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白井勇君 従来
輸出品取締法によりまして、自家検査により表示されておりましたものを、北京の見本市の事件から、急に今回の
輸出検査法となったわけでありますが、その間大事な
輸出貿易に対する従来の
政府のやり方がまことに遺憾であったと私は思うのでありますが、しかしながらこの
法案が一応制定されましたことは、今後の
日本の大事な
輸出貿易上非常な喜びと思うのであります。ただ、その内容をいろいろ
検討をいたしてみますというと、この
委員会の論議を通じてみましても、最小限度におきましてもいろいろ修正を要する点がありますので、その点は共同提案の修正
通り私は修正をいたしまして、本案に賛成をいたしたいと、こう
考える次第でございます。
これが今後九カ月間の準備期間を置きまして、実施をされるわけでありますが、この際私は本案の適正な運用上、特に付帯決議をつけて賛成をいたしたいと、こう
考える次第であります。
要はこれからの運用の面が非常に残されておるわけでありまして、ことにまず第一の問題は、機関の問題であります。これが民間の機関が今後漸次指定をされるわけでありますが、その
経過に伴いましても、従来その指定貨物の取引
業者関係の団体から発足をいたしたものでありまして、それらとの関連がやはり
相当深いわけであります。しかも、
輸出貿易というような品目でありますので、世界の貿易市場におけるいろいろな不沈の場合、そういう場合にも公正な、的確な検査を実施し得る機関が、果してできるものであるかというような懸念が非常に強いわけであります。さらにまた、問題となりますることは、実際、検査をやりまする者は、機関そのものの上層部じゃないわけでありまして、実際検査をやりまする者は、検査員そのものが権限を持ちまして、合格か不合格かをその場におきまして決定をするというような、非常に重要な使命を持っておるわけでありまするが、その者の身分等におきましても、果して安心してその業務を公正にやっていけるかどうかというような懸念も非常にあるのであります。
さらにまた、特に遺憾と思いますることは、これだけ重要な
法案を出したにかかわりませず、三十二年度におきまする
政府の予算的措置が非常に貧弱であるという点であります。こういうものは、なかなか収支を償ってやるということは非常に困難なものでありまして、ことに、新しい
輸出貿易品、あるいはまた特に農林水産品等におきましては、手数のみかかりまして、一面指導を兼ねました検査をやっていくというような面もありまするし、手数がかかり、経費がかかりまして
仕事をやっていかなければならぬ、こういうような非常にまあ金のかかる
仕事であります。そういうものなのにかかわりませず、何らの予算的措置がありません。さらにまた、こういうものはもちろん国で
相当の援助をやってやらなければならない。人件費の補助でありまするか、あるいはその他検査器具等いろいろの経費等があると思います。そういうものに対する措置が
一つもない。また、特に
技術を要しまする検査員の
技術向上の措置も
考えられていないと、こういうようなことでありまして、非常にまあ
政府といたしましてのこの予算裏づけにつきましての今回足りない点を、今後特に御注意をお願い申し上げたいとこう思うのであります。
そういう意味合いにおきましても、私はここに付帯決議をつけたいとこう思うのでありまするが、一応それを読んでみまするというと、
以上であります。
なおつけ加えて申し上げておきまするが、修正案につきましては、皆様方の御意向をくみまして、まとまりましたものを別途ガリ版刷りにいたしましてお
手元に差し上げてありますので、それをそのまま
速記録に載せることについての御了承を願いたいと思います。