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1957-05-16 第26回国会 参議院 社会労働委員会 第34号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年五月十六日(木曜日)    午前十一時二十七分開会   —————————————   委員異動 本日委員高田なほ子君及び椿繁夫君辞 任につき、その補欠として藤原道子君 及び坂本昭君を議長において指名し た。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     千葉  信君    理事            榊原  亨君            高野 一夫君            山本 經勝君            早川 愼一君    委員            勝俣  稔君            小西 英雄君            紅露 みつ君            寺本 広作君            横山 フク君            片岡 文重君            坂本  昭君            藤田藤太郎君            藤原 道子君            山下 義信君            奥 むめお君   国務大臣    厚 生 大 臣 神田  博君   政府委員    厚生政務次官  中垣 國男君    厚生大臣官房総    務課長     牛丸 義留君    厚生省公衆衛生   局環境衛生部長  楠本 正康君    厚生省引揚援護    局長      田邊 繁雄君   説明員    厚生省医務局次    長       河野 鎮雄君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○小委員長報告磐梯朝日国立公園施設整備事業費国  庫補助に関する請願(第二〇五号)  (第三三二号) ○養老年金制度に関する請願(第一四  八一号)(第一八二九号)(第一八  六六号)(第一九七五号)(第九八  〇号)  (第一九八一号)(第一九九二号)  (第二〇一七号)(第二〇四一号)  (第二〇五五号)(第二〇五六号)  (第二〇七五号)(第二〇七六号)  (第二〇七七号) ○社会保障費増額に関する請願(第一  〇〇一号)(第二四号) ○結核在宅療養者社会保障に関する  請願(第一九〇二号) ○結核予防予算増額等に関する請願  (第一〇〇四号)(第一三一九号) ○結核予防予算増額に関する請願(第  九〇四号) ○結核予防対策に関する請願(第一  八五七号) ○結核医療費全額国庫負担制度の立法  化に関する請願(第九六〇号) ○東京世田谷保健所管内保健所増  設の請願(第八四三号) ○簡易水道施設費国庫補助に関する請  願(第三一五号) ○簡易水道施設費国庫補助増額に関す  る請願(第四〇六号) ○清掃法施行令第六条改正に関する請  願(第三六〇号) ○北海道豊富兜沼地区簡易水道工  事費国庫補助に関する請願(第六七  九号) ○東京都砂川町に簡易水道布設促進の  請願(第一二九一号) ○原爆被害者救援に関する請願(第二  二号)(第二三号)(第二四号)  (第二五号)(第四八号)(第六六  号)(第一六一号)(第二一三号)  (第二四二号)(第四八七号)(第  五二七号)(第一一四五号)(第一  五三〇号)(第一五七〇号)(第一  五七八号)(第一七〇二号) ○原水爆被害者救援に関する請願(第  二六号)(第二七号)(第四八八  号) ○らい療養所重症患者支給する特  別慰安金増額等に関する請願(第三  三〇号) ○らい療養所重症患者支給する特  別慰安金増額に関する請願(第五四  六号) ○駐留軍基地周辺病院等が爆音、爆  風等により被る被害補償請願(第  一三二五号) ○国立療養所完全看護に関する請願  (第一〇〇三号)(第一三二二号) ○国立病院療養所医師増員等に関  する請願(第一〇〇二号) ○国立病院療養所医師増員等に関  する請願(第一三一七号) ○国立療養所完全給食及び完全看護  に関する請願(第九七一号) ○附添看護制度廃止反対に関する請願  (第九七二号) ○国立病院療養所施設改善等に関す  る請願(第九七〇号) ○国立療養所施設費増額に関する請願  (第九〇三号) ○国立療養所看護要員増員に関する  請願(第八二五号)(第一二八〇  号) ○新看護体制に伴う看護要員増員の請  願(第三五〇号) ○国立愛姫療養所軽快病床増床復活  に関する請願(第五三号) ○角膜移植に関する単独法制定請願  (第一八四九号) ○国立病院療養所准看進学コース  設置請願(第一号)(第三号)  (第四号)(第五号)(第六号)  (第七号)(第八号)(第五〇号)  (第七九号)(第九四号)(第一〇  〇号)(第一五九号)(第一九〇  号)(第二四八号)(第三〇三号)  (第三七九号)(第四〇二号)(第  七〇九号)(第七二四号)(第七二  五号)(第七二六号)(第七五三  号)(第七五四号)(第七六二号)  (第七六三号)(第八〇九号)(第  八一〇号)(第八一一号)(第八一  二号)(第八一三号)(第八一六  号)(第八五八号)(第八五九号)  (第八六〇号)(第八七四号)(第  八七五号)(第九〇〇号)(第九一  六号)(第九一七号)(第九七六  号)(第一〇〇〇号)(第一〇二三  号)(第一〇五一号)(第一一七九  号)(第一二八九号) ○国立病院療養所における看護婦産  休のための定員確保請願(第二  号)(第九号)(第一〇号)(第一  一号)(第一二号)(第一三号)  (第一四号)(第四九号)(第七八  号)(第九五号)(第一六〇号)  (第一九一号)(第二四九号)(第  三〇四号)(第四四一号)(第七二  七号)(第七二八号)(第七五二  号)(第八〇二号)(第八〇三号)  (第八〇四号)(第八〇五号)(第  八〇六号)(第八〇七号)(第八〇  八号)(第八二七号)(第八五六  号)(第八五七号)(第八七六号)  (第八九〇号)(第九七四号)(第  一一一九号)(第一一四八号)(第  一一四九号)(第一一八〇号)(第  一二九〇号)(第一五七六号) ○国立療養所軽快作業ベッド内容充  実等に関する請願(第九〇五号)  (第九五九号)(第九八六号)(第  一〇〇七号)(第一二七九号)(第  一三一六号) ○国立療養所賄費増額に関する請願  (第五二六号)(第五九四号)(第  六四三号)(第六四四号)(第六九  五号)(第七二九号)(第七九六  号)(第七九七号)(第八四七号)  (第八九九号)(第九〇九号)(第  九四〇号)(第一〇〇八号)(第一  一一七号)(第一一四七号)(第一  二七六号)(第一三二四号)(第一  三一五号)(第一三四三号) ○売春防止関係予算に関する請願(第  一二三七号)(第一八五〇号) ○結核保護施設費等国庫補助増額に  関する請願(第一五三一号) ○生活保護法療養扶助料引上げに関  する請願(第九八四号) ○結核保護施設入園者処遇に関す  る請願(第八四六号) ○生活保護法の一部改正に関する請願  (第三九一号) ○結核保護施設拡充等に関する請  願(第九六四号)(第一〇〇六号)  (第一三二一号) ○生活保護法による医療扶助のひきし  め反対請願(第九六一号)(第九  八五号) ○生活保護法最低生活基準額引上げ  等に関する請願(第六四二号)(第  八一七号)(第八一八号)(第八四  五号)(第八七二号)(第八七三  号)(第九一三号)(第九一四号)  (第一一四六号)(第一二七八号)  (第一三四四号)(第一八五一号) ○生活保護法最低生活基準額引上げ  に関する請願(第六九四号)(第七  九九号)(第八四四号)(第九〇二  号)(第九六二号)(第九六三号)  (第九八三号)(第一〇一〇号)  (第一〇二二号)(第一二八号)  (第一三一八号)(第一九〇三号) ○健康保険赤字対策に関する請願  (第一五七七号) ○下関市社会保険診療報酬甲地区復  帰に関する請願(第三八九号) ○国民健康保険に対する療養給付費一  部国庫負担請願(第二五二号) ○医療保障制度拡充強化に関する請  願(第二〇四号) ○札幌市社会保険診療報酬地域区分の  甲地指定替に関する請願(第五四  号) ○日雇労働者健康保険法の一部改正に  関する請願(第一一二三号) ○国民健康保険保健婦設置費国庫補助  率改訂に関する請願(第一八八五  号) ○学徒動員による障害者障害年金支  給に関する請願(第二七八号) ○インドネシア共和国等所在遺骨収  集に関する請願(第一〇四六号) ○旧豊川海軍工しよう動員学徒戦没  者等遺家族援護に関する請願(第五  八〇号) ○海外抑留胞引揚者援護施策拡充  に関する請願(第四四九号) ○戦傷病者等に対する国家補償の範囲  拡大に関する請願(第一八七号)  (第一八八号)(第二三〇号)(第  二三七号)(第二四三号)(第三五  七号)(第四三六号) ○戦傷病者身分等に関する法律制定  促進に関する請願(第一八五号)  (第一八六号)(第二二九号)(第  三五八号) ○動員学徒犠牲者援護に関する請願  (第一五七三号)(第一七三一号)  (第一七七五号) ○帰還患者生活保障に関する請願  (第一〇〇五号)(第一三二〇号) ○元満州開拓民等処遇改善等に関す  る請願(第三七八号)(第一三〇九  号) ○戦傷病者戦没者遺族等授護法の一部  改正に関する請願(第一〇九四号)  (第一四六八号) ○元満州国軍日系軍官戦病没者遺家族  の援護に関する請願(第一七七〇  号) ○戦傷病者再発診療費全額国庫負担  に関する請願(第一八二号)(第一  八三号)(第一八四号)(第二二〇  号)(第二二八号)(第二三六号)  (第二八五号)(第二九二号)(第  二九六号)(第二九七号)(第三三  三号)(第三四八号)(第三五九  号)(第三八五号)(第四三五号)  (第四八五号)(第五二四号)(第  五二五号)(第五三五号)(第五八  一号)(第六〇九号)(第一〇一一  号)(第一四三〇号) ○未帰還者留守家族等援護等に関す  る請願(第四一七号)(第五八三  号)(第六四一号)(第七〇八号)  (第七一四号)(第七一五号)(第  七一六号)(第七一七号)(第七一  八号)(第七一九号)(第七二〇  号)(第七二一号)(第七二二号)  (第七二三号)(第七五〇号)(第  七五九号)(第七六〇号)(第七六  五号)(第七七三号)(第七七四  号)(第八二六号)(第八五五号)  (第八七七号)(第九三七号)(第  一〇五七号)(第一一一六号)(第  一三七一号)(第一四二四号)(第  一八三六号)(第一八七一号) ○奄美大島地区死没者供託死亡給与  金の早期支給等に関する請願(第一  八八七号) ○満蒙地区所在遺骨収集実現に関す  る請願(第一九三七号) ○国立療養所等生活保護法による重  症結核患者栄養補給費に関する請  願(第一九六〇号) ○簡易上水道事業決定促進に関する  請願(第二〇三一号) ○生活保護法医療扶助費支払促進に  関する請願(第二〇〇八号) ○生活保護法最低生活費級地基準是  正に関する請願(第二〇七八号) ○国民健康保険事業保健婦養成費国  庫補助増額に関する請願(第二〇九  四号) ○特殊漁船船員戦没遺家族援護に関  する請願(第二〇七九号) ○大阪府高槻市市営家政婦紹介所設立  反対に関する請願(第六三一号) ○失業対策事業就労者寒冷地補給金  支給請願(第一七四号)(第九五  七号) ○失業対策事業就労者賃金引上げに  関する請願(第一七三号)(第一〇  八七号) ○日雇労働者賃金値上げに関する請  願(第五四七号) ○失業保険法施行規則第四十六条の二  及び三改正等に関する請願(第一二  九七号) ○失業対策事業就労労務者待遇改善  に関する請願(第一四〇号)(第一  二六二号)(第一三七二号)(第一  七七一号)(第一八三七号) ○失業対策事業費全額国庫負担等に関  する請願(第一五四七号) ○結核回復者就職確保に関する請願  (第七九八号)(第九六五号)(第  九八七号) ○結核回復者就職等確保に関する請  願(第九〇六号)(第九六六号)  (第九八八号)(第一〇〇九号)  (第一〇二一号)(第一三二三号) ○労使法制定に関する請願(第一八二  七号) ○大工職等社会保障に関する請願  (第一〇二四号)(第一一六四号)  (第一一六五号)(第一一六九号)  (第一一七〇号)(第一二六一号)  (第一三四二号)(第一四二二号)  (第一四八七号) ○駐留軍宿舎要員労働基準法等適用  の請願(第一九五六号)(第一九五  七号)(第一九五八号)(第一九五  九号) ○財団法人労働科学研究所助成に関す  る請願(第一九四〇号)(第二〇七  四号) ○社会保障制度に関する調査の件  (国立病院療養所における職員の  産前産後の休暇に関する件)  (保健所職員待遇改善に関する  件) ○水道法案内閣提出衆議院送付) ○引揚者給付金等支給法案内閣提  出、衆議院送付)   —————————————
  2. 千葉信

    委員長千葉信君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。  委員異動を御報告いたします。五月十六日付をもって、高田なほ子君、椿繁夫君が辞任され、その補欠として、藤原道子君、坂本昭君が選任されました。   —————————————
  3. 千葉信

    委員長千葉信君) この際、請願に関する小委員長報告を求めます。
  4. 勝俣稔

    勝俣稔君 去る五月七日の社会労働委員会におきまして、請願に関する小委員会設置が議決され、寺本、木下、藤田早川、竹中及び私の六人が小委員に選定され、五月十日の小委員会において私が小委員長に互選されました。  社会労働委員会に付議になりました請願六百三十四件について、五月十一日及び十五日の両日にわたり小委員会を開催いたして審査いたしました結果、別紙の通り請願第二百五号外三百三十九件の請願は、いずれも願意妥当なるものと認めましたので、採決の上、議院の会議に付して内閣へ送付すべきものと決定いたしました。  なお、右のうち、請願第三百七十八号外十一件は、特に意見を付して内閣に送付することに決定いたした次第であります。  以上、御報告申し上げます。
  5. 千葉信

    委員長千葉信君) ただいまの請願に関する小委員長報告通り請願審査は、これを当委員会決定とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 千葉信

    委員長千葉信君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。   —————————————
  7. 千葉信

    委員長千葉信君) この際、連合審査会に関する件についてお諮りいたします。    本院規則第三十六条に基き、環境衛生関係営業運営適正化に関する法律案について、農林水産委員会連合審査を開会することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 千葉信

    委員長千葉信君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。よって委員長は、農林水産委員会に連絡いたします。   —————————————
  9. 千葉信

    委員長千葉信君) 次に、社会保障制度に関する調査の一環として、国立病院国立療養所における職員産前産後の休暇に関する件を議題といたします。速記をとめて下さい。    〔速記中止
  10. 千葉信

    委員長千葉信君) 速記を始めて。御質疑を願います。
  11. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 今関係の方が見えるんですけれども、次官がおいでになりますから、厚生行政一般についてお聞きしたい。この前、この国会が始まって始めの方だったと思いますけれども、療養所給食費扶助料の問題について医務局長ですか、現在の九十四円十銭の問題について、これではわれわれとしても満足なものではない、だから何とか積極的に考えますというお話があったのです。だからその後、やはり現実的にはこの問題が今の状態のままであるわけなんですか。どういう工合厚生省としてはこの問題をお考えになってきたか、この点をお聞かせ願いたいと思います。
  12. 中垣國男

    政府委員中垣國男君) 藤田さんにお答えいたします。給食費の問題につきましては、本委員会におきましていろいろお尋ねがありましたときに御説明を申し上げたのでありますが、現在の給食状態は、調理の改善工夫等を真剣にやったこと、それからもう一つは、治療に必要な栄養状態等を考慮に入れた材料等検討したことによって、俗に称します残飯というものが非常に少くなった、そういう点から考えて、九十四円十銭の一日分の食費の内容というものは、患者にとっては改善をされておる、こういうことを申し上げたのであります。しかし、それがなお治療上完全な食糧であるかどうかという問題につきましては、今後の問題としてこれは十分に調査検討をいたしますという旨のお答えをしたのでありますが、これは私も答弁をいたしまして、その現状をよく見たい、国会でも済んだならば直接抜き打ち的に病院等に行きまして、そうしてほんとうにその実態を見てみたい、そういうことをやって、もし九十四円十銭では治療食糧としてこれが完全ではない、こういう結論が出ましたならば、これは引き上げるべきものであると、かように考えておりまして、そういうような考え方からただいま研究調査をしておるという段階でございます。
  13. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 私は厚生大臣次官どちらかそのときの記憶はちょっとつまびらかでないんですが、この国会が始まった初期でございましたから相当の期間があったのです。    〔委員長退席理事高野一夫君着席〕 それにまだ目下研究中ということではどうも熱意が足らぬように思うのですよ。だから私はこういう問題こそほんとう厚生省として、あらゆる角度から現実に都内、市内でやっておられる給食費の問題は百二十円とか百三十円とか数字が出ているわけですから、そういうものが正しいか正しくないか、これは検討するということは、これは当然でございましょうけれども、その点少し熱意が欠けてやせぬかと思うのです。だから私は厚生省として、やはり今のような格好じゃなしに、数日中までには何とかこの結論を出すとかいうはっきりした態度をお願いしたいと思うのです。この前のときには、医務局長さんでしたか、いやもうこれはやはりこれじゃ気の毒だから何とかするつもりなんだ、できれば運営の面でも何とか考えるべきじゃないかと思っている、というところまで御返答を私は聞いたと思う。ところが、今も同じ状態じゃ、まあこの国会ももう二、三日で終るわけですから、そこらあたりをもう少し見通しのある御返事をお聞かせ願いたいです。
  14. 中垣國男

    政府委員中垣國男君) お答えいたします。この国立公立病院におきましての給食内容というものは、これはなるほど一般の私立の病院等とそういう金額は違うのでありますけれども、この中にたとえば人件費であるとか、あるいはガス、水道であるとか、そういったものは別途の予算が計上されておるのでありまして、その点は、たとえば百二十四円と九十四円では三割強、公立国立が安いのじゃないかという、そういう数字に現われたような内容というものは、実際の給食の上には現われるはずはないのでございます。ただ問題は、今日のこの予算でまかなわれておるこの給食内容というものが、患者にとりましてほんとうにその治療促進に十分な、役立つ内容であるかどうかといったことが問題だと実は考えるのであります。そこで、これは藤田さんの御指摘通りに、もうすでにその三カ月にもなっておるじゃないかというおしかりを受けました。その通りでございますが、私どもといたしましては、三十三年度の予算の編成にかかります前には、必ずこの実際の資料に基きまして、いわゆる事実というものをば、よく突きとめまして、結論を出して改善に努力をいたしたいと、かように考えておる次第でございます。
  15. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 今までより以上積極的におやりになるということですから、これはそれを期待いたしたいと思うのです。  これと相関係しまして、医師の不足の問題、地域的に医師が不足しておる、それははなはだしいという問題がありまして、この点についても研究して、研究所を作るとか何とかして待遇を上げるということの御返事があったのですけれども、どういう工合におやりになったか、この点もきょうはお聞かせ願いたいと思います。
  16. 中垣國男

    政府委員中垣國男君) 医師待遇改善につきましては、これは非常に広範囲な問題になるのでありますが、さしずめ検討を開始いたしておりますのは、保険医といたしまして、たとえば単価の問題をどうするとか、点数の問題をどうするとか、そういうような問題は、もうすでに調査にかかっております。約二十日ぐらい前からそういう調査にかかっておるのでありまして、これは今日、衆議院の中に小委員会がありまして、衆議院委員会とも並行してその問題は行われておるのであります。地域的に医者配置というものが適当でないというこの問題につきましては、これは非常にむずかしい問題でございまして、たとえば国立公立等病院でありますと、これらのことはいわゆる行政的に結果が出やすいのでありますが、その他の一般個人開業医の問題につきましては、やはりすぐ予算の伴わないような勧告のような形だけではその実行が伴いませんので、これらの問題につきましても、御指摘通りに、医者の実際の配置というもの、いわゆる個人開業医等営業場所というものが、いま少し都市集中でなくて、全国的に公平に開業医等ができるように、そういうふうな指導を行なって参りたいと考えております。ただ先ほど来申しますように、こういう個人開業医等につきましては、なかなか政府といたしまして行政上の行政力の効果というものが的確な根拠もございませんし、勧告をしていくとか、あるいは各都道府県の医師会あたりにそういうような考え方の協力をしていただくとか、そういうことをただいまのところ実際進めていくほかないのであります。それから国立公立病院につきましては、これは御承知の通りでありますが、ただいま厚生省といたしまして、各市町村でやっております公立病院は別といたしまして、国立病院等におきましては、努めて地域的にそれが集中しないように、努めてこれが各府県にまたがっていきますように、そういう方針で今日やっております。
  17. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 どうもこの問題もまあはっきり確認ができないわけですけれども、これは一つ十分にやっていただきたいということをお願いしておきたいのです。  私はもう一つこれに関連して、看護婦さんの問題に入るわけですけれども、その前にもう一つ聞いておきたいのですが、生活保護法医療について何かこうワクをはめて、一定の水準より下げて、ワクをはめて指導指示をされているように聞き及ぶのですけれども、この点はどうですか。私はちょっと今書類を持ってこなかったのですけれども、たとえば昨年の八月ころですか、厚生省の技官が医療担当者か集めて五つほどの項目で指示をされている。その中には、たとえばその病気が回復できない人についてはもう鎮静剤でも打っておけ、ブドウ糖というようなものは必要がないのだ、こういうような人間生命に関する問題についてそういう指示を与えておられる。私は、厚生省として人間生命に関するような、それは一般医療扶助、それから医療関係ですから、それは窮屈なことは窮屈だとわかりますけれども、しかし、生命に関する問題を、生活保護法対象者に対してこういう扱いをされるということは、われわれはもう非常に残念なんでございます。そういう指示の要綱があったら一つその説明を願いたいし、それからどういう工合指示しているかということについても御説明を願いたいと思うのです。
  18. 中垣國男

    政府委員中垣國男君) お答えいたします。生活保護者患者に対しましては、ただいまのところ、健康保険法に基きますところの診療治療内容患者治療をするように、そういう実はやり方をやっておるのでありまして、ただいま御指摘になりましたような要生活保護者患者に対しまして、非常に、たとえばまあこれは治療上金かかかるからその治療をやめるとか、あるいは打ち切るとか、あるいはその他の方法で治療の本質から離れたようなことをやらせるとか、そういったよりな指示は実はいたしておりません。これはあの健康保険法に基くところの診療治療内容というものの規定がございまするので、それに適応いたしまして、それと同じだけの診療治療はいたしております。ただ藤田先生の御指摘の通りに、この生活保護者患者の取扱いというものがあるいはその出先等におきましてそういうようなことが絶対にないということも言い切れないものがございますので、今後はそういう問題につきましては、やはり厚生省といたしまして、行政上の重要な問題として注意をして参りたいと考えております。
  19. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 私は今資料を持っていないので残念ですが、いずれその資料を厚生省に提供いたしたいと思います。昨年の八月幾日だったか、たしか小樽市だったと思います。そして二百五十人ほどの医療担当者を集めてそして今のような五項目を、われわれが納得しないような項目を五項目ほど指示しておる。松木技官とかいう技官です。私はそういうことを、今の厚生次官のお話しのことを、健康保険治療水準によって生活保護の方々を治療しているとおっしゃいましたが、私はああいう形というものを現地の医療担当者に、そういう技官の人が順次北海道全部を回って私は指示をされたと思うのです。それがなかなか被保険者やわれわれにはわからなかったのですが、最近その日にちや出席した人、内容が明らかになりまして参ったのであります。非常に私はお尋ねをする機会を失ってしまってようお尋ねをしなかったのですが、それは至急に一つ調べていただいて、今のような御精神でおやりになるなら、そういうことを明確にしていただかないと、これはおそらく北海道の一カ所で事済んだものじゃないと思うのです。それは北海道全土になり、その他の地方にも今のような指示がないというのなら、多少のニュアンスが違ってもそれは似たようなことが全国に行われておるということになります。肝心の厚生省の方針が幾らよくとも、現地で指導する人がそういう指導のしっぷりでは私はちぐはぐだと思うのです。これは一つ資料を一日、二日の間に提供しますから、これは明確にこの処理についてお考えを願いたいと思います。それだけお願いをしておきます。
  20. 藤原道子

    藤原道子君 今の藤田さんの御質問に関連して、このごろ厚生省では非常に社会保障を進めたと言っていられながら、生活保護患者に対しては非常に入退所に対してきびしい取扱いがなされている。そのために若干の扶助費が上っても、ほんとうは適用範囲がせばめられてきておるというような実例が各所に起っておるわけです。こういう点に対しては遺憾だと思うのですが、そういう指示をしておるかどうかということが一点と、さらに、最近、聞くところによると、国の債権の管理等に関する法律ですか、これによって入院患者の一部負担の入院費の滞納等に対して延滞金をつけるとか、日歩何銭の利子をつけるとか、日歩二銭四厘ですか、そういう利子の取り立てに当っておる。もしそれが完納したときには利子は免除することができるというようなことになっているのでございますが、私、開業医におかれても、入院料に延滞金をつけたり、あるいは日歩幾らというような利息を取るというようなことはどうも考えられないのでございますが、それをどういうふうに処理していらっしゃいますか。それからさらに、そのために患者に与える精神的な不安というものは非常に強いわけです。こういう点についてどういうふうにお考えでございますか。
  21. 中垣國男

    政府委員中垣國男君) お答えいたします。ただいまお尋ねの要生活保護者患者に対しまして、いろいろ厚生省の方でこれに対して治療上非常に、ちょっと低いような治療の仕方等を押しつけてはいないかという第一点に対しましては、先ほどお答え申し上げました通りに、健康保険法診療治療の基準内容に基きましてやっておるものでありまして、そういうことは実はありません。  それからその次に、たとえば入院患者の支払うべき料金に対して、払わないときに利子を取るというようなお尋ねでございましたが、実は全国的にそういうことがないということは申し上げかねますが、厚生省といたしましては、そういうものに対する延滞利息のような形で利子を取れというようなことは指示しておりませんし、また、考えてはおりません。  それから社会福祉の先ほどの第三番目の御質問でありますが、これはことしの予算内容に現われている程度のことでございまして、十分ではございません。従って、ある程度の保護費を引き上げても、それが手きびしく選定されるために、かえってはずれる人が多いといったようなお言葉でありましたが、厚生省といたしましては、市町村の社会福祉主事であるとか、あるいは民生委員であるとか、そういうそれぞれの機関の人たちが、冷静に、温情を持ちまして、それらの現実の問題を処理するようにしておるのでありまして、社会福祉の拡大といったようなことが、かえって内容的には、そういうような手当てを受ける人が少くなると、そういうふうな行政指導の仕方は、実はいたしておらないのでございます。
  22. 高野一夫

    理事高野一夫君) ただいまのところ、環境衛生部長、医務局次長が出席しております。
  23. 藤原道子

    藤原道子君 今のお答えはちょっとピントがはずれておるのでございますけれども、私が申し上げましたのは、医療生活保護法の人に、医療の低い方でやれという指示はしていないとおっしゃったが、そうではなくして、適用範囲を非常に窮屈にしておる。今まで当然適用されておる人たちが、きびしい査定になって、おじさんがどこそこで商売をしているとか、嫁にいった娘がどうだとかいうことが、非常にきびしい査定のもとに、この生活医療保護の適用から除外されておる、こういうことが非常に現われております。    〔理事高野一夫君退席、委員長着席〕 ないと言われるならば、私はこの例を申し上げてもよろしいのですが、そういう点を私は申し上げた。  それから利子を取るようなことはいたしておりませんとおっしゃるのですが、債権管理法によって、これは厚生省もあのときあわてたのですが、そうきまっておるのですよ。それでことし一月の何日かに厚生省では、そういうことの管理法の施行と同時に、延滞金を取るという方針をはっきりさせたと私は理解しておるのですが、絶対にございませんか。そういう指示をしたことは絶対にないのでしょうか。その点、簡単に伺っておきます。
  24. 中垣國男

    政府委員中垣國男君) 医務局次長から答弁をさせます。
  25. 河野鎮雄

    説明員(河野鎮雄君) 最近御承知の債権管理法ができまして、この建前からいうと、おくれた場合に利子を払ういう問題も出てくるわけでございます。実はできたばかりで、運営が軌道に乗っておりませんので、現在の段階では、まだ利子をとるような段階まで進んでおりません。今後どういうふうするかという問題があるわけでございますが、この点も大蔵省と十分一つ打ち合せして、そして利子を必ずしも払わぬでも済むようになれば、非常にけっこうだと思います。そういうふう応ことで、打ち合せをしていきたいと思っております。
  26. 坂本昭

    坂本昭君 ただいまの債権管理法に関連しまして、一言次官あるいは医務局外長から責任のある御返答を承わっておきたい点がございます。それは、厚生省としては、大へんこの問題について、患者の立場に立って御努力しておることを十分に認めるのです。特に法第三十三条第三項の中で、「国立学校の授業料に係る債権その他政令で定める国の債権」というところで国立病院療養所治療費の点について、特にこの一項目を入れられたということですね。私はこの項を確実に一つ実施していただきたい。大蔵省と相談の上、厚生省の責任をもって確実に実施していただきたい。この項を生かしていただきたい。その点についての一つお約束をお願いしたいのです。
  27. 河野鎮雄

    説明員(河野鎮雄君) 延滞の利子の問題でございますが、これを取らないで済むようにいたしたいと思いまして、そういった方向で大蔵省とも十分打ち合せをしたいと思っております。
  28. 坂本昭

    坂本昭君 次官、大臣のかわりに……。
  29. 藤原道子

    藤原道子君 次官から責任ある答弁を……。
  30. 中垣國男

    政府委員中垣國男君) ただいま次長から答弁をいたしました通り、これは延滞利子等を取らないように大蔵省と話し合いをつけまして、実施して参りたいと考えております。
  31. 藤原道子

    藤原道子君 今の御答弁を私は信頼したいと思います。ぜひそういうふうな御努力をお願いいたします。  そこでお伺いしたいのですが、厚生省はさらに最近看護力の合理化というようなことで、年令基準を全国に指示されているというふうに聞いておりますが、たとえば看護婦が三十才以下のものを九〇%にする、あるいは主任には二十五才以上三十五才までのものを五〇%にする、こういうふうな指示をされているやに聞いておりますが、現在は看護婦を三十才以下のものが八〇%、あるいは主任では八〇%、婦長では現在七〇%のものを今度九〇%にしようというような非常にきびしい年令の制限が指示されている。これを実際に指示されたのでございましょうか、その点をはっきりしてほしいと思っております。
  32. 河野鎮雄

    説明員(河野鎮雄君) 別に医務局といたしまして、年令制限を指示しているということはないわけでございますが、ただ御採用のような場合には、なるべく全体の年令を若返らせる方が全体としての態勢整理の上から望ましいわけで、新規採用の場合には、そういったようなことも考慮してもらいたいというふうな程度のことは、申し上げているわけでございます。
  33. 藤原道子

    藤原道子君 新規採用の場合に、看護婦三十才以下のものを採用するというならいいのです。そういう厚生省指示が、下部末端まで参りますと高年令のものが退職しなければならないような方向にし向けていられる、そういう実例があるのです。特にそのために婦長とかあるいは総婦長クラスの人に動揺を来たしております。総婦長の年令を五十五才以下に制限されているようでございますが、現在五十五才以上の総婦長さんはどれだけおいでになるか。さらにこれは定年制を前提とした指示であると私は思うのでございますが、そういうお考えでやっておられるかどうかという点、お伺いしたい。
  34. 河野鎮雄

    説明員(河野鎮雄君) 先ほども申し上げたように年令制限を指示したということはございません。それから定年制ということも別に考えておりません。
  35. 藤原道子

    藤原道子君 私は最近そういう指示があったために、地方の施設ではその他の職員に対してまでも、五十五才以上を極力淘汰せよという指示に従って淘汰しているといるということを聞いております。もしないとすれば、そういうことを地方でやることが行き過ぎである、こういことが御言明願えますか。
  36. 河野鎮雄

    説明員(河野鎮雄君) 別段指示をしたわけじゃございませんけれども、先ほども申し上げましたように、病院療養所運営全体から申しますと、ある程度これは新陳代謝ということが望ましいわけでございまして、まあ場合によっては、年とった人に御勇退願うということもあり得るわけでございまして、そういうふうな措置をとったからこれが行き過ぎだとは考えられないのでございます。
  37. 藤原道子

    藤原道子君 これは重大でございます。現在過失なく勤務しているものを、高年令になったからといって、何ら制限がないのに圧力によって退職させるようなことがあっても、それが行き過ぎでないとおっしゃるのですか。
  38. 河野鎮雄

    説明員(河野鎮雄君) お答え申し上げますが、圧力によって退職させるというふうな考え方じゃございません。十分話し合いをして御勇退願うという場合もあるのではないかというふうなことを申し上げたのであります。
  39. 坂本昭

    坂本昭君 関連して。ただいま五十五才の問題が看護婦について出され、実はこの事実は看護婦のみならず、国立病院療養所の他の職種にも今この問題は広がっているのです。実際、私自身も五十五才以上に対する首切りの問題の相談を受けた実例があります。この国立病院療養所に勤めている人たちの仕事の内容からいいまして、きわめて特殊性があるのです。ですから、日本人の平均年令が今日では五十才ではなくて、六十、七十才近くなっているそういう実情、また、病院の特殊な仕事の内容からいって、五十五才になったらすべての職種について、これはもうやめなくちゃいかぬというのが、これはもう非常に誤まった考えであるのみならず、病院療養所の適正な運営を欠く結果にならないかということを私は非常におそれるのです。ですから、五十五才を目標にしてやめさせるという、そういうお考えは根本的に一つ撤去していただきたい。その点を一つ確認しなければ、今の問題は解決つかないと思うのです。一つ厚生当局のはっきりした御意見を聞かしていただきたいのです。
  40. 河野鎮雄

    説明員(河野鎮雄君) 五十五才をあたかも定年であるがごとくに、それを児としてどうするというふうなことを一方的にやる考え方は、私どもといたしましても、ただいま持っておりません。
  41. 藤原道子

    藤原道子君 それでは、地方の行き過ぎに対しては、そういうことのないように御指示を願いたいと思います。  そこでお伺いしたいのでございますが、現在療養所国立病院等々の看護婦にはそれぞれ定員制がございます。四人に一人の看護婦、六人に一人の看護婦という定めがあるはずでございます。これの充足状況はどうでございますか。
  42. 河野鎮雄

    説明員(河野鎮雄君) ただいま的確な資料を持ってきておりませんが、大体のことを申し上げますと、看護要員全体を含めまして、国立病院については四ベットに一人、それから療養所については大体五人に一人ぐらいの割合になっているのじゃないかと思っております。
  43. 藤原道子

    藤原道子君 療養所が五人に一人の看護婦になっておるのですか。
  44. 河野鎮雄

    説明員(河野鎮雄君) 正規の資格を持った看護婦ばかりでもなしに、助手守を含めまして看護要員として考えられるものについて全体的に見ますと、大体五人に一人ぐらいの割合になっておるのではないか、こういうふうに思っておるわけであります。
  45. 藤原道子

    藤原道子君 不満足でございます。あなた方の言うところを取り上げれば、結局雑役さんも看護要員なんかに加えてそれで割り出しているんでしょう、看護業務というものはそういうもりではないと思う。
  46. 河野鎮雄

    説明員(河野鎮雄君) ただいま申し上げました数字は、雑役婦等を含めないで、いわゆる看護助手といわれていものを含めた計算で大体そんなよう見当になると、こういうふうに思っております。
  47. 藤原道子

    藤原道子君 時間もございませんので、押し問答していると時間が経過いたしますから、それはあとで明らかにいたしますが、私どもの調査の結果は、そういう数字にはなっておりません。非常に看護婦は不足しております。  そこで、私も事実この六年間に三回国立病院へ入院しているのです。ついこの間も入院してきたのです。人院して私が体験したところによっても、非常にそれは、あなたが何とかしてこの委員会を切り抜けようとする考え方のようにとられるのです。  さて、それはそれといたしまして、最近病院療養所に勤務いたしております看護婦さんたちは、労働基準法で認められているにもかかわらず、産前産後の休暇がなかなかとりにくいのです。従いまして、看護婦さんの中には異常出産という例が非常に多くなっている。私は母体を守るという意味においても、ことに医療機関にある看護婦さんたちが産前産後の休暇がとれないということは、非常に重大な問題だと思う。ところが、定員が少い、非常に同僚の上に労働力の過重になるというような気がね、さらに上司からの圧力というものによってとれない状態にいるのです。そういうことは非常にこのまま見過ごすわけにはいかないと思うのです。今度の議会に対しましても、看護婦さんたちから非常に、産前産後の休暇に要員確保の法律案を出してもらいたいというような要求が強かったわけであります。私はこの際、厚生省としては、産前産後の看護婦さんたちに休暇を与えられるようなお考えを持っておられますか、現実にどのようになっているかというようなことについてお伺いをしたい。
  48. 河野鎮雄

    説明員(河野鎮雄君) お説のように、最近結婚をしている看護婦さんの数が非常にふえてきているように思います。
  49. 藤原道子

    藤原道子君 おそれ入りますが、少し大きい声で答弁していただくように御注意願います。
  50. 千葉信

    委員長千葉信君) 承知しました。次長、御配慮を願います。
  51. 河野鎮雄

    説明員(河野鎮雄君) 最近、御指摘のように、結婚した看護婦さんがふえまして、お産をされるケースがだんだんできてきておりますことは、御指摘の通りだと思います。私どもといたしましては、労働基準法を守りまして休暇を出すようにいたしているつもりでございます。実績も、三十年度でとってみますと、大体一日平場二十七人、これは結核療養所でございますが、二十七人の休暇をとっている者がございます。それから病院につきましては、三十一年度の調査で大体二六・四、それから逆になりましたが、三十年度では二〇・五、そういったような人たちが休暇をとっております。
  52. 藤原道子

    藤原道子君 病院看護婦さんは、三十年度は二六・四ですか、三十一年度が二〇・五。
  53. 河野鎮雄

    説明員(河野鎮雄君) あべこべでございます。
  54. 藤原道子

    藤原道子君 それで、これだけの産前産後の休暇で十分行きわたっているとお考えでございますか。産前産後のいう見通しをお持ちでございましょうか。私がはっきり伺いたいのは、産前産後の休暇を出したくても、看護婦が少いからなかなか施設側で出しにくい。従いまして、最近は結婚するならやめていけ、あるいは看護婦同士で共済制度、組合制度を持って、看護婦の責任において雇えとか、あるいは結婚したらやめていくようにというような誓約さえとっておる施設がたくさんあるのです。これが私は問題だと思います。従って、看護婦さんとして産前産後の休暇を基準法で定められただけとっておる者はほとんどございません。産前が少い、それから産後も早く無理して出ておる、こういう事例がたくさんございます。これに対して厚生省はどのようにお考えでございましょうか。
  55. 河野鎮雄

    説明員(河野鎮雄君) 施設に対しまして、私ども別に休暇を削減するように指示をいたしておりませんし、施設の方でも無理に押えつけて休ませないということはないのではないかと、かように考えております。ただ御指摘のように、同僚に迷惑を及ぼすとかいうふうな考え方から休暇を遠慮するというふうなケースが絶無ではないだろうと、かように考えております。
  56. 藤原道子

    藤原道子君 私はほんとう医療を担当していく厚生省の医務局当局としては、そんな変な答弁してもらいたくないのです。事実そういう例があるからあなた方も承知してあるはずなんです。その原因は、定員が足りないから、欠員を補充しないでいるからということを、私は施設長の集まりでも話が出ておる。最近参りました施設長あたりも、ぜひ何とかこの定員の確保をしていただきたい。ほんとうに休ませなければならないと思っても、休ませると回らないのです。何とか一つ議会で御努力願いたい。施設長側から陳情を受けるような実情なんです。これは良心的な施設長なんです。そうでないところでは、やはり円満な運営を期するためには圧力を加えておる。休めばやめなければならない、こういう実例が多々あるのです。ですからそういうことに対して、それでは私は労働者として、人間としてあまりに非人道的なやり方だと思うのです。従って、厚生省は今回はこれを産休補助要員というのですか、産休要員というような者に対して何かお考えをお持ちでございましょうか。そういうことのないように、人間としての権利が与えられるように、何か措置するお考えをお持ちでございましょうか。
  57. 河野鎮雄

    説明員(河野鎮雄君) 御指摘のように、先ほど大体の看護要員の数の検討はお答え申し上げたのでございます。そういった数字で絶対に増員の必要がないのだというふうな意味で申し上げたわけじゃないのです。これは多々ますます弁ずということもございますしいたしますが、ただ日本の経済状態あるいは国立以外の施設の状況、そういったようなものとにらみ合せて、現在程度でやむを得ぬのではないかというふうなことできておるわけであります。そういうふうな全体の態勢のもとにおきまして、休暇者が出てくるということになりますれば、あるいは病院療養所運営に支障を来たすというふうなことも当然考えられますので、そういった事態に対処いたしましては、臨時の要因を入れるとかいうふうなことも当然これは考えなければならぬことだと思うのです。本年度の予算でも御承知のように、賃金予算を組んでございますので、この運用によりまして、できるだけ患者の看護に遺憾のないように善処して参りたい、かように思っておるわけであります。
  58. 千葉信

    委員長千葉信君) 藤原君まだだいぶん続きますか。
  59. 藤原道子

    藤原道子君 もう少しでいいです。もう一つお願いしたいのは、医務局長は来ないのですか。
  60. 千葉信

    委員長千葉信君) 医務局長は、先ほどの連絡では衆議院社会労働委員会に出席中ということで、まだこちらの方へ出られるという連絡がないようでありますから、きょうは見通しが立たないようであります。
  61. 藤原道子

    藤原道子君 立たない 私は局長と話し合ったことと、次長の答弁とで満足できないのです。はっきりした答弁を伺えないことが非常に遺憾なんです。今の定員で何とかやれるはずだと、しかし、やれないところに対しては云々という御答弁なんですが、この間、私は医務局長と話し合ったんですけれども、入院してみますと、四人に一人の看護婦が常時いるならそれでいい。三交替制でしよう、日曜の休みがあるでしょう、早出等の人員配置から、夜中なんかは八十床くらいの病床に看護婦が一人か二人しかいない。そうして妊娠している人が夜中に飛んで歩いているような実情なんです。こういうことはちゃんと医務局長は認めて、予算措置に対しても講ずるというようなはっきりしたお話があったのです。ところが、次長の答弁では、それそういうことでは私ども非常に不満なんです。で私はつい質問が長引くのです。
  62. 千葉信

    委員長千葉信君) 各会派了承して、急に日程の変更が行われた関係上、政府委員の出席がふぞろいで、まここに委員長失礼いたしました。しかし、ただいまの問題については、できるだけ政府委員の方で質問者の納得のいくように、この際御答弁願いたいと思います。
  63. 藤原道子

    藤原道子君 もう一点でよろしゅうございますから、この際はっきり伺いたいのは、賃金予算を組んでおる、どのくらい組んでいるのか、それから看護婦さんの産前産後の休暇に対して補充するだけの賃金予算を組んでおるのかこうかという点について、はっきりした御答弁をいただきたい。
  64. 中垣國男

    政府委員中垣國男君) お答えいたします。ただいまお尋ねの産前産後の休暇につきましては、これは御指摘通り、ぜひとも労働基準法通りに実施されますように努力をいたして参りたいと思います。それから看護要員の充足り問題でございますが、これもできるだけ御要望にこたえるように努力をして参りたいと思います。
  65. 千葉信

    委員長千葉信君) 次に、保険所職員待遇改善に関する件を議題といたします。御質疑願います。
  66. 勝俣稔

    勝俣稔君 保健所は、衛生行政の第一線であり、これの拡充強化ということが、日本の衛生行政の、あるいは社会保障の点についても一番大切なものじゃなかろうかと思うのでございます。ことに最近のように、いろいな法律が出てき、保健衛生の問題に関しましてもますます要員を必要とする状態であるのでありますが、政府の方では、この拡充強化に対してはどういうようなお考えをお持ちになっておりまするか。
  67. 中垣國男

    政府委員中垣國男君) お答えいたします。この保健所の職員が都道府県によりまして、定員が十分充足されておらないという点は事実でございます。なおまた、保健行政というものは、保健所を通じましてますます重要視されなければなりませんし、また、重要な存在になってきたことも御指摘通りだと思います。そこで、この保健所の職員の中で国家試験を必要とする職員等につきましては、保健所のそういう国家試験所有者に対します待遇、その他の関係等もございまして、十分な充足ができがたい状態であるのであります。そこで、これらの問題を解決いたしますために、三十二年度の予算からそういう国家試験を必要とする、資格取得を目的としますところの学業者に対しましては、学費の貸費制度等を設けまして、しかもこの貸費生が、学費を貸与を受けましてそれをもって学校を卒業される、国家試験を取得された方は、保健所に就職するのだということをば条件といたしまして、新しい制度等もとった次第でございます。  それからこの問題は非常に重要な問題でございまして、各都道府県とも、たとえば厚生省のこれらの保健所の職員等の予算は平衡交付金等の中に織り込まれておる関係等もございまして、その県の財政状況によりましては、厚生省の考えておるような保健所職員の充足をいまだやっておらない、そういう点等もございますので、自治庁とも交渉連絡をいたしまして、保健所職員の充足というものは必ずやっていただけるように、そういうことも実はやっておる次第でございます。
  68. 勝俣稔

    勝俣稔君 これは厚生省側といたしましては、保健所の職員の、平衡交付金に一時なろうとしたものを、再三いろいろの御努力によってそうでなくして、直接の補助費になりましたことは、厚生省に対して私は感謝しておる次第でありまするが、しかし、衛生監視員であるとか、環境衛生監視員とか、今後の食品衛生について非常な大きな役割をなされなければならない、つまり、安かろう悪かろうかもしれないというような今の食品衛生面にもそういうような事柄がままあるかのごとく、つまりは中毒の問題が起きてくる、こういうような関係であるのに、こういうものに対しては全く交付金によっていっておる。小さなところにいけば交付金でやっておるもんだから、そういうものを充足しない。私は保健所においての職員というものは、これはぜひ直接国庫補助の対象にしていただかなければ困るのじゃなかろうか、あるいは小使であるとか、あるいは給任であるような人たちは別として、ほんとうに第一線に働くような方々については、ぜひそうしてもらわにゃならないのじゃなかろうか。ことに売春防止法の実施によりますところの性病問題に対して、保健所というものは非常に大きな役割をしなかったならば、これは非常な日本に対して性病蔓延ということを来たしはしないかということを憂うるような感じでございまして、こういう件についても、ぜひ厚生省はどこまでも今のお話のように、現在の定員の補充であるとかいうような小さな観点でなくして、もっと大きな観点に立って、保健所の活動というものを期待してもらわなかったならば、これはゆゆしき問題になるのじゃなかろうかと私は思うのでございます。また、今まで私は直接の補助金でありましても、やはり県の財政等の関係がありますので、なかなか出し切れないというので、定員の不補充になっておるような関係がありはしないか、これはまさに、私は従来とも厚生省では非常な補助の増加を要求しておるのは、いつもそれが成立しない、大蔵省を通らない、こういったような事柄が私はほんとに保健所の拡充という問題に対して、政府が、厚生省ほんとうに腰を入れているもんかどうかというところまで疑うような次第でありまして、多少のよその省の関係になりますると、豚や牛を扱っているところの人間の補助費が直接三分の二である、二分の一であるというような補助費であるにもかかわらず、人間生命を扱う人間のいつもの生活、常の生活を十分に監視せにゃならないものに対してごくわずかの、三分の一くらいの補助費しか入れないということでは、私はやはり保健所の拡充ということができないのじゃなかろうか。私は人間生命がやはり一番大切じゃなかろうか、犬や牛の生命よりも人間生命こそ、これを文化国家として最も尊重すべきことじゃなかろうか、こういうように私は考えておるもんでございますが、政府はどういうようなお考えであり、また、今後どういうように御努力なさるおつもりでありますか、その点を伺いたいと思う次第であります。
  69. 中垣國男

    政府委員中垣國男君) 勝俣先生にお答えいたします。  ただいま御指摘通り、この点につきましては、特にこの交付金の対象となっている職種につきましては、今後これを補助対象に必ず切りかえますように努力して参りたいと存じます。  それから補助率の引き上げの問題でございますが、これを三十三年度から三分の二にしますように全力をあげて交渉をいたすつもりでございます。  なお、ただいま御指摘なさいましたところの保健所の存在、保健所の必要性、そういうことにつきましても、厚生省といたしましては、全く先生と同じように考えているのでございまして、保健所に関する行政を総合的に、その予算の面、あるいは職員人間の面、そういう点からも真剣に考えて、そうして実際実施して参るつもりでございます。それから衛生監視員や食品衛生監視員等のことにつきましては、主管の政府委員から答弁をいたさせます。
  70. 楠本正康

    政府委員(楠本正康君) お答え申し上げます。保健所職員のうち、予防衛生関係は補助職員、環境衛生関係職員一般に交付税の対象となっているわけでございます。従いまして、特に交付税の対象となる職員等がきわめて定員が充足されがたい状況にございます。しかもこれらの交付税関係になっております職員の担当いたします仕事が、今後いろいろな法律の改正そり他によりまして、一そう拡大せられる傾向にありますので、ただいま政務次官からもお答えがございましたように、私どもといたしましては、今後相当長期の努力をいたしまして、三十三年度からは間違いなく保健所が運営されるよう、最小限の予算措置に努力をしなければならぬものと苦心をいたしている次第でございます。
  71. 坂本昭

    坂本昭君 ただいまの勝俣委員に関連しまして一つお尋ねをし、なおかつ、関係局長がおられませんので、次官に一括してお尋ねいたします。簡単にお尋ねいたします。  第一は、保健所の定員の不足のお話が出ていましたが、実は国立病院、特に療養所の方も十数%の医師の欠員があります。つきましては、この医師待遇をよくするために、調整号俸、これを十分確保することと、それから特に所長、院長、こういう人たちの格づけについて、厚生省として、人事院に対して十分な交渉をしていただきたい、その意思があるかどうか、それが一つ。  それから次は、あの給食のことについて次官も申し述べられましたが、実は厚生省としては、備蓄用の患者用食料費などを手術患者あるいは重症患者にお用いになっておられるのです。非常に御努力しておられますし、現在では療養所は九十六円十銭という単価をやはり維持しているわけであります。これについては、ぜひ厚生省もさらに努力をいたして、この食費の単価を引き上げていただきたい、そのための努力をぜひしていただきたい、それについての御返事。  それから三番目は、先ほど藤田委員からも出ましたが、生活保護法で入院している人の補助費が今度六百円から六百四十円に上りました。上りましたが、これではまだ足りないのであります。私たちは実際に計算してみますと一千円は要る、そのことについて一つ次官の御努力の御所見をお伺いしたい。これだけ簡単に申し上げます。
  72. 中垣國男

    政府委員中垣國男君) 坂本さんにお答えいたします。  保健所並びに国立病院あるいは療養所等の職員につきましての待遇改善につきましては、給費引き上げの問題を真剣に人事院並びに自治庁と交渉をいたす考えでございます。そうしてただいまやっておるのでございます。  それから給食費の引き上げにつきましては先ほど藤田さんにお答え申し上げたのでありますが、これも一つ実際よく調査いたしまして、結論が出るはずでございますから、三十三年度にはこれの引き上げも実現するように努力をいたします。  それから生活保護費の問題でございますが、これにつきましては、よく調査いたしまして御要望におこたえいたしたいと存じます。
  73. 坂本昭

    坂本昭君 この際、私は国立病院国立療養所看護婦定員確保に関する別紙のような決議を、本委員会においてされんことの動議を提出いたします。案文は    国立病院国立療養所看護婦定員確保に関する決議案   国立病院及び国立療養所看護婦定員不足の現状は勤務上支障を来す場合も多く、特に産前産後の休暇についての必要要員等其の定員確保予算措置を講ずべきである。  以上であります。
  74. 千葉信

    委員長千葉信君) ただいま坂本君提出の動議を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  75. 千葉信

    委員長千葉信君) 御異議ないと認めます。  それでは、国立病院国立療養所看護婦定員確保に関する決議案を議題といたします。提案理由の説明を願います。
  76. 坂本昭

    坂本昭君 御承知の通り国立病院療養所は日本の医療の基準をなしているところの施設であります。ところが、現在国立病院におきましては一〇%、国立療養所においては約二〇%を看護婦の定員の名前のもとに実は他の職種の人が働いておるのであります。このように看護婦の実数が非常に不足をしておる。さらにもってきまして、近年、年間約二百人以上の看護婦が妊娠出産のために非常な過重な仕事をせざるを得ない状態であり、そのために、その半数は異常なる妊娠あるいは出産の実情を来たしておるのでございます。私は、これら看護労働に従事する人たちの労働保護の見地並びに母体保護の見地からすみやかに産休要員を予算的に措置するべきである、そう考えまして、この決議を提案いたした次第でございます。
  77. 千葉信

    委員長千葉信君) 御質疑はございませんか。  御質疑もないようですからこれより採決いたします。  本決議案を委員会の決議とすることに御賛成の方は挙手願います。    〔賛成者挙手〕
  78. 千葉信

    委員長千葉信君) 全会一致と認めます。よって本案を委員会の決議とすることに決定いたしました。   —————————————
  79. 高野一夫

    高野一夫君 私はこの際、保健所強化に関する別紙のような決議を本委員においてなされんことの動議を提出いたします。案文を朗読いたします。    保健所強化に関する決議案   公衆衛生に関する業務が逐次増大しつつあるにもかかわらず、その実施機関たる保健所の人的物的の整備充実は一向に進歩せず、ためにその業務の遂行に大きな支障を生じていることは、国民生活上まことに遺憾である。   よって政府はすみやかに、保健所に勤務する全職員を国庫負担対象とするとともに、保健所に関するすべての経費に対する国庫負担率を二分の一以上に引き上げるべきである。  以上であります。
  80. 千葉信

    委員長千葉信君) ただいま高野君提出の動議を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  81. 千葉信

    委員長千葉信君) 御異議ないと認めます。それでは、保健所強化に関する決議案を議題といたします。提案理由の説明を願います。
  82. 高野一夫

    高野一夫君 提案理由を簡単に筋道だけ申し上げます。  保健所の職員充足状況はきわめて低調でありまして、ここ数年間最低所要人員の七割前後を低迷しておって、しかも昭和二十九年以降は年々低下の一途をたどりつつあって、また、設備の充実も一向に進捗していない実情でございます。この低調の原因は、近年の地方における財政事情の困窮が特にこの面に集約的に現われておることによるものと思われます。すなわち、保健所費に対する国庫負担率は、運営費、整備費、施設開設費について三分の一、わずかにその創設費についてのみ二分の一のいわゆる低率の負担金であって、しかも行政の性質自体が比較的力の弱い行政であって、財政規模縮小の影響をまっ先に受けやすいものでありますために、その経費についての地方公共団体負担分の予算が次第に困難となってきたからであります。一方、保健所業務は最近において結核対策を初め、環境衛生、家族計画等の事業の強化によってますます増大しつつあり、しかもなお、今国会において審議せられましたる食品衛生法改正に伴いまして、食品の製造、販売等に対する取締り、監視はますます重要かつ拡大をしなければならない事態にあります。その実施機関の中心たる保健所かかような状況では、所期の目的を達成することがきわめて困難であるのであります。なお、医師、獣医師、薬剤師等の特殊技能者の待遇がきわめて悪いために、優秀なる人材が得られないという事態があることのほかに、食品側生監視員、環境衛生監視員等の問題かあります。これらの職員人件費に対する国庫負担金は数年前から廃止されまして、現在その経費については使途に拘束のない地方交付税をもってその財源とされておるために、地方においてはその専任職員設置が困難となって、おおむね保健所職員をこれに兼任する、形で窮状を糊塗しておるようなありさまであります。ために、これらの兼任職員は保健所業務に専念することができずに、保健所機構をますます低下させる原因となっておるのであります。従って、これら食品衛生監視員、環境衛生監視員たる職員についても、これを国庫負担の対象としない限り専任職員設置は期しがたく、また、これらの職員は保健所に勤務してその他の職員との密接な連係のもとに業務に従事しておるのが実態でありますから、これを保健所費国庫負担金の対象とするのが穏当であります。  以上のようなすべての問題を解決するためには、保健所に勤務する全職員を国庫負担対象とするとともに、保健所に関するすべての経費に対する国庫負担率を二分の一以上に引き上げることが必要であることについては、もはや論ずる余地がないと考えまして、右の決議案の提案をいたした次第であります。
  83. 千葉信

    委員長千葉信君) 御質疑を願います。  御質疑もないようですから、これより採決いたします。  本決議案を委員会の決議とすることに御賛成の方は挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  84. 千葉信

    委員長千葉信君) 全会一致と認めます。よって本案を委員会の決議とすることに決定いたしました。  以上二つの決議に対し政府より発言求められております。これを許します。
  85. 中垣國男

    政府委員中垣國男君) ただいま当委員会におきまして、国立病院国立療養所看護婦定員確保に関する決議並びに保健所強化に関する決議、この両決議につきましては、いずれも厚生行政上まことに重要な趣旨、内容を持つものであります。政府といたしましては、努めて本決議の実現のために努力をいたす所存でございます。
  86. 千葉信

    委員長千葉信君) 社会保障制度に関する本日の調査はこの程度にいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  87. 千葉信

    委員長千葉信君) 御異議ないと認めます。  暫時休憩いたします。    午後一時一分休憩    —————・—————    午後二時三十四分開会
  88. 千葉信

    委員長千葉信君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  水道法案を議題といたします。提案理由の説明を求めます。
  89. 神田博

    ○国務大臣(神田博君) ただいま議題となりました水道法案につきまして提案の理由を御説明申し上げます。  水道は、広く国民の日常生活に直結した公衆衛生上の基本的施設であるばかりでなく、生活環境の改善による国民生活の合理化、生活水準の向上等のため、まことに不可欠な要素であるとともに、産業の発達等近代国家の整備の上からも重要施設であります。近年水道布設に対する要望は、都市農村を問わずほうはいとして起りつつありますのもまことにゆえなしといたしません。  政府におきましても、従来水道の普及には特に意を用い、その所要資金の確保、維持管理の徹底、国庫補助金の支出等をはかって、この国民の要望にこたえてきたのでありますが、これを規制する水道条例は古く明治二十三年に制定されたもので、その規定もはなはだしく簡単であり、その規模が著しく拡大され、技術的にも高度化されて参りました現在の水道を律するにつきましては、種々実情に沿わない点があるのであります。  政府といたしましては、かねてからこの水道条例の根本的な改正について慎重に検討を重ねて参ったのでありますが、このたびようやく成案を得て、ここに本法案を提出いたしました次第でございます。  本法案の策定に当りましては、水道施設が国民生活に不可欠の要素であるにかんがみ、まず、国民の利便とこれによる生活の合理化とを念願しつつ、その積極的な育成をはかり、かつ、市町村の公営を基本といたしますとともに、他方水資源の総合的合理的利用の促進、近代技術力の確保等を意図した次第でございます。  次に、本法案の内容についてその概要を申し上げますと、まず第一は、水道を大別して、一般国民を対象とする水道事業と、特定個人を対象とする専用水道とに分け、それぞれにつきまして、水質基準、施設基準、技術者による布設及び管理、水質検査、従業員の健康診断等の規定を設け良好な水の確保とその管理の適正を期したことであります。  第二は、市町村等の水道事業の経営者に対し、給水の義務、供給規程設定の義務、消火せん設置の義務等を課し、住民の利便に資するとともにその公共性の確定を期したことでございます。  第三は、各戸への給水装置の基準を設け、あるいは需要者の求めによる水質、給水装置の検査等を規定する等、需要者の保護をはかるとともに、水道水の汚染防止を意図したことであります。  第四は、市町村等の水道事業経営者に対して、浄水を供給する事業を規制し、また、水道事業の合理化のための勧告、市町村による買収の規定を設ける等極力水道事業の総合的な発展と水利用の合理化とをはかったことであります。  第五は、水道事業の認可、その取り消し、専用水道の布設工事の確認、水道施設の改善命令、給水停止命令その他の監督規定を設けたことでございます。  第六は、給水人口五千人未満の簡易水道に対する国庫補助、その他水道事業に対する助成の規定を設けたことでございます。  以上が、この法律案を提出いたしました理由であります。  何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第でございます。
  90. 千葉信

    委員長千葉信君) 審査の都合上、本案に対する質疑は、次回以降にいたしたいと存じますが御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕   —————————————
  91. 千葉信

    委員長千葉信君) 御異議ないと認めます。
  92. 千葉信

    委員長千葉信君) 次に、引揚者給付金等支給法案を議題といたします。御質疑を願います。
  93. 山下義信

    ○山下義信君 私はこの際、議事進行に関する動議を提出いたしたいと思います。本案の質疑を打ち切り、直ちに討論採決に入られんことの動議を提出いたします。
  94. 千葉信

    委員長千葉信君) ただいまの山下君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  95. 千葉信

    委員長千葉信君) 御異議ないと認めます。それではこれより討論に入ります。  御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。なお、修正意見がおありの方は討論中にお述べを願います。  別に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  96. 千葉信

    委員長千葉信君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより引揚者給付金等支給法案について採決いたします。  本案を原案の通り可決することに賛成の方は挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  97. 千葉信

    委員長千葉信君) 全会一致でございます。よって本案は全会一致をもって原案の通り可決すべきものと決定いたしました。
  98. 榊原亨

    ○榊原亨君 私はただいま決定いたしました本案に対しまして、別案のような付帯決議を各派共同提案のもとに付することの動議を提出いたします。案文を朗読いたします。  一、本法はその適用範囲を終戦日以降に限られているがその以前に引揚げた者であっても、その実情が同様の状態であった者に対しては適正なる措置を講ずべきである。  一、特に終戦直前に閣議決定にもとづいて強制的に引揚げを命ぜられたような立場にある者に対しては、本法が適用されるよう十分考慮すべきである。  その理由を申し述べます。  本法はその適用範囲を終戦日以降に限られておりまするが、それ以前に引き揚げた者でありましても、その実情が同様の状態であった者が多数あるのでありまして、これらにつきましては、本法同様適正なる措置を講ずるよう要望をいたしたいと思うのであります。  次に、特に終戦直前に閣議決定に基きまして強制的に引き揚げを命ぜられたような場合、たとえば内南洋のような場合に、その他の場合におきましてもかような立場にある者に対しましては本法が適用されるよう、さらに、十分考慮をいたすべきである、こういうことを要望いたしたいと思うのであります。
  99. 千葉信

    委員長千葉信君) ただいまの榊原石提出の付帯決議案を本委員会の決議こすることに賛成の方は挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  100. 千葉信

    委員長千葉信君) 全会一致と認めます。よって榊原君提出の付帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  なお、本会議における口頭報告内容、議長に提出する報告書の作成、その他の手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  101. 千葉信

    委員長千葉信君) 御異議ないと認めます。  それから報告書には多数意見者の署名を付することになっておりまするから、本案を可とされた方は、順次御署名を願います。   多数意見者署名     片岡 文重   紅露 みつ     藤田藤太郎   藤原 道子     山本 經勝   山下 義信     小西 英雄   榊原   亨     早川 愼一   高野 一夫     勝俣   稔
  102. 千葉信

    委員長千葉信君) 暫時休憩いたします。    午後二時四十四分休憩    〔休憩後開会に至らなかった〕