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国務大臣(
神田博君) 片岡
委員の御心配、まことに私も深刻に実は考えておることでございまして、
厚生省に参りまして、これは一体どうするかというようなことでしばしば頭を悩めておる、
会議を続けておるのでございまするが、
予算の方はいろいろ今お言葉ございましたが、私
どもは六億
要求いたしまして三億ちょうだいいたしたわけで、
予算をとった率からいうと、これは普通でございまするが、この三億円をどういうふうに効率的に消化するかということでございます。今
竹中委員にもお答えいたしたのでございますが、それとまあ相談所の中心になっていただく
方々の適材な方をどうやって得るかということなんでございますが、幸い人の
関係はすでに三分の二くらい当てができているそうでございます。私
どもの考えといたしましては、この転落
婦人の
方々に、先ほ
どもお答え申し上げたように、まあ第一は今家に帰っていただくことが一番いいんでございますので、これはまあそういう面で指導したいと思いますが、これはなかなかむずかしいことで、出た事情、その後のこらいった職業に従事した
関係上国に帰ることができるかどうかという心配があるわけでございますが、そうだとすれば、どうしても自力更生可能な者に対しまして、これは相談員が相談に乗ってそうして職業補導、あるいは
世帯更生資金の貸付をやるとか、
母子福祉資金の貸付をやるとか、そうして職業あっせんをするわけでございますが、それはなかなか、よくああいった層に落ちる人は知能的にも非常に低い者だ、一般の人と違うところがあるというようなことを言われておる
方々でございまするから、おそらくそういう方もあるだろうと思うのです。他の職業にはもう向かないのだというようなこと、あるいは自暴自棄といいましょうか、そういったようなひがんだような
気持の方も多いと思いますので、どうしてもこれは他の職業にもっけない、国へも帰れないということになりますれば、
生活保護法とかその他で
一つこれは救っていかなければならないわけでございまして、いろいろこれは個々のケースでございまするから、当ってみなければできないことでございまするが、先ほ
どもお答え申し上げた
通り、景気がいいので女手ならほしいという層が
国民の中に相当あるのではないかと思うのでございます。これは健全の家庭として、あるいは健全の経営、企業として健全の労務者がほしい、
婦人労務者がほしい、そういったような面が相当今年は出ているようでございます。ですから、そういうことを一番たよりにしておるわけでございますが、何といたしましてもこれはよほどしっかりやりませんと、今年一ぱいのうちに無理じゃないかというようなことで、これに従事している
売春婦の
気持が、一番あとから自分は転業するのだという考えを私は持たれると大へんなことになるわけでございまして、早い方がいいところに行けるのだ、早く沈む船に乗っていたのでは一番不仕合せになるのだというようなところから
一つ説き起して、身の処置をつけていただくような手を講じなきゃならないじゃないか、
予算が
通りましたらさっそく
一つ、今の相談所はまあ
予算が通る通らないにかかわらず、これはまあ活動していただいておるわけでありますが、新しい
方面も充実いたしましてこの実行を期していきたいと、まあこういう考えでございます。しかし、それならこの四百六十人名の配置によって、三億円の金で、この十五万人に上る
売春婦を皆それぞれ適当に処置できるかと言われますと、これはやらなきゃならない仕事でございまするが、何といってもこれは対象が今申し上げたような実情でございまするから、これはまあ非常にむずかしいことだと考えております。がしかし、
厚生省といたしましては最善を尽したい、そうしてまあ最大の効果を上げたい、こういうふうに考えまして、御期待に沿いたいとこういう決心でございます。これはなかなかくどいようでございまするが、何といっても社会の多くの
方々のあたたかい御了解を得ないと、これはなかなかむずかしいことだと考えておりますので、特に
一つ議会の皆様方には豊富な御知識をお借りいたしたいと思っております。