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1957-02-19 第26回国会 参議院 大蔵委員会 第5号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
三十二年二月十九日(火曜日) 午後一時四十九分開会
—————————————
出席者
は左の通り。
委員長
廣瀬
久忠
君 理事
西川甚五郎
君
委員
岡崎 真一君
木暮武太夫
君
左藤
義詮君
高橋進太郎
君
苫米地英俊
君 宮澤 喜一君 天田 勝正君 大矢 正君 栗山 良夫君 椿 繁夫君
野溝
勝君 前田 久吉君
国務大臣
大 蔵 大 臣
池田
勇人
君
政府委員
大蔵政務次官
足立
篤郎
君
大蔵省主計局長
森永貞一郎
君
大蔵省主計局次
長
宮川新一郎
君
大蔵省主計局法
規課長
中尾 博之君
食糧庁長官
小倉
武一
君
事務局側
常任委員会専門
員
木村常次郎
君
—————————————
本日の会議に付した案件 ○
所得税法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣送付
、
予備審査
) ○
法人税法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣送付
、
予備審査
) ○
印紙税法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣送付
、
予備審査
) ○
食糧管理特別会計法
の一部を
改正
す る
法律案
(
内閣送付
、
予備審査
)
—————————————
廣瀬久忠
1
○
委員長
(
廣瀬久忠
君) それではただいまより
委員会
を開きます。 まず、
所得税法
の一部を
改正
する
法律案
法人税法
の一部を
改正
する
法律案
印紙税法
の一部を
改正
する
法律案
以上、いずれも
予備審査
の三案を便宜一括して
議題
として、
政府
より
提案理由
の
説明
を聴取いたします。
足立篤郎
2
○
政府委員
(
足立篤郎
君) ただいま
議題
となりました
所得税法
の一部を
改正
する
法律案
外二
法律案
について
提案
の
理由
を
説明
いたします。
政府
は、国税及び
地方税
を通じて、わが国の最近の諸
情勢
に即応すべき合理的な
租税制度
を確立するために、一昨年八月以来、
臨時税制調査会
を設けて、
税制改正
の諸方策について鋭意
検討
を加えて参りましたが、昨年末その答申を得、その後さらに
検討
を重ねた結果、
租税
及び
印紙収入
について
多額
の
自然増収
の見込まれる
昭和
三十二
年度
を期して、
所得税
を中心とする直接税の大幅な
減税
を行い、あわせて最近の
経済情勢
に即応するよう
租税
上の
各種特別措置
の
整理合理化
をはかるとともに、
道路整備
の財源に充てるため
揮発油税
の
税率
を引き上げる等、
税制
の
全般的整備
を行うことといたしたのでありまして、さしあたりここに
所得税法
の一部を
改正
する
法律案
及び
法人税法
の一部を
改正
する
法律案
を提出した次第であります。 まず、
所得税法
の一部を
改正
する
法律案
について、その
大要
を申し上げます。
所得税
につきましては、まず第一に、
低額所得者
の
負担
の
軽減
に留意しつつ、
税率
の
累進度
の緩和に重点を置いて、
所得税負担
の
一般的軽減
をはかることとしております。すなわち、
基礎控除額
を八万円から九万円に、一人目の
扶養親族
についての
扶養控除額
を四万円から五万円に引き上げるとともに、
給与所得控除
については、年収四十万円から八十万円までの
給与
についても新たに一割の
給与所得控除
を認め、その
最高限度額
を八万円から十二万円に引き上げることとしているのであります。また、
税率
につきましては、新たに百分の十の
最低税率
と百分の七十の
最高税率
を設けるとともに、各
税率
の適用される
課税所得
の
最高限度
を
現行
の五倍ないし七倍に拡大して、大幅な
負担
の
軽減
をはかることとしているのであります。 以上に申し述べました
控除
及び
税率
の
改正
により、別途
租税特別措置法
の一部
改正
において予定されております
概算所得控除
の廃止を考慮に入れても、
所得税
の
負担
は著しく
軽減
されることになるのであります。たとえば、
給与所得者
について申し上げますと、
月収
一万五千円の
独身者
は、現在の七百九十一円の
所得税
が三百八十五円になって、五一・三%の
軽減
となり、
月収
二万円の
夫婦者
は、現在の八百七十四円の
所得税
が三百五十一円になって五九・八%の
軽減
、
月収
三万円の
夫婦
及び子二人の者は、現在の一千六百八十七円の
所得税
が八百四十八円になって四九・七%の
軽減
、
月収
五万円の
夫婦
及び子三人の者は、現在の六千九百三十二円の
所得税
が三千五百八十七円になって四八・二%の
軽減
となるのであります。また、たとえば、
夫婦
及び子三人の
事業所得者
について見ますと、平
年度
におきまして、
年所得
二十五万円の場合には、現在の九千円の
所得税
が四千五百円になって五〇%の
軽減
、
年所得
四十万円の場合には現在四万七千円の
所得税
が一万六千七百五十円となって四三%の
軽減
、
年所得
七十万円の場合には現在の十四万七千円の
所得税
が八万六千五百円になって四一・一%の
軽減
となるのであります。 これを
観点
を変えまして、
夫婦
及び子三人の
給与所得者
が賞与をもらった場合にどれだけの
所得税
の
負担
をするかについて見ますと、
月収
二万円の場合には、現在の一四%の
所得税
の
負担率
が六%に
軽減
され、
月収
三万円の場合には現在の二四%の
所得税
の
負担率
が一四%に、五万円の場合には三六%の
負担率
が二〇%にそれぞれ
軽減
されることとなるのであります。 次に、貯蓄の奨励に資するため、
生命保険料
の
控除限度
を引き上げ、年一万五千円をこえ三万円までの
払込保険料
についても、その半額に相当する
金額
を
生命保険料控除
として
控除
することとしております。 右の
改正
は、本年四月から実施することとしておりますので、
昭和
三十二年分の
所得税
につきましては、
減税
の
程度
が四分の三となるように定めておりますが、
給与所得
に対する
源泉徴収
については、四月以降、この
改正
後の平
年度
の
税額
によることとしているのであります。 さらに、
配当控除制度
の
合理化
をはかるため、
課税所得
一千万円までに該当する
配当所得
については百分の二十、一千万円をこえる
課税所得
に該当する
配当所得
については百分の十の
配当控除率
を適用することとし、また、
不動産所得
、
配当所得等
の
資産所得
に対して実情に即する
課税
を行うため、
資産所得
の
世帯合算課税
の
制度
を創設することといたしております。 このほか、
税制
の
簡素合理化
に資するため、
簡易税額表
の
適用範囲
を拡張し、
予定納税額
が
少額
の場合には
予定納税
の義務がないものとする等の
改正
を行うこととしているのであります。 次に、
法人税法
の一部を
改正
する
法律案
についてその
大要
を申し上げます。
法人税
につきましては、まず第一に、
中小法人
の
負担
の
軽減
に資するため、
軽減税率
の
適用範囲
を拡大し、
年所得
五十万円から百万円までの
所得
についても、百分の三十五の
軽減税率
を適用いたすこととしております。 また、
重要物産免税制度
につきましては、
国民経済
上重要な
新規産業育成
のための
制度
であることを明確にし、
一定
の期間内に新増設された設備の
所得
について、新増設の
事業年度
及びその後三年間
免税
を行うとともに、
免税所得額
に
一定
の
限度
を設けることとしているのであります。 このほか、人格のない社団または財団で
収益事業
を営むものに対して、その
収益事業
の
所得
について新たに
法人税
を
課税
することとし、
外国税額控除制度
を
合理化
する等、所要の規定の
整備
を行うこととしております。 以上、申し上げました
措置
による
所得税
及び
法人税
の
減収
は、
所得税
の
一般的減税
により、
初年度
約一千九十二億円、平
年度
約一千二百五十四億円の
減収
、
法人税
の
軽減税率
の
適用範囲
の拡大により、
初年度
約十五億円、平
年度
約二十二億円の
減収
、
合計初年度
約一千百七億円、平
年度
約一千二百七十六億円の
減収
が見込まれるのでありますが、
租税特別措置法等
による
改正分
をも含め
増減収
を通算いたしますと、
昭和
三十二
年度
におきまして約九百五十一億円の
所得税
の
減収
、約七十一億円の
法人税
の
増収
が見込まれるのであります。 次に
印紙税法
の一部を
改正
する
法律案
について申し上げます。
改正
の主要な点は、
約束手形
及び
為替手形
について
階級別定額税率
により
課税
することといたしたことであります。
印紙税
におきましては、現在、
約束手形
及び
為替手形
に対し
定額
十円で
課税
しております。しかしながら、
現行法
上、これらの
手形
と同様の
経済的機能
を有する
借用証書等
について
階級別定額税率
が適用されております結果、これらの
証書
と
手形
との間に
税負担
の不均衡が生じているのであります。過去においても
手形
に対して
階級別定額課税
を行なった実例もあり、諸
外国
においても
階級別定額課税
または
定率課税
を行なっておりますこと等をも勘案いたしまして、今回
手形
に対しても
記載金高
に応じ二十円から千円までの経度の
階級別定額課税
を行うこととした次第であります。しかし、
一覧払
の
手形
、
外貨表示
の
手形
及び
金融機関相互
間の
手形
については、その
手形
の
性格等
にかんがみ二十円の
最低税率
で
課税
するとともに、
現行
の
課税最低限
を三千円から二万円に引き上げることとし、
少額
の
手形
については
負担
の
軽減
をはかることといたしております。 以上の
改正
の結果、
印紙税
において約二十億円の
増収
が見込まれるのであります。 以上が
所得税法
の一部を
改正
する
法律案
外二
法律案
の
提案
の
理由
でございます。 何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願い申し上げる次第であります。
廣瀬久忠
3
○
委員長
(
廣瀬久忠
君) ただいま
説明
を聴取いたしました三案の
補足説明
、
質疑
は次回に譲りたいと存じます。
—————————————
廣瀬久忠
4
○
委員長
(
廣瀬久忠
君) 次に、
食糧管理特別会計法
の一部を
改正
する
法律案
(
予備審査
)を
議題
として、
事務当局
より
補足説明
を聴取いたします。
小倉武一
5
○
政府委員
(
小倉武一
君) 御
説明
申し上げます。
特別会計
の
借入金
の
限度
でございますが、これは来年になりますると三千五百億になるような
法律
になっておりますが、これを九百億円上げまして四千四百億円にしようとするものでございまするけれども、その算出の
基礎
について申し上げます。三十二
年度
の四月から十二月までの収支の
実行見込み
を立てまして見ますと、
歳入
で約三千九百二十一億円、
歳出
で約四千二百九十一億円でございまして、差引三百七十億円の
借入金
の増加に相なるのでございます。ところで三十二年四月一日現在の
年度越し
の
借入金
の現在高は三千四百二十億円でございますので、
昭和
三十二年の十二月末現在におきまする
借入金
の現在
高見込み
は、先ほど述べました三百七十億円をこれに加えまして、三千七百九十億、こういうことに相なるのでございます。ところが今申しました
計算
は
見込み
でございまするので、
内地米
の
買い入れ数量
でありまするとか、
輸入食糧
の
買い入れ数量
あるいは米麦の
売り渡し
の
数量
、そういった
数量
は多分に変動する
要素
があるわけでございます。この
見込み
に従いまして、若干の
異同
がありました場合にも、この
会計
の取り扱いの
数量
、
金額
が
多額
に上ります
関係
上、
資金
繰りには相当の大きな
影響
を及ぼすというふうになることは申すまでもございません。たとえて申しますると、
歳入面
で約五%の
歳入減
があるというふうになりますると、先ほどの三千九百二十一億円の五%、百九十六億という
歳入減
になります。また同じように
歳出面
において五%の
歳出減
が生ずるというふうなことになりますると、また二百十四億といったような相当の
金額
に
影響
を及ぼすのであります。で、こういう
金額
を考えてみますると、四百億
程度
の
資金
が不足するということもここで予想し得ないこともございませんので、その
程度
の余裕を見込んでおく必要があろうかと、かように存じたのであります。 それからまた別の
観点
に立ちますると、先ほど申し上げましたように
借入金
の
限度
は十二月末の
計算
で出しておるわけでございますが、
借入金
の現在高の
最高
は必ずしも十二月末きっちりではございませんで、年によって若干
異同
がございます。過去の例によりますと、
昭和
三十
年度
のことでございまするが、十二月末と、それから十二月中における
最高
のピークになりましたときの
差額
は二百億円の差がございましたので、こういう
差額
も見る必要があろうかと、こういうふうに存じたのであります。従いまして先ほどの冒頭に申し述べました三千七百九十億、これに
歳入歳出
の
見込み
の狂いというのを四百億、それから十二月末の
限度
と十二月中における
最高
との開き、これを約二百億と、こう見まして、これらを合計しまして、まるくいたしまして、四千四百億というのが
借入金
の
限度
として拡張をお願いしているものでございます。
廣瀬久忠
6
○
委員長
(
廣瀬久忠
君) それでは先ほど提出された「
昭和
三十一、三十二
年度
事業内容
」、これについて、
食糧庁長官
から
説明
を簡単にしてもらいましよう。
小倉武一
7
○
政府委員
(
小倉武一
君) ただいま
委員長
の
お話
のございました「
昭和
三十一、三十二
年度
事業内容
」という題目でお示ししました
資料
について簡単に御
説明
いたします。 初めの一ページのところに、あるいは記入してあるかもしれませんが、
記入漏れ
がございますが、左の一番端っこの方でございますが、三十一
年度
見込み
の「
内地米
」のところでございますが、これ以下は
買い入れ数量
と
価格
を示したわけでございまして、
買い入れ数量
と
価格
という表題をつけていただいた方がいいと存じます。「
内地米
」、「内麦」、それから「
外国食糧
」、「
農産物等
」というふうに、初めに買入
数量
と
価格
と、これを示してあるのであります。左の方が三十一
年度
の
見込み
でございまして、右の方が三十二
年度
の
予算
を示してございまして、次のページ以下からはそういう
年度
の
区別
を頭に書いてございませんが、同じ
考え方
で、左が三十一、右が三十二ということで示してあるのであります。それから三ページのところに、今度は
売り渡し
の
価格
について同じように、「
内地米
」、「内麦」、「
外国食糧
」、「
農産物等
」という四つの
区別
をもちまして書いてございますが、これが計数的にごく
事業内容
の骨子を示したものであります。六ページ以下は、これは
予算書
にも載っておるものでございますが、初めのが三十二
年度
の
損益計算書
の
予定見込み
でございます。その次の七ページは「
予定貸借対照表
」、八ページが
歳入歳出予算
の概要、九ページは、その
歳出歳入
の中に入っておりまする
食糧管理費
と
農産物等管理費
、これについての
内訳
が九ページであります。次の十ページは、
年度
が違いまして、三十一
年度
の
損益計算
の
見込み
を示してあるわけであります。同じく十一ページは三十一
年度
の
貸借対照表
、それから
最後
の十二ページは、三十一
年度
と三十二
年度
の
損益
を
物別
に示したものであります。 大体
内容
はそういうことになっておりますが、戻りまして、
一つ二つ注釈
をいたしますと、三十一
年度
の
見込み
のところの
数量
は、これはもう大体固まってきた
数字
でございまして、あまり今後も
異同
はなかろうと存じます。もっとも三十一
年産米
全体といたしまして、カッコで書いてございますように、二千八百五十万石というのは、必ずしも確定はいたしておりませんが、現在の
進行状況
からいいますと、二千八百五十万石の
買い入れ
はほぼ間違いはないという見通しを持っております。そのうちの三十一
会計年度
で買います
部分
が二千八百三十六万八千石というのであります。
価格
は、これは三十
年産米
につきましては、これは本
会計年度
になってからの
買い入れ
でございますが、
早場
とか
申し込み加算金
が除いてある
部分
であります。それから三十一
年産米
の九千九百七十円は、これは
実効価格
、実際の
農家
の
手取り平均価格
の
見込み
、こういうことであります。参考のために
予算
上の
ケース
が掲げてあるわけでございますが、右の方に移りまして、三十二
年度
の
予算
でございますが、三十一
年産米
の
買い入れ数量
、これはほぼきまっておるというふうに見ていいわけですが、先の二千八百五十万石から本
会計年度
で買いますものを引いた残り、大体の見当でございまするけれども、十三万二千石、それから三十二
年産米
でございますが、これは全体といたしましては二千七百万石の集荷の目標を立てておりますが、そのうち三十二
会計年度
で買う
部分
が二千六百八十七万七千石、こういうことであります。それから
価格
でございますが、三十一
年産米
は、先ほどの左の方に書いてございます三十一
年産
の九千九百七十円、これから
申し込み加算金
と
早場
を除いたもの、これが九千六百九十三円ということになっております。四月以降の
買い入れ
でございますので、
早場
とか
申し込み加算金
のない
計算
にいたしておるのであります。三十二
年産米
は一万円、この
計算
の
考え方
は、三十一年の
農家
の
手取り価格
、これをベースにいたしまして、
パリティ指数
で修正したというのが一万円に該当するわけであります。 次は麦でございますが、これは過去の例、
生産数量
とか
買い入れ数量
の例を見まして推定をいたしておるのであります。麦についてはこれはほぼ固まった
数字
でございまするが、三十二
年度
はそういう過去の
数字
を
基礎
にいたしまして推算をいたしたものであります。なお
価格
は、これは
パリティ価格
そのままをとっております。そこで
パリティ
の
指数
が十一月の
指数
をとっております。米についても同様でございます。 次は、
外国食糧
でございますが、三十一
年度
の方は現在
実行
中でございますので、その
実行見込み
を加えて書いてあるのであります。三十二
年度
の分につきましては、本
米穀年度
、それから来
米穀年度
を通じまして、それを
会計年度
で編み直しまして、どういうことになるかと申しますと、
外米
では約四十万七千トンの
輸入
、それから
外国大麦
では八十七万、
外小麦
では二百十四万七千という
数字
でございます。麦の方は
需給計画
も
会計年度
と同じ四月から三月まででございますので、麦の
需給計画
、現在立てております
需給計画
のそのままの
数字
を
資料
として掲げているのでございます。
価格
につきましては、
輸入価格
でございまするので、なかなか判定はむずかしいのでございますが、過去の値下りの
状況
が最近は鈍化して参っておりますので、そういう
事情
を織り込んでおります。
船賃
も最近の
事情
を織り込んでおるのでありますが、将来
船賃
が下るか上るかということについては、なかなか困難でございますので、特別上るというような
要素
は織り込んでおりません。 次は、
農産物
でございますが、これは三十二
年度
の方を申しますと、まず
澱粉
の
関係
でございますが、
価格安定法
上
計算
される必要な
数量
、
カンショ澱粉
と
バレイショ澱粉
と合せまして約一万三千貫の
買い入れ
を予定しております。
買い入れ価格
は、
農産物安定法
で昨年の十月の末にきめました
価格
に、必要な
金利等
を加算したものであります。なお菜種、
大豆等
につきましても、さような
澱粉
に準ずるような
計算
をいたしておりますので、省略をさせていただきます。 次には「
売渡価格
」の方でございますが、三ページの「
内地米
」につきましては、これは
主食用
と
希望配給用
とは違っておりますが、一万八十四円というのが、
政府
の
卸売り業者
に対して売りまする
価格
を
基礎
にした、これが
基準価格
であります。次は麦でございますが、麦につきましてはこの二月から若干値下げをいたしておりますが、そのままの態勢で七月までいきまして、七月から企業の
整備合理化
がなされるという前提で八月からは若干
値上げ
をする、下げた
ケース
でいえば若干の
値上げ
をするという
要素
を加味して
予算
を組んでいるのであります。
外国食糧
の
売り渡し価格
は、現在の
価格
そのままであります。
農産物
の
価格
は、これはいろいろの
時価等
を参酌しまして、他の
節約経費
でできるだけ回収ができそうなものは見込んで
計算
してございます。 次は
損益関係
でございますが、六ページをごらんになっていただきますと、三十二
年度
の
損失
の
見込み
は百四十一億八千二百万円、これが約百四十二億、こういうことで、この
物別
のものが
最後
の表になっているわけであります。
内地米
の百七十三億、その他がその
品物別
の
内訳
になっております。
項目別
の
経費
の概略がこの
予定損益計算書
に相なっているのであります。 簡単でございますが、以上をもちまして御
説明
を終ります。
廣瀬久忠
8
○
委員長
(
廣瀬久忠
君)
質疑
はございませんか。
野溝勝
9
○
野溝勝
君
大臣
が見えませんから、その前に
事務当局
の方にご質問をしてみたいと思います。こまかいことのようでございますが、この
食管会計
は膨大な
予算
でございますが、無資本でこういう大きな
事業
をやるということは、全世界におそらく
日本
の
食管会計
以外にはないと思うのであります。ほとんど
資金
も持たんで
事業
をやるというのでございますから、この保証のできた、確認のできた、そうして大丈夫という
事業
であると思っていました。ただいま、
大臣
が見えましたから、それはあわせてお伺いするのでございます。こんなうまい
事業
はないと思うのですね、
食管会計
という
特別会計
の
事業
は。そこで、こういう
事業
に対して
政府
が
資金
を出す、
一般会計
から出すにいたしましても、あるいは
日本銀行
の証券を出すにいたしましても、
政府
は完全なる
事業
であり、間違いのない
事業
であり、まあ黒字にならぬでも
赤字
に大したことはなるまいという
気持
があったと思うのであります。さもなければ、そう
政府
は、
赤字
々々というような
事業
に対して、いつまでも
見込み
のないことに対して、無策にそれを過すわけにいかぬから、そういう点で、たぶん今回の
食管
の
赤字穴埋め
に対して意見も出たことと思うのでございますが、それならば今日まで一体、かような
事業
に対する
検討
も、あるいはこれに対する
善後処置
、そんなようなことに対して今までに考えたことがあるかどうか。この際、
一つ大臣
にお尋ねしておきたいと思うのであります。
池田勇人
10
○
国務大臣
(
池田勇人
君)
食管特別会計
の
運営
その他について、いろいろ御
検討
のようでございまするが、私も以前
大蔵省
におりましたときに、この問題につきましてある
程度
の
検討
を加えたのでございます。その後におきましても、
事業
がだんだんふえて参ります。そして昔は
外米
、
外麦
が
内地米
よりも高かった時代もあったことでございます。最近ではこれが逆になりまして、
内地米
あるいは
日本
の
小麦等
が
外国
よりも高くなった。こういう
関係
で
食管
の
赤字
のうちにも、
赤字
を生ずる原因がかなり昔と変って参りました。
昭和
三十一
年度
の
赤字
も、三十一
年度
予算
を審議していただいたときとよほど
事情
が変ってきたようでございます。また、いろいろ
食管
の
運営
につきましても、倉庫の問題、
金利
の問題、あるいは
農産物価格安定法
に基く
損失
の問題、またこまかく申しますると、米や麦の等級の問題等々、各般にわたって
検討
すべき問題があるのじゃないかということで、今回
特別調査会
を設けて、
食管
の
合理化
について十分な
検討
を加えようということに相なったのでございます。昔からいろいろ問題はあったのでございまするが、三、四年、四、五年前とはまた
赤字
の問題も、様子がかなり変ってきたようでございます。この際、やはり
十分検討
をする時期ではないかと、こう考える次第でございます。
野溝勝
11
○
野溝勝
君 今、
大臣
から御答弁がございましたが、最近におきまして
外国
の
麦価格
と
日本
の
麦価格
との格差の点、その後の
影響等
から見てやむを得ないという
お話
でございますが、いずれにせよ、百四十二億からの
赤字純損
が出ておるようでございますが、こういう
赤字
、今後も今までの
制度
のままでいくならば、
赤字
は累増するばかりなんですが、そういうようなことで
消費者米価
の
直上げ
ということを考えて、この
穴埋め
にだんだん充てていこうという
考え方
らしかったのですが、それが取りやめになられたことはけっこうでございますが、今後この
赤字
を一体どういうふうに解決していこうとするのですか。この際考えなければならぬ時期だということを、今、
大臣
も言われましたが、どういう方向でこれを解決しようとして考えておられるのですか、その点を承わっておきたいと思います。
池田勇人
12
○
国務大臣
(
池田勇人
君) 大へんむづかしい問題でございまして、私は
特別調査会
の結論を待って、
政府
としても一応
考え方
を出したいという
気持
で、この問題をこういうふうに、ああいうふうにということは考えぬことはございませんけれども、個人といたしましても、責任の地位にありまして、いましばらく
検討
を自分でも加えると同時に、
特別調査会
の方々のりっぱな意見を聞いてからきめたいと思っております。
野溝勝
13
○
野溝勝
君
大臣
はばかに
消費者米価
問題以来、非常に慎重になられまして、私の質問に対しても非常に発言を控え目にしておるらしいのでございますが、
政府
として当然考えていなければならぬ問題である。決定意見でなくても、構想の片りんだけでも聞きたいと思ったのです。たとえば、こういうふうな考えもあるし、こういうふうな考えもあるというような点だけでも、この際、お聞きしておきたいと思うのです。それから特にそれをお聞きしておきたいというのは、決定的なものでなくても聞きたいというのは、この
資料
の中には、
赤字
の補てん策として、この
予算
の中に現われておらない。むしろ変った点は、しわ寄せを農民に寄せておるような点が見えるのでございます。 それはどういう点かというと、三十一
年度
の
予算
米価は一万七十円だったのが、三十二
年度
における
予算
米価が一万円となっておるのであります。してみると、結局、農民の方から安く買って、そのしわ寄せに充てていこうという
考え方
だけでございます。こういうものは、一体、
食糧庁長官
は、みずからの主管の
事業
であるから、この
予算
米価をここに引き下げるに至った
理由
を一つ
食糧庁長官
の方から聞いておきたいと思う。
小倉武一
14
○
政府委員
(
小倉武一
君)
予算
米価につきましては、先ほどの
資料
でもごらんいただきましたように、一ページのまん中でございますが、三十一
年度
産は九千九百六十円というのが
予算
米価でございます。これがまあ一万七十円という御説は、これはその後米価を決定したときの手取り
見込み
が一万七十円、現在の
見込み
と申しますか、去年暮れあたりの
見込み
といたしましては、九千九百七十円と見込んでおります。それに対しまして、三十二年の米価は、先ほど申しましたように、三十一年の手取りベースにいたしまして、
パリティ
で修正いたしましたのを
基礎
にいたしまして一万としたのでございます。特に米価を引き下げるというふうな意図を持って
予算
米価をはじいたのではございません。
野溝勝
15
○
野溝勝
君 そういう抽象的な
お話
でなく、たとえばあなたの言われる米の算定の仕方ぐらいは研究をしております。それはここに掲げてある九千九百七十円というのは、見込米価といいますか、実績米価になっているのですが、もちろんそれはこの基本米価、時期別の問題、等級
価格
差、あるいは構想、あるいは申込加算、あるいは歩どまり加算というようなものが織り込まれて算定されておるという点はよくわかるのでございます。しかし、三十一
年産
が、この実績米価から見ても三十二年の方に、三十一
年産
が九千六百九十三円とある。一体これの
数字
から見ても、了解に苦しむのですが、三十一年の九千九百七十円と、これと違っているのはどういうわけなんですか。
小倉武一
16
○
政府委員
(
小倉武一
君) 三十一
年度
見込み
、左の方でございますが、これが九千九百七十円となっておりまして、それが右になりますと、九千六百九十三円となりますのは、まず四月以降に買うものでございますので、
早場
ということがすでに問題はなくなっておりますので、その百七十七円と、それから四月以降の
売り渡し
ですから、おそらく申込予約に基くものではなかろう、従いまして百円も要らないということで、九千九百七十円から二百七十七円を引いたのが九千六百九十三円、こういうふうに算定をいたしたのであります。
野溝勝
17
○
野溝勝
君 そうすると、時期別と申込加算を除いた
価格
がこれに出ているといたしましての
予算
措置
として出すことは、どうかと思うのですがね。たとえば時期別も残ると思うのです。ですから申込加算も全然ないということはないと思うのです。それだのにこういうものを決定的に組み入れるということは、私はこれは、やはり農村に対する
買い入れ
額全体にわたって押える、すなわちしわ寄せという
気持
があってかような案を作られたと思うのですが、そういう点に対する
考え方
は一体どうなんですか。時期別も申込加算もないと見てよろしいか。
小倉武一
18
○
政府委員
(
小倉武一
君) ただいまの
お話
は、本
年産米
と申しますか、この出来秋、今年の秋にできる米について、そういったものを全然廃止をするという
考え方
で申し上げたのではございませんで、三十二
年度
の
予算
において、昨年の産米がまだ四月から多少は出てくる、こういった場合に、その
価格
がどうであるか、こういう
見込み
を立てたにすぎませんで、すでに決定をされておる米価のことでございまするので、そこをここで
予算
上無理に下げるというようなことは毛頭考えておりません。昨年の出来秋の米が四月以降買うというものについてはどういう
価格
であろうか、こういうことを想定をしただけであります。なおまた、三十二
年産米
につきましても、
予算
米価という名前の通り、
予算
米価でございまして、実際上の決定ということになりますれば、いろいろまた御審議も願わなければなりません。
考え方
といたしましては、三十一
年度
の手取りを
基礎
にいたしまして、
パリティ
でそれを修正したと、こういうのが三十二
年度
でございます。それにどのような時期別、
価格
差等をつけますか、これについては、なお今後
検討
をして決定を要するのでございまして、時期別、
価格
差等を全然廃止をするという
考え方
は持っておりませんのであります。
野溝勝
19
○
野溝勝
君 その
考え方
は大体わかりましたが、次に、私は
大臣
からお伺いしてみたいのは、先ほど申しました私の質問に対し、記録をとるとかということではなくて、一つ
消費者米価
の
値上げ
問題が失敗した、今後
大臣
としても、当局としても、これは
食管
に対する問題を何とかしなければならぬ、先ほども
大臣
が言われておるのですが、それに対して一つ考えておる方向あるいは見解、これを一つこの際、試案でけっこうですからお述べを願いたいと思う。速記はやめてもけっこうですから、これは大事なことですからお互いに国民として一つ考えていただきたい。
池田勇人
20
○
国務大臣
(
池田勇人
君) いろいろ考えておったこともあるのでございますが、やはり各方面のいろんな御意見を承わりますと、私、今自分の意見として発表する段階の結論が出ておりませんので、今後十分に
検討
いたしたいと思います。
野溝勝
21
○
野溝勝
君
大臣
がそういう卑怯な憶病の考えならばいたし方ないのですが、私どもも
食管特別会計
に対しましては、
消費者米価
の
値上げ
によって
穴埋め
するということについては、もちろん反対ですが、しかし何とかしなければならぬということは、これは考えておかなければならぬと思っております。 しかるに本
年度
の
食管特別会計
の中にはおざなりで、何も考慮が現われていないので、まことにこれは遺憾な点だと思っております。たとえば、八千億からの
予算
、膨大なる
予算
を持っておるこの
事業
体でございますが、これに対して、あれほど問題になったにもかかわらず、それにかわるべき政策が織り込まれてないということは、これは私は
政府
としてまことに遺憾の点であると思っております。それでは、今後
食管会計
改変の参考に、事務的でございますが、
大臣
に一つお聞きしておきたいと思うのでございます。それは、渡された
資料
を見ますると、二ページの「
外国食糧
」、そのうち一番終りの方でございますが、大豆の
輸入
につきましても非常に問題があります。さらに家畜のえさでございまするふすまの
輸入
についても非常に問題があるのでございます。特にこのふすまは
数量
が四万五千トン、トン当りが二万七千三百八十一円が、そこでまあ大体これを一俵に換算すると、標準
価格
が、
政府
の示したる値が六百円だそうでございますが、かように犠牲を払って
政府
は安く売っておるにかかわらず、それが市場では高くあきないされておるのでございます。さらに本三十二
年度
の比較をしてみますると、このふすまが八万トン、約倍の
輸入
数量
になっております。で、
価格
の方はどうかというと、
価格
の方はキロ二万七千六百三十一円ですか、
政府
の標準
価格
は一俵六百二十円だそうでございます。農林省の畜産局の調べでございますから間違いないと思うのですが、これが地方では一俵七百八十円に売られておるわけです。どうもいろいろちまたにうわさがあるのでございまして、そのうわさを全部承認することはどうかと思うのでございますが、特定の会社の手を経なければ、その飼料が手に入らないということなんでございます。それで結局飼料の
価格
は七百八十円、百七十円も一俵で暴利しているのでございますが、これじゃ百姓はこれはやっていけないわけなんです。それで牛乳が高いとか、肉が高いとか、たまごが高いとか言ってみても、こういうようにせっかく
食管
で犠牲を払った
措置
も、独占会社あるいはトンネル機関のマージンで市場
価格
が高くなったのでは、かえって
食管
が何か特殊のうまいリベートでも稼いでいるのじゃないかというようなことさえも言われておるのでございます。こういう点に対して、
赤字
がある、
赤字
があるといって騒がれておる際に、こういうようなことがあったのでは、
部分
だけ改革しても抜け穴があってはだめだ、この際
大臣
は農林省や
事務当局
だけにまかしておくだけじゃなくて、
赤字
問題について心配するならば、こうした疑惑のあるような問題に対しても、今後改める点がありはせぬかと思うのでございますが、この点に対し
大臣
に所見を聞いておきたいと思います。
池田勇人
22
○
国務大臣
(
池田勇人
君) 就任日も浅いのでございます。各
会計
の
価格
操作その他につきまして、十分目を通すひまがなかったのでございまするが、今のふすまの、
食管
からの売り値、またそれがどういうルートを通じて最終消費者、
農家
等に行き渡るか、その点の問題、また
価格
が適正であるかどうか。
売り渡し価格
と一般の市価もやっぱり季節その他で相当動く点もあると思いまするが、
十分検討
をいたしまして、
お話
しのように、
食管
がそう損をしなくてもいいのに、損をするというようなことのないように努めていきたいと思います。いずれ調査をいたしましてお答えをすることにいたしたいと思います。
野溝勝
23
○
野溝勝
君 もちろんこれは
食管
の長官の責任もあると思うのでございますが、これらについて大豆、ふすま等の
輸入
について、これを
検討
したことがありますか。今のままで正しいと思っておられますか、あるいは
検討
しなければならぬと思っておりますか、この点一つお伺いしておきたいと思います。
小倉武一
24
○
政府委員
(
小倉武一
君) 飼料、とくにふすま、
大豆等
の
輸入
につきましてはお説のように
検討
しなければならぬ点がございます。ふすまとして
輸入
したのがいいのか、あるいはその元の麦で
輸入
したのがいいのかといったような問題がありまして、これは食糧の
関係
、飼料の
関係
、また財政の
関係
、そういう点から基本的に
検討
しなければならぬ問題があると思います。しかしながら、ただいま組んでおりまする
予算
につきましては、
輸入
の
価格
は一応ただいまの、これまでの
輸入
しておりましたようなふすまの
価格
をベースにいたしまして、一応試算でございまするので、これでもって必ず買うといった性質のものではございません。問題は売る方の
価格
でございますが、これはただいま
お話
の六百十円を
基礎
にいたしまして、国内のふすまとの品質、
価格
差等をつけまして売却をするということにいたしておりますので、ふすまについてはむしろ相当の、それだけ売れば損をするという、実は
状況
に現在あるのであります。そういう点においても、なお、できるだけ飼料源を有利に
輸入
するという工夫をしなければならぬと思いますが、そういうことに実はなっているのであります。
野溝勝
25
○
野溝勝
君
食管
の
赤字
が総計いたしまして三百三十七億円あるということが言われているのでございますが、とにかく今のままでは今後とも
赤字
は累増するばかりだと思います。何とかしなければならぬということは、これはまあ当然
政府
におきましても考えてもらわなければならぬことです。早急にこの具体的な案を考えたいという
大臣
の答弁でありますから、私はこれ以上は申し上げません。ただこの際、この
赤字
そのものが、単なる
外国食糧
の
価格
変動やその他の
外国
事情
のみで
赤字
があるものとは思いません。ただいま飼料の問題に対する
内容
、矛盾、誤っている点を指摘したのでございます。これは一つの例を上げたのでございます。ところが
大臣
も
食糧庁長官
も、むしろ
大臣
の方が率直にかような点は
検討
して直そうと思うという言を吐かれております。
食糧庁長官
の方は言葉を濁しておるのでありまして、私はそれがよくないというのです。私は具体的の例を申すのであって、誰が聞いても見ても標準
価格
の六百十円が七百八十円——昨日秋田へ行って聞いてみましたところが、やみで八百五十円に売られているそうでございます。一体これで畜産振興がなりますか。これで自給自足の経営が成り立ちますか。これで物価が横ばいだといえますか。私はかような一つの例を上げてあなた方に反省をしてもらいたい、この
食管特別会計
についても一つこういう点もあるのであるから総合的に一つ考えてくれということを申したのであります。私は、きょう大蔵
大臣
が率直にこれに答える答弁をされましたので、これ以上は質問いたしません。特にこういう点につき、特にこういう問題になっておる
会計
は、だれが見ても不明朗であるというようなことが言われておるのでございます。八千億余円もの
特別会計
の
予算
というものをわれわれは認めることさえ疑問があると思うので、むしろこれは
食糧庁長官
や農林
大臣
の責任だけでなく、大蔵
大臣
が、かような財政
措置
などについて、これを機会に大きく打ち出しておく必要がありはせんか、こう思うのでございます。 以上、
大臣
が具体的なこまかい問題に対しても善処するということを言われましたから、私の質問はこれで打ち切ります。
廣瀬久忠
26
○
委員長
(
廣瀬久忠
君)
大臣
がお見えですから、何か
大臣
に対する御
質疑
がございましたら……。
苫米地英俊
27
○
苫米地英俊
君 これは
食糧庁長官
にお伺いしたいのですが、集荷手数料が百二十円かかっている。ところがその集荷手数料のほかに、集荷奨励金、集荷協力費というものが出ておるのですが、これが年額十億円に達する。この性質は、集荷手数料を出して、さらにこの集荷奨励金とか集荷協力質とかいうものを出さなければならない
理由
はどこにあるのでしょうか。
小倉武一
28
○
政府委員
(
小倉武一
君) 集荷手数料、これは俵当りいくらということでもちろん
計算
をいたしてございますが、通常の商業ベースと申しますか、そういうことで必ずしも
計算
して、集荷の諸
経費
が全部それでまかなえる性質のものでも必ずしもございませんということがある一方、他方集荷につきましては、やはり全体の集荷の目標が達せられますように、集荷の機関がいろいろ仕事があるわけでございます。そういう意味で、集荷を奨励する、供出でもって、何と申しますか、権力でもって集めるということのほかに、やはりいろいろ説得をし勧めるという意味での奨励的なことで配分した方がより集荷がうまくいくということもございますので、そういう意味での集荷奨励金を、これはもっぱら集荷機関でございますが、そういうものに渡すために計上いたしておるわけでございます。 なお、集荷協力費のことにつきましては、これは主として、そういう直接の集荷機関ではございませんで、集荷についていろいろの仕事をする、あるいは行政をやる、府県でありまするとか、あるいは市町村、そういったものに主として配分する、どちらかと申しますと、行政的な、事務費的なものでございまして、手数料とはだいぶ性格が違っているように存ずるのであります。
苫米地英俊
29
○
苫米地英俊
君 今の
説明
を聞いておりましても、集荷の奨励金を出さなければならないと、これは予約
制度
であって、予約したものを集めるのであって、奨励金を集荷機関に出さなければ、普通の手数料だけでは集めてくれないというのは、これはどういうわけだか私わからないのです。それからして集荷協力費、これは市町村等の役所にかかるから、協力してもらう、説得してもらうと……、私はそういう問題までくれば、一体食糧を統制しておるということが、いたずらに
経費
を増すだけで、統制を今後解いてしまう方がいいのではないかと、こう考えられるのです。この点はいかがですか。
小倉武一
30
○
政府委員
(
小倉武一
君) この食糧の集荷等に要します
経費
でございますが、この
経費
について、ただいま具体的なお尋ねは、集荷奨励金と集荷の協力費でございまするが、統制撤廃との関連において、統制のための諸
経費
がこんなにかかるのでは、むしろ統制しない方が経済的になるのではないかと、こういう御議論でございまするが、必ずしも現在の
政府
経理が全部合理的なものである、あるいは
政府
経理以外の配給上のその他の諸
経費
が全部合理的なものであって、一つも節約の余地がないというわけではもちろんございません。そういう点については、できるだけ節約をしなければならぬと存じております。 それから、ただいま
お話
の奨励金、協力費につきましても、前
年度
と比べていただきますと、前
年度
の
予算
よりは相当削減を実はいたしております。予約
制度
がまだ始まりまして今年で三回目になるわけでございますけれども、その間やはり、ただ普通の自由な商品を予約して集めるというだけではございませんで、そこにいろいろ、予約によって契約をいたします場合にも、できるだけ量的なものを確保する、また予約した上で、その予約に応じて
政府
に売り渡す義務を遂行してもらう、こういったいろいろなやはり奨励的な、指導的な諸費用が要りますので、従来とも計上して参ったわけでございます。一つはこれは、米の需給の
関係
もございます。昨今のように非常な豊作でございますれば、何となくおのずから米が集まったようにも考えられないこともございませんが、それでもやはり必ずしも簡単にそうばかりとは言い切れないものがございまするし、一たん作柄が悪いと、あるいは
経済情勢
が少し不安になると、こういうことでございまするというと、なかなかこれまた自然に集まるという分量を待っておったのでは、基本配給の分量すらなかなか集荷ができないというおそれもございます。そういう意味で、経常的に最小
限度
要るものをできるだけ
予算
に計上しておくと、こういうつもりで計上しておるわけであります。諸
経費
の
合理化
につきましては、これはお説を待つまでもなく、できるだけ節減と
合理化
に努めていきたいと、かように存じておるわけでございます。
苫米地英俊
31
○
苫米地英俊
君 この奨励金とか、集荷協力費とか、手数料とか、こういうものは地域が狭くて比較的いい条件のところも、条件の悪いところも差別してやることはできないと思うのです。みんな平等であると思うのです。そうすると、米どころで比較的簡単に集まるところは楽をしておって、うんともらう。そうしてむずかしいところは、米を売ってやはり同じだけしかもらえないということになりますというと、不利益な土地はこういう費用をよけいに要求して、よけいに要求する声が強くて、それによってまたこれがふえていくということになって、なかなかこれを減らすということは困難であろうと思います。ことに中間
経費
の中には、なかなか少なからざる
経費
がある。集荷協力費というやつはすでに九十五億、こういうものを加えてみるというと、非常な不合理のものになっておるように考えられるのですが、今でもおそらく集荷に困難なところ、地域の広いところ、そういうところでもっとふやしてくれというような要求がないのでありますか。
小倉武一
32
○
政府委員
(
小倉武一
君) これは
お話
のように集荷と申しましても、地域によりまして、あるいは作柄によりまして非常に困難をしながら、予約を遂行するところと、予想以上の作柄によって非常に集荷自体が円滑にいくというところがありまして、この間不公平があったり、あるいはそうでなくても、むしろ非常に集荷に困難のようなところがベースになって、そこによって
経費
の要求が出て参りまして、その辺からむしろ
経費
がふえてくるというような心配がないかというお尋ねでございましたが、もちろん地域によりましてあるいは災害等の
関係
がございまするというと、よけい事務的な手数がかかるということはございます。そういう点はもちろん原則としてあらかじめ予定をするわけではございませんけれども、協力費等の配分におきましてはそういう点は多少ながら勘案してやっております。 それからただいまの協力費、ないし奨励金もこの一両年、予約
制度
になりまして以来、漸次圧縮して今日に至っております。従いましてよほどの特別な
事情
のない限り漸増する、ふえるということはなく、できるだけ予約
制度
が軌道に乗りますとともに、圧縮を当然すべき性質のものである、そうまたできるものと考えております。
苫米地英俊
33
○
苫米地英俊
君 予約
制度
ができてから、圧縮してきたという
お話
ですが、その圧縮はどの
程度
されたかお示しを願いたい。
小倉武一
34
○
政府委員
(
小倉武一
君) 奨励金でございますが、これは三十
年度
は八億をちょっとこえておりましたが、三十二
年度
では七億になっております。それから協力費の方でございますが、三十
年度
では三億七千万でございましたが、三十二
年度
は二億五千万円というふうに、三十一
年度
は略しましたが、漸減をいたしておるのであります。
苫米地英俊
35
○
苫米地英俊
君 それから
外国
から食糧を
輸入
するのが、どうも農林省は無責任というか、
外国
貿易を知らないで
外国
貿易をやっておるのか、その点について私ははなはだしい疑問を持っているのです。それは衆議院においての
お話
であったのですけれども、ギリシャの船によって近東地区から
日本
に米を
輸入
するときに、その船が沈没してしまったという事件のときに聞いてみたところが、とんでもない見当違いの答弁をしているのです。損害があったら船会社に要求するといったような、これは全然もう
外国
貿易の知識を持っていない答弁で、私はあきれたのでありますけれども、その後改善されたことと存じますけれども、現在でも船荷証券を呈示すれば、概算払いをやる、こういう貿易の仕方はどこにもないので、これは国費であるから、そういうことをおやりになるだろうと思いますけれども、
外国
から黄変米などが入ってきて、その処分というようなものを見ておっても、私どもどうしても割り切れない気分がするのであります。こういう
輸入
手続については、私は改良すべき点がたくさんあるし、またこういう
外国
から食糧を
輸入
するのには、もう少し専門の知識のある人を使う必要があると思いますが、この点について、
食糧庁長官
はどういうお考えを持っておられますか。
小倉武一
36
○
政府委員
(
小倉武一
君)
お話
のように、
外国食糧
を
輸入
します場合に、やり方によりましては
経費
を節減することもできますし、また他の貿易との
関係
において、貿易振興の一翼をになうことができるという面もございまするし、そういった面で貿易ということを考えまして、事柄を推し進める必要があるという御説は、まさににその通りでございまして、少しも異論をはさむ余地はございません。私ども必ずしもそういう貿易の専門家が部内にたくさんおりませんで、おしかりを受ける次第でございますが、そういう点についてはできるだけ今後充実をして参りたいと存じます。 なお、この
外国食糧
の
輸入
の仕方その他まあ協定的な事柄につきましては、外務、通産等ともよく協議をいたしております。なお、実務につきましては、
お話
のように諸掛りにつきまして
合理化
すべき点はあるかと存じます。また適格なものを
輸入
するという意味において
輸入
の手続その他について改善を加えなければならぬ点もあろうかと存じますが、まだ必ずしも十分でないかと存じますが、たとえば病変米の検査等につきましては、一、二年来特段の力を入れて諸業務の改善を実は実施して参っておるような次第であります。
苫米地英俊
37
○
苫米地英俊
君 この食糧の卸値段と小売値段のマージン、先ほども
野溝
委員
から
お話
がありましたが、これについては単にふすまとか豆とかいうものに限らず、ほかのものについても、これには相当私ども疑惑を持っておるが、この黄変米処理あたりでも、先ほど
野溝
委員
が言われたような疑惑を持たれる点が多々ありましたが、この卸と小売のマージンについてどういうふうにお考えになっておるか。今のままでいい、もしくは改良しなければならぬとお考えになっておるか、その点を
食糧庁長官
にお伺いしたいと思います。
小倉武一
38
○
政府委員
(
小倉武一
君) 今のままでいいというふうには必ずしも考えておりません。これは営団が解体後今日まで、卸の、恒久的と申しますか、そういう長期的なあり方について必ずしも十分の
検討
がついていないままに、今日に及んでおるというような事態でございまするし、一方また米の配給量も、全般的に申しますれば、食糧
事情
がこの一、二年の間に非常に急変してきたというようなことも背後にあるのでございます。この間地域的な調整といったようなこともございますし、また卸、小売の間のマージンの調整といったようなこともあります。いろいろ改善もしなければならぬ点は多々あると存じます。ただその場合に、もとに戻るわけでございますが、卸、小売というもののあり方、あるいは機能と、それから今後の食糧の需給
状況
、特に米の配給壁といったようなもの等をにらみ合して、公正なマージンを設けるようにすることに努めたいと、かように存じておるのであります。
苫米地英俊
39
○
苫米地英俊
君 私は、このマージン問題を解決するためには、いわゆるトンネル会社を廃止するということが一番先だと思うのですが、(「賛成だ」と呼ぶ者あり)いや、僕はそう思うのですよ。一体こういうトンネル会社が存在しておる限りは、これはどうもマージン問題は解決しないと思うのですが、これを廃止することについては、どういうお考えを持っておられますか。
小倉武一
40
○
政府委員
(
小倉武一
君) トンネル会社という意味合いがよくわかりかねますが、(笑声)おそらく卸の業務をやっておるものの中で、いわゆるトンネル会社的な役割しか果していないものがある。そういうものについて考えなくちゃいかぬ。こういう御質問だと思いますが、私どもも、現在の卸の企業がそのままで全面的にいいというふうには決して考えておりません。御指摘のようなトンネル会社的な機能しか果しておらぬ卸というものについては、これは是正すべきであるというふうに考えております。ただ、おしかりを受けるかもしれませんが、その実態についてもう少し
検討
する必要も実はあるように思っておりますので、そういう実態の
検討
とともに改善の方策も立てたい、かように存じておるのであります。
苫米地英俊
41
○
苫米地英俊
君 トンネル会社の実態がおわかりにならなければ、これはお調べになればすぐわかります。それは農林省にごく近い人々が
関係
しておるから、民間にいけば、どうも、あそこを通さなければ払い下げができないとか、困難だとかいうことを、私どもしばしば聞かされるのです。どうもそれが、だんだん聞いてみると、
事業
のように考えられる。それからまた非常に政治勢力によって不当な払い下げなども行われておることも、私、耳にするのです。こういうことも、これはそういう政治勢力で
食糧庁長官
を動かすことはよくないけれども、同時に、動かされる方もよくない。あなたの時代じゃないだろうと思いますがね。しかし、こういうことについても、私はこの
食管会計
については、この際十分に反省していただきたいと思います。これは御答弁を要求はいたしません。私の意見だけ申し上げておきます。
栗山良夫
42
○栗山良夫君 私、今いただいた
資料
でちょっとお伺いいたしますが、この一番最初から二枚目、二ページにありまする
外国食糧
ですね。これはずっと既往の買付分も入っておるのですか。
小倉武一
43
○
政府委員
(
小倉武一
君) この左の方は三十一
会計年度
のことでございまするので、どちらかと申しますと、既往の
部分
が大
部分
でありますが、右の方は、これは三十二
会計年度
に属しますもので、既往のものはほとんど入っておりません。ただ、タイ、ビルマ等から
輸入
するものについては、話し合いは進めておりまするが、それについては、既往と言えるかもしれませんが、大
部分
が今後の、特に到着ベースでやっておりますから、全部そういう意味では新しいものであります。ただ買入れのための話し合いの現に進行中のものが若干は入っております。
栗山良夫
44
○栗山良夫君 そうしますと、左側が既往の分で、もうすでに在庫になっておる分で、右側の方がこれから新しく買付をする、そういう工合に解していいわけですね。そうしますと、この既往の分の中にいわゆる黄変米というやつはどのくらい
数量
が入っておりますか。
小倉武一
45
○
政府委員
(
小倉武一
君) この左の方のは、既往と申しましても、全部がもう到着したわけではございませんで、まだ二、三ヵ月ございまするので、そういうものはもちろん着いておりません。そういうようにお考えいただいてよろしいと思います。黄変米はここには入っておりません。 この黄変米が
昭和
二十七、八年のころから出て参ったのでありますが、その後非常に多量になりましたのは、
昭和
三十年初めごろ十五万トンを超えた時代がございましたけれども、その後、輸出する国の方もそうでございますが、特に
日本
の方において
輸入
する際に、買付をする際にいろいろ苦心をし、また買付の方法について改善を加える等によりまして、その後は入ってきておりませんので、従いましてここには計上してございません。
栗山良夫
46
○栗山良夫君 その黄変米の、今
特別会計
の中で在庫になっておる絶対量はどれくらいありますか。
小倉武一
47
○
政府委員
(
小倉武一
君) 二月一日でございますが、十一万七千トン在庫がございます。
栗山良夫
48
○栗山良夫君 これはその処分をする見通しは計画的に立っていますか。それとも立っていませんか。
小倉武一
49
○
政府委員
(
小倉武一
君) 処分の見通しは漸次立てつつあるという段階であります。 簡単に申しますと、黄変米と申しましても、その中にいろいろ質的に違うものがございまして、非常に病原菌がたくさん付いておりまして、工業原料にしかならない分と、それからほとんど問題がなくて、加工食糧等に回し得るものと、そういうものの間の中間のものと、三通りあるということがその後在庫の調査でわかって参りました。もう一つは検査、検定の方法も、当初は肉眼では判定できなかったのでありますが、その後専門家が見れば、大体いいものと、非常に悪いもの、あるいは中間のものと、こういった大よその見当は、肉眼でも見当がつくといったような段階になりましたので、まず肉眼でそういう区分けをする、上中下の区分けをする。そうして、上に属するものにつきましては、菌検定をいたしまして、菌検定の結果、無菌と、はっきりとこういう証明がつきますものは加工食糧に回す。それから、初めからだめであるといいますか、下に属したものにつきましては工業原料に回すというふうな方針を立てております。中に属するもの、これにつきましては、なおサンプルのとり方、どういうふうにさらに区分けするかということについては、目下
検討
中でございます。
栗山良夫
50
○栗山良夫君 私どもこの黄変米については理論的に勉強しておるわけじゃありませんが、聞くところによりますと、カビの繁殖が長期に貯蔵すればするほど激しくなって、質が劣化していくということを聞いておるのですが、そういうことはありますか。
小倉武一
51
○
政府委員
(
小倉武一
君) これは一つには、保存、手入れ、管理のやり方によると思います。病変米の入っておる倉庫につきましても非常に注意をいたしておりますので、蔵入れ後、特にその病変菌が蔓延をしているという事実は私ども聞いておりません。
栗山良夫
52
○栗山良夫君 この十一万七千トンに対する倉敷料というのは一年にどれくらい要りますか。
小倉武一
53
○
政府委員
(
小倉武一
君) 年に三億数千万円です。
栗山良夫
54
○栗山良夫君 これは前に草葉厚生
大臣
の時代に問題になったものでありますから、ずいぶん前の話であります。そうして、あのときも、こういう食糧の用に供し得ないような怪しげな
外米
を
輸入
したことについて、先ほど
お話
のありましたトンネル会社との
関係
もあって、ずいぶん問題になったものです。これを食糧庁として、倉敷料が年にこれだけ要るということについても、国家に相当の
負担
をかけておるわけですから、私は、もう使えないものは使えないものとして緊急に処分をせられるよう、こういうところに食糧庁の
特別会計
について世論からとかく言われる、風評が出てくるわけです。私は、一番極端な風評を一つ御披露申し上げますと、私、長官の話で了解しましたが、こういうものを長く貯蔵しておくと、だんだんカビが蔓延をして
程度
が悪くなる。悪くなれば、そこで初めて捨て値のようにして処分してしまう。そこに相当のまた利権もからむんじゃないか。ここまでも極言する人が現実にあるわけです。従って、そういうことは、あなた方のお耳に入ってないことではないと思います。従って、そういうことを十分理解されればされるほど、緊急にこれは処分をして、そうして国家に対する
損失
を少しでも
軽減
するように最大限の努力をせられるべきだ、私はこう思いますが、そういうことについてどうも今まで努力をせられたという具体的の実績を私ども知らないわけです。 今
お話
になりました処分案につきましても、もう草葉厚生
大臣
から数年間たっておる今日においてお聞きをするのにしては、あまりにも具体性のない御答弁だと思います。従いまして、次回でよろしいから、この黄変米の処分等につきまして、要すれば省内の態度を御決定になってもよろしいし、あるいは閣議で御決定になってもけっこうですが、もう少し具体性のある態度というものをお聞かせ願いたい。こういうふうに私は思います。これは
食糧庁長官
いかがです。
廣瀬久忠
55
○
委員長
(
廣瀬久忠
君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
廣瀬久忠
56
○
委員長
(
廣瀬久忠
君) 速記をつけて。
栗山良夫
57
○栗山良夫君
食糧庁長官
の、私の今の質問の途中から出てきました要請について、仰せられる用意があるかどうかということを、まずお聞きしておかないと、問題にならないと思います。
小倉武一
58
○
政府委員
(
小倉武一
君) 先ほど申し上げたことは別段抽象的なことを申し上げたのではないので、非常に具体的なことを実は申し上げたと思っておるのでありますが、なおお尋ねによりまして、いろいろお答えをしてよろしいと思いますが、急速にやるという必要性のあることは、私どもも、もちろん当然しかるべきものと、かように考えております。同時に、おこがましいようなことでございまするけれども、できるだけ損は少くするということもまた考えなくちゃいけないわけでございます。従いまして、この病変の
状況
によっては、たとえばトン当り五万円以上に売れますものがあるかといえば、他方二万円
程度
にしか売れない。こういうことに相なりますものでありますから、そのへんの仕分け、五万円
程度
に売れるものと、工業用等に安くしか売れないものとに仕分けすることが一番大切なことになるわけであります。目下そういう仕分けの方法について
検討
を加え、ある
程度
のめどがついて参りましたので、そういう仕分けに応じて作業を進め、上質ものについては加工食糧等に、それから下のものについては工業用等に処分する。こういう方針を実は立てておるのであります。そういう方針のもとで昨年の秋ごろから漸次進めて参っておりまして、先ほど申しましたような在庫に実は現在はなっておるのであります。どの
程度
の需要が見込まれるかと申しますと、これは一般の工業用原料でありますと大量に捌けますけれども、一つは
価格
が安いという点と、もう一つは他のアルコール原料等を総合いたしまして、そこにやはりまたむずかしい問題が生じてきます。そういうこともありますので、一般の工業用アルコールというものに大量を期待するわけには参りません。加工用としましては、「のり」でありますとか、あるいは「しょうちゅう」の原料でありますとか、そういったものに向ける。それから良質のものは加工食糧として相当量のものがはける
見込み
でおるのであります。そういうことで漸次処分の方針が立って参っておりますし、一部
実行
に移しておるのであります。
栗山良夫
59
○栗山良夫君 私がお尋ねしておるのは、いまここで突然黄変米ということが問題になって、そうしてそれの処分方法などについて新らしい問題として提起しておるのならば、あなたの御
説明
の
程度
で私は了解をしたいと思います。しかしもう数年前にこれは問題になって、その問題になったときに、あなたが今お述べになったと同じような構想で進むということが答弁にあったわけであります。しかも今日までこれをどういう工合に具体的にするということがきまっていないから、質問を繰り返しているのです。もし私の
質疑
に対してさらに親切に答えられるならば、草葉厚生
大臣
のときに問題になったときから直ぐに仕事に着手せられて、今日までどういうような作業をしてこられたか。全国的に倉庫がありますが、これは大体きまっておるでしょう。そのきまっておる倉庫を別にして、どういうふうな品質検査をして、どういう仕分けをして、そうしてその処分がどの
程度
に今まで済んだか、そういうことをやはりお聞かせを願う必要があろうと私は思います。今までの既往の具体的な努力はどうせられたか。十一万トンというような膨大な
数量
ですが、これは大体おそらく各港の倉に入っておるわけですが、最近、港の倉が大へん狭隘だというので、設備投資でどんどん倉ができております。こういうものを処分してしまえばその庫があくわけですから、むだな設備投資をして倉を作る必要がないわけであります。従って通俗的な言葉でいえば、農林省がもてあましておる品物がある。もてあましておる品物というものは一刻も早く処分すべきだと私は考えております。従って、ただいまの答弁だけでは私はちょっと具体性に欠けるので、了解いたしかねます。従ってこの法案の取扱いの途中において、黄変米が問題になりましてから今日までの、具体的な現品についての農林省の扱われた経過、それから今とられようとしておられる方法、これは全国の倉庫別に出していただけばわかると思います。しかも倉庫別にどういう仕分けにするか。今あなたは三つに分けられたが、三つはどういうふうに仕分けができるか、そういう細かい
資料
を出していただきたい。それによってさらに質問を続けていく、こういうことにいたしたいと私は思います。(「異議なし」「賛成」と呼ぶ者あり)
野溝勝
60
○
野溝勝
君 その
資料
の要求は、一つ次の機会に提示してもらいたい。 それから関連してちょっと聞いておきたいんですが、この渡された
資料
の中に、きょうは主計局長森永さんもいらっしゃるから、御両氏にお聞きしておきたいんですが、この四枚目に、「内麦」の次に「
外国食糧
」というのがあります。「
外国食糧
」という中に「準
内地米
」というのがありますね。これは実際われわれ
日本
人にはわからぬ。これは私どもは、戦争前には台湾米や朝鮮米のことを指定
外米
と言ったんですが、まあ準
内地米
のことは、やっぱり指定
外米
と言っているらしいんでございますが、指定
外米
と言うならわかるんです。しかし台湾などはもう
日本
の国じゃないんですから、準
内地米
という言葉がちょっとおかしいんです。ですから、この点は一つ私は改めた方がいいと思うんです。やはり
外国食糧
と書いてあれば、準
内地米
というのは何だか
日本
人にはわからない。そうでしょう。われわれの常識じゃわかりませんよ。だから、これはやっぱり指定
外米
というような、あなたたちがよく使われておる言葉ですね、その方がわかりがいいと思うんですが、
説明
を一々しなければわからぬようなことでない方がいいと思うんでございますが、この点一つ考える用意があるかどうか、お伺いしておきたいと思うんです。
小倉武一
61
○
政府委員
(
小倉武一
君)
外米
のうちに細長いものと丸いものとございまして、丸い方の、品質的にも
内地米
に近いものを指定
外米
、また準
内地米
、こういうふうに申しております。指定
外米
としても一向差しつかえないのでございますが、両方従来使っておりまするので、時たまいろいろ出て御迷惑をかけておると存じます。まあできるだけ御趣旨に沿うようにいたします。
野溝勝
62
○
野溝勝
君 まことに率直な御答弁でございまして、
日本
人にはわかりがいいんでございますから、さように一つ今後両官庁において御修正を願いたいと思います。これは私が言うんでなくて、あなた方のお役人の仲間でもそう言われておるんです。何とかこれを一つ
整備
して——
整備
といいますか、一つ統一してもらいたいということを言って、われわれも一々
説明
しなければならないのは骨が折れると言っていますから。
小倉
さんから御
説明
されたことについて、まことに私は満足です。
天田勝正
63
○天田勝正君 これは今お伺いして答弁をいただければそれでよろしいし、答弁がいただけなければ、さっき栗山君の
資料
要求とともに次の機会に
資料
を出していただきたい問題でありますが、それは、かねがね衆参両院ともに、農林
委員会
、決算
委員会
等で問題になり、また
会計
検査院等でも問題になりました麻袋の処理でありますが、あれが幾たびか注意されたにもかかわらず、一向われわれから見ればむだだと思われるほどの
買い入れ
を行なっておる。この問題の処理は一体どうなっておりますか。もし今直ちに答弁ができなければ、これまた
資料
をもって一つ御提出賜わりたい。以上です。
小倉武一
64
○
政府委員
(
小倉武一
君)
お話
のように
資料
をもってお答えした方がいいと存じますが、当時問題になりました麻袋は、もうすでに全部処分し済みでございます。その後食糧庁といたしましては、じかに麻袋を買って調製をするということはいたしておりません。まあごく例外的に、保管、管理の試験をするために必要な麻袋をごくわずか買うということはございますけれども、一般の包装用の麻袋をみずから買うということはいたしておりませんので、現在麻袋の手持ちというものはないと申し上げてよろしいのであります。 経過につきましては、
お話
のように、あるいは
資料
でお出しした方がよろしいかと思います。
天田勝正
65
○天田勝正君 それが若干言葉は違いますけれども、必要最小限のものしか買ってないと、こういうことが当時でも言われておって、今は、長官の言葉では、多少のニュアンスは違うけれども、まあ試験用とか何とかいう言葉でやはりこれは買っておられる、そうすると、今まで御提出になった
資料
の中の諸
経費
二百七十九億ですか、こういう
部分
に多分それが入っておるのだと思いますので、そこで私は、次の機会に一つ
資料
の御提出を賜わりたい。要求しておきます。
廣瀬久忠
66
○
委員長
(
廣瀬久忠
君) それではよろしゅうございますか。速記をとめて。 〔速記中止〕
廣瀬久忠
67
○
委員長
(
廣瀬久忠
君) それでは速記をつけて。 本日はこの
程度
に
質疑
をとどめまして、散会をいたします。 午後三時三十七分散会 —————・—————