○山田節男君 これはまあ
会長になられて、
永田さんの立場としては、それ以上言えないだろうと思うのでありますが、これは
事業の経験のある
永田会長としては、これはもう少し一歩退いて、たとえ職員が反対しようとも長い目で見て
NHKを確固たる
基盤の上に乗せるというようなことを私は十分
検討される必要があるだろうと思う。私今までそういう話をしますと、
NHKに従業している諸君たちは何か今までの自分の特権を、あるいは自主的な
事業のうまみをなくするような印象を受けておるのじゃないかと思うのですが、先ほど申し上げておるようにもっと長い目で見なきゃならぬ。これはもっとシリアスに
考えられるかもしれませぬけれども、
収入を確保するということから
考えますれば、これは
一つの政府の力で漏れなく、これはもう無線の
事業なのですから聞くことも政府が個々に免許を与えることも決して不合理じゃないのです。電波法の精神から言っても決してこれは矛盾ではありません。ですから郵政大臣に伺いたいのですが、
NHKをもう少し
公共放送として発展させることを約束させるためには、そういうことも私は十分
考えてもらわなければいかぬと思います。
NHKも自分の業務で重大な面としてやっております加入の
仕事、これはなくなれば首切りしなければいかぬじゃないか、こういうことを
考えないで、もう少し根本的な将来長い目という形で私はほんとうに
永田会長の鮮度、これは
一つ数字的にも
検討されて
一つの態度と申しますか、
意見を私はまとめてもらいたい、このことを私は強くお願いいたします。と同時に
テレビ、
ラジオの民間
放送が隆盛になってくればくるほどこれは一面
NHKに対する風当りが強くなる、これは覚悟の前でなくちゃいけないと思いますが、これは同時に、郵政大臣としては
NHKを
公共放送として守り立てていかなければいかぬ。先ほど
公共放送でスポンサーを、まあ
日本で言えば三公社五現業——電電公社であるとか、あるいは国鉄、あるいは郵政省の郵便
事業、こういうものが、先ほど言われた例はおそらく私はオーストラリアかカナダかと思うのでございますが、
公共放送としてのスポット・アナウンスとして、政府のそういったような告示、公告というものをやらせる。そのスポット・アナウンスも莫大な金です。
日本で言いますと、たしかあれは二分だと思いますが、
日本の金にしまして毎回一スポット・アナウンス邦貨にして二十三万余の金を出しておる。それは政府としてもPRとして非常にいいことであり、また
公共放送に対してそういう間接に助成と申しますか、やはりああいう商業
放送による薬品であるとか、あるいは酒であるとか、たばこなんかの広告をさせるよりも
公共放送からやれば受ける方も気持が違う。それと同時に、私はこの間岸内閣になりましてから総理大臣あるいは閣僚がときどきこの内閣の施政方針というものを、いわゆる炉辺談話の形でもって
テレビで、
ラジオで
放送する。私はこれは非常にいいことだと思います。来年度の
予算におきましても、その
費用として、私正確に覚えておりませんが、たしか約四千万円の金を計上しております。これは何にするかといえば、民間
放送でこれをやるという建前で
費用を計上しておるわけです。これは政府は今言ったように
公共放送を通じてやるという建前でないから、金は四千万円弱であります、実際に
放送に使うのはあるいは三千万
程度かもしれませぬけれども、しかし何を好んで民間
放送のスポンサーとなって国税を使ってまで
放送をするのか、これは私今の内閣の
放送事業に対する認識がちょっと足りないと思う。この
予算を現に私ども今審議しております。行政庁としてはこういうことは
公共放送を信じて、やはり民間を通じてやるべきじゃない。これは郵政大臣この点は十分
一つ御了解を願って、
関係閣僚にもそのくらいの
意見は申し述べてもらいたい。と同時に、私は
永田会長の行動を一々批判するわけじゃありませんが、
永田会長は、いつでしたか、
ラジオ東京だったか文化
放送だったかしりませんけれども、対談をして民間
放送で、たしか
テレビだったと思いますが、あるいは
ラジオだったかしれないが、私ちょっとそれを聞きました。これは
永田会長非常に民主的であるという
意味においては私は非常にいいことと思うのですが、少くとも
NHKの
公共放送の
会長たる者が民間
放送の中に、しかもそういう
事業に関する対談として出る、これは私直感的にどうかしているのじゃないか、もう少し
公共放送は自分の尊厳ということを、
公共性を
考えればそういうことはやるわけはないのだが、どういうわけでこういったことをやるのか、実は私は心外に思ったわけですが、これは決してあなたは高くとまっておれというのじゃなくて、今日の
公共放送の根幹である
NHKというものはもう少し私は矜持と申しますか、そういう態度をくずしてもらいたくない、それで私はそういうことを申し上げておるのでありますが、
永田会長としてもこれはそれ以上のことを申されることは無理かもしれませぬが、とにかく
NHKの
財政収入が
現状では行き詰まっていることは、すでにあなたもさきにおっしゃっておる。それじゃ
聴取料を上げればいいじゃないか、六十七円を八十円、九十円にすればいいじゃないかということになりますと、これは私は
国会としてなかなか容易でないと思います。この一年、二年の間に
料金を上げるということはなかなかこれはむずかしい問題になるので、できればよろしゅうございますけれども、そういうことを
考える前に今のような、先ほど私が申し上げたようにヨーロッパの商業
放送のない国は、こういうことをすでに実施しておる、またそうせざるを得なかった事実を
一つ厳正に研究されていただきたい。
一つ合理化と申しますか、
収入確保の道を開くだけの私は
永田会長が意を振ってもらいたい、これは希望になりますが、そういうことを申し上げておきたい。
それから次に
予算に関してでありますが、御
承知のように郵政省が
テレビのチャンネルの案を作っておりますが、電波監理審議会に出しておりますが、その結果はどうなりましょうと、もしこれが
NHKが希望しまするごとく、
テレビジョンの第二
放送をなし得て、
教育を主として
放送するということになると、さらにまたHNKがここにおいてもうたっておるように
ラジオの第三
放送を開始するといった場合、おそらく
テレビのチャンネルの場合には、これは開局するにしてもどのチャンネルが当るか知りませんけれども、不幸にして駐留軍が使用しておるものが当れば、あるいは本年度内には開局できないかもしれませぬ。しかし、もし本年度内に開局するということになりまして、第二
放送を
教育放送としてやるとすれば、これは莫大な金が要るわけですから、そういう点についてはこの
予算案を見ますと、何ら片鱗も見えていない、
NHKとしては特殊法人でありますから補正
予算制度というものはないわけです。そういった場合にはどういうような構想でおやりになるのか、これは予定でよろしゅうございますから具体的に
一つお伺いしたい。