○
説明員(
吉國二郎君) まず
印紙税法の改正から御説明申し上げます。便宜お配り申し上げております
新旧対照表で御説明申し上げたいと存じます。
今回の
印紙税法の改正の要点は二点でございます。第一点は、
約束手形、
為替手形に対しまして従来十円の
定額課税をいたしておりましたものを、今回二十円ないし千円の
階級別定額課税に改めましたこと、それに対しまして
白地振出の
手形につきましての規定の整備をいたしました。これが第一点でございます。
それから第二点は、従来から疑義のございました、一通の証書ではございますが、その内容が二以上の証書に該当しておるもの、しかも、そのおのおのの
記載金高が区別して記載していないために、税率の適用について明確でないものがございますから、これを今回これに対する課税の規定を整備いたしたわけでございます。これが第二点でございます。
第一点から御説明申し上げます。第一点は、
新旧対照表の第一ページでございますが、第四条に、「
左ニ掲クル証書、
帳簿二関シテハ証書ハ一通毎二、
帳簿ハ一冊一年以内ノ附込二対シ左ノ
印紙税ヲ
納ニムヘシ」、これはこのままでございますが、その八号、
約束手形、九号、
為替手形、従来これが十円でございましたものを、記載全高十万円以下のもの二十円、五十万円以下のものが五十円、百万円以下のもの百円、五百万円以下のもの二百円、千万円以下のもの五百円、千万円をこえるものを千円というふうにいたしたのでございます。ただ、ただし書きにございますように、三つのものを例外として
定額課税に据え置いております。その三つのものと申しますのは、一つは
一覧払の
手形、これは
約束手形も
為替手形も含みます。それから「命令ヲ以テ定
ムル金融機関ヲ
振出人及受取人トスルモノ」、それが第二でございます。第三に「
外国通貨ヲ
以テ表示ヲ為
シタルモノ」、この三つは
定額に据え置いたわけでございます。もっとも
最低税率を十円から二十円に上げておりますので、
定額と申しましても、これらの
手形につきましても、二倍に税率が上げられておるわけでございます。
手形の
階紋別定額課税ということを今回いたしました理由といたしましては、現在の税法におきまして、
消費貸借等の証書につきましては、二十円ないし一万円という
階級定額課税が行われております。現在の
手形の機能を見て参りますと、たとえば銀行の貸し出しにいたしましても、八〇数%が実際、
手形によって行われておるという姿でございます。実質的に
信用手段として用いられておる面が顕著でございます。そういう点から申しますと、同じ貸付を受けるにいたしましても、たとえば一億円の貸付を受けるという場合におきましては、
消費貸借の証書によりますときは一万円の課税を受ける、しかるに
手形貸付を受ける場合におきましては十円で済むわけであります。このあたりがかなり不均衡がございます。過去におきましても御承知のように、
印紙税が課せられました最初のころから、
手形並びに
小切手につきましては
階級定額制がとられておったわけでございますが、途中で
小切手を奨励するという意味におきまして、明治三十二年にこれは
非課税にされております。同じく三十八年には
為替手形を、
荷為替奨励という意味から
定額に直した。大正十二年に
約束手形につきましては、これは主として
為替手形を
定額にいたしました結果、実質的に
約束手形であるものを、
自己引き受けの
為替手形という形で発行するという慣習が出て参りました等の理由がございまして、結局
階級定額にしておいても同じ結果になるということで、当時大正十二年に
定額に直しましてその後ずっと
定額になっております。また当時この二つの
手形に対する課税を
階級定額から
定額に移しました理由といたしましては、主として当時におきまして
手形取引というものを奨励する、まあ
資本主義の初期の段階と申しましては少し言い過ぎかもしれませんが、当時におきましては
手形流通をできるだけ盛んにするという含みがあったように聞いておりますが、現在におきましては
手形はいわば商業その他産業の基盤をなす
流通手段として確立しておりますので、そういう意味からいって、今回の
税制改正の一環といたしまして不均衡を是正するという意味から、
定額課税に戻してはどうかということで御提案を申し上げた次第でございます。ただ
手形の場合でございますと、普通の
消費貸借に比べますと
貸借期間が短かいということになる。通常は三カ月というようなことになりますので、普通の
消費貸借と同じような
階級定額を用いますことはいささか酷になるというような意味におきまして、普通の現在の
階級定額よりはやや低目の三分の一ないし四分の一程度の税率といたしまして、最高も普通の
消費貸借におきましては一万円でございますが、
手形につきましては千円ということにいたしておるわけでございます。
それから三の
手形につきまして
階級定額にしないで
定額に据え置いた理由といたしましては、まず第一に
一覧払いの問題でございますが、
一覧払いのものにつきましては、各国の税制でも区別をしてやっている例が多いようでございますが、一つには日本の場合で申しますと、現在
小切手に課税をいたしておりません。その関係から申しますと、
一覧払いの
手形というものが主として
決済手段に使われていることは間違いないのでございます。
信用手段というよりは
決済手段であるという面が顕著でございますので、
小切手を課税していない点からいいますと、
一覧払いのものまで
階級定額課税にすることはいささか今の段階としては問題があるという意味で、
一覧払いをはずしたわけであります。
小切手につきましても、先日付の
小切手というものが出ておりますが、法律上当然の
一覧払いということで、先日付というのは、提示すれば提示の日が期日ということになりますので、そういう観点から
小切手は
一覧払いの場合と同様と考えていいじゃないかという意味で、
一覧払いを
定額に残したのであります。
第二に「命令ヲ以テ定
ムル金融機関ヲ
振出人及受取人トスルモノ」と申しますのは、銀行間の取引でございます。日本銀行と銀行、それから
銀行相互間、
銀行相互間と申しますと主としてコールの関係でございます。これは
金融機関の
インター・
バンクの取引と申しますものは、大体においてイギリスにおいては
非課税といたしております。これは、主として
金融機関の間の取引と申します、ものは主体の金融のいわば決済じりが集約されて起って参るものでございまして、普通の
手形取引のように
任意性がないという点、それからそれが全体の
金融組織というものを有機的に成立させている基礎になっているということ、それらの点から申しまして、
金融機関相互間、
インター・
バンクの取引は
定額に残したわけであります。それから「
外国通貨ヲ
以テ表示ヲ為
シタルモノ」これは
ドル表示あるいは
ポンド表示の
手形でございますが、これを
定額に残しました理由といたしましては、第一に
ポンド、
ドル等につきましては
円換算が容易でございますが、その他の
裁定相場等によっておるものにつきましては、時期をずれてあとで判定する場合には、果して幾らの率であったか非常に調査が困難であります。そういう問題もございますし、まあ技術的にむずかしい、
税務署員が調べるにいたしましても紛争が起りやすいという点が一つであります。第二に、現在は
為替管理で国内的には原則として
外貨表示の
手形は流通してはならないということになっておるわけです。そういう点から第二点として、その点が考えられますが、さらに第三点といたしまして、わが国の
印紙税の建前から申しますと、外国で振り出されました
手形が
日本内地に参ります場合には、
印紙税の課税をしないわけです。
外地振り出しの場合は外国で作成された証書でございますので、
印紙税を課さない。ところがこちらから参ります場合には課税をするわけであります。外国の例で申しますと、英国にいたしましても、ドイツにいたしましても、
外国振り出しの
手形が国内に参りますと、最初にそれを取得した者が
振り出しものとみなしまして、国内の
印紙税をもう一回適用するということになっておるわけです。そういう国でございますと、
外国あての
手形に対しても同じように課税してもとれるわけでございますが、日本の場合は外国からくる
為替手形は課税できない。こちらから
為替手形を振り出すと課税されるということになりますものですから、そういう点も勘案いたしまして
外貨表示の
外国手形、これを
定額にするということにいたしたわけでございます。
それからこれに関連いたしまして、一枚はぐっていただきまして第四ページでございますが、「
金高記載ナキ約束手形又
ハ為替手形ヲ
振出シタルトキハ第一項ノ証書ヲ作成セザリシモノト看做ス、前項ノ
約束手形又
ハ為替手形ニ付金高ノ補充ヲ為
シタルトキハ当該補充ヲ為
シタル者其ノ補充ノ時ニ第一項第八号又ハ第九号ノ証書ヲ作成
シタルモノト看做ス」と書いてございますが、いわゆる
白地手形の問題でございます。
白地手形につきましては現在
手形法の第十条に規定がございますが、一応現在では
白地手形も
条件付の有効な
手形として扱われておるわけでございます。それで従来も解釈上
白地手形につきましては、
振り出しのときに第四条該当の証書を作成したものといたしまして印紙の貼用をさせておったわけでございます。ところが今回
階級定額を適用いたしますことになりますと、
記載金高のない
白地手形の場合、いわゆる金額が白地の場合におきましては、一体幾らの印紙を張っていいかどうかということがわからない。そういう点で今回は白地の
手形の有効無効という問題は別といたしまして、
印紙税法上は一応
金高白地以外の
白地手形は一応有効な
手形といたしまして作成のときに
印紙税を課する、金高の記載のない
手形だけは、それを作成したときはこの
印紙税を課すべき証書として作成されたものではないというふうに認めよう、従いまして、印紙を全然はる必要がないわけです。他の証書にもない。そして為替の金高を補充した場合には、その
補充者が作成したものとみなしまして、初めてその金高に応じて
印紙税を課税する、こういう構想をとったわけでございます。ただ問題は、こういたしますと、完成した後に見ました場合には、
金高白地であったものの完成後は完全な
手形になりますので、それに印紙の貼用がなかった場合にはだれが責任を負うかという問題が起るわけであります。金高の白地の場合にはその補充について約定があるのが常でございますので、約定に従って判定をすればよろしいということで問題は避けられると考えております。
それから第五条の
非課税の規定でございますが、そのうち七号に従来「
記載金高三千円未満の
約束手形及為替手形」は
非課税ということになっておりましたが、今回二十円に
最低税額を引き上げました関係で、これを「一万円未満」というふうに引き上げたわけでございます。
それから第二点の改正は、三ぺ−ジに戻っていただきまして、第四条に三項を加えまして「
金高記載アル証書ニシテ二以上ノ事項ヲ
併記シアル為税率ヲ異ニスル二以上ノ
証書ニ該当シ、且其ノ
記載金高ヲ当該二以上ノ証書に
係ル金高二
分割シ得ザルモノニ関シテハ当該二以上ノ
証書ニ付定マリタル税率ニ依
リ算出シタル金額中最
モ高キ金額二
相当スル印紙税ヲ
納ムベシ。」これは簡単に申しますと、現在
印紙税の税率は
定額税と
階級別定額税、それから
定率税の三つになっております。
物品切手が
定率税になっておるわけです。そこで一枚の証書の中に、たとえば
階級別定額税を課せられる内容の事項を記載した、それと合せて
差額税を課せられる事項を記載をした。しかし両方とも合わせて金額は一本で書いておるという場合になりますと、これをどう解釈するかが問題になるわけです。
階級別定額を課せられる証書にいたしましても、
記載金高がない場合は最低の二十円ということになるわけです。そういたしますと、かりに現在
不動産の譲渡に関する証書は
階級別定額で課税されておりますが、動産の譲渡に関する証書は
定額の十円でございます。そこで家と、それに附属すると申しますか、独立はしておるが一緒に家具を含めて売り渡す、その場合に金高をそれぞれ別に書きませんで、合せて、百万円というふうに書きますと、
不動産の譲渡に関する証書として見ましても、
記載金高というものは独立ではないということで二十円、動産の方はもちろん十円でございますから三十円で済んでしまうということになるわけです。こういう不明確なことにいたしておきますと、故意にそういう証書を作る
可能性もある、わざわざ分けておるものを一緒に合せてしまうと、
不動席に関する
譲渡証書が二十円の
定額課税で済んでしまうということになりますので、そういう場合にそれを一つの証書といたしまして、その
記載金高をその一つの証書の
記載金面とみなして、それぞれ税率を適用してみて高い方を取る。今の場合で申しますと、
不動産の
譲渡所得として課税する、こういうことにいたしてはっきりしたわけです。もちろんこの場合にわかっておれば
不動産と動産を分けて書けば、それぞれ別の証書として扱うわけでございますから、特に過酷になるというわけではございません。以上二点が
印紙税の改正でございます。
続けて
トランプ類税法の御説明を申し上げたいと思います。
トランプ類税法は
骨ぱい税法を全文改正いたしました関係で
新旧対照表がございません。法・案についてごらんをいただきたいと思います。
トランプ類税法を新たに制定したと申しますか、
骨ぱい税法を全文改正した理由について若干申し上げておきたいと思います。現在の
骨ぱい税法は、御承知のように
印紙納付制度、しかも
完成骨ぱいの印紙納税制度という制度をとっております。これは考えようによっては一番徹底した制度ともいえるわけでございますが、完成骨ぱいを引き取る場合にその引き取るものに印紙を貼用して引き取らなければならない。また印紙の貼用のないものを引き渡した者、あるいは受けた者、あるいはそれを所持しておる者はすべて罰則を受ける。また印紙の貼用のない骨ぱいを所持しておる
販売人は、その事実を発見されたときにはその税額をみずから納めなければならぬという形になっておりまして、最も端的にとるといいますか、最も手数のかからない
課税方法であるのであります。ところがこれが実施上に非常な問題があるのであります。と申しますのはこの
トランプ類、ことに
マージャンの
製造者というのは、きわめて末端におきましては零細でございます。ことに最後に字を彫りつけるという業者はほとんど小さな業者ばかりでございまして、印紙の貼付ということが非常にむずかしいのです。現在は
象牙ぱいでいいますと六千円、
骨ぱいにいたしまして四千円、
煉ぱいにいたしまして二千円でございます。この
マージャンを売る場合にそれをあらかじめ印紙を購入して先払いしなければならぬということは非常な苦痛になる。それに加えまして最近
尿素樹脂が多くなって参りまして、
煉ぱいのマージャンの素材がごく安くできるようになって、一番安いのですと七百、五十円、高いもので千円程度で作れる。それに加工を施して
附属品をつけて千二百円ないし千五百円、それに対して二千円という税でございますので、どうしても脱税がふえる。しかも印紙で払うというのでとかく税を納めたくなくなるということになるわけです。現在の
骨ぱい税では一応印紙を貼用いたしまして出しますが、出した数字を申告するようになっております。ところが実際は申告はいたしますが、印紙が貼用してあるかどうかはっきりしないわけです。従いまして現在
税務署では取り扱いとして印紙の
購入証明書を持って来させます。そこでこれだけ買った、これだけ出したということで引き合せをしておるわけです。ところが実際問題といたしましては
購入証明書も、そういうと語弊があるか知りませんが、実際に即さないで出ている場合があるのです。極端な例々をあげますと印紙を買いましても、これは二千円、四千円、六千円という印紙でもほかに、もたくさん使い途がございます。代書に持って行って割引して売ってしまうということが公然と行われる。そういったわけで最も確実に納付せらるべきだと思われます
印紙納付制度が、実はいろいろの要素と相待ちまして大きな
納税回避の原因になっておるというので、実は
トランプ税の税額というものはごくわずかであります。本年度の見積りも一億九千万円程度でございますけれども、この際脱税が横行しておるという形では税法としても非常に問題がございますし、ことに
トランプ類は税率は普通の
物品税と異なりまして、そのものの性質上特に高い税金を課しております。これを確実に徴収する必要があるとそういう点で、今の制度を根本的に改めまして課税を充実する。同時に現在二千円という税率によって
煉ぱいのマージャンは課税されております。実質的にはほとんど脱税されておる。この原因の一つは非常に税金が原価に対して高いということでございますので、これを急激に調整を合理化いたしますと、恐らく実行し得ないという点も起って来る。そういう点で今の税率を千円に引き下げますと、それが七五%前後になる。
物品税の税率、これは五〇%でございますが、それより若干高めになる。大体今の
牛骨製の
マージャン程度になり、なおそこで
煉ぱいのものだけを税率を千円にする、
煉ぱいを千円にする、そして徴税の確保をはかるこれがねらいでございます。
各条につきまして御説明申し上げますが、大体今度の法律は
砂糖消費税、あるいは酒税、
物品税といったような各
消費税と同様に、従来の
引き取り課税主義を改めまして、
移出課税主義にしたわけでございます。
移出課税主義と申しましても、ちょっとおわかりにくいかと思いますが、毎月
製造場から移出したものにつきまして、その月分を取りまとめまして、翌月に申告して、翌月末に納付するという制度でございます。一々
引き取りのつど税を納めるという制度を改めまして、一月、
月まとめの制度にいたしました。今まで
消費税についていろいろ改正して参りましたが、漸次
引き取り主義から
移出主義に移って参りました。後に御提案申し上げます
揮発油税地方道路税、これもいずれも
移出課税に改めまするようにいたしておりますので、
間接税については課税の方式がこれで統一されるということになるわけでございます。条分はたくさんございますが、そういう意味では
砂糖消費税その他と大部分が同じでございますので、要点だけを申し上げたいと思います。
第二条でございますが、『この法律において「
トランプ類」とは、まあじゃん、
トランプ、花札、株札及び
虫札並びに使用及び遊戯の方法が、』——この下に誤植がございまして、使用の目的でございます。『使用の目的及び遊戯の方法がこれらに類する物で政令で出足あるものをいい、その区分、については、次に定めるところによる。一 まあじゃん 第一種 象げを用いたまあじゃん 第二種 牛骨を用いたまあじゃん 第三種 第一種及び第二種のまあじゃん以外のまあじゃん二
トランプ 三 花札 四 株札五 虫札 六 使用の目的及び一遊戯の方法が前各号に掲げる
トランプ類に類する物で政令で定めるもの』これは、従来の法律では
骨ぱいにはこの法律により
骨ぱい税を課する、
骨ぱいの定義はあげておりませんでした。
骨ぱいの定義自体は解釈に譲っておるという形になっておりましたが、今回は「
トランプ類」というような名前に改めますと同時に、
課税対象を法律ではっきり掲げたわけでございます。「使用の目的及び遊戯の方法がこれらに類する物」と申しますのは、使用の用的、いわば偶然の支配によって勝敗を決するという目的。遊戯、の方法といたしましては、二人以上の物が相手として戦うという形のもの。それでここに掲げたものに類似したものを政令で定めるということになっておりますが、予定しておりますのはドミノ、それから四色はい、
白ぱい、アンスコ、妙なものばかりでございますが、そういう主として外国で使っておりまして日本では少いものは政令に譲っております。
それから第三条はことに
移出課税の制度をはっきりいたしまして、「
トランプ類の
製造者は、その
製造場から移出した
トランプ類の組数に応じ、
トランプ類税を納める義務がある。2
トランプ類を
保税地域」「から引き取る者は、その引き取る
トランプ類の組数に応じ、
トランプ類税を納める義務がある。」ここで
製造者と
保税地域から引き取る者と二つに
納税義務を課したものであります。第四条は各税法と同じく、技術的に
保税地域に該当する
製造場を通常の
製造場と区別したというだけの規定でございます。第五条も
砂糖消費税その他の諸税と同様に場内消費した場合にこれを移出または
引き取りとみなす規定でございます。たとえば、
トランプ類が
トランプ類の
製造者、たとえば
マージャンの
製造者が
マージャンクラブを作っておる。つまり片方で作って片方で使うというような場合には、
製造場から移出しなくても移出したものと仮定するという意味でございます。それから第六条はこれは今度の改正で特に気をつけた点でございますが、「
トランプ類の
製造者又は
販売業者が、原料、材料、労務、資金その他
トランプ類の製造に必要なものを供給して
トランプ類の製造を委託する場合又は他の
製造者の製造した
トランプ類若しくは
当該トランプ類の包装若しくは容器に自己の商標を表示させる場合には、
当該委託者又は表示させる者」「を
当該受託者又は他の
製造者」「の製造した
トランプ類で
当該委託又は表示に係るものの
製造者とみなし、
当該トランプ類については、
当該受託者等の
製造場を
当該委託者等の
製造場とみなして、この法律を適用する。」非常にめんどうなことを言っておりますが、これはいわゆる
製造問屋の場合を想定しているわけでございます。これは大体自分では製造いたしませんで下請に出して製造させるというものでございます。従来の規定でございますと、完成骨ぱいを引き取る者ということになりまして、下請が作って出すときに印紙を張らなければならない。責任の所在が
必らずしも明らかでない。作ったのはあちらだというようなことでいろいろごたごたがある。そういうような点から今度はこういうような、いわゆる
製造問屋は
製造者であるとみなしたわけであります。同時にただ実際に製造している場所は下請の場所でございますから、
製造者は
製造問屋であり、
製造場はその下請の
製造場だ。それを出すときにやはり
製造問屋が出したものとして規定を適用する、こうしたわけであります。なおその場合に
製造問屋が大阪にあって東京の下請に出したという場合には、実際は印紙貼付とか証紙貼付とかいう手続はとれませんので、一旦大阪に送り返すということになりますが、その場合には従来なかった規定でございますが、十五条に未納税移出という規定を置きまして、税を納めずに大阪に持っていける。そしてあらためてそこで税を納めるということができるようにしているわけであります。こういうことをいたしますと、どうしても未納税移出というふうな手続が要ることになる。
それから第七条はこれが今度の改正の一番の眼目でございますが、「
トランプ類の製造工程中の未完成品で、次に掲げる物に該当するものは、
トランプ類とみなして、この法律を適用する
一 印紙、セルロイドその他これらに類するものを材料とするカード状の物(切断することによりカード状となる物を含む。)で、
トランプ類の文字、図形又は記号の着色又は印刷を施したもの
二 前号に掲げる物以外の物で、
トランプ類の文字、図形又は記号の彫刻、着色又は印刷を施したもの(当該彫刻、着色又は印刷を施すため成型されたものその他政令で定める状態にあるものを含む。)」いわゆる未完成の
トランプ類をも一応法的規制のワクの中に入れたわけであります。
先ほど申し上げましたように、
マージャンの脱税が多い一つの原因といたしましては、現在
尿素樹脂加工が非常に盛んになって参りました。圧延器の中に型を置きましてそこに
尿素樹脂を投入いたしまして、圧搾するとたちまち
マージャンができてしまう。極端な場合には、型に図形まで押しておきますと、白いままの
マージャンがそっくりできるわけです。やり方としては竹まで一緒に押しつけてしまうものもあるし、竹だけ別にはめ込むものもありますが、
マージャンはそのときにできてしまう。それを小さい業者に売り払いまして、自分は
納税義務はないということで逃げてしまうということになるわけでありまして、責任を追及されるのは小さい下請だということになるのであります。こういう点が非常に問題でございますので、一応この連中を
製造者とみなす、もちろんその連中が正式の手続として未納税移出でさらに加工業者に出しますということを届け出でて、加工業者の
製造場に持っていけば、そのときは未納税で出すことを認めるということにいたすわけであります。今度の改正で脱税を防ぐという考え方に二つの問題があるわけであります。一つは、
マージャン類につきましては古物
マージャンというものが横行している。脱税の
マージャンは印紙が張ってありませんから、すぐわかりますが、それを全部古物屋に出してしまう。古物屋にあるものは印紙は当然はがれておりますから、古物であると言えばそれでしようがない。古物を取り締る方法というのはなかなかむずかしいので、一つの考え方としては課税済みだという証明がなければ古物と認めないという方法もあるわけであります。それは消費者が一ぺん使って、古物屋に売ろうといたしますと、印紙を持って来て下さい、それがなければ私の方は買いませんということになっては、これは困るわけでありまして、その方法はとれない。もう一つの方法としては、作成して、その
マージャンを作って古物屋にいくまでの過程をしっかり把握いたしまして、課税されないものが古物屋に流れ込むということを押えればいいという、この二つの方法があるわけでありますが、先ほど申し上げましたように、課税証明がなければ古物として扱わないという方法は、これはとうてい理論的にも無理がございますので、今回の改正では、古物屋に流れ込むまでの
トランプ類の製造段階ごとの流れをしつかりつかまえて、そうして脱税のものが古物に流れ込むということがないようにしようということにねらいをつけたわけでございます。このような未完成骨ぱいでございますと一組というわけに参りませんので、二項で「
トランプ類の
製造場から移出され、又は
保税地域から引き取られる時において
トランプ類としての用に供することができない」これはまだ色もつけてございませんのでできません。「できない
トランプ類については、
トランプ類の区分に応じ、政令で定める個数又は枚数をもって、一組とみなして、この法律を適用する。」
マージャンであれば百四十出せばいいのであります。百四十出せば一組ということで課税する。で端数があればそれは一組とする。もちろん三つ出したり、四つ出したりで一組で高い税金をつけられては困りますので、あとの税率の方では一組未満のものは、その組、百四十なら百四十の一組に対する割合、つまり十出した場合には百四十分の十という税率で課税することにいたしております。以下税率は、先ほど申し上げましたが、第三種の
マージャンを千円にいたしております。八ページでございます。それから二項、三項は従来の規定をそのまま踏襲いたしました。それから税額算定の特例、第十条がただいま申しました端数に対する課税でございます。
それから第三章徴収、十ページの徴収、移出組数等の申告、移出組数等の決定通知、納期、これまでは他の
間接税と同じ規定でございます。
それから第十四条徴収猶予がございます。これも
砂糖消費税と同じでございます。ただ一つ申し上げておきたいと思いますのは、附則の第三項、四十二ページでございますが、「この法律施行の日以後政令で定める日までの間に
製造場から移出する
トランプ類については、改正後の
トランプ類税法(以下「新法」という。)第十四条の規定は、適用しない。」と申しますのは、今まで
トランプ類税は移出のつど課税されておった。印紙を買って移出のつど、というよりも、移出よりも前に前払いしておったわけです。今度はこれを
月まとめになりまして、翌月の末でございますから、今までよりも一カ月半ぐらい余裕ができるわけです。さらにこれを一カ月徴収猶予を認めるということになりますと、現在の取引では実際上税金部分は先にもらっておるような取引をしておりますので、将来の問題としてはだんだん小売業者等がわかって参りまして、税金は前納していないじゃないかということで済度が遅れるということもございますので、十四条の規定はおいてはございますが、当座はまだ適用する必要はなかろうということで、今の三項で「政令で定める日まで」来年度末までの日を指定いたしまして、徴収猶予の規定は一応留保したいと思っております。
それから第十五条は未納税移出及び未納税引取、これは先ほど申し上げましたように、第六条でみなし税、それから第七条で未完成骨ぱいを完成ぱいとみなしたという関係から、未納税の引取を認めないと実際動きませんので、他の税法と同様に未納税移出、未納税引取を認めることにいたしたわけでございます。それから輸出免税は従来からございました通りでございます。
それから第十八条でございますが、十七ページでございます。戻し入れの場合の
トランプ類税の控除等、これは一ぺん課税済みで出した
トランプ数等が汚れたとかいろいろな理由で
製造場に戻って参りますと、その場合にはもう一回出るときまた課税されますから、従来の規定では再不課税の規定がございまして、一へん課税済みで出たものがある。もう一回、戻ってきてあらためて出るときは課税しないという規定がございます。ところが今の新しい
消費税では、これはすべて戻入控除という形になっております。戻入控除と申しますのは、戻ってきた場合に、最初出るときにかけられていた税金相当額をその翌月のその払うべき税額から控除してやる。早く言えば一ぺん返してやるわけですね。そうして出ていくときは普通通りまたもう一回課税する。一応戻ってきたものはそこで税額控除の形で清算してしまうという形をとっておりました。ところが
骨ぱい税は古かったものでございますから、南不課税という形をとっております。再不課税でございますと、実際は課税から消費までの時間が非常に長くなるわけです。税額控除の形になりますと一ぺん課税されて出て、それから戻って税額が一ペん返され、そうしてあらためて出るときにもう一回課税されるわけです。課税されるのは実際は最後に出るときになるわけです。それから消費者に売られますから課税と消費の間が非常に近いわけです。再不課税でございますと最初に課税をして一ペん出て、戻ったときには返さない。その次に出ていくときにただ課税しないというだけでありますから、最初に出したときに課税されて、その間に戻ったり、出たりして最後に消費者に行くというわけで、非常に長い時間がかかる。その間に税金は金利をもうけるということになるわけで、それはやはり戻し入れのときに税額控除をする方が筋として、建前としてはいいのじゃないかということで今度は戻人控除ということにいたしたわけでございます。
それから第五章以下は印紙納付をやめましたけれども、印紙納付には別の意味があったわけでございます。
トランプ類、骨ぱいのように非常に高い税金を課したものであって、しかも
物品税の、課税物知でも別に課税最低限、免税点というものがないというものは、いわゆる課税が行われているかどうかということが一べつで判定できて、それによつて取り締りが簡単にできるということが望ましいわけです。そういう意味では印紙を張らしておく、印紙がなければ脱税と認めるというのが簡単なわけです。物品のようなものになると、物によっては課税最低限があって課税物品であるかないかということがはっきりわからない。従って証紙を張らしておいても実際はなかなか実効がわからないことがございますので、
物品税におきましては、証紙は特別に指定した物品だけに張らせることになっておりますが、
トランプ類に関しましては物前税と変りまして全部証紙制度をとることにいたしました。証紙制度の内容は張った、あるいはその張ってないものを所持した場合の効果、そういったものにつきましては大体従来の印紙と同じことになります。ただ印紙の場合は印紙を張ってないものを所持していた
販売業者は、その張るべき印紙に相当する税額を徴収されたわけでありますが、今度の場合は証紙でございますので納税は別にして、ただ移出をしたときの証拠に張っているだけでございますから、証紙が張ってなくても税金が納められている場合があるわけであります。忘れたといった場合にも税金は別に納められている
可能性がございますので、証紙が張ってないからというのですぐ税金をとるということになりますと二重課税を起すおそれがありますので、その点だけは今度の規定は除外してございます。その点だけが違うわけでございます。包装その他すべて同じでございます。
それからさっき申しました未包装の
トランプ類等の所持禁止の規定は二十五ページにございます。「第二十六条
トランプ類の
販売業者は、次に掲げる
トランプ類を所持し、譲り渡し、又は譲り受けてはならない。」これには後に申し上げますが罰則がついております。「第十九条第一項の規定による包装をしていない」もの、
トランプ類、包装をしてないものを持ってはいけない。「第二十条第一項の規定による証紙のはり付け」、包装してございませんでも証紙が張ってないものあるいはそれに検印がしてないもの、または第三十五条による証印がない
トランプ類、と申しておりますのは第三十五条は脱税が摘発されたという場合に、その脱税品を
販売業者が持っておりますと、またその次に課税をされる。脱税として摘発されるおそれがあるので、それを
税務署に持って参りまして、それはもう脱税ではあるが税を納めたという印の検印を排してもらう制度がついてございます。それが押してない
トランプ、そういうものを持っておってはいけないということにして、これは印紙の納税の場合と同じような規定をしてございます。
第三号は「第二十三条の規定により消されていない証紙がはり付けてある
トランプ類」、証紙は必ず印紙と同様に判こによって消さなければいけないということをいっておりますが、消さないものを持っておってはいけない、なぜ消さないものまでうるさく申すかと申しますと、消さないものを出しておきますと、それをはがして何回も使えるから一ぺん必ず消すということにしたいと思います。「次に掲げる
トランプ類については、前項の規定は、適用しない。一 第十七条に規定する包装及び表示をした
トランプ類」、未納税移出あるいは免税をいたしました場合には、正式の包装をしないでいいということにしておりますが、その分はよろしい。それから「前条第二号に規定する
トランプ類」これは端数の
トランプでございます。端数のものを一個、二個出します場合に一々包んで証紙を張らせるわけに参りませんので、それは端数の場合はよろしい。端数の場合と申しますのは、大体補充用に一つ、二つ持っていくというような場合でございますが、そうめったにあるわけではない、これはよろしい。それから三号は先ほど申し上げました古物の問題でございます。「古物(古物営業法)第一条第一項」の規定「に該当する
トランプ類で、古物常業法第十七条又は第十八条(帳簿)の規定により帳簿に記載されているもの。」古物台帳に載っておるものは、たとえ証紙が帳ってなくても、あるいは包装ができてなくてもいい、こういうことになるわけでございます。
第六章 納税の担保、この担保の規定は他の税法と同様の規定でございます。ただ
砂糖消費税等におきましては、政令で規定をいたしておりました増担保の問題を、今回は法律にあげて参りまして、これは二十九ページの第二十九条の二項でございますが、「国税庁長官は、第十四条、第二十七条第一項若しくは第二項又は前項の規定により提供された担保物が滅失した場合又はこれらの規定により提供された担保物の価額が減少し、若しくは前条第七号に掲げる担保に係る保証人の資力が納税を担保するのに不充分となったと認める場合には、政令で定めるところにより、当該担保を提供した者に対し、これらに代るべき担保又は増担保の提供を命ずることができる。」これは従来から政令に置いてあった規定でございますが、増担保ということは新しい担保を取ると同じような意味がございますので、法律にあげたわけでございます。担保の処分は各税法とほぼ同じ例文になっております。
それから「第七章雑則(利子税額)」それから三十二条の「(製造又は販売の開廃等の申告)(記帳義務)(申告義務等の承継)」までは各税法と同じでございます。
それから三十六ページの三十五条に(課税済証印)というのがございます。これは先ほど所持禁止のところで申し上げたものでございます。「第十五条第六項本文、第十六条第四項本文、第三十七条第三項又は第三十八条第二項本文の規定により
トランプ類税が徴収される場合において、
当該トランプ類税に係る
トランプ類を所持する
販売業者は、政令で定めるところにより、
当該トランプ類の包装に、既に
トランプ類税を課されたものである旨の証印を受けることができる。」で、第十五条第六項本文と申しますのは、未納税移出をして、その定められた期間までに、定められた場所にその物を入れなかった場合には税金を徴収されることになります。同じように輸出免税を受けながら他の用途に使ったとか、定められた期間に輸出をしなかったという場合。それから三十七条三項または三十八条二項は、不正がありまして税額を課せられる場合がございます。これらの場合は税額を取られておることは間違いないのでございますから、
販売業者がそれを持っておった場合には課税済証印で証明してもらうことになるわけでございます。
次は「三十六条(当該職責の権限)」でございます。これはちょっとほかの税法と違っておりますのは、その第二号でございます。「
トランプ類の
製造者にその製造に必要な原料若しくは材料を給付する義務があったと認められる者又は当該義務があると認められる者に対して質問すること。」というようなものが入っております。従来の規定では、
製造者または
販売業者に対してはかなりきびしい質問検査権がございますが、その
製造者に対して原材料を供給したという者については質問検査権はなかったわけでございます。直接税の方におきましては、
納税義務者と取引のある者も質問検査の対象になるということになっております。と申しますのは、
間接税か主として引取課税という建前の当時におきましては、一々出ていくものを出ていくつど物として押えていくという建前になっておりますから、いかなる数量が作られたかという最終的な判断をせずに、一々個々の物を監視していけばいいという考え方に立っておりました。その後だんだん
移出課税になりますと一カ月分を取りまとめて申告さしてそれの正否を判断するというふうになって参りますと、当然その製造工程、製造の数量というものを推定してその正否を判断する必要が出て参ります。そういう意味では直接税の所得の検査と似たような判断が必要になってくる。そういう意味で、今回は、この
製造者に必要な原材料を供給した者に対しても、質問検査ができるという規定を特に入れたわけでございます。もっともこれは今回あとで御提案出し上げる揮発油税法等には、実際問題として原料は全部輸入でありますから、これは入っておりませんが、将来
物品税法等についてはこの規定を入れる必要があるのではなはいかと思います。
失礼いたしました。質問検査権と合せて申し上げましたが、質問権だけでございます。検査までは必要なしということになっております。
それから次は罰則でございます。罰則は従来の
印紙税当時の罰則とほぼ同じ、それ以上に重くも軽くもしないように考えてやったわけでございますが、ただこんどは申告制度になっておりますから、第三十八条に「申告書の提出を怠り、又は偽りの申告書を提出した者」といったような規定が入りまして、いわば新しい罪ができた。それから二号、三号も、未納税移出、輸出免税の場合に他にそれを使用したというような場合、これが新しく付け加わっておるわけでございます。その他四十条の刑法の適用除外、四十一条の両罰規定、これらは従来の通りでございます。
付則の中で特に御注意願いたいと思います点は、第一は「この法律は、昭和三十二年七月一日から施行する。」ということにいたしております。これは一つには、従来印紙納付という制度をとっておりましたので、その切りかえ時に印紙を多数持っている者もございます。その準備という点から申しましても、若干予告期間を置いた方がいいということ。こんど新しく証紙制度を採用いたしますので、
税務署の事務もにわかにこれに応じがたい点もございますのと、課税制度が根本的に変りますので、それに対する広報宣伝、あるいは
税務署内部における解釈取扱いといったものの統一をはかるというような点からも、若干この施行期日をずらした方がいいのではなかろうかということで、七月一日ということにいたしております。
なおこれに関連して申し上げますが、この
トランプ類税法の収入見込額は、この間御提出いたしました租税印紙収入等の説明書の中におきましては、印紙収入の中に計上してございます。従来の骨はい税法当時はこの印紙収入として、骨はい税という税目はとっておりませんで、印紙収入の中に一括してあげておったわけです。こんど七月一日から実施をいたしますので、この実施までの間は印紙収入になりまして、その残りが
トランプ税法の収入になるわけでございますが、額も非常に少いのと、従来との比較対照という意味から申しまして、二つに分けるというのもかえってわかりにくいという意味で、印紙収入の中に合わせて含めてございます。名前も
骨ぱい税法から
トランプ類税の方に変っておりますので、あらためて七月実施とともに科目を起しまして受け入れをするということになっております。
それから第三項は先ほど申し上げました徴収猶予を若干留保するという規定でございます。それから五項は現在すでに製造してできておりまして、この法律が施行された日にまだ
製造場に置いてある。しかし印紙は張ってあるという
マージャンその他
トランプ類があるわけですが、こういうものはどうなるかという問題、ことに税金の下った
マージャンは高い印紙が張ってございますので、どうしたことになるのかという疑問がございますので、これはこの法律施行の日に
製造場から移出したものと一応みなすわけです。ですから一応課税済みで前から出ていると同じとと。ところが第十一項は「この法律の施行前に
トランプ類の
製造場から引き取られた
トランプ類が、この法律の施行の日以後に当該
製造場に戻し入れられた場合には、新法第十八条第一項中「当該移出」とあるのは「当該引取」と、「
トランプ類税額(利子税額及び延滞加算税額」とあるのは「
骨ぱい税額(延滞加算税額」と読み替えて、同項の規定を適用する。一ということで、移出されたものが戻りますと、新法の規定がそのまま適用になるわけであります。従って、戻入控除で、従来の税額二千円を控除してもらうかわりに、新しく出すときには千円で税課されていくということで、不都合がないようにいたしております。
それから、ついでに申し上げておきますが、十項は「
トランプ類の
製造場から引き取られた
トランプ類で、この法律の施行前に当該
製造場に戻し入れられたもの」、前に印紙を張って出しておって、この法律が施行される前に戻っておったというものが出ていく場合にはどうなるかという問題がございます。これも同じ問題でございますが、その場合には、「当該戻入れの月」とあるのを「この法律の施行の日の属する月」と読みかえて新法を適用する。従いまして、七月の翌月、つまり八月の支払税額のうちから
引き取りの際に払って出しました二千円という印紙に相当する税額を控除いたしまして、その後出ていくときには、今度は普通通り、
移出課税で千円で課税されるということになります。
それから第十二項は、これは同じような問題でございますが、戻入ではなくて、一ぺん作った
マージャンを
製造場から出して、他の
製造場に戻し入れた場合、他の
製造場に入れた場合、これは移入でございますが、この場合は、出ていくときに税額を控除いたします。それと、それによって二千円で出たものが他の
製造場に戻れば、出て行くときに千円課税されて、二千円控除されるということになるわけでございます。
あとは、いずれも規定の整備に関する付則でございます。
はなはだ簡単でございますが、一応御説明を終らしていただきます。