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参考人(小野
盛次君) 私は、
日本トラック協会の小野
盛次でございます。
本日、非常に先生方お忙しいところ、私たちをお呼び出しを願いまして、
軽油引取税について、
意見を聴取される機会を与えていただいたことを厚くお礼を申し上げます。時間の
関係もございますので、簡単に、私たちの考え方を申し述べて、先生方の御参考に供したいと存じます。
政府は、三十二年度の予算編成に
当りまして、
揮発油税、
地方道路税、
軽油引取税と、大幅に
引き上げて、
道路整備費に充てるということに御決定されまして、
揮発油税については、昨年の十一月の二十六日
衆議院に提出されたのであります。これらの
揮発油税の増徴に関しまして、われわれは幾多の疑問があるのであります。
軽油引取税とは密接の
関係のある
揮発油税を先に申し述べまして、次に
軽油税に移りたいと思いますので、はなはだ横道に入りますが、
揮発油税についての御
意見をお聞き取りを願いたいのです。
道路整備をするということは、現在の
自動車運輸の面から見て、一日も早くしなければならぬことには異論がないのでありますが、これを
揮発油税のみに依存する点において、相当に問題点があると思うのであります。
政府の原案を見まするというと、現在の
地方道路税を含む
揮発油税のキロリッターあたり一万三千円を二万五千円にする、倍額に等しいような
増税ということに対しては、われわれ絶対反対をしたのであります。反対の
理由としては、大蔵当局が出された数字というものは、ほとんど児戯に等しいようなでたらめであるということを指摘しておるのであります。これは、時間の余裕がありましたら、後刻詳しく申し上げますが、これによって、われわれ
衆議院において再三検討を願った結果、一月の十四日になりまして、一万二千円が八千円に下りました。さらに、一月の二十六日閣議決定によって六千五百円に
修正され、昨日自民党から出された案を拝見しますと、第一次
修正が八千円、第二次が六千五百円、第三次が五千三百円、かようになっておるのであります。なぜこのようなことになったかと
申しますと、大蔵当局のいろいろ御
説明される根拠が非常に薄弱であったということに尽きるのであります。従って、自治庁長官が
国会において
軽油引取税の増徴の
提案理由の
説明の中にもありますように、
揮発油税との
均衡上、
軽油引取税を上げる、こう申されておるのでありまして、その点は、われわれも了承するのでありますが、
揮発油税がまだきまらん前に、
衆議院において
軽油引取税をきめたということは、少し矛盾があるではないか、かように考えるのであります。昨日
衆議院の本会議において、
軽油引取税、
政府原案のキロリッター
当り三千円が二千四百円で御決定になったように承知しております。私たちがなぜかように
政府の増徴案に反対するかと
申しますというと、
政府の御主張の一番眼目となるのは、二点に大体要約されるのであります。
日本の
揮発油税その他の
税率は、諸外国から見れば非常に低いから、上げても不当でないという一点と、第二点としてあげておるのは、
道路整備によって、この
増税の
揮発油税は受益として還元される。十五年たてば四倍ないし五倍になって返ってくるということを、原主税局長は再三
衆議院において申されております。この外国との
税率の
均衡という点においては、全くわれわれ
意見を異にしておるのであります。
国民生活の水準と
申しますか、
所得領においても、
日本ははるかに低い。あるいは生活状況においても相異なっておる。これを、
税率のみを均等にしようというところに非常に無理があるんじゃないか。大蔵省で出された「
日本の
財政」という本の中にも、明らかにこれをいっております。要約して
申しますならば、かようなことをいっております。この本の六十二ページに、わが国のように、
国民所得の低い国では、たとえばその
割合が小さくとも、実質的な税
負担はかえって重いものとなるのである。戦後の
国民の税
負担は、最近やや軽くなったというものの、戦前や諸外国に比べると、なおかなり重い。それで、
国民の
所得との
関係をいろいろいわれておりますが、アメリカ、イギリスの勤労者は
税金の
負担がないのに、わが国では、
所得の九・二%の
所得税を納めることになっている。また、アメリカの
事業所得者は
税金がかからないのに、わが国は、
所得の二五%の税をかけられている。イギリス、西ドイツに比べて、それぞれ四・五倍ないし二倍の高い
負担率となっておる、かように、大蔵御当局で出された書物の中にはっきりいっておられるにかかわらず、大蔵御当局は、
税率を上げても不当でない、まだ
負担力がある、かように言われる点において、私は相当の疑問を持つものであります。また、
道路整備によって受益になる、この点も、一応はごもっともではありますが、現状からみて、受益というものがどのくらいになるか。大蔵当局からいろいろ示された数字もありますが、その反駁資料として、お手元に配付しております
揮発油税、
地方道路税増徴に関する陳情書、
日本トラック協会会長天坊の名前で出ておりますが、その中の二十一頁に参考表が出ておりますが、これをごらん願うと一番はっきりすると思うのであります。これは、上の表は、三十二年から三十六年までの五カ年計画によって
揮発油税の増徴額を出しております。これは、当初でありますから、
揮発油税一万円、
地方道路税二千円、その
揮発油税の一万円で換算した表でありますが、これが一千八百五十一億の税収になったのであります。これが目下
衆議院で御検討されております五千三百円の
税率になりますというと、一万円が三千八百円でありますから、これに換算いたしますと、ずっと数字が変って参ります。いずれにしても、
道路整備によって受益が七円ないし十八円になるという大蔵御当局の
説明であります。これを運輸省が、かりに十円上った場合と十五円上った場合において、ここに数字を掲げておるのであります。これらを見ましても明らかになるように、大蔵当局の出された数字というものは、どうしても私たちはのめない。五カ年間の計画において完成される
道路というものは、一万二千二百九十一キロである。それで、この
道路が完成すれば、受益として、この多額のものが還元されるということの大蔵当局は御
説明でありますが、私たちはさようには考えないのであります。一万二千キロの
道路がかりにできたとしても、全国道のほとんど三十分の一程度で、A県、B県の
道路ができても、それを四十六都道
府県の
人たちが、その
道路上を走る直接の
自動車において受益があるとしても、そうでないところにこの均等の
課税をされるということは、税の公平を欠くではないか。また、七円ないし十八円の受益だということも、これも全くの机上論であって、さような数字にはならないのであります。
大蔵省案を一応検討して、私たちの
意見を第三で述べておりますが
日本乗合
自動車協会で、三十年から三十一年、一年間五万キロ、舗装
道路と砂利道の比較試験をした結果が、キロ
当り四円八十五銭の受益という数字が計上されておるのであります。舗装されれば相当の受益になるが、
日本の全国道がこういうふうになるには、少くとも二十年なり二十五年あるいは三十年、建設省では三十年と言われておるのであります。一年や二年で、この
道路がよくなるものではないので、大幅の
増税によって、これを受益者だということは当を得ていない。
委員長さんも御承知の
通り、
道路改修につきましては、私たち率直に言えば、この五カ年計画が完成するまでの間は、私たちは
道路の被害者だと申し上げたいのであります。
日本の
道路改修方式と
申しますか、工事方式というものは、実に原始的のようなやり方で、アメリカのような機械設備でなく、わずかにブルトーザー等を使いますが、土盛り、切り取りをやり、砂利を敷いて、十トンか十五トンのロード・ローラーが形式的に走って、あとは自然のうちにさらすとか、その上を
自動車を走らせて、一年くらいで地固めの済んだのちに舗装するというのが現実の姿であります。その間、片側の
道路の工事のためには、一方交通もやらなければならぬ。また、全面的に土盛りができても、
でこぼこ道を
自動車が走って、ロード・ローラーのかわりをしておるのが真実の
状態であります。その間一年余りというのは、非常に車両のいたみ、タイヤのいたみ、
燃料の消費量、こういうものも多くなって、完全なる被害者であるということは、識者のよく承知されておるところであります。そういうことは全然触れずに、机上論で、
道路がよくなるから大きな受益になるということで、数字を上げておられるのでありますが、これがまず第一の間違いである。
第二番目には、
道路がよくなるから、お前たちそれだけの受益になるといって掲げたのが、私の
意見書の一番最後の参考資料の四でございます。大蔵省が言われておるのは、現在の
道路上の
自動車の速度は十五キロだ。それを改良すれば二十五キロになり、舗装すれば四十五キロになる。そしてそこに受益率、
燃料費だとか修繕費だとか油脂費だとかタイヤ、チューブ費だとかを掲げて、これをごらんになると、なるほど
道路の受益というものはこんなに大きいものだというふうにお考えになられると思いますが、これはとんでもない誤まりで、現在の
道路上の
自動車の速度は、国道においては、四十キロぐらいの平均速度であります。二十五キロないし三十キロというのが普通の速度であります。都内のゴー・ストップの多いところは、十五キロもありましょうが、全くこれは、子供だましの数字で、低い数字の十五キロを
基準にして、二十五キロ、四十五キロになる数字をここで出しておりますが、自転車ですら十五キロの速度であります。かようにして、数字をでっち上げて、受益が多くなるから、
揮発油税を上げても不当でないということを
国会で御
説明になっておりますが、これは、賢明な先生方をごまかす
一つの証拠として、十分検討の余地があるものだと私は考えるのであります。かような数字の羅列によって、大きな税をかけていく
一つの
説明資料になってはおりますが、
衆議院においては、御承知の
通り、原案に対してはもう第三回の
修正をされて、今なお、今日も非常にもまれて、おるのは、なぜかと
申しますと、大蔵省の数字が信用できないということに尽きるのであります。去る二十五日、大蔵、運輸、建設の合同
委員会において、大蔵大臣、通産大臣、運輸大臣の三大臣の御答弁を拝聴いたしましたが、いずれも、大蔵大臣のお説に対しては
賛成できない。たとえば、
揮発油税を今度上げるについての需要量の策定について、当初は三百六十万、それが政調会において三百九十万に
修正されて、現在に至っておるのでありますが、その後交通部会においては四百二十万、運輸省でも四百二十万、この三十万の食い違いがまだ未解決でありますが、常に寡小の数字を掲げて、そうして
税率を高くして、そして税収をはかろうというのが大蔵省のやり方で、これは、徴税のためには手段を選ばない、かようなことは、昔、悪代官が農民を苦しめたということと同じことで、もう、
自動車関係からもあるいは佐倉宗五郎のような者が出てくるのじゃないか、こういうので、悲壮な叫びをいたして、昨年来大会に次ぐ大会をやり、昨日五千人の
自動車関係者が第一議員会館、第二、第三と集合いたしまして、
衆議院に押しかけたような
状態で、全くわれわれの血の叫びであります。
かような点から見て、
揮発油税を一応正しい
税率に直して後に、
軽油引取税に入ってくるのが妥当ではないか、かように考えておるものであります。ことにアメリカの例を引かれ、あるいは欧州の例を引かれますが、欧州の例もさることながら、外国と
日本と違う点は、アメリカの
道路の発達史を見ますと、最初は寄付的行為から
道路が建設されまして、
自動車がふえていく。また、アメリカの
自動車の使用者というものは、御承知の
通り、オーナー・ドライブ、みずからハンドルを持って運転する者が大部分で、乗用車について見るならば、全体の二%が営業車であって、そのほかは全部自家用車である。数字を持っておりますが、省略いたしますが、トラックにおいても、営業車が一・八%、あとは全部自家用であります。バスだけが、これはスクール・バスが非常に多いために、四六%が営業車、
日本においては、乗用車の一八%が営業車で、トラックの三七%九が営業車、バスは九五%が営業車、こういうふうに、
自動車の使用状況が違います。従って、税の
負担力というものは、アメリカあるいは欧州の
人たちは、みずからハンドルを持つというので、快適ドライブと身の安全という点から、
道路整備の金を自発的に出してきた。こういうことに大きな違いがあるので、それを、
税率のみを一緒にしようということは、これはとうていわれわれの承服できないところであります。ことに
自動車が全部の受益者であるかのごとく御
説明されておるのでありますが、これも大きな誤りで、鮎川
道路調査会の調査によりますと、
道路から受ける
自動車の利益というものは三四・二%で、その他は大体国全体の利益になるんだ、かように出されております。また、産業計画会議の松永安左衛門さんが、昨年の十二月十五日
道路整備に関する勧告書を出されております。この赤い本は、衆参両院の先生方に配布になっておりますが、この中にも強く御
説明をされておる。これは、
道路というものは、国の産業経済に密接の
関係があるんだから、
揮発油税に依存しないで、国みずから年々二千億円の金を出せ、また、アメリカの調査団のワトキンスの報告にも、千八百億程度の金を国が出せ、かように言われておるのであります。この松永安左衛門先生の御
意見は非常に飛躍した
意見で、今直ちに国費をもって二千億の金を出せと言っても、これは容易ならぬ問題ではありますが、少くとも遠路という問題につきましては、国費も相当に出さなきゃならぬ。これにつきましては、自民党の政調会においてもそれぞれの御
意見がありまして、今年の一月九日、衆参両院の自民党の政調会において御決定になったのが、次の申し合せをいたしております。一月九日、
揮発油税は半額程度
引き上げるが、これと同額程度を
一般財源より支出する、これを一月十一日に
修正しております。
揮発油に対する
課税は若干
引き上げるが、別途これと同紙程度以上を
一般財源より支出するものとする。かように
修正して、
軽油引取税については
揮発油税に準じて
税率をきめろと、かように政調会では
結論が出ておるのであります。それを無視して、国がわずかに三十二年度において四十四億出すことになっておりますが、この四十四億に対しても、私たちは納得できない。というのは、三十二年度増徴額が百二十八億であります。それに対して
政府は、百二十九億のわれわれが承服できない補助金とか、あるいは特別の支出をいたしておるのであります。昨日も、
衆議院の大蔵
委員会において問題となっておるのでありますが、相当にこの問題は追及されると思いますが、臨時就労に七十四億、失業
対策に十五億、積雪寒冷地帯に十億、
日本道路公団に三十億、合計百二十九億という金が
揮発油税から出るのであります。失業
対策というのは、労働者の
一般財源から出すべきもので、ニコヨンの救済のために
揮発油税を使うということは、われわれ承服できない。また、
日本道路公団は、御承知のように、有料
道路の建設である。この公団に三十億の金を出すということは、
揮発油税の性格からいきましてもおかしいのではないか。
理屈を申すならば、百二十八億の増徴をして、百二十九億の不当支出をするならば、
増税する必要はないじゃないかという
意見にもなるのであります。かようにして、
揮発油税については、いろいろの角度から私たちは
意見を持っておるが、不幸にして自民党は、五千三百円まで
税率を下げて、本日あるいは明日あたりで押し切って、これを
衆議院に回付すると意気込んでおられるのでありますが、これは、大蔵
委員会の問題でありますが、これに関連いたしまして、
軽油引取税の問題が出てくるのであります。
先ほども申し上げますように、
揮発油税の
税率がきまってから、
軽油引取税を御
審議願うのが妥当だと考えますが、
国会の期日
関係から、先になったと思うのでありますが、
軽油引取税について、まず第一にお願いしたいのは、昨年の付帯決議であります。
衆議院の
地方行政
委員会においては昨年の四月六日、参議院の
地方行政
委員会においては四月二十三日に、付帯決議をされております。
軽油引取税については、次の
国会において
税率の軽減その他の適切なる措置を講ずる。これに対して太田自治庁長官は、その趣旨に沿って十分善処するということを公約されておるのであります。去る二十五日の
衆議院におきましても、池田大蔵大臣は、
国会の決議を尊重するかしないかということをいろいろ
委員から御質問のときに、
国会の決議は十分尊重するということを御答弁になっておられるのであります。しかるに、この
揮発油税につきましても、昨年の十二月三日
衆議院の運輸
委員会、十二月四日参議院の運輸
委員会で、与野党一致で反対の決議をされたのを、これも無視されておる。またここに、
軽油引取税についても、付帯決議があるにかかわらず、また増徴しようとしておることについて、私たちは非常に割り切れないものがあるのであります。
なぜかように私たちは反対するかと
申しますと、大きな角度から、第一に申し上げたいのは、
日本のディーゼル
自動車の発達あるいはこの産業的の立場において、保護育成しなければならぬ。石油の外貨を節約し、そして、経済的に走る
自動車の普及というものは、国内に毎年ふえて参ります。また、輸出産業としても非常に優良であり、また、諸外国と比較しても、その性能、価格においても劣らない、かような点からワトキンスも、
日本の
自動車工業の中で、ディーゼル
自動車は、ドイツに負けないような優秀なものだと言っておるのであります。従って、年々の輸出がふえて、今年度は少くとも四千万ドル以上の輸出も有望であります。かようなときに、わずかばかりの
軽油税をかけて、そして国内の普及をはばめば、その生産コストというものが高くなる。国内の消費を強めて、その生産数量をふやして、価格を落していく。いわゆるコストの軽減ということは、生産数量に準ずるのでありますから、ですから、経済企画庁がいうこの
燃料経済面から見ても、ディーゼル
自動車の普及を奨励しておる。また、運輸省も、これに対していろいろの角度から
意見を出されておるのであります。運輸省の
意見も、私の
意見書の最後についておる——あとで御高覧を願えればけっこうですが、一面われわれトラック業者あるいはバス業者の立場から見ましても、現在のディーゼル
自動車と
揮発油単との
関係につきまして、欠点もあり、長所もあるのでありますが、できるだけ
軽油車を使うということになっておるのであります。欠点と
申しますのは、価格が高い。たとえば、五トン級の
自動車で、ガソリン車は
東京渡しでも百二十五万円、それに対して、ディーゼル車は百六十五万円、三〇%高いのであります。
自動車の修繕費におきましても、大体倍額以上になっております。たとえて言うならば、三年経過したものについての修繕費、キロ
当り、ガソリン車の三円七十銭に対して
軽油車は六円八十九銭、これからいうと、六八%高い。償却費において、キロ
当り、ガソリン車の八円三十三銭に対し
軽油車が十一円、三二%、こういう、諸
経費は高いが、
燃料費が非常に安いということに魅力があり、また、
日本のような山間僻地が多い所では、坂道に対して非常に力がある。こういうような利点が多いために、ディーゼル
自動車が普及されておるのであります。従って、今後の
自動車工業のあり方というものは、ガソリン車よりもディーゼル
自動車の方が、国内の発達とともに、諸外国にもこれが普及されていくという点をまずお認め願いたいのであります。
かようにして、私たちは、ディーゼル
自動車の普及と、また、国の経済という両面から見て、何とか
軽油の値上りを防いで、国内において、われわれの理想とするディーゼル
自動車を生産されるように、この
軽油自動車の今度上げられるということに内定した
衆議院の決議を見ますというと、三千円が二千四百円、こういうことになったようでありますが、昨年度におきまして、私たち、御臨席の奧野部長さんからもお話を承わったのでありますが、自治庁の昨年度のお考えは、三千円程度というふうに私たちは考えておった。また、私自身が伺った当時の政調会長水田さん、今の通産大臣でありますが、三千円程度で全面
課税をしていきたいということを私にはっきり申されたのが、それが一部の反対があって、
自動車用にのみ課せられて、そうして
税率が六千円にきまったのであります。かような経緯もありますので、私たちは、この機会に全面
課税に移して、そうして農林、水産の方には特別なリベート方式でもおとりになった方がいいのじゃないかということで、われわれ業界は、
軽油税の引き下げと同時に、全面
課税でいくように要望しておるのであります。
時間の
関係で、もう少し言わしていただきますが、それならば、どういうことをお前たちは考えるかという御質問があると思いますが、私たちは、現在の六千円の
課税で、自治庁の御予算は十分充足できるというふうに考えておるのであります。自治庁の今度の予算が五十五億一千四百万円であります。この
改正前は、三十七億二千万円と承知しておりますが、この
揮発油税に便乗させたと言っちゃはなはだ失礼ですが、非常に大きな数字を掲げておりますが、運輸省が調べた数字によりますというと、三十二年度の
軽油の消費量が八十四万五千四百九十七キロリッター、これを価額に換算しますと、六千円で計算しまして、五十億七千万円、わずかに四億四千万円の差しかないのです。四億四千万円というのは、ほかの方法で、
自動車以外の工業用の
課税品で十分できる。従って自治庁のお考えになる二千四百円の値上げの必要はないと、かように考えるので、この点につきましては、私が数字を持ち出したのではありません。運輸省から出された数字をそのまま引用して申し上げるのでありますから、それについての御疑問等もありましたら、適当な機会に、運輸省の
自動車局の責任者をお呼びになって、私が今申し上げました八十四万の消費量というものを再確認願って、どうか自治庁の予算にも狂いのないように、そうして、われわれの
増税もこの際お取りやめを願うように、特段の御配慮を願えればありがたいのでございます。
時間の
関係で、以上をもちまして、私の公述を終ります。