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政府委員(正
示啓次郎君) ただいま
栗山委員のおあげになりましたのは、おそらく
大蔵省の中でたとえば税務と財務、二つの系統の
出先機関があるわけでありますが、税務は国税庁、財務は官房
地方課というように、中央の責任がそれぞれ違っておりまして、また
予算の上におきましても、それぞれ科目が違っておるわけであります。まあそういうところから起っておる非常にばかげた現象の
一つをおあげいただいたわけでありまして、われわれはまことに恐縮に存ずるわけであります。私
どもは今までもそういうことのないように、できるだけ配慮をいたしておるのでありますが、ただ非常に困ったことには、御承知のように税務は戦後
相当、率直に申しまして、非常に重い税を取っておるというふうなことから、国税庁という一種の外局を作りまして、また
予算等の上におきましても、ある
程度優遇されて参っておったかと思います。最近は必ずしもそうじゃございませんが、沿革的に申しまして、そういうことで
庁舎等も税務署の方は納税者の方々にあまり御不便をかけないように早く
整備をしようじゃないかというようなことを言って参ったように思います。これに対しまして財務部の系統は、とかく
国有財産があるものだから、まあ
国有財産に入っておればいいだろうということで、非常に
整備が遅れておったという沿革的な理由が
一つ。これを一挙に合せるということがなかなかむずかしいのでございまして、ことに最近のように官庁の庁費でありますとか、あるいは
営繕費が非常に窮屈になっておりますので、
予算の制約等もありまして、仰せのような、ちょっと御理解いただけないような現象が起っておったと思うのであります。そこでこれは別個の見地から、金ばかりのむだづかいという意味じゃなくて、やはり
土地を有効に使う、あるいは
営繕をいたすならば、ほんとうに十年二十年、なお百年先をも
考えて、むだのない
営繕をいたす、こういう配慮が今まで率直に申して私は欠けておったと思うのであります。まあそう申してはあれでありますが、終戦直後に建てられました
建物というものには、そういう配慮が非常に欠けておる。これはまあ
地方だけじゃなくて、
東京都内にもそういう例が非常にたくさんあろうと思います。そこで今度の
法律によりまして、官庁
庁舎の
整備審議会というものをお作り願う意味は、今申しましたような
予算の制約とか、これは沿革的にちぐはぐになっておりますが、そういう事態の上に、全然別の角度から
土地を有効に使うとか、官庁の能率化、一般大衆の利便ということから、あるべき
庁舎のポジションをどうするかということを、こういう見地から御審議願う。そういうことで
予算の要求もしてもらう。要は今まで欠けておりました配慮を
一つ加えていただくというようなことでございまして、おあげになりました事例につきましては、まことに恐縮でございますが、今後はさようなことが起らないように工夫していくつもりでございます。