきましては、もっと人も経費もお願いして、これの実際の運用というものを円滑にやっていけるような努力をして参りたいと考えております。
  16. 山田節男

    ○山田節男君 これは大臣のおられるときにやろうと思ったのですが、これはまた別にします。大体この法案を作ったときの郵政省の心がまえについて、若干質問いたしたいと思います。この法案について、さっき手島君も言われたようですが、従来の公衆通信役務という観念からすれば、これは全くの一つの革命なのです。単なる有線放送電話というような簡単な法律だけで済ませる問題ではないと思う。そこで、この法律ができた由来と申しますか、理由が、電話普及が遅々として進まない、しかしながら、通信業務の非常な要求が切実なものがある。いわゆる今日の有線放送電話というのは、必要が生んだ発明である。これを押えるというわけにいかない。ですから今日全国におきまして、すでに相当数のこういう有線放送電話というものができてしまって、これをいかにジャスティファイするか、妥当化するかという一種の基本的な法律案として出されたものだと思う。そこで、私は言うまでもなく、一般通信業務というものは、ことに電気通信というものは、最近におきまして電波、それから電子工学の飛躍的な発達によって、これは従来の通信概念ではやっていけない。現にドイツにおきましては、有線電話というものは古いのである。むしろ無線のテレファックスが非常に発達している。ですから将来の有線電話というものは無線化する、これはもう確信を持って言えることなんです。そういうふうな日進月歩、まことにとどまるところを知らない電気通信を、将来どういうふうに法律において規制をするか、しかも、国民のそういう必要に応じて、需要に適応していくか、これはほかの法律と違いまして、非常に変転きわまりない客観情勢から生まれつつある法律なんです。その一過程として、農山漁村において電話がなかなか普及しない、それを通信機器の発達によりまして、簡便であるが用を足すというのがどんどん出ている。そこにこの日本電電公社があり、国際電電株式会社があるがために、この国が与えている独占企業化と実際の必要というものは大きな矛盾がある。これをいかにジャスティファイするかということがこの法律です。大体この法律を見ると、そういう妥当化するために、これを一つの何といいますか、PBX的な放送という、そうして一行政単位の中で、一市町村の中で五百とか千とかというものがあれば、これが一つ共同加入をするものである、こういうような二つの概念で私はこの法律を作っておるのではないかと思う。そこで、私はこの法律提案した諸君の根本的な考えを聞きたいのでありますが、この法律内容を見ても、あくまで便宜的なものではない、公衆通信業務、役務というものがどんどん将来変ってくるのだ、こういうようなことを私は考えて、これは一応暫定的な法律である、根本法である公衆電気通信法なり、有線電気通信法ですか、こういうものもこれは根本的に変えなければならん、これは私はもう火を見るより明らかだろうと思う。そこで私、問題の将来として第一にお伺いしたいのは、これは電電公社は、放送法におけるNHKと同じなんです。いわゆる申請はあまねく普及しなければならぬ。それがためにNHKにおきましては、いわゆる難聴地域電話普及しない場所、設置し得ない場所、これは放送でいえば難聴地域である、その難聴地域の解消をやかましく言っておるわけです。ことに、本委員会はこのことに当ってやかましく言っておる。採算を無視してやれ、今日においてはラジオは九九・七%までいっている。電電公社は利害を顧みないで、あまねく電話普及する義務がある。それがゆえに独占権を与えておる。ところが、放送と違いまして、有線電話ということになれば莫大な施設が要る。しかしながら、電電公社の昨年度の予算を見ると、農山漁村に対してはわずか二億円の建設資金しか回さない、今年の予算において、かろうじて十五億ほど回しておるのです。これも、こういうものが長足の進歩をするために、刺激されてわずかに十五億の金を出している。そういう、電電公社とNHKの放送の場合と、独占企業としてはNHKも電電公社も同じなんです。事業の形態は違います。内容は違うけれども、精神の入れ方においては同じだと思う。そこで、電電公社も今年度において六百数十億の金を予算としているけれども、その中でわずか十五億しか農山漁村の不便な場所に設置する費用を割り当てておらない。そこで、私は郵政省に、この法律を作ったときにどういうことを考えているか、まず第一に、これはあくまで電電公社が責任をもってやるべきだ、あまねく電話普及するという義務があるという建前をかえていないだろうと思う。そうしますと、電電公社が今年度にわずか十五億しか計上してない、そこに私は何といいますか、電電公社として十五億、来年は三十億あるいは五十億というふうに、いわゆる外国でいう電話の未開設地に対して、当然来年度からの五カ年計画に対して、こういう事態が起きつつある。それに対して十五億や三十億では足りない、百億も二百億も使うのだという、いわゆる一つ電話計画がなければならぬ、そういうようなことについて、根本的な話し合いといいますか、協議を郵政省として電電公社とやったかどうか。ことに、企業形態は、先ほど申し上げたように、日進月歩、無線の時代です。それから後にまた質問しますが、一行政区域でもって通信の業務を制限するということは、通信の本質論からいえば、全くこれは私からいえば、あり得ないことである。特に私はお聞きするのですが、第一点として、今申し上げた電電公社の独占企業体としての、この通信の概念からの第二次五カ年計画のディヴェロップメントということについて、この法律から見て、一体どういうような協議をせられたか、心がまえをしているのか、この点一つ伺いたいと思う。
  17. 松田英一

    政府委員松田英一君) 日本の電気通信、たとえば電話の問題につきましては、電電公社がその公社たる性格を発揮して、日本全国にあまねく行き渡るようにしなければならないという点につきましては、まさに先生からお伺いしました通りであります。その点につきましては、私どもも電電公社に対しまして、いろいろと工夫もし、また努力もさせまして、できるだけの電話需要というものに合っていけるような態勢というものを早く作り上げたいという点においては、私どもも努力しているわけでございます。ただ、従来の実績からいたしますと、日本の電話需要というものは、非常に急速にふえて参りまして、公社が第一次五カ年計画というものを設定しまして、この第一次五カ年計画の完遂ということにつきましては、非常に努力を重ねました結果、大体において五カ年計画がほとんど、あるいは場合によっては、それを上回るという成績を示しておるにもかかわらず、実際に需要というものから見れば、まだなかなか追いつけないという状況に立ち至っておるのも御存じの通りでございます。そこで、こういう有線放送電話というものを認めざるを得ないような立場に現在ありますのは、私どもとしては、非常に残念には思いますけれども、しかし、現状といたしまして、この問題を何とか合法的に解決するという道をとらざるを得ませんし、また現にそういうふうにいたしましても、この有線放送電話と申しますのは、有線放送設備というものを利用して、いわばごく簡易に、しかも、その地方住民というものがお互いに、非常に電話としては不満足な状況だけれども、その地方の簡単な要望というものはこれで達し得る。しかも、有線放送が同時に行われることによって、その地域というものの経済的な、あるいは社会的な発達というものに対しても非常に寄与し得るというような便利なものとして生まれて参ったものですから、これはどうしてもその必要性というものから考えて認めていかなければならない。しかし、公社としては、もちろんこういった地方に対しても、もっと質のいい、りっぱな電話というものを、将来普及する義務というものは、これは確かにあるのでありまして、先ほど副総裁からも申し述べましたように、この方面に対する努力というものも、今後できるだけ力を入れてやっていくということを申し述べた通りでございます。ただ今後第二次五カ年計画等を公社として考えていかなければなりませんが、これもこの第二次五カ年計画というものが、できるだけ大幅に日本の需要というものに応じ得るような工合に努力して参りたいと思いますが、何分現在考えられます需要というものと、それから将来電電公社というものがこれに対して応じていくために必要な資金というものをどの点にマッチさせるかということは、もちろんこれから具体的に計画というものを処理して参りますときに問題になるわけでございますけれども、なかなか理想的な格好としては、まだこの次に考えられる第二次五カ年計画においても解決し得るというまでの自信は持ち得ないのじゃないだろうか。そこで、私どもといたしましては、とにかく現在生まれているこの事態というものは、一応この法律によって解決し、片一方は、少しでもよけいの資金をとれるように、よけいの施設ができるようにということで、日本全体の都市もあるいは農村も、お互いに比較的均衡のとれたような発達という格好を第二次五カ年計画遂行後においては期し得る、こういう状況に持っていけるような努力というものを続けたいというふうに考えております。
  18. 山田節男

    ○山田節男君 私がもう一つ質問したことについてのお答えがないのですが、私が申し上げたことは、先ほど申し上げましたように、この電話普及義務を法によって負わされているわけですね。で、大体この狭い日本の四つの島ですから、電電公社として電話を敷設することによってもうペイしない。ペイしないのみならず、非常な損害負担になるという個所と、それから今日のこの情勢からいえば、NHKが経費を度外視して難聴地区の解消に努めておる事実から見れば、相当電話局は金をもうけている。この金の何%かを、比較的これは負担にはなるけれども、ペイはなかなか直ちにはしなくても、やはり電電公社としてしなければならないという見地から、電電公社は昨年あたり努力して、二十万くらいしか電話の増加ができない。これはカリフォルニアの電話会社の一年の増加と同じくらいなものです。少し少いくらいです。ですからやはりこれは国家が援助しても、こういったようなきわめて不完全なものを早く直さなければならない。これは私はこの中で比較的公社のやり得るようなものはどの地点という、四つの島に対して大体このポイントというものはわかっているのに違いないと思う。ですから、いろいろこの電電公社電話のディヴェロプメントをどうするのだという一つのポイントがあれば、それに基いてやる。そうでないと、これが将来も無政府的にあっちこっちできてしまって非常に困ってしまったときになってそういうことを考えてもおそいのです。今のうちに電電公社公社として一つのポイントを作っておく、これは私はしろうとであるから、こんなことを申し上げるのは口幅ったいかもしれないけれども、何も今日は童話を有線ばかりでつなぐのじゃないのだ、現にアメリカのごときは、山村僻村に行けば、もう都市からそこのまとまった一つ部落なら部落に対しては無線中継してそこで電話をつなぐ、これは現にもうやっているのです。ですから、昔の電話架設は費用が要ったというのと今日とは意味が違うと思うのです。ですから、そういうことから推して、私は公社として無軌道にと言っちゃなんだが、ともかく郵政大臣の許可条件に合うものは皆許すのだというようなことにしておる。これは五年たって、いろいろ公社として全国的に統制するということを考えた場合に、やたらにできてしまったあとではこれはしようがないですから、郵政省としては、将来を考えれば、公社に対して、難聴地区を解消すると同じような一つの企画を作らして、その上でこの法律の適用する区域というものをあらかじめきめなければならない。そうしないから今言われたように、第四条の第一号に「社会的経済的に相互に比較的緊密な関係を有し、」とあるが、これはもう常識的に見ても、行政地域外の港である、あるいは町であるというものが、社会的にも経済的にも非常な緊密な関係を持っている。実際の行政単位と社会経済の結びつきというものが現実的には必ずしも一致しないところがある。そこに市町村合併についても一つの問題がある。ですから、こういうような許可条件の中に、行政地域一つの単位とするというような、そういう狭苦しい考え方でなく、もっと公社というものは、全国的にこれを管理させなければいけないという腹があるのか。私は、第二次五カ年計画が始まるのですから、こういう趨勢にかんがみて、一つの企画がなくてはいかぬ。それから私は電電公社の現場を一つ一つ回ったわけではないが、こういう法律を出すについては、電電公社の職員の諸君、これはトップの人は知らぬけれども、非常な嫉妬心を持っている。ジェラシーを持っている。悪くいえばこれは官僚的な傾向が出てくるという、こういうことがどんどんできてしまうということは、コネクションというものはこれは業務的にもうまくいかない。私はこれは決して杞憂ではない。あくまでこれは法に定めた公衆通信というものは電電公社が独占でやるべきである。この建前は私は変えてはいかぬと思う。ことに、私は社会党の立場からいえば、絶対に変えてはいかぬと思う。これは便宜的にやるとすれば、あくまで電電公社が将来の電話のディヴェロプメントをどうするか、これをきめた上でこの法律考えていくべきだ。逆になっておると思うのですが、そうしたことに何か理由があるのですか。電電公社から了解があっかたどうか、この点を一つ伺いたい。
  19. 松田英一

    政府委員松田英一君) この有線放送電話に関する法律は、確かにお説のように一般電話についての考えからすれば例外的な考えで作っておるわけです。で、もちろん形態といたしましても、基本法としての有線電気通信法という考えは変えませんけれども、それについての一つの特殊な場合についての規制の仕方としてこの法律を作りまして、従いまして、いろいろ基本的な面については、やはり有線電気通信法というものによっているということになっておるわけでございます。そこで、この問題を、今の公社に対する態度というものをもっと具体化する前に、どうしてこの法律を作らねばならなかったかという点につきましては、この点は、もちろん私どもも、現在すぐ公社というものがもっと農村に対する電話というもの、まあ電話というよりもある意味でいえば、もっと広い意味での電気通信施設というものを直ちに需要に応じ得られるようにすうっと作れるという状況であれば、こういうものを必ずしも作る必要もなかったかと思うのでございますけれども、現実の問題といたしまして、なかなか今すぐにはその点はできない。そこで、一応この法律を作りまして、しかも、この法律もあくまでも例外的に、従って、公社がやりますような完全な電話というものと別の形態のものを認めていくという考えではございませんで、有線放送というものとくっつき合ったまあ簡単な、非常に不満足な状態電話で、それでも、しかし、その地方の極限された要望には応じ得るし、また非常に役にも立つ、ただその限度のものならこれを認めてもいいのじゃないか。そうしておきながら、別途公社に対しましては、極力電話についての整備というものをいたさせまして、現実に、今後の動きの場合におきましては、公社施設というものの整備ができてくれば、その方がよりその地方の人たちの利益に合うのだという状況になれば、このところは話し合いによりまして、一つ公社電話というものをお使いになっていったらどうかということで、現実に、またその地方住民も、このような不満足な状態のもとでは公社電話の方が非常に工合がいいのだということになれば、その方に自然ついていくという状況にもまたなるのではないかというようにも考える次第でございます。ただ、しばらくの問題といたしますれば、この施設は非常に経済的に安くもできますし、また先ほど申し上げましたような有線放送と結びついたという点に利用価値があるものですから、今のところ、そういったことを考え得るから、この状況を否定する、当分先に公社施設というものが拡充されてくるので、この要望というものは、待っていなさいということは言えないと思いますので、例外的にこの法律を作るという措置を講ずるというふうに考えている次第でございます。
  20. 山田節男

    ○山田節男君 今の問題に関して電電公社の靱君に聞きたいのですが、私はこの法律が出たということは、一面においては電電公社、これはまあ法的の規制もあろうし、また資金の制約もあるから、また戦後の復旧が非常に忙しかったために電話需要に応じ切れない、この間の事情はよくわかっておりますが、しかし、これは二面からいえば、こういう法律が出たということは、電電公社に対する一つの不信任というか、電電公社のやっていることが、これじゃなかなか一般需要にミートしないから、やむなく必要からこういうものが起ってくるのだ、私はそうとる。ですから、私が先ほど松田君に御質問したように、あくまで電電公社というものが電話普及に対して大きな責任を持っている、それがために独占企業であるということになれば、少くとも来年度から始まる第二次五カ年計画において、NHKが採算を顧みないで改築した、こういう任務は電電公社にもあると思うのです。そうすれば、やはり電電公社としては、少くとも来年度において、こういう情勢下において将来、これも秩序を立てる法律ですけれども、そうではない、公社として電話料金の秩序を立てるような私は企画がなくちゃいかぬと思う。これはもうあなたも外国へ行かれたのだし、ことに、アメリカのような、あの未開発地区から電話を作る経過を見ると、今日におきましても非常にこの人家の少い所でも、すでに十年先を見越して電話のディヴェロップを計画しているわけです。先ほど公衆電話一万八千そういう不便な所に架設するとおっしゃったけれども、もっと私は根本的な考えが必要じゃないかと思うのですが、今の松田監理官からお答えのない分について、公社は来年度において、こういう法律が出る事態にかんがみて、どういう企画をせんとしているか、もし企画があれば、概略でよろしゅうございますから御説明を願いたいと思います。
  21. 靱勉

    説明員(靱勉君) お答え申し上げます。先ほど手島先生の御質問に関連いたしまして簡単に御説明いたしたのでございますが、単に公衆電話を一万八千程度作るということではございませんで、大体農山漁村電話対策といたしましては、区域外、要するに電話加入区域になっていない所と、区域内と分けて考えておりますが、区域外におきましては、そのほかに加入電話を七万二千個つけるというような計画でございまして、この公衆電話で約七十八億、加入電話で六十一億というものを六カ年間で考えている次第でございます。さらに加入区域内としましては、現在区域内でありながら、なかなか電話がつかぬということで、ただいま御審議対象になっている有線放送電話加入区域内まで入ってきている、こういうような事態もあるのでございまして、先ほど百五十億程度と申し上げました以外に、加入区域内の電話普及対策といたしましては、大体第二次五カ年計画におきまして、新規申し込みの八割には応ぜられる。八割に応ずるということは、要するに一年以上申し込んで延びないということでございまして、まあ現状を申し上げますと、はなはだ遺憾でございますが、現在三割程度ということになりますと、三年間かかるという逆計算ができるのでございますが、第二次五カ年計画ができますと、普及率も現在の倍以上になります。これは農山漁村等における加入区域内を今申し上げておりますが、八割程度新規の加入申し込みに対しては年々消化する、こういう計画を持っております。それ以外に市外通話制度、ただいま電気通信発達から見て、行政区域考えるのはおかしいという御指摘でございますが、私どもサービスには、もちろん行政区域の撤廃、そういうものを境界を考えないで、これがほとんど即時につながるように、現在依然として、やはり割合近接した農山漁村相互間の通話におきましても、三時間、四時間とかかっておりますが、こういうものをできるだけ準即時的なサービスに変えていきたい、これは第二次五カ年計画におきまする計画内容である、さように考えております。  さらに、先ほど申し上げました町村合併の三百個と申しますのは、ほんとうに町村合併そのものによって、やむを得ずと申しますか、それ自体として解決するの三百個でありまして、基本計画におきましては、年々私ども六百個から今度七百仙台を五カ年閥毎年計画していかなければならぬと思っておりますが、これは都会におきましても、なお現在、もう一歩郊外等に入りますと、非常な電話の積滞がある。また地方中都市等におきましても、一個も電話がつかないというのは、これは予算のときも御説明申し上げましたが、三十二年度末におきましても相当、五百加入以上の大局でございますが、公社面営の分におきましても、三百近く一個もつかない電話局ができた。三十二年度におきまして、今年度の予算におきましては、百二十数局の新設電話局を作りますが、これは大都会だけでなく、地方等にも相当新しい局を建てるわけでございます。  なお計画としましては、相当やはりこれは自動化の傾向になっておりまして、割合に農村に近い所まで新規のもので自動化の問題が生じて参ります。これはやはりサービスの改善、要するに行政区域等の境界を離れて迅速なる相互連絡を要するような所で、経済的な通信連絡をするためには自動化の要請も出てくる。あるいは農村等において無人電話局小自動というようなことも考えて参らなければなりませんので、先ほど御説明申し上げました団体加入電話につきましても、企画はAとBと分けまして、手島先生も御指摘の、そう経費がかかったんでは、これは五年、十年と待たせるということでは、とうてい、農村、漁村等における利益にこたえられないということで、やむを得ず規格も落して参りましたが、それが将来禍根にならないように、その設置地域等につきましては、技術の進歩を組み合せました五カ年計画の本体計画とあわせまして、そこに矛盾のないような技術的な設計あるいは計画考えていきたい、こういうふうに考えておる次第であります。  また先生の御指摘のように、無線を長距離については使ってはどうかということにつきましては、私どもも無電話部落、あるいは無線電話等につきましては、当然簡易なる無線電話を利用するという計画で、すでに前年度からもそういう計画で実施しておるような次第であります。そこで、有線放送電話法律ができたことは、電電公社としても非常に恥しいじゃないかという御指摘でございますが、まさに独占企業としまして、公衆通信業務を担当いたしておりまする公社としては、はなはだ申しわけない次第に存じております。しかしながら、先ほど御説明申し上げましたように、第二次五カ年計画が完成されたときにおきましても、わが国電話の総平均の普及率というものは、百人について加入数で申しますと三・八で、四になりません、そういう状況でございます。そういう状態になりました場合、私ども幾ら電話普及理想を持ちましても、現に有線放送電話普及しておる所におきましては、ある部落におきましては九〇%、あるいは九五%の普及率と、各戸に行っている。しかも、その発展というものがまあ主として放送、あるいは部落内の連絡、告知ということを原則としまして、非常に簡単な設備で、しかも鉄線等、あるいは場合によっては単線を使われてやっておった、そういうのでほとんど各戸に行くと、これに完全に公衆通信をやるということは、けだし、これはまあはなはだ情ない話ですが、まあ各国の例から見ましても、ここ五十年たってそうなるだろう、これはまあ山田先生の御指摘のように、通信技術の飛躍的発展ということを考えまして、もっと経費が楽で、しかも、各戸で利用できるような新しい技術の出現というものに期待すれば別でございますが、まあ現在のところ、なかなかそういう事態にならぬ。そこでやむを得ずほんとうに部落相互間の連絡用として、きわめてまあ低い規格の有線放送電話も、郵政監督機関、政府としましてはある程度認めていかにゃならぬと、現実の事態考えられたということであります。私どもも、そうかといいまして、これをそのままにして、公社はただ都会だけやっていればいいんだと、そういう考えは毛頭ありませんし、また収支の関係につきましても、あくまで公共企業体といたしまして、収入益というものは全部ほとんど投資に用いて、新たな設備の改善、整備ということにやっておりますから、第二次五カ年計画は、いずれ詳細御説明を申し上げる機会が得られるかと存じますが、その際におきまして、全国的な均衡、わが国技術の発展の動向というものを御指摘のように頭に入れて——まあもちろん完全ではない点もございますが、その点は十分考えていきたいということでございます。
  22. 山田節男

    ○山田節男君 もう一つ、この法律がまあその法制的に有線放送電話というものができることになれば、この自治庁あるいは農林省の奨励、それからさらにそれ以外の団体で本続々施設を進めてくることと思います。そうしますと、これは私、きわめてまあ悲観的な想像でありますけれども、おそらく五年もしたらば、こういう放送電話がおそらく百万近くになるんじゃないか、今日すでに二十万足らずのものと思いますが、それでも全国のいわゆる有線放送電話の連合会があるんです。これがさらに五十万、百万、あるいは百五十万というふうになった場合、こういう電話の利用者あるいは経営体というもの、全国的な団体相当強力になってきた場合、これは私は公衆通信というものを厳格に規制していくときには、相当私は考えなくちゃいかぬのじゃないか、この放送法で民間放送というものを辞している。まだ満四年有余にしかなりませんけれども、今日テレビジョンのチャンネル割り当てについても、まことに困った事態ができている。しかも、この放送というものが商業放送と公共放送と対立するのみならず、民間放送一つの、何といいますか、商業主義に徹して一つの大きな企業体になってくると、これはもう国民の経済からいって、あるいは国民の教養という面においても、全く今マンモスのような存在になってきている。そういうものと、この有線放送電話団体とは全くこれは性質が違いますが、少くとも百万をこえるような全国にこういう施設の利用者ができた場合、一体これをどういうふうに規制するか、これは私は特に日本のような国におきましては、事前にこれは考えておかなければいかぬと思う。事業の経営だけでやって、連合会とかいうもののことはもちろん考えていないし、そうしてこれは一面においては、ある所ではこれをもう政府で買い上げてくれと、公社で買い上げてくれという所ができるかもしれぬが、あるいはこういう法律の第四条に書いているような、一市町村同一行政地区ではいかぬと、これを伸ばしてくれ、こういうような所も出てくる。そのうちには日本の科学においても、この電気通信の機器が発達して通信技術が発達してきて、もうこんなものを電線を張る必要はないのだと、なくてもできるという事態が三年か五年の後にできた場合に、こういう法律があるために、むしろ公衆通信の本質を撹乱してしまって無統制なものになるのじゃないか、無政府的なものになるのじゃないか、こういう私は危惧を持つのです。ですから、こういったような法律を作る場合においては、これは国民経済に関することであり、あるいは経済、文化に関することでありますから、自然発生的に放置していることは無責任です。つまり私はこれはやはり国の問題として考えて、先ほど申し上げましたように、公社はどの分野まで受け持つか、将来はどの地点は電話発達計画を実現するかということを、これは郵政省としては電電公社に立てさして、そうして農林省、自治庁の無規格な、ただやりさえすればいいのだというようなことに対して、これは郵政省としては一つのそこに規格を、国家的な基準を示して、そうしてまあ規制といいますか、そういうようなことを私は当然すべきものじゃないかと思うのです。これは、郵政大臣がおられませんから、ここにほかの郵政監理官として、あなたにこれは希望になりますけれども、これは必ず将来大きな問題を包蔵していると思うのです。ですから、そういう観点から今電電公社が第二次の五カ年計画を立てる場合においては、これは幾多の問題がありましょうけれども、こういうやはり国民の利便ということを考えれば、必然的にこういう事態が発生すべき運命にあると、これを公社が全然手を離れた、まあ統制のつかないものとしておけば、これまたわれわれとして軽視できない。公衆通信の行政から見てですね、大きな問題を起すのじゃないかというぐらいに私は考えて、以上のような質問をしたのです。これは先ほど靱副総裁から、第二次五カ年計画相当考えを持っておりますということを言われたが、われわれが今日当面している問題は、町村合併をいたしました後の電話の統合問題です。今言われたように数百億の金が要るのであって、これ上も緊急の問題、まあその他自動化にしても、アメリカ、スエーデンのごときは九〇%は自動化しているのに、日本においては五〇%をわずかにこえたぐらいしか実現してないのです。これでは文明国の電話ではありません。それを自動化するということにおいても、資金が非常にかかります。今日大蔵省の資金部からの融資も非常に制限されておる。これをたとえワクを拡大しても、私は今のこの有線放送電話の規制を受けないで、先ほど手島委員からも言われましたが、安かろう悪かろうというものを奨励するということは、国家的見地から見れば有益ではないと私は思う。そこにやはり公社が責任を持ったものをより拡大するということが、国策としてもいいのじゃないかというので、私は今のような御質問を申し上げたのです。で、この法律を通す通さぬは、今後の本委員会審議によりますが、私はこれに付随した、根本的にわれわれが考えなくちゃならぬ問題があると思うのです。今私の質問の趣旨からいえば、こいねがわくば、第二次五カ年計画に、この事態にまず即応した企画がどの程度にいけるか、これはわれわれが努力することによって何とかなると思います。政府資金部よりの融資は政府が手を出すべきです。その方が自治庁とか農林省から金を出すよりも、結局効果的である、かように私は考えますので、この法案とは別個に今後電電公社が単なる公衆電話共同加入施設を若干ふやすのじゃなくて、今後至急もっと簡単なものでよろしゅうございますから、根幹的なものだけを一つ協議立案されて、われわれに一つお示しを願いたいということを強く希望して、松田監理官に対する質問を私は終ります。
  23. 鈴木強

    ○鈴木強君 私も法律案内容を見ましたが、ほんとうに政府や公社が現在の無電話部落の解消なり、あるいは町村合併に伴う電話の統合なりについて本腰を入れておるということが考えられておるならば、私もその質問をやめておこうと思ったのですが、本法律案をここで審議するに当って、きわめて重要な問題でありますから、大臣がおらないことは非常に残念ですが、先に関連質問でやりたいと思いましたが、ここではっきり考え方を聞いておきたいと思います。  私は、松田監理官がこの法律案提案するに際して、今後の農山漁村の問題についての考え方をきわめて重要視しておったのですが、お述べになりましたその考え方は、非常に機械的に、ほんとうにやろうという気持がないように思うのです。私の言いたいのは、終戦直後からの電信電話の再建ということはきわめて重要な問題で、都市といわず農村といわず、そういう点は同じだと思うのです。ただ逓信省から電通省になり、さらに公共企業体に変ってきた今日、国のこの電気通信事業に対する考え方というものは非常に私は不熱心だと思うのです。日本の経済、文化すべての中心になる事業ですから、政府がもっと本腰を入れてくれればもう少し早く、もっといいサービスも、事業の拡充もできると思うのですが、御承知のように、今の電電公社法にも欠陥があると思いますが、現在の公社になりましても、公社経営者の総裁以下全く禁治産者みたいになって、すべて政府の制約の中でやられているということが大きな原因なのです。ですから、第一次五カ年計画を立てて、毎年度における農村電話普及、あるいは町村合併等が起きてからの問題等についても、公社当局は相当な熱意を持って、私はとかく都会中心だといわれる電話をまず農村の方面に普及していこうという考え方があると思うのです。現に三十二年度の予算を見ても、無電話部落の解消に対して二十五億の要求をしておるのにかかわらず、これを十五億に削られてしまっておる。さらにまた、町村合併にしても三十億の予算に対して二十億、こういうようにやろうとする熱意を全部阻害してしまうところに大きな問題があると思うのです。ですから私は、従来ある有線放送というものは、有線電気通信法の第二条第二項に基いて、有線電話設備の項を受けて、この有線電話業務に関する特例という法律ができて、それに基いてやっていると思うのです。ですから本来の使命は、電話をやるということでなしに、電話によって放送するという趣旨で作らせたわけです。それをどんどん認可して、許可してでき上ってきた。だが、要するに公衆電気通信法にあるように、あまねく公平にやるんだという趣旨からいって、とかく農村自体がおくれておった。だから電話を敷いてくれと言ってもなかなか敷いてくれぬものだから、ちょうどでき上った有線放送を便利だから業者が使っておるのですよ。その現象が今ここに現われてきたのですから、私はどうしても農村や、あるいは町村合併に伴う統合の問題を資金的にももう少し政府が金を出してくれなければ困る、そうしなければこれはいつまでたっても解決のできない問題だと思うのです。やむを得ずこんな事態が起った。私生児ができてしまったものを殺すわけにはいかない。今回この法案を作る、これは私たち賛成なのです。だがしかし、それをやるには、私たちは条件があるのです。将来第二次五ヶ年計画を策定する場合には——ほんとうに農村の無電話解消をやろうという意欲に燃えている政府が、今日公社が要求する予算を削るとはおかしい。だからそういう点は少くとも政府機関である、しかも、監理官しかここにおらないのですが、あなた方が体当りしても、とにかくこの私生児を生んだものに対して、できるだけそういうものをなくして本来の公社設備をしたいというので、公衆電気通信法の趣旨に国民が触れて恩恵に浴するのだという考え方をはっきり持ってくれなければ、私たちは残念ですが、この法案に反対せざるを得ない。あなたがさっき御答弁したように、まあこれはこれでやって将来何とかといったような、そういう消極的な態度であれば、これはわれわれ断固として反対せざるを得ない。そういう点で私たちはもっと熱意を持って政府当局が無電話部落の解消、農山漁村の無電話部落の解消というものに対して政府が熱意を持ってくれるという確言がなければ困るのです。ですから、あなたに答弁を要求しても無理かと思うのですが、どうも聞いていると少し甘っちょろいから、そうでなしに、本腰を入れてやってもらわなければ困るということを私は考えておったのです。いずれまた大臣が来てからこの点は申し上げますが、そういう考え方を実は私は持っている。それでこれはあとから大臣に答弁を聞きます。  次に、この法案を見ますと、いろいろの問題点があるようですが、特に手島先生が質問をされて松田監理官が答弁をなさった中に、現在普通加入区域と特別加入区域とあります。しかるに、法案の第七条を見ますと、その点がきわめて不明確になっているので、もう一回私ははっきり質問をしておきたいのですが、まずその前提として、今日私生児が生まれているこの有線放送電話設備の中で、普通加入区域と特別加入区域と、こうまたがっている所があると思うのです。そういうのは幾つぐらいあるのか、それを一つ知らしてもらいたい。
  24. 松田英一

    政府委員松田英一君) 現在あります施設の中で、大体それを加入者と申しますか、利用者と申しますか、そういう見地から考えてみますと、大体半分ぐらいが区域内、半分ぐらいが区域外というところでないかと思います。
  25. 鈴木強

    ○鈴木強君 そうしますと、非常に今後問題が私は起きてくると思うのです。前段で私が意見がましいことを申し上げたのですが、少くとも普通加入区域として今公社が設定をしているものの基準ですね、区域内における電話というものは大体これは普通特定局ですか、特定郵便局の電話の委託で大体やり得る範囲をきめているわけですね。区域外というのは、これは当然距離が遠くなりますね。ですから、あなたの答弁ではどうもその点が不明確なんですが、私たちは、少くともこの法律を作って今後やる場合には、もう区域外はこういうものを認めてもいいのであって、区域内においてはこれは認めないのだと、それは要するに先に言った公社の正常な形の電話を提供していくのだ、またそれをやり得る余地があると思うのですよ、現実に。ですから今までにできたものは、これは殺すわけにいかぬでしょうから、郵政大臣なり何なりが、やむを得ざるものとして事後承認を与えるとして、今後は少くもやる場合においては、区域外であるということをはっきりとしなければ困ると思うのですが、この点に対しての明確な答弁を一つ聞いておきたい。
  26. 松田英一

    政府委員松田英一君) その点は、先ほども御答弁申し上げましたように、将来公社電話というものが、私どもも大いにこれに対して力を入れなければならないのは、ただいま鈴木先生の言われました通りでありまして、私ども大いに努力するつもりでございますが、現実の問題として、将来そういった事態ができてきたという場合には、確かにお説のような行き方をとっていっていいかと思うのでございますけれども、何分現在のところ、あるいは将来第二次五カ年計画についても、さっき副総裁が御説明申し上げましたように、まだわれわれとしてはなかなか満足できるという状況にまですぐに持っていけないという状況が予測せられますので、そういった場合におきましては、今鈴木先生の言われましたような工合に、それをここではっきりと、今後はもうそうやっていくのだというふうにまではやはり行きかねるので、現実というものに即して、区域内の問題についても、やはり不便な状態がある場合には、許可せざるを得ないということで参らなければならないのじゃないかと考えております。
  27. 鈴木強

    ○鈴木強君 これはまあ意見は申しませんが、そうすると、原則としてという言葉をかりに使うと、原則として、区域外であって、この普通加入区域内のやつは、これはそのときの実情で適当に考えていくのだ、こういうふうに言われておるのですか。それとも原則も何もないということですか、その点を明確にしていただきたい。
  28. 松田英一

    政府委員松田英一君) まあ原則としてという言葉は、こればいろいろな意味を持つわけでございますけれども、私どもとしては、そういう状態が望ましいには違いないけれども、現実の問題としては、やはりいろいろな実情によりまして実情に即したような工合に不便な地域というものを考えて参りたいと思います。
  29. 横川正市

    横川正市君 この法律の第七条、第八条、それから十一条に関連して相当重い罰則規定が設けられておるのです。私はこの法律が作られたのは、農村需要に従って、逐次普及されてきた現状というものにマッチさせた法律ということに理解しておるわけです。そうすると、有線放送設備が持っております将来の発展性というものは、町村行政に対する住民の理解と協力の問題とか、政治意識の高揚の問題とか、あるいは農業技術指導の問題、あるいは農協事業の振興の問題、中小学校教育の向上に関する問題、防犯治安対策の問題、さらには各種団体の組織強化その他向上の問題、あるいは自主番組によるところの住民の融和というふうに持っておりますいわゆる利用の内容というものが、非常に広範なもので計画されている、こういうふうになりますと、現状を、いわゆる現状というのは、簡単な機器を備えて一方的放送が行われる程度のものであるというように理解をされて作られた法律であり、それを逸脱する場合の罰則である、こういうふうに理解をしなければならぬと思う。ところが、実際に機器の業者の現状を見てみますと、もう公衆用電話と何ら変らないくらいの機能しかないものがあり、しかも、第八条では「もっぱら通話の用に供するための線路を設置してはならない。」ということがあるけれども、機器の発達に伴ってその危険性が非常に大きいということは、これは私は言いかえれば、犯罪を犯したくないというふうに思っているものに対して、この法律は、犯罪ですよということをワクをはめて行わしめる、こういう結果にならないかというふうに思うのです。もしもほんとうに電電公社電話敷設その他が現状なおかつ不備な点があり、不満足な点があり、それを補うための末端の電話であるとするならば、罰則その他を設けないで、相当程度普及に貢献する程度有線放送電話に関する法律というものが必要であったんではないかという、私はそういう点を考えるのですが、その点をどう考えておられるか、お聞きしたい。
  30. 松田英一

    政府委員松田英一君) この規定のただいま言われました罰則の問題につきましては、実はその基本規定となっておりますたとえば第七条の問題にいたしましても、あるいは第八条の問題にいたしましても、さらには第十一条の問題にいたしましても、大体私どもといたしましては、この許可という制度をとりました関係上、当然法律的にその許可の条件、あるいは許可というものについての運営というものから考えまして、法律的に必然的に伴わなければならないというような事柄だけをここに規定しているわけであります。たとえば契約約款届出にいたしましても、これは営利を目的にしてはならないというようなことを許可基準に書いてございます。そういうものが実際にどのように行われているかということのためには、やはり契約約款というものを届出してもらわなければならない。それからこの有線放送電話の本質というものから考えまして、当然通話だけのものというものは、有線放送設備を利用してやるという建前のものから、その点でこの程度許可というものを私どもは認めていこうとしておるわけでございますから、根本的にその趣旨からはずれてしまうというふうな問題、あるいはそのほかの報告等に関しましても、この法律を施行するに必要な限度においての報告、知ってもらうということ、これは実情というものを、やはり私どもが今後この法律運用して参ります場合に、知らなければならないものですから、その意味で作ってある規定でございますので、そういうものに伴った罰則というものは、いわば法律的にやはり届出なり、あるいは報告なりというものがとれるということにした以上は、それに違反した場合の罰則というものは、これはどの法律にもきまってある規定でございまして、それについておりまして、罰則というものも、それ以上に出るものではございません。従いまして、私どもはただそういう監督というものを非常に厳重にしようというふうな考えでやっているのではございませんで、ただこの法律で予定されている許可というものを動かしていくについては、またこの法律で予定されている限度の有線放送電話というもの、それの運用が円滑にはかられていくということを確保するという意味においての規定があるだけでございますので、それ以上に、そこまで押えつけるというふうな意味の考えはないということを申し上げておきます。
  31. 横川正市

    横川正市君 先般、私たちは神奈川県下の有線放送設備を見に行ったわけなんですが、ここでは農協の中に、いわば今特定同等で使われております磁石式の交換台と同一のものを備えつけて、そうして三百乃至五百の加入者に対して交換料ももらっておる。農協に入っている線がたとえば二本か三本あった場合に、交換機の接続によっては、地方との話し合いもこれはできるような状態にまで改善されている。個々の加入者の家庭にかかっておりますあの設備を見ますと、これは一方的放送ではなしに、受話器をはずすことによって個々の話し合いができる、こういうふうに機器の内容が簡単なものから複雑なものに変り、しかも、それは電信法に触れるようなことが公然と行われている、こういう事態に備えて、私はこの放送法というものが当然な形で作られたのじゃないかと思うので、ただ一般農村で使われておりますように、農協に放送設備だけがあって、そうしていわゆるスピーカーだけを備えて放送を聞くという設備の場合とは、これはもうおよそその内容というものを異にしておったと思う。そうなってくると、いわば私はこういう有線放送電話法案というものを作られた趣旨というのは、低位に置いておいて、それを発展させないで、そのためには逐次電電公社設備を強化していって、もっとも放送設備としてはいわゆる前世紀的なものをそのままに置くために、またその反対的なものとしては僻地電話はどんどん発達さして、そうして僻地電話その他の発達でその通話をさせる。そうして現在の簡単な放送は、放送だけにとどめると、こういうような二面のものがあってしかるべきだと思う。そうでなければ、逐次現在の簡単なスピーカーは精巧化されて、通話の方に発展していくんじゃないか、こういうふうに思うわけです。そこで、今度の法律の制定は一体どこをねらって作られたのか、実はその点がはっきりしないわけです。しかも、罰則規定を持っているわけですから、これは相当程度運用その他について注意しないと、全く何でもないものが罪を負うという結果になるんじゃないかと、私はこういうふうに思うので、その点をお聞きしたいと思うのです。
  32. 松田英一

    政府委員松田英一君) 現在この法律で認められております有線放送だけを行うもの、これは私どもこの法律によって何も変える意向はございませんので、従って、有線放送だけを行なっているものは従来とちっとも変らない。そこで、有線放送設備というものを利用して有線放送をやっておるけれども、同時にその有線放送設備を利用して簡単な電話をやっているというものが最近非常にふえて参ったのであります。これは有線放送設備を利用する簡単な電話だと言うものの、やはり電話的性質を持っている。そこで、その電話的性質から考えれば、これは若干法律的にも問題があるので、それで現在の法律から考えてこれを許可制にして認めていこうと、こう考えてこの法律を作ったわけであります。その場合におきまして、私どもはあくまでその地方実情というもの、あるいは地方の要望というものを考えましてなるべく安く、その地方だけの要望に沿うというふうなもの、その要望に応ずるという建前でおりますので、これに対しましては、やかましい基準というふうなものをあまり作りませんで、ただ必要な限度においての許可というものを行なって、その許可運営を行なっていく限度についての必要な規定というものを設けているだけでございます。さらにこれがもっと高度化すると同時に、またそういった地方的な要望に応じたものでございますから、公社電話というものに接続して、どことも話ができるという本来の電話と申しますか、そういうものとは別のものであるということをここではっきりしたわけであります。だからそういった状況で、地方だけの要望が達せられればそれで十分であって、それでもいいんだ、しかも、安ければ安いほどいいんだ——少し語弊がありますが、安い方がいいんだというふうなものは、との法律によってその必要な限度においての使命を果していく、しかし、もっと高度な要望が出まして、従って、金をある程度かけていく、予てのかわりどことでも話ができるような、ほんとうのいわば電話のような場合のものとして作っていきたいというふうな要望というものは、これは当然あるわけでありますから、そういう場合には、当然公社というものがいろいろと今後農村に対する電話施設というものをやっていかなければならない。その要望に応じた一つの応じ方というものを考えていく。それによってそういった段階よりももっと高度な要望は達せられるだろうというふうに私ども考えておりますので、その意味で、この法律で申しますのは、ある限られた範囲内においての要望というものに対して、正式に応じ得るための一つ制度であるというふうにお考えいただきたいと思います。
  33. 山田節男

    ○山田節男君 今の横川君の質問に対しての松田監理官の御答弁ですが、これはあなたは実態を知っておって知らないかのごとく答弁されるのか、今のあなたの有線放送電話というものは、この法律定めておる場合の中の限度の利便を得ればいいんじゃないか、こう言われますが、この実態は、この有線放送電話放送のスイッチ・ボードを通じて市外電話は盛んにやっておるわけです。電電公社はこれによって非常にもうけているわけです。市外電話は実際に使っているのです。これは神奈川県に行ったとき、実は裏には裏がありますというていのことを言われた。千葉県のごときは、これはもう相当市外電話を使っております。実は私、これは資料として委員長に御要求したいと思うのですけれども、千葉県の六十何カ所の中で、放送所の電話料金をこれは調べれば、有線放送電話市外通話をどのくらいやっているか、どのくらいの収入を得ているか、しかも、収入は本来いえば市外通話です。電電公社としたら、十分電話施設したところから市外通話をやっておる。放送電話の場合には、放送のスイッチ・ボードのところから継ぎさえすれば、あとは団体施設した電話の所有者に全都市外と話ができるわけですから、これを市外通話として電電公社に頼んでとるということも、法的に大きな疑問があるのではないか。ですから今松田君が言われましたが、実際は市外通話をやっているわけなんです。それをあなたは知らなければならない、これはできるのですから……。だからこれは私、委員長から郵政省の方へ……。千葉県の例は一番よくわかるのです。あの放送所のところの農業協同組合は電話料金をどのくらい払っているか、これを一つ資料として、少くとも昨年の、三十一年の四月一日から今年の三月三十一日くらいまでのものがありますから、所管の電気通信局なり電話局に、あの所在の放送所の農業協同組合の電話料を、公社電話料はどのくらい収入があるかということを、あの六十幾つありまするその主要なものでもいいから、資料として市外通話電話料収入の資料を一つ提出してもらいたい。この法律審議の資料として至急一つまとめていただきたい。ですから、今あなたは目をおおってそういう裏のことを合法化しようというような答弁はできないのです。実態はそうではないのです。市外電話を使っているのですよ。それを目こぼししてこういう法律を作るならもっと作り方があると思う。電電公社ということではなくて、公衆通信ができる、独占化させる便法があるのですから、その実態に目をおおってやる、そして将来に禍根を残すということは、これは単なる電電公社が不当利得をするというだけではない、先ほども申し上げたように。ですから今あなたはあたかもこの法律対象となるべきものが、今あなたの説明されているような実態であるというようなことの工合で、この法律はいいと思われては大きな間違いである。すでにこれは盛んに市外電話を使っておるのです。ですから実態に即しない法律です。こういうことに目をおおって、特にこういうようなサービスというものはもうこれはよかろうが悪かろうが、必要やむを得ない、たとえば病人ができて電報を打つのに電話をかけたいとなれば、たとえば伊勢原の奥の僻地から、この新宿の某所へ電話をかけられるのですから、どこの協同組合からでも。こういう電気通信の方の機器は改良されておる。横川君も言われたように、日本電気、岩崎通信機とか、東芝なんか見ると、これはもっと完全な、機器の複雑なりっぱなものを作っているわけですから、もう公社施設並みにするということも、現在の公社基準を設けなければならない問題があるかどうかということほど進歩している。おそらく今年度において続々増設されるであろう有線放送電話施設、機器というものは非常に進歩しているのですから、そういうようなこととあわせて考えなければならない。今の有線放送電話が村内だけで使われていると思ったら大きな間違いです。村にはその実態があるということを十分勘案して、これは公社の方で知っているだろうと思う、収入が入ってくるのですから。ですからこの点は一つもし知らずに目をおおうてやるというならば、私はこの法律の立て方が悪いと思う。知っているのならば、今の罰則の面においても、しかるべくもう少し考える余地があるのじゃないかと思う。ですから、これは知っていてあなたはそういう答弁をされるのか、知らないで答弁されるなら大きな実態の認識不足だと思う。どちらか。私はあなたに答弁を求めるのは、こういう法律を作る場合の基本的態度だと思う。もし知っておるならば、法の構成からいって大きな欠陥があるということになるわけです。その点どうですか。
  34. 松田英一

    政府委員松田英一君) お答え申し上げます。私どもは現状というものにつきましては、そういった事態があるいは実際問題として起っておるということは、全然否定はできないと思います。しかし、それが果していいものかどうかということにつきまして、いろいろ検討いたしました結果、これは後ほどあるいは詳細に御説明を、技術の明るい人から説明してもらった方がいいかと思うのでございますが、とにかくこういった私どもが考えております現状のものというものを、公社電話施設につなぐということにつきましては、いろいろなそれから起ってくる弊害というものが予想される、そこで、現在あるいはそういうものをかりにあるといたしましても、それはまあ非常に、いわばもぐりでやっておるわけでございますから、その結果がある意味で悪い影響も起っておるかもしれませんし、またそういったものがかりにあるといたしましても、まあ違法状態というものによって、現在の施設そのものの性格と同時に、そういったものも行われているということでございますので、これを法律的にはっきりと認める場合には、私どもはその認められた格好としては、一体どういうのがいいのだろうかということの見地から作ったわけでございまして、従って、将来実際の需要というものを考えまして、そういったものに対してどういった応じ方をすればいいかということを考えます場合には、市外通話というものをどんどんやらねばならぬというふうな必要性の起っておるような事態というものにつきましては、むしろこの法律運用というよりも、公社の方で今後いろいろ考えて参ります施設制度というものを利用してもらった方がより日本の電気通信政策というものに合った行き方になっていくのじゃないだろうかというふうな考え方をしておるわけでございます。
  35. 山田節男

    ○山田節男君 ちょっと今の……、松田監理官ね、こういう考え方をしなくちゃいかぬ。特に電話のサービスというものは非常に必要があるわけです。今言ったように、表向きはやっていないけれども、裏では盛んにやっておる。しかも、インチキじゃなくてやむを得ずやっておる。たとえば有線放送電話の——たとえばやみ夜に雨が降ったり、雪が降った晩にそこまで行って新宿に電話をかけるということは、これはそんなばかなことはないんです。まあ自分のところで電話交換手で切りかえてくれればできるわけなんです。そこの電話を呼び出して、それをいかぬ、雨が降ってもやりが降っても公社電話でやらなくちゃ話ができぬのだ、こういうことは、今日の時代精神からいっても、そんなことを禁じるべきじゃない。あなたがいかにこれをいけないのだといったところで、現にやっておるわけです。これは技術的に可能なわけです。しかも、電電公社に何ら迷惑をかけるものではない。電電公社というものは、そういう施設をしなくて、市外収入はどんどん入ってくるのですから、公社にとっては非常にありがたい話なんです。ですから、こういう実態をやめさすということはいけない。むしろいかに合法化するかということを、こういう法律でもってついでにやっておけばいいと思うのです。それを目を隠してそれはいかぬということは、実際やっているのだから……。そこはわれわれが見て、法律を作る場合に、実態を把握すると同時に、皆そういうような現地で要望しているものをなるべくスムーズにできるようにする、これは単なる利用者だけの問題じゃない、全般の問題として、経営者として、これは当然な話です。そこらあたりの心がまえなり、検討した経過というものは、今のあなたのお言葉ではどうもはっきりしない。裏を見ていない。しかも、その裏たるや、これはもう私たちとすれば、電話のサービスとして当然そういうことをさしてやらなくちゃならぬものなんです。どうもそこらが、そういうようなやむにやまれず使用させている。ジャスティファイするだけの法律になっていない、欠陥がある、こう私は思う。ですから委員長、これは千葉県下に相当大きなものがあります。協同組合で電話交換をやっている市外通話、これは相当はやっている。大きなところだけの昨年度の公社電話収入、これを一つ至急提出せしめるようにお願いいたします。
  36. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 速記をとめて。    [速記中止〕
  37. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 速記を始めて。
  38. 鈴木強

    ○鈴木強君 これとは別ですが、郵政省にちょっとお尋ねをしたいのですが、国際電信電話株式会社の問題ですが、これは法に基いて、当然国際の事業計画については、郵政大臣に報告してあるわけですね。そこで、仄聞するところによると、国際が今度、加入電信ですね、やっております加入電信の保守を、ある会社を作ってその会社にやらせるという構想のもとに計画を進めて、相当具体化しているという話を聞いているのですが、そのことについて郵政省は知っておりますか、どうですか。そのことだけちょっとお聞きしたいのです。
  39. 松田英一

    政府委員松田英一君) 今御質問の話につきましては、私ども一応そういった話を会社から聞きましたけれども、その問題については、郵政省としては具体的にこの問題をどういうふうに考えるべきかというところにまで参っておりませんので、検討しなければならないとは考えております。
  40. 鈴木強

    ○鈴木強君 それをいつ聞きましたか。
  41. 松田英一

    政府委員松田英一君) ちょっとはっきりいたしませんが、一週間ばかり前じゃなかったかと思います。
  42. 鈴木強

    ○鈴木強君 どうもこの動きは不明朗な点がたくさんあるし、特に国際電信電話株式会社は、われわれが法案を作って会社にやっていただいているのですが、これは特殊会社であって、あくで郵政大臣の監督下に置かれている会社ですから、またそれをほかの民間の会社にやらせるというようなことに対しては、非常に重大な関心を私は持っているのです。ですから検討するといっても、あなたの方に資料が来なければできない。検討するということになると資料があると思いますから、その資料を全部出していただきたい、次の委員会に。
  43. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) しばらく休憩いたします。再開は午後三時半にいたします。    午後零時四十八分休憩    —————・—————    午後三時五十五分開会
  44. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) ただいまより委員会を再開いたします。  午前に引き続き、質疑を行いたいと思いますが、森中委員より、外務省に対して御質疑の申し出がございますので、この際、これを許します。
  45. 森中守義

    ○森中守義君 会期がいよいよ少くなりましたので、どうしてもこの際、郵政省及び外務省に意見をお聞きしておきたいと思うのであります。  それは、衆議院及び参議院におきまして、この前の臨時国会に至るまで両三度にわたって、中共との郵便物の約定について質問が出されておりまして、これに対して、ここ一、二代の郵政大臣は口をそろえて、何とか善処しなければいかぬであろうというようなことが、正確に議事録にも残っております。私どもは、その後かなり期間が経過しておりますので、何分の措置がとり行われたであろう、しかし、いろいろ複雑な外交上の問題もあるので、今なお実現ができていないとは思うのでありますが、国交が回復していないとはいいながら、おそらく郵便物というものは、通念的にいっても、思想や主義や立場をこえた重要な問題でありますので、郵政省では中共当局、あるいはまた外務省はこれに対してどの程度の同意を表して事態の解決に当っておいでになったか、これをまず最初に承わっておきたいと思います。
  46. 松井一郎

    政府委員(松井一郎君) それでは最初に私からお答えいたします。森中委員のお尋ねのように、対中共との郵便関係につきましては、現存は御承知のように香港を経由して交換しているのであります。しかし、香港を経由して交換するということには、いろいろ輸送路の隘路といったようなものがありまして、すべての郵便物を必ずしも交換するというわけにも参りません。現在は一応、通常郵便物というものに限定せられております。そのほかに、日にちの点におきましても、大体日本から香港へ送り、香港から上海なり、北京なりへ送るということは、非常に距離が遠くなるというような点でむだもございます。他方、日本の船が毎月相当数中共の各港へ今日行っているという現状にかんがみて、できればこの香港経由で送っているものを、直接日本船によって中共自身に送る、こういう方法がとり得るならば、これは郵便物の速達から見ましても、あるいは取扱い範囲の広がりさという点から見在しても、好ましいではないかというふうなことを考えまして、中共方面に対するわれわれの方としてのそうした希望というものも、ある方法で伝えたわけであります。それに対して中共方面としても、通郵するということは、まあ中共においても原則として何ら異存がある問題ではない、しかし、でき得るならば、両国の正式に任命された代表によってとの問題を取扱いたい、かような意向が漏らされたのであります。そこで、まあ私どもいろいろ内容問題について、政府内部において打ち合せをしたのでありますが、もとより郵便の個々の技術的な問題については、中共側の考えと私どもの考えとの間にさほど大きな差異があろうということはさしあたり予想はできないというともあるのでありますが、しかし、交渉の仕方といった点になりますると、これはいろいろむずかしいデリケートな政治問題もからんでくる、そこで、まあ私どもとしましては、なるべくそういう政治問題への介入ということな離れて、純粋に何とか郵便というものを一つの事実問題として、中共側との間に実効が上るようにというような方策にしぼりまして、まあそれについての一案を考える、こういう考え方で私どもは、一応あなたの方との話し合いということを始めてもいいが、こういう考え方については、あなたの方ではどう思っていらっしゃいましょうかというような意味合いの照会を私の方から発したのであります。私どもとしては、それについて中共側が同意して下さるなら、もとよりその方針によって話し合いを進めていくが、あるいは中共側としてそのやり方についてほかの意向があるならば、またそれを承わった上で検討してみたいというような関係で、目下これについての中共側からの返事を待っておるというような段階にあるわけであります。
  47. 森中守義

    ○森中守義君 今のお話によりますと、第一段階としては、書面によって政府の意思を伝達をしたと、これに対する回答が来ていない、こういうことですね。それでさらに積極的に進んで、回答が来ていない分に対して、相手の方に、たとえば回答を急いでくれとか、あるいはまたどこか特定の地域を選定をしてこの問題について会談をしよう、こういったようなお考えはお持ちでありませんか。
  48. 松井一郎

    政府委員(松井一郎君) お答えいたします。たしか照会を発したのは、もうすでにことしの初めごろだったと私は記憶しておりますが、その後返事が非常におくれておりますので、たしか三月の末でしたか、あるいは四月の初めだったかと思いますが、そのころに、あの件に関する返事を至急に聞きたいという意味の督促は一度私の方から出してございます。その返事を実は今待っておるという状況でございます。
  49. 森中守義

    ○森中守義君 そこで、私は端的に、半ば意見のようなことを申し上げるわけでありますが、戦後国交が未回復な国に対して、政府と政府との間における行政協定は、いろいろな内容について締結をされてきております。従って、中共と今にわかに国交を回復すべきであるかどうかというこの問題につきましては、別な角度から論議をしなければならないのでありますが、そういう戦後の前例もあります。この際、郵政省としては、冒頭に申し上げましたように、郵便というものは一切のものをこえたいわゆる万国共通のものであります。万国郵便条約にもいまだ参加をしていない、従って、政府相互間の双務協定的な、一種の行政協定と申しましょうか、そういうことで私は当然これは可能性があるし、その可能性の上に立って郵政省も話を進めておいでになったと思うのでございます。そこで、今の文書による意思の伝達あるいは意思の疎通ということでは、これは事態の解決が困難ではないかと思われる。従いまして、相手の方が頭から中共を正規な国として認めよ、こういうようなことに立っているかもわからないし、いろいろ思惑はわれわれにもあるわけでありますが、何しろ会って話をしてみなければわからない。郵便の本来の使命を完全に果していく上には、そういう思惑をこの際排除するために、行政協定締結というような、そういう目的のために省の代表がどこか出向いて行くなり、あるいは中共から日本に来てもらうなりして、この際、この問題を解決する意思はありませんか。またこれに関連して外務省の御意向も承わっておきたいと思います。
  50. 松井一郎

    政府委員(松井一郎君) お答えいたします。まあ郵便における取りきめというものと、政府の承認というようなものが、どのような意味合いを持つかということについては、これはあるいは後ほど外務省の方からお答え願った方が適当じゃないかと思っております。私どもとしましては、そういうことが許されるならば、形の問題については、郵政省としては、もとよりどんな形がなければならぬというようなことは考えておりません。しかし、両者の間にはなかなか観念上割り切るほど明確な線を引けないむずかしい問題があろうかと思います。ことに、中共との場合は、ほかの一般未承認国の場合と違いまして、一方において台湾政府というものがあり、そして台湾政府というものが、現在の万国郵便条約においても中国を代表するものという意味合いにおいてこれが署名をしておるという一つの事実、これとの関連性をどう見るかというような問題がからみまして、ただ一般的な意味における政府の未承認問題と、それからいわゆる郵便上の協定というものとのほかに、もう少しやはり複雑なる問題があるのじゃないかというようなことを私たち考えまして、この辺のことについては、逐次外務省方面の意見も尊重して参っております。従って、今お尋ねの点については、私からお答えをするよりも、外務省の方からお答えをする方がいいのじゃないかと思っております。
  51. 小川平四郎

    説明員小川平四郎君) ただいま郵務局長から御説明のありましたところに尽きておりますが、特に後半述べられました未承認国のみならず、台湾の国民政府との関係もございますので、私どもはそういう実務の取りきめというようなものが必要であるということは承知しております。で、その形とか、やり方等につきましては、なるべく刺激の少い、何と申しますか、あっさりと行く方法がないかと、こういうふうに郵政省と相談しておる次第であります。
  52. 森中守義

    ○森中守義君 現実外交のむずかしさはよくわかりますが、私はこの問題に限っては、台湾政府との関係あるいは中共との関係で三角関係にあるとは言いながら、さして著しい外交上の問題を招来するようなことにはならぬのではないか、こういうふうに考えるのであります。特に今国会中において、岸外務大臣の両院のいろいろな委員会における外交上の問題に対する言明としては、やはりアジアの諸地域については、友好提携の道を開拓しなければいかぬ、これが実は岸外交の方針である。いわんや石橋内閣の当時に、あくまでも自主外交の確立である、あるいはまた中共との貿易の促進、こういうことが石橋内閣の大きな外交方針の一つでありました。これを受けて立った岸外交もまた同様にそのような方向に進んでおる、そのことを具体的に岸さんは両院の各委員会においても言明をいたしております。私は今、台湾政府がこう思いはしないか、あるいは中共がこのように出はしないだろうかというような思惑を少し日本の政府がとり過ぎるがゆえに、このように郵便という特殊な、万国共通の問題が一時でも停滞をするということは、はなはだもって遺憾である、かように思う次第でありまして、別に国際条約の締結ということで国会の批准を必要といたしません。私は、行政協定という範囲内でこの問題の解決を求めておるわけでありますので、できるだけすみやかに代表を送り得るような、あるいは中国から代表が日本に来られるような外交上の話し合いを、外務省はさらに一切の内容あるいは一切の問題をこの際はこの問題に限って克服しておやりになるような意思はないのか、重ねて外務当局に承わっておきたいと思います。
  53. 小川平四郎

    説明員小川平四郎君) ただいまおっしゃいました点につきましては、私どももその必要性につきましては、郵政省といろいろお話ししまして十分に認識しております。従いまして、何とかこれを実際上動けるような格好で取りきめができるという方向には進みたいと思っております。ただ、繰り返すようでございますが、こういう問題は政治問題とは全く離れた、申せば技術的な問題でございますので、なるべくそういう面を生かしまして、刺激の少いようにということを私どもとしては考えておるわけでございます。具体的には先ほど郵務局長から御説明のございましたように、現在、二度にわたりまして、こちらから意見を述べているわけでございまして、いましばらく向う側の出方を待つことにするのがいいのじゃないか、こういうふうに考えております。
  54. 森中守義

    ○森中守義君 そういうことになりますと、まあ私は岸外務大臣が国会における食言をした、こういう工合にいきなり言い切れるものかとうかはちょっと疑問であります。また歴代の、ここ二、三代の郵政大臣が国会の中で中共との郵便約定の問題についてはすみやかに善処をいたしたい、こういうことを今まで言ってきております。しかし、今なお外務当局では暫時現状を静観をしたい、こういうことでありますと、岸内閣の外交方針及び委員会における郵政大臣の発言と食い違ってくるわけですが、この辺はどういう工合にお思いですか。
  55. 小川平四郎

    説明員小川平四郎君) これは方法の問題でございまして、内容につきましては先ほど御説明もありましたように、さしてむずかしいことはない、方法の問題としていきなり中共の人を呼ぶとか、あるいはこちらから行くというようなことに一足飛びにいくか、あるいはただいまやっておりますように書面によっていろいろ折衝をして向うの意見も聞くという段階を入れるかということになると思います。現在では、先ほど申しましたように、向うのお答えを待っている状態でございまして、やはりもう少しこの間に入れますステップを続けていく方がいいんじゃないか、こういうふうに考えております。従いまして、先ほどおっしゃいました岸大臣の御意見と、私が現実に具体的の問題として述べてあります点につきましては、矛盾はないのではないか、こういうふうに考えます。
  56. 森中守義

    ○森中守義君 中共からの回答を待ってそれによって措置をする、こういうようにも受け取れるのでありますが、前段に言われた、いわゆる台湾政府との関係、これがやはり当面の隘路のようにも思えるし、あるいはまた日本とそれから共産圏との特殊な国際関係ということが、かなり外務当局では懸念されておるように考えるのであります。そういうことになりますと、中共からその諾否が正確に来て、しかも、その回答というものはよろしいというような場合に、一体台湾という問題、あるいは共産圏と日本という問題、これについてどういったようなことになるでありましょうか、私はいわゆる現実外交のむずかしさということがよく理解できるのでありますが、今外務当局のお話からすれば、かりに中共から何がしかの回答が来たにしろ、そのことがただいまの御答弁の内容そのものをそのまま受け取っていくならば、それもまた困難のように考えるのであります。つまり根本的に外交上の問題がいずれかに決定をしない限り、この郵便の問題は片づかない、こういう工合にも受け取れるのでありますが、その間の事情はどういうことになりますか。
  57. 小川平四郎

    説明員小川平四郎君) ただいまの件につきましては、台湾の国民政府に対する考慮というものはやはり非常に強いものでございますけれども、ただ、そういうところからの反響と実際に郵便の運行を円滑にするという必要性との比較考量によりまして決定すべき問題だと存じております。従いまして、郵政当局でただいまやりておられますような話が進むといたしますれば、そうして実現の可能性があるなら、共産圏であるからというようなこと、あるいは片方の国民政府があるからというような考慮をした上で、なおかつ実施し得るものである、こういうふうに考えております。
  58. 森中守義

    ○森中守義君 それではいろいろ台湾政府の問題であるとか共産圏との問題ということは、さして考慮する必要はない、こういうことになりますね。
  59. 小川平四郎

    説明員小川平四郎君) 考慮した上で、なおかつ必要であればということでございます。
  60. 森中守義

    ○森中守義君 どうも、そのなおかつ必要であればということになりますと、これは私は郵便に対する外務当局の見解というものが、どうも釈然とできない、先刻もしばしば繰り返しておるように、おそらく郵便というものは思想であるとか、あるいは主義であるとか、立場であるとか、こういうものを私はこえたものでなければならぬ、こういう工合に思う。それは戦時中においても、敵性国との間には正常な、しかも、正規な一つのルートを開いて郵便物は交換されておったはずです。交戦中においてすらもそうなんであります。しかも、今日のようなこういう事態において、必要があればというような外務当局の郵便に対する御認識あるいは理解というものは、これは一体どういうことなんですか、もう少しその間を、詳しく説明して下さい。
  61. 小川平四郎

    説明員小川平四郎君) 初めに申し上げましたように、国民政府と中共との関係は、私どもが想像している以上に、非常に国民政府といたしましては強く感じているわけでございます。それがいろいろな点で日本との関係にもはね返ってくる次第であります。そこで、そういうはね返りをなるべくはね返らないように、その実際上の必要という点を強調いたしまして、このやり方あるいは時期、そういうようなものを調節いたしまして、そういう国民政府側の動きというようなものをなるべく刺激しないようにしたい、こういうことでございます。従いまして、必要さということについては、私どもも十分に認識しております。
  62. 森中守義

    ○森中守義君 それは先刻申し上げたように、戦後、国交未回復の国といろいろな形で行政協定というようなものが結ばれておったはずでありますが、この中国との郵便の問題については、やはり台湾との問題を一番憂慮されている、こういうことになるのでしょうか。
  63. 小川平四郎

    説明員小川平四郎君) やはりその問題が一番考慮すべき問題だと思います。
  64. 森中守義

    ○森中守義君 先刻、第二課長の御説明によりますと、中国からの回答いかんによっては、こういうこともお言葉の中にあったようですが、もしも中共から、それではこういうことにいたしましょうというような返事が来れば、外務省としては、先刻、いろいろな情勢を考えて、こういうことであったのですが、それはその通りに受け取ってよろしいのですか。
  65. 小川平四郎

    説明員小川平四郎君) 内容を承わりまして、進める方向にやっていきたい、こういうふうに思います。
  66. 森中守義

    ○森中守義君 やはりこれは私は中国との問題については、こういうことに類似したいろいろな問題があると思うのですよ。従って、今御説明になった点は、一応常識的にはわかります。しかしながら、おそらく中国に対しては、どうしても行政協定の締結ということはこの際必要ではないかという工合に考えます。従って、郵政省は外務省を通じて今まで文書の申し入れもやった、そのこと自体がやってもよろしいという一種の発露であろうし、これをどういう工合に実を結ばしていくか、これに消極的な出方と積極的な出方と、この二面の問題があると思いまするが、とりあえず文書によって申し入れをしたということは、やってもいいという政府の意思決定にほかならない、こういうことになりますと、消極的であるのか、あるいは積極的であるのか、ここに問題のポイントがかかってくるわけでありますが、私は先刻から承わっていて、台湾政府の問題、あるいは国際的な日本の立場の問題というものを考慮に入れて、ということでありますが、すでに、この中共との郵便約定の問題については、第一歩を踏み出したという解釈が当然成り立つと思います。従って、郵政当局と外務当局は、さらに積極的にこの問題の促進に当たり、しかも、それは岸外務大臣が国会の中における発言の趣旨でもあるし、また岸内閣の外交方針でもある、こういうことに相なって参りますと、当然のことでありますが、私は、もう少し外務当局は積極的にこの問題についての解決策を講ぜられてしかるべきであろう、こういう工合に考えるわけでありますが、この点について、もう一回回答をいただいておきたいと思います。
  67. 小川平四郎

    説明員小川平四郎君) ただいまのお説は私よくわかります。先ほど説明いたしましたときにも、その必要性によってこれを実現するのに、なるべく各方面に差しさわらないような方法をとりたいということを申し上げておりますので、そういう点に考慮を加えることが消極的ということであるかもしれませんが、やはり現在の状況におきましては、なるべく方々でむやみに摩擦を起さないで、しかも、目的が達せられるということが必要だろうと思います。そういうふうに考えております。
  68. 森中守義

    ○森中守義君 大体外務省の意向もわかりましたので、あまりくどく聞きません、やめますが、要するに郵便ということに対する認識ですね、これは外交上の問題を場合によってはこえるかもしれません。それは先刻私は、戦時中における敵性国と所定の方式を取りきめて、郵便物の交換をやった、こういうことが私は何よりの証明であろうと思いますし、どうしても外務省として、私はこの問題の積極的な解決の御意思がない、このように承わるよりほかにないのであります。それで先刻も申しあげたように、文書による申し入れということは、やってもよろしいという日本政府の態度決定にほかならない、こういう工合に考えるのでありまして、特別に国会の批准を要するような問題でもないのでありますから、もう少し、政府においては慎重をとられることは、これは一向差しつかえないのであります。その慎重のあまりに、やれることもやれない、こういうことになれば、私は国としては取り返しのつかないような重大な問題ではなかろうか、かように考えますので、もう一回、外務省ではどういう方式が一番いいのか、さらに、それは消極的な行き方でなくて、積極的に進んでこの問題を解決するという、こういう御意思を特段に私は御検討願いたいと思うのであります。これについてもう一回、外務省としては、文書の申し入れあるいは人間を出す、向うから来てもらう、いろいろ方式としてはあるようにも先刻お答えの中に出ましたので、その最良の方法をこの際おとりいただく、こういうわけには参らないものか、もう一回、御質問を申し上げておきます。
  69. 小川平四郎

    説明員小川平四郎君) 最良の方法と申しますと、先ほども申しましたように、実際上の必要を満たして、しかも、いろいろな各方面からのあまり反響の起らないということになります。それが具体的に何であるかということになりますと、これは私どもの方にも考えがありますし、相手方にも考えがあるととでございますので、その両方の考えが合ったところで、先ほどの必要性と、その影響とを勘案いたしましたととろに一つの線が出てくるんじゃないかと思います。これはしかし、私どもこちら側だけの考えではきめられないことでありまして、向う側と、その両方を勘案して、最終的にきめるべきじゃないか、従って、現存の段階じゃ、どれがいい、あるいはどれができるということは、ちょっと申し上げかねるのじゃないか……。
  70. 森中守義

    ○森中守義君 どうも話を聞いておりますと、外務省の意思決定が正確にできない原因が、必要性があるかないか、この辺にかかっているような気もするのですけれども、一つ理由としましてね、それは先刻私が何回も繰り返しておるように、郵便物の交流ということが必要であるかないかということは常識の問題だろうと思います。私は、あくまでもこれは必要である。しかも、それはおそらく人間の生存していく過程において、今日のような国際社会の中において、郵便物が必要であるかないかということを外務省が判定をされなければならぬということは、どうしても常識上私は問題になるような筋のように考えるのですが、そういう意味なんですか。中国との、中共とのいわゆる郵便物の交換は必要であるかないかという基本的な問題について、まだ結論が出ていない、こういう工合に理解していいのですか。
  71. 小川平四郎

    説明員小川平四郎君) そういう意味ではございませんで、必要のあることは認めております。ただ、それを実施するにつきまして、いろいろな条件があると思います。たとえば平和条約を結ばなければ郵便交換は行わない——たとえばでございますが、というようなことになりますれば、これは郵便の必要があっても、現在平和条約を結ぶというような段階に行きませんので、これは不可能なことじゃないか、そういうような条件によりまして、左右されるのじゃないか、こういう意味でありまして、必要性そのものについて云々というわけじゃございません。
  72. 森中守義

    ○森中守義君 郵便物の必要性は認める、こういう工合に今の御答弁で大体はっきりしてきたのでありますが、いわゆる平和条約が締結されなければ、いわゆる郵便物の取りきめはできない、こういうことにはなっていないのでしょう。私はそういう条約関係はしろうとでよくわかりませんが、先刻も私はいわゆる戦後国交が回復されていない国と郵便物の問題に限らず、国と、政府と政府との間で、私はその国の国会が承認、批准をする必要のないような取りきめが行われたように承わっておるし、それからまた現にそういう実例が記録の中にもあると思う。それで今の御意思から行くならば、郵政省がおやりになったのか、外務省がおやりになったのかわかりませんが、とりあえず文書による中共との取りきめの申し入れをやった、そのこと自体が法律を犯しておる、こういう工合にもとり得るわけですが、まさか私は、そういう軽々なことを外務省も郵政省もおやりになるはずはなかろう、従って、書類によって、文書によって中共に申し入れをしたこと自体が、そういうことがあり得る可能性がある、そういう立論に立っておる、こういうふうに思うのであります。従って、前段の郵便の必要性を認める、これはこれとして了承できましたが、あとの点はまだはっきりいたしませんので、その点について、もう一回御説明願いたいと思います。
  73. 小川平四郎

    説明員小川平四郎君) ただいま私の説明がちょっと言無が足りなかったために誤解せられたことと思いますが、こういうことでございます。たとえばと申しましたのは、要するに、取りきめを行います条件として、たとえば相手方が平和条約を結ばなければ、郵便の取りきめをしないのだというようなこともあり得る、そういうような場合に、郵便の必要性があるからといって直ちに平和条約を結んで、それから郵便の取りきめをするというようなことまではいかないのだ、従って、いろいろな話をしますときに、おのおのの条件によっては、いかに必要であってもできない場合もある、こういう御説明のために例を引いて、平和条約と申しました、
  74. 森中守義

    ○森中守義君 それで大体はっきりいたしました。そこで、書類の回答を待つ、あるいは回答を待ってさらに書類で申し入れる、こういうことも、私は方式の一つとしては当然なことであろうと思います。しかし、問題は文書の端々では、たとえば料金の協定をどうする、あるいは何をどうするという、なかなか微妙なところまでは私はこの問題はいかぬではなかろうか。いわんや中共が国を承認するかどうかという、こういうようなことは当然先方としては外交上の、しかも、基本的な問題としてお考えになっておるんじゃなかろうか、こういう工合に想像もできるのであります。従って、そういう細部の点で、いろいろと書類の上では手違いがあってみたり、あるいは十二分の意を尽し得ないうらみもあるのですから、そういう御意思を外務省がよく了解され、しかも、今までの御説明によりますと、消極的であるとも積極的であるとも、いずれとも断定のつかぬような御答弁でありますが、要するに最終的にどうなるかは、これはやってみなければわからないところで、私はここでオール・マイティーを求めようというのではありませんが、要するに協定をする第一段階として書類が出されて、しかも、それを一つの基礎として代表による準備会談をする、こういったようなことまでもおやりになっても一向差しつかえないように思うのでありますが、要するに、私は郵便の必要がどうしてもあるという、こういう論拠に立つし、外務省でもそのことをお認めになっておる。従って、この際、私は書類がすでにもう済んでおりますから、第二の段階として、郵政省あるいは外務省の代表の方が、中共で工合が悪ければ、特定の地域を選定をするなり何なりして、要するに先方の意思を確かめる、わが方の意思を伝える、こういうことで準備工作的な意味で、代表の派遣等はお考えになりませんか、これを承わっておきたい。
  75. 小川平四郎

    説明員小川平四郎君) 話の進み工合によりましては、そういうことも考えなければならないと思っておりますが、現在の段階では、先ほど申しましたように、こちらから書面を出しましたのに対しまして、一応向うが何か考えを言ってくる段階にございますので、それによりまして、自後のことを判断しなければならぬ、いましばらく向うの回答を待っておるのが筋ではないか、こういうふうに考えております。
  76. 森中守義

    ○森中守義君 特段にこれはきょうあしたという問題ではむろんないのでありますが、役所関係でも、一回文書を出して回答がこない、こういう場合に督促の通牒を出す場合が当然あると思う。それでは一体中共からいつになったら回答がくるかということは、向うの状態でありますから、にわかに想定はつかないと思うのですよ。従って、文書の督促を出すとか、あるいは正規な取りきめということではなくして、取りきめをどうしよう、相手の意思はどうかというように、さらに進んで何分の解決の方法をおとりになる、こういうふうな御意思はありませんか。
  77. 小川平四郎

    説明員小川平四郎君) これはまあ次のステップとしてどういう方法をとるかということは、今申しましたように、こちらから一つの文書を出しておるのに対して、何らかの意思表示がありませんと、こちらが言いっぱなしであるのに、それでは次というように、こちらからまた追って別の案を出すというのも筋ではないかと思います。督促するということは必要であると思いますが、とにかく、現在まで郵政省でお出しになったこういう書面の反響をまず待つということがやはりやるべきことではないかと思います。そのためにあまり時間が長くなった場合には督促する、こういうことも必要であろうと思います。
  78. 森中守義

    ○森中守義君 期間という問題ですが、これは私はかなりたっていると思うのです。おそらく臨時国会あるいは第二十四通常国会あたりでも、この問題は両院でかなり論議をされたはずであります。それに対する政府の措置であろうと思いますから、私は郵政大臣あるいは総理大臣の食言ということまでは言わないのでありますが、そうそういつまでも政府としては、相手の回答を百年河清を待つような状態でお待ちになるのはこれはどうかと思う。ただ、こちらの方から無理に話を持ちかけていって、すこぶる不利な条件で行政協定の取りきめをするということは一考を要する問題でありましょうが、それはおのずから会談の内容、取りきめの内容の具体的な論議の際にいろいろと現れてくることでありましょうから、もう少し進んで積極的に中共とのこの問題の解決に外務当局は当ってもらいたい。いわんや、郵政当局も同様である。そのことが、先刻も繰り返しておりますように、石橋、岸両内閣の打ち出しておる積極外交あるいはまた中共との貿易の促進、こういう国の大方針として政府が発表したところでもあり、かつまた、これは国会における外務大臣あるいは郵政大臣等の責任ある答弁であったろう、このようにも考える次第であります。従って、ただ委員会における、あるいは国会における言葉の発表だけは……。私はやはり国際というものは、十二分に国会としては承わるわけに参りません。従って、そういう趣旨をこの際一つでも二つでも実行段階に移そうというならば、さらに外務当局では進んでこの問題の解決に当ってほしいことを特に強く要望いたしまして、外務当局に対するこの質問を終りたいと思います。  郵政大臣にこの機会にこの問題に関連して承わっておきますが、できれば外務当局の意向はよくわかりました。しかしながら、今大臣のお聞きの通りに、岸外務大臣あるいは内閣全体の方針として、今までこの問題については国会の中でも言われてきたことであります。すみやかに閣議の中で外務大臣と、これはどうしようか、つまり消極的な出方ではなくて、積極的にこの問題の解決に当ろうという発議をなさるような御意思はありませんか。
  79. 平井太郎

    ○国務大臣(平井太郎君) 郵政大臣といたしましては、中共のみに限らず、世界いずれの国とも、当然この郵便物の交換をすることは非常に望ましいことでございます。従いまして、当然御指摘の中共に関しましても、積極的にこれはやらなければ相ならぬ、かように存じております。従いまして、本問題につきましては、十分誠意と熱意をもちまして、外務大臣その他関係閣僚とも十分に連絡をとり、今後早急に本問題の解決に当りたい、かように存じます。
  80. 森中守義

    ○森中守義君 もう一つだけ、時間がありませんから、お聞きしておきますが、おそらく政府全体の問題でありますから、郵政省だけが外務省と切り離してこの問題の解決に当るということも、これはちょっとむずかしいのではないかと思うのです。しかしながら、常識的に考え得ることは、郵政省の内部の問題でありますから、外務省には代表を派遣するような場合に、旅券の問題等が関連を持つということも考えられます。従って、外務省の外交方針全体のワクと離れて、郵便の問題については郵政省が責任を持ち、従って、行政協定の締結をやるということで外務省はすこぶる消極的に、どうしてもこの問題に同意を得ないというような場合でも、郵政大臣としては、省の代表をどこかの地域に派遣されるような御意思はありませんか。
  81. 平井太郎

    ○国務大臣(平井太郎君) この問題は非常にデリケートな問題かと思います。従いまして、外務省が反対するのにかかわらず、郵政省が断固押し切ってこの問題に当っていくということは、非常に困難かと思います。また閣内不統一というような問題も生じて参るので、この点につきましては、郵政省といたしまして、また郵政大臣といたしましては、理を尽し義を尽して十分納得してもらい、早く中共との郵便物の交換の実現に持っていこう、こういう熱意でこの問題は解決をいたしたい。ただ御指摘のように、外務省が反対するのにかかわらず、郵政省として独自の立場でこれを断行していくという点については、郵政大臣といたしましては、ちょっと答弁がしかねるのでございます。
  82. 森中守義

    ○森中守義君 今私はぎりぎりのことを申し上げたわけでありますが、外務省の第二課長のお話ですと、反対というのはないようであります。筋道としては理解されている。ただ、それが積極的であるか消極的であるか、こういうことでありますから、大体郵政省も外務省の同意なしにはということで、それはその通りであるのが国全体の、政府機関全体の問題として当然のことであろうと思うのでありますけれども、先刻からお聞きの通りに、しばしば国会でもこの問題は論議をされ、しかも、政府当局の方では善処するという約束が行われてきておりますので、今大臣が言われたことを具体的に、しかも現実的に実行できるように、ぜひ閣議の中でも意見の統一をされて、すみやかにこの問題の具体的な措置に当っていただくように特段の要望をいたしまして、時間もあまりないようでありますから、これをもって私のこの件に関しての質問を終ります。
  83. 山田節男

    ○山田節男君 関連して。松井郵務局長にちょっとお伺いしますが、中共との郵便といいますか、文通は、今日行われて、私自体も北京から、政府の当局者から航空便を再々もらうわけなんです。こちらからも発送しているわけなんです。そうすると、中共と日本との間には郵便に関する条約がなくても、事実上文通できているのですね。しかし、郵便条約とかそういうものがないのだから、事実上のこれは郵便行為であって、信書の秘密とか、あるいは安全、こういうようなものは全然保障されておらぬのかどうか。それからこれは中共からも発送し、日本からも発送しているのですから、そういう場合の料金協定といいますか、大体向うの航空郵便の切手を換算して一元百四十円と見れば、大体日本の料金と同じような料金でやっている、こういうふうに現実にもうすでにかなり多数な郵便の往復があるわけなんです。これは一体政府はどういう目で見ているのか。黙認なら黙認でいいけれども、料金という問題が出た場合、これをほうっておいていいかどうかという現実の問題があると思うのです。この現状に対しては、政府はどういうふうな心がまえを持っておるのか、この点を一つ説明願いたい。
  84. 松井一郎

    政府委員(松井一郎君) お答えいたします。ただいまお尋ねの点でございまするが、これは郵便は万国郵便条約というのがあって、全世界を一つ郵便の共通圏というふうに考えております。その中に加盟国もあれば非加盟国もある。しかし、非加盟国に対しても、加盟国のどこかの一国が郵便交換のルートを持っておるという場合におきましては、そのほかの世界のいかなる国もその国に頼んで、そしてその国を介在せしめて他の国が郵便交換するということを郵便条約の理想としておるわけでございます。で、現在われわれが行なっておりまするのは、すべてこれ香港郵政庁に送りまして、香港郵政庁の開袋郵便物と私どもは申しておりますが、香港郵政庁の郵便という形で中共に渡しておるわけであります。私たち中共から来る手紙は、直接中共からいただいているというよりも、郵便の条約上は香港郵政庁の郵便という格好で今もらっているわけです。そこで、御承知のように、通常郵便一般については、料金というものはお互いに取りっ放しになりますので、そこに通常郵便物だけに関しては、いろいろな料金のやりとりというものが原則として起きないのでございます。そこで、この問題は非常に今のような状況においても、香港を経由すれば一応行っているという格好になっております。もとより信書の秘密とか何とかいうものは、郵便条約上の問題ではございませんでして、これはおのおの国内法の問題でございますから、中共が果して信書の秘密に対してどのような態度をとっておるかということは、これは中共の国内法の問題でありまして、われわれはそれがどのようになろうとも、それが日本としては条約上の言い分は持っておりません。ただ航空郵便料金に関しては、これはある程度清算という問題は起きます。なぜならば、北京に行く航空郵便は、日本の場合は、日本の郵便局が取得しておるわけでありますから、この点については、すでに前例がございまして、国際返信切手券というのを今までに、山田委員もよく御承知だと思いますが、国際返信切手券を買いましてこれを中共に持っていきます。そうすると、それを中共の国内における一つ郵便切手にかえてくれるわけです。そのかわりに、この国際返信切手券というのは、ある程度期間たちますと相互に決済をやらなければならぬ。すでにその決済関係が二年ばかり前に中共の申し出で私どもも香港を通じて決済をしております。おそらく今後航空郵便についても、若干のそういう決済関係が、事実上香港郵政庁を介在して決済するということになれば、これは決済せざるを得ないと思っております。
  85. 山田節男

    ○山田節男君 先ほど森中君からるるこれは要望意見が述べられたわけですが、これはことに郵政大臣にお願いしたいことは、先月の二十三口にモスクワと無線電話の開通をしました。これは私は一昨年の九月向うの通信相と会って、無線電信電話の開通について意見の交換をしたわけです。向うとしては、いつでも周波数と時間さえきまればテストに応ずると。私は帰ってすぐ国際電電を通じて郵政大臣に、この問題については、これはイデオロギーの問題ではないから、さっそく交渉しろ、これは交渉したかどうか知りませんが、忌憚なくいえば、国際電信電話株式会社としては、こういうような共産国に対する無線の開通ということを申し入れること自体が、今外務省の事務官が言ったように、非常に政治的にやりにくい、共産国政府に対しては、そういう無線通信については、一種のタブーになっておってなかなか言いにくい。ところが、日ソ国交回復しまして、先月の二十三日に電話の開通をしたわけです。私は求めに応じてモスクワのコルコフという通信副大臣にメッセージを書きました。また丁重な長いメッセージが来たのですが、同時に、私は一昨年の十月だったのですが、北京で軍務部長、郵務部長に会った。これは郵政大臣みたいなものですが、郵便の問題、それから放送、それから無線電信の問題を話しました。これはやはり向うとしてはどうしてもこれは日本と一日も早く、これは思想の問題じゃなしに、ことに、われわれ中共としては日本に教えてもらわなくちゃならない、だからこれは無線電信の北京・東京間の開通は、実に私どもは念願しておる、これは日本政府の御意向によってすぐできることだ、放送の問題にしても、番組交換はもとより、技術の向上は日本に助けてもらいたい、こういうようなことも言っておる。郵便の問題についても、やはり向うとしては、今の戦犯者、抑留者等の郵便でも、国際赤十字経由だけでなく、面接郵送の方法があるのではないか。向うとしてこれは政治的なゼスチュアというよりも、むしろ必要の上から、イデオロギーや政治的な見解はこれはもう超越してやりたいということを申しておるのであります。ことに、最近私は運輸省あたりに聞きますと、モスクワから北京までのあのTUジェットの定期航空を始めておるわけです。これを東京まで延長したいということを申し入れをすでにしておるわけであります。これもいずれは実現しなければならぬ。ウラジオストック経由か、あるいは北京経由か、運輸省の見解は北京経由が経済的だということですが、これは日ソの関係でもって、これがいよいよ実現する運びになった場合は、郵便もまだ正式にはできない。電信電話も無線も、これは香港を通じて事実上の開通としてやっていくというようなことでは、これは実際の必要の場合においては、これはやはり矛盾を来たす一面、不利な事態が起きてくると思うのです。ですから、日ソ国交回復以来、もうすでに電信、航空機による交通も始めようとしておるのです。しかも、中共が介存して中間におるのです。ですから、この問題は政治上の問題ではなくて、むしろ必要の上から、私は郵便物しかり、あるいは電信電話しかり、航空しかりですから、ですから、これはやはり郵政大臣として、岸総理も再三予算委員会で施政方針で言っておられるのですから、そういうことは政治問題ではないのです。郵政大臣は、運輸省のこの航空路の開拓がいよいよきまるということになれば、私は時を移さず郵政大臣として、この問題を一つどういうふうに一岸内閣としてあなたはずっと郵政大臣として留任される場合に、当然あなたはこれと相並行しておやりにならぬと、今のような非常に郵便上の不利不便が起きてくるわけです。この点は郵政大臣として、一つ力強い私は施策を期待し要望しておきます。
  86. 平井太郎

    ○国務大臣(平井太郎君) 承知しました。   —————————————
  87. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 午前に引き続きまして、有線放送電話に関する法律案について質疑を続けます。  まずその前に、午前中、山田君から要求がありました資料について、電電公社の方でできましたら御説明願います。
  88. 吉澤武雄

    説明員(吉澤武雄君) 午前中の山田委員からの資料の御要求につきまして、調査の結果を申し上げたいと思います。  千葉県の代表的な有線放送協会につきまして、市外通話実情を調べたのでありますが、五ヶ所を選びましたのでありますが、大体御存じのように、公社電話機は役場の、あるいは農協の事務所の一角にあるのであります。そこで、それらの市外通話料を調べたのでありますが、まず例を申しますが、市原郡の加茂第一、そこは役場として、この有線放送交換が狩場にあるわけであります。従って、電話本狩場にあるのでありますが、これは四月の市外通話料八百七十五円、同じく加茂第二が一千七百四十円、これらの有線放送加入者はどれくらいあるかと申しますと、加茂第一が三百十二の有線放送加入者を持っております。加茂第二が三百十の加入者を持っております。次に、養老という有線放送協会でありますが、これは農協に事務所があり、電話を引いているのであります。これが市外通話料は二千二百八十七円、有線放送加入者が五百十七でございます。次は安房郡の岩井でございます。これが同じく農協に事務所があり、それから電話を引いておりますが、これが四千九百十円でございます。有線放送加入者が五百四十一。次は、丸山第二、これが農協にあるのでございますが、これが九千二百八十円、有線放送加入者が六百六十七。  以上のような代表的な有線放送加入者の平均あるいは平均より以上である、よく使っているという所五カ所を選んだのでありますが、その結果を考えますというと、一般の全国平均のこのような電話局の一加入者といたしましては、寒は市外通話は多いのでございます。その原因はいろいろございましょうが、やはり役場自体とか、あるいは農協自体という公務に使われる市外通話がこれの大部分であるということで、一般加入者が全国平均しますというと、千九百円くらいでございます。その意味でこれらの公共的な加入者市外通話が多いという点が考えられるのでございます。なお、一般市外通話を取り次ぐことをやっているかどうかということを調べましたところが、これは全部のこの電話加入者につきましては、やはり火急の用事でプライベートのことがあって、たとえば病気のこととか、あるいは至急の連絡をしたいとかいうような場合には、その農協の交換に当っている交換手が口頭で取り次ぎをしている、こういうことは全部事実でございます。従って、設備的にこの交換台に電話局の回線を入れているということは事実上はございません。なお、公社の回線は端末が電話機になっておりますために、その電話機をはずして、あるいは途中から交換台に入れるという技術は、これは相当な技術を要しますし、そのために公社の方で回線の工合が悪いということは直ちに察し得るわけでありますから、そのような工作をやっているという事実はないということに調査の結果伺ったわけであります。ただ、あるいは言葉の取り次ぎでございませんでして、市外通話がかかって参りました場合に、公社線の端末の送受話器をこの交換台の交換手の送話器に接近させますと、あたかもインターホーン的な交換ができるのであります。そういうようなのがあるいはあるかもしれないということは考えられますが、以上のようなわけでございまして、市外通話の料金は平均して多うございますが、また市外通話の接続というような事実はないという結果でございます。
  89. 山田節男

    ○山田節男君 今の吉澤業務局長の答弁、今の電話で現地からとられた数字ですが、これは私は事実だろうと思います。ただこの四月という、最近ですから四月というのをとられたと思うのですが、十二カ月、一年間のちょうどフラクチュエーション、上下があるだろうと思うのですが、とれだけ見ても、この有線放送電話というものが、市外通話を利用するということが多くなったということは、これは争えない事実だと思う。それから今吉澤業務局長が言われましたが、この有線放送は、御承知のように特にどの線におきましても、大体朝六時から晩の九時まで、放送の時間は大体きめているように想うのです。私は先ほども申し上げたのですが、裏には裏があるのですというようなことは、これは電電公社の者に言ったってそんなことはないという、私がひっかければそれは裏には裏がありますということなんで、ですから、これは今調査の結果、ないと言われるけれども、しかし、絶対にないということは、これは断言できないと思うのです。  私はこれ以上のことを申し上げませんが、これが、この事実が、続いて私郵政大臣に一、二御質問申し上げたいという一つの資料になるのですが、これは千葉県の代表的な部面として、月間何と申しますか、多いものは九千円、少くとも二千円近くのものがある。これは有線電話有線放送電話があるために市外通話がふえたという事実も争えない事実だ、私はさように仮定して郵政大臣に質問を展開したいと思います。  これは郵政大臣にちょっと私一、二根本問題としてお伺いしたいと思うのですが、先には公衆電気通信法の一部改正法案として付属電話機の施設を認めたわけです。しこうして、今回は有線放送電話法案というものを出されたわけですが、これによれば、要するにこれは有線放送電話というこの施設、しかも、政府内の農林省、自治庁がむしろ奨励する農村振興、農村文化向上のために、これを政府の政策として多額の予算を三十二年度毛計上しているのは御承知の通りです、これは郵政大臣としては、この有線電気通信法、あるいは公衆電気通信法というものがある、それでいわゆる公衆通信というものは国内においては電車公社国際通信に関しては国際電信電話株式会社、これに独占せしむるという建前になっておる。ところが、これは必要が生んだ発明と申しますか、全国的に今農林省の統計を見てみますというと、スピーカーの有線放送設備だけでも二十万あるその中でテレフォン式の有線放送電話を採用しているものが約六万あるということになっている。それがさらに三十二年度においては、政府が従来の数倍の助成費を出して、自治庁と農林省と奨励せんとしている。そこで、こういう法案が私は出されたと思うのですが、この委員会、先ほどの委員会でも、私は松田郵政監理官にも質問をしたのですが、どうもはっきりしないことは、この公衆電気通信法からいえば、電話、いわゆる公衆通信役務といううのは電電公社でやるのだということになっておりまして、そして片一方ではこういったような、ことに、農村僻地にどんどんこういうものができてくる、しかも、この法律案によりましてある程度の規制を加える、すなわち許可制にする、そしてその他業務地区、業務区域、こういうものに制限を加える、技術的にも規制を加える、しかも、この許可の期限を五カ年として一種の免許制のようなことにしておやりになる、私はこのやり方について、さらに一歩進めて、将来の日本の公衆通信というものが、こういったような事実上有線放送電話というものがこれが五十万、百万、あるいは二百万になるかもしれない。そうすると、この公衆電気通信と民間の農業協同組合あるいは自治体の経営する有線電話設備がふえてきて、もしこれを無制限に、この法律によって現制を加えましても、この条件を満たすものがどんどんふえるわけですから、そういたしますというと、政府としては、これが百万、二百万、あるいは二百五十万になった場合に、電話一つのオペレーションができるのですが、これは片一方においては、公衆通信というものが併存していくという、これはかなりばかにならぬ力になってきた場合に、一体どうするのか、私はこれを政府としては考えていなくちゃならぬと思う。そこで、私郵政大臣にお伺いしたいことは、この程度の規制を加え、そして有線放送電話をどんどんふやすのだとおっしゃるが、その野放しにして、この条件を満たすものならば幾らふえてもいい、こういう御方針なのか、あるいは将来ある一つ基準を機械的に作って、電電公社ではもう今日、あるいは将来の建設勘定でもっては電話ができないから、まずこれでもってやらしておいて、将来は電電公社に統合させるのだ、あくまで今日の公衆通信法の精神は守っていくのだと、一つの便宜的なものだという意図でおやりになるのかどうか。そうしないと、二面においては、将来自民党はこういうものをふやして、電話を将来民営にするのだ、こういう実に何と申しますか、憂うべきデマも飛ぶわけなんです。ここは一つ政府として明確に、この法律をどういう気持で出したのかということを一つ明快に私ここに聞いておく必要があると思う。大臣の御所見を伺いたい。
  90. 平井太郎

    ○国務大臣(平井太郎君) ほんとうに適切な御意見でございまして、私といたしましても、御指摘の点を非常に本法律案を出す上において考えたのでございます。私の考えといたしましては、あくまでも公衆電気通信法というこの精神は守り抜かなければ相ならぬと考えておるのでございます。従いまして、この有線放送電話に関する法律案は、むしろこうした野放しにした今の姿を規制して、あくまでも公衆電気通信法というこの精神を守る一つの姿としてこの法律を出しておるのでございます。従いまして、今後はあくまでもやはり電電公社というこの姿は、わが国一つの独占企業体として大いに指導し、守り抜かなければ相ならぬという強い信念を持っております。
  91. 山田節男

    ○山田節男君 そういたしますと、今出されておるこの法案を見ますと、許可の条件が列記してあるわけです。ですから、公衆通信ではないけれども、電話の利便というものを、これを十分発揮させようとすれば、私はここに今大臣のおっしゃるような、そういう御意見ならば、もう少し法律の付加条件というものが、考えがあったんじゃないか、こう思うのですが、たとえば第四条の「郵政大臣は、前条の許可の申請が次の各号に適合していると認めるときでなければ、」「許可をしてはならない。」という条項で、六つの条件がある。そうすると、その第一は、業務区域といいますか、これをはっきりさすために、社会的経済的に相互に比較的緊密な関係を有している。いわゆる地域社会ということに非常に厳重な定義を施されておって、そして、その相互間における電話連絡が不便となっている地域業務区域とする、不便となっておるということが、私は技術的に実際に考えて非常に不便だと思う。これは見ようによれば、非常にあいまいなんです。それからその次に、そういう一つ地域社会に有線放送電話施設を許す。しかし、隣村の有線放送電話とは接続してはいかぬ、これは申される通り、電話というもののありがたさは、地域が広ければ広いほど利便がふえるのですから、こういう法律を出す精神からいえば、それこそそういう隣村地域がお互いにコネクトして、六百軒のものがさらに千八百軒、二千軒になれば、ますますこの有線放送電話というものの存在価値があり、ますます効率が上ってくるのじゃないか。それをあえて規制するという、また一方においては非常に矛盾した規制を加えるというふうに私思うのですが、そういたしますと、どうもこの有線放送というものは、一方においては政府がこういうように農林省あるいは自治庁が奨励されて、今回、郵政大臣としてこういう法律を出して規制を加える、そして、行く行くはこの日本の電電公社で足らない点はこれでカバーしていくのだという政府の一つの方針というものは、非常に不親切といいますか、電話サービスが、一般の要望を考えれば、これでチェックしてしまうという心がまえがここに現われているのですね。さっきの大臣のお言葉とこの法文とが非常に私は矛盾しているように思うのであります。この点はいろいろいきさつがあるだろうと察しますが、大臣のお知りになっている範囲でもいいですから、なぜこういったような電話サービスの本質にもとるような規制をここに加えていられるのか、その理由一つ
  92. 平井太郎

    ○国務大臣(平井太郎君) この点につきましては、先ほど私が申した通り、公衆電気通信法の精神というものが、やはり電電公社を日本一本の姿であくまでも通し抜くという基本線がございます。そこで、この有線放送のこうした問題をあまりに拡大していくということになりますれば、そうしたこの電気通信法の精神の中へ食い入っていきはしないかというようなところが私にも十分うかがわれるのであります。それに大いに規制をいたし、そこで、この他地区に対してはやらせないというような方針のものであると私は考えます。
  93. 山田節男

    ○山田節男君 これはこの逓信委員会で、この法律案のまあ母体となったと申しますか、例のラジオの共同聴取の問題、これは私は昭和二十四年に北海道に行って共同聴取の実情を見て、これは何かの規制を加えなければいかぬ、新谷君も御存じですが、たしか昭和二一五年の第十国会と思いましたが、共同聴取規制に関し、電波監理局長に命じて腹案を作らした。ところが、今度はテレホン式がその後できまして、ラジオの放送と同時に電話でやった。で、私はこれはしろうとですが、この間からいろいろな本を見て痛切に感じますることは、アメリカで御承知のように有線放送のテレビが非常に多いわけであります。そうして、これはもちろん公衆通信電話線ですが、その線を利用して、たとえばテレビの受像が非常にむずかしい地方では、公衆通信も話線を利用してテレビジョンを受像しているわけです。でありますから、これは現在の日本の電電公社の有線電話の線路もこういうようになってくるのじゃないか。アメリカと同じように、テレビが有線を使わなければ受像できない、アンテナを使わないで有線でやるということになるのではないか。それからもう一つ、こういったような有線放送電話というものが普及して参りますと、全国に百万ということになる、そういう、ことに、山間僻地に設けるのでありますから、テレビジョンの受像もむずかしい所が多いに違いない。そういう場合には、これは技術的に、私しろうとでよくわかりませんが、そういう所にこの有線のラジオ放送している線路を利用してテレビが見えるようになる。もとより加入者の十分の一もテレビジョンのセットを買う能力がないかもしれぬ。しかし、一つ部落の中において一基、二基置くというようなことも、これがあればできるのじゃないか。もし、そういうことになった場合には、これは今ここに有線放送電話法というものを作りますけれども、これは数年ならずしてテレビジョンの有線放送をもし民間でどんどんやれば、どうして規制するか、私は政府としては、当然そこまで考えなくちゃいけないのではないかと思う。ラジオの共同聴取を規制する法律を作ったのが、今日では電話を併用してきている。まさに私は電気通信に関する限りは、実に日進月歩するのに驚いている。しかし、テレビジョンも有線放送を利用することは夢ではないと思う。現にアメリカでやっておりますから、有線テレビジョン放送ということが発達すれば、電電公社のやっておる線路の有線放送というものをどうするかということになってくると、これは有線電気通信法改正する必要があるのではないかと思うのです。こういうさなかにおきまして、こういう法律を作る上におきまして、私は政府が一つの規制を加える、一つの技術の基準を設けるということは、むしろ私は時期もおそきに失するくらいに思うのです。先ほども申したように、今の有線電気通信法では、単なる、取りつく島もないからしてこういうものを作って、まず郵政省が監督し、規制をする足場を作るのである、こういう私は御趣旨だろうと思うのです。それにしては、先ほど申し上げましたように、これは将来テレビジョンの有線放送というものに利用されていく。そこでさらにこれは規制を加えなければならないということになるのでありますから、現在までにできたものはいざ知らず、今後におきまして、この法律ができる上におきましては、これは相当公社並みの設備はできないでも、これに準ずる程度施設のいいものを施設せしめるということが、これは農林省と自治庁の趣旨とは違うかもしれない。しかし、公衆電気通信を守るという立場、利便をよくするという立場において、郵政大臣としては、むしろ私はこういうものを作ると同時に、一つ基準、規則なるものを、政令でもいいと思いますけれども、できれば法律でそういうものに私は規制を加えてこそ初めてできるのではないかと思うのですが、この点に関して、なぜそういうことをされなかったのか、もし理由があれば大臣から承わりたいと思います。
  94. 平井太郎

    ○国務大臣(平井太郎君) 現状の姿が相当にやはり有線放送は野放しになっておることにつきましては、これは申しわけがないのでございまするが、現在そうした姿が各所に現われておりまするので、今ここで強く設備内容の規制をやるということにつきましては、今まで既設のものに対するいろいろまた新しい問題ができて参ろうかと思います。こうした問題等をも勘案いたしまして、今後は十分監督、その他について運営の妙を発揮できるよう考慮しつつやっていきたいというので、こうした法律を提出いたしたのでございます。他意はございません。
  95. 山田節男

    ○山田節男君 これは、まあ私、郵政大臣にこれ以上の技術的なことを申してもしようがありませんから、他の機会に譲ります。  もう一つ、御承知のように、これはわれわれ国会議員に非常に関係のあることですが、今日の公職選挙法によれば、電話による選挙運動はこのごろ自由になっている。私、過日二、三有線放送施設のある所へ行きまして、放送施設あるいは電話というものを選挙の場合に各候補者に使わせるかということを聞きますと、これは、いや、実は非常にうるさいと思いまして、絶対にこれはやらないようにしていると言う。たとえば神奈川の伊勢原の成瀬におきましては、これは絶対に使わせないということになっておる。ところが、千葉県のある一部におきましては、これは各会派に公平に使わしております。今回、有線放送電話法によって、その規格によってできた電話は、これはどうでしょう、郵政省として、あるものは選挙運動に使わし、あるものは絶対に使わせない、これは私は一選挙区内で、まあ参議院は一県下ですけれども、地域々々によって、そういう片方は許す、片一方は許さぬ、これは私は重要な問題だと思うのです。それでこれはやっぱり公衆通信電話と同じく、これは大いに使っていいのだ、使うことは自由だということが、これは私は大臣によって、何かの示唆の程度ででもいいから、いわゆる公衆通信電話を選挙運動に利用することができるという——一方でこれを禁じ、あるいは片一方ではやっていいという不公平では、非常に私は片手落ちではないかと思うのですが、これに関しては、どういう措置を講じられますか、伺いたいと思います。
  96. 平井太郎

    ○国務大臣(平井太郎君) この点につきましては、有線放送はとうした選挙の用に供しないということに相なっておるので、原則的に、これは選挙の用には供せません。はっきりこれはいたしております。
  97. 山田節男

    ○山田節男君 そうすると、現在、まあこの法律かできる前、ある村に対しては許しているということは、どうなんでしょうか。今後はそれも禁止するという意味ですか。
  98. 平井太郎

    ○国務大臣(平井太郎君) 今のはちょっとよく聞えなかったので……。
  99. 山田節男

    ○山田節男君 ある一部ではそういう選挙運動に対しては使わせない、ところが、ある一部では各会派、政党に平等に使わしております、そのかわり多少のお金はいただきます、こういうことになっている。全部そういうものは禁止する、こういう意味ですか。
  100. 平井太郎

    ○国務大臣(平井太郎君) 公職選挙法では、公衆電気通信法の規定する電話、いわゆる電電公社電話ならば、今選挙には許されておる。しかしながら、この有線放送のこうした問題についての利用は許されておりません。これは選挙違反に相なると思います。
  101. 山田節男

    ○山田節男君 これは、法案のどこにそういう禁止規定があるのか、それがわからないから今質問しているのです。どこに禁止規定がある。(「大臣、取り潤しだ」と呼ぶ者あり)
  102. 松田英一

    政府委員松田英一君) ただいまの御質問に対しまして、大臣の御答弁を補足いたしますが、公職選挙法の関係で右線放送というものは選挙には使えないことになっておりますが、電話はいいことになっております。そこで、現実にこの有線放送設備を利用した電話というものが、果して公職選挙法にいっておる電話というものに当てはまるかどうかということになりますと、これは非常に微妙な問題もございまして、最終的には、公職選挙法の法定解釈ということで、自治庁になりますか、そういう関係の方の最終決定に待たなければならないわけでございますが、一応、私どもとして雇えれば、やはりこの有線放送を利用している電話というものも電話でございますから、まあ童話としての利用なら差しつかえないじゃないか。しかし、これが有線放送と結びついておりますために、有線放送的に利用されるか、電話施設として利用されるかということにつきましては、かなり微妙な問題があろうかと思いますので、やはりこの点につきましては、監督の権限のある官庁からでなければ、はっきりとこうだということは申し上げにくいのではないかと思います。(「おかしい、おかしい」と呼ぶ者あり)
  103. 山田節男

    ○山田節男君 これは、私、さきの参議院の選挙には利用されたかどうか知りませんが、地方公共団体の場合、たとえば町村会議員の選挙の場合には、これを使わせるか、使わせないかということがいろいろ今議論になっている。使わしている所と、使わしていない所とある。現にただいま申し上げました相模の伊勢原の成瀬村では、それは一切使わしていない。これでいけば、一応全部のものを……。ところが、そうでない所がある。電話での選挙運動はできるのだというようなことでやっておる。そこにこれは非常に不統一がある。これが今後この法律によってどんどんふえていった場合に、これはやはり郵政大臣として、どっちかにきめておかなければならないですよ。
  104. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 速記をとめて。    午後五時二十一分速記中止    —————・—————    午後五時四十七分速記開始
  105. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) それでは速記を始めて下さい。  本日は、これにて散会いたします。    午後五時四十八分散会