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政府委員(
松尾泰一郎君) 確かにその御
心配も、もっともと思うのでありまするが、率直に申しますと、現在の日中
貿易は、比較的
中小企業で行われておるわけであります。大
企業がかりに出て参るとしても、今後の問題じゃないかと思います。従って非常に平たく議論を申し上げますならば、今
中小企業が、
中小の
業者が大部分メンバーになっております日中
輸出入組合で、早回しにそういう調整
規定をやる、アウトサイダーの
規制命令を発動すれば、かえって
中小の
利益の保護になるのではないかという見方もあるわけであります。ところが、お互いの利害もありまして、いや、これからもう
一つ新しい商品にも手出しをしたい。まだ、商品別に見ますると、そういう調整をするほどの段階に立ち至っていないと言われることも、私ごもっともと思います。従いまして組合で現在いろいろの
意見が分れておりまするが、いろいろの各
業者の思惑から行われておるわけでありまして、われわれとしては、先ほ
ども申したように
業界のそういう気運が醸成し、みずから総会の特別決議でもって、ということは、
組合員の大多数がその必要を認めて、調整
規定を作り、アウトサイダーも
一つ何とかしてくれということになって、初めて先ほどの
規定が動くことになるわけであります。
業者がそういう必要を認められなければ、この
規定は動かないわけであります。かりに、そんならそういう必要を組合が認めてきた場合に、大
企業と
中小企業の利害はどうなるかということでありますが、御存じのように今の
輸出入組合でも、
輸入組合でも、
輸出組合でもそうでありますが、加入も脱退も自由であります。それから議決権も戦前とは違いまして、大
企業も
中小企業も議決権は同様に一個になっておるのであります。従いまして大体ああいう組合というものは、
中小企業の方が数が多いわけであります。従いまして
中小企業の
利益に反するということであるならば、もう組合では、その議がまとまらないのでありまして、従いましてわれわれとしては組合でそういう三分の二の議決ができるという場合には、これはもちろん若干のアウトサイダーも予想されますけれ
ども、その
関係の
貿易業者等の相当多数の意思が、そういうことを望んでおられると判断していいのじゃないかというふうに
考えるわけでございます。今申しますように、昔ならば大
企業が議決権を多く持っておったという場合もございますが、これは御存じのように、現在は組合の大部分が
中小企業であるということでありますので、かりにその議決があるということならば、
中小企業みずからがその必要を認めて、自己防衛のためにやろうということになってくる場合を予想しております。従いましてそういう場合は、アウトサイダーの
規制命令の必要も起って参りましようし、また、その場合に組合から申し入れがあった場合に、国の事務の一部をやっていただくというのも、自然の行き方じゃないか。決してこの
法律の意図するものは大
企業、
中小企業の摩擦は起らないのではないか。どっちかというと一、二の大
企業から見ると、
中小企業に引きずられて、一緒に入っても何も
利益がないという非難を比較的われわれは聞かされております。船頭が多くて動きが悪いという非難は聞かされておるのであります。
中小企業の方面から、いろいろ
心配はあるのでありますが、私はその点はまさしく
誤解であり、今の組合の実態から見まして、そういうことのあり得ないような体制に、実情もそうでありますし、法の組み方もそういうふうになっておるわけであります。この調整事務の一部を組合にやらせる結果、大
企業が専横をきわめるというようなことは、絶対起りもしませんし、私はそういう
心配は単なる杞憂じゃないかというように
考えております。