○国務大臣(
田中伊三次君)
芸者にしましても、
類似行為にしましても、
花代の
制度をとっておるかおらんだけの違いでございまして、
行為自体は全く同じことをやっているというその
考え方から、今のお説の問題でございますが、これを三〇%に引き上げて、バランスをとるという方も、確かに
一つの方法かと思います。しかしながら、これを引き上げるということになって参りますと、実際の徴税面において、現在の徴税のやり方は、従来の三〇%を取っておったところは、
花代制度をとっておるところは、それには大体大まかに見て二種類ありまして、いわゆる
芸者、
検番を通じて
芸者が
花代を取っておるというところと、一部、やとなと申しますか、こういうものにも、やはり
花代制度をとっている、やとなというものもございます。従って、
芸者でなくても、
花代という方式をとっておりますものは、やとなでも、一部はやはり三割を納めている、こういう事情に実情はなっておるわけであります。そこで、これを三割に引き上げるということになりますと、今度は、
花代制度をとらない場合の
類似行為というものは、大体カフェにいたしましても、キャバレーにしましても、バーにしましても、その他
一般の
料亭なんかにいたしましても、
料亭などは区別のつきにくいものがございます。単なる女中もあるし、何といいますか、おかみというような、ごく少数でありますが、そういうものもある。女中でもなく、おかみでもなく、
芸者に
類似をする接客
行為をしておるというようなものがありまして、いずれもその接客
行為自体に
料金はいくらというふうには今までも取ってないわけでございます。みんな飯を食えば、それは料理屋に入っておる。これが料理代に入ってくる。だから、待合でありますと、そこにサービスして参ります者は、それは待合の貸し料に入ってくる。そういうふうな工合になって、大へん多岐にわたってくるというような状況であります。これをかりに三割に引き上げるということになりますと、本来の食事は一割五分を取り、それと裁然と分離をしなければ
課税ができないことになる。今までは飯代に入れておるのを、飯代を分析して、本来の飯代が
幾ら、それで接客
行為に関するところの
料金は
幾らというふうに分けさして、飯代に一割五分、引き上げる場合は、接客
行為に対しても三割と、なかなか複雑な、技術上も困難であり、いろいろなそこに不合理が生ずるであろうというようなことも、実際に徴税のやり方からいって、三割に引き上げる場合は複雑になってくるということが
一つの
考え方。
それからもう
一つは、
考え方は少し理論の一貫せぬところもございますが、何にしても、党なり
政府というものは、一応
国税につきましては、減税の方針をとって努力をしておる。しかるに
地方税においては、接客
業者に対して、かりに一五%を二〇%に引き上げられてくる、その数も非常に多いことでございますので、そういうことになって参りますことは、大へんいやなことである。
そういうような、大ざっぱにつかみまして、二つの事由でございます。徴税の場合に複雑になる、それから中央が減税方針をとっておるときに倍額になるというようなことで、大きな
金額の変化もございますので、そういう点から
考えまして、やはり下げて均衡をとる方が理屈が合うだろうというようなことでございます。