運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1957-03-12 第26回国会 参議院 商工委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年三月十二日(火曜日)    午前十一時五分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     松澤 兼人君    理事            西川彌平治君            近藤 信一君    委員            青柳 秀夫君            大谷 贇雄君            小西 英雄君            小幡 治和君            白井  勇君            阿部 竹松君            相馬 助治君            藤田  進君            豊田 雅孝君            大竹平八郎君   国務大臣    国 務 大 臣 宇田 耕一君   政府委員    経済企画庁開発    部長      植田 俊雄君    通商産業省通商    局長      松尾泰一郎君    通商産業省石炭    局長      讃岐 喜八君   事務局側    常任委員会専門    員       小田橋貞寿君   —————————————   本日の会議に付した案件委員派遣承認要求の件 ○東北興業株式会社法の一部を改正す  る法律案内閣送付予備審査) ○輸出保険法の一部を改正する法律案  (内閣提出) ○特別鉱害復旧臨時措置法の一部を改  正する法律案内閣送付予備審  査) ○臨時石炭鉱害復旧法の一部を改正す  る法律案内閣送付予備審査)   —————————————
  2. 松澤兼人

    委員長松澤兼人君) これより委員会を開きます。  先ほど委員長理事打合会におきまして、今後の日程は大体お配りいたしましたような順序に従いまして進めるということになりました。この点いろいろ変更はあると思いますが、大体においてそういう日程で、今後の議事を進めていくことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 松澤兼人

    委員長松澤兼人君) 御異議ないと認め、さように決定いたします。  なお、これも先ほど委員長理事打合会におきましてお諮りいたしたことでございますが、委員派遣の問題であります。今後原子力関係その他重要な案件が本委員会で審議されることになりますので、茨城県東海村の原子力研究所及び日立製作所視察の件につきまして、かねていろいろ御相談を願っていたのでありますが、本視察は遠隔の地でもあり、また一泊いたします関係上、これを委員派遣によって行うことにいたしました。その日取りはお手元に配付の日程に従い、三月十五日及び十六日の二日間とし、派遣委員につきましては、手続の都合上、大体六名といたしました。その決定は委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 松澤兼人

    委員長松澤兼人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。   —————————————
  5. 松澤兼人

    委員長松澤兼人君) 次に、東北興業株式会社法の一部を改正する法律案が当委員会に付託されましたので、予備審査でありますが、これより提案理由説明を聴取することにいたしたいと存じます。
  6. 宇田耕一

    国務大臣宇田耕一君) 東北興業株式会社法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明いたします。  御承知の通り東北興業株式会社は、東北地方振興をはかるため、同地方における殖産興業目的として、昭和十一年に設立され、自来、この目的に即して同地方産業振興に寄与いたして参ったのであります。  しかしながら、戦後、国内経済事情の激変と、法人に対する政府財政援助の打ち切りとが会社経営事情の悪化を招き、事業整備縮少するのやむなきに至りましたが、昨年第二十四国会において、会社の発行する債券元利支払いについて政府保証することができるように法律改正が行なわれましたので、会社事業資金が円滑に調達され、事業の推進が期待されているのであります。  しかしながら、東北地方の資源及び産業につきましては、その現況より見て、さらに積極的にその開発を促進することが、国民経済の発展上緊要と考えるものであります。このため、東北興業株式会社につきまして、その名称を変更し、会社が行う事業範囲を拡大する等所要規定をする必要があると考える次第であります。  以上がこの法律案を提案する理由でありますが、次にこの法律案の要旨を御説明いたします。  改正の第一は、会社名称東北開発株式会社と改めるとともに、会社目的を明確にし、東北地方の定義を明らかにすることであります。  改正の第二は、会社に対し政府が予算の範囲内において出資することができる旨を明記するとともに、会社の役員の定数、任命、職務権限など理事会構成等会社の組織並びに債券発行限度について、商法の規定との関連等をも考慮して、これが整備をはかることであります。  改正の第三は、会社の行う事業範囲を拡大し、新たに産業立地条件整備するため、必要な施設に関する事業を加えることであります。  改正の第四は、政府の所有する会社株式について、後配株制度を復活することであります。  改正の第五は、会社監督内閣総理大臣が行うものとし、経済企画庁長官がこれを補佐することとするとともに、会社監督に関する規定整備することであります。  最後に、会社の行う事業公共性にかんがみ、罰則の整備を行うとともに、登録税の減免、同一商号の使用制限等所要規定を設けることであります。  以上が東北興業株式会社法の一部を改正する法律案趣旨でございます。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛同あらんことをお願いいたします。
  7. 松澤兼人

    委員長松澤兼人君) 本件に対する質疑は、後日にゆずります。   —————————————
  8. 松澤兼人

    委員長松澤兼人君) 次に、輸出保険法の一部を改正する法律案につき、政府側より、内容説明を伺います。
  9. 松尾泰一郎

    政府委員松尾泰一郎君) 先般、輸出保険法の一部を改正する法律案提案理由説明におきまして、大体説明されておるのでありますが、お手元に配付されておりまする、輸出保険制度改正要綱につきまして、簡単に御説明申し上げます。  第一は、方針でございますが、「現行海外投資保険制度改善、拡大するとともに、新たに海外投資に係る配当金を非常危険によって本邦送金することができないことにより受ける損失をてん補する保険制度を設けることにより海外投資を促進し、もって輸出貿易その他の対外取引の健全な発達を図るものとする」。申し上げるまでもなく、現行海外投資保険制度改善、拡大すること、新たに利益送金保険を創設いたしまして、海外投資を促進をし、輸出貿易その他、対外取引の健全な発達をはかります。  第二の、要領でございます。まず、その(一)が、「現行海外投資保険制度改正」その(1)が、「名称を『海外投資元本保険』に改める」。これは、今回海外投資利益保険を創設いたします関係上、それと区別するために、特に海外投資元本保険に名前を改めようとするものであります。  その(2)は、「担保危険の範囲改善及び拡大」でございます。まず、その第一は、「当該外国法人戦争革命又は内乱により損害を受けて解散した場合において、『海外投資を行った者が当該株式等を処分したこと又は清算が結了したこと』を保険事故発生要件としないよう改める」。ことであります。現行法におきましては、戦争革命または内乱によって損害を受けて解散をした場合で、海外投資を行なった者が当該株式を処分した、または清算を結了しなければ保険事故発生と見ないことになっておるわけであります。ところが、戦争等非常事態のもとにおきましては、解散後において事実上清算手続のとれない場合が多いのではないかと思うのであります。清算結了が非常に遅延することが予想されるわけであります。また、そういう混乱時期に株式等を処分することは、きわめて不利な結果となると思うのであります。たとえば紙くず同様の値でしか処分ができないというような結果になることが、おそれられるのであります。そこで、解散の事実だけをもって保険事故発生するものというふうに改正をしようとするわけでございます。  それから第二に、保険事由構成要件としまして、戦争革命または内乱のほかに、暴動または騒乱を加えることでありますが、戦争または内乱のように、兵力の行使に至りませんが、多数人の集団的暴動によりまして、社会秩序混乱をするというふうな事態も、戦争革命または内乱と同様に保険事由構成要件として考えるべきではないかということで、その字句を挿入したのであります。  第三は、司当該外国法人が設備、原材料その他の物に関する権利鉱業権工業所有権その他事業遂行上特に重要な権利又は利益外国政府地方公共団体若しくはこれらに準ずる者によって侵害されたことにより損害を受けて解散したこと又は当該外国法人が前記の損害を受けて一定期間以上事業を休止した場合において投資者株式等を処分したこと』により投資者が受ける損失をてん補するものとする」。この規定は新しく挿入をし、追加せんとするものでありますが、ここに書いてありますように、いろいろの事業遂行上の権利または利益外国政府なり、地方公共団体、もしくはこれらに準ずる者というのは、いわゆる政府出資による、たとえば公団のごときものを考えておるのでございますが、そういうものによりまして侵害されたことによって損害を受けて解散をしたこと、それからまた、そういうような損害を受けて解散までは至りませんが、一定期間事業を休止しておりまして、その間に株式等を処分したことによって受ける損失を補償しよう、こういうわけであります。  次の第(3)填補額算定方法改善でございますが、「てん補額算定において控除すべき『配当金配当見込額とのいずれか多い金額』を『配当金配当見込額とのいずれか多い金額半額』に改める」。これは保険金算定に当りまして、従来は配当金配当見込額、これは保険契約で大体一割と定められておるのでありまするが、この「配当見込額とのいずれか多い金額」を控除しておったのでありますが、配当金の中には、投資元本の調達に伴ういわゆる利子負担とか、あるいは配当所得に対しまする租税等所要経費に充当されるべき部分が含まれておるわけでありまして、これらの額は大体平均しまして配当金の五割程度と予想されるわけであります。従いまして「配当金配当見込額とのいずれか多い金額半額」だけを控除することに改めるものであります。  その第二は、「てん補額算定において控除する『当該事由発生により取得した金額又は取得し得べき金額』について『外国政府等による没収又は管理等により本邦送金することができない金額』が生じたときは、当該金額損失額に算入するものとする」。これは投資者現地におきまして、株式等の収用を受けた場合におきまして、補償金等支払いを受けた場合、それがここにいいます当該事由発生により取得した金額取得すべき金額であります。そういう補償金支払いを受けた場合におきまして、外国政府等によって没収または管理によってその受けた補償金を、本邦送金できない事態も起ろうかと思うのであります。そういう送金できないときには、実際は投資者損失となるわけであります。補償金は受けましたが、送金ができない結果、その投資者損失はいささかも軽減されませんので、この場合には、送金不能額損失金に算入をして填補することとせんとするものであります。  それからその(4)は、「てん補率引上げ」、「填補率現行の百分の六十から百分の七十五に引上げる」ことであります。  それから(5)は「保除料率の引下げ、」保険料率現行の一・五%、すなわち百円につきまして一円五十銭でありますが、それを一・二五%、すなわち一円二十五銭に引き下げようというわけであります。いわゆる填補率を引き上げ、保険料率を引き下げまして、投資せんとする者の危険をできるだけ政府負担をし、また、この料率の負担を軽減をしたいという趣旨でございます。  その次は、保険期間でございますが、「保険期間は、十年以上において政令で定める期間をこえてはならないものとする」。今のところ政令におきましては、十五年を予定しておるのでございます。企業の    〔委員長退席理事近藤信一着席建設期間が非常に長くかかるものについては、特例的な扱いをいたさなければならぬかと考えております。  その次の第(二)は、「海外投資利益保険の創設」であります。新しい利益保険制度を作ろうとするものであります。  その(1)は「担保危険」であります。「海外投資を行った者が株式等に対する配当金を左の各号の一に該当する事由によって一定期間本邦送金することができなかったことにより損失を受ける事である」。海外投資を行ないました者が現地におきまして配当金を受けましても、いろいろな事由によりまして本邦送金をすることができなかったことによって受ける損失をカバーしようという保険でございます。一定期間といいますのは、大体今のところ、二年ないし三年を予定いたしております。政令によりまして定める予定になっております。  その事由の第一は、「外国において実施される為替取引制限又は禁止」いわゆる外国政府政府としてこういう為替取引制限なり、禁止なりを実施した場合であります。  その二は、「外国における戦争革命又は内乱によって事実上為替取引の杜絶」、取引ができなくなった場合であります。  それから三は、「外国政府等による当該配当金管理」、俗にいいますと、いわゆる配当金の凍結をされた場合であります。  その四は「当該配当金送金許可の取消又は外国政府等がその許可をすべきことをあらかじめ約していた場合においてその許可をしなかったこと」。これは外国政府があらかじめ送金につきまして包括許可を与えておったような場合におきまして、その許可を取り消したような場合、あるいは外国政府があらかじめこの送金保証をしておった場合に、その保証が事実問題として守られなかったというような場合であります。  その次の五は「前四号の事由発生後における外国政府等による配当金没収」であります。いわゆる前四号の事由発生をいたしまして送金ができない期間先ほども申しましたように二、三年の間におきまして要するに送金できない期間内において、いわば待っておるような場合に、外国政府等によって、さらに配当金没収されたという場合であります。  こういう五つの場合に該当するような事由によって、一定期間本邦送金することができなかったことによって受ける損失を填補しようとするものであります。  それから(2)が損失額算定方法であります。いわゆる保険で填補される損失額の具体的な算定方法に関する事項でありますが、配当金のうち前項の事由により一定期間本邦送金することができなかった金額(以下「事故配当金」という。)から左の金額を控除した残額とする」。次に掲げられております一、二、三、四の金額を控除した残額につきまして填補されることになるわけであります。  その一は、「当該事由発生により支出を要しなくなった金額」、これは送金不能となりましたために支出を要しなくなった金額でありまして、たとえば送金費用とか、あるいは送金税とか、こういうものは支出を要しなくなった金額でございますので、当然差し引くわけでございます。  それからその二は、「当該事故配当金をもって支出した金額」、これはたとえば現地株式等取得のため、または海外支店経費に充てるために支出した金額等意味しておるのでございます。  それからその三は、当該外国法人送金不能期間内に発行した株式取得又はこれに準ずる海外投資のため当該事故配当金をもって支出し得べきであった金額」、少し複雑でございますが、これは当該外国法人がこの二、三年の送金不能の期間内におきまして発行した株式取得なり、「又はこれに準ずる」と申しまするのは、この被投資法人同一系統で、かつ被投資法人と密接な関係を有する法人たとえばその会社原材料を供給をしているとか、あるいは製品を引き取っているとかいうふうな、その原材料あるいは製品の受け渡しの面におきまして密接な関連を有する法人、これらの法人につきましては政令で具体的にきめることになっておるのでございますが、そのようないわゆる被投資法人そのもの、またはその同一系統にあるような法人増資新株取得に要する金額という意味でございます。  それからその四は、「損失を軽減するために必要な処置を講じて回収した金額」、これはたとえば配当金の一部が送金不能となって、これを送金して参ったような場合、こういう意味であります。  こういう一、二、三、四の金額を控除して損失額算定をせんとするものでございます。  その次の(3)の「てん補率」は元本保険と同様百分の七十五でございます。  それからその次の保険料率も、元本保険と同様一年につきまして一・二五%とするわけでございます。  それから「保険契約期間」、「十年以上において政令で定める期間内における株式等に対する配当金について生じた損失をてん補するものとする」。この「政令で定める期間」というのは、一応十年を予定しておるのでございます。  それからその次の(6)は、「回収金の納付及び債権取得」でございます。保険金支払いを受けた者がその保険金請求をした後に回収をした場合に、その今の七五%の割合でもって政府回収金を返還するということであります。これは普通の保険の場合と同様でございます。  それからその次は「政府保険金を支払った場合において、保険金支払請求のときに被保険者の有していた当該配当金に係る債権取得することができる」。いわゆる代取得でございます。そういう場合も予想をしておるわけでございます。  最後の三は「措置」でございます。輸出保険法の一部を改正して、昭和三十二年四月一日から実施をする、これは予定でございます。法案では公布の日から施行する、こういうことでございます。    〔理事近藤信一退席委員長着席〕  以上でもって法案要綱説明を終りますが、ついでに現行輸出保険制度運用状況をちょっと説明させていただけたらどうかと思うのですが、委員長、よろしゅうございますか。
  10. 松澤兼人

    委員長松澤兼人君) 何か調べがありますか。表は出ていますか。
  11. 松尾泰一郎

    政府委員松尾泰一郎君) お手元にいろいろの表をお配りしてあります。
  12. 松澤兼人

    委員長松澤兼人君)  それでは、続いて松尾通商局長から保険法運営状況について説明を願います。
  13. 松尾泰一郎

    政府委員松尾泰一郎君) 簡単に輸出保険制度運用状況説明させていただきますが、御存じのように、この輸出保険制度昭和二十五年に創設されまして以来数次の改正を経まして、現在七種類保険を有する制度にまで発展しておるのでありますが、一般にその利用は逐年増加して参っておるのでありまして、昭和三十一年度におきましては保険契約金額におきまして十二月までにすでに七百五十億円に達しておるのであります。従いましてこの年度末、三月末までには一千億円を越えるものと予想しておるのであります。なお、昭和三十年度は九百五十億円の実績をおさめておりますので、約百億円程度を上回るものではないかと思うのであります。なお、この保険責任残高もこの利用状況増加につれまして逐次増加をいたしておるわけでございます。昨年十二月末現在におきまして責任残高は千百億円に達しておるのであります。  七種類保険別運用状況につきまして御説明すると長くなりますので、あとでまた御質問でもあれば、お答えすることにいたしまして、それからその次に保険特別会計収支状況でございますが、先ほども申しましたように、保険制度を創設しました昭和二十五年以来昨年の十二月までに政府の受け入れました収入、すなわちこの保険料返納金合計額が十五億五千万円に上っております。他方政府支出した保険金は八億四千万円になっております。従って七億一千万円の収入超過でございますが、保険料収入のうち未経過保険料が六億円、それから支払い予定金額が七千万円程度ございますので、差し引きして四千万円程度正味収入超過となっておるのであります。いわば収支はほぼとんとんというところで運営をされておるわけであります。政府の直営する保険事業としては、比較的まあ理想的な姿で動いておるのではないかと思うのであります。  なお、現在の保険特別会計の持っておりまする資金は十二月末におきまして四十一億五千万円に上っております。そのうち三十億円がいわゆる一般会計からいただいておりまする資本金でございます。従って十一億五千万円がその資本金以外に持っている現金ということになるわけでありますが、それを若干分解して申しますと、先ほど申しました未経過保険料の六億円、それから支払予定金額の七千万円、それから先ほど申しました四千万円の正味収入超過分、そのほか四億四千万円が残りますが、これはいわゆる利子収入でございます。  それから次に、この海外投資保険運営状況につきまして簡単に御説明さしていただきますと、昨年の四月に、この海外投資保険制度が創設されまして以来、本年の二月末までに締結されました保険契約件数にしまして十件、保険金額にしまして九億五千万円に上っておるのであります。この海外投資保険に付保されました投資総額は約十八億円でありまして、この保険の対象となる海外投資、すなわち外国法人株式持分取得形態をとりました投資総額は、昨年の十二月までに約五十億と予想されるのであります。従いまして三五%程度がこの海外投資保険利用しているというふうに考えられるわけであります。その海外投資保険保険契約内容を簡単に申しますと、投資されました相手国でございますが、タイそれからメキシコ、サルバドル、台湾それから英領のニューヘプリデス島というふうなことになっておりまして、業種はいわゆるマイニングの鉱業、それから繊維、機械ゴムベルト工業綿紡績工業麻紡績工業漁業等合計十件でございます。  以上で説明を終ります。
  14. 松澤兼人

    委員長松澤兼人君) これより輸出保険法質疑に入ります。なお、通産大臣は、時間は未定でありますけれども、午後出席するという申し出があります。
  15. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 一、二点簡単に総括的な質問をいたしますが、今現行法についての概要を御説明があったのですが、七種類についてもう少し簡単に一つ事柄説明していただきたいと思います。
  16. 松尾泰一郎

    政府委員松尾泰一郎君) まず第一が普通輸出保険でございます。これは外国政府輸入制限戦争等の異常危険による輸出不能、または代金の回収不能を填補する保険でありますけれども、民間の損害保険会社が引き受けて政府が唐保険する方式で運営されておるものでございます。この保険昭和二十五年の六月から実施をされておるのでありますが、昭和二十八年以来綿糸布人絹糸布、及び鉄道車両輸出契約についていわゆる包括保険制度実施しました結果、保険契約金額は急激に増加して参ったのであります。包括保険制度は危険が分散されるとともに低率な保険料率、たとえば綿糸布人絹糸布につきましては六カ月ものが六十銭が十銭に下げられたのであります。鉄道車両につきましては一年六カ月ものが九十銭から十五銭に引き下げております。このような低率な保険料率が適用されまして、保険者及び利用者の両方にとって有利な制度でありまするので、今後この適用品目を逐次拡大していく方針でありますが、差しあたり昭和三十二年度におきましては機械プラント類のこの輸出契約包括保険制度を適用すべく今準備を進めておるのであります。  そこで、この普通輸出保険の引き受けの実績を申しますと、個別保険包括保険の二種類に分れますが、個別保険昭和三十年度におきます実績が、引受件数九百六十件に対しまして、昭和三十一年度の四月から十二月までの実績が千二百件、年間に直しますと三千八百件に増加するのではないかと思います。そこで、保険金額の方も三十年度の四十五億円が五十六億円、三十一年度におきまして五十六億円に増加すると推定いたしております。包括保険の方は、引受件数は三十年度におきましては一万二千五百件、三十一年度におきましては一万二千六百件と推定しております。それから保険金額は三十年度は六百四十億円、三十一年度は七百億円と見ております。  それから第二が、輸出代金保険でございますが、代金保険はいわゆるプラント類の船積後、または技術、労務の提供後の異常危険、及び相手方の債務の不履行によります代金回収不能を填補する制度でありますが、この保険昭和二十七年の一月から実施されて参っております。昭和二十九年以来プラント輸出の増加を反映しまして、保険契約も急激に増大して参っております。わが国の輸出貿易の現状から見て、今後も利用率は一そう増大していくものと予想をしておるわけであります。なお、技術、労務の提供の場合の填補率及び保険料率につきましては、昨年の四月から貨物の輸出の場合より不利な取り扱いを受けておったのでありますが、昭和三十二年度からは貨物の輸出に伴う技術、労務の提供の場合の填補率及び保険料率を貨物の場合と同率に改める方針でございます。最近の引き受け実績を申し上げますと次のようでございます。引き受け件数は三十年度におきまして六十三件、三十一年度推定は七十一件、保険金額は三十年度は百七十億円、三十一年度は推定は百九十五億円になっております。  第三は、輸出手形保険でございますが、これは外国為替銀行が買い取った荷為替手形の不渡りによって生ずる損失を填補する制度でございます。この保険は主として信用状を伴わないいわゆるDP、DA取引による保険の促進を目的としまして昭和二十八年の八月から実施をされているのでありますが、DP、DA取引の漸増によりまして利用率も毎年増加して参っております。ことに昭和三十一年度に入りましてからは、標準決済規則の一部は改正をされまして、DP、DA取引の条件を緩和したこと等も伴いまして、この保険利用率が急激に上昇をして参っております。十二月末現在で、すでに昨年度の実績の二倍に近い数字を示しておるのでございます。今後におきましても、輸出競争が激化するにつれまして、利用率はさらに上昇するものと考えるのであります。最近の引き受け実績を申し上げますと、引き受け件数では三十年度が七千三百件、三十一年度推定は一万四千件、保険金額は三十年度が二十六億円、三十一年度推定は六十七億でございます。  それから第四は輸出金融保険でございます。これは輸出前貸金融を行なった銀行の資金回収不能を填補する制度でございます。この保険は輸出金融の円滑化を目的としまして、昭和二十七年五月から実施されたものでありまして、この保険の対象となります資金には、輸出契約成立後における生産、加工、集荷資金と、輸出契約成立前におきまする農水産物等の特定物資の見込み生産、加工、集荷資金があるわけであります。この前者の方を一号資金といい、後者の方を二号資金と申しておりますが、一号資金は昨年度までは毎年利用増加してきましたが、昭和三十一年度においては低調となっております。これは主として金融事情の緩慢化に基くものであろうかと思うのであります。また、昨年四月に被保険者でありまする銀行の逆選択を防止するために、短期間の貸付で倒産による回収不能を保険事故としないことに改めたというようなことも、この最近の低調の原因になっておるかと思うのであります。  また、二号資金の方は昨年四月に保険料率を引き下げ一号資金と同率といたしましたために、昭和三十一年度におきましては著しく利用率が上昇しまして、この十二月末までには、昨年度の実績とほぼ同額に達しておるのであります。最近の引き受け実績を申し上げますと、まず一号資金につきましては、引き受け件数昭和三十年度の実績が四千二百件、それが三十一年度推定では千三百件、保険金額は三十年度が五十三億円、三十一年度推定は二十七億円、二号資金は引き受け件数は三十年度は百三十件、三十一年度推定は二百五十件、保険金額は三十一年度実績が九億七千万円、三十一年度推定が十四億円となっております。  第五は、委託販売輸出保険でありますが、これは委託販売方式による輸出について生じた損失を填補する制度でございます。この保険昭和二十九年の四月から実施されておりますが、利用状況はいまだ低調であります。これは現在の為替管理の面におきまして委託販売輸出の承認が、事実問題としてむずかしいと申しますか、承認が比較的少いということ等によるものと思われるのでありますが、しかし、今後において予想される輸出競争の激化と為替管理の緩和によって漸次利用増加するものと期待しておるのであります。最近の引き受け実績を申し上げますと、引き受け件数は三十年度実績は七件、三十一年度推定は六件、保険金額は三十年度は二千万円、三十一年度は千五百万円と推定しております。  それから第六は、海外広告保険でございます。これは海外広告宣伝に要した費用の回収不能を填補する制度であります。この保険昭和二十七年の六月から実施をして参っておりますが、これは輸出業者の海外における広告宣伝活動が低調でありますので、その活動を刺激するために設けられた制度であります。現在までこの保険利用は、必ずしも好調とは言えないのでございますが、最近とみに広告宣伝が活発化しておりますので、今後利用率は上昇するものと考えております。しかし、その半面現在までのこの保険の引き受け基準が非常にあいまいと申しますか、むずかしいために、若干の赤字が出て参っております。現在この基準の合理的な改正について検討を加えておるような次第であります。最近の引き受け実績を申しますと、引き受け件数昭和三十年度実績が六十二件、三十一年度も大体同様六十二件程度かと思っております。保険金額は三十年度の実績が三千三百万円、三十一年度推定は三千六百万円と考えております。第七は、海外投資保険でございますが、先ほど申しましたようないわゆる海外投資元本保険でございますが、これにつきましては先ほども申しました通りでございまして、三十一年度の四月から十二月までの実績十件、まあ年度間にして十二件程度になるのではないかと思っております。それから保険金額実績では九億円若干でございますが、年間にして十三億円ぐらいになるのではないかと、こういうふうに考えます。大へん長くなりましたが、これで……。
  17. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 本案に関連いたしましてお尋ねしたいのは、その投資対象り国々によって、いろいろその国の法律とか、その条件によって必ずしも送金の自由がフルには許されていない点もありましょうし、また大へん大幅に許されておるというようなところもあるのでありますが、大体概算でよろしいのですが、昨年中送金を円満にされた国、並びに金額のごく概数でいいのですが、状況をわかっていたら一つお知らせ願いたいと思います。
  18. 松尾泰一郎

    政府委員松尾泰一郎君) 実はこれから新しく利益保険を創設しようと、こういうことでありまするので、率直に申しまして、過去の実績は実はあまりよく調べていないのでございますが、あるいは大蔵省あたりで資料を持っているかもしれません。いずれ調べましてからお答えさせていただいた方がよろしいかと思います。
  19. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 特に昨年中にトラブルの起きたような国はございませんか。
  20. 松尾泰一郎

    政府委員松尾泰一郎君) 実は、この投資元本保険の方も、昨年の四月から実は実施をしておりまして、先ほども申しましたように、件数も十件程度でございまするので、まだそういう御指摘のような非常にトラブルが起ったということは、まだ聞いていないわけであります。
  21. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 この貿易外収入になるのですが、この船賃などが、国によってはなかなか送金を自由にさせないので、相当年月停滞をして非常に困っておるというようなことをよく聞くんですが、これらの問題について何かお聞きになっておりませんでしょうか。
  22. 松尾泰一郎

    政府委員松尾泰一郎君) 御指摘の海運収入送金でございますが、これは今度の利益保険の実は対象ではないわけでございます。これは海外へ投資をする、すなわち株式あるいは持分でもって海外投資をする、その株式なり持分に対しまして配当金を受ける、それが送金できなくなったという場合を目的にしておるわけでありますが、今御指摘の海運収入送金が若干困難になっているという地域は、たとえばオープン・アカウント地域につきまして台湾等においても若干あるように伺っておりますが、そこまでを保険制度でカバーするかいなかは、実はまだ研究をいたしていないわけでございます。
  23. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 御承知の通り日本の海運収入というものは非常な莫大なものなんでありますが、むしろこのオープン・アカウント地域あたりは普通のプラント輸出によって上る金額よりも、むしろ何か大きいような場合もあるんですが、それは何ですか、さしあたってはこの法案全体を通じてみても、これをどうしようという今お考えというものはないんでございますか。
  24. 松尾泰一郎

    政府委員松尾泰一郎君) さようでございます。
  25. 松澤兼人

    委員長松澤兼人君) では暫時休憩いたします。    午後零時五分休憩    —————・—————    午後一時五十二分開会
  26. 松澤兼人

    委員長松澤兼人君) 休憩前に引き続きまして、委員会を再開いたします。  特別鉱害復旧臨時措置法の一部を改正する法律案臨時石炭鉱害復旧法の  一部を改正する法律案、これは予備審査でございますが、聞くところによたば、本日衆議院の本会議で上程、可決される見込みのようであります。この際、讃岐石炭局長から両法案内容についての説明を聴取いたします。
  27. 讃岐喜八

    政府委員(讃岐喜八君) それでは特別鉱害復旧臨時措置法の一部を改正する法律案、並びに臨時石炭鉱害復旧の  一部を改正する法律案につきまして、その内容を簡単に御説明申し上げます。  両案とも、この間大臣から提案の理由を御説明申し上げましたのでございますが、この両法案は昨年十月に衆議院で決議がございました。鉱害関係について政府の善処を求められた事項が六項目にわたってあるわけでございます。そのうちの一部でございます。いずれもそのうちに含まれておるのでございます。  まず、特別鉱害復旧臨時措置法から申し上げますと、これはお手元に差し上げておりまする資料の中に、特別鉱害復旧臨時措置法の一部を改正する法律新旧対照表というのがございます。  一枚ずりでございますが、これによって見ていただきますと、現行法では下の欄に書いてあります通り、「この法律は、施行の日から七年を経過した時に、その効力を失う。」となっておるのでございますが、今度改正をお願いしておりますのは、この付則の法律の有効期限を「この法律は、昭和三十三年四月一日にその効力を失う。」ということに改正をお願いしている次第でございます。この法律の存続期間をさらに約  一年延長願いまする趣旨は、提案の理由に申し上げました通りでございます。ほとんどつけ加える事項はないのであります。特別鉱書法は、今日まで実施して参りまして、実は三十一年度に終る予定のものが、家屋におきまして約一億円、農地におきまして約三億六千万円の事業が、やむを得ず三十二年度に繰り越さざるを得なくなりましたに基きまして、法律の存続期間を延長していただきたいというのが趣旨でございます。  それで、昭和三十三年四月一日まで御延長願いましても、なお少し問題が残るのでございます。特別鉱害として認定されました物件のうち、さしあたり三百五十町歩ばかり、これに伴います農業用施設につきましても、さしあたり復旧できないものとして残るわけでございます。これはこの法律の存続期間が終りました後におきまして、一般鉱害として復旧いたしたいということでございます。法律失効後も復旧に努力するということで、御了承をお願いいたしたいと存ずる次第でございます。  次に、臨時石炭鉱害復旧法の一部を改正する法律案でございますが、これはお手元に差し上げました臨時石炭鉱害復旧法の一部を改正する法律案要綱でごらんいただきたいと思います。この法律は非常に技術的にこみ入った構成になっておりまして、条文で申し上げるよりも、要綱でお聞き取り願った方がはっきりするのではないかと存じまして、要綱でお聞き取りをお願いいたしたいと思います。  まず第一に、「家屋等を復旧基本計画の対象に加えるものとする」というのがございます。御承知のように石炭の鉱害の問題につきましても、原則としましては鉱業法の規定によりまして、鉱害の賠償は金銭でもってするということになっておるわけでございます。ところが、石炭の鉱害におきましては、金銭賠償主義では足りない。これは今から六、七年前のことと思いますが、昭和二十五年の鉱業法の改正の審議に当りまして、参議院の商工委員会で石炭鉱害の復旧のために特別の立法をすべきだという決議をいただいたわけでございまして、その決議に基きまして、この法律はでき上ったのでございますが、従来の考え方といたしましては、鉱害の賠償は原則として金銭賠償である、石炭につきましては、特別に法律を制定いたしまして復旧をやるのだということでございます。しかし、その復旧の対象になりまする事業は、道路とか、河川とか、鉄道とか、それから水道とか、そういう公共の施設を原則としまして、私有の財産と申しますか、につきましては、農地だけを例外的に取り上げるということになっておるわけでございまして、これは農地につきましては、国土の一部を復旧するという考え方と、それから食糧の増産という要請から、特別に農地を私有財産ではあるが取り上げる、こういうことになっておったのでございますが、家屋等、土地、家屋とか、あるいは店舗とか、そういうものにつきましては、私有財産のゆえをもって除外されておったわけでございます。ところが、被害者といたしましては、直接被害を受けるのは、むしろ家屋の方が痛切だというような事情から、この家屋を現行法にあります復旧に加えるべきだという希望が非常に多うございまして、それに基きまして衆議院の商工委員会におきましても、家屋復旧について特別の顧慮をなすべきだという決議をいただいたわけでございまして、本年度おかげさまで約七千万円の予算を獲得することができました。昭和三十二年度から家屋の復旧も、国庫の補助対象としてやって参りたいということでございますし、従ってそれに基いてこの法律改正をお願いしておるような次第でございます。家屋等を復旧基本計画の対象に加えるというのが、その第一点でございます。  次に二といたしまして、「国及び都道府県は、復旧工事の施行者に対し、家屋等を復旧するために必要な地盤の復旧工事およびこれに起因する家屋等の補修工事に要する費用の二分の一に相当する額の補助金を交付することとし、国および都道府県が交付する補助金の割合は政令で定めるものとする」ということになっておりますが、まず家屋等を復旧するということをきめましたが、しかし、家屋の復旧に要する経費全部ではないということをまず明らかにしておるわけでございまして、御承知のように家屋の復旧に要するということは、炭鉱が地下で採掘して進みまして、それで地盤が陥没いたしまして、そのために家屋がまがるとか破損するとか、そういう現象が起るわけでございまして、この法律でねらいまするところは、その陥没しました地盤の復旧と、これに伴ってこれに起因して生じてきます家屋等の補修工事だけを対象にする、国庫及び地方公共団体の補助の対象にするということでございまして、家屋の復旧費全部ということではございません。なお、その復旧に要する経費の補助額は、その費用の二分の一に相当する額だということを明らかにしまして、なお、その補助の負担の割合は、政令で定めることになっておるわけでございます。これは大体四〇%を国庫で負担いたしまして、一〇%は地方公共団体負担するということでございます。  次に、三へ参りまして、「家屋等の復旧工事に係る鉱業権者、租鉱権者または受益者が資力を有せず、またはその所在が不分明であるため、その納付金または受益者負担金を免除された場合には」、  (1)「鉱害復旧事業団は、免除された納付金または受益者負担金であって家屋等の総復旧費から地盤等復旧費を控除したものに充てるべき額に相当する金額負担するものとする。」  (2)「国および都道府県は、復旧工事の施行者に対し、この補助金に加えて、免除された納付金または受益者負担金であって、地盤等復旧費に充てるべき額に相当する額の補助金を交付することとし、国および都道府県が交付する補助金の割合は、政令で定める。」   (3)、(1)により事業団が負担する金額は、事業団が鉱業権者または租鉱権者から徴収する賦課金をもって充てるものとする。」  これは一括して御説明申し上げます。ただいま申し上げました通り、家屋の復旧費のうち、補助対象になるものは地盤等復旧費でございまして、その二分の一が国もしくは地方公共団体から補助金が出る、こういうことでございまして、従いまして鉱業権者の負担といたしましては、地盤等復旧費の二分の一と、それから補助対象にならなかった部分と加えたもの、が鉱業権者の負担になるわけでございますが、ところが、その負担をなすべき鉱業権者、租鉱権者または受益者と書いてありますが、まあ鉱業権者とお考えになりまして、その鉱業権者が無資力になりましたり、あるいは行方不明になって、鉱害だけが残るという場合があるわけでございます。そういう場合にはどうしたらいいか、こういうことでございますが、そこで鉱害復旧事業団は地盤等復旧費以外の復旧費を事業団が負担すればいい。こういうことでございまして、それから国及び都道府県は地盤等復旧費のうちの二分の一は、前から補助金で出すことになっておりますが、二分の一をこえる額についても、国及び都道府県がこれを負担する、しかしその国と都道府県の負担の割合は、政令で定めるというのがそれが原則でございます。ただし、その鉱業権者が行方不明になりましたり、あるいは所在不明、無資力になりました場合におきましても、多少の財産を持っている場合があるわけでございまして、そこで多少の財産を持っておりまして、その復旧費に充てることができる場合におきましては、それだけ鉱害復旧事業団と、それから国及び都道府県の負担する割合等が按分して負担できるようにするというのが、ここに書いてあります趣旨であります。  次に事業団の負担する金額は、事業団が鉱業権者から徴収しておりまする賦課金をもちましてこれに充当するということでございまして、これは事業団の財源を規定したものでございます。  次に四以下は、これはこのように新しく家屋等を復旧いたしますについて、現在ございまする条文の中で不用になりましたり、あるいは修正を要するものを整理したものでございまして、四、「事業団の業務内容から、家屋等の復旧に要する費用の貸付に関するものを削除するとございますが、これは家屋等は今日までは復旧の対象にしておりませんでしたものですから、これをその復旧を促進するために、事業団から鉱業権者に金を貸し付けておったものでございます。これも復旧することになりましたので、必要がなくなったわけでございます。  五の、「第四章(家屋等の復旧工事に関する協議および裁定に関する規定)を削除する」。これも家屋の復旧を従来やらないという建前になっておりましたために、家屋等の復旧につきまして、鉱業権者と被害者の問に紛争のありますときには、地方の通産局長が協議をあっせんしまして裁定することになっておりましたが、これも必要がなくなりましたので、削除するということでございます。  六の、「家屋等を復旧する場合における鉱業権者又は租鉱権者の復旧基本計画に対する同意および被害者の実施計画に対する同意等について、農地、農業施設および公共施設を復旧する場合におけると同様とする」となっております。これは現在の法律の仕組みで、公共施設及び農地、農業用施設の復旧をやります場合に、まず基本計画を、鉱害復旧事業団が立てるわけでございます。基本計画を立てる場合に、鉱業権者の同意書を要することになっております。また、事業団が実施計画を立てるときにも、今度は被害者の同意を要することになっております。これは家屋についても全然これらと同様に扱って参りたいということで、法律改正するわけでございます。  七、「その他必要な条文の整理を行う」とございますが、条文の中に相当数こまかい条文の整理があるのでございます。その点については、御説明を省略さしていただきます。  以上が今回御提案申し上げました両法案内容でございます。どうぞよろしく御審議をお願いする次第でございます。
  28. 松澤兼人

    委員長松澤兼人君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕
  29. 松澤兼人

    委員長松澤兼人君) 速記を始めて。   それでは鉱害関係の二法案につきましては、後日質疑をすることにいたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時十九分散会