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参考人(江崎千準君)
中小企業金融公庫の
本年度に入りまして今日までの貸付の
状況、特に金融引締措置がとられまして以降の公庫といたしましてとりました措置並びに今後の公庫といたしましての資金
事情の見通し並びに公庫資金に対する
需要の
関係等につきまして簡単に御
説明申し上げます。詳細につきましてはお
手元に配布いたしました「三十二年貸付計画の改訂経過と金融引締めの影響浸透に伴う今後の見透しについて」、こういうパンフレットがございますので、これをごらんいただきたいのでございまするが、私はごく要点を以下かいつまんで御
説明申し上げたいと思います。
最初に五ページに、三十二
年度改訂貸付計画という表がございまするので、これに基きまして御
説明申し上げますると、三十二
年度におきましては、当公庫といたしまして、当初年間四百十五億の貸付計画を
年度の初めにおきまして立てたのでございます。ところがこの六月に、金融引き締め措置に伴いまする総合対策がとられることになりまして、その対策の一環と、いたしまして
中小企業金融公庫につきましても、第四四半期の借り入れ分を、六月以降第二四半期及び第三四半期に繰り上げまして、貸付計画を改訂しようということになりまして、ここにございますような改訂計画を立てた次第でございます。第一四半期は、当初百二億の計画でございましたのを、六月に入りまして十九億ほどの増額をいたしまして、第一四半期全体といたしましては、百二十一億の貸付を実行いたした次第でございます。これがためには当初の借り入れ計画三十五億円を十億円
増加いたしまして四十五億円の借り入れを認めていただいた次第でございます。第二四半期は、当初計画九十億円の貸付計画に対しまして四十五億円プラスいたしまして、百三十五億円の貸付計画を立てまして五割増しの大幅な
増加の計画を立てた次第でございます。これがためには当初の私どもの借り入れ計画は五十六億円でございましたけれども、これを三十七億円
増加いたしまして九十三億円借り入れることといたしました。その他回収金の増額等を足しまして、今日の見通しではこの百三十五億円の貸付計画は大体計画
通りに実行できるものと考えております。
以上申し述べましたように、この六月以降九月までの間におきましては、特に
政府資金の繰り上げと借り入れの措置をおとりいただきました結果、かなり大幅な貸付増の結果を見ることになったのでございまするが、これに対しまして公庫資金の
需要の
関係はどのようなことであったかという点につきまして、以下簡単に申し述べたいと思います。
元へ戻りまして二ページになるのでございますが、今
年度に入りましてから公庫資金の
需要に対しまするところの資金の供給量の
割合というものは、別表第一に示す
通りに、まあ非常に低くなっておるということでございます。第一四半期の期の初めの資金
需要は二百二十億円でございました。大体この数字は前
年度の同期と比べてみますと四三%の
増加になっておるということでございます。申し忘れましたが、ただいま御
説明申し上げている数字は代理貸しの資金
需要の数字でございます。直接貸付の数字につきましてはのちほど申し上げます。これに対しまして代理貸しに対する資金の供給は百十一億円でございましたので
需要に対しまして五〇%充足という数字が出ておるわけでございます。第二四半期の期の初めに調べました資金の
需要は二百六十八億円でございまして、この資金の
需要は昨年の同期と比べて見ますと五六%の
増加ということになっております。これを前期、すなわち三十二
年度の第一四半期に比べて見ますと二二%の
増加と、こういうことでございまして、二百六十八億円の
需要に対しまして、供給いたしますところの資金は百十五億円でございまするので、充足率といたしましては四三%ということになっているわけでございます。第三四半期の資金の
需要はどの程度でありまするかということは、今日のところまだ予想でございまするが、今日までの資金
需要の
増加の傾向から考えまして、大体三百二十億円くらいの資金
需要があるのではなかろうかというふうにまあ考えております。なお、第四四半期につきましては、二百二十五億円くらいの資金
需要があるのではないかというふうに考えております。特にこの第三四半期につきましては年末を控えておりますので、かなり資金の
需要は旺盛であろうというふうに考えておる次第でございます。これに対しましてどのような今後貸付の計画になっているかという点は、五ページの貸付計画の表に戻りまして御
説明申し上げますると、第三四半期は当初百三十億円の貸付計画でございましたのでございまするが、総合対策のとられまするときに、借り入れの金額をさらに十億円ふやしていただきまして、さらに回収増等も
見込みまして十六億円
増加いたしまして、百四十六億円の貸付をする計画を今日立てているのでございます。ところが第四四半期は借り入れの当初
予定されました五十七億円の、
政府からの借り入れはすべて第三四半期以前におきまして繰り上げてお借りすることになりましたので、借り入れの計画は今日のところといたしましてはゼロでございまして、今日のところといたしましては第四四半期はもっぱら回収金の範囲内で貸付をせざるを得ないというような
状況になっております。そういたしますると、大体四十億くらいの貸付ができるのではないかというふうに考えておるわけでございますが、以上御
説明いたしましたような次第でございまして、改訂いたしました貸付計画によりますると、回収増等を含めまして大体四百四十二億円くらいの貸付ができるのではないかというふうに今日考えている次第でございます。
次に、直接貸付の資金
需要の伸びにつきまして簡単に御
説明いたしまするが、特に金融引き締め措置がとられましてから、公庫への直接の貸付の申し込みは、毎月二十億円を下らないところの申し込みをしていただいておるというような
状況でございます。前年に比べますと約倍額の申し込みということになるのでございます。(「何ページですか」と呼ぶ者あり)これは三ページの中ごろでございます。今後も代理店からの面接貸付のあっせんでございますとか、あるいは下請企業から金繰りのために親企業によるところの貸付のあっせん等も加わってくると思いますので、直接貸しの申し込みはさらにますますふえるのではないかというふうに考えておるような次第でございます。
以上のような
状況でございまして、当公庫といたしましては、今後第三四半期以降——先般総合対策によってとられました六十億円の繰り上げ措置によりまして、幸いにして六月以降九月までの間におきましては、かなり大幅な貸付の
増加をすることができたのでございますが、第三四半期以降におきましては、十分な資金手当が今日までのところまだついていないというのが現状でございます。
そこで、公庫といたしましては、大体どの程度この資金
需要に対しまして充足していったならばよかろうかということを大体考えましたのが、以下御
説明いたしまするような案でございまして、十一ページにございまする「三十二
年度貸付計画要望案」というのがございます。これは、第三四半期、ただいま御
説明いたしました
通りに、百四十六億円の計画でございます。
内訳を申し上げますと、代理貸しが百二十六億円、直接貸しが二十億円というのでございまするが、これに、さらに二十五億円
増加いたしまして、百七十一億円ぐらいの貸付をいたしたらどうかというふうに要望する次第でございます。この百七十一億円の
内訳を申し上げますると、代理貸しに百五十一億円、直貸しに二十億円ということになるのでございまするが、大体さような貸付をいたしまするならば、さきに御
説明いたしました第三四半期の資金の
需要に対しまして、代理貸しにおきましては大体四八%程度の充足ができるのではないかというふうに考えます。特に、第三四半期は、年末を控えておりますし、また、先般でございました西九州なり、愛知、岐阜あたりの水害もございまして、当初考えなかったような資金
需要も出ておるような次第でございます。第四四半期につきましては、ここにございますように、四十億円、代理貸し二十億円、直貸し二十億円というこの計画をさらに改訂いたしまして、七十五億円プラスいたしまして、百十五億円の貸付計画にいたしましたらどうであろうかというふうに考えておるわけでございます。
内訳といたしましては、代理貸しが九十五億円、嵐貸しが二十億円ということでございまして、さようにいたしますれば、さきに御
説明いたしました第四四半期の資金の
需要予想といたしまして、二百二十五億円ぐらいあるのに対しまして、九十五億円の代理貸しの資金の供給といたしまして、四二%ぐらいの充足になるというふうな結果になるわけでございまして、年間を通じまして、結局、当公庫といたしましては、百億円の借り入れの増をお認めいただけるならば、はなはだ幸いであるというふうに考えた次第でございます。
公庫といたしましては、借り入れの限度は、当初の予算総則でおきめいただいておるわけでございまして、
本年度におきましては、二百億という限度が当初からきめられております。ぜひこの二百億円という借入限度を補正していただきまして、増額していただきまして、特に、ただいま御
説明いたしましたような、第三四半期以降の資金
需要に対しまして、適切な貸付計画の改訂ができますように御措置あらんことをお願い申し上げる次第でございます。
つけ加えて申し上げまするが、もう一冊の配付
資料の「金融引締の中小企業への影響」という冊子がございます。これは、詳細につきましてはごらんいただくことにいたしまして、簡単に御
説明だけ申し上げますると、私どもの代理店の店舗に対しまして、七月二十五日に、取扱店舖千三百二十六店に対しまして、金融引き締めの中小企業への影響につきましてアンケート
調査をいたしました。八月の半ばまでに回答がまとまりましたので、そのようなふうにまとめてみた次第でございまするけれども、その結論の概要を申しますると、金融引き締めの影響はかなり出ておるのでございまして、特に、大都市におきまして強く現われておるのでございまするが、今後さらにこれがその他の地方までも浸透して行くのであろうということになっております。そのような
事情でございまするので、中小公庫の資金
需要は非常にふえるであろうという結果になっております。特に、長期逆転資金の
需要が非常にふえるであろうというのがこの
調査の結果及びあらましの数字でございます。詳細につきましては、ごらんいただきましたら非常に幸いと存ずる次第でございます。
以上、はなはだ簡単でございまするが、私の方の資金
事情を述べまして今後のお願いを申し上げる次第でございます。