○
豊田雅孝君
公取委員長にお尋ねをいたします。以下お尋ねいたしますことは、
公正取引委員会を私は最も尊重する立場をとっておりますもので、それだけに尊重するのあまり、苦言を呈するというようなことになろうかと思いますけれ
ども、そのおつもりでお聞きになり、また、そういうおつもりで率直な御
答弁を願いたいと思うのであります。
言うまでもなく、この
公正取引委員会は不
公正取引を監視せられておるのでありますが、いろいろ不公正なる取引がありましょうけれ
ども、大企業に中小企業が
支払う場合は
現金だ、それから中小企業に対して大企業が
支払う場合には、
現金が神武景気だというので漸次ふえてきておるようでありますけれ
ども、やはり
手形が多く、しかも
手形の
サイトのやはり相当長いものがあるということでありまして、この両者の間の取引のアンバランスというものがはっきりした形では現われないが、それだけに非常に大きな不公正な取引だと思うのであります。で、これはよほどしっかりした取り締りをやらないと、せっかく
支払遅延防止法を制定せられましたけれ
ども、その実が上っておるのかどうかということに、多分の疑問を持つわけであります。もちろん、神武景気によっていい影響は出てきているだろうが、それは
支払遅延防止法の直接の成果ではない。むしろ景気の好転から来るものであるというようなことであっては、私はならぬと思いますので、さような
意味合いから
質問をいたすのであります。
第一、この
電子工業振興臨時措置法案の審議に当りまして、
通産省から
支払遅延の
状況いかんということの
質問に対しまして配られました
資料を見ますると、
電気機械あるいは
通信機械等も相当好転しておるという数字が出てきておるのでありますが、
公取の
関係当局から午前中に聞きましたところによりますと、最も悪いのが
電気なり
通信機械関係ということでありまして、そこにまあ大きな開きがあるのであります。多少のそこに
ずれがあるというような表現でありましたけれ
ども、全く事実は
極端と
極端が相対立しておるようなことになっておるのであります。そういう点から、問題は
公取の
委員長においでを願ってお尋ねをしなければならぬというようなことになってきたのでありますが、
支払遅延防止法によりますと、
密告のあった場合には、直ちに
公取が
調査に出動せられて、そうして成規の処置をとられるということになっておるのでありますが、今までに
密告を受けられた件数がどの程度あり、そしてこれは
業種別に申しますと一番どういうものに多いか、そうしてこれに対して
勧告を出されたのでありましょうが、
勧告の実績がいかに上ってきておるか、こういう点を午前中にも
質問したのでありますけれ
ども、遠慮をしておられるか、はっきりしなかったのでありますが、
公正取引委員会が業界に対して遠慮をするようでは、私は
公正取引の
委員会存在の意義は非常に薄くなると思う。きぜんとして業界にただすべきはただし、追及すべきは追及し、場合によれば
公表も堂々とやられるところに、私は真の
公正取引委員会存在の意義があると思うのであります。そういう点で遠慮をせられないで、
勧告せられた結果がどうなったか、そうして
密告を受けた
会社というものはどういうものがあるか、これは前に
支払遅延防止法制定審議の際にも、事態のよろしくないものは
公表するというお約束をせられたと私は思うのであります。従ってこの
密告を受けるようなものは、事態のきわめて悪いものではないか、それだけにその
会社を
公表せられるということは、私は財界を粛正する
意味において必要ではないかというふうに思いまするので、その点どうか御遠慮なく、きぜんとして御
答弁を願いたいと思います。