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1957-05-13 第26回国会 参議院 商工委員会 第32号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年五月十三日(月曜日)    午前十一時三十一分開会   —————————————   委員の異動 本日委員小西英雄君辞任につき、その 補欠として草葉隆圓君を議長において 指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     松澤 兼人君    理事            古池 信三君            西川彌平治君            阿具根 登君            近藤 信一君    委員            青柳 秀夫君            小幡 治和君            後藤 義隆君            白井  勇君            高橋進太郎君            高橋  衛君            三浦 義男君            阿部 竹松君            島   清君            相馬 助治君            藤田  進君            加藤 正人君            豊田 雅孝君            大竹平八郎君   国務大臣    通商産業大臣  水田三喜男君    国 務 大 臣 宇田 耕一君   政府委員    経済企画庁開発    部長      植田 俊雄君    通商産業省重工    業局長     鈴木 義雄君   事務局側    常任委員会専門    員       小田橋貞壽君   説明員    建設省計画局東    北興業株式会社    監理官     澤田 一精君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○東北興業株式会社法の一部を改正す  る法律案内閣提出衆議院送付) ○連合審査会開会の件 ○自転車競技法の一部を改正する法律  案(内閣提出衆議院送付) ○小型自動車競走法の一部を改正する  法律案内閣提出衆議院送付)   —————————————
  2. 近藤信一

    理事近藤信一君) これより委員会開会いたします。  午前中、委員長御所用のため、その委託によりまして私が委員長の職務を行います。  まず、東北興業株式会社法の一部を改正する法律案を議題といたします。本案につきましては、さきに提案理由説明及び内容説明を聴取いたしましたので、本日はこれより本案質疑に入ります。経済企画庁建設省及び大蔵省から関係者が出席されておりますから、御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
  3. 阿具根登

    ○阿具根登君 私はきょうは時間もございませんので、質問はいたしませんが、その前に資料要求をいたしたいと思います。二十四国会だったかと思いますが、東北興業株式会社の問題につきまして審議いたしました際には、きわめて膨大な資料をいただいたのでありますが、本日の審議に当りましては、ごく簡単な資料だけしかもらっておりません。そこで、資料を詳細にわたって出していただきたいと思います。  まず、現在までの東北興業株式会社業績政府出資融資総額会社幹部その他の変遷、特に業績につきましては、詳細なものを出していただきたい、かように思います。その資料が出ましてから、私は質問を続けたいと思いますので、次々に資料要求はいたしますが、さしあたって、これだけの資料では、私、質問に入るわけにもいきませんし、時間もございませんので、質問をする資料を先に述べましただけまず要求いたしたいと思います。
  4. 植田俊雄

    政府委員植田俊雄君) わかりました。
  5. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 ただいま阿具根委員から本案審議に当りまして詳細な資料要求を求めたわけでありますが、私、重複するかもしれませんが、東北興業開発というものは、御承知通り戦前からある会社でございまして、特に天然的に恵まれない土地に対しまして当時できた会社なんであります。そういう意味におきまして、存立そのものにわれわれは何ら異議を挾むものではないのでありますが、しかし、本案がまあ同僚諸君がいて恐縮なんでありますが、非常に政治的な意図が多分に盛られてできている。それだけに、この東北興業業績というようなものに対しましては、割合に一般の関心というものが薄いのであります。それだけにその内容にとかくの批評というものが生まれて参るわけなんでありますが、そういう点におきまして、逐次こまかい点はあらためて御質問申し上げますけれども、最近の、少くとも終戦直後の東北興業業績についての資料に拘泥せずして、説明できる範囲一つ承わりたいと思います。いろいろこまかい数字の点やその他は、今、阿具根委員要求による資料を見てまたいたしますけれども、大体の概要を一つ
  6. 植田俊雄

    政府委員植田俊雄君) お手元にお配りいたしております「会社の現況」に基いて御説明申し上げます。この会社の成立の沿革につきましては、御説明をいたす必要もないかと存じますが、終戦後の経過につきましては二ページ以降におきまして簡単に書いております。三行目の「昭和二十年終戦と共に国内経済事情も激変し、」云々というところでございますが、この会社は戦時中に戦争目的のために各種事業に着手いたしましたのでございますが、これらの事業で、戦後そのまま存続することのできないものもできて参りましたのでございますが、それと同時に戦後、法人に対する政府財政援助制限に関する法律というものが昭和二十一年にできまして、これができましたために、この会社に対する政府財政援助の道がふさがれたわけでございます。その他戦後こういった会社に対する各種制限がございましたので、そのためにこの会社事業が円滑に実施できないような情勢になって参ったのでございます。従いまして戦争直後、この会社子会社として株の出資をいたしておりましたのが七十数社あったわけでございますが、その子会社もだんだんと株を手離すというふうな状況になって参りまして、現在では子会社として株を持っておりますものが十七社という程度に相なっております。  そういう事情でございまして、この会社終戦後数年間は、単に既存事業を継続して実施するだけという程度になりまして、御承知福島石灰窒素工場木友亜炭鉱業所、この二つ中心にして経営して参ったのでございます。御承知通り、一昨年以来この会社セメント工業に新たに着手することに相なりまして、昨年の国会におきまして法律の一部改正をお願いいたしまして、十四億の資金をもって現在若手県セメント工場を建設中でございます。簡単でございますが……。
  7. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 具体的な問題について一、二お尋ねいたしたいのですが、東北興業が今御説明のように終戦後ほとんど忘れられたような格好になってきておることは、今御承知通りでありますが、しかし、何といっても相当財産として残っておるものもありまするし、それから最近の景況によって、そのために浮かび上ってきておるものもあるというようなわけなのでありますが、ことに塩釜にある造船所の問題ですが、これは太平洋沿岸といたしましては、御承知通り造船設備というものは、まあほとんどないのであります。特に塩釜は有名のいわゆる漁港地となっておるのでありまして、これはその大きな造船は必要もないし、ちょうど修繕が適当のように思われるのでありますが、果してこういうような海運の状況に対しまして、東北興業があの造船計画というものをそれにマッチさせるような一体方法をとったかどうかというような点について、一つ具体的に御解明を願いたい。
  8. 植田俊雄

    政府委員植田俊雄君) 東北ドック東北地方唯一造船所でございまして、これは気息えんえんとしておりますものを、何とかして回復いたしたいと思って、建設省所管時代におきましても努力いたして参ったことは、御承知通りでございますが、その後やはり経営がうまく参りませんので、現在閉鎖の状況になっております。経済企画庁といたしましても、この東北興業株式会社を引き継ぎました以上は、この会社で株の九〇%以上を持っておる子会社でございますので、これを軌道に乗せまして、東北地方の船舶の修理、その他に何とか寄与することが必要であろうと考えておるわけでございまして、今回の法律改正に伴いまして、先日も申し上げましたように、二十五億の資金が新たに追加されるわけでございますが、この資金の一部をもって、何とか東北ドック再建をはかって参りたいと考えておるわけでございます。
  9. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 そこで、私はまあ問題にしたいのでありますが、法律を作り、そうして政府援助さえあれば、ものができるのだというようなお考えでやられるということになりますというと、われわれは非常に考えなければならぬのであります。ことに、造船関係のごときは、千載一遇と言われるほどの、今好景気に遭遇したわけなんであります。こういうような絶好のチャンスを、しかももうごく簡単に、まあわれわれの常識から言えば、簡単にでき縛る漁船修繕等に対しまして、その千載一遇の時期、しかも太平洋岸にこれという造船所もないときに、あれだけの設備を持って、そうして手をこまねいてこの景気をながめておるというようなことは、私は実に経営陣の手腕を疑わざるを得ないし、かりに幾ら法律が、これからまた新しくできましても、それから援助ができましても、そういうような態度を続けて行かれるということは、われわれ議員としてもほんとうに考えなければならぬと思うのであります。一体こういうような千載一遇の時期に、それをやり得なかったという一体隘路というものはどこにあるのですか、またどこにあったのですか。
  10. 植田俊雄

    政府委員植田俊雄君) 東北ドック立地条件、その他については御承知のことかと存じますが、私ども塩釜湾地図等を見まして、第一に気つきますことは、ドック位置が比較的湾の奥の方にございまして、その前面の海面が比較的浅いということでございます。これも当時、これができました戦争中に、たしか駆逐艦程度造船できるようにということで作られたドックのように承知いたしておりますけれども、しかし、立地条件的に、ある程度今後政府等も応援いたしまして改善しないと、このドックとしての機能を果すのに十分でないうらみがあるのじゃなかろうかと考えております。それから私ども経済企画庁におりまして、この東北ドックの問題が昨年来国会でも取り上げられたことも承知いたしておりまして、せっかくのこの造船ブームの際にこのドックが活用されないことは、まことに遺憾に存じておった問題でございますので、ただいまのような立地条件上の若干の隘路もございますけれども、これも政府の政策さえよろしきを得れば解決できない問題でもございませんので、経済企画庁所管に移しました暁におきましては、相当の専門家にも十分御判定願いまして、また従来の経営上の悪い点がございますれば、この点も十分検討いたし、修正いたしまして、このドックドックとして立ち直るということを第一義的に置きまして、この会社再建をはかって参りたいと考えておるわけでございます。
  11. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 一般経営者常識からいたしまするならば、みすみす宝の山の持ちぐされというような感があるのでありまして、これはもうおそらく経済企画庁でも、私は腹の中は同感だと思うのであります。そういう点で、私はその一体隘路はどこにあるかという点をお尋ねしたわけなんでありますが、御承知通り、かつては駆逐艦もやり得るような建前でいったんでありますから、いわんや七百トン、八百トンの大きな漁船をこしらえたり、あるいは修繕するくらいのことは、これは当然なので、地の利云々というようなことは、今ごろ言うべきことじゃない。ことに、われわれが今ごろそんなことを聞く耳は持たない。そういう意味において根本的の問題ということになりますが、やはりそれだけに、いかにも東北興業には参議院にも衆議院にも大きなバックがあるというような安易な考え方が、この経営者の中にあるというような点が非常に問題になっておるわけであります。これは同僚諸君にはまことに相済まぬけれども、そういうような点になっておるのでありますが、その点から言いまして、私は大臣お尋ねをしたいのでありますが、ここに開発促進法の第六条に審議会は、委員三十五人以内で組織する。というのがあります。この中の「2、委員は、次に掲げる者について、内閣総理大臣が任命する。一、衆議院議員のうちから衆議院が指名する者五人、二、参議院議員のうちから参議院が指名する者三人、」とこうあるわけなんです。この改正案を見ますというと、国会議員八名というものがこの審議会に加わることになっておるのでありますが、われわれはこれは単に本案だけではないのでありますが、こういうような問題に、果して国会議員というものが直接タッチしていいものかどうか、あるいはわれわれの考え方から申しますならば、顧問とか何とか、そういうような不即不離の立場において国政を見るということが順当じゃないかと思うのでありますが、これにははっきり衆議院から五人、参議院から三人、こう載っておるわけです。とういうようなことが私は何か経営者に弛緩の空気を与えるのじゃないか。足りなくなれば一つ国会に陳情して、そうして何とかやってもらえるのだというような考え方が、ことに東北立地条件からいたしまして、これは与党も野党もみんな一つになって、出身議員がやられることはこれは御承知通りだ。そういう意味におきまして、これは他のいろいろな審議会との関連もありますが、この第六条の審議会委員の問題につきましては、大臣の御所見一つ承わりたい。
  12. 宇田耕一

    国務大臣宇田耕一君) 審議会審議事項の中に、「開発促進計画の作成の基準となるべき事項」というのが、任務の重要なものとして掲げられております。従って開発促進計画な作成いたします場合に、どうしても国会のそれぞれの衆参両院立場から発言をする機会を持つのが、われわれは計画重要性にかんがみて適当じゃないかと、こう考えておるわけでございます。そうして東北開発株式会社事業基準となるべき事項も、あわせて審議することになっておりますが、東北開発株式会社は本来の性格公社的性格を持っております。従ってこれの専業の基準となるべき事項審議等につきましては、ただいま考えておりますことは、衆参両院の中から適任者を求めて、そうして開発促進計画と相並行して、公団的性格を持つ東北開発株式会社事業基準に関する問題について検討をしてもらうのが順当だろうという立場から、これを考えておるわけであります。
  13. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 先ほども申し上げました通り東北は特異な、天然的に恵まれない状況から、木会社というものが設立せられたのでありますが、しかし、これは天然的にはそうでありましても、また、日本全体を見まするならは、地域的に必ずしも東北だけでなく、相当大きな問題の場所があるのであります。それでわれわれ議員といたしまするなら、あえて委員になるとかならぬとかいうようなことは、むしろ小さい問題であって、大所高所から大きく祖国のために努力をするというのは、これはもう国会議員任務なのでありまして、どうもこういう衆議院参議院委員に入れなきゃならぬというようなことは、私は決して当を得たものじゃないと、かように考えるのでありますが、これはまた、他の同僚諸君質問もあると思いますが、これはこの程度一つ打ち切りまして、さらに政府当局お尋ねをいたしたいのでありますが、この東北興業仕事の中に、先ほど説明もございましたセメントの問題があるのでありますが、これは何かドイツ機械を負うとか買わぬとかいうことで、だいぶ業界にセンセーションを与えたのでありますが、この問題並びにその後の状況は、具体的にどんな状況になっておるかという点を一つお尋ねしたい。
  14. 植田俊雄

    政府委員植田俊雄君) 昨年の国会を通過いたしまして、この法律の一部が改正せられまして、それに基いて九億の政府保証の社債を発行することになり、それに基いてシャフト・キルンによるセメントをこの会社が着手いたしたわけであります。シャフト・キルンにつきましては、五基をドイツに発注いたしまして、本年の六月に発送せられることになっております。それに関連いたしますところのミルその他の国内でまかないます機械につきましても、これも国内ですでに発注済みでございます。セメント工場位置は、御承知通り、岩手県の石灰石の一つ中心でございますところの松川地区にございまして、この地区における整地もすでに完了し、石灰石山のボーリングも終っておりますので、その方面手当は済んでおります。従いまして、ドイツに発注しました機械及び国内に発注しました機械の到着を待って、これを組み立てるわけでございます。建設省及びこの会社におきまして予定いたしました操業開始の時期でございますが、当初は本年の末を予定いたしておりましたが、機械ドイツに発注いたしますのに相当慎重を期しました等からいたしまして、操業開始になるのは来年の一月、二月ごろに相なるのじゃないかと考えている次第でございます。
  15. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 それからなおお尋ねをいたしたいことは、東北興業といたしまして、今後特に重点を置いてやりたい事業、また、それについての資金状況、こういうような点について概略御説明願います。
  16. 植田俊雄

    政府委員植田俊雄君) 今回東北開発株式会社となるに際しまして、政府の方で資金手当をいたしましたのは二十五億でございます。この二十五億の現在までの大体の割り振りを申し上げますと、新規事業に約十億円、既存事業強化に約八億円、それから今回の改正の重要な事項になっております産業立地条件整備に約七億円を予定いたしておる次第でございます。  新規事業といたしましては、現在までどういう事業をやるかということの決定をいたしておりません。これは会社の方で各種比較検討をお願いしまして、その中で最も東北開発上有効であり、また、採算的にも最もいいものを選びたいと考えているわけでございますが、候補の興業といたしましては、木材利用産業、あるいは砂鉄の開発天然ガス開発、あるいは水産物の貯蔵、加工といった事業を選びたいと思っております。しかし、資金といたしましてはわずかに十億でございますので、この全部に着手することは困難かと思いますので、このうちの一つあるいは二つを選ぶことになろうかと存じております。それから既存事業強化につきましては、先ほどお話しのございました東北ドック再建の問題もございますし、また、福島工場の増強あるいは木友亜炭鉱山の拡張、こういった問題もございまして、一応八億程度の予想を立てておるわけでございますけれども、東北ドック再建万策をどうするかということによりましても、若干資金的にも違ってくるかと思います。と申しますのは、東北ドックを単に東北開発会社側出資のみによって再建するのか、それとも現在でも東北興業会社子会社でございますから、他の民間会社と提携して、その方面出資を求める道もありますれば、所要の資金もそれだけ少くてもいいことになりますので、そういうふうなことでもいたしまして、既存事業強化の方の現在予定いたしております八億が相当節約できることになりますれば、その節約分も、新規事業の方に回したいと考えておるわけでございます。  次に、産業立地条件整備につきましては、工業用地の造成でございますとか、港湾荷役施設、あるいは上屋等で採算のとれるものを実施いたしたいと考えておるわけでございます。
  17. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 どうも話を承わりますと、せっかくこういう法案を出されるに当っても、計画が実にあいまいというか、甘いというか、まことに驚かざるを得ないのでありますが、ことに造船景気を初めとして、一般景気というものが、必ずしも今のようなし上昇景気をたどっていくのでなくして、すでに御承知通り、もう運賃なんか、国際運賃はだいぶん安くなりつつある。景気はどうなるかわからない、こういうときに、造船会社の問題一つ取り上げてみましても、確たる方針というものがないのですね。それだけに、この東北開発の問題というものが、世間の非難に当るということは、私は当然だと思うのであります。まあ、今のお話し造船会社一つの問題を取り上げましても、今時分、対民間とのタイアップのことなんかを考えておるなどということは、実に驚かざるを得ない。これはもう経営者やり方一つによりますなら、これはもう喜んで民間人たちは、私はとうに参加をして、そうしてやり得たと思うのであります。今ごろになって、宝をせっかく持っておって持ちぐされにして、これから民間との問題も考えるというようなことは、実際、重ねて申し上げますが、驚かざるを得ないのでありますが、政府は一体こういう問題につきまして、一々そうこまかく干渉していないのでありますか。
  18. 植田俊雄

    政府委員植田俊雄君) 経済企画庁といたしましては、ただいままではまだこの事業内容も十分に関与する余地もございませんでしたが、私、従来建設省におりまして、こういう直接の仕事は担当いたしませんでしたけれども、この仕事建設省方針承知いたしておりますのでとの範囲内におきましては、建設省は相当東北興業株式会社事業につきましては、相当援助し、また関与いたしておることも承知いたしております。
  19. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 時間がございませんから、あと一点だけ私の意見を申し上げたいと思いますが、とにかくこういういろいろお話を伺っても、どうもあなたもあまりこまかいことは御存じないようでありますし、それからこれはそういうことを申し上げていいかどうかわかりませんけれども、たびたび言う通り、まああまりやり過ぎると、政治的ないろいろな圧力も懸念をせられるという問題もあるかもしれませんけれども、また、これから子会社のいろんな今お話し計画をやられるのでありますが、そんなことをやっているうちに、また不景気がやってくるというようなことになりますると、また一年、二年もたたずして、そうして政府に大きなものを泣きついてくるというようなことが、必ずしも私はないとは断言できないのでありまするから、まあそういう意味におきまして、今あなたが申されました新規計画、あるいは既存計画の拡充というようなこと、取り上げまするのは天然ガスの問題とか、あるいは水産加工問題等もありまするが、これはできるだけ一つ迅速に計画を出させて、そうしてその時期を失しないように、よほど御監督を願いませんと、私が申し上げたような懸念すべき状態というものが再びまた出てくるのじゃないかという時になりまするというと、東北開発存在自体に対して国会からとかくの問題が起きるということも考えられるのでありまするが、そういう意味において一つやっていただきたいと思うのでありまするが、それについて御所見大臣から伺いたい。
  20. 宇田耕一

    国務大臣宇田耕一君) この事業内容の非常に違っておる事業持株会社のような格好で適当に経営していくということは、非常に困難なものと私たちは考えております。また、造船だけを考えみても、これは、一千トン以下の小型船を作るというのでありますから、たとえば、近海航路において中共との関係、あるいは朝鮮との関係がうまくいかない場合には、その程度のトン数の船の造船というものも、うまく軌道に乗らないのは、われわれの企業経験から考えても当然と考えられる。しかし、国際関係が非常に変って参りました場合には、これはまた、そのままで生かす方法はあると、こう思います。ただ、この塩釜ドック関係を調べてみますというと、どうしても港湾の浚渫その他、これを前提としてこのドックを使うための基本的な手直しをしなければならない点も、相当あるように思われます。いずれにいたしましても、直接、間接、投資をしております事業そのものを、まずどういうふうに整理をして、生かすべきものは生かしていく、あるいは整理すべきものは整理するということも、いずれ考えなけりゃならないと思いますが、それにつきましては、ただいままで建設省で主管をしておりました経過から考えてみますると、終戦後のいろいろの経済界変遷に応じて、どれもこれもの事業が悪かったというわけではないように見ております。中には、十二分な配当をしてそして、十分独立採算制をもって立っていける事業も相当あります。それで、将来見込みのあるものも、この中にはかなりあります。従って、環境がよろしくてうまく育っておるものを、下手にこっちの犠牲で手放して、そうしてうま味は他に吸われてしまって、後進性のある東北開発を結局は誹謗をするというようなことのないように考えなけりゃならないと思っております。事業の中でこれから手直しをしなければならない点も数点ありますが、しかし、すでに事業的に見て、かなり成功しておる面もあります。従って全部を、この既存事業を再検討をいたしまして、それで新しいものはどういう面から手をつけていくかと申しますると、やはり東北独特の特殊性のある資源、あるいは環境に合せてまずこの計画そして事業対策を立てなければならないと、こういうふうに思っております。従って、今までやっております事業の中で、セメントでありますとか、造船でありますとか、かなり資金的にも、技術的にもまた、経営者の能力におきましても、優秀さを必要とするのは御指摘の通りであります。そのほかに成功いたしておりまする面は、今後これをどういうふうにして、この会社の推進に役立たせるようにこれをうまくパイプをひっつけていくかということがあります。それから新規事業につきましては、東北の特殊環境に応じた、どこでもやっていけるようなことをここに持ち込んでいかずに、むしろ東北でなければやれないようなものを先に持っていって、東北の環境の特殊性に合せるように配慮すればいい、こういうふうに思っております。
  21. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 最後に、いま一点伺いたいのでありますが、とかくこういう公団風の組織というものは、えてして役人のうば捨て山的な感じを持つととが多いのでありますが、これはもう東北各県の知事がいろんな意味において御関係をすることは、設立の立場からいって、これは当然と思うのでありますが、現在役員として出されておる者が総裁以下監事を入れまして八人あるわけなのであります。この八人の中に、役人から行かれた方は何人おられるのでありますか。
  22. 植田俊雄

    政府委員植田俊雄君) 現在の役員の経歴を、ただいまお話しのありました線で分けて申しますと、総裁の蓮池さんは、元は農林省の役人でございまして、昭和二十六年に秋田県知事をおやめになっております。副総裁の余子さんは役人経歴はございません。理事におきましては、高橋理事は、朝鮮総督府の役人から昭和二十七年に神戸税関長をやりまして三十年の十月に入っておりますから、これは役人経歴でございます。鹿士理事でございますが、これは内務省系統の役人をやっておりまして、現在理事に相なっております。小柳理事は、秩父セメント会社等に勤務した方でございまして、これは役人経歴はございません。田寺理事は、東北興業昭和十八年以来入りまして、山形県の木友鉱業所を預かっております。これは役人経歴はございません。以上でございます。
  23. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 まあ、だいぶ役人が多いのは、これは公団的な意味合いの組織で、これはある程度私も承認せざるを得ないのでありますが、いろいろ事業が、今、大臣の御説明通り、非常に多角的な事業をやっておるのでありますが、そういう意味において、かりにこの本案が通過をすることを前提といたしまして大臣お尋ねをいたしたいのですが、まあ、本会社の一新をするというような意気込みのもとに、将来民間の有能な士を役員に入れて、そうして国民の信頼を受けるような経営に進むというお考えはあるかどうか。その点を大臣お尋ねいたしまして、私の質問を終りたいと思います。
  24. 宇田耕一

    国務大臣宇田耕一君) 結局、事業は人によって成り立つものだと私は考えております。従って、各部門における人事が果して適正であるかどうかということが、おそらく事の成否を決定するかぎと思われます。従って、人事については慎重に、各事業に合理的に参加できる人事を考えなければならぬ、こういうふうに考えております。
  25. 豊田雅孝

    ○豊田雅孝君 私は宇田長官にお尋ねをいたしたいと思うのでありますが、東北開発につきましては最も必要だと痛感しておる者の一人であります。そういう立場からお尋ねをしたいと思っております。  今回出ております改正法律案内容検討してみますと、必ずしも東北興業株式会社という名称を変えなくてもいいように考えられるのであります。しかしながら、この際、会社の名称まで変えなければいかぬというふうに政府が思いつかれたにつきましては、よほど何か特殊の事情があるのではないか、単に表面的なことでなく、地の利からいっても、また資源の関係からいいましても、北海道の開発もさることながら、この際東北開発は最も急務だというふうに考えるのでありますが、それだけに、会社の名前を変えなくても、政府が力をうんと入れ、また、その会社経営よろしきを得るならばいいんじゃないかというふうに考えられるのでありますが、にもかかわらず、会社の名称を変えようというふうにまで考えられるに至ったその事情、あるいは決意というものを、端的、率直にまず宇田長官から伺いたい。
  26. 宇田耕一

    国務大臣宇田耕一君) 今回は東北開発促進法と、北海道東北金融公庫と、そして東北開発株式会社と、こう三つになっておりますが、実はこの三つは別々ではなくて、一木のものをそれぞれの機関別に区分をいたしておると、こういうのが本質と思っております。従って東北開発それ自身が、日本の全部の資源ないし経済開発にとって非常な重要な地位を占あるわけでありまして、東北の後進性を回復していきますことが、この東北地方のみならず、わが国の経済全般に対する影響が非常に大きい、そういうのが根本であります。従ってこの開発促進という言葉を使って今回はこの法律の題名といたしてあります。促進をするという意味では、従来の東北興業株式会社の運営方法だけでは不十分であると、こう考えております。そしてその一例といたしましては、東北興業株式会社東北開発株式会社と改名をいたしまする場合に、産業立地条件について特に注意を払い、積極的な対策をとるようにということも、事業内容の中に今回は新たにうたわれてあります。東北興業株式会社という名前を開発会社に変えました経緯は、東北開発促進法を軸といたしまして、そしてそれに相表裏して、ただいま申し上げました産業立地条件を特に加味しながら、この東北開発、後進性を取り戻そう、こういうところにあると思っております。
  27. 豊田雅孝

    ○豊田雅孝君 ただいまは宇田長官からの御答弁によりますと、東北地方開発を促進する関係であるというようないろいろお話がありましたけれども、現在の法律に出ておりまする東北興業株式会社の目的自体からいって、決してまかなえないようなことではないと思うのであります。問題は、会社の名称も変えるということは、ここで心気を更新して、そうしてすべて会社経営その他を刷新していくということに、非常な重点があるのではなかろうか。またそれでないというと、今回の法律改正ということは、ほとんど意味がないのじゃないか。要するに形式的なことだけでいくということでありまするならば、また再び、今日いろいろ世間で批判をせられておるようなことを再び重ねるということに私はなると思うのでありまして、問題は実質の問題であり、また政府がこれをどういうふうに向けていこうというほんとうの決意、ここで徹底的な刷新をやるのかどうかというところにあるのじゃないかと思うのでありますが、今の大臣の御答弁によりますと、きわめて事務的な感じがするのであります。そういうことによって、今後最も急務とせられておりまする東北開発が、果してできるかどうかという点に疑問を抱くのでありますが、この点について、もっと政治的な見地からどういうふうにお考えになっておるかということを伺いたいと思います。
  28. 宇田耕一

    国務大臣宇田耕一君) 東北開発促進につきましては、この開発促進法に盛られておりますように、これは従来の東北開発それ自身の後進性を取り返すために、非常におくれておったあらゆる政治経済万般にわたっての推進をはかりたいと、こういう熱意が新しい法律を、この東北中心とするところの人々の盛り上る熱意によって、これが生まれてきたものでありまして、やっぱり東北の後進性を回復するということに対する国民の大きな関心が、ここに由然に世論として盛り上ってきた結果と思っております。従ってその開発促進を必要とする環境に対しましていろいろの対策は立つのでありましょうが、その中において従来あった東北興業のあり方では不十分である、こういうふうなわけで、経済活動の母体となるものがあの程度考え方ではだめである。従って経済活動をもっと活発に行なっていくためには、基本法でありますところの開発促進法をここに決定をすること、それだけでは不十分でありまして、開発に関する金融面では公庫を利用すること、そうして経済活動に関しましては、従来の興業株式会社をもう少し積極的に公社的性格を持たして活発な活動を行おうじゃないか、こういうふうなことでありまして、従来と違う点は、これが直接民衆の世論の中から強く打ち出されてきたこと、それに応じて東北興業株式会社の持つ任務が、新たに明確な基礎の上に置かれてきたこと、こういうふうに考えております。しかし、東北興業株式会社がいかに気分を新たにしようといたしましても、人事その他において、各分野にわたって適切なものがない場合には、それは組織としての熱意は生まれてこないでありましょうから、そういう点につきましては、特別の考慮を払わなければならんと、こう考えます。  また、資本とか資本構成におきましても、われわれが考えておりますところの東北開発促進のためには、とうていこれは不十分なものでありまして熱意だけでは東北興業を関発会社に名前を変えましても、内容はまだまだ小さいものであって、今後非常にこれを育てるために責任を痛感すると、こういう点がまだたくさんあります。
  29. 豊田雅孝

    ○豊田雅孝君 今回この法律がいよいよ改正せられました暁においては、人事の刷新などは徹底的にやるお考えが潜在しておるのでしょうか。その辺を率直に御意見を承わりたいと思います。
  30. 宇田耕一

    国務大臣宇田耕一君) 人事につきましては、軽々にこれをとかく論議するのは適当でないと考えますけれども、非常に性格の違った事業内容をたくさん抱いておって、そうしてこの中に成功しておる事業もあります。また、先般来指摘されましたような時代環境によう合わさずにもてあましておると、むしろ、いうような内容のものがあります。また、セメントのようにかなり莫大な資本と技術とを今後長年月にわたって加えながら、これの運営は非常に困難を予想される時期が来るであろうというふうな特別の内容事業もあります。従って人事を一括して、一つここでどういうふうにするかということは申し上げにくいのでありますが、それぞれの事業性格に応じて、人事の万全を策するということは、当然考えなければならぬし、この会社ができ上りましたときに、まずそれに検討を加えませんと、あとの事業計画は立ちがたいんじゃないだろうかと、こういうふうに思っております。
  31. 相馬助治

    ○相馬助治君 今の豊田委員質問に関連して、一点を私からお尋ねしたいと思うのであります。今の豊田委員質問は、人事の刷新をする意図があるかどうかという御質問です。これに対する長官の答弁は、事人事であるから、きわめてデリケートであるからという前提のもとに答えられたので、その限りにおいては、その答弁でやむを得ないと思いますが、私はもっと具体的にお尋ねしたい。それは東北の後進性を回復するために、経済活動を十分ならしめるためにという、この大目的のもとに法改正を行おうとしております。法改正が行われた暁には、事業内容も変る、それから金融その他においても変動があり、資本構成等についてもだいぶ変るという説明がまあなされております。こういうふうに非常に事業内容が変って参るというこの段階において、熱意だけでは解決しないという長官のお話し、ごもっともです。しかし、熱意がなければだめなことは、これはまたそれ以上ごもっともなわけです。従って情勢が変ったからだけこの法改正が行われるのではなくて、今までの東北興業株式会社がやってきた経緯にかんがみて、これを教訓的に学びとって、この法改正が行われるものであると本員は了解をしております。そういうことになりますれば、やはり私はこの種事業は人を得なければ、問題は全く解決しないと思います。具体的な実例を引いても、昔の話しで恐縮ですが、徳川時代の話しでも、大きな事業を預けられたその奉行というものは、それが失敗した場合にはりっぱに腹をかっ切って、俗にいう腹を切るじゃなくて、事実上腹をかっ切って、これを人々におわびしているという実例をわれわれは知っております。さようなことを持ち出すことは失礼なようですけれども、私があえてそう言うことは、名前まで、名称まで変えて、そしてこんなに大きな法改正が行われるのですから、今の長官の人事の答弁は、部長であるとか課長であるとか、そういう活動部面における人についての答弁としては了承いたしまするが、総裁であるとか、副総裁であるとか、こういう最高幹部については当然これは更迭あってしかるべきものだと私は考えまするが、さように了解しておいて差しつかえございませんか。
  32. 宇田耕一

    国務大臣宇田耕一君) 人事につきましては、いろいろの角度から、いましばらく検討をいたしたいと、こう考えております。
  33. 相馬助治

    ○相馬助治君 いましばらく検討するということは、この法改正が行われる以前に、長官よりもう少し具体的な返答を承われるものと期待いたしまして、私の質問をやめておきます。
  34. 豊田雅孝

    ○豊田雅孝君 具体的なことを一、二お尋ねしますが、東北興業の現在の本店は仙台にあるのか東京にあるのか、その点まず承わりたいと思います。
  35. 植田俊雄

    政府委員植田俊雄君) 会社の本店は仙台でございます。
  36. 豊田雅孝

    ○豊田雅孝君 しかし、現地において承わるところによりますと、幹部はもうほとんど東京におる。最高幹部は現地にいることの方がむしろ少い、そうして仙台での事務員などはきわめて少数である、こういうことを聞くのですが、これについて真偽は私は知らぬのですが、率直に実情をまず承わりたいと思います。
  37. 植田俊雄

    政府委員植田俊雄君) ただいま豊田委員お話し通りでございまして、仙台で在勤しております会社の幹部としまして田寺理事が仙台勤務でございます。職員もきわめて少数でございます。本社が仙台にございまして、東北開発仕事をいたします以上は、会社の幹部は仙台に重点を置いて仕事をするのが当然でございますけれども、最近は契約関係あるいはセメント工場の建設に伴いまして、東京で契約を要することが多いのでございますので、若干東京の方に勤務することが多くなり、それが現在の状況から見ますと、必ずしも適当とも考えない状態であろうかと思います。今後はこの会社法の改正によりまして、会社の新たに業務もでき、また東北各県あるいは各地方との連絡を密にいたします関係から申しまして、現在のように本店をあけて東京の出張所に重点を置くという行き方は、適当なものとは考えておりませんのであります。
  38. 豊田雅孝

    ○豊田雅孝君 仙台本店における職員はわずかに三名だということを聞くのですが、これは事実ですか。
  39. 植田俊雄

    政府委員植田俊雄君) 三名でございますか、四名でございますか、正確には存じておりませんけれども、お話し程度でございます。
  40. 豊田雅孝

    ○豊田雅孝君 これを聞かれると、だれしも私は意外に思うだろうと思うのでありますが、とにかく本店である仙台には職員はわずかに三名である、四名であるとかいうことで、そうして東京に支店があるが、その方には最高幹部が絶えずおる。しかし、仙台と東京の間は、これはきわめて最近は交通も便になっておる。ことに最近は飛行機までできた、最高幹部は仙台に常住して、そうして経営を指揮し、また、企画を立て、そうしてそれらの連絡のために東京へ出てくる必要があるならば、これはそれぞれ交通機関を最高度に活用して出てくるということでなければ、この東北開発というものがうまく過去においていかなかったということもそこに原因があるんですね。これに対してどういうふうなメスを入れるかというということを考えなければ、私はこの東北開発に対して非常に私自身熱を感じておるものであるだけに、いかなることをやったってだめだと思うのです。これについて大臣はどういう感じを持っておられるか。
  41. 宇田耕一

    国務大臣宇田耕一君) 当然これは本社に中心部があって、本社の最高責任者は本店におるべきものと私は思います。自分たち事業経営をやった経験から申しまして、東京において号令をかけて、しかもそれが金融……、まあいろいろな事業内容によっては違いますけれども、私が見たところだけみてもソーダであるとか、特に機械工業であるとか、こういうようなものが、現場で指揮監督をする最高責任者が近くにいなくて、工業能率の上っていくはずがないと思います。そういう意味で、これは大いに経営中心をどこに置くかということについては、反省をしなきゃならぬ点が多いんじゃないか、少くとも生産事業関係がある場合には、私たちの経験では、これは必ず失敗する人事の配置方法ではなかったんじゃなかろうかというふうに思われる点がたくさんあります。
  42. 豊田雅孝

    ○豊田雅孝君 今の私の質問、それに対する答弁等から見まして、東北興業株式会社の従来監督について、私は政府自身にも非常に責任を痛感すべき点があると思います。会社当局もさることではあるけれども、今答弁せられたるようなことが事実としてわかっておるにかかわらず、それをのんべんだらりとやっておったというところに、非常に問題があると思うのですね。そういう点において、政府は今後監督についてどういう態度をとるか、また、過去に怠慢であったことについては、どういう責任を感ずるかということを、私は今後東北開発のきわめて真剣にやってもらいたいという気持から、あらためて御所見を承わっておきたいと思います。
  43. 宇田耕一

    国務大臣宇田耕一君) ただいま持っておりますこの会社の現況報告書に基きまして、とりあえず手直しをかけなきゃならぬというのは、おそらくドック一つ、まだ建設中のもので大きく配慮しなきゃならぬものは、これはセメント関係事業ではないかと考えます。それで従業員数の中に本店が五名、東京事務所四十三名というようなことが書いてありますが、本店事務所、東京事務所との事業分割を見てみると、東京事務所は事業企画及び運営を行う、本店は株式及び所在官庁との連結を行う、こういうことになっております。こういうことが実際のわが国の現在の法律あるいは政府との連絡関係で、事実上こういうふうになっていった経過等は、なお私はよく考えたいと思っておりますけれども、この事業内容から見まして、当然これは将来深く考え直さなければ、東北興業株式会社というものは、資本のむだづかいに陥るおそれがあるのじゃないかというふうにも考えられますので、東北開発促進をほんとうに体当りをしていこうというのでしたなら、私はもっともっとこれは深く皆さんと一緒に検討いたしたいと、こういうふうに思います。
  44. 豊田雅孝

    ○豊田雅孝君 もう一点具体的なことを伺いたいのでありますが、セメント事業がその後一向に進捗十分にしておらぬ、これについて、東北各県の出資すら、事の進捗しないためにまだできておらぬというようなことを、これまた現地から聞くのでありますが、これは事実なんですかどうなんですか。
  45. 植田俊雄

    政府委員植田俊雄君) 昨年御審議願いました政府保証の社債でございますが、社債は九億全部発行済みでございます。なお、資金運用部から東北六県が借り入れまして、それを転貸いたします分につきましては、企画庁といたしましては、従来順調に進んでおるということは聞いておりましたけれども、それが済んだかどうかというところまで、まだ確実な情報をただいま得ておりません。
  46. 豊田雅孝

    ○豊田雅孝君 どうも今の答弁を聞いても、政府の監督が非常に不十分ですね。現地で私が聞くところによると、各県の出資はやろうにもやる必要がないという状態なのか、あるいはできないのか、予算に一度計上せられたるものも、まさに自然消滅の形になろうとかいうような事実のあるということを聞いておるが、それについて、どうも事実があるやら、ないやら、はっきりしないような答弁だし、一体これはどういうことなんですか。
  47. 植田俊雄

    政府委員植田俊雄君) あの十四億の事業は、昭和三十一年度の事業でございまして、その仕事がどういうふうに進んでいるかということにつきましては、この法案によりまして、所管経済企画庁に移ります以上は、私どもも関心を持っておりまして、三月三十一日までに社債の消化ができたかどうかということもトレースいたしまして、三月末までに九億の発行が済んだということも承知いたしております。その後、県を通じての転貸金の問題につきましても、トレースはいたしておったわけでございますが、現在のところ、県庁の係官に聞きましても、まだその辺の県と会社との関係が順調に進んだかどうかというところまでは、はっきりつかめる点まで至っていないわけでございます。
  48. 豊田雅孝

    ○豊田雅孝君 はっきりしないのですけれども、各県の出資は現実にできておらぬのですね。県の方ではそういう出資の意図がありながら、事が運び得ないような情勢にあるという実情じゃないのですか。
  49. 近藤信一

    理事近藤信一君) 建設省の澤田監理官がきておられますので、澤田君から答弁してもらいます。
  50. 澤田一精

    説明員(澤田一精君) 東北興業が着手いたしておりますセメント事業につきましての資金のうち、東北六県から融資を受けます資金の借り入れの件でございますが、昭和三十年度中に当初予定しておりましたものを、一カ年繰り越しまして、昨年度において借り入れることにいたしたわけでございますが、おかげをもちまして、六県全部の議会の議決を待て、かつ、自治庁から起債を認可されたわけでございまして、具体的にこの認可に基きまして、各県からそれぞれ借り入れ手続を進めて参ったわけでございます、六県のうち四県につきましては、すでに現金の借り入れを終っております。残る二県につきましては、私まだ現実の問題といたしまして、資金会社側に入ってきたかどうかということにつきましては、承知いたしておりませんので、後刻調査をいたしまして御答弁申し上げたいと思います。
  51. 豊田雅孝

    ○豊田雅孝君 私が尋ねているのは、社債とか借り入れとかいうような形式のものでなくて、各県が東北振興開発のために出資するということが、このセメント事業関係についてできておったものだから、その出資がすでに済んでいるのかどうかということを聞いているのです。
  52. 澤田一精

    説明員(澤田一精君) 十四億のセメント事業資金計画の内訳を申し上げますと、実は会社が発行いたします政府の元利保証付の社債が九億ございます。それから、東北六県の融資が今申し上げましたように、二億でございます。あとの三億につきましては、政府が直接出資をいたすわけでございまして、セメント事業十四億に関します限りにおきましては、東北六県から会社出資を受ける計画は、当初からなかったわけでございます。単に一億の限度におきまして融資を受ける計画になっておりまして、その手続等につきましては、ただいま答弁いたしました通りでございます。
  53. 豊田雅孝

    ○豊田雅孝君 今後私といたしまして一つの要望をいたして、時間も過ぎておりますから、質問を打ち切りたいと思います。従来、政府の監督の上においても、非常に東北開発については欠くるところがあるし、また、経営に当りましても、本店と支店と人員の配置などはまるで逆転しているような状態で、かような状態であっては、いかに会社の名称を変えてみたり、開発促進法を作りましても、私はその成果が上るということに非常に疑問を持つことを遺憾とするものであります。従って、今後政府は十二分に監督もやられるし、また、会社当局の人事の刷新、あるいは経営の根本的な改善、これらを先決問題とせられまして、今回の開発促進法の制定、あるいは東北興業株式会社法の一部改正法律案の成果が、ほんとうに具体的に東北開発の上にあがるようにせられたいということを、私は痛切に要望するのであります。これに対しまして大臣並びに事務当局から御所見を承わって、私の質問を終ることにいたします。
  54. 宇田耕一

    国務大臣宇田耕一君) 全然われわれの考えていることも同様でありまして、そういう方向に向ってできるだけの努力を払いたい、こう考えております。
  55. 植田俊雄

    政府委員植田俊雄君) ただいま大臣から御答弁申し上げました通りでございます。私どもその仕事にあずかるものといたしましては、特に開発部といたしましては、東北開発中心になるわけでござ、いまして、この三つの柱の一つを担当いたします会社の運営いかんは、東北開発の今後の運命をかける問題でございますので、この会社に対する監督を業務の中心仕事といたしまして、新しい構想をもって監督し、指導して参りたいと存じております。
  56. 近藤信一

    理事近藤信一君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕
  57. 近藤信一

    理事近藤信一君) 速記を起こして下さい。   —————————————
  58. 近藤信一

    理事近藤信一君) 次に、連合審査会の件についてお諮りいたします。  本日大蔵委員会から、同委員会の決定により、本委員会に付託されておりまする衆議院提出の中小企業等協同組合法の一部を改正する法律案について、連合審査会を開会されたい旨申し入れがございました大蔵委員会の申し入れに応じて、連合審査会を開催することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  59. 西川彌平治

    ○西川彌平治君 私は異議はございませんが、非常に会期も切迫いたしております際でありますから、できるだけ一つ時間的にお考えを願ってやっていただきたいと思います。
  60. 近藤信一

    理事近藤信一君) 西川君の御意見もございますように、時間の点はよく考えてあれしますから、御異議ないと認めさよう決定いたします。  なお連合審査会の開会日時等につきましては、先例により委員長間において協議の上決定することにいたします。  それでは、午後一時半から再開し、自転車競技法小型自動車競走法改正案審議することにいたしまして、これにて暫時休憩いたします。    午後零時四十二分休憩    —————・—————    午後二時九分開会
  61. 松澤兼人

    委員長(松澤兼人君) 委員会を再会いたします。  本日付をもって小西英雄君が委員を辞任され、草葉隆圓君が選任せられました。  以上、御報告申し上げます。
  62. 松澤兼人

    委員長(松澤兼人君) それでは、これより自転車競技法の一部を改正する法律案及び小型自動車競走法の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。  両案につきましては提案理由説明を聞いたのみでありますので、本日はまず両案の内容について説明を聴取いたします。
  63. 鈴木義雄

    政府委員(鈴木義雄君) それではまず自転車競技法の一部を改正する法律案のおもな内容について御説明申し上げます。  昭和三十年第二十二国会におきまして、自転車競技法等の臨時特例に関する法律の有効期間の延長に関する改正法律案の成立に際しまして、参議院商工委員会において付せられました付帯決議の御趣旨に基きまして、政府といたしましては、競輪の運営につき不断の改善をはかって参りますとともに、通商産業大臣の諮問機関として設置されております競輪運営審議会に競輪の改廃に関し諮りました上、その答申に基き、競輪の弊害を最小限度にとどめてこれを健全化する方針のもとに競輪制度に改善を加えますとともに、その他の機械産業振興費の取扱いに関する制度に改正を加えました上、自転車競技法の一部を改正する法律案を立案いたしました次第でございます。  改正法律案のおもな内容といたしましては、まず、第一に目的の改正でございますが、これは第一条の改正となっておりますが、機械産業の振興をはかることは、自転車競技法等の臨時特例に関する法律にすでに規定されておるところでございまして、これを本法であります自転車競技法に規定いたす趣旨でございます。  第二には、市町村の指定に関する規定を整備いたすことでございますが、従来、指定の取消に関する規定がございませんので、権利の上に眼るものを整理することと、競輪運営上の不安定を除くため、競輪施行者としての指定を受けた市町村が、一年以上引き続き競輪を行わなかったときは、自治庁長官は、その指定を取り消すことができる旨の規定を加えることであります。これはやはり条文的に申しますと、第一条の関係でございます。  第三には、競輪場及び場外車券売場の設置の許可に関する規定を整備いたすことでございますが、競輪場及び場外車券売場の設置の許可については、従来、期限または条件を付し得る規定及び許可の取り消しに関する規定がございませんので、第三条及び第四条に、その趣旨の規定を設けることといたしましたわけでございます。なお、競輪場及び場外車券売場の設置者は、その競輪場及び場外車券売場の位置、構造及び設備を命令で定める基準に適合するように維持しなければならない義務を課することといたしております。これは第十一条に関するものでございます。  第四には、車券購入等の禁止範囲を拡大いたすことでありますが、従来も、車券購入等の禁止に関する規定はございますが、競輪運営に関係するものが、車券を購入したり、または、譲り受けたりすることは好ましくないので、車券の購入等の禁止範囲を第八条で改正いたしますように拡大し、かつ、明確化することにいたしたわけであります。  第五には、競輪の賭博性を薄めるための措置に関する規定を設けることでございますが、競輪等の射幸性を伴う競技につきまして、その賭博性を薄めて内容を健全化する必要が認められますので、射幸性を稀薄化するとともに、的中の確率を増大して内容を改善するため、次の通り改正することといたしました。  その第一には、払戻金額について最高限度額を定めることができるものとしたことであります。これは第九条の二に関するものでございます。  その第二としましては、投票無効に関する規定を整備することでありますが、その趣旨は、従来、投票無効に関する規定は、単勝式、複勝式および連勝式投票法のみを前提として規定してありましたが、新たに、連勝複式勝者投票法、これは第一着および第二着の選手をその順位及びその逆の順位で一組とする勝者投票法をいうのでありますが、これを採用し得るよう投票無効の規定を整備することでございます。これは、第九条の三に関するものでございます。  第六には、競輪運営の経費に関する改正でございますが、まず、中央業務の経費につきましては、競輪の中央業務を担当する新団体すなわち、日本自転車振興会に対し、競輪施行者から一回の開催による車券売上金の額の千分の三以内において命令で定める金額を交付することであります。これは第十条に関するものでございます。従来は、都道府県自転車振興会が会費として自転車振興会連合会に納入していたものでございます。  次に、都道府県自転車振興会の経費につきましては、従来、都道府県白紙車振興会に対し施行者が交付すべき業務委任費は、一律に、車券売上金の額の百分の三以内となっておりますのを、委任する業務の範囲及び車券の売上金の額に応じて命令で定める金額を交付することといたしまして、交付金額の算定方法を合理的に改めることでございます。これはやはり第十条に関係するものでございます。なお、この交付率に関する命令は、委任業務の増加に伴って逓増し、車券の売上額に伴って逓減するように定められるのでございますが、法律では別表をもって、車券の売上額ごとに、交付金の最高限度を定めております。  次に、第七といたしましては、自転車その他の機械産業振興費の取扱いに関する制度を改めることでございます。競輪施行の目的に掲げられております自転車その他の機械産業の振興のための経費の取扱いに関する制度は、昭和二十四年度から二十八年度までは国庫納付金の三分の一以内の金額を国の予算に計上する制度であり、昭和二十九年度以降は、競輪施行者から車券売上金の額の平均百分の一・一を自転車振興会連合会に納入し、同連合会は、振興費に関する業務を包括的に商工組合中央金庫に委託し、同金庫は、通商産業大臣計画及び指示に従って支出しなければならない制度になっておりますが、法律改正後においては、改正後の自転車競技法に基き設立されます日本自転車振興会に対し、従前と同率の振興費を競輪施行者から交付せしめることとし、日本自転車振興会が通商産業大臣の認可を受けて振興事業に支出する制度を採用することとしております。この場合において、通商産業大臣は、振興資金の運用については、通商産業大臣の諮問機関として、従来の機械工業振興協議会にかわり設置されます自転車等機械関係事業振興資金協議会に諮ることとし、振興費の運用に遺憾のないようにいたしております。これは、第十条、第十二条の十六、第十七条の二に関係する事項でございます。  なお、自転車その他の機械産業振興費の交付受入等、振興費に関し規定する条項につきましては、この法律施行の日から三年を経過する日以後においては、別に法律で定めるところによることを附則第十七条において規定しておりますが、これは、振興費の制度について、このような制度は廃止すべきであるか、存続すべきであるかといろ基本的な問題のほかに、徴収の方法についても、国庫に納入せしめるべきか、臨時特例法のような方法によるべきか、あるいは、また、改正後の本法に定める方法によるべきか等について更に検討することとし、三年間は、本法に定める方法によって振興費を運用することといたしますが、その間、政府において検討し、三年経過後にはあらためて取扱方法を定めるという趣旨に基くものであります。  第八といたしましては、都道府県自転車振興会に対する監督を強化いたすとともに、改正後の自転車競技法に基く法人として、日本自転車振興会を設立することでございます。都道府県自転車振興会に対する監督を強化するためへ次のような措置を講ずることといたしております。まず、自転車振興会の役員の選任及び解任は、通商産業大臣の認可を受けなければその効力を生じないこととする。これは第十一条の二でございます。次に、自転車振興会は、毎事業年度開始前に、その事業年度の事業計画及び収支予算を作成し、通商産業大臣の認可を受けなければならないこととする。これは第十一条の三に関するものでございます。  日本自転車振興会につきましては、第十二条以下第十二条の二十五までに規定してございますが、従来、自転車振興会連合会が行なっていた競輪運営に関する業務並びに自転車その他の機械産業振興費に関する業務を取り扱う機関として、改正後の自転車競技法に基く法人として日本自転車振興会を設立することといたしております。  日本自転車振興会の目的は、競輪の公正かつ円滑な実施をはかるとともに、自転車その他の機関に関する事業の振興に資することでございます。これは第十二条に関するものでございます。  役員及びその欠格条項並びに兼職禁止等に関しましては、第十二条の七、第十二条の八、第十二条の九、第十二条の十、第十二条の十一等に規定してございますが、役員といたしましては、通商産業大臣の任命する会長、副会長それぞれ一名、監事二名のほか、会長が通商産業大臣の許可を受けて任命する理事八人以内ということになっております。なお、役員は、通商産業大臣の承認を受けたときを除いては、みずから営利事業を営み、または営利の業に従事すること等を禁止することといたしております。さらに、役職員の身分は罰則の適用については、公務に従事するものとみなすことになっております。これが十二条の十二及び十二条の十四でございます。  次に、この団体の業務のうち、競輪運営に関する業務の公正かつ円滑な実施をはかるため、競輪に関し学識経験のある者をもって構成する運営委員会を置くこととし、競輪に関する業務を掌理する理事の任命または解任、競輪に関する業務方法及び事業計画の作成等については、会長は運営委員会の意見を聞かなければならないことといたしております。これは第十二条の十五に関するものでございます。  日本自転車振興会の業務につきましては、十二条の十六に規定してございますが、これは審判員、選手、自転車の登録、競輪の実施に関する自転車振興会の指導、審判員、選手等の養成または訓練、自転車その他の機械産業振興のための銀行に対する融資、自転車その他の機械産業振興のための補助金の交付、本法及び小型自動車競走による自転車その他の機械産業振興費及び本会の運営費用の施行者からの受け入れ等でございます。  日本自転車振興会の業務は、大別すると競輪関係業務と自転車その他の機械産業の振興とでありますが、そのおのおのの経理について明確に区分して処理することとし、振興費を競輪関係業務に充当することは罰則を設けて、厳に禁止することとしております。第十二条の十七及び第二十一条の二がこれでございます。  そのほか業務方法書、事業計画等、資金の借り入れ、業務上の余裕金の運用等の認可、決算書類の提出等につきまして、それぞれ法律で規定してございます。  また、監督につきましては、通商産業大臣がこの法律を施行するために必要があると認めるときは、日本自転車振興会の業務に関し、監督上必要な命令が出せることとしております。これは第十二条の二十四でございます。  なお、日本自転車振興会の設立に必要な手続、日本自転車振興会連合会からの財産等の承継につきましては、付則に所要の規定を赴くこととしております。  次に第九には、従来から通商産業大臣の諮問機関として設置されております競輪運営審議会の名称を競輪審議会と改め、調査審議事項を競輪全般に拡大することといたしております。これは第十七条に関するものであります。  第十には、従来臨時特例法に基いて設置されております機械工業振興協議会の名称を、自動車等機械関係事業振興資金協議会と改めることにいたしております。これは第十七条の二に関するものでございます。  第十一といたしましては、日本自転車振興会の設立に伴う罰則の規定を改正するとともに、本改正法律案の施行に必要な経過規定を置くことにしております。  なお、この法律昭和三十二年十月一日から施行することといたしておりますが、日本自転車振興会の設立に関する規定等につきましては、公布の日から施行することにいたしております。  以上が自転車競技法の一部を改正する法律案のおもな内容でございます。  次に、小型自動車競走法の一部を改正する法律案について申し上げます。  同法案における改正点は、おおむね競輪の場合にならってこれに準じております。ただ異なるところは、小型自動車競走からの振興費は、小型自動車競走施行者から日本自動車振興会に交付すること、全国小型自動車競走会連合会は、従来のまま社団法人とすることとなっている、この点が異なるだけでございます。この点を申し上げて、詳細なる説明は省略させていただきたいと存じます。
  64. 松澤兼人

    委員長(松澤兼人君) それではこれより両案の質疑に入ります。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
  65. 近藤信一

    近藤信一君 まず、改正案内容に入る前に、二、三の点についてお尋ねいたしますが、週刊サンケイを私見たのでございます。それは、三月二十四日浜松で行われましたオートレースで、何かその日に出場を予定されておった選手に対して、ある方面からその選手に封筒が渡された。そこでその選手が内容をあけてみますと、その選手は非常に優秀な選手で、一着が予定されておった。そこで本日のレースは三着に一つなってくれ、こういうふうなメモが入っておった。さらにその中に金が一万円ほど入っておったそうです。そこで、その選手はびっくりしまして、競走会の事務所にその事実を報告した。その十一レースは、予定されておった選手が約五名ほど緊急に出場を停止してレースを開始したそうでございますが、こういうような八百長レースということは、これは小型自動車だけでなくして、競輪等においてもしばしば私どもが新聞等によって聞かされるわけなんです。こういうようなことがあったということを、何か雑誌によりますと、通産省では地元から選手やそれから関係した人たちを呼んで、いろいろと事情聴取をしたそうでございますが、その内容経過について、詳しく御報告を願いたいと思います。
  66. 鈴木義雄

    政府委員(鈴木義雄君) 八百長につきましては、従来からかようなことのないよう、できるだけ取り締ってもおりますし、最近におきましては、だんだんかようなケースは非常になくなってきているわけでございまして、御指摘のような点が、たしか本年の三月末にあったように聞いております。浜松のオートレースにおいては、本年三月末数名の選手が外部から八百長を頼まれた旨が、選手会を通じて浜松競走会長に申し入れ、従いまして、これは未然に八百長が防げたというケースでございます。それにつきまして、目下警察当局においても取調べ中でございますが、通産省としては、東京通産局を通じて、目下事情を取り調べるというところになっております。詳細まだわれわれの手元に来ておりませんが、わかり次第はっきりさせたいと思っております。
  67. 近藤信一

    近藤信一君 これは市の相当有力な連中が関係して、それから当日何かこれを、十一レースを八レースと間違えてたくさん千円券を買って、そうしてはずれたというようなことも出ている。これは、私どもは、今までにもこういうことは自転車等においても、しばしば現地でも紛糾を起しているわけであります。だから、私は表面に表われた問題はその雑誌を見たわけでございまするが、相当内容というものを厳重に調べるならば、こういうことが実際に行われている、こういうふうに予想されるのじゃないかと思うのですが、そういう点について通産省は監督を厳重に今日までやっておられるのかどうか、そういう点について、お尋ねいたします。
  68. 鈴木義雄

    政府委員(鈴木義雄君) 競輪ができましてから、当初はさようなことでずいぶん問題を起したように聞いております。しかしながら、最近におきましては、かようなケースは次第にあとを絶ったというふうに聞いております。しかし、なおそのような問題が出てきますることにつきましては、われわれとしましても十分に監督をいたしますとともに、やはり問題は選手等の素質の向上等にも大きな関係を持っておりますので、これらにつきまして、優秀な選手の訓練と申しますか、選手の素質の向上、あるいは選手の訓練、さようなことで今後とも十分に努力をいたしていきたい、かように考えております。
  69. 近藤信一

    近藤信一君 今後もっと当局はそういう点も厳重に監督して、この法案の改正は自転車競走を健全化していく、こういうような改正案でもあるから、私はもう少し現地における監督というものを厳重にやっていくことが必要じゃないかと思うが、そういう点一つ十分に一つやっていただきたい、こう希望しておきます。  続きまして、今回の改正内容でございますが、この法案の趣旨にも書いてございまするように、私はこの法案が従来時限立法として適用されてきた。そうしてこれを二十二国会で二カ年のうちに政府はこの競輪を廃止する方向へ考えるべきであるという本院の付帯決議によって、これが今日まで続けられてきた。ところが、その廃止の方向でなくして、今度はこれを恒久化する、こういう改正案だと私思うのですが、なぜ恒久化さなければならなかったか、その点についての御所見をお伺いいたします。
  70. 鈴木義雄

    政府委員(鈴木義雄君) 御承知のことと存じますが、昭和三十年に参議院の商工委員会におきまして付帯決議がなされております。そのときの趣旨は、「競輪、競馬、オートレース、モーターボート・レース等、一切の射倖的行為は現下の社会情勢にかんがみ、すみやかに禁止もしくは制限せらるべきものであり、特に、競輪について政府は現行制度に検討を加え、その改廃に関し(略)適切な措置を講じなければならない。」、かような趣旨で、付帯決議がなされたわけであります。これに基きまして、通産省といたしましては、通産大臣の諮問機関でございます競輪運営審議会に諮りまして、十数回議論を重ねた結果、その結論は昨年の実はこれも五月ころだと存じますが、この商工委員会の中間答申として御報告いたしたわけでございますが、その考え方はいろいろ議論した結果、答申要点を申し上げますと、結局競輪、競馬、モーターボート、小型自動車競走等の射幸的娯楽のうち、競輪は特に大衆性が強く愛好者が多いにかかわらず、弊害の及ぶ範囲もかなり広いようであるけれども、これを現状のまま放置することは適当でないけれども、しかしながら、現在の情勢において全面的に競輪を禁止することは、他の射幸的娯楽との均衡もあり、かつ地方財政に与える影響も軽視できないものがあるので、実際問題としては困難と認められる、かような見解のもとに、できるだけ競輪の弊害を最小限度にとどめて、これを健全化するという方針のもとに改正案を立案したわけでございまして、それにつきまして先般競輪運営審議会の答申を経て、さらに政府部内においていろいろ検討しました結果、この改正法律案を提出したわけでございます。
  71. 近藤信一

    近藤信一君 この法案が昭和二十三年成立を見ました当時には、各地方公共団体が戦災復興のために、何か費用がないから事業をやって、そうして一日も早く戦災都市を復興する、こういうような意図のもとから、この法案というものが成立を見たと私は聞いておりまするが、その後自転車競走法に、よって、私どもの見るところによりますと、相当戦災都市も復興されたように私は思うのですが、その経緯について一応お聞かせを願いたいと思います。復興の状況……。
  72. 鈴木義雄

    政府委員(鈴木義雄君) 競輪のできた趣旨は、国会におきましてきまったことでございますので、バック・グラウンドにどういうことがあったか存じませんが、法律だけの建前から申し上げますと、地方財政に寄与しますものと、それから自転車産業の振興に寄与する、こういう二つの点において、かような競輪制度というのが認められたように聞いております。その際の地方財政の問題に、やはり戦災都市の問題ということが大きな要素をなしていたということも聞いております。さようなことでこの制度ができたわけであります。その後戦災都市の復興問題は、相当今日においてはよくなってきている、かようなことになっておりまして、今日に及んでおります。
  73. 近藤信一

    近藤信一君 本法改正に当りまして、私は通産省として一つ欠けている点があるのではなかろうかと思うのです。それはどういう点かと申しますると、いわゆる競輪に従事しておる従業員の待遇の問題、将来の問題、そういう点などもほとんど触れていない。この法案が恒久立法化されていく上においては、私は将来従業員のことも十分に考えるべきではなかったかと思うのですが、その点いかように考えておられますか。
  74. 鈴木義雄

    政府委員(鈴木義雄君) 競輪に従事します従業員、御指摘の点は選手関係……。
  75. 近藤信一

    近藤信一君 競輪場に臨時職員として働いておる従業員もあわせて選手の全部の関係について、何ら考慮せられていない。そういう点どのように考えておられますか。
  76. 鈴木義雄

    政府委員(鈴木義雄君) 競輪に関する従事員につきましては、競輪場の設置者がそれぞれすなわち地方公共団体等が、それに対して施設の所有者として十分監督と申しますか、留意してやっていくかようなことになっております。それから選手の問題につきましては、これは従来からいろいろ議論されているところでございますが、法律に規定し得る部分と、規定し得ない部分とがございます。今度の法律改正におきましても、第十四条におきまして、選手の出場に関する条件を適正にすべき旨の命令等が出せるように十四条中で改正を出しておる、かようなことでございます。
  77. 近藤信一

    近藤信一君 競輪場の従業員の点は、競輪設置者の方の関係であると、こう言われますけれども、これはやはり法律改正して、将来これを健全化していこう、こういうふうな御趣旨があるならば、何もこれは競輪場のことは、その競輪設置者の方のあれだというだけで私は済まない。やはりこれは法律上に身分の保障の問題なんかも十分に考えてやらなければならないのではないかというふうに私は思うのです。その点どのように考えておられますか。
  78. 鈴木義雄

    政府委員(鈴木義雄君) 競輪場の従事者の範囲をどういうふうなことでおっしゃっているのだか、ちょっと私わかりませんので、あるいは答えが的確でないかもしれませんが、たとえば競輪場で使われております人の待遇問題等につきましては、これはやはり競輪場の設置者が何といいまして本。責任を持ってやらなければならないことでありまして、特にこれを法律でどうこう規定するというふうな筋のものではないのじゃなかろうか。しかしながら、もちろんこういうことにつきましては、問題等がございますれば、十分行政指導等によりまして遺憾のないように処置して参りたい、かように考えております。
  79. 近藤信一

    近藤信一君 なるほど、従業員の問題は、競輪設置者の関係かもしれませんが、これは何回も繰り返される通りに……。しかし、監督官庁である通産省は、これは従業員の問題は設置者の方のなにだからと言ってこれを等閑視するという考え自体が、私はおかしいじゃないか、こういうふうに考えるが、その点どうですか。
  80. 鈴木義雄

    政府委員(鈴木義雄君) 直接競輪に関係ございます選手とか、あるいは審判員とか、かようなものにつきましては、もちろん法律によりまして、選手については条件の適正化というふうな問題もございますし、あるいは正規の審判員は、登録制度というふうなものを設けてやっておるわけでございます。重要なものにつきましては、さような考え方でおるわけでございまして、一般従業員につきましては、特に法律によりまして規定するということは、やはり競輪の本体でないものでありますから、これ自身はやはり競輪場の設置者が責任を持ち、特に問題があれば行政指導によってこれを十分遺憾のないように努力するということであろうかと考えます。
  81. 松澤兼人

    委員長(松澤兼人君) 近藤君が言わんとするところは、選手であるとか、あるいは振興会であるとか、あるいは施行者であるとか、あるいは従業員ですね、そういう人によって白自転車競技というものが成立しているので、それぞれやはり法律として規定する必要がある。選手の点については一応規定はありますけれども、その臨時に雇われている従業員等に対しては、やはり法律でもってめんどうを見るというか、その身分についても、あるいは報酬等についても、市にある義務づけをさせることがいいのじゃないか、競輪というものを今後改善していくということであれば、やはりその一つの要件である臨時の従業員に対しても、何らか法律的な規定をなすべきではないか。局長がそれは法律で規定すべきことではない、行政指導でやる、こうおっしゃる。で、前段の点でもう一つ近藤君がつきたいところなのです。この点についての御答弁をもう一度明確にしていただくことと、行政指導でやるとすれば、どういうふうにおやりになるのか、その点をおっしゃっていただきたいと思います。
  82. 鈴木義雄

    政府委員(鈴木義雄君) 私ども、もちろん全然法律の問題にしないというわけではございませんが、本来の建前からいけば、先ほど申し上げました通り、本質的な競輪自体の内容を占める選手等につきましては、あるいはそれの登録であるとか、あるいは条件の適正化であるとかいうふうな問題については、法律できめていきたい、しかしながら、その他の臨時的な方々の問題については、やはり今委員長がおっしゃいました振興会であれば振興会、あるいは競輪場であれば競輪場の設置者というところが、責任を持ってやるべきではなかろうかということを申し上げたわけであります。しかしながら、さらにかような点についてどういうふうなところに問題が所在するか、もう少し研究をしてみたいと思っておりますが、本案審議の際には、実は競輪の運営審議会におきましても、かような点は指摘されておらなかった点でありまして、これはもちろん今後研究を要する点がございますればさらに検討したいと思いますが、一応事務当局の考え方といたしましては、先ほど説明申し上げました通り、本質的なものについては十分法律でみていく、しかし、そうでないところのものにつきましては、やはりそれに関係される団体なり設置者がみていくということではなかろうかということを申し上げたわけであります。
  83. 近藤信一

    近藤信一君 今委員長の言っておられましたように、選手の問題につきましては、共済会か何かありまして、そうして負傷者等については救済方法があるわけです。そういう点から考えまして、この選手はそういうふうな救済規定がありますが、競輪場の従業員は日雇い的な雇用関係、こういうことである一定の期間そこの職場におって、また次の職場というようなことで、ぐるぐる回っておりますが、実際はその市役所なりその競輪の設置者の雇用をずっと引き続いて行われておる、こういうような形であるのであります。従いまして、私どもは選手会においてはそういうような救済方法があるが、こういう人たちは設置者の方の都合によっていつ何どきやめてくれといって解雇を言い渡されるかもしれないし、また、その競輪場の結果によってその職場が廃止になることもあると思う。そういうのに対しては、ほとんど救済の方法が考えられていない、こういう点が私は非常に重大だと思う。そういうことで、私はこの法改正と同時に、監督官庁である通産省はもう少し考慮すべきじゃないか、こういうように私は思う。
  84. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) 従業員の問題ですが、これはたとえばこの振興会なら振興会で使用する人たちは、振興会として人事についての条件の当然内規を持つとか、規定を持っていくと思いますし、施行者の方も同様おそらく同じような雇用をやっているのが他にあるのじゃないかと思います。臨時雇いであっても、これをほとんど常用的に運営しているというような者も、各施行者は別にたくさんそういう部門を持っておると思いますので、これはやはり施行者側のいろいろな人事規程に基いて管理してもらうよりほかに仕方がございませんので、競輪についての常用者はこうしろというのを競輪法で規定するというのはむしろ不適当ではないかと、私はそういうふうに考えております。
  85. 近藤信一

    近藤信一君 私はまだ内容を詳しく十分調べておりませんので、また後ほど質問いたしまするが、いずれにいたしましても、政府が監督してやられるのでありまするから、そういう点も政府が考えて、将来そういう従業員にも不安のなからしめるようにいたすべきじゃないかというふうに考えますので、この点は十分一つ今後考えていただきたいと思います。
  86. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 通産大臣一つお伺いいたしますが、私が今より七年前にヨーロッパへ行って帰ってくるときに、BOACという飛行機に乗ったわけです。その飛行機でエア・ガールが地図をくれて、そのもらった地図を拝見したところが、いわゆるエジプトはピラミットが書いてあったり、あるいはブラジルにはタンゴが書いてあったり、チベットがラマ僧が書いてあったり、そこで日本の地図を見ましたところが、日本にはフジヤマとゲーシャが書いてあった。まあフジヤマが書いてあ一るのは、非常にけっこうであるが、日本、の名物としてゲイシャを描いておるのは、非常に不愉快な思いをして帰ってきたのでありますが、日本に来て今度いろいろな話しを聞いて見ると、東洋では日本、西洋ではモナコ、これは世界の二大ばくち国であるということを聞いて、非常に不愉快に感じているわけです。一国の地方行政で、競輪のテラ銭とか、競馬のテラ銭、モーターボートのテラ銭、あるいは小型自動車のテラ銭で地方財政をまかなわなければ、学校が立たぬとか、道路ができぬというのは、こういうのはまことに遺憾な話しだと思います。しかし、昭和二十三年に出発して、この十九国会でこれはいかぬというので、再度法案を出して修正して、今日また再び、三年後の今日再びまたやると、こういうことなんですが、こういうことを将来日本の国としてやっていっていいのか悪いのかという根本問題については、まあ通産大臣はたまたま保守党のチャンピオンでもあるし、一つその確たる御信念を承わりたいというように考えます。
  87. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) これはまあこういう射幸的なものはあまり感心したものでございませんので、私どももこういうものを永久的に置きたいとは考えておりません。しかし、このいきさつを見ますというと、戦後非常に日本が復興に困っておるときに、その解決のためにこういう問題が出たか、あるいはそういうのが合理化の理屈としてくっつけられたかはともかくとしまして、こういう射幸的な競技を日本で行わせろという要望が国会の中に非常に強くて、一つ一つこういうことをきめられていったのですが、私どもはこの傾向というものは好ましくないというので、まずドッグレースとハイアライの国会要求をつぶすのに、ずいぶん努力をしたつもりでございますが、それ以後はもうお互いにこういうものの議員立法はやらぬことにしようという各党の話し合いで、今まで通ったものだけは、これは一応必要ありと認めて、そして将来この健全化をつちかっていこうというような形で来たいきさつは、御承知だと思います。そういう形でできたものも、だんだん年数を経てきますというと、最初いろいろ見られた弊害というものもなくなってくる。しかも、ここから上るいろんな資金が日本の産業の振興や地方財政に寄与するという面が非常に多いし、今これをすぐにやめたらいいかどうかということが、これは当然問題でございますので、そのために政府も広く一般の意見を聞いて、一応その意見に従おうという態度で、審議会を開いて十何回も各関係者の各方面の意見を聞きましたところが、これは好ましくないが一つを廃止するという処置は不適当で、やはり競馬以下全体の均衡をとって考えるべきである。当面の間としては一応社会的に悪影響のないようにする。これを最小限に食いとめるということと、健全化の方向をとって現行法の改正によって対処するのが適当だろう、こういう答申案を得ましたので、こういう法案を出しておるのでございます。その施設者に、今これを廃止して損をかけるとか、いろんな混乱を起すよりも、一応今しばらくそういう改正案の方向でやって、これを廃止しても少しも影響ないというようなことについては、私どもも十分考慮したいと考えております。
  88. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 ただいまの通産大臣の御答弁の、前よりよくなった、健全化された、その意味が私わかりません。なるほど川崎で焼き打ち事件があったり、後楽園で三年前騒乱事件がありましたが、ことしはそういうことも聞きませんし、去年も聞かないので、ただ、そういう面については健全化されたというかもしれないけれども、これは警察庁で調べて見れば、こういうことで弱い人間性から、とにかくその競馬競輪にこって、家庭不和を起して死んだ人が昨年だけでもとにかく大体二千八百人もある。特に競馬、競輪といってだけ明確に警察庁長官に聞いてもらったのですが、これが九十一名もいるわけです。ですから確かに一回一回の競輪場とか競馬場の問題は起きないとしても、その家庭における問題はこれは逆にふえてきております。つまり昭和二十三年の車券の売上高と昨年の売上高とを比較して見ると数十倍になっている。それだけもちろん施設の数も違うかもしれないけれども、それだけ多くの人が集まっている、こういうことになる。それで私は必ずしも大臣のおっしゃるように、健全化したというようには考えておらんので、おそらくまあ逆説的には、それはそういうところへ行かなければよろしいのだということかもしれませんが、人間というものはやはり非常に弱いものでございまするから、そういう弱い人間性につけこんで迷う人間を、やはり善導するというのが、政治に携わっている者の使命でないかというように考えるわけです。しかし、私といえどもただ今日競輪場をやめなさいとか、あるいは三カ月後にやめなさいという主張はしておりませんけれども、やめる時期まで待ちましょうというようなことでは、もう終生やめさすことはできない、こう考えているのですが、こういう点は通産大臣いかがでしょうか。
  89. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) 私は全体が健全化してきているのじゃないかと思っております。一番当初には御承知のようにいろんな紛争事件が起りましたが、結局選手の八百長とか、競技に対する不信というようなものが原因で、大部分そういう原因で、ああいう事件が起ったのですが、その後選手の素質も向上するし、選手会というものを通じて、いろいろそういう点が是正されるに従って、その種の騒擾というものはなくなってきたというようなこと、それからまあ各地方に終戦後以来いわゆるボスというものがあって、その昔からのなわ張り観念から、自分たちの土地へこういうものができるというときには、こうしろ、ああしろというようないろんな特権の主張があって、それらを中心の紛争というふうなものも現在なくなって平静化してきている。それからこれが経験を長く積んでくるに従って、一つの国民娯楽的な性質も最近ではもってきて、政府もまたその回数を減らすとか、いろんなことをやるに従って、余裕のある人たちが、きょうはこれくらいの限度で一つ娯楽として行ってくるのだというの  で、それをこせばもうあきらめてすぐ帰ってくるというような訓練というものも、相当大衆の間についてきたというようなことから、一時見られたようなこの弊害というのは、今実際問題として相当私は減っているのじゃないかとまあ考えております。
  90. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 それは通産大臣が表面だけ見られた話しであって、確かに振興会も十年の年月を経ているのですから、これは技術面でもそれは進歩しておりましょう。施行者の方もなれておりましょう。ですからそういう一つ一つの競輪場のトラブルは、少いにしても内面の問題をとにかく政治としてどう考えるかということを、まあ通産大臣にお伺いしているわけです。競輪場の問題がどうだとか、選手がどうだとか、あるいはこれをどうしなさいとかいう話は鈴木局長とか説明員もおいでになっているようですから、その方からお伺いします、ただここで本年あたり神武以来の景気というように、国家の予算以外のお金が二千億円も入るというような状態になりますと、当然東京都においても、神奈川県においても、埼玉県においても、近い例が大阪においても、やはり当初予算よりも若干水増しの税金が入るのですから、こういうときに一つ方針を立てて、そうしてやめる方向に政府が持っていかなければ、再び、十年も二十年も、こういう政府のおっしゃる神武景気が続くとは私、判断できない。こういうときにふん切りをつけていただく方法がないかということをお伺いしているのであって、こういうときにふん切りをつけるのでなければ、終生これはとてもふん切りをつけることができないということで、そういうことであれば未来永劫やりますよという大前提に、しかるべきぴしゃりとしたものをこしらえなければならぬ、こういうように考えるのですがね。
  91. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) ですから、この弊害を、できるだけそういう弊害をなくするためには、射幸性を少し薄めて、当ることを多くするというようなことによって、そういう弊害を防ぎたいと考えて、この改正案でもそういうことを意図しておるのでありますが、実際の法案審議の過程に、衆議院の方の過程において見ますというと、射幸性を薄めたら、こんなものほどつまらぬものはないものだから、やはり射幸的なものである限りは、この射幸性を薄めるなという意見が非常に強くて、私どもは参ったのでございますが、私はやはりあなたのおっしゃられるように、国民の指導を政府としてはやらなければなりませんので、興味が減殺されても、やはり射幸性を薄めるというような方向への運営を今後やっていきたいと、今考えております。
  92. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 そうすると、通産大臣は将来なくしたいと、しかし今はいいということですね。やむを得ないということですね。
  93. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) 大体皆さんの答申の趣旨がそう出てきましたので、政府もその趣旨に従って今すぐやめるのではなくて、健全化という方向に向って当面やるのがいいという考えになっているわけでございます。
  94. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 皆さんの答申の趣旨がと言って、通産大臣は逃げようとなさるけれども、それは確かに昭和二十三年当時ですな、これは社会党も当時の自由党も改進党もみな一致して議員提案として出したのですから、それは皆さんがやったんだからというふうに、うまく逃げる口実もあるでしょう。しかし、それから十年もたっておるのですから、もちろん当時こういうような状態になろうと、十年前に考えておったかどうかわかりませんよ。太平洋戦争当時、皆勝つ勝つと思っていたんだけれども、敗けてしまった。今皆私は反対しました、反対しましたと言って、賛成しましたというのは一人もおらぬのですから、それと同じように、これは十年後の今日こうなるとは思わなかったでしょう。しかし、十年たって、今日すでにこれは議員法案で出したとか、あるいは政府が出したとか、そういう理屈は抜きにして、これはいけないということになれば、お互いにそういう責任のなすり合いでなくて、やはり政府みずから国民を指導しなければならぬという一つの方向が打ち出されてしかるべきだというふうにも考えますが、それはどうですか。
  95. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) 皆さんがと言ったのは、十何年前の皆さんじゃありませんで、昨年の運営審議会の各位の御意見で、結局現状としてはそうするのが妥当だという点に意見が落ちつきましたので、政府としましては大体その意見を妥当として今後弊害をなるたけ少くするという趣旨に沿って法案の改正をはかって、それによって運営していくのが適当だと、こういう今考えであることを申し上げたわけであります。
  96. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 そうすると、その皆さんがということは、十年前の議員立法した国会議員でない、審議会委員だということになりますれば、この審議会委員は、あの一昨年の五月の国会において商工委員会から、これはあまりけっこうなものでないから早くやめるようにしなさいと、これは競輪だけじゃありませんよ、競輪だけでなく、もちろん競馬もモーターボートもオートレースも全部やめるようにしなさい、そのために努力しなさいと、あるいは日数を減らしなさいというふうに、確かに付帯条件としてこれはちゃんとついておる。本会議で満場一致可決しておる。それを審議会が何と心得たか、審議会の意見即だれの意見であったか知りませんけれども、少くとも通産大臣がそういうことをおっしゃるならば、審議会参議院の本会議を侮辱した、こういうことになるのです。ことに予算が通り、三月二十八日ですか、二十九日ですか、あの国会において、緑風会の森さんという議員が討論されたときに、一昨年きめた商工委員会の競輪法案に対するところのわれわれの付帯決議はどうなりましたかというような討論の内容もあったわけですがね。それは一体どこに行ったんですか、これは。
  97. 鈴木義雄

    政府委員(鈴木義雄君) かわりましてお答え申し上げますが、付帯決議は先ほども申し上げました通り、競輪を廃止しろというような付帯決議ではございませんで、競輪を含んだ射幸的行為は、社会情勢にかんがみて禁止もしくは制限すべきであるという考え方、それからさらに競輪については現行制度に検討を加えて、改正または廃止という考え方でございまして、さような付帯決議の趣旨を十分われわれとしましては、審議会に諮りまして議論していただいた結果、先ほど申し上げました通り、競輪というものは弊害はあるけれども、現在すぐに全面的に禁止することは、先ほども御説明申し上げましたが、地方財政に与える影響も軽視できないし、また同時に他。射幸的娯楽との関係もある。かようなことから、とにかく競輪の弊害を最小限度にとどめて健全化するように改正すべきである。かような趣旨の結論が出ましたので、それによりまして、この改正案を措置したわけでございまして、改正案によりましては、現在の競輪制度はこれによりさらに弊害の程度を薄め、それによって健全化する方向に向う、かような考え方にわれわれとして考えておるわけでございます。
  98. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 二カ年間の延長を認めたときの国会ですから、ぴしゃりとやめなさいということは書いてありませんよ。しかし、あなたの解釈は、それは鈴木流に解釈しているのですよ。しからば、審議会で出して、今まで一週間やったのを、ウイークデーを中心としてやりなさいと言っても、さっぱり日数も減らぬじゃないですか。六十八カ所かあった競輪場を、審議会でだんだんやめるようにしなさいと言ったそうだが、あんた方の力でなくして、競輪場が立っていかなくなったからやめたのです。これはあなた方の努力だとそう思いますか。そう思わないでしょう。これはどうなんですか。
  99. 鈴木義雄

    政府委員(鈴木義雄君) ただいまの御質問の点、二つあると思いますが、一つは土日開催の自粛による問題であります。これは確かに土曜、日曜を中心として、三十年にきめましたラインによって行われております。競輪関係では約二百日ばかりが法律によって許された範囲によりも少くなっておるわけでございます。これは実際の数字でございます。  それから競輪場の設置の問題は、昭和二十六年ぐらいから実はずっと設置機関をペンディングしてありまして、申請された競輪場の数が十六、七あったかと思います。それにつきましては、すぐ許可すべきかどうかいろいろ考えておったわけでございます。これは三十年に方針をきめまして、三十年の末に審議会に諮り、了承を得てこれを全部却下するという方向をとりました。これは新しく競輪をやりたいという競輪場の設置の申請を全部却下したわけでございます。そのほかに場外車券場につきましては、従来経過的に許されて参りましたものを十カ所ばかりこれを停止いたしまして停止と申しますが、やめさせまして、これも三十年の終りに処置しておるわけでございます。かようなことで、大臣お話しされました通り、競輪のできるだけ弊害を少くするという方向で努力しておるわけでございます。
  100. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 努力されたかもしれませんよね。しかしさっぱり成果が上らぬ。なくなったということも、今申し上げた通り、車券場は売れなくなったからなくなったのであって、審議会から答申されたので驚いてやめたということではないのですよ。それはもう鈴本局長の方が私よりよく御承知のはずなんだね。そうでしょう。  そこで、もう一つ局長にお伺いいたしますが、そういうたとえば六十カ所も七十カ所もあって、ほんとうの射幸心をねらうのでない。地方財政の一端を補うのだと、学校を建てるのだとか、あるいは家を建てるのだとか道路を作るのだ、こういうこともけっこうでしょう。しかし、川崎とか後楽園とか、一応目的を達したところは、どうなんです。そういうところは、どんどんやめさせていったらどうなんですか、そういうことになりますと。
  101. 鈴木義雄

    政府委員(鈴木義雄君) まあ、競輪制度というのは法律によって認められておりまするので、このやり方については全部平等にやっていかなきゃならぬと思います。従いまして、先ほど説明しております競輪の悪い面を、できるだけ弊害を少くするように努力したい、従来も努力したわけでございますが、今後もこの改正案通りますれば、これによってさらに競輪制度は改善されていく、かような考え方であります。先ほどの先生の御議論は、廃止しろという御議論でありますが、われわれとしては、できるだけ健全化する、悪いところはなくするという考え方でまずやって参りたい、かような考え方でこの法案を提案しておるわけであります。
  102. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 局長は衆議院の商工委員会で、施設費ですね、償却について、八五%もう償却してしまった、こういうように御答弁されているように記録にありますが、これはどういうことですか。
  103. 鈴木義雄

    政府委員(鈴木義雄君) それは何か間違いではないかと思いますが、私は実は八五%やっているというふうには答弁いたしておらないつもりであります。速記録を取って見ませんのでわかりませんが、さように申し上げておりません。
  104. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 速記録にそう書いてありますが。
  105. 鈴木義雄

    政府委員(鈴木義雄君) それは、わかりました。おそらく二つ内容がございまして、一つは公有のもの、それから会社関係のもの、二つになっております。公有のもの、これは相当償却が行われておるようです。しかし、公有のものといいますのは、実は、地方公共団体でありますと、いわゆる正確な意味の償却という意味ではないわけでありまして、そのときの説明を申し上げますと、公有のものは大体従来建設費として投下されたものが三十億円で、そのうち償却が約二十六億円になっておる、かようなことを申し上げたわけであります。それから私有のものはそれほどしておりません。従来の投資額、これは初めのものと、それからその後どんどん追加されたものと含めまして十五億円であり、それに対して四億二、三千万円の償却しかまだ行われていない、かようなことでございます。
  106. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 そうしますと、全国的に大体幾ら要っておるかということのはっきりした数字は、お手元にないわけですね、全国的に見まして。
  107. 鈴木義雄

    政府委員(鈴木義雄君) ですから、今の合計を申し上げますと、公有、民有、計としては四十五億八千万円だけ二十九年末で建設費になっております。そのうちあれは当時の償却額が三十億ちょっとこえております。かようなことであります。
  108. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 これは、通産省ではこれを年限をつけるということはお考えにならないのですか。水田通産大臣の今の答弁の中で、精神としてはあまりけっこうではない、今やめるというわけにはいかないが、しかし、将来はやはり当然、状態にもよるでしょうが、やはりなくさなければならないという意味を言外に含めたような御答弁がありましたが、たとえば二年なら二年、二年半なら二年半、その間にお互いに努力して、政府も、施行者も、振興会も、お互いに努力してなくする方向に持っていくというお考えはないのですか。
  109. 鈴木義雄

    政府委員(鈴木義雄君) この点は、結局設備というのは一つの償却概念で、ことに普通の会社の場合は処理されますから、たとえば償却十五年という設備では、やはり十五年という期限で償却をやるのは税法からいいましても当然の考えではないかと思います。むしろ、今の御議論は、あるいは、さっきの先生のお話しのように、廃止とか何とかいう御議論の場合では、そういうことが問題になり得ると思いますが、普通の場合ではやはり償却の何といいますか、理論としての設備考え方によって処理されていくのが普通の考え方ではないか、かように考えております。
  110. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 いや、それは確かに今十年なり十五年なりの間に一千万円使ったら、一千万円ずつ償却する、それ相当の方法を講じておるのです。しかし、二年なら二年でなくなるということになれば、たとえば、払戻金が七五%で、あと二五%は、それは費用に使う、振興会なり施行者なり、そういうことの金額について、やはり按分して金を蓄積するとか、あるいはそれぞれの施設を県が囲うとか、市町村が買うとか、こういう方法を講ずるならばいいと思いますが、こういうときに、ただ何らかの方法を講じないと……。私は花月園、西武園に参りました。そうしたら競輪場の担当者は快く見せて下さいまして、いろいろ説明をいただきました。私は花月園では聞かなかったのですが、西武園では一日百七十円で女の子が臨時に働いておる。そういう人を含めておよそ十万か十五万を突破するというお話を聞きました。しかし、今のこういうふうなときに政府が、石橋さんが、全部とにかく失業者を一人もおらなくするという大政策を打ち出しておりますから、こういうときにそれをやらないでは、もう二年か三年たって不況になったら、これはとうていやれませんよ。ふんぎりをつけるのは今のうちでありますから、思いきって今のうちにそういう方向でやる意思があるかどうかということをお尋ねしておるわけです。
  111. 鈴木義雄

    政府委員(鈴木義雄君) 今の御質問に対する直接のお答えになるかどうかわかりませんが、普通すべきような償却を十分していないというような場合には、やっぱりわれわれとして、監督を十分さして償却をしていくようにしなければならないのじゃないかと考えます。しかし、またある時期に、必要以上に償却をしておくというふうになりますと、また地方財政の収入その他にも関係を持って参ります。そういうふうな点で十分検討を要する問題だと、かように考えております。しかしながら、この点についても十分さらに研究していきたいと思います。
  112. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 そうしますと、どうしてもやめないというのであれば、内容を少し二つ三つお尋ねしてみます。とにかく七五%は車券の売上高の払い戻し金になるのですから、あと二五%で一切がっさいをまかなうわけですね。たとえば近藤君の御質問に、選手のことについてはそれはつまり選手会と振興会との交渉であるか、あるいは施行者協議会との交渉であるか、これは通産省のタッチするところではない、まあその通りでしょう。これは担当省がどこだといって無理に探せば、労働省になるかもしれない。しかしながら、通産省が監督をしてそれを許可するのですから、やっぱり一切がっさい知っていると思うのです。ですから二五%の内訳について明細に一つお知らせを願いたい。選手の俸給が一カ月五万円になるとあなたがたおっしゃっているけれども、選手の話を聞くと、どうも五万円になっておらぬようである。一体どういうわけで六千何人の選手が五万円ずつ一人もらって、多いのは一人で四百万円も年収があるということを聞きましたが、そうすると一カ月五千円しかもらわない選手もあるという、それを総トータルでなく、内容を詳細に一つお知らせ願いたいと思うのです。
  113. 鈴木義雄

    政府委員(鈴木義雄君) 選手の問題でございますが、これにつきましてはいろいろ統計がございます。それで平均してこの前たしか五万円と申し上げましたけれども、これはいろいろ分類してみなければならないと思います。で、現在、申し上げますと、選手が、三十年十二月末の登録選手をもとにしておりますが、これが五千三百七十五名でございます。これを二つに分類して申し上げますと、このうち一月から十二月まで全部連続出場した選手が四千百九十二名でございます。それからそうでないものが五二名でございます。初めの毎月全部出場した選手についてみますと、これは男子のA級と男子のB級と女子とございますが、男子のA級で申し上げますと、平均は七万三千円になっております。それで大体この男子A級の中心は、八万円から四万円ぐらいもらっている方が大部分でございます。それからA級の一番低いのが三万円となっております。それから男子のB級でございますが、B級の平均は三万八千五百円でございます。そうしましてそれの中心は三万円から人万円ぐらいが多うございます。一番下の方が二万四千円という数字が出ております。それから女子は、平均が三万四千円でございまして、一番多いのは二万五千円から四万円の方が多いように思われます。一番低いのが約二万円でございます。さようなことになっております。これは一月から十二月まで全部出た方でございます。そのほか千三名の方は選手が全部出ておられないので、その原因は病気であるとか、あるいは事故であるとか、さような方が多いのでございますが、その方はもちろんさような趣旨でございまして、収入が減っておるというふうなものもございます。従いましてさような場合には相当少い、二万円以下とかあるいは一万七千円以下というふうな方もございますが、これはやはり全部出ておらないで、病気とかさような関係がございますので、これをもって全般の例にするというわけにもいかないのじゃないか、かように考えております。
  114. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 これは局長、たとえば福岡の選手が東京へ来ると、そうすると、三等汽車賃であるか二等汽車賃であるか、私わかりませんけれども、その汽車賃と、一週間の宿泊費、こういうものは全然入らぬわけですか。
  115. 鈴木義雄

    政府委員(鈴木義雄君) 汽車賃は別に払います。しかし、食費は自分の、今申し上げました費用の中に入っております。
  116. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 そうしますと、三万八千円取った人は、汽車賃、宿泊料を除いた三万八千円の手取りと、もちろん税金はかかるわけですけれども、なるわけですね。
  117. 鈴木義雄

    政府委員(鈴木義雄君) 汽車賃など交通費は別に出るわけでございます。しかし食べる費用は、日当の賞金の中に一部入っております。自分の受取りの中から払っていく、かようなわけでございます。
  118. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 それからもう一つ、競輪が始まると選手が何十名か集ってきますね。だれだれ以下何十名ということになるでしょう。期間が六日間のレースに出る選手ですね。そうすると、その選手が宿泊所に泊ったら遮断して、これは八百長を防ぐためですが、遮断してしまうと、だれにも会わせないのだということを聞きましたが、もしそういうことがあれば、ゆゆしき人道上の問題ですが、これはあるのですかないのですか。
  119. 鈴木義雄

    政府委員(鈴木義雄君) 許可を受けない限り、一応遮断、遮断と申しますか、ほかの人が内部の人に会いますと、さっき言いましたように、八百長とか、いろいろインフォーメーションが流れますので、それは避けるようにしています。
  120. 島清

    ○島清君 関連して。今の選手の収入ですが、これは資料をどこからお取りになりましたのですか。
  121. 鈴木義雄

    政府委員(鈴木義雄君) 振興会関係、施行者関係それから選手会関係、三つから取りました資料でございます。
  122. 島清

    ○島清君 選手会関係からお取りになりました資料によりますと、平均の収入はどういうふうになっているのでございますか。
  123. 鈴木義雄

    政府委員(鈴木義雄君) 全部同じような数字になっております、三者とも。
  124. 島清

    ○島清君 その収入の出し方なんでございますが、選手の収入と見られるものは、いわゆる普通賞金と参加賞金ですね。こういう二合に区別されているわけです。そこで、参加賞金は宿泊料に当るわけですね。それで、あなたたちもそうでございますが、地方に出張される場合は、収入の中に入りませんのでございますね。それで国税庁としてこの収入に対しては、あなたたち収入とおっしゃいますが、その収入に対しては、免税を認めておるわけなんですね。収入としては見ておらぬわけです。確かに私の記憶が誤まりでなければ、選手会の出しておりまする選手の平均収入は、三十年度が一万五、六千円だと記憶をいたしております。ただ、その一万五、六千円の選手会の出し方については、施行者の方々からも、少しこれは、参加賞金の方から収入とみられる分があるのではないか、参加賞金が全部宿泊料に消えてなくなるわけでもないから、若干これが収入の中に見られるものがあるのじゃないかというところに、選手会と施行者側の方の見解が異なっておりますけれども、いずれにいたしましても、選手会の出ました平均収入が二万円足らずということになっているはずなんでございますが。
  125. 鈴木義雄

    政府委員(鈴木義雄君) ただいま申し上げました資料は、一月から十二月まで全部出ておられる方だけの平均でございます。そうしまして御指摘の参加賞金とそれから賞金との問題でございますが、全部平均で五万五千円と申し上げました。で、男子A級、B級及び女子の平均で五万五千円でございまして、これは参加賞も含まれておりまして、賞金がこの中で三万六千円、参加賞が一万九千円、こういう数字になっております。従いまして男子のA級で、先ほど申し上げました平均七万三千円という中には、賞金が約五万一千円で、参加賞が二万一千円、かような数字になっておりまして、それぞれ二万円かう一万七、八千円の参加賞が含まれている収入の数字になっております。
  126. 島清

    ○島清君 いずれにいたしましても、私はもう少しこの収入の出し方については、厳密に通産省としてやはりお出しをいただいた方がよろしいと思います。それは私は要求したいと思いますが、ここですぐ社会の通念上からいたしまして、収入の中に入らないというようなものが、選手に関する限りことさらにこれが収入でございますと言うて、国会で発表されるということについては、私は少し適切でないような気がするのです。ですから施行者側の方からお取りになりました資料と、選手会側からお取りになりました資料、振興会はないと思います。との両者からお取りになりました資料に基き、そうして通産省といたしまして判断された上に、大体この程度の収入はあるのじゃないかというふうなお示しでありますならば、私たちも拝聴いたしますけれども、どらもやはりそこには、国税庁ですらこれは収入でないというて認めているものを、ことさらに委員会の方で収入であるというふうに発表ざれるということについては、私は適切でないような気がいたしまするので、後日それぞれの関係機関からお取りになりました資料に基いて、そうして通産省が判断をされた上で、選手の収入は幾らであるということの資料を御提出いただきたいと思います。
  127. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 これは人権擁護委員長でも呼んで質問してみなければわからぬのかもしれませんけれども、しかし、今局長の御答弁では、とにかく競輪があるとき、選手が八百長をやるという御心配で遮断するということは、いかに八百長を防止するためとはいえ、行き過ぎになりませんか。
  128. 鈴木義雄

    政府委員(鈴木義雄君) 強制的にあれしているというわけではございませんので、一々許可を得て、差しつかえない場合は許しているというわけであります。ただし、気持としては先ほど申しました通り、いろいろな弊害を伴わないように、そういう意味で外部との接触を避けるようにしている、かようなことであります。
  129. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 その許可を得るということは、どこに許可を得るわけですか。
  130. 鈴木義雄

    政府委員(鈴木義雄君) 結局競輪の開催の管理委員というものがございまして、それが結局競輪の開催をやるわけでございますが、施行者の場合もございますし、振興会の場合もあると聞いておりますが、要するに管理委員の許可というか、承諾とかいうさようなことでございます。
  131. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 そういうことをやってもいいということはどこにありますか、許可を、やっていいということは、とこの通産省の競輪法規集にないですね。
  132. 鈴木義雄

    政府委員(鈴木義雄君) 選手は結局契約によって、競輪の施行者と申しますか、施行する関係者との契約によって出場するわけでございますから、その契約によって縛られているわけでございまして、法律にそれを規定いたしておりません。
  133. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 そういう契約がもしあったとすれば、これは民法違反であるか、労働法違反だと思うのですが、これはどうですか、そういうことを、これは牛か馬と同じじゃないか。そういうことをやるということになれば、そういうことをやってまでやらなければならぬところに、これは矛盾があるので、それは一体どういう権限をもって双務協定を結ぶわけですか、何の法律に基いて。
  134. 鈴木義雄

    政府委員(鈴木義雄君) 法律でございませんで、契約だと思います。
  135. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 双務協定でも、あらゆる協約はやはり基本法に基いて協定を結ぶわけです。基本法も何もなくて簡単に……、とにかく戦争前ならいざ知らず、今日そういう基本法がなくてそれに基いて労使関係……、何というか、協定を結ぶなんということはこれはあり得ない。おそらく協定を結ぶについて、施行者が雇用主であるか、振興会が雇用主であるかわかりませんよ。これはそういうことはおそらく労働基準法によってやっておるのかどうか別として、そういう法律はないはずです。どの法律の何条によって、そういうことを労使双方が結ぶということを、一つ御答弁して下さい。
  136. 鈴木義雄

    政府委員(鈴木義雄君) 選手は労働者というものでございません。むしろ独立した人格のものという、自分の意思によって出場、何といいますか競輪の施行者と契約を結ぶわけでございます。
  137. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 それはいかなる意思によってやったかしれませんよ。いかなる意図によってやっても、ある程度逸脱すれば、それはいかぬと指導するなり処罰するなり十分やれるわけですよ。両方がよかったから、何でもかんでもよろしいという理屈には絶対ならぬ。両方が悪くても、こっちも賛成だ、こっちも賛成だといった場合でも、一つの法規に基く場合には、それを撤回させてお互いに処罰できるのですよ。局長あなた御承知でしょう。両方がよかったからやりましたということじゃ、これはならぬのですよ。これはおそらく労働法に基いて協定を結んでおるのかどうかは別として、労働法に逸脱しておると私は思います。両方が納得すれば、法なんてあってもなくてもよいということになるのですか。ちょっと労働省の基準局長でも呼んで、ちょっと聞いて下さい。
  138. 鈴木義雄

    政府委員(鈴木義雄君) 何か雇用関係のように御議論のようですが、これはわれわれは雇用関係と見ておりませんで、契約によって出場する関係と、われわれは見ておるわけでございます。
  139. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 冗談をおっしゃってもらったら因りますよ。協約によれば、それは雇用関係が生ずるのですよ、請負師じゃないのです。そういうことを明確に登録して、この選手はどこどこの付属ですよということに相なっていると思うのだけれども。ですからそこで本人たちはどのように理解している、いないは別といたしまして、とにかく雇用関係を自動的に生じておるのだ。それがとにかくそういうむちゃくちゃをやるなんということは、これは世の中じゃあり得ないのです。そんなことを、明確にそういうことをやってよいということだったら、どの法律に基いてそういうことを許可を与える、許可を与えなければ選手がやれぬということを、もう少し明確に御答弁して下さい。
  140. 鈴木義雄

    政府委員(鈴木義雄君) 阿部先生はどういうことの御答弁を御要求されておるのか、よく私つかめないのでございまして、結局人間に雇われておる、人に雇われておるという関係じゃないのです。一人の独立の出場者として選手が競輪の開催者と契約をすることによって出場することができる。それによってその契約の条件を、宿舎に一定の期間、出場前はこうこうしろ、こうこうしてもらいたいという条件ができております。それによって競輪の弊害を防ぐために、インフォーメーション等が漏れないために、承諾を得ない場合は出てはならないというふうな考え方になっておりますので、それが特に非常な長い期間であり、まただれから見ても、非常に不当な拘束であるというなら別でございますけれども、そうでない、常識的に見てやむを得ないということになれば、それは契約して差しつかえないのじゃないかと思います。
  141. 島清

    ○島清君 ちょっと関連して。今、局長、契約に基いて選手は管理状態に入ると。だからこれは労働者として扱うことは適切ではないと、こういうことなんですが、いつの場合でも選手は労働者であるのか自由営業者であるのかというので議論の焦点になるわけですが、理論はいかようにでもなるにいたしましても、実質的には双務契約ということになると、これは平等の立場と権利によって契約をされなければならないはずなんです。ところが、それじゃ配分をもらいまするときに、配分をお前にする、よろしうございますと、言うて返事を出します。そうしますと何月何日からどこそこの競輪場に出走をするというので、自分のからだを持っていくわけですね。自分が優勝したい、このレースで優勝したいというコンディションを作っていくわけです。ところが、施行者の方や振興会の方からお前は情報が悪い、お前は帰れと言うてすぐ帰される場合があるのです。帰される場合でも、それに対する選手は損害の賠償の要求もできなければ泣き寝入りの状態です。従いまして、そうすると一応は表面的な形式の面からは双務契約という形をとられておるけれども、実質的には個々に使用者であるとか、雇用人であるとかいうような関係において、いかようにでも選手を管理できるのだというようなことが実際に行われている。そういうことを阿部議員は聞いておられるわけなんですから、ですからどうか一つ、ただ形式的な表面的な双務契約というもの下ではなくして、たとえばそういう形において行われる契約であるならば、選手が情報が悪いから帰れと言われた場合には、優勝した、それからあなたが言われるように平均収入が七万円あるならば一同走れば三万五千円つけて帰すというならば、それは平等なる形において契約が締結された。こういうことは言い得るかもしれませんけれども、実際的にはそういうことはなされていないということなんですね。
  142. 松澤兼人

    委員長(松澤兼人君) 御答弁要らないの、いいですか。
  143. 島清

    ○島清君 鈴木さんどうですか、ちょっと答弁できないでしょう。もう少し研究されてから…。
  144. 松澤兼人

    委員長(松澤兼人君) 速記をやめて。    〔速記中止〕
  145. 松澤兼人

    委員長(松澤兼人君) 速記をとって。
  146. 相馬助治

    ○相馬助治君 阿部議員質問に関連してお尋ねしますが、この法律審議の準備をしておるうちに私が発見したことは、発見というと大げさですが、私自身がわかったことは、競輪関係の従業員の身分というものは、全く気の毒だということと、それから選手というのはごくすぐれた、選ばれた、賞金をたくさん取れる人間はいざ知らず、それ以外の者は競輪の選手というものの身分が非常に不安定で、一たんこれがあるところに落ち込むというと、もう奈落の底にどんどん落ちて行ってしまうような社会的な条件のもとに置かれておるということを私は知って、非常に驚いたわけなんです。で、阿部委員質問に連関してお尋ねしたいことは、法律論ではなくて、選手として施行者との間に契約ができて、了解して契約したのだからそれでいいのだというが、それは局長の等えとは思えないわけです。甲と乙とはどんな双務協定をしても、社会の安寧秩序を害したり、ないしは習慣的な、常識にもとると、こういうことは成年者同士の双務協定でも、その協定自身は無意味だということは民法で明らかです。しかも、売春禁止法を一つ例にとってみても、雇用主とある女の子とが全く合意の意思で契約ができて、しかも売春をやったとしても、雇用主の罪は免かれ得ないということは、これははっきりしております。そういう形からいうと阿部委員質問の焦点は、察するにこういうふうに身分の不安定な立場に置かれておる競輪選手を擁護するという底の意思があって、そうして現在まで行われているこの状態に対して、監督官としての局長はどのように判断するのか。また、この法改正に伴って今後どのように考えるのかと、こういうことを尋ねているのだと本員は了解するわけです。双務協定で納得済みなんだから、それでいいのだ、そんな木で鼻をくくったような返事で、まあそうですがと引っ込んでいるほど、こっちはとぼけていないのですから、そこのところしっかと答弁して下さい。
  147. 鈴木義雄

    政府委員(鈴木義雄君) どうも私の答弁が非常にまずかったのかとも存じますが……。
  148. 相馬助治

    ○相馬助治君 まずいのです、大へん……。
  149. 鈴木義雄

    政府委員(鈴木義雄君) 実は選手の問題につきましては、従来待遇あるいは賞金制度、そういうふうな問題についても、委員会を設けまして、施行者あるいは振興会、選手会等でいろいろ議論して、たとえば賞金についても昭和二十九年か三十年かに一二%引き上げたというふうな例もございます。また、最近におきましても、さような問題が起っておりまして、現在検討しておるわけでございます。それをやっておるわけであります。それから選手の出場に関するいろいろな条件がございます。それについては、先ほど実は一番初めに御説明したのであとで御説明しなかったわけでございますが、今度の第十四条中には、競輪の設置者その他に対して、選手の出場に関する条件を適正にすべき旨の命令というのが通産大臣は出されることになっております。従いまして、かような制度の運用によりまして、必要があれば適正にすべき旨の命令が出し得ることになっております。しかしながら、どういうふうにこれを今後運用していくかは、委員会等の結論を見、それによってさらに研究していきたいというような考え方であります。何もそのものを放ったらかしておくというつもりはないのでございます。ただ、法律論と申しますか、何と申しますか、法律論的なお話がございましたので、先ほどさようにお答えをしたわけでございます。考え方は今申し上げました通りであります。
  150. 相馬助治

    ○相馬助治君 もう一度聞きますがこういうことなんです。選手を競輪の当日、一般観衆から遮断しておくことがけしからぬということに話のウエイトがあるのじゃないのです。かりに逆説的に言って、それでは当日観衆と競輪選手とを自由に行き来させておいたらどうだといえば、この弊害の方が、この支障の方が現存のように遮断しておくことより私は大きいと思います。ですから事実問題としては、遮断しておくことが悪いということを非難しておるのじゃなくて、そういう選手を遮断までして、基本的人権にもとるのではないかと思うような措置をしているに比較すると、競輪選手の置かれている社会的な位置などというものは、まことにみじめなものだと思う。だからこれらのことを今度は逆に言うと、このような不安定な、みじめな位置に置かれている競輪選手を、こういうふうに基本的人権の侵害ではないかと思うような措置をして遮断をするということは、一体どの法律でやっているのだと、逆から阿部さんが聞いているわけなんですよ。そこの意思をくみ取って、しかと御答弁を願いたいと私は思うのです。
  151. 松澤兼人

    委員長(松澤兼人君) 速記とめて。    〔速記中止〕
  152. 松澤兼人

    委員長(松澤兼人君) 速記つけて。
  153. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) 今の問題は、競輪選手の身分とか、待遇をどう保障するかという問題とも関連するのでしょうが、質問の直接の御趣旨は、どういう契約をしようとも、契約の内容が公益を害したり、あるいは基本的人権を害するというようなものだったら、その契約は、たとえば本人が承知しておっても、それは無効となるべきもので、また、その契約は不当だということが言えるのだが、今選手をどこかへとめておく、檻禁するというようなことは、そういう意味から見ていいことかという御質問だと思います。それは結局その内容が、今言ったようなことであるかどうかの判断だと思いますが、これは選手の素質がまだ向上していないといえばそれまでですが、ただいまの状態で、試合の前に野放しにして、外部の人と勝手に交際できるようにすることの危険性と、そうでないで、原則として外部の人とは行き来しないと、しかし、そうでなくて必要がある場合には、申し出によってこの管理委員が承諾を与えて自由に人と会ってもいいんだという程度の拘束だったら、私は本質的な問題に触れるあれじゃないのじゃないかと思います。例が違うかもしれませんが、中学生あたりを入れる寄宿舎というのでも、まだその保護される対象の特質によって、外部人が自由にそこへ入れないように、寄宿舎において面会人が来たら、舎監の承諾によって面会しろというふうな管理規定が、子供の人権を非常に傷つけた管理規定であるということは簡単に言えないと同じように、選手というものは試合をやって、競技に出て試合するという一つ任務を持ったものでありますからして、その弊害をなくするための措置というようなものは、その程度の措置なら私はこれはさして本質的な問題を含んでいないのじゃないかと考えて、おります。
  154. 松澤兼人

    委員長(松澤兼人君) ちょっと速記とめて下さい。    〔速記中止〕
  155. 松澤兼人

    委員長(松澤兼人君) 速記とって。  本会議も始りましたし、暫時休憩いたします。    午後一時四十八分休憩    〔休憩後開会に至らなかった〕