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1957-05-11 第26回国会 参議院 地方行政委員会 第33号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年五月十一日(土曜日)    午前十一時九分開会   —————————————   委員異動 五月八日委員小笠原二三男君及び久保 等君辞任につき、その補欠として大和 与一君及び藤原道子君を議長において 指名した。 五月十日委員藤原道子辞任につき、 その補欠として久保等君を議長におい て指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     本多 市郎君    理事            大沢 雄一君            加瀬  完君            成瀬 幡治君    委員            伊能繁次郎君            伊能 芳雄君            小柳 牧衞君            館  哲二君            安井  謙君            久保  等君            鈴木  壽君            中田 吉雄君            岸  良一君   政府委員    自治政務次官  加藤 精三君    自治庁税務部長 奧野 誠亮君   事務局側    常任委員会専門    員       福永与一郎君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事補欠互選国有提供施設等所在市町村助成交付  金に関する法律案内閣提出、衆議  院送付) ○国有資産等所在市町村交付金及び納  付金に関する一部を改正する法律案  (内閣提出衆議院送付) ○防衛施設所在市町村交付金に関する  法律制定請願(第五九七号) ○国有財産等所在市町村交付金及び納  付金に関する法律の一部改正に関す  る請願(第一五二三号)(第一七〇  五号) ○国有財産等所在市町村交付金及び納  付金に関する法律第二条の一部改正  に関する請願(第六一八号)   —————————————
  2. 本多市郎

    委員長本多市郎君) これより委員会を開きます。  まず、委員異動について御報告いたします。去る八日小笠原二三男君、久保等君が辞任されまして、大和与一君、藤原道子君がそれぞれ補欠選任されました。また、昨十日藤原道子君が辞任されまして、久保等君が補欠選任されました。   ————————————— 以上、御報告いたします。
  3. 本多市郎

    委員長本多市郎君) 次に、理事補欠互選についてお諮りいたします。当委員会におきましては、去る四月二十三日以来理事一名欠員を生じております。この際、理事補欠互選を行いたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 本多市郎

    委員長本多市郎君) 御異議ないと認めて、これより理事補欠互選を行います。  互選は、投票によることなく、便宜その指名を委員長に御一任願うことにいたして御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 本多市郎

    委員長本多市郎君) 御異議ないと認めます。理事小林武治君を指名いたします。   —————————————
  6. 本多市郎

    委員長本多市郎君) 次に、国有提供施設等所在市町村助成交付金に関する法律案及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案の両案を、便宜一括して議題に供します。  両案の提案理由説明は、すでに聴取しておりますが、この際さらに、内容の詳細について、政府委員より説明を聴取いたします。
  7. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 便宜法律案要綱に基きまして、説明さしていただきたいと思います。国有提供施設等所在市町村助成交付金に関する法律案要綱から申し上げます。  国は、その所有する固定資産のうち、日本国アメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う国有財産の管理に関する法律第二条の規定により使用させている固定資産並びに自衛隊が使用する飛行場及び演習場の用に供する固定資産政令で定めるものが所在する市町村に対し、毎年度予算で定める金額範囲内において、政令で定めるところにより、当該固定資産価格当該市町村財政状況等を考慮して、国有提供施設等所在市町村助成交付金交付することがこの法律の眼目でございます。これらの資産は、いずれも国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律におきまして、交付対象にしないものと法定されておるわけでございます。あえてこの法律改正によりませんで、単独の法律制定しようといたしましたのは、その中には飛行場及び演習場の用に、純然たる行政目的に供されているものがございまして、こういうものは、国有資産等所在市町村交付金及び納付金対象にはいたしておりません関係上、この法律からはずして、別個の法律にしたい、そうすることによって、純然たる行政目的に供されておる資産に広く固定資産税相当額交付金交付しなければならないような事態には持っていきたくないという考え方でございます。これらの資産をさらに政令規定いたしたいというふうに考えているわけでございますが、駐留軍に使用されている資産でございますと、住宅、厚生、慰安の関係施設企業関係施設、さらに飛行場演習場土地などは、当然含まれるものというふうに考えているわけでございます。自衛隊が使用している飛行場演習場につきましては、土地を少くともその範囲に入れたい、かように考えているわけでございます。関係市町村は、アメリカ合衆国の軍隊が使用しています資産所在地、これが百四十三市町村ございます。自衛隊が使用する飛行場及び演習場の用に供する土地所在市町村が七十三市町村ございます。両方を合算いたしまして、重複分を差し引きますと、二百五市町村ということになる予定でございます。さらに、これらの施設のうち、もし固定資産全体じゃなしに、ある程度しぼって参りますと、若干その数が減ってくるわけでございますが、大体二百前後というふうに御了解いただいてよろしいのじゃないかというふうに考えております。毎年度予算で定める金額範囲内におきましては、初年度五億円、平年度十億円ということを予定しておるわけでございます。  前項の事務は、政令で定めるところにより、自治庁長官が行うわけでございますが、政令制定に当りましては、自治庁大蔵省調達庁防衛庁と協議したいと考えておりますし、また、個々の配分額の決定に当りましては、自治庁調達庁防衛庁と協議したいというふうに考えておるわけでございます。  なお、前二項に規定するもののほか、市町村助成交付金交付に関し必要な事項は、政令で定めるものといたしておりますが、交付の時期などを政令で書きたい、かように出与えているわけでありまして、おそらく十二月末日までには、交付事務を完了したいというふうに考えております。関係市町村に対しまして、ことさらに手数をかけさせることはなかろうというふうに考えておるわけでございまして、政府の調査したところに基きまして、この交付金をそのまま関係市町村交付していけばよろしいのじゃなかろうかというふうに存じております。  次に、国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案要綱に基きまして、御説明いたしたいと思います。  地方税法の一部を改正する法律案において大規模償却資産に対して課する固定資産税について所在市町村課税限度額を引き上げることとされていることに対応し、大規模償却資産について、所在市町村交付または納付を受ける市町村交付金または市町村納付金交付金算定標準額または納付金算定標準額限度額の引き上げを行い、新設大規模償却資産にかかる交付金算定標準額または納付金算定標準額の特例を設けることとするということであります。これは、国有資産等所在市町村交付金及び納付金固定資産税にかわるものでありますので、固定資産税について改正されました点をそのまま大規模償却資産についてこの法律改正を行いたい、かように考えておるわけでございます。内容は全く同じでございます。  なお、公社が所有する償却資産で、鉄道または電気通信の用に供するものののうち、総理府令できめるものにつきましては、大規模償却資産にかかる納付金算定標準額限度をきめる規定は、これを適用しないものとしております。総理府令で定めたいと考えておりますものは、国有鉄道電電公社資産にかかる納付金でありましても、施設所在市町村にそのまま還元して参ります部分と、そうでなくて、日本国有鉄道資産でありますと、国有鉄道軌道延長キロメートル数に按分していく、電電公社でありますと、電話加入権者の数に按分して市町村配分するものがございます。こういうものにつきましては、大規模償却資産規定を適用いたして参りますことは、資産の性格が若干違って参りますし、また、事務的にも非常に繁雑なことになって参りますので、大規模償却資産にかかります制限規定は適用しないで、そのまま軌道延長キロメートル数に按分し、または電話加入権者数に按分して関係市町村財源にいたしたいと考えているわけであります。  第二は、自治庁長官公社の所有する固定資産価格等を決定し、これを当該固定資産所在市町村配分した後において、その配分した価格等を修正する必要が生じたときは、翌年度において配分する価格等について清算することができるものとすることでございます。現実に公社自治庁の方に申告をして参りました資産につきまして、所在市町村が、つまり固定資産税を課するものと、この納付金対象となるものとがございまして、固定資産税対象になる部分につきましてまで自治庁申告をしてしまったもので、それをはずしてもらいたい、こういうようなことをかなり時間がたってから申し出てきたりいたしますので、やはり清算できる規定を置いておいて、そういう問題につきましても、円滑に解決できるようにいたしたいと考えたわけでございます。  第三は、交付金算定標準額または納付金算定標準額端数計算については固定資産税課税標準額端数計算の、交付金額または納付金額端数計算については固定資産税額端数計算の、それぞれ例によるものとすることでございます。もし、こういうことを規定しておきませんと、交付金納付金は、十円未満でありましても、関係市町村納付する、あるいは交付するということになるわけでございますけれども、事務手続の点から考えますと、交付金額納付金額でありますと、十円未満端数は整理したい、また算定標準額でありますと、百円未満は整理したい、こう考えるわけでございまして、そういう意味で、このような改正をいたしたいわけでございます。  第四は、日本国有鉄道が直接その本来の事業の用に供するために借り受けている車両政令で定めるものについては、これを日本国有鉄道が所有する償却資産とみなして、市町村納付金納付するものといたしたいわけでございます。日本国有鉄道が、予算関係等がございまして、車両製造会社から車両を買い付けられない。そこで、車両製造会社から一応車町を借り受けておきまして、随時その車両を買い取ることができる、こういう契約で使っております車両が、昨年の三月三十一日現在におきまして三十億円をこえておるわけでございます。運賃の値上げ等の問題がこういうことに関連をいたしておると思うのでありますが、非常に採算が苦しいために、買い受けられないために、やむを得ず車両製造会社から借りているわけでございます。しかし、将来は、これは日本国有鉄道の所有に移すようなものでございますし、また車両製造会社固定資産税を課していくということにつきましては、何か少し問題があるようにも考えますので、この納付金対象に入れまして、納付金として、国有鉄道から固定資産税にかわるものを関係市町村納付してもらうというように改めたいわけでございます。納付金額にいたしまして二千百五十万円という金額になるわけでございます。  その他規定の整備をはかりまして、たとえば、市町村廃置分合がありましたり、境界変更がありましたりいたしました場合に、どのような権利、義務の帰属関係にするかというようなことにつきましても、明確な規定を置いた方がよろしいんじゃないかという考え方から、政令でその関係規定を設けられるようにいたしたいと考えております。地方税法につきましても、同種の規定がございますので、それと同じように政令を定めたいというふうに考えているわけでございます。
  8. 本多市郎

    委員長本多市郎君) これより両案について質疑に入ります。質疑のおありの方は、順次発言願います。
  9. 加瀬完

    加瀬完君 国有提供施設等所在市町村助成交付金に関する法律案について、二、三点伺いたいと思います。  その提案の御説明の中にありました、固定資産価格基礎として算定した額によるものとするという言葉がございますが、この固定資産価格基礎にして算定した額と、このたび改正をされた額というものとには、相当差があるのではないか、その差額は一体どのくらいというふうに見積られておるか。
  10. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 対象施設範囲をどう定めるかということによって金額が変ってくるわけでございます。純然たる行政目的に供しておりますような、あたかも防衛庁舎のような駐留軍施設、あるいはまた、固定資産税におきましても課税からはずしておりますような病院関係施設、こういうものを全部包含して計算をいたしますと、三十二億円くらいになると思っておるわけでございます。これに対しまして、倉庫は入れるが、その他の固定資産税においては対象にならないような施設ははずすというような計算をして参りますと、十数億になるわけでございます。その倉庫の中には、さらにまた厳格に区分して参りますと、兵器庫のようなものがございまして、純然たる行政目的に供されておる資産ということもできるのだろうと思うのでございます。従いまして、非常にまあ厳格にしぼって参りますと、平年度十億といっておる金額がそう下回った数字ではないのではないかという考え方をいたしておるわけでございます。
  11. 加瀬完

    加瀬完君 一応財政計画自治庁がお考えになったのは、十億ではなかったと思うのですが、財政計画でお考えになりましたものだとすると、今お話になった固定資産税対象になるものよりも幅を広くお考えになったということになりますか。
  12. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 財政計画に今入っておりますのは、もちろん五億でございます。先ほど私、十数億と申し上げましたが、十五億でございます。当初から実は十五億円くらいということで大蔵省話し合いをいたしておったわけでございます。財政計画がどうということは、当時まだ他の収入も見当で入れておるわけでございますから、当初金額考えておったことが、数字異動がありましても、財政計画全体の最後の結着については、それがためにどうこうということはないのではなかろうかと思っております。
  13. 加瀬完

    加瀬完君 私の質問が少し舌足らずでありましたが、財政計画を立案いたしましたときの最初のころの収入見込額といいますか、その収入見込額はたしか十五億として計算をされたかに聞いておりますが、その前には、初めこれの問題が出たときには、もっと大きな数字というものをお考えになったのではないかと思われるのですが、大体今固まったものは、そうすると、十五億という見込額を一応考えたが、平年度十億ということでやっていくと、こういうことになるのですか。
  14. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) お話通りでございまして、非常に率直に申し上げますが、予算編成にかかりましたころに、私たちとしては、調達庁関係がございますし、防衛庁関係がございますから、防衛庁調達庁からも一つ予算の要求をしてくれないかというお話し合いをいたしたわけでございます。その際に、調達庁としては、資産範囲を区分することはなかなかむずかしいから、全資産対象にするものとして計算をしたいということで、三十二億の数字を作られたわけでございます。私たちとしては、固定資産税に準ずるものにやはり限定すべきではないかと、そういう筋合いを考えておったわけでございまして、十五億という数字を持ちながら、一応、一番最初には、三十二億という調達庁数字に合せておったことがございます。
  15. 加瀬完

    加瀬完君 その次に、財政状況等を考慮して算定した額を加算するという御説明ですけれども、これはまあ既得といいますか、今までいろいろ収入として見込まれておったもののほかに、その上にプラスされて、固定資産価格基礎として算定した額がその市町村ごとにふえてくると、こういうことになりますか。
  16. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) この交付金は、私たちは、固定資産税に準ずるものだと思っておりますので、全く機械的に配分できるように努力して参りたいと思います。また飛行場演習場は、これは純然たる行政目的に供されておるものでございますので、やはり範囲というものも、飛行場演習場の用に供されている土地に限定することが筋ではなかろうか、こう思っておるのであります。しかしながら、そういうところでありますと、大型の自動車が出入りいたしまして、道路がずいぶん痛められるわけでありまして、また、学校に防音装置をしなければならないというようなことで、財政需要もかなり大きくなるのではないかというふうに思います。そういう意味で、そういうような施設所在のところでは、たとえば算定された額を二倍するとか、五割増しするとか、割増しにしていかなければならない。弾薬庫でありますと、消防施設をしなければならない。そういうようなところでは、五割増しをするとか、六割増しをするとか、そういうような計算をしたらいかがなものだろうというように考えております。
  17. 加瀬完

    加瀬完君 今の御説明、よくわかるのですがね。結局、この交付金をもらう市町村の側からすれば、これは新しい一つ財源として加算されてくるわけですね。そうすると、今まで不足需用額といろいろの徴収されるものとの差額から一応算定して、交付税なり、特別交付税なりというものをもらっておった。そうすると、交付税なり特別交付税なりというものは、新しい財源が入る分だけやはり減ってくるという形になるじゃないか。そうすると、一生懸命になって市町村が期待しておるような、運動したり、また期待しておったわけですけれども、その期待というものが、総収入というワクからすれば、あまり変ってこないということになるんじゃないか。確かに個有財源みたいな形には固まってきておりますが、トータルでは変らないということになるのじゃないか。現行としては、何かいろいろ運動いたしましたのが、そこで私としては、交付税や何かの上に、特別にこういうものもプラスしてもらいたいという、大体下心というものが強かったのではないか、そういうことにはならない、この法律の上からみると、と考えられますが、その関係どうなんですか。
  18. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) この交付金は、地方交付税計算いたします場合に、基準財政収入額に算入いたしません。従いまして、普通交付税がこの関係で減少になってくるということはあり得ません。なおまた、原則として固定資産税に準ずるものとしての配分考えているわけでございますから、基地があるために、特殊な事情があるということで、従来特別交付税対象になっておったといたしますならば、それはやはり特別交付税対象になるんじゃないかと思います。ただ、特別交付税計算いたします場合には、競輪、競馬の収入でありましても、やはり収入があるものとして差引計算をして参りますから、そういう計算にはなろうかと思います。しかしながら、こういう制度ができたから、特別交付税対象にならないのだということにもなり得ない、こういうふうに存じております。
  19. 加瀬完

    加瀬完君 普通交付税計算の中にはこれは入れない。特別交付税対象にはなるけれども、特別交付税計算の中では、一応計算の中に入れられることもあり得る。こういうことだろうと思う。それで今度は、具体的に、横須賀とか、どこでもよろしいのです。戦争前、いろいろ軍港とか、それぞれ施設によりまして、それを理由にする交付金をもらっておった額と、こういう形によって新しく交付対象として交付される金額と、大体前にもらっておったくらいに見合う額になるか、それとも全然形が違って、ああいう額にはならないが、ただ精神が幾分か付加されたということになるか、具体的に町村に当てはめてみると、どういうことになりますか。
  20. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) これは、市町村によってかなり違うと思います。自衛隊関係施設でありますと、飛行場演習場の用に供する土地以外は対象といたしておりません。駐留軍関係施設でありますと、もっと広く対象にしているわけであります。従いまして、従来の軍港なり軍港関係施設がどういう方に利用されておるか。横須賀のように、駐留軍がたくさんおりますところと、舞鶴のように、ほとんどおりませんところと、非常に違うかと思います。横須賀のようなところは、従来受けておりましたものに近いものまで平年度ではいくんじゃないかと私たち考えております。
  21. 大沢雄一

    大沢雄一君 関連して……。この助成交付金本質固定資産税に準ずると、こういうところから出発して今日に至っておるということにつきましては、ただいまの政府側の御説明でも、そのように伺っておるのですが、そう承知して間違いございませんか。
  22. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) そのように考えております。
  23. 大沢雄一

    大沢雄一君 そうといたしますれば、ただいま質疑応答がございましたんですが、財政状況等を考慮してきめるということが法律案にはありまするが、これは、予算固定資産税相当額より以上に取ってある場合に、初めてこれを適用することが正当になるので、今のように、固定資産税相当額が十五億あるにかかわらず、三分の二の十億きりない中で、しかもそれを財政状況によって、あるいは施設状況によって、一方の町村によけいにするということは、他の町村の利益を侵害することにほかならない。しかし私は、本質から考えて、この財政状況をしんしゃくするという建前そのものが、これは異議があるわけではありませんが、それならば政府は、やはり十五億の固定資産税相当額に少くとも二、三億なり、五億なり、プラス二十億なりの予算を取っていなければ、私は公正な行政ができないと思いますが、どう思いますか。
  24. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) お話の気持は、私たちも同感な点がずいぶんございます。また、その点をはっきりと決着をつけることにつきまして、また政府部内で意見の対立をしたのだと言えます。大蔵省立場から考えてみますと、その中には行政目的に供されておる施設がずいぶんあるんじゃないか。それに固定資産税相当額をどんどん国が交付していくということになれば、とどまるところを知らないじゃないか、こういうふうな考え方もございまして、固定資産税に淵源を発するものではありますが、そういう市町村に対しまして、それを考慮して、それに関連した財源交付していくというところでこの法律案ができてきたんだというふうに見ておるわけであります。財政状況等を考慮する考慮の仕方にもいろいろあるわけでございまして、対象施設を非常にしぼる、しぼった結果は、特殊な事情があるにかかわらず、しぼられた影響だけをまるまる受けてくるような飛行場演習場所在市町村がございます。あるいはまた、かなり行政目的に供されておるような国の立場から考えたならば、そこまでは固定資産税に準ずるような金を渡したくない。弱小の町村ではやむを得ないが、富裕な町村なら特に渡したくない。固定資産税ずばりですから、そこに若干幅のある金でございますので、そういうところには渡したくない、こういう金でありますので……。それでは、計算された額を減額するかという、こういう問題もございまして、ただ、いずれもこれは政令の問題でありまして、政府部内で話し合いをしている問題でございますけれども、いろんな意味を含めて、財政状況等も考慮して配分するのだというような規定にいたしておるのであります。
  25. 加藤精三

    政府委員加藤精三君) ただいまの大沢先生の御質問にお答えしたいのでございますが、実は、この法律の成り立ちが、地方制度調査会におきまして決議されまして、そしてそれがこの国会において具体化したわけでございますが、自治庁側といたしましては、どこまでもこういう数字を、本助成交付金数字を政治的に譲られることだけは、絶対に拒否し続けてきておるわけであります。これを地方交付税配分決定なんかと対比して私たち考えておったわけでありますが、地方交付税も、これも、普通交付金といいましても、特別交付金といいましても、いずれも政治的考慮を加えるべきものじゃない、必ず一定の基準に基きまして、普通交付金でございますれば、これは、基準財政収入か、基準財政需要を積算の基礎にいたしまして決定するわけなのです。まあそのほかの、補正係数その他の操作は加えますけれども、そういうふうにして成立するわけであります。特別交付金の場合でございましても、十幾つかの基準がありまして、それによって計算していくわけでございます。どこまでも、そういう物税であるところの固定資産税を淵源とする財政財源補給制度だという本質は失いたくない。ただし、その総額は、地方交付税の総額も、われわれの考えておりまする要求を満足させるだけの交付税総額ではないので、現在交付税率の引き上げの問題が起っているわけでございますから、それと同じような意味におきましても、この助成交付金の総額は満足すべきものじゃない。しかしながら、その中につきましても、特にその地域が国有地として取られたり、あるいはそういう資産がもし国有やあるいは公社等の所有でなかったら、あるいは府県の所有でなかったら、相当固定資産税が入っただろうというような固定資産税の法的の課税制限によって受ける打撃が特にその地方団体に強いものは、同情してやる方がいいだろう、そういうふうな意味で、何%かの金額を限って、そういう方面に用いることができるようにしよう。大体普通交付税特別交付税のような考え方で、その財源が十億というて、非常に十分でない中につきましても、そういう考慮を加えていきたい、こういうふうな考え方をしているのであります。でたらめに、政治的に、そのうちの何割を限って、恣意をまじえて配分しようというようなことにはならないように、十分注意いたす存念でございます。
  26. 大沢雄一

    大沢雄一君 ただいまの御説明がわからぬわけじゃありませんが、十分私としては納得いきかねるわけでございます。財政状況を私はしんしゃくするなと言うのではないのでございまするが、もともと固定資産税に準じて、それに相当する分を交付金として交付してやろう、そうすることが正しい措置であるということで出発いたしたのでありまするから、その前提が十分満足させられて、しかるのち、余分があれば、財政状況を考慮することもけっこうだと思うのです。しかしながら、十五億固定資産税相当額必要なところを、三分の二の十億きりない中で、その中で、さらにある一方のものに事情をしんしゃくしてよけいやるということは、他のほうの利益を侵害するということになるのであって、今のこの予算範囲内においてそういうことを考えるということは、正しい行政とはいえないじゃないか。これはやはり、財政状況考える必要があるとすれば、少くとも十五億以上の予算が取ってなければならない。十五億の予算に達するまでの間においては、そういうことは、もっと大きい力のある所で、たとえば、交付税特別交付税なり何なりでそれは調整しなければならぬのであって、これにそういう作用を持たせるということは無理ではないか。私は、自治庁最初の答弁と次の答弁は矛盾していると思います。
  27. 加藤精三

    政府委員加藤精三君) この点は、はっきり申し上げますが、固定資産税課税標準の算定の仕方と同じように、助成交付金課税標準を算定して、固定資産税と同じ課率の百分の一・四をかけて、そうしてその金がたとえば十五億円になるということでございますれば、お説の通りでございます。しかしながら、従来の国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律と同じような工合に、これは全然一般の地方税の固定資産税と同じく、課税標準の価格をそのまま全部とっているわけじゃないのでありまして、あるものについては八割とるとか、四割とるとかいうことにいたすことになりますので、それを平年度十億の予算内でマネージしていくしかないわけです。それ以外の余裕は、政府に与えられていないわけでございます。立法論としては別でございますけれども、法律論としては、そういう格好になるわけでございます。そういう点から見ましては、非常に不十分な点がございますが、不十分な中におきましても、なお、従来美田であって、元の税法では地租が十分入った、現在では、その地方税の中でも固定資産税が相当多く入っていたものが、それが今度接収されたというような、非常に気の毒な場合がある。特別交付税の場合においても、税収の激減があったような場合には、特に特別交付税で見るという算定の基準がございますので、そうした意味で、政治的な意味でなしに、純事務的に、財政状況をしんしゃくして配分することもあり得るじゃないか、こういうふうな考えでおるのであります。
  28. 鈴木壽

    ○鈴木壽君 どうも話がちょっとわからなくなりましたが、まず、部長と次官との間の話に食い違いがあるように私聞いたんですが、そこをはっきりさしておきたいと思います。  一つは、部長のお話では、普通交付税のそれには関係なしにやる。特別交付税の場合には、算定される場合もあり得る、加瀬委員との質疑応答の中で、そういうことをはっきりお話された。次官の話を聞いてみますと、普通交付税でも、財政収入財政事情考えてやるんだから、それに入るのだというふうにおっしゃったように私ちょっと聞いたのですが、そこをちょっと。
  29. 加藤精三

    政府委員加藤精三君) 大へん私説明が悪かったので、私の申し上げんとした趣旨は、この国有提供施設助成交付金配分の仕方について、財政事情による特別配分というものは、金額が少いから無理じゃないかというのが委員会の動きととったのです。それをどうやってやるか、そういうことはおかしいのじゃないかということに対しての、そういうお説に対して当局側の説明を申し上げて御了解を得ようとしたのであります。そのとき例に使ったのが、たとえば地方交付税の総額は、地方財政を補てんするのに十分な金額でないのにかかわらず、地方交付税の場合においても、財政事情によるしんしゃくを加えた、特別交付税というものもあるじゃないかということを申し上げようと思ったのです。例に引いたのでございまして、国有提供施設交付金配分を受けた所は、特別交付税がなくなるとかなくならないとかという問題には関連のないことを例にとって申し上げたので、非常にお聞きになった方で御迷惑されたのだろうと思うのであります。  私の言わむとするところは、固定資産税課税標準価格算定と同じ方法で、かなり全国に多く散在しております駐留軍基地や自衛隊基地の総資産価格を調べますと、それこそ十億を増すことに実際なるのです。なるのだけれども、しかしながらその中について行政財産的な色彩の多いものとかそういうふうなものには、純民法的存在というか普通の固定資産をかける、普通の資産とは程度を少し違えた価格課税標準に組んでいいのがあるのじゃないかということを申し上げたわけなんでございます。そうする方法をとることによりまして、十億の中でマネージしましてそうして適切な配分をやっていく。適切なる配分をやっていくにも、実際は十分な予算金額ではないけれども、地方交付税総額が、現在の地方団体財政状況から見て十分でないのにかかわらず、その中にも特に気の毒なものには特別交付税という一つの項目を作って、そうして財政調整をしているのだから、その程度の小規模財政調整は、国有提供施設交付金についてもあっていいじゃないか。地方財政財源の淵源としてそういう規制があってもいいじゃないか。こう考えたわけなんでございまして、それは国や国家機関の方に新しい負担になるので、この金額はできるだけ制限したいという政府の一方の側の、大蔵当局の側の考え方と同時に、従来地方財源にはなかった一つ財源であるから、それで既得権を侵害するときと同じように非常におもしろくない形のものでもない。大沢先生お話によれば、財政事情によって特殊な考慮をある地方団体の受ける交付金に加えるならば、その当該地方団体はいいかもしらぬけれども、これに準ずる、同じ状況に近いところの他の地方団体の既得権が侵害されるのじゃないかというお説でございますけれども、このたびは新しく財源が加わるのでございまして、既得権を侵害するという形ではないということを申し上げたかったのでございます。
  30. 鈴木壽

    ○鈴木壽君 どうも話を聞くとますますわからなくなってくるのですが、これは既得権の侵害とか何とかということでなしに、これは当然固定資産価格の評価に準じて、準ずるという意味のとり方にもいろいろあると思いますが、当然その市町村でそれこそ収入となるべきものが今まではなかった。それをみてやろうということなんだと思うのですね。それに間違いないと思います。そうしますと、何も既得権とか何とかというのじゃなしに、当然侵害しないから、少しぐらいの価格を引き下げてみても、安くやっても何も侵害しないということでないというお話ですが、これは提案説明の趣旨からも、間違ったあなたのお答えになると思うのですよ。  ですから端的に言うと、あなたもおっしゃったように、金は十億しかないのだ。苦しいそういう事情からいろいろなことをおっしゃっておるようでございますけれども、理屈からいえば、説明の要旨等からいたしますと、どうにも私どもには納得できないものがあるように思います。大沢さんのおっしゃるように、あるいは加瀬委員の御指摘の通り、第一、固定資産価格に準ずるという、その準ずるということですよ。これは勝手に切り下げてもよいということではないと思う、準ずるということは。しかもそういう一応の前にあなたがたが考えられました必要額からすれば約三分の一ぐらい落ちておる。そういうためにあなた方は今度は対象をしぼってきておるのです。当然該当すべき対象をしぼって、あれは要らないのじゃないか、これも要らないのじゃないかということが一つ。さらに価格の算定に当っても、それをまた引き下げておる。こういうことをやってようやく十億のつじつまが合うようになさろうとしておるのじゃないかと思うのですよ。さらに考え方としては、そういうこともあってもいいと思いますけれども、今、問題となっておりますところの地方の財政状況を勘案してやるというようなことも今度つけ加えられますと、ますますもって不合理が出てくると思うわけです。  ですから、これはまああなた方いろいろ御説明をなさいますけれども、筋の通ったものとしては私どもはとても受け取れない。準ずるということにおいて問題が一つあると同時に、対象もしぼって除外して、なおさらにその上に地方の財政状況を勘案するために必要な金も、それから寄せなければいけない。こういう三重の、私どもからいえば不合理なことをあえてなさろうとしておる事情はわからないわけではございません。金を詰められて、十五億ほしいといったところを十億しか出てこない。しかも今年度はその半分の五億だというところに、あなた方の説明の苦しさも私はあると思いますが、あまり合理化するような説明のされ方をしますと、何だい、というようなことを言いたくなるのですが、いかがでございますか、その辺。
  31. 加藤精三

    政府委員加藤精三君) 金額の十分でないことは認めるのであります。それでその点につきましてはお説の通りでございまして、衆議院におきましても、将来はこの金額を増額して、固定資産税に準ずるものとして合理化されるように御希望がございました。それに対しましては、政府当局としては、できるだけの努力をするということをお答えいたしておりますのでございます。ただこの法律ができましてから実務をあずかる自治庁立場といたしましては、どこまでも、こう目分量で政治的に公金の配分がなされないことを確保したいと思いまして、その中につきましても、一定の基準をつけたいということを申し上げたのでございます。
  32. 鈴木壽

    ○鈴木壽君 やめますが、今の、将来、衆議院の委員会等におきましてつけました決議等の趣旨について努力なさると、こういうお話でございますが、この問題、これは簡単に努力なさるということで解決がつくかどうか、私は実は心配なんですが、十億取るにもなみなみならぬおそらくあなたがた御努力をなさったと思います。もっとほしいというものを十億にとめられたのですから、これは確信がございますか。単なる努力に終りそうですが。それとも何かめどがあっておっしゃるのですか。
  33. 加藤精三

    政府委員加藤精三君) この交付金に関する法律が完全に妥結をみますまでには、数カ月ずいぶん困難いたしたようなわけでございまして、なかなか予算が、その前に予算そのものにもずいぶん、数年にわたって努力が要ったわけでございます。しかしながら、この制度が運営せられます段階になりますと、おそらく非常な、各地方団体間にも好評を博し、また政府の施策もやりやすくなるだろうと思います。効用は大きいと思います。効用が大きければ、従って政府も国会もその効用を認めることになりますので、逐次この予算金額も改善されて参るという考えでございます。で、実施当初の第一年度だけの経験によって、直ちに予算金額を増額するということは、従来の予算折衝の段階ではなかなかむずかしいのでございますが、数年中には必ず御期待に沿うように増額されることを考えております。
  34. 鈴木壽

    ○鈴木壽君 どうも心細くなりましたが、数年中となりますと、これはいつのことやらちょっとわかりませんが、私実は心配だというのは、あなたがたしばしば御説明があったように、本年度、初年度においては五億と、平年度では十億という取りきめをちゃんと大蔵省との間にきめておるというふうに私感じておるのですがね。それをさらに御努力なさると。これは国会の要望もあるし、決議もあるのだからと、こういうことも一つの条件にはなってくると思いますけれども、しかく簡単ではないという心配のためにお聞きしたのですが、なるほど、やはり数年後にこういうことが解決されるということであれば、三十一年度について、これは一つ解決できるように最大の御努力を私要望して質問を打ち切ります。
  35. 加瀬完

    加瀬完君 ちょっと。今問題になっておるのは、自治庁国有提供施設等所在市町村助成交付金というものの考え方が、私はちょっと国有資産所在市町村交付金納付金と同じような考え方に立っておりますから、今のような問題になってくると思うのですよ。で、軍港都市などに対する交付金、助成金などというものが、ただ今の固定資産税的の肩がわりだけを意味しておるのじゃないと、この施設があるために特別に行政費を必要とするので、その行政支出に見合うところを何とかカバーしてやろうという考え方が、軍港都市などに対する交付金や助成金という制度になって施行されておったのじゃないかと。それを今度は固定資産価格だけを基礎として算定するというところに、かつての考え方と違ったところがあるので、率直に言うならば、プラスすべきものをプラスしてないという見方にもみられるやり方だということになると、たとえばですよ、一応こういうものを立てて、ほかに交付税の単位費用などにおいて、この助成金、交付金のような、こういう施設を持っているところに、特別の行政費を必要とするならばそれをカバーしよう、こういう単位費用の計算でも新しく強められるというならば、これだけで非常に見合ってきますけれども、そうでないとすると、これはどうしても固定資産価格基礎として算定するということであっては、この価格がいつだって一応事務的に計算したものよりは割引きされた形になるのですから、従ってその方に加算をするといったって、加算をするのじゃなくて、減算をして計算しなければならない結果がどうしても生ずるのです。これはあとで大沢委員からも付帯決議などが出ますので、それらによりまして、ある程度付帯決議の通りやっていただければ、改善されると思いますけれども、もっと根本的に考えなければならぬのです。こういう施設を持っているものには特別な行政費がかかる。それをどう計算してやるかということも考えていただきたい。これは希望です。お願い申し上げます。
  36. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 先ほど来申し上げていることでありますが、重ねて率直に申し上げておきたいと思います。当初自治庁としましては、駐留軍に貸し付けている資産でありましても、その使用の実態におきまして、他の所有に属すれば、固定資産税を課せられるものであれば、やはり固定資産税収入所在市町村に与えていきたい、国有資産等所在市町村交付金に関する法律ができているのだから、国有資産所在市町村交付金として所在市町村に与えていきたい、こういう考え方を持っていたわけであります。もう一方大蔵省事務当局の考え方によりますと、大部分行政目的に供されている財産じゃないか、そういうものについてまで固定資産税対象にしてゆくということになると、とどまるところを知らない、こういう反対的な意見があったわけであります。そういう意見をとる必要からいたしましても、しかしながら基地のある市町村財政については、何らかの措置を講ずる必要がある。こういうようなところから漸次歩み寄りができまして、生まれて参ったのが今度の制度だと、かように考えているわけであります。  いずれにいたしましても、固定資産税に淵源を発するものであることには違いない。しかしながらそのずばりだということになって参りますと、一方に反対意見がある。しかしまたおっしゃいますように、基地所在の単なる財政を心配した交付金だということになって参りますと、市町村の固有の税源を与えるという自主的な財政運営を企図する見地からいきまして、非常な問題が起ってくる。そこで両者を折衷して、固定資産税に淵源を発するものだということをはっきりさせるために、当該固定資産税の価格を考慮して配るのだという線を打ち出し、また基地の特殊な財政事情ということも頭においているということで、当該市町村財政状況等を考慮して配るのだという線も出したわけであります。言いかえれば、両案の折衷説みたいなものがこの制度だということに、私ども考えているわけでございまして、固定資産税がずばり八割かけてゆく、それからその二割につきましては、当該市町村財政状況等を考慮してできれば対象にして参りたい、こういう考え方をしているわけであります。   —————————————
  37. 本多市郎

    委員長本多市郎君) それではこの際、両案に関連する請願の審査についておはかりいたします。  お手元に資料を配付しましたが、この両案に関連のある請願が四件当委員会に付託になっております。よってこの際法律案の審査の参考とする意味におきまして、間に挾みまして、これらの請願の審査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  38. 本多市郎

    委員長本多市郎君) 御異議ないと認めます。請願第五百九十七号防衛施設所在市町村交付金に関する法律制定請願ほか三件を一括して議題に供します。まず専門員より内容説明を聴取いたします。
  39. 福永与一郎

    ○専門員(福永与一郎君) ただいま議題になっております請願簡単に御説明いたします。五百九十七号は今年の二月十一日付の請願でございますから、その当時では自衛隊関係については交付金を除外されるようなうわさがあるが、それでは困るので、ぜひとも自衛隊関係をも含めて交付金制度を設けられたい。かような趣旨の請願でございます。  その次の千五百二十三号と千七百五号、これは全く同一の趣旨の請願でございまして、駐留軍自衛隊所在市町村では、その施設が大部分課税となっておるために、その負担に苦しんでおるので、国有財産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律改正して、総額三十二億をいわゆる基地交付金として措置されるようにお願いしたい、かような趣旨のものでございます。  最後に六百十八号、これは国有財産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律では、公営住宅に対しても課税対象になりますので、この際法律改正して非課税、公営住宅は交付金納付金対象からはずすように法律改正を望むというものでございます。
  40. 本多市郎

    委員長本多市郎君) 次にこれら請願に対する政府の意見を聴取いたします。
  41. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 駐留軍に提供しております施設と、自衛隊に提供しております施設につきまして、全面的に交付金対象にするのだということになって参りますと問題があると考えています。やはり純然たる行政目的に供されているものにつきましては、交付金対象に加えることについて慎重でなければならぬというふうに存じております。  なお公営住宅についての交付金の問題は、やはり公営住宅所在市町村といたしましては、住宅がふえて参りますと、道路施設でありますとか、教育施設等に莫大な経費を要するわけでありますから、それに応じて所在市町村が、固定資産税ないしそれに準ずる収入がふえていくような措置は講じていかなければならない、かように考えておるわけであります。公営住宅について低家賃政策をとるということと、公営住宅についても固定資産税相当額対象にしていくということとは、別個の問題であるというふうに考えておるわけであります。
  42. 本多市郎

    委員長本多市郎君) 各請願に対して御意見、御質疑がございましたら御発言願います。……別に御発言もなければ請願の審査はこの程度にいたします。   —————————————
  43. 本多市郎

    委員長本多市郎君) 各請願の願意を参酌されまして、両法律案の審査をお願いいたします。それでは両法律案に対する質疑を続行いたします。質疑のおありの方は順次御発言を願います。……別に御発言もなければ両法案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  44. 本多市郎

    委員長本多市郎君) 御異議ないと認めてさよう決定いたします。  まずこの両案のうち、国有提供施設等所在市町村助成交付金に関する法律案についてこれより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。また付帯決議等がございましたら、討論中にお述べ願います。
  45. 大沢雄一

    大沢雄一君 私はこの法案につきましては、長い間の懸案事項がここに実現したことでもありまするし、また本委員会としてのさきの決議要望の趣旨にもこたえておるものでございまするし、地方制度調査会の要望等もございまするので、まあ百パーセントその要望に沿うているとは思いませんが、この際これが実現したということは非常に喜ぶべきものとして賛成の意を表したいと思うのであります。  しかしながら、なおこの法案の趣旨を十全に達成いたしまするために、お手元にお配り申し上げましたような付帯決議をこの際付したいと思いまして、付帯決議案を提出するものでございます。朗読並びに説明は省略いたしまするが、先ほどの質疑応答の趣旨によりましても各委員十分御承知のことと存じますので、省略いたしたいと思います。   —————————————
  46. 加瀬完

    加瀬完君 ただいま提案法律案には賛成をするものでありますが、若干の希望事項を述べまして、政府の留意を促したいと思います。  一点は、今部長が御説明のように、〇・八分は固定資産税そのものずばりとして配り、あとの〇・二分は財政状況に応じて配分をするのだ、こういうお話でございますが、固定資産価格基礎として算定した額に、財政状況による算定分がプラスされておりますれば、今おっしゃったような形になりますけれども、本年度予算額を見ましては、この御説明法律内容とははなはだしく相反しております。この点予算額で確実に〇・八プラス〇・二の、すなわち固定資産税財政況による算定分の配分ができるような予算措置というものをしてもらわなければ、この法律には相反することになりますから、その点御留意をいただきたいと思うのであります。  第二点は、交付税あるいは特別交付税との関係が、御説明範囲におきましては必ずしも明確になっておりません。で、どういう角度から言いましても、既得権と申しましょうか、今まで財政的に獲得できたものが、いかなる形におきましてもマイナスされるということであってはならないと思います。この点もう少し具体的に配分の上で御留意をいただかなければならないと思います。  第三点は、以上のようなこの法案そのものの中には、どうも留意をしていただかなければならない点もございまするので、それらを確実に実現させるため、大沢委員提出の付帯決議というものは、最低限どうしても必要ということになりますので、この大沢委員提出の付帯決議を来年度から実際効力あらしめるように御措置願いたい。  以上三点の希望を述べまして賛成の討論といたします。
  47. 本多市郎

    委員長本多市郎君) 他に御発言もなければ討論は終局したものと認めて採決に入ります。国有提供施設等所在市町村助成交付金に関する法律案を問題に供します。  本案を原案通り可決することに賛成の諸君の挙手を求めます。    〔賛成者挙手〕
  48. 本多市郎

    委員長本多市郎君) 全会一致と認めます。よって本案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  次に討論中大沢君より提出されました付帯決議案を議題に供します。大沢君提出の付帯決議案を、本委員会の付帯決議とすることに賛成の諸君の挙手を求めます。    〔賛成者挙手〕
  49. 本多市郎

    委員長本多市郎君) 全会一致と認めます。よって大沢君の付帯決議案は全会一致をもって委員会の決議とすることに決定いたしました。  次に国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案について討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。……別に御発言もなければ、討論は終局したものと認めてこれより採決に入ります。国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに御賛成の方の挙手を求めます。    〔賛成者挙手〕
  50. 本多市郎

    委員長本多市郎君) 全会一致と認めます。よって本案は、全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。  なおただいま可決されました両案につきまして、本院規則第百四条による本会議における委員長口頭報告の内容、第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成その他自後の手続につきましては、慣例によりこれを委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  51. 本多市郎

    委員長本多市郎君) 御異議ないと認めましてさよう決定いたします。それから報告書には多数意見者の署名を付することになっておりますから、両案につき可とされた方はそれぞれ御署名をお願いいたします。   多数意見者署名     大沢 雄一  伊能 芳雄     安井  謙  伊能繁次郎     館  哲二  岸  良一     小柳 牧衞  鈴木  壽     久保  等  加瀬  完     成瀬 幡治
  52. 本多市郎

    委員長本多市郎君) 午前の会議はこの程度にいたしまして休憩をいたします。    午後零時二十三分休憩    〔休憩後開会に至らなかった〕