運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1957-03-14 第26回国会 参議院 逓信委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年三月十四日(木曜日)    午前十時四十五分開会   —————————————   委員異動 三月八日委員片岡文重君辞任につき、 その補欠として森中守義君を議長にお いて指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     剱木 亨弘君    理事            手島  栄君            最上 英子君            鈴木  強君    委員            石坂 豊一君            新谷寅三郎君            前田佳都男君            松平 勇雄君            横川 信夫君            三木 治朗君            光村 甚助君            森中 守義君            山田 節男君            横川 正市君            奥 むめお君   国務大臣    郵 政 大 臣 平井 太郎君   政府委員    郵政政務次官  伊東 岩男君    郵政省郵務局長 松井 一郎君    郵政省簡易保険    局長      成松  馨君    郵政省電波監理    局長      濱田 成徳君   事務局側    常任委員会専門    員       勝矢 和三君   説明員    日本電信電話公    社副総裁    靱   勉君    日本電信電話公    社職員局長   山本 英也君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○簡易生命保険法の一部を改正する法  律案内閣提出衆議院送付) ○郵政事業運営に関する調査の件  (郵政従業員給与改訂等に関する  件) ○電気通信並びに電波に関する調査の  件  (日本電信電話公社従業員給与改  訂に関する件)  (電気通信事業合理化に関する  件)   —————————————
  2. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) ただいまより委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。去る八日片岡文重君が委員を辞任され、補欠として森中守義君が選任されました。   —————————————
  3. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) それでは、簡易生命保険法の一部を改正する法律案議題といたします。  まず、本案の提案理由について御説明願います。
  4. 平井太郎

    国務大臣平井太郎君) ただいま議題となりました簡易生命保険法の一部を改正する法律案について、提案理由を御説明申し上げます。  簡易生命保険保険金最高制限額は、現在十五万円に制限されているのでありますが、最近における経済事情の推移にかんがみますと、この金額では国民経済生活の安定を確保し、制度本来の機能を十分に発揮することができない実情にあるのであります。  もともと、簡易生命保険保険金最高制限額は、本事業創始以来、勤労者階層の老後における生活安定または被保険者死亡の場合の医療費葬祭費及び遺族の生活保障に必要な額を基礎として定められてきたものであります。従いまして、最近における勤労者階層の所得の増加、経済生活向上等にかんがみますと、保険金最高制限額を相当程度引き上げなければ、制度本来の使命である保険的保護を十分にはかることができないのであります。しかしながら、他面民営保険状況等を考慮いたす必要がありますので、これらを勘案いたしまして、保険金最高制限額を二十万円に引き上げることにいたそうとするものであります。  何とぞ十分御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願い申し上げる次第でございます。
  5. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 本件に対する質疑は、次回に行うことといたします。   —————————————
  6. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 次に、郵政事業運営に関する調査及び電気通信並びに電波に関する調査を一括して議題といたします。  質疑の通告がございます。順次御発言を願います。
  7. 横川正市

    横川正市君 大臣の不在、病気引きこもり中の委員会の席上で、実は私の方からと、それから森中委員の方からと、それぞれ大臣に、出席されたときには必ずこれらについて答弁していただきたいという項目を出してあったのであります。私の方からは、大体五つくらいの項目に分けまして、就任いたしました当時の大臣一般郵政行政に対する報告を行いました中で、労働事情等の問題に触れておったわけでございますが、私は労働事情報告というのは、言いかえれば一般的に起った現象だけを報告するにとどまらないものである、解決のための努力をどういうふうに行なっているかということが、私は最も重要なことだということを指摘いたしまして、一昨年の三月に出ております調停案第一項の未実施等を含みまして、秋季闘争、さらには予想されております春季闘争渦中の中でこれを解決するためにに、省としてはどういうふうに努力しようとしているのか、この点を質問申し上げておったのであります。時期が非常におくれておりまして、しかも、今春季闘争渦中にあるわけでありますが、私は春季闘争解決するための省の熱意問題等もお伺いする時期に到来いたしておると思うのでありまして、そういう問題から、実は先般質問を前もってしておったわけであります。この報告内容からいきますと、私はやはり何といいましても、三十二年度予算の中で、一体郵政省としては秋季闘争春季闘争を予想して、解決のための予算をどう組んでいるか、これはまあ私は何といっても大切なことであったというふうに思っておるわけであります。  それから第二点の問題は、年間を通じて郵政職員昇給原資については、これは従来は、あまり紛争の種にはならなかったのでありますが、一昨年から年間予算の額が不当に削減されまして、結果的には職員と省とが紳士的に協約をいたしました八八協約昇給制度そのものにも影響を来たし、それが実施不可能な状態にあり、相当省自体としても無理をしている状態がまあ出てきておるわけでありますが、三十二年度を前にして、この問題についてどういうふうに解決しようとしているのか、この点を第二点として御質問してあったわけであります。  さらに第三点としては、この省の経営面のいわゆる財布を預かっておる建前から、その財布の中身というものを常に気を配っておられるだろうと思うのです。そうしますと、一般会計に依存することを全然できない状態の中にあって採算をとっていこうとするならば、その点から私は事業全体に対する原価計算が厳密に行われておるものだと思っております。そういう原価計算の結果を私はまあお聞きしたい。ことに、小包料金であるとか、三種の郵便物に対する料金の問題とかは、当然私は省として資料に基いた結論を持っているはずである。さらにもう一つは、郵便料金制定というのは、これはいわゆる大衆課税的な、普遍性をもって制定されるものなのか、それとも利用者負担によって、当然その利用の度合いによって負担を打ち立てていくべきものなのか、その方針を省としては明らかにすべきじゃないかということを付言いたしておったのでありまして、その点の解答もいただきたいと思っております。  さらにもう一つは、年賀はがきの問題でありますけれども、一昨年の暮れの年賀はがきの取扱いに対する改正案が省として出されまして、その問題が相当まあ紛争をしたということは、これは御案内の通りであります。私は郵政料金制定というものが、年末において一般需要が非常にふえてくるからとか、それからまた年末という特殊な事情などからということで、はがき料金が値下げされて、四円で売り出されるということは、これはもう思想的にも実際的にも納得しかねる問題なんです。こういうことがきめられたからやっておるわけであって、きめられるまでに私は無理があったということをまず根本的な問題として考えておるわけなんですが、ことしもいろいろな財源を求める問題等とも関連しまして、年賀はがきの省の売り出しに対する態度は一体どういうふうにしようとしているのか、もちろん社会事業に貢献をいたしております郵政事業の問題でありますから、ちょうど戦時中に、航空機発達を助成するために、切手に航空機発達を援助するための資金をプラスをして売り出したとか、そういった例もありますし、あるいは外国にも、社会事業に貢献するためのいろいろな方法があるのでありまするけれども、それは必ずきめられた料金にプラスして売り出されているというのが、しかも、限定して売り出されているというのがこれは例なのでありまして、そういうところからいきますと、社会事業に貢献する気持は十分持っておって、私はこの問題について省の態度を明らかにしていただきたい、こう要望しておるわけです。  それから第五の問題は、中共との郵便約定になりますか、協定になりますか、この点省考え方で答えていただきたいと思うのでありますが、この点も普通一般常識からいけば、郵便事業というものが、思想的とか、あるいは国際間における紛争とか、いろいろな問題が原因になって途絶するということは非常に不幸なことでありまして、両者間で私は熱意をもって早期解決しなければならないものと思っておるのでありますが、中共との関係はまだ未解決になっておる。これに対して、省としてどういう解決をしようとしているのか、この点も御質問したわけです。  そこで、本日私はこれらの問題について、詳細に実は答弁をしていただきたい、こう思っております。しかし、これをやっておると時間がないので、この点は後刻開かれる委員会で、大臣出席一つ頻繁にしていただきまして、逐次問題の解決をはかっていきたいと思うわけでありまして、本日はこの春季闘争の中にあります職員と、全逓や本省との問題に対していささか質問を申し上げたい、こう思うのであります。  去る十二日に大臣出席をいたしております閣議で、いろいろ検討されたようでありますが、その検討された内容について、私はどうも単に新聞の報道だけではふに落ちかねる問題がたくさんありますので、少しばかり拾ってお答え願いたいと思うのであります。まず、この調停案内容が、監督官庁意見を聞いておらないということを指摘して、その点について不満を持った。第二の問題は、三公社現業内容は、いわゆる経理内容というのが異なっておるのに、調停案は一律の金額を示されておる、この点についても不満である。それから第三番目は、積算された基礎になっております資料が、労働省統計による資料と違っておるから不満である、こういう問題。それから一般公務員給与勧告が、これが三年間給与勧告を行わなかった、今度行なったおもなる原因というのは、三公社現業との間の給与のアンバランスを埋めたい、こういうことで出されたことである。しかし、今度の調停案にはそれは考慮されておらない。それからその次には、国鉄電通、それから郵政等に、何かやみ賃金のようなものが処置としてとられておるけれども、そのことは一体どうなのかわからないから、これを労働委員会質問したい。それから最もこれは重点として私はお聞きしたいのは、仲裁裁定が出る、これをのむということは悪例になるから、そういうような悪例にならないためにも、現在政府としては裁定に対する態度を明確にしない、こういうようなことが大体その席上で言われたようでありますし、そのときに石田官房長官が談話として発表した内容を見ますと、調停案内容そのものは、以上のような理由があるから、しかも、十二日に仲裁へ持ち込もうとしておったものを、これを十七、八日ごろまで遷延をする、こういう発表が出ておるのでありますが、これは私は当然、郵政省とそれから全逓との間で出されました調停案内容をこの際審議する意味においても、あるいは電通調停案を審議する意味においても、きわめて重要な問題でありますので、まず、この点を御質問申し上げたい。
  8. 平井太郎

    国務大臣平井太郎君) お答え申し上げます。ただいま御指摘になった五項目については、私が参加いたしました閣僚懇談会では、さような問題は出なかったのであります。そこで、私が参加した閣僚懇談会では、現在調停案が出されておる、それで、この調停案についてその内容をつまびらかにしていない、だからこれを十分検討しなければ相ならぬ、積算基準ももう一つ検討しなければ相ならぬではないか、また、三公社現業の問題については、いろいろ内容も異なる点もあり、この点を十分調整する必要もあるのじゃないか、また、一般社会の動向なども検討の必要があるのではなかろうかというような話が各閣僚から出まして、それはごもっともな御意見である、では十分ここで検討いたし、調停案内容を、三公社現業がおのおのの立場においてよく検討をして、そこで、この案の内容をまた持ち寄ってよく懇談をいたし、その後に一つ仲裁裁定にお願いをしようではないかというのが、そのときの閣僚懇談会内容でございます。それだから、御指摘になったいろいろの事柄と多少違っておると思います。
  9. 横川正市

    横川正市君 労働事情が非常に私は政府自体にとってみても憂うべき状態に来ていると思うのです。その解決のためのかかって力を持っておりますのは、私は政府の現在の置かれている立場だと思う。ですから、そういう意味合いからいいますと、たとえば十二日の日に仲裁に持ち込みたい、つまり、いろいろな議論があるから十二日の日に仲裁に持ち込みたいという意思を持っておったのが、それが十七、八日ごろになるだろう、しかも、その原因は、私が今指摘したような六つの問題だ、こういうことになりますと、この問題について、私はもう少し具体的に大臣のお考え方というものがないと、結果的に私はこれは紛争を長引かせて、その長引かせて起ってくるいわゆる国民に対する迷惑であるとか、あるいは両者の損失だとかというものは、あげてこれは政府責任を負わなければならない、こういうことになると思うのです。ところが、片や今度の場合はもう鳴りもの入り政府並びに与党は処分の問題、いわゆる厳重処罰の問題だけを前に出して、解決しようとする熱意を全然持っておらない。これはまことに私は不満足この上もないものだと思うのでありまして、なぜ、こういうような理由が出たから十二日のやつを十八日にしたというその理由をもう少しはっきり言ってもらわないと納得のいかないものになると、こう思うのです。
  10. 平井太郎

    国務大臣平井太郎君) 私の考えといたしましては、この問題は早急にやはり解決をいたしたい、かように存じております。そこで、調停案内容につきましても、郵政者といたしましては、私、実は病気中でございましたけれども、やはり火曜日の午後の閣僚懇談会にはみずから要求して出たのでございまして、そこで早期解決をして国民の迷惑を一日も早く解消いたしたいという念願で私は閣僚懇談会に臨みました。そこでいろいろ、相当長期の間寝ておりましたので、閣僚間の事情もわかっておりませんから、最初は聞き役で聞いておったのでございます。しかし、いろいろ結論も出るような段階になりましたので、私も一つ発言をさしていただいて、その発言内容といたしましては、いずれ仲裁裁定を出すのなれば、早く調停案内容検討してすみやかに処置すべきである、仲裁裁定が出れば、組合各位におかれても十分善処してくれということも関連して、一つ早くやりましようじゃないかという発言を私にいたしました。そうしたところが、各閣僚も、それはよくわかる、わかるから十分検討しなければならない、ただ、一つ心配なのは、相当大きなこれには予算が伴う問題である、だから、この予算処置の問題も十分検討しなければ相ならぬということも、最後に言われたのでございます。これはもうもっともなことなんで、私としても、これは当然なことである、かように存じたわけでございます。そこで、私はまずこの調停案につきまして、その晩おそく役所へ帰りまして、人事部長その他事務局を呼びまして、きょうの閣議内容はかような事柄であった、だから、郵政省としては一日も早くこの調停案に対して十分検討を加え、そうして態度を早くきめてくれということを、事務当局に十分申し伝えておるのでございます。そういうような観点に立ちまして、私といたしましては、できるだけ誠心誠意労使平和的運営をはかって円満にこの問題を解決いたしたいという熱意に燃えております。
  11. 横川正市

    横川正市君 委員会の席上で、具体的に誠心誠意熱意をもって解決したいという大臣気持を、もっと具体的な表現で実はいただきたいというのは、私は、大臣就任のあいさつの中にも、健全な労働運動を望むんだという文字があったものですから、健全な労働運動というものはどういうものかということについて、実はいささか疑問を持ったわけです。その点についてきょう触れるのはやめまして、少くとも健全な労働運動というものの中には、こういうようなものがあると思う。いわゆる第三者介入労使間の紛争というものが起った場合に、第三者調停委員会とか、仲裁委員会というものを尊重するということが、これが少くとも健全な労働運動に対する私は省側のとらなければならない態度だと思うのですね、省側として。そうすると、調停委員会調停は出されました。その調停は、かつても調停案を主軸にして紛争解決したということが幾つかあるわけでありまして、必ずしも仲裁に持ち込まなければならないというものでは私はないと思うのであります。もしも、尊重するということになれば、調停案というものを尊重して紛争をすみやかに解決して、そうすれば十一日からの紛争は起きなかった、こういうことになるわけであります。それが、調停案がすったもんだすったもんだして、受諾するともしないとも言わない、そうして四、五日たっているうちには、これは仲裁に持ち込むのだというような、ここに紛争を長引かした非常に大きな原因があるのだと思う。そこで、私がふに落ちかねるのは、この一から六つ政府調停案をのまないで長引かせた理由の中にあげられた項目はどうもわからないのであります。たとえば、監督官庁意見を聞かなかったということです。こういうばかなことは私はないと思う。まず、郵政省意見を聞かない、それから職員側意見を聞かないで、大体調停案内容が作られると思っているのが私は全然間違いである。その監督官庁というのが労働省であったり、政府であったりするということは、私は少くとも介入だと思います。予算が幾らありますかとか、それから一般的な労働市場がどうですかということを聞いて、そのバランスの上に乗っかって調停案を書こうという調停委員会ならば、私はこんなものは要らぬと思います。ですから、少くとも監督官庁というようなものが、たまたま閣議の席上でのむ、のまないという大きな論議の的になったということになると、これはとんでもない論議をしてくれたものだと私は、そう思うのです。  それから第二番目の三公社現業のそれぞれ経理内容が異なっておって、それでその点が調停案に考慮されておらない、こんなことも、私はこれもばかげたことだと思います。ことに、経理内容からいけば、私はかつての闘争でただたび経験したのですが、その経験の中では国鉄とか郵政財源がない、財源がないからお前の方はちょっとがまんしろ、ところが、電通の方には財源があるのだ、財源があるけれども、国鉄全逓に出せないから、お前の方はがまんしろ、こういう言い方をたびたび政府の方ではやっておる、こういうことを私は聞いておるのであって、これは五現業経理内容バランスがあるのに、調停案が一律に出たということを言うのは言いがかりだと思います。解決しようとするならば、私は少くともそのいずれかの調停案に対しても熱意誠意をもって解決するという方法というものがあったと思います。もし財源がどうしてもそれと見合わないならば、労働政策上からいっても、それに見合う解決を見出して、のむという態度を私は決定すべきだったと思うのです。この二の問題は、そういう意味からいっても、過去のいろいろな経験から政府のとってきた態度からいってみても、まことにこれはつけたしの言いのがれである、こういうように思うのです。それから積算されたいわゆる資料の上で労働省の案から見て非常に違ったものだということに至っては、私は、政府として少し慎しんでもらいたいと思うのです。政府自体もやはり民間統計とか、その他市場における統計を使用いたすのでありまして、調停委員会としては、その上になお労働市場というものを加味して出されるものでありまして、そういう意味からいって私は労働省資料でなければ絶対にだめだという政府言い方というものは、これは労働紛争解決しようという意思のないものと私は見ていいと思います。こういうことも実際上の理由にはならない。それから国鉄、それから電通郵政その他に、やみ賃金がある、これこそ私は政府は最も注意をし、熱意をもって解決しなければならぬものだと思うのです。なぜならば、紛争解決し、正常な業務を続けたいという当局熱意と、それからすみやかに解決して業務につきたいという労働組合熱意というものを無視して、冷い、金の財布を持っている側の意見をそんたくして、その両者熱意というものを粉砕するという行き方、これはもうまことに私はとるべきことではないというように思うのでありまして、これも私は政府自体としては、まことに独善的なものの考え方で、紛争解決するという熱意についてはまことに疑わしいと、こう思うのであります。  さらにその次の裁定問題でありますが、少くとも正常な労働運動調停がだめならば仲裁に従うという、これはもう明確なるルールを立ててもらわないと困ると思います。仲裁が出たのだけれども、それをのむとか、悪例になるなんという考え方政府の中にあって、紛争解決するなんということは、これはもうとんでもない私は話だと思います。こういうふうに指摘すれば、すべての問題について、私は疑問点と、それから不満を持っているのでありますが、これはまあ言いかえれば、私はすみやかに解決したいという大臣意思と、しかも、その出席してきめられた閣議の決定というものとはまことに違う。もっと言っていることと内容というものを一致さして答弁していただきたい、かように思うのです。
  12. 平井太郎

    国務大臣平井太郎君) ただいまの御指摘の各項目につきましては、ごもっともな御意見でございます。そこで、私が火曜日に列席いたしまた閣議内容は、あなた方御指摘になったような項目ごとに、また、いろいろやみ賃金の問題とか最低賃金に対する問題であるとかいうような問題は含んでおりません。これは私が責任を持ってはっきりこの場で言明ができるのでございます。ただ、調停案内容それ自体が、もう少し政府としても検討いたしたいというので、その問題に一点しぼられた論議でございます。そこで、私の意見といたしましては、早く、では調停案内容検討して、政府自体としても思想統一し、予算措置も十分考えて仲裁裁定に持ち込む手段を早くとろうじゃないか、それがこの問題の一番大きな解決じゃないか、十九日に、はや予想される第四波の問題もそういうことによって解決がつくのじゃないかということも、私は当時の懇談会で申し上げました。はっきりと申し上げた。まあ、さような事柄でございますので、私の担当している郵政省につきましては、私、郵政大臣就任のときに組合各位懇談会を持ったのでございます。そのときにも、私は労働問題については一番理解者として自分は皆さん言明ができる、今後はいやな紛争は避けて、平和裏に円満に事をお互いに友愛の精神をもって処理していこうではありませんかということも、私は当初申し上げたことでございまして、今回のこの春闘の問題につきましても、私はできるだけ熱意誠心誠意をもってこの問題に善処いたしたい、かように考えております。だからどうか皆さん方におかれましても、私の気持を了とされて、一つ大いに御協力をお願い申し上げたい、かように存じます。
  13. 横川正市

    横川正市君 先般、先ほど私の方から申し上げましたように、私はいろいろな点を総合して、郵政企業それ自体が独立採算制という建前で進めていくことが非常に無理な企業である、しかも、政策的な料金をきめられて、これを押しつけられる、あるいは貯金の企業のように働き蜂のように働いてはくるけれども、運用は大蔵省へ行って、全く企業として妙味のない状態に置かれている、そういうことでありますから、財源の求め方についても、私どもはいろいろと苦慮をされる省の考え方に対して、必ずしも私は反対しない、こういう建前を実はとっておるわけであります。ですから、今いろいろ言われております調停問題等に対しましても、少くとも郵政省は過去のいろいろな経験から考えまして、他省との間で職員の労働賃金の問題とか待遇の問題とかの開きが出ることについては、極力避けて、話し合いをしながら解決をしていく、こういうことで昨今は、少くとも私は郵政省の賃金については、どうにか他省に追いついた形というものを作り上げることができた、こう思っているわけです。また、今回の調停案が出るときにも、そういう意味合いを十分持って他との均衡という問題は、作業上の問題から差がないのだ、あくまでもそれを維持したい、こういう気持を持って申されたことと思います。そういうことでいろいろ調停が出されるまでに苦慮されて出されてきておるのでありますから、そういう意味合いから行けば、閣議の中で言われております仲裁が出たら、これは悪例を残すから、のむということはやらないのだ、こういうことは私はないと思うのでありますが、その点について、大臣の御意見を伺っておきたいと思います。
  14. 平井太郎

    国務大臣平井太郎君) 私の考えを率直に申し上げますれば、仲裁裁定が出たなれば、これは当然尊重すべきである。また、この間の予算委員会でしたか、参議院の、総理の答弁の中にも、さような新聞記事を私は病床で拝見いたしたのであります。これは当然仲裁裁定が出る場合は、われわれは尊重しなければ相ならぬと存じております。
  15. 横川正市

    横川正市君 私は、大臣の今言われたいろいろな答弁に対して、必ずしも全面的に満足はいかない点もあるわけですが、先ほど言いましたように、政府として、六つのいろいろな問題を出されておりますが、これは私はいささかその的を違えた意見だという考え方が多いわけです。大臣もこの点を一つぜひ検討していただきまして、閣議の中では少くともこの大きな紛争解決するための努力をしていただきたい、こういうふうに思うのでありまして、さらに、私はこの機会でありますから、大体まあ全体的な空気として、調停案仲裁に持ち込まれる、こういう空気が濃厚のようでありますので、すみやかに仲裁へ持ち込んでもらう、さらに四波、五波と実力行使の準備が職員側で行われているということを未然に防ぐための政府としての責任ある解決の方向に事態を運んでいただきたいことを私は要望申し上げまして、質問を終りたいと思います。
  16. 鈴木強

    ○鈴木強君 関連して大臣と総裁の方に質問をしておきたいのでありますが、御承知の通り今度の春の賃上げ闘争は、二千円の要求を組合は出しておるわけでありますが、労働委員会調停を申請したわけです。ちょうど十一日から第三波の合法的実力行使をかけるという状態の中で、労働委員会も慎重に配慮していただいて、九日の四時ごろですか、調停案が出たわけです。この調停案に対して、組合側としていろいろ検討したようですが、結局、結論的には、条件をつけて受諾の態度をきめております。これはおそらく現在の労働組合としては、りっぱな結論を出したと私は確信を持っているわけです。すなわち、いろいろ問題はあるでしょう、不満な点もあるでしょうが、私はとにもかくにも、第三者機関である労働委員会調停案を出した以上は、謙虚にそれに従っていく、ただ問題は、何回かの過去の争議、紛争の中で仲裁が出、あるいは調停が出た場合に、なかなかその扱いが思うようにいかなかったということから、特に今回は予算的な措置をしてもらいたい、そして労使間の協約等によってこれが実現できるようにと、こういう付帯条件をつけて受諾したようであります。私は非常にこれに対しては敬意を表しておりますが、従って、それに対して政府がすみやかに調停案を受諾する、そしてその措置をするということが、私は今度の労使紛争解決に一番大きな要諦だと考えておったわけですが、残念ながら政府は今日まだ態度がきまっておらないわけです。十一日の日に、社会党が中に入って政府にお会いしたようですが、このときにも、十二日には少くとも五現業政府機関の方は直ちに仲裁を申請し、三公社の方は、これは公社の方の自主性がございますから、政府は何とも申し上げられないということを回答して、政治的に道義的に実は私たちはそれを信用しておったわけです。ところが、その後今日に至ってもまだ政府は、仲裁を行うこれ自体に問題があるということで、今横川委員指摘したような問題を含めて内容検討されているわけですが、これは私は非常に残念だと思うのです。今大臣質問をした中で聞いておりますと、なるほど大臣閣僚懇談会で、大臣大臣立場からの御意見で、それ私は了承します。ただしかし、なぜもっと突っ込んで仲裁——もし調停がだめだというならば、法に従って仲裁もできるという道があるわけでありますから、どうしてそれをやっていただけないのか、それが十二日には少くともやろうということを両党間で話し合いができておったにもかかわらず、今日まだもたもたしておる。聞くところによると、十八、九日ごろにならないと結論はできないということを言っておるのですが、その問題をこの際一つ明確にどこに問題があるのか、大臣意見はわかりましたが、政府はどういう考えを持っているのか、その点を突っ込んで聞かしてもらいたい。  それから仲裁の場合に、調停して裁定が出た、その際に尊重するということを大臣はおっしゃった。これは当然のことです。しかし、尊重するということでは私は納得できないのであって、当然にその尊重するという意思は、予算的な措置をして、その承認を国会に求めるということであろうと私は考えるが、その点一つ明確にしていただきたい。それを大臣に。  それから国鉄総裁には、今政府が言っているように、少くとも公社と電電通労働組合等との間での賃金についての紛争ですから、出された調停に対する態度を明確に、またこれは公社が自主的におきめになるものである、こういうふうに私は考えている。そうであるならば、当面起きている紛争を、また十九日に合法的な実力行使をかけることになっているようですが——もっとも今日の情報によると、政府があまりにも、組合側が受諾したにもかかわらず、その態度を明確にしないものですから、十六日にはまたやるということを言っているのです。これは私ども無理からぬことだと思う、組合側からすれば。そういうふうに公社は今日に至ってもまだ態度をきめておらない。これは何かしら私は政府公社にひもをつけているような気もするが、大体、どうして公社はもし調停がだめならば、これを拒否して仲裁をするということをやらないのか、その点まず総裁からもお答えを願いたいと思います。
  17. 平井太郎

    国務大臣平井太郎君) ただいまの第一の、調停案が出ているのになぜ早く仲裁裁定に持ち込まないか、どういう理由であるか、大臣気持はわかったが、なぜ政府は早くやらないかという御質問であったと思います。私が閣僚懇談会に臨んだときの空気でございまするが、これはやはり各閣僚にはおのおのの立場から考慮されて、政府としても調停案内容それ自体をもう少し検討しなければ相ならぬと、それからまた世論ということもよく考えなければ相ならぬというような、いろいろ意見が出ておったのでございますが、その世論ということは、やはり現在の経済事情、また他に及ぼす影響その他こうした問題の解決によって将来に波及する問題、いろいろ考えてみると、また考え得る問題もあるような、いろいろ意見も出ておったのであります。まあかような点と、また各省間のいろいろ事情も勘案いたし、政府としては十分統一した一つの思想をここで作り上げて、万遺漏のない態度において、仲裁裁定に持ち込もうという考え方のようでございまして、御指摘のように、もちろん今の気持は早急に調停内容検討し、仲裁裁定に持ち込みたいということは十分うかがわれたのであります。まだ作業の過程で、実際にはその結論がそういう事情で出し得ないということも私は感ぜられるのでございます。  まあさようなことで、私自体の考えとしては、各省は持ち帰って早く調停案内容検討して、一日も早く仲裁裁定に持ち込むというような方向に、これは皆が努力をいたし、解決の道を見出すべきであるというように、今後も推進いたすつもりであります。まあさようなことでこの調停案内容検討は多少おくれるのではなかろうか、さように存じております。  それから第二点でござまして、公社の問題でございまするが、三公社現業と離れて一つ裁定の問題を処理してゆくというような政府のお話であったというような今御質問でございましたが、この点につきましても、いろいろ三公社自体の問題としてやはり考えるべきことは当然でございまするが、またこれが五現業との関連性も多少ある、私としては考えられる節がございます。そういうような意味において、やはり公社自体でおきめになり、結論を出しても、どうしてもやはり関連的には政府等ともよく打ち合せすることが、今日の政治の運営であろうと私は考えております。  第三点の仲裁裁定が出た場合にさっそく予算措置をして議会に諮るべきであるという御質問だったと思いますが、これは仲裁裁定が出ました場合には、郵政省の使用者側の立場としては、当然これはもう尊重いたして早く実施の段階に入らなければ相ならぬのでございます。しかし、これにはやはり議会の承認にも予算措置という大きな問題がまた出るのでございまして、この点も十分やはり検討を加えて議会の皆さんの御承認を得て、最後の結論に相なろうかと考えるのでございます。  公社の問題は一つ靱副総裁から……。
  18. 靱勉

    説明員(靱勉君) お答え申し上げます。今鈴木委員の御指摘のように、もちろん紛争公社と組合との間でありますから、私ども団体交渉を重ねて、結局まとまらぬで組合の方から調停を申請した、こういう経過でございまして、私ども、もちろん早くこの紛争を処理いたしたいということはもう当然の考え方でございます。そこで、調停案が示された次第でございますが、漫然としてただいたずらに私ども遷延しておるわけでは毛頭ないのであります。組合におきましても態度を決定されたのは、たしか月曜日の午後おそくだと記憶いたしております。しかも、その回答は、結局調停申請した各項目について回答がされてない。従って、非常に遺憾である、であるから直ちに受諾できないということを言っております。しかしながら、政府におきまして予算化の措置がとられるということになれば、団体交渉には応ずる、こういうような回答でありまして、この判断を組合が受諾したと見るか、今直ちに受諾できないところを見れば、それは受諾できないというような回答とも見られるわけです。組合におきましても相当慎重審議した結果、そういう回答を労働委員会に出された。私どもといたしましては、もうすでに御案内の通り、今回の調停案におきまして、理由その他につきまして示されておりません。私どもの手に入りましたのはようやく昨日でございましたか、そういうような状況でありまして、単にいたずらに遷延しているというようなことは毛頭ないのであります。連日私どもは必要のある資料も関係の方に要求いたしますし、私どもにおきましても連日この調停案をどう取り扱うかについては、真剣な検討を続けておる次第であります。しかし、率直に申し上げまして、もちろんあの額でございますれば、現在国会において審議中の予算の範囲内で実行できないのであります。私どもとしましては、仲裁へ持っていくことが当然の措置と存じております。しかし、他に予算措置ができないから直ちに内容検討もせず、すぐ仲裁というわけにはいかないのであります。やはり調停案に示された趣旨というものを十分理解し、これを尊重して態度を決定すべきものということで、目下真剣なる検討をいたしておるような次第でございます。
  19. 鈴木強

    ○鈴木強君 大臣の御説明ですと、まだ納得ができないのですが、九日の午後四時に調停が出ております。で、おそらく同日の深更から日曜日にかけてさらに交渉に入って、この問題についていろいろと検討を加えていると思うのです。そこで、どうして仲裁に送るなら送るということがきまらないかということに対して、調停案内容検討をしているということ、世論の動向を考えているのである、各省間の事情の考えなければならないという、こういう三つの理由があげられておるのですが、特に力点を置いて言われたのは、調停案内容検討するということであったと思うのです。しかし、私は少くとも国鉄電通全逓、専売と、それからの組合が公労法上の争議をやっているわけでして、一面では国民各位にこれは大へん御迷惑をかけておると思うのです。われわれは国会の立場からして、一日も早くこの問題を解決したいと考えるのですが、その際には何といってもストライキ権がないわけですから、今の組合には。ですから団交が決裂すれば当然調停に持ち込むことが筋ですね、法律の。ですからそのストライキにかわるべき調停の場として出された調停案というものは、これはすみやかにこれを尊重して実施すれば争議はおさまるんですね。この際に組合が不満だと言い、公社不満だと言い、政府不満だと言うならば、当然仲裁があるのですからそれをされればいい。その措置を的確にやらないで十六日からやる、十九日からやると言っておるところに紛争が起きておる。これはどう考えても責任政府にあると思うのです。それをきめないから起きておる現象です。内容検討にもほどがあるんで、少くとも九日に出されたまま、きょうは十四日ですね、四日も五日もたっておる今日なおかつ、まだ検討しておるということでは、これはどれほど、政府あるいは副総裁の話もありましたが、公社紛争解決熱意を持っているのかどうかということが非常に私は疑問になるのです。大臣の情勢報告の中にもあり、横川委員指摘されましたが、そういう点から考えてみましても、健全なる労働組合のいい慣行を作ることが非常に大事だと思うのですが、そういうことからいっても、どうも私は内容検討にこれから四日も五日もかからなければ、調停案内容検討もできないということでは、あまりにも無責任だと思うのです。どうしてそんなにかかるのですか。十八日になるか十九日になるかわかりませんが、十二日には少くとも社会党との間で、政府責任者——総理がおいでになって、五現業の方はやろう、三公社はさっき言ったように政府責任でないのですから自主的におやりになる、こういうことを少くとも両党の責任者が話し合いをしている一つの経緯もあるわけです。私はどうして引き延ばしをするのかということに対しては、今の大臣の返答だけではどうもしっくり了解できないのです。ですからもう心しその点を明確にしてもらいたい。  それからもう一つ、第三点としてお答えになった調停案の場合には、これはちょっと先のことですが、仲裁が出た場合の措置ですが、もちろん尊重するということは、私が言ったように、予算的な措置をしてやることになると思うのです。大臣は正直ですから、大臣へ率直に私は聞きたいのですが、大臣としては、当然出された仲裁に対しては予算的な措置をとって、主管大臣としては、これは閣議に当然こうやってもらいたいということはおやりになるのでしょうね。この点をもう一つ明白にしてもらいたいと思うのです。
  20. 平井太郎

    国務大臣平井太郎君) 第一点の調停案検討をもう少しすみやかにやるべきであるという御指摘でありますが、なかなかやはりこの当事者になってこの問題と取り組みますと、非常に言うに言われぬむずかしい問題がやはり潜在いたしておるのでございます。そこがまあいろいろ各省間の問題と、また閣議懇談会のいろいろ発言内容など私もつぶさに耳にし、また自分自身も発言いたしておるのでございまして、これをまあ、なかなかやはり一つの問題を処理するのでも、実際一口でいえばごく簡単でございまするが、やはりこれが政治と申すのでございましょうか、なかなかこの一つの問題を処理するのも、場合によったら一時間でできるやつが十日もかかり、十五日もかかるという場合もあるのでございまして、本問題は相当私は事柄が重要でございまして、御指摘のように簡単にできるではないかという事柄も、これも見よう、聞きようの問題かと存じます。いずれ皆さん方におかれましても、社会党の内閣になれば私の立場になられる方も今日おられると思いますので、なってみるとなるほどあのときの郵政大臣気持はよくわかったというようにまあ一つお考えおきが願えることと思うので、まあどうぞ一つ郵政大臣熱意誠意をもって本問題に取り組んで、一日も早く問題の処理に持っていきたいということをここではっきり言明を申し上げたいと思いまするので、まあどうぞ皆さん一つ御協力を願いたいのでございます。まあそういうような意味調停案内容につきましても、私も各大臣によく懇談をいたしまして、十分早急に一つ解決するように努力をいたす考えでございます。まあその点で一つ十分御了解が——まあしにくいかとは存じまするが、御了解が願いたいと存じ上げるのでございます。  なおもう一点の予算処置の問題、仲裁裁定が出たら大臣はすみやかに一つ予算処置をとって議会の承認をするように努力するだろうという御質問でございましたが、当然私は仲裁裁定が出ましたなれば、この問題について誠心誠意努力を払って、すみやかに仲裁裁定の線を考えていきたいと、かように存じ上げます。
  21. 鈴木強

    ○鈴木強君 大臣気持はわかりますけれども、しかし、その問題によってだと思いますね。私は、ですから時日をかけて十分に検討するということは、これはもう何事といわずその通りだと思うのです。しかし、その労働紛争ですから、他面国民諸君に迷惑が及ぶということなんです。ですからこの事態を一日も早く解決するという、このほかと違った私は重大な問題だと思うのです。そういう意味からいえば、検討するのもけっこうですが、しかし、どうも十二日にやるという公党間の了承があったと実は私は聞いておるのですが、にもかかわらず、どうして十二日から何だかだ今あなたが言われた、言うに言われないというのですが、正直だからあなたは言うに言われないことを言ってもらいたいのですが、そういうことが不明確になっておるから、われわれは納得できない。組合員は筋を立ててきておるにもかかわらず、どうして政府紛争をみずから延ばしておるのか、その責任はあげて政府にあるのですよ。僕はそう考えるのですがね、そう言われてもしようがないと思うのです。そういうふうに時日を遷延できない問題ですから、むずかしいことはわかるのですけれども、そんなまだ十七日だか十八日だか皆目わからぬというようなことは、それじゃああまりにも私は無責任の答弁だと思うのです。だから、大臣が了承してくれと言ってもわれわれは了承できない。きょうにでも、だめならだめで仲裁にはっきり送っていくというふうに、一つ格段の努力をしてもらわなければ、これはもう問題の解決にならない。ですから私はあなたがそういうふうな答弁をしているならば、今起きている事態というものに対する責任一つあなたにあると、こういうふうに言わざるを得ないので、その点一つもう少し明確にして下さい。
  22. 平井太郎

    国務大臣平井太郎君) 私が申し上げた点で、言うに言われぬという言葉に誤解があっては困りまするので、ここでまあはっきり申し上げておきまするが、先ほども申し上げたように、一つの問題でも早く解決する問題と、またそれの関連する重要性のその度合いによって、いろいろ問題の運び方に問題があると思うのでございます。そこで、今日のこの調停案そのものは、おそらく皆さんもよくおわかりの通り、非常に国家としてもこれは重要な問題でございます。そこで、この調停案それ自体検討せずにこのままよくわかったと、ではすぐ仲裁裁定に持ち込んで解決をはかろうという事柄につきましては、事柄があまりにも私はこれは重要だと考える。そこで、政府閣議におきましても、この点を十分にやはり責任を持った態度検討をするという事柄において、この問題が多少日時がかかっておるということに私は考えておるのでございます。しかし、御指摘のように、それは何日もかかって先の見通しがつかぬではないかという事柄でございまするが、これはまあ政府といたしましても、今日の現段階をよく考えまして、いたずらに争議行為が公然と行われ、国民大衆に迷惑をかけているこの事実は、われわれとしては、一日も早く解消しなければ相ならぬと、まあかように考えております。従いまして、私といたしましても、また政府といたしましても、この段階の早く解決をつけることは、国民大衆に対する大きな迷惑をふるいぬぐうという点では、皆さん方と同じような気持でございます。従いまして、この調停案の早く内容検討ということについては、極力私は誠意をもってこの問題と取り組むということで一つ御了解をお願い申し上げたいのでございます。ただ、ここでそうしたらきょうやる、あすその結論を出せと申しましても、なかなかやはり閣僚懇談会、また閣議その他いろいろ相談いたす機関がございまするので、私どもとしては、はっきりと言明ができぬことはまことに遺憾でございまするが、どうぞその点一つおくみ取りを願いたいのであります。
  23. 鈴木強

    ○鈴木強君 まあ、どうもその明確な答弁がないのですが、検討をするということはけっこうですよ。ですから、私はその点は否定しておりませんがね。さっき申し上げたような理由ですみやかに結論を出してもらいたいということです。ですから、法的にいえば、仲裁機関も設けられております。ですから、あなたの方でどうも調停案がまずいというならば、仲裁にどんどん送ったらいいじゃないですか。それはもうそういうことを約束しているのだから。しかしあなたは言わないが、要するにいろいろ政治的な配慮があるのだと私は思うのです。現在の予算審議の経過からしていろいろあると思うのですが、そういうことでは事態の解決にはならぬから、私たちは、少くとも国会の自分たちからこの問題を見たときに、どうしても政府に早く態度をきめてもらわなければならぬということから、私たち大臣質問しているのですが、大事なところを一つもあなたは言わない。どうもその点はいかぬ。しかし、その熱意のあるところはわかりましたから、ぜひどうか主管大臣として積極的に一つ政府を督励して、あなたもその一員ですから、できるだけ早く一つ仲裁に持ち込むなら持ち込むようにしていただきたい。  それから副総裁にもう少し質問をしたいのですが、まあいたずらに遷延をしているのではないというふうにおっしゃったのですが、僕らの方から言わせると、どうもいたずらに遷延をしているようにしか思えない。これはまあ見解の相違だといえばそれだけでしょうが。で、組合の方は九日に出た調停案に対して、態度をきめたのは十日ですよ、十日の午後にはもう、不満だけれども、一つの条件をつけて受諾するという態度をきめたと私は考えているのです。もちろん予算的な措置をするということ、そうして労使の間で協約を結ぼうじゃないか、これはもう当然のことなんです。従来どうも政府はこの調停案が出ても、何かしらその取扱い方については、今回と同じようなあいまいな態度をとっているから、よろしゅうございますと言っても安心ができないから、ちゃんとその条件をつけた、これは当り前のことなんです。私はその条件つき受諾というふうに考えている。これが拒否しているというふうに考えれば、これは一つの見解の相違になるかもしれませんが、これは条件をつけて組合側は少くとも受諾をしている、こういう態度で私は、十一日の日に少くとも岸総理大臣にそういう趣旨で申入書を出したわけです。ですから私はそう理解しておるわけですが、まあ政府のいっておるように、公社等の場合は郵政事業と違って公共企業体ですから、その経営はあげて公社の総裁いかんにあるわけでして、団体交渉もそういう形になっております。ですから政府がこれによって受諾しようがしまいが、つべこべいう筋ではないと思うのです。ですから自主的に御判断なさって、政府の場合でしたら三公社現業——一つ残っておるようですが、たくさんの問題ですから若干の時間はかかると思う。しかし、公社の場合は、少くとも電電公社だけの問題ですし、特に今まで調停中も公社当局の人たちもお出になっておるわけです。いろいろ組合からの意見も出して、最終的には調停案意見をきめたわけですから、そう私は検討する、検討すると慎重に言いながら、そんなに時間がかからなくて済むように思うのです。ですからもうきょうなり、きのうなり十分に結論が出てもいいと思うのですが、しかし、きのう事由書が手に入ったということですから、その事由書を私もまだ見ておりませんが、いずれにしてもきょう一日かかってもやるつもりならば結論が出ると思う。それで不満ならば仲裁におかけになればいいと思うのです。そういう点がどうもいたずらに遷延をしているのではないとおっしゃるのだが、僕らが見れば、今の副総裁の御答弁では何かしら政府態度がきまらない、これには予算的措置も当然考えられることですから、わからないこともないのですけれども、そういうことからどうも公社がもたもたしておるように思えるのです。ですからどうも政府から、おれの方の態度がきまるまで公社態度を出してはいかぬというようなことでも言われているのではないかと思うのです。そういうような疑義を持つのは私一人ではないと思うのです。その点は副総裁、どうですか。
  24. 靱勉

    説明員(靱勉君) 先ほど詳しく御説明申し上げましたように、確かにいたずらに遷延しておるのでは毛頭ございません。十日に組合内部で決定なされておりますが、私どもがその連絡を受けましたのは十一日の午後四時ごろであったと思うのです。そこで、先ほども御答弁申し上げましたように、ただ予算的、これはもう明らかに公社といたしましては、三十二年度予算案のままで実行できるものではない、その点は明瞭であります。しかしながら、調停案にああいう結論になりました点、これは私ども示されるまでもちろんわからなかったのでありまして、それの趣旨なり根拠等につきましては、先ほど申し上げましたように、若干の資料その他私どもさらにもう少し得たい資料もあるわけでございます。きょうの午後も私ども関係者の会議を続行する予定といたしております。その上で不満であるとか、不満でないとかいう問題もありまするが、ともかく調停案の趣旨を十分了解しまして、明らかな線は予算的措置を講じていただかなければ実行できないという性質のものでありますので、そこらを勘案いたしまして、労働委員会の方にお答えせにゃならぬ、これはできるだけ早くいたしたいという考えであります。  それから第二段としまして、政府態度がきまらないうちに出してはいかぬと押えられておるのかどうかということでありますが、今申したような次第で、公社自身としまして、かりに政府が何かその十二日にお出しになっても、私どもとしては、十分な資料もないのに、ただ予算的措置を要するから仲裁へ持っていくというようなことをきめるのはきわめて不見識なやり方であると私どもは考えております。十分趣旨を了解して、その上で公社の経営者としての態度をきめてそれでもっていこう、こういうような考えでおりますので、政府からもう用意ができておるのにとめられておるという事実は全くございません。これは全くそういうような事実はないのでございます。
  25. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) ちょっと速記とめて。    〔速記中止〕
  26. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 速記始めて。
  27. 森中守義

    森中守義君 非常に大臣の時間が切迫しておるということでありますが、私はこの前の前の委員会で五項目にわたる大臣に対する質問を保留しておりました。これについてお答えをいただきたいと思いますし、なおその前に、どうしても大臣の明確な所見を承わっておきたいと思うことがあります。それは二月七日に、事業報告ということで大臣は相当詳細なプリントを棒読みにされております。私はあのときに所管事項の報告ということで報告を一応承わったわけでありますが、元来期待したのは、ああいう単なる事業報告ではなくして、むしろ相当長い間、前大臣あるいはその前の大臣、歴代の大臣と本委員会の中にいろいろ問題が提起され、しかも、その問題はすべて未解決に終っております。もちろん中には解決したものもありますが、たとえば特定局の制度の問題であるとか、あるいは給与総額の問題であるとか、このように例をあげて参りますと際限はないのでありますが、大体郵政省の骨幹をなすような経営のいろいろな問題について、どうしても解決されてない面が多々あるわけであります。従いまして、私はこの所管事項の報告以外に承わりたいと思いますのは、一体九十五代目の郵政大臣として、郵政省を一体どういう工合にやっていこうとするのか。いわば通信国策としての大臣の政見を私は承わりたいと思います。特にその中でも私が重要に考えておりますのは、いわゆるこの制度の問題であります。これは前村上郵政大臣に私は質問を申し上げて、特定局の制度については、現状のままではよろしくない、極力すみやかに省内に公益代表であるとか、あるいはまた学識経験者の代表であるとか、こういう人たちで委員会的なものを構成して、制度の抜本的な調査研究を行うべきであろう、こういう質問を申し上げたところ、前大臣はこれをほぼ快諾されたように私は記憶いたしております。従って、この制度の問題について、大臣はどのようにお考えになっておるか。これは私は通信政策の最も重要な問題であろうと思うのであります。中でも、しばしば本委員会では全国の各地域から請願が上っております。おのおのの議員から紹介が行われ、その紹介が本委員会で採択をされ、本会議でも承認になって、郵政省に送付されておると記憶をいたしております。こういうような問題が正確に大臣の口から一つの通信政策として私は述べてほしいと思います。それともう一つは、石橋総理が就任と同時に、官界の刷新ということを国民に誓っております。当然大臣はおかわりになっておりましょうし、また岸内閣も石橋内閣の継承としてすべての政策を受け継いでおります。従いまして、この官界の刷新ということは具体的にどういうことであるのか、少くとも仮定の考え方として官界の刷新を必要とする、こういうことでもありましょうし、また現実に官界の刷新を必要とする事柄が私はあるのではないかと思う。従いまして、郵政省内においてどのように刷新されようとするのか、私はその具体的な内容について、大臣意見を求めたいと思うのであります。特に私はこの際強調しておきたいと思いますのは、郵政省だけでなくて、各省庁通じていろいろ新聞やあるいは言論、報道機関がやかましく論じている学閥の問題があります、学閥とは、一口にいえば、官庁においては東大を中心とするいわゆる学閥であります。この学閥が各省庁の中枢部を占めて、ある意味では相当古い歴史の中に各省庁を独占をして、こういったようなきらいが私はなきにしもあらずではないか、かようにも考えております。しかも、反面考えてみますと、現場の第一線においては相当古い人たちが、技量もあるいは頭脳も、そうしてまた将来における貢献も、この道三十年、四十年、こういう優秀な卓抜した技量を持っている人がいながら、省の経営に、中枢部に参画ができない、こういう不合理も生じております。私は各省庁の中心というものは、東大を中心とした学閥グループによって行わるべきではなかろうと思います。文部省がしばしば所見を表明しているように、私学の振興ということを言っております。ところが、各省庁には残念ながら私学出身の者あるいはその他の人たちが容易に中枢に参画し得ない、こういう状態大臣は一体どう思っているか。幸いにして、私学出身であり、しかも、完全に民間の出身である平井郵政大臣の——榎本武揚以来、ここに私は一大新省風を確立していただきたいと思いますので、この学閥に対してはどういうお考えか、この点を一つ明確にお答えが願いたいと思います。  その他、例をあげて参りますと幾らもありますが、要するに単なる事業報告事務当局の計数を並べた報告ではなくして、具体的に大臣としては、かくかく国民にこの通信事業はあるべきであるということ、その具体的な内容を私はぜひ大臣の口から、一つの通信政策として承わりたいと思っております。これを一つ、この場で私が御質問申し上げた要点あるいは意思に完全に了承できるかどうかはわかりませんが、それはそれとして、後ほどこの問題についてはさらに私どもの方でいろいろ意見を開陳したり、あるいはさらに答弁を求めたいと思いますが、そういうことは大体大臣就任と同時におそらく考えなければならない問題でありますので、お答えをいただきたいと思います。
  28. 平井太郎

    国務大臣平井太郎君) 郵政大臣郵政事業に対する抱負というようなものを聞かせろというふうに第一点を解釈いたしております。私といたしましても、この郵政事業というものは、長い歴史と伝統を持って今日まで参った重要な国の事業でありまして、これには相当の歴史というものも振り返ってみなければならないし、また歴史にあまりにも拘泥して、日進月歩の現在の社会の動きを忘れてはいけません。まあかような観点に立って私はこの郵政事業というものを今検討をいたしておるのでございます。また私自身といたしましても、いろいろ所見は持っております。しかし、今御指摘になったような特定郵便局の問題、またこの官界刷新、今の私学、官学の問題、これなども私大いに意見があるのでありますが、できれば、実はきょう十二時から慶応大学病院で血清の約束をいたしておりますので、時間を向うでさいていだだいておるのでありますので、次回の委員会に十分一つお話を申し上げて、いろいろ御質疑をしていただきたい、かように存じておりますので、御了承願いたいと思います。
  29. 森中守義

    森中守義君 非常に問題が問題ですから、なるほどここで即答はむずかしいのではないかと思います。それは次回でけっこうでありますが、もう一点大臣に、特に私は非常に当面する問題として質問をお預けしておきたいと思いますのは、電波行政の問題であります。これは御承知のように、最近非常に電波業務は拡大いたしております。ことに大臣が病床から離れられて、記者会見の冒頭に、テレビのチャンネル問題については四月に入って手をつける、こういったような発表があったように聞いておりますが、このテレビ・チャンネルの問題あたりは、一つ郵政省におけるかつてない重要な案件でありましょうし、またこれは国全体の問題としても革命をもたらすような重要な事柄であろう、かように考えております。ところが、郵政省が大蔵省の省認をとったいわゆる電波予算については、昨年は大体十三億若干であり、本年は十五億、わずか一億数千万の増額にしかなっておりません。こういうことで果して今日の電波の要員あるいは機構あるいはまた予算、この程度のもので私は完全にテレビ・チャンネルを消化し、将来国の大勢を誤まらないような行政が行われるとはどうしても感じられません。従って、このテレビ・チャンネルの問題は、時間がないようでありますからこの後に譲るといたしまして、当面して電波行政については、もう少し予算を増額をする、あるいは人間をふやす、あるいはまた機構、権限を強化する、こういったようなお考えはお持ちでないか、これも一つこの次でけっこうですが、今お答え願えればなおけっこうでありますが、この点についても、私は特に大臣の所見を承わりたいと思います。  それからこれはもう私は大体一つ区切りをつけておきたいのでありますが、先般お頂けしたいわゆる五項目質問事項の中の一つでありますが、省内における派閥抗争の問題であります。これは事務次官からも、あるいは政務次官からもお答えをいただいておりますので、この問題については、そうむずかしくなく、大臣から、あるとかないとか、もちろん私の質問が、仄聞すればということの前段がついておりますので、この派閥抗争があるのかないのか、この点について大臣のお答えをいただきたいと思います。電波の問題はあとでいいですよ。
  30. 平井太郎

    国務大臣平井太郎君) 派閥の問題でございまするが、私は就任をいたしまして現在までにその話はまだ十分承わっておらぬのでございまするが、この次の委員会にまた今御質疑があった前半の問題を答弁さしていただく際、十分調査いたしまして、確たる御返答をさしていただくことにいたします。
  31. 森中守義

    森中守義君 今の派閥の問題でありますが、これはこの次、言うことでもありますけれども、私は前段をつけて、あるかないか、それだけの答えでけっこうなんです。しかも、私はここで打ち切ってもいいと思いますのは、大体昨年の暮れに読売新聞が、省内の派閥抗争というものが全逓闘争を長引かせ、ひいては非常に労使の慣行上に暗影を投じた、こういう報道がありました。従って、郵政省内のこういう派閥というものが、いやしくも言論報道機関によって国民の前にさらされるというようなことは、どうしてもこれは私は黙認しがたいような気がいたします。従って、もしもこういう事実があれば、大臣責任において、絶対に派閥は解消すべきである、このようにも考えます。また、そういうようなことが労使双方の慣行上、相手の方に不信を抱かせたり、あるいは必要以上に事態を紛糾させるようなことが将来ないように、特に私は大臣に厳重にこの問題については、将来行政の最高責任者として執行されていただくことをお願いをいたしまして、この派閥抗争の問題は一応これで打ち切りまして、御答弁は今後必要ではありません。
  32. 平井太郎

    国務大臣平井太郎君) ちょっと関連して、今のに答弁さしていただきます。私が就任いたしまして、いろいろ省議を開き、また各局長、関係者の意見を聞き、そのときの空気というものは非常に和気あいあいでございました。皆よく協力一致私を補佐していただき、私の命令した事柄についても、迅速に答えを出していただいておるので、私の現在見たところでは、派閥問題というのはもうないのじゃないか、かりに過去にあっても、現在は解消いたしておるのではなかろうかと、かように考えております。まあ新聞その他ではいろいろな記事も出ることで、こういう点は新聞記事として御寛容に一つ御了解を願いたいと思います。
  33. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) それではちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕
  34. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 速記を始めて下さい。
  35. 鈴木強

    ○鈴木強君 さっきの総裁の御答弁で公社立場は了承できるのですが、どうでしょうか、事態をその二日も三日も延ばすことはできないと思うのですが、きょう三時からちょっと関係者の打合会を持たれるようですが、基本的に仲裁を受諾して措置するというような考え方で、今やっておられるのか、それとも、政府態度を非常にきめかねているようですから、それとどうしても歩調を合せなければならぬというような立場から、政府態度がきまらなければ、公社としてはきめ得ないので、またその態度の決定によって、仲裁ということになれば、当然公社仲裁に出さなければならぬ、こういうように幾つか方法はあるのですが、大体どういう道を選ぼうとしておられるか。その基本的な公社考え方が、最終的にこうやるということがきまっておらないと思いますが、総裁——副総裁として、この問題をどう解決するのか、あなたの信念があったら教えてもらいたいと思います。
  36. 靱勉

    説明員(靱勉君) これは先ほどもお答え申し上げましたように、方法としては、公社予算的な立場と申しますか、そういう立場から申しまして、やはり仲裁へ持っていくべしということを考えざるを得ないというように考えております。
  37. 鈴木強

    ○鈴木強君 これは私の要望ですが、大臣にも先ほど申し上げたと同じように、公社にも申し上げておきたいのですが、結論だけ申し上げますと、やはり検討されるのはけっこうですから、十分検討して下さい。しかし、そう長く私はこの問題を遷延してもらっては困ると思う。早く態度をきめて、いずれにしても措置していただかなければ、事態の紛争解決にはならないと思いますから、一つ積極的に公社の自主性も十分考えていただいて、明確な態度を出していただいて、事態の収拾を一日も早くはかるように一つ要望しております。
  38. 靱勉

    説明員(靱勉君) おっしゃられた通り、私どもも一日も早く措置いたしまして紛争解決をはかりたいと思っておりますので、全く今言われたような考え方で私どもも進んでおります。
  39. 鈴木強

    ○鈴木強君 それでは次に公社合理化の問題については質問をしていきたいと思います。電電事業は、五カ年計画の最終年度を迎えて、相当急ピッチにオートメーション化、あるいは合理化といいますか、そういう施策がとられておるようですが、まず合理化に対して、公社の基本的な方針を簡潔でけっこうですから最初に承わりたい。
  40. 靱勉

    説明員(靱勉君) これは申すまでもなく、電気通信事業におきましては、非常に技術に依存する点が多いのでありまして、この技術の発達というものが、利用される人たちに非常に便宜を与え、かつ経済的にも非常に有利なサービスが提供できる、これがこの事業の本質でございます。従いまして、鈴木委員のお求めになっている点は、要するに機械化あるいは自動化の問題かと思いますが、これはやはり技術の進歩、あるいは利用される方々の要望にこたえまして、できるだけこれを推進していかなければならぬ、これが基本的考えであります。しかしながら一方におきまして、当然に、機械化自動化に伴いまして、人の問題というものが起って参るのであります。これもまたきわめて重大な問題でありますから、この人の問題が、職員の不利にならないように、また事業としましても、円滑にこれが運営できるように、その点を考えつつ、先ほど申しました合理化を推進していきたい、こういうふうに考えているのであります。
  41. 鈴木強

    ○鈴木強君 そうすると合理化の方針というのは、機械化と自動化を推進するということと、それに付随して人の問題が出てくるので、その問題を慎重に考えていかなければならない、こういうことですね、そう了承します。なるほど、私も世界各国の電信電話事業に比べて、現在の日本の電信電話事業は、相当に立ちおくれをしているので、この点を十分に国民の期待に沿えるようにやっていくことについては賛成です。そこで、このことが大きく、おそらく全電通の組合の方としても了承していることだと私は思うのですが、第二点の人の問題です。これは重大な問題だと私も考えるのですが、機械化、自動化等によって、当然に配置転換、あるいは不幸にして職場をなくするという人たちが相当に出てくることを私は憂えておりまして、この点を十分に考えていかないと、合理化ということも成功しない、かように考えておるものであります。そこで、具体的に私は全国をずっと見ておりますと、公社の計画を見ておりますと、相当に配置転換を含む人間の異動、さらにまた、正式な公社の社員になっておらない臨時的な職員の首切り、これは当然起きてくるという情勢にあります。全国のケースを今ここで質問しようとしませんが、特に九州を中心とする——北九州に重点がありますが、門司、さらに八幡、小倉、折尾、若松、ここら辺の北九州の五市の自動化の問題に対して、約三百名程度の定員削減が起る事態に当面しております。従って、具体的にこの北九州の問題に対して、公社側は自動化に伴って要員対策をどういうふうにお考えになっておるのか、この点きわめて重要な問題でありますから、御答弁をいただきたいと思うのです。
  42. 靱勉

    説明員(靱勉君) 北九州、いわゆる五都市と申しますか、六市でございますか、これはまあ長年全く連檐した都市でありますから、電話サービスの改善については強い要望があるわけでございます。戦前からの問題でありまして、当然ある意味においては同一区域内くらいのサービスをしなければならぬと思う。そこで自動化の問題、あるいは即時化の問題等も今ようやく進行いたしております。この夏ごろの問題でございますが、ただいま御指摘のように相当多くの人の問題に関連して参っておりますので、本社九州通信局と打ち合せまして、配置転換等も円滑にいくように目下対策を講じておるわけであります。その点、こまかい点につきましては職員局長からお答えいたさせます。
  43. 山本英也

    説明員(山本英也君) ただいまの北九州におきますところの問題につきまして、どういう程度のあれがあるかということにつきまして、お答えを申し上げます。その前に、相当たくさんの自動化あるいは機械化に伴いまして配置転換等が行われるというお話でございますが、私どもの方で一昨年の十二月から昨年の十一月までに、自動化あるいは機械化によりまして配置転換をいたしました人数は千六百五十四名であります。それ以外に、職種を変えました者が五百三十三名、全部で二千百八十七名と相なっております。北九州の場合におきましては、大体ただいま御指摘のございましたように、相当多数の過員を生じます。私どもが現在推計をいたしておりますところによりますれば、職員において約三百名程度の過員を生ずる予定であります。しかしながら、この三百名の過員につきましては、おのおの配置を変えますなり、あるいは職種を変えますなり、あるいはまた北九州の三百名の過員を生じますのは相当前からわかっております事柄でもございますので、北九州の自動化なり、機械化なりというものの計画自身をもある程度調整を加えまして、たとえば自動化をいたします面におきましては過員を生じますけれども、広くサービスを向上いたしますことによって——具体的に申し上げますれば、たとえば小倉と熊木、あるいは小倉と大牟田、小倉と久留米というような間に現在行われておりますところの市外通話のサービスをよくいたしまして、即時化をするというようなことによりまして、その面に、現在小倉で働いておられる、北九州で働いておられる方々を向けていくというような計画上の調整をも行いました上で、この過員の措置というものは、配置転換によって大体解決がつくものと私どもは予想いたしております。
  44. 鈴木強

    ○鈴木強君 きょうは私別に意見も申し上げないし、公社の計画を率直に伺いたかったのですが、一つ資料ですね、資料を、私だけでなしに他の委員の方々も心配されておるようですから、ありましたら公社の計画を出していただきたいと思うのですが、委員長の方からその点お願いいたしたいと思います。  そこで三百名の過員が生ずるが、配置転換と職種変更によってサービスの改善も考えていけば大体うまくいくというお話ですが、その中に臨時作業員の問題は含まれておるのですか、おらないのですか。臨時作業員が相当数おられるようですが、その人たちはこの自動化によって当然私はやめてもらわなければならないという事態が起きてくると思うのですが、その面の計画はどうなんですか。
  45. 山本英也

    説明員(山本英也君) お答えを申し上げますが、配置転換をいたしますことによって、臨時作業員と申しますか、臨時作業員も従いまして余って参りますことは事実でございます。ただ、臨時作業員につきましては、私ども別途の考え方を持っておるのでありまして、臨時作業員というものは、これは組合との間にも、すでに交渉の結果におきまして、協定ができておりますところでございますけれども、雇用の期間が満了いたしますれば、臨時作業員というものは継続して雇用するということは考えておりません。
  46. 鈴木強

    ○鈴木強君 その点が非常に問題だと思うのです。もちろん雇用計画がどうなっておりますか、私も非常に複雑のようですからよくわかりませんけれども、少くとも電電事業の中にかかえ、しかも、それが定員不足ということからやむを得ずしてとらなければならない措置であったわけですから、臨時作業員が相当数私はこの合理化によってやめさせられるという立場になると思うのですが、それをあなたのおっしゃるように、これはもう期間が切れたら直ちにやめることになっているのですから別途考える、それでうまくいきますというような答弁であっては、私はこの合理化は成功しないと思う。もちろん雇用計画その他十分われわれが検討してみなければわかりませんが、少くとも公社当局として、これらの事業に対して、たとえ何年なり勤めた方もいると思うのです。相当長く勤めた方もいると思うのです。そういう方々に対して、自動化と同時に、はいさようならという形でもって、血も涙もないような態度に出ることについては、私はきわめて残念なことだと思うのですが、そういう別途の計画があるとおっしゃるのですが、それは即首切りということになるのですか。
  47. 山本英也

    説明員(山本英也君) 今臨時作業員が、たとえば機械化あるいは自動化の結果において、雇用期間が満了いたしますれば、雇用の継続を行わないと申しましたけれども、これはまことに私どもとしても、ただいまおっしゃいましたように、はなはだ好んでやるわけではないのでありまして、いたし方ない次第であります。ただ、私どもといたしましては、現に相当の期間公社事業に従事をしていた臨時作業員の方に対しまして、直ちに退職を願わなければならないような事態が起りましても、なおその他の就職のあっせんでありますとか、あるいは再雇用の機会がございますれば優先的に採用いたしますとか、そういう点につきましては十分に考慮して参りたいと思っております。  なお、北九州の事例について申し上げますれば、臨時作業員の方で相当数の方におやめをいただかなければなりませんけれども、この問題につきましては、すでに現地で相当就職のごあっせんとか、あるいは地方の関係の向きにもお願いをいたしまして、そういう点につきまして十分御協力を得られるようにお願いをしておりまして、ただいまのところでは、相当数の方は職を失われるということでなく、さらに就職を続けられるという見込みもだいぶついて参っておりますので、ただいまおっしゃいましたように、ただ公社の方は首を切ってしまうのだというようなことではございません。
  48. 鈴木強

    ○鈴木強君 それで、私はこの合理化の問題について、先ほど副総裁の御答弁があったのですが、事業の計画というものは、第一次五カ年計画を設定し、さらに第二次五カ年計画を着々準備をされているようでありますが、現在の公労法上、労使の間に経営協議会が持てない。従って、計画というものは、公社がお考えになって、そうしてその計画をどんどん推進されていく、そうしますと、今副総裁のおっしゃった第二点の人員問題がきわめて密接な関連の中に出てくるのですが、そういう点が、どうもその計画を立てる場合に、労使の間で話し合いができないために、ぽつぽつと一つの計画が飛び出てきて、そのために結ばれた労働協約に基いて、配置転換は何とかかんとかやってきた、こういうような実態だと思うのです。そこで、この北九州の問題も、すでに七月改式いうことですから、もうあと五カ月くらいしか残されておらないので、しかも、当面は三百名近い職員の配置転換と、さらに相当大きな臨時作業員の首切りということがその中にちゃんと付随して出てくる計画なのであって、これはもう非常に大きな問題だと思うのです。もちろんわれわれは自動化を阻止するという考えは毛頭ありません。ありませんが、その場合に最高限度、今の人たちをどう動かすかということと、それから臨時に働いている人たちをどういうふうにめんどうを見るかということが、当然この合理化の問題については、不離一体の問題として考えられると思うのですが、そこで、私が御質問したいことは、今までこういう計画を立てる場合に、少くとも労働組合に対して、その事業の計画については、全然話もせずに来たものなのか、どうなのか、そういう点をちょっと一つ質問しておきたいのです。
  49. 山本英也

    説明員(山本英也君) 労働組合とこういった問題についてどういう程度の話し合いをしているかということにつきましては、お答えを申し上げますが、昭和三十年の十二月十日に、労働組合との間に配置転換に関しますところの協約を締結いたしておりますが、その協約を締結いたしますに際しまして覚書をかわしております。その覚書の中にも、職員の労働条件に影響を及ぼすことがあるような計画及び施策につきましては、前もってその内容を組合側に十分説明するということをお約束いたしておりますので、私ども、こういった職員の労働条件に関係が大いにありますような事柄につきましては、事前に十分労働組合とも話し合いをいたしております。
  50. 鈴木強

    ○鈴木強君 そうしますと、この問題については何回くらい話をしてきましたか。いつといつといつ、組合と具体的に話をしてきましたか。
  51. 山本英也

    説明員(山本英也君) 何回ということは、ただいまちょっと記録を持っておりませんのでお答えいたしかねますが、少くとも北九州の問題につきましては、もう昨年の秋ごろから労働組合とは一応計画の外貌なり、あるいはそういうものにつきましては説明もいたしておりますし、またその事柄につきましての協議もいたしております。
  52. 鈴木強

    ○鈴木強君 そうしますと、その説明だけでなしに、協議もするというお話ですから、この計画に際しては、相当に組合側の意見もあれですか、聞いている点もありますか。意見は出たが全然聞かなかったということですか、その点はどうですか。
  53. 山本英也

    説明員(山本英也君) お答え申し上げますが、ただいまも労働組合とも、いろいろ意見を私どもといたしましては聞いております。その意見をそのまま取り入れているかどうかということにつきましては、まだこの北九州の問題に関します限りは、この夏以降に実施化いたします問題でございますから、目下協議中でございます。
  54. 鈴木強

    ○鈴木強君 それではちょっと問題がピントをはずれていると思うのですが、少くとも七月の改式ということになると、もうすでに工事はどんどんと進んでおる、従って、そういう計画で、もう着工して工事が進んでおるのですから、今職員局長のおっしゃるような、意見も聞いたりしておるということですが、そういう余地はないのじゃないですか。要するにあなた方の考え方というのは——経営ですからね、事業の経営ですから、基本的に説明をし、組合が反対をしてもやっていくのだという考え方が本質的にあると思うのですがね。だから、そういう立場に立ってものを判断すれば、今あなたの方ではないけれども、やっておる現実の工事工程というものは、もうすでに七月改式を目途に、どんどん進んでおるわけですから、今おっしゃったようなことはちょっと当てはまらないと思うのですが、その点はいかがですか。
  55. 山本英也

    説明員(山本英也君) お答えをいたしますが、お答えを申しましたうちで、言い間違えたかもしれませんので訂正をいたしておきますが、計画そのものにつきましては協議をいたしておりません。組合との間の覚書によりまして、労働条件に影響を及ぼすことのあるような計画につきましては、労働組合に十分説明をいたします。従って、その計画が実施されます過程におきまして、労働条件に影響のある事柄につきましては、組合と協議をいたしますが、計画自身につきましては、組合と協議をいたしておりません。
  56. 鈴木強

    ○鈴木強君 それでわかりました。そこで、きょうは私この程度に質問をしておきますが、特にこの際、副総裁もお見えになっておりますし、関係の方もおられるようですから、特に要望をしておきたいのですが、いずれまた本委員会において私はいろいろな意見一つお聞かせ願いたいと思いますが、この北九州の自動化の問題については、すでに若松と小倉——でしたかね、たしか小倉でしたね——はすでに自動化されておるのです。ですからその当時すでに若松の人たちは小倉なりあるいは門司なり、それぞれ一度配置転換をされた方々もおるようなんです。そこへ持ってきて、今度は門司と八幡、それに折尾、こういう所が自動化されてくるので、またそこからどこかに行かなきゃならぬというような立場になっておるのです。二重の配転を受けるようなことをおきめになっておるわけですね。ですからこういう点は北九州の連担地域ですし、自動化に対して早急にやってもらいたいという業者各位の強い要望もあったわけですから、それにこたえて公社が立ち上ったことはわかる。しかしながら、大川とか柳川とか、あの辺についても、市外集中されて、すでに昨年の七月ごろと思いますが、相当な配転を強要されている。さらにまた近くは、熊本が現在の大共電から自動化に変ってくるということで、相当に九州の合理化問題がいろいろな問題とからんで、相当な私は公社にとっては痛み、痛みといいますか、大きな問題で、頭の痛いところだと思うわけです。ですからこの点やはりわれわれが本質的にサービスをよくする立場に立っていくわけですから、そのことを明確に貫いていただくことはけっこうですが、ただ現実に、合理化の最初の基本方針に副総裁が述べられておったように、しかもまた、労働協約締結の際に、労働条件に関する問題については、少くとも十分に協議をすることになっておるわけですから、もっと私はこの問題に対しては積極的に何かの対策委員会ぐらいは持って、そしてもっともっと突っ込んで、余った人員をどうするか、また自動化に伴ってどうしたらよりよいサービスが提供できるか、サービスの開拓の部門も考えて、そうしてこの余った人たちが首切りあるいは無理な配置転換等をなされて、部門の中でこの合理化を進めていくということになりますと、どうしても今後やってみたところでうまい配置はできないと思いますから、この点については、もっと私は積極的に、もう時期も迫っておる問題ですし、組合側とも話し合いをしておるようでありますが、対策的な委員会等を持って、そしてこの自動化をどうしたらうまくいくかということに対して、積極的に一つ検討いただきたいと思うのです。そういう要望を申し上げておきますが、この点特にそういうふうな特殊な、組合と経営者側との間でこの問題に対する対策的な委員会をお持ちになるようなことが考えられるかどうか。それからその中でほんとうにいい意見が私はみんなで考えていけば出てくると思うのです。そういう意見に対しては、ある程度計画の変更等も考えていかなければならぬのじゃないか、こういうふうに私は思うのですが、この点に対して副総裁、いかがでございましょうか。
  57. 靱勉

    説明員(靱勉君) 自動化に伴いまする配転につきましては、今職員局長からお答えいたした通りでありますが、だんだんとその規模が大きくなって参る、ことに九州におきましては、今御指摘のように、非常にまあある時期が一緒になって出てきておるという点で、九州自体としてもこれは非常に大きな問題でございまして、九州通信局におきましても、本社とも十分連絡をとりまして、計画の完成時期、それに伴う措置をなるべく早く検討するというようなことにいたしております。そこで、もちろん労働条件に関することは、対策委員会とかいう問題でなく、これはもう労働組合と十分協議していかなければならぬ問題でございますが、今御提案のような問題につきましては、私もうまくできますれば非常にけっこうだと思いますので、一つ検討させていただきたいと思います。なお私ども、第二次五カ年計画を考えております場合におきまして、その点が非常に問題でありまして、在来の計画程度でございますと、かなり地方的、部分的であったのでございますが、第二次五カ年計画を今概観いたしましてみまして、その問題はさらに私ども真剣に対策を講じなければならぬということで、もちろん最近におきまして、組合の本部との間に本社と懇談会というものを毎月一回持っております。なるべくそういう機会に打ち割って計画のお話し等もいたしまして、私ども計画をまとめる際におきまする人の問題を全国的に具体的に検討いたまして、これを織り込んで最終的な計画の決定にいたしたいと思っております。基本的な方針といたしましては、もちろん計画の設定につきましては、組合と完全に協議してという態勢はとりませんけれども、すぐ関連いたしまして、労働条件の問題が起って参りますので、よく計画というものは説明して、両者において十分その認識を持つと、こういう努力を続けていきたい、こういう考えでございます。
  58. 鈴木強

    ○鈴木強君 最後に。わかりました。お考えはぜひそうしていただきたいと思いますが、私は、特にこの事業についてはきわめて重大な関心を持っておるものの一人でありますので、第二次五カ年計画も策定中でありますので、いずれでき上りましたら、私たちに見せていただくということになっておりますので、この点の内容等についても、できるだけ早く国会に御提示を願いたいと思います。これは資料として。  それから、北九州の実施の問題につきましては、これはお互いに一つ重大関心をわれわれ持っておるわけですから、どうかこの計画の実行に対しては、私の今申し上げたような気持、さらに副総裁のおっしゃったような気持を十分に取り入れて、お互いに労使一つ裸になってこの問題をどうするかということを真剣に考えて、円満に計画を実施するようにしていただきたいものだと考えております。従って、私は、次期の委員会等におきまして、私たちの気持もはっきり申し上げて、いろいろとお考えをお伺いしたいと思いまするが、きょうは公社側の説明だけをお聞きして、なお、ただいま申し上げたような要望をつけ加えて終りたいと思います。
  59. 森中守義

    森中守義君 私は、これは今鈴木委員が言われたように、あとの問題にもちろんなっていくわけですが、どうしても釈然としない点が一つ、二つあります。副総裁にお願いをしたいのでありますけれども、五カ年計画をやられる際に、いわゆる計画そのものが中心になっていて、人の問題は副次的なものになっているのではないか、こういう印象を非常に強く受けるのであります。そこで、今労働組合との関係が出て参ったようでありますが、元来、労働組合はこういうことに介入すべきものかどうかということにかなり私は問題があると思う。従って、公社の方でこういうものをやられる、あるいはオートメーションを実施されていく場合に、当然いわゆる機械化をしていくその重要な関連事項として私は人の問題はいわゆる計画の中に入るべきものじゃないか、こういう工合に考えるわけです。ところが、今職員局長の御答弁を承わったりあるいは副総裁のお話を伺っていますと、これは、計画はもう計画なんだ、これはどんどん進めるべきだ、しかし、その計画を実行していく過程で発生をしてきた人の問題については、特別に最初から計画も何もなくて、場当り式にこれの転職のあっせんをするとか、あるいはまた若干の退職割増金等を出して処理をしていく、こういうことで、何かしら人の問題は計画の根幹をなしていないような印象を特に強く受けます。私は、これについては非常にこれから先き重要な問題でありますので、計画の中に人の問題はどの程度勘案をされているのか、あるいは計画の一環として人の問題が入っているのか、こういう点をもう少し的確に副総裁からお答えをいただいておきたいと思います。
  60. 靱勉

    説明員(靱勉君) お答えを申し上げます。過去の計画におきましては、今おっしゃられました点、若干問題があったかと思います。ただいま考えておりまする第二次五カ年計画におきましては、もちろん基本的にはこの電信、電話のサービスを最も経済的に、しかも最も便利で国民の需要に応ずるようなことを考えていかなきゃならぬ、これがまず第一の要件でございまして、そこに新たな技術の採用とか、あるいは計画の時期の設定、あるいは資金計画から見ましてこの計画をどういうふうに年度割にしていくか、こういう問題になってくるわけでございますが、この際におきまして、それだけの問題でなく、もちろんこの計画には要員計画も一緒になって考えていく、さらに、私どもはそういう要員計画に関連しまして、現在不足しているサービスは何であるか、あるいは新しいサービスができるかどうか、そこに雇用量をどういうふうに確保できるか、増大できるかというものを全部考えました上で最終的にその計画を決定いたしたい、こういう考えで計画を考えているような次第であります。
  61. 森中守義

    森中守義君 今、副総裁のお答えですと、非常にすっきりするんですがね。従って、この五カ年計画の中に雇用問題が計画の一環をなしておる、こういうことであれば、将来いわゆる人をどうする、こうするという問題は、五カ年計画の実行の過程では全く起り得ない、こういうことになりますね。
  62. 靱勉

    説明員(靱勉君) どうする、こうする——問題は起らないかとおっしゃいますと、それは各年度につきまして起りますが、それをあらかじめ策定いたしまして、どういうふうにする方法が一番いいか、それとやはり利用者の方の要望、最も適正なる計画はどうあるべきか、それをかみ合せまして年度割等も決定していく、現在におきましても、たとえば大きな電信局の自動化ということになりまして、地域的には配転が非常にむずかしいという場合におきましては、次に電話の自動化との関係を考慮いたしまして、その計画の順序というものをどうしたら一番いいかというような点まで考慮いたしまして、それと利用者に対するサービスの点等を考えまして決定しておるような状態でありますから、もちろんこの問題を、ただ人だけでは絶対に増減なくそのままできるような計画というものは、これは立ち得ないわけで、実質的には、先ほど申したように、どうしても自動化によりまして人手というものは少くなってくる。そこで、先ほども具体的に九州の問題でお話がありましたが、他の地域とのサービスをそのときあわせて上げるということになりますと、そちらの方は手動だということになりますれば、そこの方に人が配置できる、それからもちろん市外通話の即時につきましても、近距離でありますと非常に量が多いものでありますから、また利用者の実際の便宜を考えましても、自動即時という方が技術的に見ましたら当然とらなければならぬ。しかしながら、その自動即時をやるかどうか、そこいらの点はやはり人員との関係を考えまして、その時期をある程度おくらすというようなこともやはり考えていかなきゃならぬ、しかも、それによって必ずしも利用者の方に御不便をかけない、むしろ自動即時の計画というものを早めることによりまして、かえってその関係の利用者の方には便宜が与えられるというようなことも考えまして、いろいろ八方いいようにというような考えでおりますけれども、なかなかその通りにはできませんが、そういう基本的な考え方で計画の調整をするということになりますと年度々々におきまする具体的問題にぶつかりまして、急にあわてるというようなこともございませんし、あらかじめそういうような要員計画を用意していく、こういうことでできるだけ要員の問題につきましても、問題が起らないようにしたい、こんな考えを持っております。
  63. 森中守義

    森中守義君 こういうことですよ。近代国家の形態をなすために、これはもう大いに機械化も合理化もけっこうです。いわゆるサービス・アップもこれはやってもらわなければならぬ。しかし、先刻私の質問に対する副総裁のお答えは、いろいろ問題は過程ではあるが、五カ年計画のワクの中に雇用関係、要員対策というものは当然入っておる、だから結果的に困る人は出ないかと、私はこう言っているのですよ。だからずっと問題が進展していく過程では、配置転換の問題が起きてもいくとかいかないとか、こういういろいろ派生的な問題はあるでしょう。しかし、今まで働いていた従業員諸君を弊履のように、もうこれはやってみたけれども仕方がないから、これはどうも手がつかぬといったように野放しになるようなことはないのか、こう言っておる。要するに、事業の計画の中に雇用関係、要員対策というものは重要な一環として入っておるとすれば、そのようなお答えですから、いろいろ過渡的には派生的な問題が起きても、結果的には従業員は全部大体、本人の意思にやや反するような場合があっても、そういうわれわれが心配するようなことはないのか、こういうことをお聞きしている。
  64. 靱勉

    説明員(靱勉君) その点は目下要員計画といたしまして、今おっしゃられたような強制的な解雇をするとか、そういうことがとられないような基本的な方針で現在検討いたしておりますので、その見通しというものは、そういう計画が絶対的に固まってこないと結論的には申し上げられませんが、方針としてそういう考えでやっておりますから、それがうまくぴったりいたしますれば、今おっしゃったような問題はない、こう考えております。
  65. 森中守義

    森中守義君 大へんくどいようですけれども、要するに、要員問題については、いわゆるオートメーションということで、やはりこれは一つの社会的な問題にも発展しようとしておりますが、電電公社の場合にはこの心配はない、要するに責任持てる基本方針が立っておる、こういったように理解してよろしいのですね。
  66. 靱勉

    説明員(靱勉君) 基本方針としまして、そういう方針で在来やってきておりますが、新しい五カ年計画においてその基本方針がそのまま行けるかどうかというものは、計画全体がもう少し固まってこないと申し上げられませんが、そういう方針でできるだけ調整すると、こういう考えでやっております。と同時に、まあ公社立場といたしますと、事業が非常に急激な膨張を示しておりますので、全体観察としては、むしろ雇用量というものは増加する傾向があるわけです。しかし、具体的個々あるいは局所について問題がありますから、ただ御指摘の全体として問題ないかといいますれば、絶対量としては問題ないのです。しかし、個人的な問題も十分考えなければなりませんから、そういう基本方針のもとに計画がもう少し拡張して参りませんと、その結果がどうであるかということをただいま申し上げられない、その結果についてどう処置するかということも、要員計画としてあわせて考えていく、こういう考えでございます。
  67. 森中守義

    森中守義君 これ以上、ここで現段階において副総裁の的確な答弁をとるということ自体がまあ若干早過ぎるかもわかりませんが、ものの考え方としては、計画の中に要員対策がはっきり一つの柱として入っていて、そういう方針のもとにこれから先き進めていく。従って、結果的にはあまり困らないようになるであろうという程度のことは了承していいのですか。
  68. 靱勉

    説明員(靱勉君) ただいまおっしゃられた二つの項目はその通りでございまして、結果的にどうであろうかということにつきましては、一応考えてみませんと、その結果また非常に人の問題として支障を来たすような場合に、さらにその対策をどう考えるか、これは要員計画の一環として考える、こういうことでございます。
  69. 森中守義

    森中守義君 そうしますと、たとえば今からお進めになって非常に重大なデッド・ロックに乗り上げた、こういう場合に事業上のつまり切りかえの計画は若干テンポをゆるめる、要員対策が並行しない場合ですね、そういうこともあり得ますか。
  70. 靱勉

    説明員(靱勉君) その点は、テンポをゆるめるかどうかということは、一つは施設の状況、その地域におきまする通信状況というものによってきめてこなければなりませんが、でき得る限りそういうような範囲で考えて要員計画をマッチさせる、こういう考えでおります。
  71. 森中守義

    森中守義君 やはりものの考え方基礎の中に、その五カ年計画というものは、どうしても要員対策というものは副次的なものである、こういう理解以外にできませんね、今のお話から行けば。もちろん仮定の話ですから、そういうことも場合によってはあり得るでしょうけれども、われわれが考えるのでは、やはりこの五カ年計画というものの中には、これは要員対策というものは私はその半ばを占めると思うのですよ。サービス・アップをするために、副次的なことで要員対策が私は行われていいということは、これはどうしても承服できません。従って、ここで質疑応答を繰り返していると、まあ何だかのれんに腕押し式で、大体考え方としてはわからないでもないのですけれども、かちんとした要員対策と事業計画というものを一体にした考え方のようにはどうしても受け取れない、これはここでさらに繰り返すことをしても、現状ではちょっと無理かと思いますが、これから先き、大体ものの考え方としてはわかりましたので、今後具体的に問題が提起されてきたような場合、もう少し伺いたいと思いますが、先刻鈴木委員も言われたように、どうしても基本方針としては、事業計画の中にその要員対策というものは半分を占めるものである、労働組合に相談をしていろいろ当面を解決するというような、そういう無責任なことでは私は困ると思う。労働組合の言っているのは、たとえばその理由が同じであっても、私はやはりこの問題とは切り離して経営者の方ではお考えにならないと困るのじゃないかと思う。労働組合に相談したら、これでもういいのだ、その考え方そのものがどうしても副次的なんですね。やはり機械化、合理化ということの中には、少くとも人が狭まっていくわけですから、今日においては要員対策ということが重要な計画の大半を占めるものである、そうしてそのことが進展の過程において暗礁に乗り上げるような場合には、時によってはテンポをゆるめるとかあるいは若干計画を見送るとか、こういうことを私は考えていいのじゃないかということを特にこの際要望して、私はこの点に対する関連質問を打ち切りたいと思います。
  72. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 速記とめて。    〔速記中止〕
  73. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 速記始めて。  それでは本日の委員会は、これにて散会いたします。    午後一時三分散会