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1957-05-17 第26回国会 参議院 社会労働・農林水産委員会連合審査会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年五月十七日(金曜日)    午前十時四十一分開会   —————————————  委員氏名   社会労働委員    委員長     千葉  信君    理事      榊原  亨君    理事      高野 一夫君    理事      山本 經勝君    理事      早川 愼一君            勝俣  稔君            草葉 隆圓君            紅露 みつ君            斎藤  昇君            寺本 広作君            西岡 ハル君            西田 信一君            横山 フク君            片岡 文重君            椿  繁夫君            藤田藤太郎君            藤原 道子君            山下 義信君            奥 むめお君            竹中 恒夫君   農林水産委員    委員長     堀  末治君    理事      重政 庸徳君    理事      藤野 繁雄君    理事      東   隆君    理事      清澤 俊英君    理事      河野 謙三君            青山 正一君            秋山俊一郎君            雨森 常夫君            佐藤清一郎君            柴田  栄君            下條 康麿君            田中 啓一君            仲原 善一君            堀本 宜実君            安部キミ子君           小笠原二三男君            北村  暢君            小林 孝平君            鈴木  一君            羽生 三七君            上林 忠次君            島村 軍次君            千田  正君            北條 雋八君   —————————————  出席者は左の通り。   社会労働委員    委員長     千葉  信君    理事            榊原  亨君            高野 一夫君            山本 經勝君            早川 愼一君    委員            勝俣  稔君            紅露 みつ君            西岡 ハル君            西田 信一君            横山 フク君            片岡 文重君            椿  繁夫君            藤田藤太郎君            藤原 道子君            山下 義信君            奥 むめお君   農林水産委員    委員長     堀  末治君    理事            重政 庸徳君            藤野 繁雄君            東   隆君            清澤 俊英君            河野 謙三君    委員            青山 正一君            秋山俊一郎君            雨森 常夫君            佐藤清一郎君            柴田  栄君            田中 啓一君            仲原 善一君            堀本 宜実君            安部キミ子君           小笠原二三男君            北村  暢君            小林 孝平君            鈴木  一君            上林 忠次君            島村 軍次君            千田  正君            北條 雋八君   衆議院議員            野澤 清人君   国務大臣    厚 生 大 臣 神田  博君    農 林 大 臣 井出一太郎君   政府委員    法制局次長   高辻 正已君    厚生政務次官  中垣 國男君    厚生省公衆衛生   局環境衛生部長  楠本 正康君    厚生省社会局長 安田  巖君    農林省畜産局長 谷垣 專一君    水産庁次長   奧原日出男君   事務局側    常任委員会専門    員       安楽城敏男君   法制局側    法 制 局 長 齋藤 朔郎君   説明員    大蔵省主税局税    制第一課長   塩崎  潤君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○環境衛生関係営業運営適正化に  関する法律案衆議院提出)   —————————————    〔社会労働委員長千葉信委員長席に着く〕
  2. 千葉信

    委員長千葉信君) それでは、これより社会労働農林水産委員会連合審査会を開会いたします。  前例によりまして、私が連合審査会委員長の職を務めさせていただきます。  環境衛生関係営業運営適正化に関する法律案を議題といたします。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
  3. 重政庸徳

    重政庸徳君 政府あるいは提案者は見えておりますか。
  4. 千葉信

    委員長千葉信君) 見えております。
  5. 重政庸徳

    重政庸徳君 それでは、まず第一番に、この法律提出過程についてお伺いいたしたいのでございます。この法律は、聞くところによると、昨年鳩山内閣のときに、衆議院提出になって廃案になつたように聞いております。ところが、農林水産委員会質疑過程において厚生省は、閣議決定を経たと、こういう答弁があったのでございますが、いろいろ質疑の結果、実は鳩山内閣閣議決定であったという御答弁があった、なお、その後調査してみまするに、この提案賛成者は非常に多数衆議院で調印いたされておりますが、その賛成者名簿も昨年の場合における賛成であつて、今議会に関するものではないというように承わつておるのであります。ところが、本案が昨年の法案そのままならばまだ了すべき点が私はあるだろうと思う。ところが、昨年の法律には、食肉並びに氷雪というものは加えられておらなかったということになると、これは相当大きい重大なそごがそこに生じておると思う。ただいま私が申し上げましたことに誤まりがあるかないか、これはしごく簡単に理由は承わりませんが、時間の都合もあるので、きわめて簡単に誤まりがあるとかないとかいうことを承わりたいと思います。
  6. 中垣國男

    政府委員中垣國男君) お答えいたします。ただいま御指摘の通り経過を経まして本法案が今日に至つたことは、大体間違いないと思います。ただその中で、閣議決定事項の中の食肉等に関する問題でありますが、それは当時といたしましては、その業種目につきまして政令で定めるといったような、そういう了解事項になっておつたようであります。
  7. 重政庸徳

    重政庸徳君 大体わかりました。その政令で定める事項を、これは役所としてそういう考えがあったかもわからないが、議員としてはおそらくそういう考えはなかったろう、はっきり法律に載せてきたということであるのであります。  次に、カルテル行為を行う業種のうちに、食肉販売のごとき国民生活にきわめて重大な影響を及ぼすもの——なお、これは農林関係から申しますと、御承知のように、日本の食糧は総合的解決をせねばならぬ、そういう見地から畜産奨励ということに重点を置いた施策を国策としてとつておるのでございます。従って、これは食生活の改善食肉の普及というようなことをはからねば畜産振興にはならないというような状況にあるところに持ってきて、この衛生取締り面対象として、これのみを入れる、しかもほかの食料、たとえて言えば水産、私どもから考えればむしろ刺身や何ぞは牛肉よりも取締り面は大きいように思うのですが、こういうようなものを——ただ食肉をこの中に入れるというのはきわめて了解を得がたいのでございます。これをただ食肉のみをこの取締りに入れたということについては、何かそこに理由が、重大な理由があるんですか、その点お伺いいたします。
  8. 野澤清人

    衆議院議員野澤清人君) ただいまの食肉の問題でありますが、これを衆議院社会労働委員会で取り上げましたのは、もともと家畜類の屠殺ということがと畜場法がございまして、このと畜場法によって厚生省の方の所管事項になっておるものでございますから、今回の適正化法律を出しました際に食肉業者から強い要請もありまして、そうした関係からこの法律に適用させることが適当ではないか、こういうことで、その理由としましては、第一に、業者の希望を入れたということ、それから第二には、過度の競争が行われた場合に密殺あるいは混肉等の状態が派生しては衛生上取り返しがつかない、こういう観点からであります。それから第三の問題点としましては、先ほど申し上げましたと畜場法法律厚生省との関係、これが第三の理由であります。それから第四の理由としましては、現在の食肉販売に対しましては、旧来と異なりましてかなり膨大な施設販売に必要とするためにこうした処置をとったわけでありまして、この点に関しましては、衆議院社会労働の小委員会におきましてもかなりいろいろな角度から検討されたんでありますが、結論として自民党、社会党ともにこの法律適用者として選定するのに適当であろう、こういうことで入れたわけであります。
  9. 重政庸徳

    重政庸徳君 御承知のように、この食肉取引というものは、きわめて現在のあらゆるものの取引よりもいわゆる旧態依然たる封建的な取引をやっておるのであります。それがために、生産者及び消費者は非常な迷惑を来たしておる。これを改善するために政府は三億円の金を投じて、東京、大阪を初め七カ所にわたってこの改善を今やりつつある。そこにもってきてこういう——しかもこの小売業者の肉に対して占める部分は、たとえて申しますれば、牛を百とするとその七十は、生産者並び仲介業者というような部分が占める。そのあとの三十がいわゆる小売商が占める。その中の衛生に属するものは一%かあるいは三%の範囲だと私は承知いたしております。その百のうちの一%か三%の部分でこの肉の全体の百を支配する、価格決定して支配するというような、あるいは区域をその同業者組合で設定するというようなことになりますと、これは生産者——七十を占める生産者にその影響が及ぶのはこれは火を見るよりも明らかだと私は思うのです。そういうことになると、提案者出席になる前に私申し上げたのですが、日本の食糧問題の解決というので、これは畜産振興よりほかにないというので、国策として農林省は営々これに努めてきておる、また、農林水産委員会としても重点を置いて議論して参っておるということになりますと、非常な影響を及ぼす、この点は御了解になると思うのですが、私が申し上げることが御了解いかぬかどうか、きわめて簡単にお願い申し上げます。
  10. 野澤清人

    衆議院議員野澤清人君) 非常に大切な問題でありますので、経過だけを大体申し上げたいと存じますが、実は今のような御意見衆議院でも十分検討されました。この場合に新しく生まれるであろうと想定された団体法との対立から見まして、どちらに適用した方が国策の線に沿えるかというような問題点も検討いたしました。その結果、ただいま先生のおっしゃられたように、畜産奨励という面から見た場合と、これらの利用者の、いわゆるカロリーを摂取する人々の階層から考えた場合と、それを扱う業者の場合とを考えてみますというと、どうしてもこの大もとである畜産関係ということも強くこれは考えなければならないじゃないか、こういうことで、もし団体法にこれを適用範囲をもっていった場合にはどういうことになるかと申しますと、団体法では団体交渉ができることになっております。従って、団体交渉をする際に、どういう結果が生まれてくるかと申しますと、小売価格が不当な競争を受けた場合に、結局最後に相手方となって締め上げられるものが農民じゃないか、畜産関係者か、消費者、あるいは小売業者の団結によって畜産経済関係にまで相当影響を来たすということでは、かえって畜産奨励の趣旨に反するのじゃないか、この点、適正化法律団体交渉権というものを認めておりません。あくまでも自主的にこれを解決するようになっておりますので、畜産消費取扱い業者の三面から考えますというと、取扱い業者の中の卸問屋小売商との関係だけで環営法なら解決つく、こういう面から両はさみになりますこの畜産専業者、それから消費者との中間にあって適正化法律を運用したい、こういうことがねらいでありまして、結論としてこれを取り入れていくということにいたしたわけであります。
  11. 重政庸徳

    重政庸徳君 今食肉業者要請によったということを理由の第一番にあげられましたが、生産者は全部これは反対いたしております、生産者消費者は。なお、るる申し上げましたように、ただ食肉衛生に名をかりて、あるいは浴場業者とか、興行者とかいうような、生産者に、そういう多くの生産者に累を及ぼさぬものとはおのずから私は性質が違うと思うのです。これもこの中に、水産業に非常に影響のある氷雪と同じようにこの中にお入れになるということは、これはどうも見解の相違かもわかりませんが、どうも私は納得いかないということを申し上げまして、私の質問は終ります。
  12. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 私もただいま重政委員からお述べになりましたような同じ理由でありますが、この永雪を環営法対象にしたということについて疑問を持っておるのです。と申しますのは、畜産と同じように、いわゆる日本国民蛋白資源となっておる水産物を、水産政策の面から見ましても増産をせねばならぬ、また、この増産したものを日本国民のすみずみまで供給して国民保健の資にしなければならぬという建前から、長い間製氷冷蔵施設をあるいは補助を出し、あるいはまた、低利の資金を供給しまして普及して来つつあるのであります。その際に、この氷雪販売衛生の面からこういうふうな法律規制をするという、しかも価格についてカルテル行為をするというようなことは、これはそのしわ寄せば結局魚にくるわけです。そこで、漁業者がさなきだに今経営に困っている魚価に影響してくるというようなことは、どうしてもわれわれとしては納得がいかない。ことに衛生的の見地からと申しまするが、先般来農林水産委員会において質疑をいたしました際に、この対象になるものは食用に供する氷であるというお話でありましたが、皆さん御承知通り氷雪販売しておる者が食用氷とそうして冷蔵用の氷とを分けて売っておるはずはありません。みな同じに売っております。また、厚生省当局お話によりますと、冷蔵用の氷は空気を入れたいわゆるまあ未完成品のような氷を出す、そうして食用には完全に凍結した氷を出せということに指導しておるとおっしゃいますけれども、実態はそういうものじゃありません。もちろん漁船に積んでいく氷は場合によって多少いわゆる空気の入ったものも出ますけれども、町に出ておる氷にそういうものは出ておらぬはずであり、ほとんど出ておりません。また、そういうものは非常に解けやすくもありますし、市販のものを買いに行くのに、これは食用にしますからとか、あるいはこれは冷蔵用にしますからというふうに区別して買いに行くのではありません。同じものを、できるだけ完全に凍ったものでなければ非常に損をするわけです。従って、同じものを売っているのに、買いに行くときにこれを区別して買いに行くわけに参りませんので、こういうものを食用とあるいは冷蔵用とに分けて処置せねばならぬというような、そういうわずらわしいことはおそらくこれは運用上できるものじゃないと思います。そうすると冷蔵用の氷というものは、同じように規制を受けるということです。まあわれわれが家庭においてアイス・ボックスに氷を入れるにしましても、入れておるやつを場合によってはぶっかいて食用にすることが間々あるのであります。そういうこともあるから、これは冷蔵用のものをみな食用だということになりますと、先ほど申しましたような水産物に対し、水産業者に対して、そのしわ寄せがくる、もし衛生上の見地からこれを何とか取り締る必要があるならば、食品衛生法において適当な改正を加えておやりになった方がいいんじゃないか、かように考えますが、この点いかがでございましょうか。
  13. 野澤清人

    衆議院議員野澤清人君) ごもっともな御意見でございますが、実はこの点も相当誤解があると思うのでございますが、実際問題としまして厚生省食品衛生法施行令の中に「氷雪販売業」というものを。わざわざ二十項のうちの一つを取り上げまして、それでこの氷の販売をします際に、ただいま先生のおっしゃられたように、空気を入れたものと入れないものとの区分ということは衛生上の見地からこれは指導しております。従って、これを的確に行わないということは、業者の方が不適正なこれは営業をやっておりますので、実際は区分していただかなければ、環境衛生方面あるいは公衆衛生衛生的な管理保持ができないということがこれは厚生省建前としてそういう考え方を持っております。従って、基本的なそういう考えを持って営業を続けていかなければならないものを先生のおっしゃられたように、遠洋航海とかあるいは漁業等に出す場合に載せる氷は空気が入っているのもある、市内では無色じゃないか、こういうお話もごもっともだと存じますが、ただ取締り面としましては素質の悪い氷を無色で出すことは困りますけれども、当然泡の入っているべき氷がいい氷として取引されても、これは価格が不当に高くなければ、一応厚生方面からの取締りとしては妥当な行き方でありますので、これは黙認せざるを得ないと思います。ただし、それが混合して、混用されていくことがあります、はっきりしていないからというようにおっしゃられることは現実の問題としてその通りであると思うのでありますが、これはやがて是正さるべきものでありまして、特に食用とこの冷凍用とに同時に使われるものは、食用として規制することは、ちょうど工業用の場合でも同じでありまして、一部工業用に使われるが、営業にも使う、こういうことで、工業用水水道等でよく問題になりますことは、工業用水飲用に用いられるというような場合には、やはり工業用水そのもの規制を受けている、工業用水として許可を受けておっても、それが飲用に一部使われる場合には、保健衛生上これは取締りを受けなければならぬ、これと同じように、工業用製氷であっても一部人体に使われる、あるいは衛生上これがその目的に使われるという場合に当然取締りを受けなければならない、それを野放しにするということは、それは保健衛生上マイナスになるのじゃないか、こういう見地から、工業用製氷まで環営法で取り締ろうというのでなしに、食用として利用されるもの、また、氷嚢等に使う、特別衛生上の見地から使用されるものだけを今度の対象業種としたわけでありますから、この点についてはぜひ一つ了解を願いまして、食肉の場合と同じように、決して工業用のものまで侵害して幅を大きくとろうというのじゃありません。できるだけ小さくしまして、衛生上の目的に完璧を期したい、こういう目的でございますので、どうぞ御了解を願いたいと存じます。
  14. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 今のお話は、やはり繰り返すようになりますけれども、もし衛生的の立場からこれを取り締らなければならぬということになれば、私は取締り方法は他に食品衛生取締法等においてできるのではないか、そこの価格まで決定してやるということに私ども非常に不満があるわけです。それでいろいろまあ議論をしても始まりませんけれども、結局今お話のような食用と非食用の区別は、おそらくこれはできません。もともと氷雪販売業者は大部分というより、ほとんど百パーセント販売人であります。メーカーじゃございません。メーカーから、製氷工場から氷を買うてきて売るのでありますから、自分が思うようにどういう氷をと言って指定して買うには買いましょうけれども、これはおそらく買うときには皆無色の氷を希望して買っておるに違いありません。その氷が食用にもなれば冷蔵用にもなっておることはだれでもわかっております。それを区別してやろうというところに非常に無理がある。そこに弊害が生じてくる。結局は水産改善として今打ち出しておる面にも非常な響きが来るのでありまして、私どもこれは環営法対象にしていかなければならぬという理由がどうしても納得できない。これをもし衛生的の見地からいくならば、衛生取締り方でおやりになる方が、ほかの食料にもそれがたくさんありますので、その方面からやった方がいいのじゃないか。これは氷雪とは関係ありませんけれども、食品について、食肉にいたしましても、もしそういう衛生上の見地からいくならば、生肉でなく加工肉において、さらに私は考えにやならぬ面があるのじゃないか、それをはずしておいて、食肉だけやるということについても私は不審がある、衛生的な見地ということからだいぶ遠のいておりはせぬかと私は思う。こういう点についてわれわれとしては、この中にはめるということはどうしても御説明ではありますけれども、納得がいかない、そこでこれを分けて扱うということにどういう方法で分けてお扱いになるか。
  15. 野澤清人

    衆議院議員野澤清人君) るる御意見がありましたので、決して議論しようという建前で申し上げるわけじゃありません。ただこの氷雪の場合も、実は今のような御意見も、委員会で何べんも話し合いをいたしました。その結果、どういう結論になったかと言いますと、環営法というのは、あくまでも環境衛生建前を堅持しつつ、その業者経済活動というものを保護育成しようという法律である。従って、それを販売する業者という者は、扱います業者という者は、たとえば真夏氷を売るような方々が自然に競争が激しくなって、だんだん値をくずすというような場合に立ち至りましたときに、やはり食肉と同じように、これが結果において団体交渉等します場合に、どこに結論がいくか。結局は製氷業者しわ寄せされるのではないか。製氷業者しわ寄せされて団体交渉等が行われ、不当の要求が実現した場合、緩衝地帯がない、こういうことから、むしろ衛生上使われる氷たけ環営法適用者にする方がよい。そのために工業用製氷までが被害をこうむるというようなことになっては大へんだから、むしろこれは衛生上のものだけを環営法適用者にする、そうしてその業態というものを保護育成しようじゃないか、そうされませんと、ほかの業者と違いまして、同じ物品販売でありながら、氷雪だけはロスが大きい、ロスというものは形がなくなってしまいます。こういう関係でかなりやかましく、保健所等から搬出、貯蔵等についてやかましく言いましても、なかなか業者はこれを守らない。理由零細企業であります弱小企業という上に、商品が実際に解けてしまうのですからなかなか取締りについても言うことが聞けぬ、こういう面でしかも業者の方の切実な要請があったために、食肉と同じようなケースとしてこれは取り入れました。その間牛乳に関しては全国からかなり前から要請がありましたが、これはわれわれが取り扱うべきでないというので、これはお断わりしました。そうして食肉氷雪だけを衛生面から取り入れたわけでありますので、いろいろ御見解の差、着眼点の差はあると思いますが、どうか中小企業というものを育成してしかも生産者も、配給者も、消費者も、御迷惑のかからぬように保護育成しようという大目的で国会がこれだけの法律を作ったのでありますから、まげて一つ了解願えたら大へんけっこうだと思います。
  16. 青山正一

    青山正一君 提案者、それから厚生省当局、それから農林省当局、つまり農林大臣とか、畜産局長水産庁次長もおりますが、そのお方たちにお聞きいたしたいと思いますが、この法案について、事前に農林当局と十分に打ち合せをしたかどうか。それから農林当局なり、たとえば水産庁方面、あるいは畜産局の方面、そういった方面がいろいろ納得済みでこの法案了解したかどうか。また、提案者にお伺いしたいことは、この法案農林当局に十分に打ち合せしたかどうか、その点について、まず第一にお伺いしたいと思います。というのは、水産庁設置法の中に、「(水産庁の所掌事務及び権限)」とありますが、これは畜産局も同様でありますが、その第二条に、「水産庁の所掌事務の範囲は左の通りとし、その権限の行使は、その範囲内で法律に従ってなされなければならない。」、こういうふうに設置法には法律化されておるのであります。その第八号に、「氷の生産、流通及び消費並びに冷凍及び冷蔵に関する事務を処理すること。」、こういうふうにはっきりとうたっておるのであります。こういう点をよく御承知のもとに提案者はやったかどうか。それから農林当局なり、あるいは通産当局にお伺いしたいことは、そういう話を十分に打ち合せしたかどうか、その点についてお伺いしたいと思います。
  17. 野澤清人

    衆議院議員野澤清人君) 今の水産関係の第二条の関係については、少くも私自身は承知いたしておりません。ただし、自民党としましては、党議をきめます際には、三回も政策審議会で話し合いをしまして、当然これには各委員会の代表も入っておられるのですから、御承知の上のことだと思いまして、農林当局の方に私どもとしては折衝はいたしておりません。それから社会党の方と共同提案になります際にも、社会党の方としましても、それぞれの手続をとりまして、共同提案になったわけでございますから、その間の党内事情は後ほど社会党の代表の方も見えますから、お尋ねを願いたいと思いますが、私の方としては、党の正式機関から持ち込んだわけでありまして、共同提案になります際にもお話を申し上げ、結局、正式な農林当局に対する折衝はいたしておらないことは事実でございます。
  18. 井出一太郎

    ○国務大臣(井出一太郎君) ただいまの御質問の中で私に関しまする部分をお答え申し上げ、畜産局あるいは水産庁も来ておりますので、事務的な部分はその方から答えさせます。  本法が議員立法でございまして、予算を伴うという関係から、当然閣議にはかっていただくのが建前だろうと思うのであります。私の聞くところでは、昨年の五月に本法—まあ旧法と言ってもいいでしょう、これが提案せられましたときには、昨年五月の二十九日の閣議決定を見ておるようでございます。今回御提案のものが旧法に比べまして相当に変更があるように思うのでございまして、当然これはあらためて閣議の方へもお諮りをいただくべき筋合であろうと、こう思うのでございますが、今回に至りましては、閣議の方は実はこれを関知せなかったわけでございまして、つまり閣議に諮らなかったということでございます。そこで、私どもの承知をいたしましたのは、衆議院を通過しての後のことでございましてあるいはその点どうもはなはだ不行き届きだと、こういうおしかりもあろうかと思いますが、まあ議員提案で非常にスピードをもって処理をされました関係から、事後になって実は気がつきまして、今回のようなこういったことまでわずらわす結果に相なったと、こういう次第でございます。
  19. 谷垣專一

    政府委員(谷垣專一君) ただいまの大臣の御説明で大体尽きておると思いますが、私たちの方の畜産関係の方も、実はよく承知をいたさずに参ったわけであります。新しく提案されまして、衆議院の方でいろいろ御討論になっておりますときに、内容に畜産関係のものが入っておる、かようにお聞きいたしましたので、実はあわてましたような次第でございます。
  20. 奧原日出男

    政府委員奧原日出男君) 水産庁がこの法案承知いたしましたのは、衆議院の審議がもうきょうであがるという当日でございます。また、ただいま水産庁設置法の規定についてのお話が出たのでございますが、氷の配給、消費の行政の責任官庁でありまする水産庁といたしましては、この衛生的な観点から価格カルテル行為等をやっていこうと、こういうこの法案の趣旨には、全然納得することはできません。
  21. 山下義信

    山下義信君 ただいま井出農林大臣は、この法案閣議決定をいつしたとおっしゃったのですか、重ねて御答弁を願いたい。それから、この法案については、水産庁関係者も、畜産関係者も、納得ができないということを言っておるが、衆議院の議決の際に、内閣の意見を表明して、この法案に対しては異議がないということを表明しておるじゃないか。衆議院の審議の際に、内閣はこの法案に異議がないということを言って、参議院の審議の際に異議があるとは何だ。明白にしてもらいたい。はなはだけしからぬ答弁をする。事のよしあしは別としてですよ。政府のこの法案に対する態度が、衆議院における態度と参議院における態度と二途に出るとは、どういうことか。それから今、井出農林大臣は、内閣は閣議決定云々ということを言う。議員提案法案に何の閣議関係がある。しかして、閣議決定というのは、何の決定をしたのか。閣議決定の日時とこの法案提案の日時とが非常に差がある。この法案の前の法案は、昨年の五月二十一日に提案されておる。あなたのおっしゃった閣議決定とはいつのことか、重ねて御答弁をいただきたい。
  22. 井出一太郎

    ○国務大臣(井出一太郎君) 私の申し上げましたのは、議員提案に対しまして予算を伴うという場合、閣議の方でそれに対する意見を付するということに相なっておるわけでございます。国会法第五十七条のようでありますが、そこで昨年この法案が五月の二十九日に閣議意見を求められまして、それに対する了承がついておるということは、まあ前の内閣のことでございますからそういうふうに承知をいたしておるわけでございます。そこで、今回の法案が昨年のものそのままではない、相当各所改まっておるという点から申しまするならば、あらためて閣議の方にそういうふうなお申し出があってしかるべきではなかったかというふうに私は考えるのでございますが、今回に関してはそういうことがなくて、これは、私どももそういうところまで気のつかなかった点は至らなかったわけでございますが、われわれの承知をしたのは実は法案通りました後であった、こういうふうに申し上げておるわけであります。
  23. 高野一夫

    高野一夫君 私は農林大臣にお伺いしたい。
  24. 山下義信

    山下義信君 私に対する答弁がないじゃありませんか。内閣の意見についての。
  25. 千葉信

    委員長千葉信君) 発言中でありますから。
  26. 高野一夫

    高野一夫君 衆議院において議員立法で提出されて、そうして国会において、社労で、あるいは小委員会において審議され、その前においてわれわれ与党において正式にあるいは政調、総務会、われわれの機関において正式な議を経ておるわけである。その間において、大臣もあるいは大臣の部下も何も知らなかった、そうして衆議院の審議を経て参議院にきて初めてわかった。それは大臣初め大臣の部下といえども非常に怠慢であり、不勉強である。それをあたかも衆議院における社労の委員会が非常に軽卒なことをやったというような議論をされるということは私は当らぬと思う。そこで、これは農林大臣に伺いたいのでありますが、なぜ衆議院において、あるいは参議院において、政府としての意見農林省としての意見が違うのであるか、今山下委員からその点についての質疑がありましたが、その点についての答弁がないから、その点をもっと明確に私は承わりたい。
  27. 井出一太郎

    ○国務大臣(井出一太郎君) 先ほども申し上げましたように、時間的な関係もございまして、農林省としての意見を申し述べる機会がなかったわけでございます。
  28. 田中啓一

    田中啓一君 関連して。私は衆議院に出て政府意見を述べられた政府委員出席を求めたいと思います。(「異議なし」「賛成」と呼ぶ者あり)おられますか。
  29. 千葉信

    委員長千葉信君) おります。
  30. 田中啓一

    田中啓一君 それではその政府委員にお伺いいたします。衆議院では政府を代表していかなる御意見をお述べになりましたか。これは山下委員からは、何も政府意見閣議も問題はないというお話がございましたが、予算を伴う法律につきましては、委員会政府意見を述べる機会を与えなければならない、その政府意見を述べるには閣議を経て述べる、こういうことになっておりますから、私は当然出席をしてそういう意見を述べられたものと察するのでありますが、いかなる意見をお述べになりましたか、まずそれをお伺いしたい。
  31. 中垣國男

    政府委員中垣國男君) お答えいたします。本法案衆議院の社労の委員会におきまして決定をいたしましたときに、政府委員としての意見を求められましたので、その際には、この法案は継続審議で前国会より参ったものが今度改めて出されておる。そこでこの法案については、すでに閣議でもう了承をされておったことであるから、本法案が成立した上は本法の趣旨に基いて運営をしていく、こういうことを実は答弁しておるのであります。
  32. 田中啓一

    田中啓一君 今の御答弁を承わりますと、賛成意見を述べられた、こう拝聴するのでありますが、さようでありますか。
  33. 中垣國男

    政府委員中垣國男君) さようでございます。
  34. 田中啓一

    田中啓一君 継続審議であったように今、御発言になりましたが、それは私は継続をしたのか、それを修正をされたものか、あるいは廃案になったものを新たにお出しになったものか、それはよく存じませんが、いずれにしましても、前の法案と今度の法案とは、重大なる内容に変更がある。一番問題になるところの適用営業のところにおいて、前の法律食品衛生法第二十条に規定する営業のうち政令で定めるものとする。この中には飲食店もあれば喫茶店もある。魚屋も肉屋も氷屋もあるというわけでありまして、このうちから閣議で適当とするものをお選びになる、こういうことであったろうと私は思うのであります。そういう内容のものです。今回はいきなり食品衛生法第二十条に規定する営業のうち、飲食店営業、喫茶店営業食肉販売業及び氷雪販売業、はっきりと法律の条文にうたっているわけです。この法律にこれらの業種を入れるか入れないかということは、私は重大問題であろうと思う。また、先ほどから提案者の御意見を聞いておりましても、ずいぶん御議論のあったところだとおっしゃる。にもかかわらず、一体政府委員はいかなる根拠で賛成の意を述べられましたか、根拠を伺いたい。
  35. 中垣國男

    政府委員中垣國男君) ただいま御指摘の通りに、前国会におきまして審議された場合には、前国会の法案に基きまして実は閣議の了承を得ておるのであります。その当時の内容につきまして一番問題になっております点は、なるほど食品関係につきましてはその業種目を定める場合に政令で定めるということになっておったようであります。その当時は、この法案については農林省了解をしておられたと思うのです。ただし、今度の食肉とかあるいは氷の関係につきましては、これは特に政府がこれに介在をしていないと思います。ただし、これは議員提案でございますので、そういう議員提案の趣旨を尊重いたしましてこれに賛成を表したのであります。
  36. 田中啓一

    田中啓一君 重ねてお伺いいたしますが、一体厚生政務次官は、その場合に賛成だの不賛成だのということを言い得る権限がございますか。何らの内部手続もしていないものを、衆議院に行って、賛成とか不賛成とか述べられた、権限のないことをやって、それをもとにして審議をしてお通しになったら、一体この法律はどうなりますか。はっきりと責任を明らかにしておきなさい。(「大問題だ、これは」と呼ぶ者あり)
  37. 中垣國男

    政府委員中垣國男君) この問題につきましては、予算関係等につきまして大蔵省とも相談をしてみたのでございますが、議員提案でございますので、事務的な解釈に立ちましてこれの賛成意見を述べた次第であります。
  38. 田中啓一

    田中啓一君 事務的の解釈……何の解釈でありますか、さっぱりわからない。政府委員会に出て、政府の態度として、賛成か不賛成かを述べることは重大なる私は会国法上の問題だと思うのです。(「その通り」と呼ぶ者あり)一体国会の審議権を何と見ておられるのか。また、国会の審議権に対する政府の参与権というものをどう考えておられるか。はなはだ私は今の御答弁納得ができません。どうかはっきりこの際、そのようなわけのわからぬ御答弁では納得できないのでありますから、はっきりして下さい。(「厚生大臣を呼べ」と呼ぶ者あり)
  39. 千葉信

    委員長千葉信君) ただいま連絡中でございます。
  40. 中垣國男

    政府委員中垣國男君) 先ほど御答弁申し上げました通りに、本法案につきましては、大体千七百万円ほど計上されておるのでありまするが、そういう関係につきまして、別に予算が変らないということで、委員会が本案をば可決なさった直後におきまして、私が賛成意見を述べたのであります。
  41. 河野謙三

    河野謙三君 農林大臣は先ほど、衆議院を通過した後において聞いたと……。
  42. 井出一太郎

    ○国務大臣(井出一太郎君) そうです。
  43. 河野謙三

    河野謙三君 もちろん閣議の議に供する。で、その後閣議はどうなったのですか。その後、依然として閣議の議には供されなかったのですか。通過したということを知った以上は、その後において閣議の議に私は供されておると思うのですが、その閣議の議に供されて、閣議がどうなったか、これをまず私はお聞きしたい。
  44. 井出一太郎

    ○国務大臣(井出一太郎君) もともと議員提案という建前でございまするので、閣議においては、事後にこの問題を取り上げてはおりません。まあ厚生大臣とは私としても話し合いをいたして、何とかこれを善後処理を考えなければいかぬのではなかろうかという話はいたしておりますが、その後閣議にはこれは正式な議題としては上げておりません。
  45. 河野謙三

    河野謙三君 法案の審議は議員——われわれの責任においてやるのですけれども、しかし、その場合に、所管の厚生大臣と農林大臣が今せっかく御相談中だということは、まだ結論が出ないということなんでしょう。必ずしも一直線に議員提案のこれに政府としては賛成しかねるということを内容としているんじゃないですか。それとも、厚生大臣と農林大臣と御相談の結果、けっこうだということになったのですか。
  46. 井出一太郎

    ○国務大臣(井出一太郎君) まだ話は最終的に詰まっておらないのであります。対立したままとなっております。
  47. 河野謙三

    河野謙三君 次に提案者に伺いますが、提案者は、この法案議員提出に当って、所管の農林省なり、特にまあ厚生省もそうでしょうが、農林省に相談していなかったと、こうなんですね。これは手続上は別として、従来の慣例から言ってこういう慣例はないのです。それは御承知だと思います。慣例のみならず、そういうことで法の運用がうまくいくと思いますか。やはり相談しておいた方がよかったと、こういうことですか。その点を正直に言って下さい。
  48. 野澤清人

    衆議院議員野澤清人君) 正直に申し上げます。こういう結果になってみれば、御相談した方がよかったかと思います。ただし、法の建則からは、屠殺行為をします際に、と場法によりまして、牛、馬あるいは羊等を殺します際には検査をすることが厚生省の役目になっております。従って、殺す行為から以後、枝肉になってから以後のことは、厚生省衛生を管理して差しつかえないという見解で出発いたしております。今日になってかような問題が起きますというと、事前に相談すべきだという感じがいたします。それからもう一つは、今度の農林大臣の発言が奇っ怪しごくだと思うのでありまするが、実は三回、政策審議会でも総務会でもこれは話し合っております。その際に、衆議院の農林部会から意見が出たけれどもという話で、私も政調会長のもとに立ち会いまして話し合いをいたしました。その結果、共同提案になります前に、農林部会の方でも了承したから差しつかえないという確言を得て、われわれの方では共同提案をいたしたわけでございます。衆議院における手続上については何ら間違ったつもりはないわけでございますから、御了承を願います。
  49. 河野謙三

    河野謙三君 農林大臣提案者の間のことは、党内であなたの方でやることで私は関係がない。そこで、提案者に伺いますが、行政庁に相談なくしてやれる——やれますよ。しかし、やれるけれども、うまくいくかいかぬかということが問題だ。およそ価格決定というものは、まずその品物の、たとえばこの場合、肉で申すならば、肉の生産費というものが安定していてその上に初めて販売価格の安定というのがあるのですよ。一体、肉の生産費というものは、あなたは御存じたと思う、過去一年なり、二年なり、三年の肉の生産費の相場の高低というものを調べてごらんになったことがありますか。常に牛の値段は高低常ならず、牛を飼うところのえさの値段は高低常ならず、生産費というのは非常な高低があるのですよ。その場合に、その生産費はさておいて、販売価格だけを肉屋の店頭で協定するということはどういう根拠で協定するのですか。どこをコストと押えて協定するのですか。結局相場の一番高いところを生産費と押えて、その上に販売のマージンを加えるより手がない。私はそれより手がないと思う。農林省が賛意を表したというのは、生産を担当しておる農林省において、牛の値段、えさの値段、その他畜産におけるところのもろもろの生産費というものは、常に安定していないという現状におきまして、これだけでも私は賛成できないと思う。そういうことをもし行政庁から聞かれれば、すぐ提案者はその点疑問が起ってくるはずです。従って、この法案を通しても、運用がうまくいかない——うまくいって喜ぶのは肉屋だけですよ。肉屋のためにこれは作ったのではないと思います。そういう点でいまだ行政庁と連絡を、何らの運用上の点について協議もしないで提案されたことは絶対に正しかったと、こういうふうに確信をお持ちになっておりますか。
  50. 野澤清人

    衆議院議員野澤清人君) 先ほども申し上げましたように、率直に申し上げて手ぬかりだったということは私は率直に申し上げている、申し上げておりますが、あくまでも価格の点においてこれを規制する経済立法としてこれを通していくという考え方で立案したのでないのですから、その立案の経過だけは御了承願いたい。つまり今度の環営適正化法律を立案いたしました際には、免許を受けた、しかも施設の伴う業態ということが業種を拾う場合の要素でありまして、七業種とも全部施設というものが、厚生行政からワクにはめられた業態だけを拾っておるわけであります。従って、環境衛生建前から公衆衛生に障害を及ぼさないようなことを目的としまして、その手段としてはそうした施設改善する経済行為にまで、多少でも中小企業者を育成するという方向にいこうじゃないか。こういうことでやったわけでありまして、全く御指摘になりました枝肉までに至る生産者価格影響するということも、実際にわれわれとしてもう少し十分検討すればよかったのでありますが、これは率直に申し上げて、御相談すべきものを御相談しなかったということを率直にこれは釈明を申し上げておるわけでありますから、御了承を願いたいと思います。
  51. 河野謙三

    河野謙三君 そうしますと、提案者は相談した方がよかったと、また、この法案が通った暁にも、運用上非常にめんどうな問題が起るということをお認めになるわけですね、そうですが。
  52. 野澤清人

    衆議院議員野澤清人君) これは結果論でありますので、私として、一存で、必ず起るものだと断定はできないと思います。ただし、起せば起る可能性があるということであります。従って、たとえば団体法とこの適正化法律との審議の過程において、通産省とはお互いに話し合いをしまして、その結果、次官同士が覚書まで取りかわしている状況であります。従って、厚生大臣の所管事項として、完全にこれを厚生省の方にまかせる、こういうことで覚書もとられておるのでありますから、これらについては、なるべくそうした摩擦の起きないように善処すべきが妥当だと思いますが、結果論として、すぐそれを言明せよと言われても、ちょっと申し上げにくい点じゃないかと思いますので、まげて御了承願いたいと存じます。
  53. 河野謙三

    河野謙三君 私は、政治問題として取り上げているのじゃないのです。経済問題として、今、肉の例をとりましたが、肉の生産費が非常にフラクチェエイションが激しい、これはお認めになるでしょう。その上に立って肉の販売価格を協定するということはできないじゃありませんか。もししいてやるとすれば、肉屋本位の協定をするたけであって、下は消費者、上は生産者に向って、この消費者生産者販売業者、三者一体の利害を考えての協定なんて、これはできませんよ。経済問題です、これは。こんなことは小学校の一年生だってわかる。それを伺っているんです。そこにこの提案者の錯覚があると私は思う。そうじゃないですか。もしそうでないとおっしゃるなら、農林省に私は伺いたい。一体今後子牛の値段なり、成牛の値段なり、えさの値段なり、畜産全体の生産費について安定策があるかないか。安定策をやっております。しかし、安定策をやっても、今のところ効果がないのですよ。これからそれが農林大臣の苦心のあるところなんです。特に畜産に非常に御熱心な農林大臣の苦心のあるところなんです。安定しようという過程にある。まだ安定してないのです。この経済問題について、提案者も私の考え方とそんなに変っていない。これをもう一つ正直に御答弁願います。
  54. 野澤清人

    衆議院議員野澤清人君) だんだんのお説でありますが、私が最初から申し上げました通り、私どもとしましては、これは団体法のように、あくまでも経済立法として、一方的な価格の調整をはかる、業者の統制をはかるという目的で出発したわけじゃありません。従って、食肉に関しましての考え方は、屠殺後枝肉になりまして、市場に商品化された場合に、私どもとしては不当な競争を避けてもらいたい。そして一般の大衆が食ぜんに供します際に、衛生上の心配の念を取り除きたい、これだけを目標にしてやりましたので、それ前の、食肉に至りますまでの経済行為というのは、もちろんこれは国の法律なり、あるいは農林行政なりによって育成さるべきであります。今度の法律というものは、中小企業者の施設というものが、なかなか思う通りにならないから、経済活動についてもある程度めんどうも見てやりたいと、こういう気持から出発いたしましたので、決して農林省の方の仕事を厚生省が奪うというような考え方を、あるいはそれまでくちばしを入れようという考え方でなしに、少くともと場法によりまして屠殺する際の検疫というもの、あるいは検査というもの、それから枝肉になりましてから後、商品化されていったものについての商行為等については、一つの商品としてこれは取り扱うべき筋のものじゃないかというように信じて、これはやってしまったわけなんであります。ですから、そのときの気持はどうだと言われれば、正直に申し上げてそういう気持で、私たちは決してしかられるつもりでやったのじゃなくて、一生懸命これは、まあ、苦心惨たんしてここまできました。ですから、どうかその点のところの事情はお含みを願いたい。  なお、衆議院に帰りまして、この事情は詳しく皆様の意のあるところもこれはお伝え申し上げておきますから、どうぞよろしく御了承願いたいと存じます。
  55. 千葉信

    委員長千葉信君) 農林大臣答弁はいいんですか。
  56. 河野謙三

    河野謙三君 農林大臣にも御答弁願いますが、その前にちょっと提案者に誤解があるようですから……、こういう社労の委員と農林の委員が向い合っているが、われわれは農林省の応援団じゃないですよ。そんなけちくさいことを考えておりません。よく農林省とか厚生省とおっしゃいますけれども、それはもしそういうようなことだったら非常に誤解でありますから、われわれ迷惑します。  それから農林大臣なり、また畜産局長に伺いますが、先ほどから私がお尋ねしているように、一体肉の価格の安定策、それから畜産農家の生産費の安定策、こういうものについて今後たとえば一カ年を通じて値段は一定のものでなくても、生産費というものは上下二%なり、三%の範囲内でおさめるという何か自信がありますか。それがなければ、この問題は問題にならぬですよ、それについて御自信のほどを伺いたい。
  57. 井出一太郎

    ○国務大臣(井出一太郎君) 先ほど河野委員も御指摘になられたように、食肉というものは、その市場において相当価格のフラクチュエイションがあるわけであります。これをなるべく幅を狭く安定したいという意図を持っておるのでありますが、それがために、たとえば冷蔵施設を増強するとか、あるいは市場を特に増設をいたしまして、流通機構を整備する、こういうふうな施策はいたしておるのでございますけれども、なかなかこの業界においては古いしきたり等もございまして、今これをごくわずかな幅の中にとどめるというのには、まだよほどの努力をしなければならぬ、このように考えておるわけであります。
  58. 田中啓一

    田中啓一君 提案者に伺いますが、私も決してえらい非難を申そうとするのじゃございませんが、先ほども提案者はと場法をしきりに引っぱられます。なるほどと場法を見ますると、これは屠畜場を作ろうとするやつが厚生大臣なり、その権限の委任を受けている県知事の認可を、許可を受けなければならぬ、こう書いてあるようです。そうしてその目的公衆衛生のためにとちゃんと書いてある。そこにどうも私はちょっと誤解がおありになるのじゃないかと思う。元来経済制度からいえば、屠畜も自由なんです。屠畜業というのは自由営業です。だけれども衛生取締り見地からむやみと自由に作られちゃ困るので、その取締りをしなければならぬから厚生大臣の許可を受けろと書いてあるわけです。本来自由な営業がそういう面から厚生大臣の規制を受ける、こういうことなんです。そこでただいまお話しになりました中小企業団体法との関係でありますが、これはあります、屠畜業以下ですね、食肉の小売まで、それはあの団体の所管は農林大臣になることは明らかなんです。そうしてまた、中小企業庁というのが中小企業という立場から、いかなる中小企業に対してもまた総括的な所管を持っておる。でありますから、今度の環境衛生法律というのは、明らかに団体法——組織法でありまして、そうして提案者もみずからそういった意味のことをおっしゃっておるわけなんです。でありますから、それが公衆衛生見地から価格のカルテルをやる、こういうことなんですね、この団体が。ところが、できた価格というものは、今河野委員から話がありましたように、ああいった生産から消費に至る流通経済の一連から出てくる価格と、それから今の厚生省の認可される肉の価格というものは価格に二つはないのでございまして、どの段階でも、小売りでも卸しでも。でありますから大へん私は妙なことになるであろう、こう思うのですよ。価格というものはこれは公衆衛生の立場からきた価格と、一般経済の流通からきた価格、こういう二本建てになるものなら大へん簡単でありますけれども、そうはいきますまい。でありますから、これはどうも私どもいかにして畜産製品を多く作って、そうしてなるべく生産費の許す限り安くして、途中の流通経費をできるだけ節約してもらって、そうして消費者にうんと食ってもらおう、それが日本国民の大いに向上になるであろう、こういうことで一生懸命やっておる方は上ったりにしてしまわれて、そうして衛生見地から価格を作らすのだ、これでは私ども農林委員会はおさまりようがない、衆議院に出てくるまでにあちこちの党内の事情のことはこの際申し上げません、それは。そういうことでございますので、どうか一つ提案者の方もその辺のところはよくお考えを願いたい、こう思うのでございますが、御感想がございましたらお伺いしたいと思います。
  59. 野澤清人

    衆議院議員野澤清人君) だんだんのお小言で恐縮でございますが、私も不敏にしてオールマイティじゃございませんから、その御趣旨については十分衆議院委員諸君にお伝え申し上げておきます。同時にまた、商品化されたものの流通形態についての建値あるいは価格の設定、これは私も民間にある場合には商売人でありますから、よく承知しております。従って、農産物価格生産者価格によって最終まである程度流れのあることも承知いたしております。ただし統制機構じゃございません。少くも今度の法律で枝肉から先の小売価格まで厚生省で統制しょうというような大それた考えは毛頭持っておりません。しかもこの法律というものは、あくまでも自主的な法律でありまして、役所が官憲の力によってこれを統制する、建値をきめるというような行き過ぎたやり方はいたしておりません。あくまでも生産者配給者消費者の三位一体の公正な価格を維持しよう、しかもその価格の維持ということが不当な競争のために害されて、公衆衛生影響を及ぼしたら困るから、施設その他で規制しようということであります。そういう点に関しましては、たとえば綿の生産者は農民の手だ、しかし、脱脂綿になった場合には衛生材料としてこれは衛生材料の取扱業者販売価格をきめておる実情もございますので、これはいろいろ業種業種によっては商品の扱い方というものは面を二つ集めて交錯する部分があると思います。まけて一つ先生方の御良識に従って、どういう結果でもよろしゅうございますから(笑声)、せっかく衆議院でこれだけのいい法律を、ほめられる法律を作ったつもりでここまできまして、どさんとたたかれたのでは私も立つ瀬がございません(笑声)。どうかよろしく御了解願います。
  60. 清澤俊英

    清澤俊英君 大体いいところが出ておりますからめんどうなことは言いませんけれども、提案理由でいろいろな問題を引き起していると、こういうわけです。これはいろいろな問題とは大体どういう問題が現実に起きているのか。  その次には、過度の競争について、過度の競争が起きて非常に弊害を起している、どれくらいの過度の競争が起きているか、具体的なものを一つお聞かせ願いたい。
  61. 野澤清人

    衆議院議員野澤清人君) 昨日も社会労働委員会で過度の競争の解釈がありましたのですが、過度の競争とはどういうことだということで、これは衆議院でもその定義を一応考えようじゃないかということでありましたが、定義をいたさないうちに法案がこちらへ参ってしまいました。(「おかしいよ」と呼ぶ者あり、笑声)この過度の競争ということは、あくまでも常識的にわれわれとしては考えようじゃないか、こういうことで、たとえば原価百円のものが二割の利益で百二十円に売られるということが社会常識だと仮定いたしました際に、その流通量にもよりますし、単一業態と複雑な商品を持ったものとの差はありますが、百円の原価を割ってまで商売をする、しかもその経済効果が営業者自体の潰滅を来たす、経済行為を破壊に導くというような競争の状態までいった場合には、これは過度の競争となり得るのではないか。ただし、その過度の競争の限界としては、複雑な多品種を扱う業者と単品業者によっておのずから解釈が違います。商法の常道で、百円で仕入れているものを百二十円で売っておっても、二百円で仕入れたものを二百五十円で売るものもあるといたしますれば、スライドいたしまして総体で一割なり五分という利益をあげているということであれば、過度になるということが言えるかということはそのときでなければ解釈はつかぬと思いますが、一応そういうふうな解釈をとっております。同時に今度は料金というような面になってきますというと、原価計算の線をどこで引くかということもこれも一つのいき方でありまして、たとえば床屋さんなりあるいはパーマ屋さんの料金というものが百円が妥当なのか、百二十円が妥当なのか、そういうことは役所がきめてワクをはめて、これは過度の競争である、これは過度でないという判定をすることは行き過ぎであるから、従って、環境衛生適正化の審議会というものを設けまして、そうして一応のラインを引くことまでそこで協議をしてもらう、そうして都道府県知事の承認も得て、そうしたことも今後業者と自主的に話し合いをしていこう、こういうことでありますので、説明が足りないかもしれませんが、あくまでも衆議院の方としましては、常識的な見解で過度の競争を判定しょう、こういう考えでございます。
  62. 清澤俊英

    清澤俊英君 私はこれからのことを聞いているのじゃないのです。提案説明によりますと、いろいろな問題を引き起していることが過度の競争によった結果であると、こういわれますから、現在その過度の競争はどんな工合に具体的にあるのか、いろいろな問題というのはどういう問題が起きているのか、こういうことなんです。
  63. 野澤清人

    衆議院議員野澤清人君) 詳細のことを私も不敏にして存じておりませんが、たとえばこの七業種の中の一つの……。
  64. 清澤俊英

    清澤俊英君 私は大体農林委員ですから、食肉小売り等でやってもらいたいのです。床屋やそんなことはあまり知りません。(笑声)
  65. 野澤清人

    衆議院議員野澤清人君) 食肉関係では、私どもが聞いた範囲では、たとえば肉の競争が激しくなった場合に、密殺した肉をまぜる業者があるような話も聞いております。詳しいことは専門家でありませんからわかりませんので、かえってこの点は先生方に教えていただいたらけっこうだと思います。
  66. 楠本正康

    政府委員(楠本正康君) 私あえて専門家でございませんが、お答えを申し上げます。  食肉関係の過度競争は他の業種に比べまして必ずしも熾烈とは考えられない状況でございますが、現在しばしば問題を起しますのは密殺肉の問題でございますが、これは戦後今までかなり密殺の数は減って参っております。これは同時に取締りの強化等も手伝っておりますけれども、幸いに逐次密殺は減小をしておりますが、しかしなおかつ、これは密殺でございますから、その数の計算は困難でございますが、かなりの数量が出回りがちでございます。しばしばこれによって問題を起しておりますが、これらの基本的な点を考えてみますと、やはりこの価格の点に何とか安くサービスをしたいというような趣旨が強く現われての結果でございます。あるいはまた、これはしばしば新聞等でも問題になっておるわけでございますが、最近もその事例がございましたが、羊頭を掲げて狗肉を売る程度のものでございます。私どもは正規の価格からすれば、とても売れないというものを売っておる。そういうところを私どもはあえて監視をする場合には値段を割って売っておるようなところを調べてみますると、しばしばさようなことが引っかかって参ります。つまり羊頭を掲げて狗肉を売るたぐいでございます。中にははなはだしい場合には、犬の肉等も使われておるのは現実にわれわれもこれを存じております。また、これらのやはり過当競争の結果、その証拠には値段が非常に安いというところを私どもは重点的に調査をいたしておる次第でございます。また一方氷につきましては、これは冬は大して問題ございませんが、夏になりますと、冷凍用の氷と食用等の氷を特に厳格にいたす必要がございます。食用の氷はいろいろ危険も伴いますし、従来もかなりしばしば事故を起しておりますので、私どもはその規格、基準を定めまして、これを十分に取り締っておるつもりでございます。しかも夏場等に氷の消費等が盛んになりますと、場合によると、えて冷凍用の氷が、何の規制も受けない、野放しの氷が食用として回ってくることがございます。また、これらきわめて安い氷を使用しておる、どうもあれだけの価格ではとてもできまいと思うようなところをやはり私どもとしては重点的に監視をいたしますと、場合によりますと、危険なる話ではございますが冷凍用の野放しの氷が食用となって形を変えていくこともあるわけでございます。これらはやはり私どもの見方からすれば、一種の過当の競争だと、かように考える次第でございます。
  67. 清澤俊英

    清澤俊英君 ただいまの御説明によりまして、密殺がやられておるのは、大体統制時代には生産者の方がむしろ多いでしょう。大体密殺でもうけようという考え方を持ったから密殺が出ております。最近は言われる通り減っております。ほとんどないでしょうあるいは斃死でもしたものを持ってくるならば別であるけれども、密殺までしたようなものを売るというようなことはほとんど私は行われていないと思います。それを密殺を中心にせられるが、大体東京の町のまん中を通って見ましても、いなかに行って見ましても、肉の値段というものは大体きまっております。今業者自身が統制値段を作ってやっておると思います。私はこれは確実なある都市の例ですが、非常に価格を下げて一人統制破りをやった。ところが、大体消費者の方が最近は利口になっております。ちゃんと肉の質を知っております。たまたま犬の肉をまぜて売ったようなことは新聞で問題になるかもしれませんが、すぐこれは消費者の方で見つけ出します。そんなものは、結局業者の道徳心に待つべきものであって、ただ価格を上げたからといって必ずしも悪いことをする人間は、どろぼうが絶えないのと同じで絶えないと思います。それを業者の自主的組織によって業者にこれをまかせて統制しようなんということはこれはやり切れるものですか。値段を上げたからといって、果してどろぼうがなくなるだろうか、この点どうお考えになりますか。
  68. 楠本正康

    政府委員(楠本正康君) 私どもはこれらの行為はもちろん行政力の強化によって取り締るべきものだと思います。しかしながら、ただいま先生も御指摘のように、一方的な行政力の強化のみによって、必ずしも万全の効果を期し得られないものでございまして、    〔委員長退席、農林水産委員長堀末治君着席〕 やはりこれは業者の自粛あるいは業者の良識によってこれを解決する、しかも取締りの強化と両々相待って、初めて万全の効果が期し得られると考えております。従いまして、全部の業者といたしましても、悪い者ばかりでもないのでございまして、多くの業者はまじめに仕事をしようと思っておりますが、たまたま不心得な者もございまして、それらが無理にさような不心得な行為をいたす次第でございますが、これらの者に対しましては、私どもよりも業界自身が、お互いに商売敵の関係もございまして、一番よく内容がわかります。従って、業者の自粛自戒によりまして、これらのものを解決することは一つ方法だろうと存じます。しかし、と申しまして、私どもは取締りの責任をのがれ、あるいはそれに転嫁しようというような趣旨で申し上げておるわけではございません。両々相待って、初めて万全の効果を期し得るというふうに考えております。
  69. 清澤俊英

    清澤俊英君 この点はこのくらいにしておきます。  それでこの取締り方法は、業者としてはどの段階をさしてやるのですか。私は小売段階と解しておりますが、それで差しつかえありませんですか。
  70. 野澤清人

    衆議院議員野澤清人君) この適用者の段階としましては、枝肉になったものを問屋から小売の方に回しますその小売業者までを含んでおります。
  71. 清澤俊英

    清澤俊英君 いま一度。
  72. 野澤清人

    衆議院議員野澤清人君) もちろん問屋も、小売をする問屋ですね。小売業者が主体でありますが、問屋であっても一時小売をするという者と、小売を専業とする者とをくるめまして対象者と考えております。
  73. 清澤俊英

    清澤俊英君 そうしますと、これはもう話し合いで一つのものができ上る、価格決定ができ上る、そのしわ寄せは全部生産者の方へ参りませんか。それによって生産者が制約せられないということは考えられますか。
  74. 野澤清人

    衆議院議員野澤清人君) 先ほども申し上げましたように、この点につきましてはいろいろ疑問がありましたものですから、衆議院でも検討を加えました。その結果が、この適正化法律でいきますというと、一応問屋に品物がきてから先の行為でありますから、それから大もとへさかのぼるということは避け得られるのじゃないか。かえって団体法の方でしますというと、生産者との団体交渉も起きる、こういう見地から、この方が適切じゃないかということで結論を得たわけでございます。現在のところ、小売業を実体としてむしろ卸し業者、集荷業者と対立するような形になるのでないかという判断をいたしております。
  75. 清澤俊英

    清澤俊英君 畜産局長ちょっと。こういうことを今あなたの方で企てられれば、直接生産者から枝肉を市場に出して、市場改革を今企図せられておる。これは非常な流通過程におけるまあ一つの革命だと思うのです。昔の古い、最も畜産界におけるガンともなっておる、いわゆる博労なんかが、だんだん締め出されていく過程をとっていると思うのです。この畜産行政上の重要な過程における改革に対して、こういう法案が通って、果して公正な市場売買の際に競争が行われていくと考えられるのか、全く今通りのものが残りゃしないか、その点どうお考えになるか。
  76. 谷垣專一

    政府委員(谷垣專一君) 畜産奨励をいたしまして、これを市場に持って参り、これをまた流通部面に回し、消費をいたしまするこの一環の仕事は、農林省の設置法に明確に責任を負わされております。枝肉から以降の仕事云々という問題にとどまりませず、一環した政策を要求せられておるのであります。設置法において明確に期待されておるのでありまして、いろいろと私たちが従来やっておりまする有畜農家の創設事業でありますとか、あるいは中央市場によりますいろいろな売り買いの問題でありますとか、家畜取引法の問題でありますとか、あるいは小売業者その他流通段階におられます方々の組合を結成さし、あるいはその諸君に融資をいたしますあっせんとかいうようなことをいろいろ実はやって参ったわけであります。また、国会の方でも、家畜取引法あるいは有畜農家創設の事業を法律を通します際に、家畜増殖の前提としては、家畜及び畜産物の価格の維持安定ということが第一条件であって、これなくしては、畜産のこの法律を通すことは意義が非常に少くなるというような非常に強いおしかりを含めた付帯条件をつけられながら、実は今まで畜産をやって参ったわけでございます。先ほど御指摘になりましたように、まだ十分な安定策が講ぜられていないことははなはだ残念でございますが、ずいぶんとこれは今後ともに努力をいたしてやって参らなければ相ならぬと思っております。現在やっておりまする問題は、従来増殖の方にある程度重点を置きましたものが、むしろ消費流通の面に重点を置かなければいけないというふうにおしかりを受けながら参っておりますので、そういう方向に重点を逐次移して参ってきております。昨年家畜取引法を御承認願ったわけでありまするが、その後、昨年から引き続きまして、現在枝肉の取引という問題について苦心をいたしております。現在約三億ほどの予算でその取引が、生産地から消費地に参ります仲介といたしましての枝肉市場の取引がやれるように、全国の重立ちました大都市にそれの設置をいたしておるような次第であります。現在のところ、大体、農家の庭先で渡します相場と消費者に渡ります小売価格とは、大体倍とは申しませんが、約倍に近い価格の形成になっております。もちろんこれはそのときの消費流通あるいは生産の関係で随時の変化があるのであります。この両三年の状況では消費が非常に伸びておりまして、子供の家畜まで倒す状況に相なっておりますので、海外からの肉の輸入をある程度入れまして、そうしてせっかく需要面におきまする消費者に対するこの需要を維持しつつ、また、その間に内地の畜産の生産を進めて、この需給を大きな変動を少くしながら保っていって拡大していくように、こういうところに実は苦心をいたしておるわけであります。でありますので、このどっちかの一点で一種のカルテル行為的な価格の統制が行われまするというと、おそらくこれはずっとおしまいまで、あるいはもとにさかのぼりまして相当価格規制というような形が行われ得るでありましょうし、また、そういう方向に行く可能性があると思います。でありまするから、末端におきまする消費価格をカルテルいたしますような場合においては、これはよほど十分なる考え方があって、しかも一貫いたしました産業政策の立場から考えてのやり方が望ましいと、かように考えておる次第であります。  なお、先ほど密殺の問題がございました。これは私たちも非常に腐心をいたしておるところでありますが、戦後の混乱の時期から脱却いたしまして、現在は密殺の問題は大家畜におきましてはほとんどないと思っております。ございますのは大体綿羊、ヤギ等の、中家畜のうちでもそういうものがある程度、あるならばあるであろうと推定をいたしております。この問題はむしろ屠殺政策の問題でございまするが、同時に、より重大な点は、経済政策、価格政策の問題であろうと思います。酒の密造を取り締るのは警察取締りも同様大切でございましょうが、おそらく価格問題も大きな問題があるでありましょうが、同様にこの密殺問題はこういう中小の家畜を倒しまする場合に屠殺場まで参りまする距離が非常に離れておる、遠隔であるというようなときに起きてくる場合が、ケースとして非常に多いように思われます。現在綿羊あるいはヤギ等の子供はほとんど価格はないくらいのものでありまするが、成畜になりましても大体二千円見当のものでございます。ところが、これも屠殺いたしまする許可料と申しますか、検査料と申しますか、大体これは三百円程度かかると思いまするが、まあそういうような問題でありまするとか、屠場に対しまする距離の問題でありますとか、そういうようなところが問題であろうかと思います。そういうところの集荷の設備、あるいはだいぶこれは厚生省の方の御協力を得ましてゆるやかになっておりますが、自家屠殺の拡大でありまするとか、あるいは綿羊等の集荷をいたしましてそれを大市場に持って参りますまでのいろいろな販売組織と申しますか、集荷組織と申しますか、そういうところにやはり政策を私どもは向けなければならないと思いまして、ことしの予算等にもそれを要求いたしましたが十分には参りません。しかし、その一部を実現させたいと思って現在指導をいたしております。まあそういうような問題を含んだ実は密殺問題は問題であろうと私たちは考えておるのであります。  なお、大都市におきまする場合に、現在相当馬肉も売られておる現状でございます。でありまするが、これは馬肉が売られたといたしましても、馬肉自体に対しまする認識は需要者の方々の中で漸次深まっておられると広まっておると思います。それぞれの経済事情に応じた肉が売られてくることは、これは食生活が広まりまする場合当然のことかと考えます。また、家庭の主婦たちのこれに対しまする見方も逐次広がっておると思います。もしもこの問題を徹底的に解明いたそうといたしまするならば、これは衛生見地から申しておるのじゃございませんが、産業的な見地から申しまするならば、おそらく現在の一枚々々薄くはいでやっておりまするあのやり方が、もう少し外国にありますようなかたまりとして、肉塊として売るということ、また、肉塊として家庭で消費されるというような段階に逐次今後進んでいくことと思いまするけれども、そういう形に相なりますれば、これは現在の馬肉あるいは牛肉というものがまぜて売られるような、しかもそれが牛肉というような名前において売られるということは逐次やまると思います。要は馬肉がまずいというのではございませんので、馬もかなり生産されておるわけでございまするから、馬肉は馬肉としてそれにふさわしい消費が拡大されるように私たちは今後指導していくべきだと考えます。
  77. 高野一夫

    高野一夫君 ちょっと私は農林大臣に伺いたいのでありますが、これは決して私は議論しようと思うのでなくして、とりあえずの審議の参考に伺っておきたいのでありますが、ただいま畜産局長説明もありましたが、抽象論で実態はよくわからぬのでありますけれども、この生産都市は別といたしましても、いわゆる食肉営業をやっておる末端の小売業、肉屋に対して従来農林省の方からはどういうふうな指導監督をなさっておるか。たとえば融資あっせんそのほか価格が高いじゃないか、安いじゃないかと、こういうふうな面まで相当立ち入った監督指導をなさっているかどうか。そういう点についてちょっと伺いたい。というのは、先般数日前にわれわれの方の社会労働委員会におきまして、各界の代表を呼びまして、参考人の意見を聴取いたしましたところが、食肉営業の代表としておいでになった方の御意見によりまするというと、あるいはその方の御意見が間違っておって、御承知でなかったせいかもしれませんが、少くともその人の証言によりますれば、過去数十年にわたってわれわれ食肉業者に対して、畜産局ですか、そういう方面から何らの指示、監督、指図、そういうものを受けたことはない。こういうようなことを参考人は言っておられたわけでありますが、実態を承知しておりませんので、一応審議の参考にしたいので伺っておきたいと思います。
  78. 井出一太郎

    ○国務大臣(井出一太郎君) 政府委員の方が詳しいので、政府委員の方から……。
  79. 谷垣專一

    政府委員(谷垣專一君) 戦時中は食肉が統制にやはり相なっております。その際におきまする食肉の行政というものは農林省の方で担当いたしておりましたので、それぞれの食肉の、この場合には規制になったと思いますが、規制をいたして参りました。また、価格問題も従いましてあったわけでございます。で、あの際の価格は、これはずいぶん価格につきましても、当時の経済安定本部にありました物価庁の相談をいたしまして、それぞれの実質の仕事をやっております各官庁が受け持ったわけでありますが、そういう形において指導をして参ったわけであります。その後統制がはずれましたので、これに関しましていろいろの指導をします部門がだいぶ違った形になって出て参っております。なお、この指導統制時代、その後におきましても畜産会社のようなものができまして、やっておったわけでありますが、その後、逐次この統制の問題がなくなりましたあとにおきましては、従来の行政のやり方というものはかなり変って参っております。従いまして、農林省のやり方も末端に対しまするそれまでの強い統制の形ではなく、生産あるいは流通あるいは加工というような大づかみの点におきまするいろいろな指導をして参ったような次第でございます。  で、現在いろいろと言われておりますこれらの業界の問題、いろいろ問題があろうと思いますが、ことに金融の問題、通常の金利におきます金融の問題等が重要な問題であろうと考えておりますが、こういう問題に対しまして、現在、畜産信用組合ができておるわけでありますが、数年前にこれを作ります場合にいろいろ相談もいたしまして、その設立ないし融資の仕事をお手伝いいたしたようなこともございます。また、漸次この問題が卸からあるいは小売の方に対しまして手を加える必要がございますので、ことしも二度ほどにわたりまして肉の販売チームというものを諸外国に派遣いたしまして、外国の例等を見まして、小売業の方も含めましてそういう海外の事情も考えながら改善策をやっていただくようなあっせんをつい最近いたして帰ってこられたというような事情でございます。
  80. 東隆

    ○東隆君 私は前に戻るようでありますが、この法案の、前の国会に提案をされておりまして、引っ込められたその法案と、それから新しい今回提案されている法案の間の変化ですね。これは先ほど田中議員が……政令を条文に移した項目がございましたが、それ以外にまだあろうと思うのですが、その点をお話し願いたいのであります。
  81. 野澤清人

    衆議院議員野澤清人君) 全般的な問題といたしましては、大きな点として第一に変化いたしましたのは、都道府県知事が認可権を持っておったものを厚生大臣に一本にしたということであります。これが大きく改正された点であります。それからこの法律の審議過程において、たまたま団体法提案になりまして、この法律との関係が論議の焦点となりました。その結果、あくまでもこの法律団体法が基本法になって、これは特別法の性格を持つべきではないかと、こういうふうな話し合いも出ました。ただ、しかし、何をもって基本法と特別法というかという点でありますが、あくまでも経済的な要素を含んだ立法だとすれば、中小企業という建前から通産大臣の所管事項じゃないかという議論が相当出ました。その結果、これをどう調整するかというので、厚生省と通産省と話し合いをしてもらいまして、その結果、主管大臣を厚生大臣とするということに御同意を得て、次官同士の覚書を交換しております。そういう関係で、今までの考え方は商工中金の組合団体融資の面につきましては法律を立法した当時には、あくまでも通産省にたよろうという考えでありました。それを話し合いの結果、今回共同提案になりました現在の原案というものは、この点を単独に商工中金法を改正いたしまして、それで通産省の手を経ずに、こちらで融資等のあっせんもできるようにいたしたわけであります。これがおもなる点であります。  そのほか、業種の中で食品営業だけは政令によるということで原案はできております。その政令にいくということの話し合いは小委員会を開いたときにもそのままでいいじゃないか、法律ができてから政令で定めようということになったのですが、審議の最中に、あらゆる業者から陳情がありました。この状態では、厚生省も二十業種もあるのだからとても陳情については困る。国会の方でもこれの取捨選択については容易なことじゃない、こういうことからやむを得ず業種をはっきり法文の中に書こうじゃないか、こういうことで食品営業の中の四業種だけが選定されたわけであります。その他はほとんど原案と変りございません。
  82. 東隆

    ○東隆君 今お話しになったことは先ほどからの話でほぼ了解をいたしたのでありますが、まだほかに税制関係でだいぶ変っているように考えておりますが、それは旧法では、登録税法の免除だけでありますが、新法では、そのほかに、法人税法、地方税法、租税特別措置法、商工組合中央金庫法、それから中小企業信用保険法に関係したもの、中小企業金融公庫法、その他、中小企業振興助成法、こういうような方面関係をした分が、付則の中でもって規定されて、後半が変更をされておるのであります。それで私は閣議を経ておりませんから、従って、その間に大蔵省との間に交渉があったのか、交渉されて大蔵省の方で納得されておるかどうか、それをただしたいと思います。その点をお答えを願いたい。
  83. 野澤清人

    衆議院議員野澤清人君) ただいま御指摘の付則の分につきましては、先ほど申し上げました商工中金の趣旨と全く同様でありまして、これは経過的には大蔵省とも話し合いの上、通産省の了解のもとに付則ができたのでございますが、大蔵省も承知の上でございます。
  84. 東隆

    ○東隆君 大蔵省の方から……。
  85. 塩崎潤

    説明員(塩崎潤君) お答えいたします。  この法案は、御趣旨のように議員提案でございますので、正式な閣議決定は経ませんでしたけれども、最終の案を作成する際に私が参りまして、この組合の内容、性格等を伺いまして、このような付則を作ったような次第でございます。
  86. 東隆

    ○東隆君 私は先ほどお話をされた中で、都道府県知事の権限を厚生大臣に移管された、こういうようなことは、これは法案の構成上非常に大きな変化であると思う。従って、これと先ほどの政令できめるべきものを、法文規定をしてある。このような変化や、あるいは税制関係、こんなものを含めますと、これは非常に重大な変更が行われたものであるから、当然閣議を経ていかなければならぬものであると考えますので、これは法制局関係のこれが正しいかどうか、これを一応ただす必要がある。そういう意味で、私は委員長にお伺いしますが、参議院の法制局の方からおいでを願って、この手続はよろしいかどうか、一つ言明をしていただきたいと思います。それまで別な質問をいたしたいと思います。  そこで私はお伺いいたしますが、厚生政務次官もおられるようでありますから、厚生省の私は仕事は業者のためにおやりになるのが中心か、それとも、消費者のためにおやりになるのがこれが私は本旨だと思いますが、それはどういうふうにお考えになっているのですか。
  87. 中垣國男

    政府委員中垣國男君) お答えいたします。本法につきましては、公衆衛生上の見地から、消費者の立場に立ってこの法律を執行したい、かように考えております。
  88. 東隆

    ○東隆君 消費者の立場に立ってお考えになっておるといたしますと、私はもう少し消費者の立場をお考えになる必要がある。ことに厚生省の中には生活協同組合がある。生活協同組合の立場に立って、あるいは生活協同組合を育成強化する、こういうようなことを中心にお考えになりますると、私は厚生省の立場は非常に明瞭になると思う。ところが、この法案を通してみましたときに、生活協同組合の仕事は私は非常にはばまれてくると思う。これは各種の業種考えてみましても、一応は説明をされるに相違ない。そういう方面は除外をして適用しないとか、いろいろなことをお考えになるかもしれませんけれども、消費者が自由な意思でもって作った生活協同組合、その生活協同組合がいろいろな仕事をこれからやるんです。その仕事がことごとくこれで痛めつけられて参ります。私は生活協同組合がよその方の省に所管されておるならよくわかるのですけれども、ところが、どうも厚生省の中に所管されておる。そこで生活協同組合が将来クリーニング業を始める、あるいは理髪の仕事をする、パーマネントの仕事をする、このようにいろいろな仕事を始めるんだが、そのときに衛生上の見地でもってことごとくこれがむずかしい段階に入ってくる。これは私は過去においてよく経験しておるのです。たとえば産業組合法によって病院をやろうと思いまして、今の厚生病院でありますが、これができるときに、当時の内務省がどんなにじゃまをしたかわかりません。こういうことを一つ考えますと、この法案というものは厚生省消費者考えないで、そして業者考えておるというこの一点が私ははっきりしてくるわけです。厚生省は自分の持ち前の衛生見地に立ってやる仕事をしっかりやってしまえばいい。いいですか、そこでもしこいつをやらないで消費者のために不都合のような状態を起すようなことを強化すると、弱い羊のような消費者が、オオカミが強くなってかえって食われるような形になります。これは厚生省がやる仕事ではない。その仕事をあえてやろうとしておる。ここでこの点はどういうふうにお考えになりますか。厚生次官のお答えを願いたい。
  89. 中垣國男

    政府委員中垣國男君) 本法と生活協同組合との関係のことであると思いますが、厚生省といたしましては、これが生活協同組合でありましょうともあるいはそうでない場合におきましても、施設の基準であるとか、営業の基準であるとか、そういうことにつきましては、やはり現在におきましても取締り関連等をしておるわけであります。    〔委員長代理堀末治君退席、委員長着席〕 本法が成立しました暁におきまして、生活協同組合がこういう環営法のためにいろいろ消費者の利用上の損害を招くとか、妨害を受けるとか、そういうことはないと考えております。
  90. 東隆

    ○東隆君 今簡単にそういうことはないと、こういうふうに言い切られたのでありますが、それならば消費者階層の人々が大騒ぎをする必要は一つもない。非常に主婦の方々やその他の方々がみんな大騒ぎをされておるのは、これは消費者の利益を擁護するようなことにはならない、こういうことがはっきりしているから反対をされておる。そこで、私は例を一つ申し上げますが、先ほどの食肉の問題にしても、提案者は肉を扱う業者が非常に要望があったので、それを取り上げて、この中に入れた、こういうふうにお話をされました。動物を養っておる農民の方では、これには賛成をしておらぬはずであります。農家が自分の生活改善その他をやるためには、あの今の屠殺場はもっとふやして、簡易屠殺場なんかをたくさんこしらえて、そうしてやらなければならない。監督法規でもってそういうようなことがことごとく痛めつけられておりますから従って、私は、厚生省はもっと大きな見地でもって簡易屠殺場でも何でもそういうようなものをたくさんこしらえて、正々堂堂と、密殺でないものが流れてくるような体制を作ることが先決問題になってくるわけであります。これを一つ考えても、そういうことをやるのが厚生省の仕事になる、こういうことになる、この点はどうですか。
  91. 中垣國男

    政府委員中垣國男君) ただいま御指摘の点は、厚生省といたしましては、まさにその通りであると思います。この環営法が成立いたしました後におきまして、厚生省の従来の考え方と、この本法の内容というものが遂行していく、あるいは反対の現象を示すであろう、そういうことにつきましては、これは少し見解が違うのでありますが、厚生省としてやるべき、ただいま御指摘されましたそのやり方につきましては、全く御意見通り考えます。
  92. 東隆

    ○東隆君 私は今の問題で、なぜ業者が熾烈な運動をしたか、これを一つ考え願いたい。枝肉の市場関係のものが制定され、それから各地に畜肉の公社であるとかその他のものができ、それが都市に進出をすると、こういうような体制、これが生産者の系統を通して都市に進出する、こういう形態、これは何かというと、生産者から消費者へという一つの理想を実現する形態が進められようとしておる。これが理想でなければいけない。厚生省は、これを非常に強く支持する必要がある。そういうような場合に、一方の業者がそれを片っぱしから要求をして、そうしてそれを取り上げておやりになったなら、これはもう完全に一方的なお取り上げ方であって、非常にこれは残念なことである、こう思いますので、これは反省をされる必要があろうと思います。  同時に、私はこれに関連して、先ほど協同組合を中心としていろいろなことを申し上げましたが、農業協同組合という一つの組織が、これが生産をしたものを、先ほどの消費者へ直結をさせるためにやっていく行動、これを規制するような面が、これは厚生省の専管によってこの仕事が進められるときに、非常に濃厚に現われてくる懸念がある。従って、この点を明瞭にしておかなければならぬと思います。これは小売についても、肉についても、同様でありますが、他の職域の問題も私は同様に考えなければならぬ。これは消費者の利益のために厚生省業者を押えて、そうしてやらなければならぬ部面なんです。それを業者の人気ばかりを考えたような形においてこの法律ができ上ってきておるということは、これは厚生省として非常に一方的なものになってくると思う。この点は私は反省をする必要があろうと思うのですが、御反省になりませんか。
  93. 中垣國男

    政府委員中垣國男君) 前段におきまして、生産者から消費者への直結の道を開くように厚生省は努力をすべきである、こういう御意見に対しましては、理想的にはそう考えるのでありますが、わが国の経済の全般的な構想、機構等におきまして、今直ちにそういうことをば厚生省考えて、それに邁進するというようなことはどうかと考えております。  次に本法の規制によりまして、業者だけの利益を守るためのものであって、生産者等については、これはかえって反対をしておる、こういうことでございますが、私はこれはむしろ提案者の側から御説明を願うべきものであると思うのでありますけれども、もし本法の中にその小売協同組合を作りまして、その協同組合の利益のために運営されるようなことがあってはならない、かように厚生省考えます。  また、次に陳情があったということでありますが、別に私は、厚生省の政務次官室におきまして、そういう食肉業者等からこの法律を作ってくれという陳情を受けたことは一ぺんもございません。
  94. 千田正

    千田正君 議事進行について……。時間もだいぶ過ぎましたし、午後に継続されるとするならば休憩されるかどうか、両委員長において御相談の上、各委員にお諮りを願いたいと思います。
  95. 千葉信

    委員長千葉信君) 社会労働委員会としては、この連合審査については十二時までということを決定して、きょうの連合審査に臨んでおりますので、委員長としては、もうそろそろ時間がきたかと考えておりますので、東君の御質疑が終りましたら、できることならばこの連合審査会を閉会したいと考えております。
  96. 東隆

    ○東隆君 実は私の方は清澤君と私だけが質問をしているだけでありまして、まだ質問いたしたいのでありますから、そこで私は時間を延長してお続けになるというのでしたら、私はやめてもいいと思います。これで切り上げるというのでありましたら、実は私は非常に……。
  97. 千葉信

    委員長千葉信君) 御質疑を願います。(小笠原二三男君「議事進行」と述ぶ)
  98. 千葉信

    委員長千葉信君) 発言中です。
  99. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 一応座ったのだから……。当該責任のある委員長においては、社会労働委員会が主体ですから、そういう御取りきめになったことは了承します。しかし、こういう質疑過程で、問題点がまだ明らかになっていない、われわれも審議したい、こういう新たなる事情が起っておるのですから、従って、両委員長において協議せられ、当該責任のある社会労働委員会の方でも御考慮願えるのかどうか、そういう点はやっぱり親切に委員長においてお考えを願いたい。きめているのだから、お前たちやめて帰れというような、そんな委員長というものはどこにもない。そういう意味で丁重に申し上げておる議事進行なんです。
  100. 千葉信

    委員長千葉信君) 委員長としては、かなり誠意を持って時間も約五割を延ばしておりますから、せっかくの御要望ですから、それでは一応相談をしてみることにいたします。  速記をとめて。    午後零時四十九分速記中止    —————・—————    午後一時十一分速記開始
  101. 千葉信

    委員長千葉信君) 速記を始めて下さい。  午後一時四十分再開することにして、休憩いたします。    午後一時十二分休憩    —————・—————    午後二時二十三分開会
  102. 千葉信

    委員長千葉信君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。
  103. 東隆

    ○東隆君 私は、先ほど参議院の法制局長に出席をしていただくことを求めたのでありますが、おいでになっておりますか。
  104. 千葉信

    委員長千葉信君) 出席いたしております。
  105. 東隆

    ○東隆君 御出席になっておるようでありますから、質問の要旨を申し上げますが、この環境衛生云々の法案閣議を経ておるかいないかということを中心にしてお聞きをするわけでありますが、第二十四国会に提案を一度されておるわけで、その場合に閣議を了しておるようでございますが、それと同様な内容であるからというような名目で、第二十六国会に提案をされて、そうして閣議を経ておらないのであります。私は一度廃案になった法案、それが再び国会に提案をされるときには、議員立法でありましても、予算を伴う法案閣議決定を必要とする。こういうふうになっておると思うのであります。その一点だけでも閣議を経なければならぬと思うのでありますが、この点と、それから、その内容に非常に大きな変革が行われておる。従って、旧法案と新法案の間には非常な開きがある。そういうような場合には、なお閣議を経なければならぬ。このように考えるのでありますが、この点、どういうふうにお考えになっておるか。この点を伺いたいのです。
  106. 齋藤朔郎

    ○法制局長(齋藤朔郎君) 環境衛生関係営業運営適正化に関する法律案は、ただいま仰せられましたように、議員提出衆議院議員発議の法案でございまして、従いまして、議員立法について閣議決定を経なければならぬというお言葉それ自体は、どうも法制上そういうことをしなければならぬという根拠はないと考えております。ただ御承知のように、国会法五十七条の三の規定によりまして、議員発議の法律案について、予算を伴いますものにつきましては、内閣に対して、意見を述べる機会を与えなければならない。こういう国会法の規定がございますので、その内閣の意見を述べる場合に、閣議等の方法によって内閣の意見をまとめるということは法律上あり得ると思いますが、法案自体について閣議決定をしなければならぬということは私はないと思います。
  107. 東隆

    ○東隆君 ただいまの御答弁では、国会法によって、内閣が意見を述べなければならないことになりまするが、この法案は、衆議院で一度通過の際に政府当局が意見を述べておると思うのです。しかし、これは、法案そのものが通過をした際に述べておるのでありますが、私は提案以前に当然この法案閣議をもう一度経なければならぬ、こういうふうに考えますが、この点は厚生大臣はどういうふうにお考えですか。
  108. 神田博

    ○国務大臣(神田博君) この環境衛生の今御審議を願っておる法案につきまして、もう一度閣議を経なければならないと思うがどうかというお尋ねのように伺ったのでございますが、私といたしましては、この法案はすでに衆議院を通過しておるのみならず、この法案類似のと申しましょうか、法案が、すでに政府意見を述べる機会があって、そうしてそれが土台となってこの法案に変ったと、こういうようないきさつから考えまして、あらためて政府意見を述べるというような必要はない、こういうふうに私は考えております。
  109. 東隆

    ○東隆君 私は、もうすでに衆議院を通過した法案だからという前提のもとにお話しをされるのは、非常に不可思議なことだと思う。この法案そのものを衆議院提案をされる場合におけるところの手続を私は聞いておる。その段階において過誤がなかったか、こういうことを聞いておるのでありまして、衆議院を通過してきておるからとこう申しましても、しかし、提案をする段階においてもちろんある。そういうようなものがある場合には、国会は二院制度でありますから、参議院は、私はやはり立法府として十分に、この法案がどういう手続でもって提案をされたか、そういうようなことの検討をしなければならぬ。そして、正しい提案がされてあってそうして衆議院を通過してきておるものでありまするならば、それを慎重審議する。こういうのが、これが建前になろうかと思う。従って、提案をされる場合に、閣議を経ていない、しかも中身は非常に変ったものが提案されておる。それを閣議にかけていないと、こういう手続上における欠点とも言うべきものがあると私はこう思う。そこでお伺いをしておるわけです。変化がない、似通った法案があったからそれで閣議を省略したのだと、そのことのためにいろいろな問題が起きてきているのですから、農林省とそれから厚生省の間に食い違いがある。それから私は、厚生省の内部においても、社会局と環境衛生関係の間に食い違いがあると思います。起きなければならぬと思う。通産省との間にも私はあると思う。そういうような重大な中身を持っておるものを、閣議を経ないでそうして出したというところに、この問題のそもそもの私は混乱を起す原因があると思う。そこのところを厚生大臣がどういうようにお考えになっておるか、これをお問いをしておるのですから、お答えを願いたい。
  110. 神田博

    ○国務大臣(神田博君) 先ほど来のお尋ねでございますが、少し私のお答え申し上げましたことが言葉が足らなかったかと思いまするので、あらためてお答え申し上げます。  この御審議を願っておる環境衛生法案閣議の同意を得なかったようであるから、あらためて閣議意見を聞いたらどうかと、こういうような御趣旨でございますですね。そこで、これはこの法案そのものについて政府といたしまして、閣議で審議をしなかったことは御指摘の通りでございますが、この法案議員提案として提案される際に、党におきまして十分政府の担当方面と連絡があって、そしてその際それぞれ(「それは党の問題じゃないか。答弁にならんよ、そんなことは」と呼ぶ者あり)この前の法案の際に、政府の同意を得ておる。そこで、これはまあそのまま取り下げて、新しくそれと同じものを差しかえたということになりましょうから、予算関係においては変っておらないという趣旨から、こういうのは大体まあ前のをそのままと認めて閣議に諮らなくてもいいのじゃないかと、こういうような御意見で進んであったというふうに私伺っておりまして、そこで、もう衆議院を通過してだいぶ日がたっておることは御承知通りでありまして、もしその必要があるといたしますれば、これまでの間にその手続をとるべきものであろうかと考えております。そのこともしなかったということから考えまして、政府においては、とにかく議員提案であってしかも満場一致で衆議院は通過しておるのでもございまするし、院議尊重というものでありましょうか、当然のことでございまするから、政府としてあらためてもう一度この法案閣議に諮るというようなことはしなくてもよろしいのではないかと、こういうふうに考えてもいいのじゃないかとまあ私考えておるわけでございまして、先ほどそういうお答えを申し上げたわけであります。(「関連々々」と呼ぶ者あり)
  111. 小林孝平

    小林孝平君 私はただいま東君の質問の中に、この法案を国会に提案する前に閣議決定をしたかどうかという追及がございました。これについて法制局長からの御答弁がありました。私はこの点については、東君はなお不満の点があって後ほどまた御質問があるかもしれませんけれども、私は、これは議員提出法律案でありますから、必ずしも正式の閣議決定を必要としないという法制局長の意見は一応了といたすものであります。問題は、むしろそういう手続上の問題でなくて、議員立法であるから何が国会を通ってもいいという考え方を持っておる政府の態度をわれわれは追及しなければならぬ。議員提出法律案であるからわれわれは勝手におやりなさい。こういうことで、非常にこの法案の中に問題があるのに、何ら政府が事前に打ち合せをしなかたというところをわれわれは追及しているんです。東君の追及も、表現の仕方は違いますけれども、内容はそうなんです。これをあなたは三つの点において誤まりを犯されております。一つは、これは前に閣議決定をしたから今度は必要がない。こうおっしゃっておりますけれども、前に閣議決定をしたのは、それは別の内閣がおやりになったのです。この岸内閣においてこれはおやりになったことじゃないのです。これは閣議決定という言葉が適当であるかないかは別といたしまして、当然あなたは相談しなければならないと是認されているんです。形式の内容は問いませんが、それをお認めになるならば、当然、この岸内閣において、あなたは厚生大臣として、農林大臣その他の大臣と協議あって私しかるべきだと思うのであります。この点が、一点あなたの御答弁においてやや穏当を欠いておると思います。さらにもう一つは、あなたは非常に物事を軽軽しくお考えになっています。これだけ天下の世論が沸き返っているんです。しかるに、これは前の法案と今度の法案は大した違いがない——非常に違っているからここで問題にしているんです。大した違いがないじゃないのです。さらに第三点は、あなたはこれは満場一致で通過している、こうおつしゃいました。前の法案と今度の法案が中身において非常な違いがある、問題があるということを、非常に手続が不備でありましたから、法案の審議の最終段階に至ってそういうことがわかったのであります。そのときは、すでに衆議院においては質疑打ち切りになっておりましたから、そのまま通過をして参議院に送られてきておるのでありまして、あなたは、これは満場一致で衆議院を通過したから、参議院でもしかるべき通過をはかるようにというような含みをもって御発言がありまするけれども、参議院は参議院として、これは慎重審議をしなければならぬ。さらに、あなたはこの法案議員提出法律案でありまするけれども、各党一致して提案したものであります。それをあなたは、これは与党と政府が相談したのだからこれはもう閣議決定を必要としない。こういうふうにおっしゃいましたけれども、あなたはこの法案の内容、さらに法案審議の経過というものを十分御存じなくて御答弁になっておるんです。そういう点を今東君が別の観点から追及されているんです。私はこういうことでは非常に困ると思う。この際に、あわせて農林大臣にお尋ねいたしますが、あなたはこの法案衆議院にかかっておるときに、この法案の内容において不備の点がある、あるいは行政執行の面においてこれは不穏当であるということを発見されなかったかどうか。発見されたならば、なぜ閣議においてそれを発言されなかったか。議員提出法律案であるならば何でもこれは国会を通過したから仕方がないという態度をあなたはとられるのかどうか。特にこの際、農林大臣にお尋ねいたします。
  112. 神田博

    ○国務大臣(神田博君) 私が先ほど申し上げました意味は、議員提案法律については予算に関係ある分だけ閣議に諮る必要があるのだと、まあこういう意味でございまして、その内容すべてについて閣議に諮るというようなことにはなっておらないのだという前提に立って、予算関係においては、この前、政府が同意を与えたのと異なっておらない、かように承知いたしておりますので、今度は事務的にもそういうふうな打ち合せがあって閣議に諮ることをしなかったと、こういうように私は承知しているという意味で申し上げたのであります。  それからもう一つは、衆議院で、衆議院と申しましょうか、私どもの与党の例を申し上げるのでございますが、与党がいろいろ法案をお出しになる、また、政府の出す法案についても同様でございまするが、党におきましていろいろの機関がございまして、政調の部会からあるいはまた政調の政策審議会があり、そして政調の各機関がございまして、それらで慎重審議をいたしまして、さらに総務会にかかる、さらにまた、これが代議士会にかかって、そしてこの提案というようなふうに相なっておりまして、その間まあ非常に時間もかかれば審議の機会も多いのでございまして、そういうようなかかり方をして参りまして、また、党は党といたしまして政府と密接な関係を持ってやっておられる。ことにこの法案にについては与野党が御一致して、そしてお出しになって御審議をされておる、こういうような段階を経ておりまするから、慎重審議をされたと、私どもはそういうふうに考えておる、こういう意味でお答え申し上げたわけでございまして、決してそれ以外の何ものをもつけ加えたつもりはないのでございますので、さよう御了承願いたいと思います。
  113. 井出一太郎

    ○国務大臣(井出一太郎君) 午前中も申し上げました通り、実は非常に不行き届きでございましたが、この法律衆議院を通過いたしました後にその事実を知ったような次第でございまして、議員提出法案でございまする関係から、いわば政府の側は受け身というような形でございまして、その点農林省としましては少しく不用意でございましたが、そういう経過で問題が持ち越されたと、こういう次第でございます。
  114. 小林孝平

    小林孝平君 最初に厚生大臣にお尋ねいたしますが、私は先ほども申し上げましたように、議員提出法律案であるから閣議決定をしなければならないという私は解釈をとるものではないのであります。そういうことを予算に関係して政府の発言の機会を与えなければならないという法制局長の意見を了とすると申し上げた、私はそういうことを言っているのでなくて、こういう法案がかかり、これが通過したら行政執行の面において支障あるかないかということぐらいは当然政府の内部において検討あってしかるべき問題でないかと言っておるのであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)今も農林大臣は全然知らなかったと、これは知らないというよりも、農林大臣がわからないように、抜き打ち的にこの法案の通過をはかったと言われても差しつかえないと思うのです。その点を追及しておる。その予算の面を申し上げておるのではないのですから、念のために申し上げておきます。  さらに、農林大臣にお尋ねいたしますが、あなたは、衆議院の段階においては御存じなかった、最後の段階においてそういう非常に重大な支障のあることを発見されたと言われておるのでありますが、今あなたは岸内閣の閣僚としてこの法案が通過をしてもいいかどうか、あなたはどういうふうにお考えになっておるか。また、非常にこれが支障があるならば、直ちに閣議において発言をして、その旨をそれこそ与党に通ずるなりあるいは参議院の当委員会において正式に閣議決定事項として政府見解を発表されるのが当然じゃないですか。私はこういうような審議のやり方をやっておれば、今後の行政は実に紛淆を来たして重大な事態が生ずると思うのであります。特に農林大臣の所見を求めます。
  115. 井出一太郎

    ○国務大臣(井出一太郎君) この問題につきまして閣議で正式に取り上げるということはいたしませんでしたが、厚生大臣と寄り寄り話し合って、何とか調整の道を求めたい、こういうことで努力をして参ったわけでございますが、事は議員提案でもありまするので、参議院において意見を申し上げる機会もあろうかと、こういうふうに今日まで考えて参ったような次第であります。
  116. 神田博

    ○国務大臣(神田博君) ただいま農林大臣からもお答えがございましたように、衆議院を通過後いろいろと問題が提供されておるようでございますので、農林大臣と私の話し合いを申し上げますと、この法案が審議が済みまして法律となる際におきましては、さような場合におきましては、十分両省間においてこの施行に最善の努力をいたしまして、いろいろな心配されるような点のないように一つ努力して参りたい、こういうようなことを申し合せておるような次第でございますので、この機会でございますので、申し上げておきます。
  117. 小林孝平

    小林孝平君 政府の統一した見解を述べぬじゃだめですよ、農林大臣は。
  118. 千葉信

    委員長千葉信君) 大事な御質問の途中でございますが、今衆議院の方で本会議に内閣不信任案が上程されますので、両大臣も当然出席されなければならないし、その連絡が衆議院からございましたので、暫時休憩いたします。    午後二時四十八分休憩    —————・—————    午後四時二十四分開会
  119. 千葉信

    委員長千葉信君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。
  120. 小林孝平

    小林孝平君 議事進行。先ほど農林大臣は私の質問に関連いたしまして、私がこの法案が、これが施行に当りましていろいろ行政上紛清を来たすおそれはないか、そういう点を閣内で相談あってしかるべきでなかったか、こういう質問をいたしましたら農林大臣は、これは参議院に回りましてから適当な機会を見てお話をする機会もあるかと思います。こういう御答弁でございました。農林大臣は、一体今国会は会期はいつまでだとお考えになっていますか、明日でございます。岸内閣はこの国会の会期を延長決定されたのですか、明日までです、ただいまのところ、われわれの承知しているところ。それでいつ一体あなたはその所見を発表されると考えておられたのですか。従って、そういうことでは困りますから、今ここであなたの御所見をお述べ下さい。あわせてこれは農林省の設置法に抵触することはないかどうか、あなたの御見解を承わると同時に、委員長に申し上げますが、これは農林省の設置法に抵触するおそれがあると思うのです。従いまして、直ちに法制局長官をお呼び下さいまして、法制局の正式の見解を承わりたいと存じます。
  121. 井出一太郎

    ○国務大臣(井出一太郎君) この法案が参議院の万へ回付せられましてだいぶ日もたつわけでございますが、いずれ委員会において私どもにもお呼び出しがあろうかと、こういうように存じておりましたような次第で、まあたまたま今日その機会が与えられたわけでございます。どうも不行き届きでおそく相なりましたことはまことに相済まぬのでございますが、そこできょう午前中から、私以下あるいは畜産局、水産庁それぞれまかり出まして農林省としての見解を申し上げた次第でございます。そこで、農林省の設置法に抵触するおそれがないか、こういう御質問でございますが、申し上げるまでもなく、各省それぞれ設置法によってその権限が明確に相なっておる次第でございます。そこで、それに矛盾しない形におきまして、本法案が参議院で御審議、御決定をいただけるように、こういう期待をいたしておるような次第でございます。
  122. 小林孝平

    小林孝平君 あなたは妙な御答弁をされる。私はこの今出ている法案が、これが農林省の設置法に違反するおそれはないかどうか。それをあなたにお聞きしているのです。それだというのに、そういうことのないように適当にやれとは一体何です。そういうことをあらかじめあなたが意思を決定し、さらに厚生大臣と相談さるべきです。これがたまたま農林省の問題だけ問題になっておりますけれども、自治庁あるいは通産省も同様の問題があると思うのです。しかし、今あなたがおいでになるからあなたにお尋ねしているのですけれども、あなたの答弁、何ですか、それは。そんなことで農林大臣が務まらぬ。もっとこれが違反しているかどうか、それを明らかにし、さらにあなたの見解だけでは不十分でありますから法制局長官からすみやかに来てもらいまして、そしてその見解をたださなければいかぬ。そうしなければ審議はできませんよ。
  123. 千葉信

    委員長千葉信君) 小林君に申し上げます。法制局長官ただいま連絡中でございます。
  124. 井出一太郎

    ○国務大臣(井出一太郎君) 午前中私直接ではございませんでしたが、食肉販売につきましては、農林省畜産物の生産流通及び消費これに至る間の所掌事務を管轄をいたしておるわけでございまするし、また、氷雪の生産、流通、あるいは販売、これについても設置法によってこれを所管をいたす、こういうことになっておる次第でございます。従いまして、この法律衛生法規という建前のように私どもは承わっておるのでございまするが、経済面につきましては、農林省の所管をしておりまする点と抵触をするおそれがあろうと、こういうふうに考えております。
  125. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 農林大臣は、自分の所管内のことでおそれがあるとかないとか、そういうあいまいな答弁ではいかぬと思う。おそれがあるならある、それが責任を持って所管しておる担当大臣としての態度でなくちゃいかぬと思う。もうこの農林省の設置法なり、水産庁の設置法を見れば、これに抵触しておる、そういう答弁をはっきり言っていただきたいと思うのです。もう一度御答弁願いたい。おそれがあるのでまだはっきり断定できないのですか。私そういう形で答弁を求めます。おそれがある、それで研究の余地がある、こう言うのですか、はっきりして下さい。
  126. 井出一太郎

    ○国務大臣(井出一太郎君) まあ少し表現が不的確であったかも存じませんが、今御指摘のように考えております。
  127. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 今御指摘のようにということは、農林省設置法にこれは違反することと私は了解する。午前中畜産局長並びに水産庁当局が困るということを言っておる。その担当大臣である農林大臣としては、明らかにこれは困るということだろうと思うのです。そうすれば、厚生大臣の方は先ほどの東君に対する答弁では、この法律が通った暁において、関係省等とうまくやるという意味合いの調子のいい御答弁である。一方の農林大臣は、これは設置法にたがう、こういうことであれば、政府見解というのはどこにあるのか、われわれは疑わざるを得ない。(「閣議を開いて出直してこい」と呼ぶ者あり)それで、この際あまり議論してもいかぬですから、井出農林大臣に伺いますが、前々内閣かと思いますが、昭和三十年にこの国会法が改正になって、予算の伴うそれについては政府意見を述べる機会を与えなければならぬと、先ほどの問題ですが、これが出た場合に、時の政府は、この意見を述べる意見の内容については、担当大臣が閣議に諮って、その要旨を閣議決定しなければならぬというふうに了解事項として決定されておりますが、そのことは現内閣もまた踏襲しておられるのですか。
  128. 井出一太郎

    ○国務大臣(井出一太郎君) 従来そういうしきたりとして踏襲しておるわけであります。
  129. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 踏襲しているものが、先ほどの厚生大臣の答弁なり、四月のあれは二十何日かと思いますが、関係部長の答弁なり、いろいろ総合してみますと、前の原案になっておるものとそう違いがないから、これについては閣議に諮っておらぬとか、あるいは今のようなそういう問題を含んではっきり担当大臣として困るという問題がありつつも、いまだ閣議決定を経て、そして、当該委員会に対する政府の所信表明の要旨というものを持っておらない、こういうことで、この法案について、われわれ幾多疑義があるものを、どういう形でこれを審議を進めていったらいいかわからぬ、賛否の決定をするのに、政府の所見が明らかでなくて、どうしてこの審議を続けられますか。なぜさっきのように厚生大臣はおっしゃるような、閣議決定を必要としない、なぜそういうことが言えると思いますか。もう一度厚生大臣にお伺いしますが、厚生大臣は、予算が千七百万円、これは前も今日も同じものできまっている、内容も大した差がない、こういうことなんです。ところが、内容に差が出てきたのが、この農林大臣答弁で明らかなんです。前は予算はそうであっても、前は政令にゆだねておったものが法律として明文化されてきたんだ、食肉氷雪販売が明文化されてきたんだ、そうしたらこの法律が通った暁に、施行された暁に、厚生大臣が政令で定むるべきものを、この委員会が、あるいはこの国会がもう法律としてきめようとしている、とりもなおさずそれはこの政令そのものが今きまろうとしているんです。こういう問題は重大だと考えませんか。しかも政令を作るのには、これは国家行政組織法第十一条で閣議決定を経なければならない。たまたまこれは議員立法であるからといって傍観しているのですか、そういう意味からいっても、これはあくまでもこの法案に対する政府の所信というものは、閣議に諮って、関係大臣の意見が調整されなければならぬと思うのであります。井出農林大臣小林委員に対しての先ほどの答弁では、どうも困ったものだと思うから、委員会の方でよろしく善処されて修正してもらいたいという意味合いの答弁があるわけなんであります。それならば、それで政府自身が堂々と閣議決定の所信を持って国会にその所信を表明されなければならぬと思うのであります。両大臣の御意見を伺いたい。多分農林大臣は先ほどのような言明をした限りは、そういう措置をとらなければならぬと決意をされていると思うんでありますが、井出農林大臣いかがですか。また、厚生大臣は、自分の担当事務がふえるからあまりそんなことはいやだ、好まないと言うかもしれませんが、これはもう国務大臣としてやはりしっかりした御答弁を願いたいと思います。
  130. 井出一太郎

    ○国務大臣(井出一太郎君) 先ほど小林委員にお答えを申し上げました通り、まあこの過程におきまして、不行き届き、不用意な点がございました。まあ何と言いますか、一種の特殊なケースとなってしまったように存じますが、まあ先ほど申し上げましたように、私どもといたしましては、この設置法の明確にしておりますように、権限がございまするから、これと矛盾しない形において、参議院の御意思が決定せられますれば、まことにけっこうだ、かように存じております。
  131. 神田博

    ○国務大臣(神田博君) お答えいたします。政令できめる予定であった、前の法律から考えるとそういうことになっているんだが、今度は議員立法で、政令できめようとしたことを法案の中に織り込んだ、これはむしろ政令できめるより法律できめるということの方が必要だとすれば、それが国民の権利義務に関することでございますから私は妥当じゃないか、こういうふうに考えております。あるいは法律から政令に委任するというならそれも一つの行き方と考えております。どういうふうにするかはこれは立法者の意思によってきまっていくわけでございまして、衆議院の多数の方々がこういう立法例をとられたことは必ずしもどうこうという議論にはならぬと思います。そこで、まあ問題は今の何か、言うならば権限争いがあったように考えられますると、これは実は農林大臣も私もそういう気持は一つもないのでございまして、そういう前提で一つ御審議願いまして、本院において適当な措置をおとりになるということについては、私といたしまして別に異議があるわけでもございません。先ほど来申し上げておるように、法案が成立いたしました際におきましては、十分に一つ農林大臣と連絡いたしまして、本法の運用については最善を尽そう、こういうことを申しておるわけでございまして、ことに各省の設置法に疑義がある、あるいはそれに反しておるというようなことがございますれば、これはもう改めることが当然のことだと私考えております。そういうふうに考えておりますことを申し上げましてお答えといたします。
  132. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 両大臣は、自分の所管事項に関して銘々の見解を述べている、その述べている内容としてはそれはそれで話の通ることでもあるような答弁です。しかし、そういう答弁を国会に対して、それぞれの大臣が別々な考えの違うことを答弁されては、これは行政府の一体性というものからいってどういうことか。農林大臣の方はこれはまあ大体参議院の良識によってそういう矛盾を来たさないようにしてもらいたい、修正でもしてもらいたいということを申しているのでしょう。厚生大臣の方はこのままで通ったら通ってもそのときは運用の妙を発揮するようにするし、また抵触するということなら、院の意思が自由なんだから、お直しになるならお直しになってもけっこうです、それはその限りにおいては院に対するあなたの考えとしては筋は通る——私は不満ですけれども、一通り筋は通る。しかし、そういうことで立法府と行政府のあり方があっていいのか、ほんとうに責任のある行政府のこの行政の一体化という点から言えば、このまま通すということは、農林大臣所管事項の中から流通消費という重大な部面のものが、この団体の問題に関しては厚生大臣の方に抜かれていくのです、厚生省設置法の改正で。抜かれていった場合に、農林行政を一体的に推進する責任を持つ大臣がそれでやっていけるか、農林行政が。そういう問題は一厚生省である、一農林省である、それぞれの担当者が自分の好み好みのことで答弁をし、問題を考えておって処理されることではないのです。各省の設置法そのものは国家行政の基本法ですよ、それが混淆してしまったら——しまってもまあそのときはそのときだというようなそういうものが責任内閣を形成して一体的な行政をやっていけますか。だから、立法府の意見は立法府の意見として、意思は意思として、どういうものがあろうともそれはかまわない、皆さんの方ではやっぱり政府政府として一つ意見というものを出さなければならぬ、閣議決定して——農林大臣意見や厚生大臣の意見でなくて、岸内閣の意見というものを院にはっきりさせなければならぬ、お二人がかわるがわる立ち上って、そうしてかわるがわる違う答弁をいつまでもしておってそれでどういうことになるか、農林大臣は、いいですか、農林大臣はこのままでこの法律が通れば困る、困る、ということは程度の差だぐらいに考えているのですか。基本的に農林行政そのものに抵触してくるのです。行政担当の各部局は困っちゃうのです。井出農林大臣は積極的に閣議決定を求められて、そして政府部内の意見を調整をして、一本の結論を当委員会にお示しになる、そういう御意思はありませんか、そうすべきです。
  133. 井出一太郎

    ○国務大臣(井出一太郎君) 先ほど来申し上げておりますので、私の意図はおわかりいただいていると思うのでございますが、会期も切迫いたしました今日、この非常に特殊なケースでございまする本案につきましては、時間的ないとまもございませんので、先ほど申し上げましたお扱いをいただければまことに仕合せと存じます。
  134. 小林孝平

    小林孝平君 農林大臣は、先ほどおっしゃったことと今おっしゃったことと違います。先ほどは困ると言ったのです。困ると一貫しておればいいのですが、今度は時間がないから、あるいは会期が切迫したからよろしくお願いしますとは何です。矛盾しているじゃないか。どうもあなたの御答弁はときどき変るので困ります。困る困るで一貫すればいい。会期がない、あるいは時間がないからと言うのはこっちの話です。あなた、そんなことを心配する必要はない、政府提案でありませんから、自分のことだけ心配しておればいい。設置法に違反するから困りますという答弁をされればいいのです。また、厚生大臣も先ほどの小笠原君に対する御答弁によりますと、前は政令できめていた、だから政令事項であったからこれが通ったあとでよろしく運用することができるのです。今度は法律だから通ったあとよろしくやるわけにいかないのです。これは違反しておったらこれは通すわけにはいかないのです。あなたは、そこのところをよくお考えになってやっているのですか。先ほどから小笠原君の言うように、こういう重要な問題は、これはあなたの厚生省の事務当局は、当然こういうことはわかっているはずなんです。だから、政府の内部で十分検討すべきが当然なんです。これも議員立法であるからというこことに名をかりて、抜き打ち的にこれが通過をはかろうというようなことは、私がしばしば指摘しているように、これは綱紀の弛緩ですよ、厚生大臣として、厳重に事務当局に私は臨むべきだと思います。こういうことを各省の事務当局がやったら、行政が紛淆して一貫性がなくなります。あなた、今厚生大臣だからそれでいいかもしれぬけれども、岸内閣の閣僚として、こういうことを許しておくことはできないのです。従って、私はこういうことをやった事務当局にあなたは適切な措置をとるかどうかということをお尋ねいたします。これはきわめて重大な問題です。政府は、抜き打ち的の争議をやったというので大量の処分をやり、厳罰をもって臨む。しかるに、あなたの部下は、行政の一貫性を破壊し、行政を紛淆するという、こういう重大な過誤を犯しているのです。これに対してどういう処罰をされますか、それをお尋ねいたします。
  135. 井出一太郎

    ○国務大臣(井出一太郎君) さきに申し上げたこととあととが変っておるというふうにおとりになったと思いますが、変っておらないつもりでございます。
  136. 神田博

    ○国務大臣(神田博君) この法案提案になりました事情を詳しく私は承知しておらないものでございますから、どの程度厚生省の役人が今お尋ねになられたようなことを関係しておったか、私は十分承知いたしておりませんが、しかし、御承知のように、これが議員提案でございまして、立法府が提案されるについて作業のお手伝いはしただろうと私も想像できます。そこで、作業のお手伝いをして、すぐ処分するというようなことは、これはむしろ立法府に対して礼を欠くことじゃないかと私は考えております。衆議院におけるこの立法の事情は十分私は承知いたしておりませんが、とにかく与野党が一致しておやりになっただろうと思います。与野党の共同提案なんです。しかも、満場一致で通っておるのでございますから、与野党から作業の手伝いを命ぜられてやったであろうことは想像つくのでございまするが、それが厚生大臣として、部下の監督上処分しなければならぬというような段階には私はないと思います。いろいろ拝聴いたしたのでありますが、どうもそういうことは私は考えておりません。
  137. 小林孝平

    小林孝平君 あなたは、都合のいいときは議員立法であるということでお逃げになる。先ほどは、これを調べたら前の廃案になった法案と大した違いはないと言われた。これはよほどよく研究したから、大した違いがないというあなたは結論が出たのです。それが今度は議員立法であって内容はよく知らぬ、こういうことは私は通らぬと思います。従って、手伝いはしたけれども、手伝いをするとき、議員は専門家じゃありませんから、そういうところはあなたたち内部で当然、正しく、議員が間違わないように、議員立法が間違わないように補佐するのが当然じゃありませんか。なお悪いじゃありませんか。そういう能力のないあなたの部下は、なお処分しなければならない。あなたは逃げることばかり考えてはだめですよ。あなたがそんなことを言うならば、先般政府は大量の首切り、厳罰をもって臨んだ。あれなどは、あなたの今回の態度と比べれば、まるで天地雲泥の相違があります。あなたはなぜそのとき黙っていたのですか。あれは政府として決定されたのです。矛盾しているじゃないですか。岸内閣の行動はすべて矛盾していますよ。原爆問題から始まって、小はこの法案に至るまで、非常に矛盾しております。あなたは逃げよう、逃げようとしておる。そういうことではだめですよ。もっと農林大臣は、これは困る、これは設置法に抵触する、こう言っておるんだから、あなたも率直に、これは間違っておった、こう言うべきじゃないですか。議員立法だとして逃げるのは、卑怯ですよ。あなたは十分これは研究したと言われたのだから……。
  138. 神田博

    ○国務大臣(神田博君) いろいろ御意見がございましたのでございますが、御承知のように、議員立法の際は主務官庁もお手伝いいたしておりますが、大体その院の法制局が参加しておりまして、そして法律的なことはその院の法制局が責任をとっておられることは、これはもう御承知のことと考えております。いろいろな資料を出すとか、また、それに参画するということは、従来の例でございまするが、立法の権限の問題等につきましては、衆議院の法制局が参加されまして、十分それに意見を述べられておると、こういうふうに私は伺っております。従いまして、今のお手伝いしたから処分しなければならない、ことに先般の争議の例をお引きになって、それとこれとを比較されておりまするが、私はそれとこれとは違っておるのではないかという考えを持っております。むしろ忠実に働いたと、そういうことと考えております。そこで、処罰するというようなことは現在考えておりません。
  139. 千葉信

    委員長千葉信君) 小林君に申し上げます。林法制局長官は目下外出をしておるので連絡中という、そういう答弁でございました。法制局次長がただいまお見えになりましたので、御了承願います。
  140. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 繰り返しになりますから、両大臣の答弁はもうこの問題に関しては求めませんが、議事進行という意味で委員長要請したい点があります。それは、農林大臣は再三の質疑に対してはっきりとした御答弁をなすっておられる。そのことは、法律的に言うならば、農林省の任務、農林省の権限、これにこの法律案は抵触する、並びに水産庁の設置法による水産庁の所掌事務及び権限に抵触する、こういう形になるのであります。ところが、厚生大臣の方は、そのことに関してはわれ関せずであって、このままこの法案が通ってもよし、あるいは一部どうなってもよし、出たとこ勝負で一つ運用の妙味を発揮しようと、こういうことなんです。こういう答弁を繰り返し聞いておってもこれはどうにもなりません。われわれ審議の参考にもなりません。また、立法府と行政府との円滑なあり方の上からいっても、何ら指針となるものを得ることができません。従って、委員長におかれましては、政府において閣議決定のこの法案に対する態度、所信をすみやかに表明せらるるような措置をとるよう政府に強く要請していただいて、われわれ関係議員にその結論をお示し願いたい。そのいかんによってわれわれ議員としての態度をきめなければならぬと存じます。それまではこの法案に対してとやこうという私の意見まだ決定いたしません。何とぞそういうふうに委員長においてお取り扱いを願いたいと思います。
  141. 千葉信

    委員長千葉信君) お答え申し上げます。委員長も、ただいまの質疑応答の中において、政府部内のこの法律案に対する見解が統一されていない事実を発見いたしております。国会法によりましては、当然五十七条に基いて、当委員会がこの法律案の審議の過程政府見解を求めなければなりません。ですから、政府としては当然その措置をとらなければならないし、また、この法律案を審議する委員会の立場からいたしましても、早急に政府部内の意見を統一していただかなければならないと考えております。従いまして、この問題について当委員会として、その日程の上にこの取扱いの具体的な方途をいかに講ずるかということについては、委員長理事打合会でこの問題を取り上げて検討するつもりでございます。
  142. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 了承。
  143. 千葉信

    委員長千葉信君) 御質疑願います。
  144. 奥むめお

    ○奥むめお君 それがきまらなければ審議ができないと小笠原委員はおっしゃっていますのですが、委員長いつそれをおきめになるのですか、政府の態度をわれわれが聞くことをいつおきめになるのですか。
  145. 千葉信

    委員長千葉信君) お答え申し上げます。ただいまの小笠原委員の言われましたことは、政府部内の意見を統一して、その意見を聞かなければならないということをおっしゃっておられるので、それを聞くまではこの委員会を続行することができないということを言われているのではないと委員長は聞いております。
  146. 小林孝平

    小林孝平君 議事進行。私は小笠原君はそういう意見であるかもしれませんが、私はさらにそれにつけ加えて、そういうことが決定されなければ審議ができませんから、直ちに休憩をして、政府の統一のある見解を表明していただきたいと思います。そういうことを委員長に希望します。
  147. 千葉信

    委員長千葉信君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  148. 千葉信

    委員長千葉信君) 速記をつけて。暫時休憩いたします。    午後五時七分休憩    〔休憩後開会に至らなかった〕