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1957-05-07 第26回国会 参議院 建設委員会 第29号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年五月七日(火曜日)    午前十時三十九分開会   —————————————   委員異動 四月二十五日委員西田信一君及び武藤 常介君辞任につき、その補欠として岡 崎真一君及び西田隆男君を議長おい て指名した。 四月二十六日委員三木與吉郎君及び西 田隆男辞任につき、その補欠として 斎藤昇君及び武藤常介君を議長おい て指名した。 四月二十七日委員岡崎真一辞任につ き、その補欠として西田信一君を議長おいて指名した。 本日委員木下友敬辞任につき、その 補欠として大河原一次君を議長おい て指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     中山 福藏君    理事            石井  桂君            岩沢 忠恭君            西田 信一君            田中  一君    委員            小山邦太郎君            斎藤  昇君            中野 文門君            武藤 常介君            内村 清次君            大河原一次君            坂本  昭君            重盛 壽治君            北 勝太郎君            村上 義一君   政府委員    建設省計画局長 町田  稔君    建設省住宅局長    事務取扱    鬼丸 勝之君   事務局側    常任委員会専門    員       武井  篤君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事補欠互選建築士法の一部を改正する法律案  (田中一君外二名発議) ○駐車場法案内閣提出、衆議院送  付)   —————————————
  2. 中山福藏

    委員長中山福藏君) ただいまより委員会を開会いたします。  先ほどの委員長及び理事打合会の結果を御報告申し上げます。本日はまず建築士法の一部改正案説明聴取及び質疑を行い、引き続いて駐車場法案逐条説明聴取質疑を行うことといたしました。なお最後に国土調査法の一部改正案質疑を行うことにいたします。九日は以上三案の採決を行う予定であります。十日は東北開発促進法案及び日本道路公団法の一部改正案逐条説明聴取及び質疑を行います。十六日には提出予定公営住宅法の一部改正案住宅公社法案及び宅地建物取引業法の一部改正案説明聴取いたします。以上の通り決定いたしましたので御報告申し上げます。
  3. 中野文門

    中野文門君 今御発表になったのは、委員会散会までにプリントしてくれませんか。
  4. 中山福藏

    委員長中山福藏君) さようにいたします。  次に委員変更の件を御報告申し上げます。  四月二十五日西田信一君、武藤常介君が辞任され、補欠として岡崎真一君、西田隆男君が指名され、四月二十六日三木與吉郎君、西田隆男君が辞任され、補欠として斎藤昇武藤介両君が指名され、四月二十七日岡崎真一君が辞任され、補欠として西田信一君が指名され、また本日木下友敬君が辞任され、補欠として大河原一次君が指名せられました。   —————————————
  5. 中山福藏

    委員長中山福藏君) お諮りいたします。委員異動に伴い、理事一名が欠員になっておりますので、この際その補欠互選を行いたいと存じます。つきましては、この互選方法は、成規の手続を省略して、便宜その指名を委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 中山福藏

    委員長中山福藏君) 御異議ないと認めます。それでは私より西田信一君を理事に指名いたします。   —————————————
  7. 中山福藏

    委員長中山福藏君) 次に建築士法の一部を改正する法律案議題に供します。まず本案提案理由説明発議者田中一君からお願いいたします。
  8. 田中一

    田中一君 ただいま議題となりました建築士法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由及びその要旨を御説明申しあげます。  建築士法は、建築物設計工事監理等を行う技術者資格を定めて業務責任範囲を明らかにし、建築物災害等に対する安全性確保国民生命財歴の保護をはかり、もって社会公共の福祉の増進に資することを目的として、昭和二十五年に制定されたものであります。以来六年余にわたり、わが国の建築物の質の向上に寄与して参ったのでありますが、最近における建築事情や同法施行状況にかんがみまして、次の諸点を改正する必要がありますので、ここに本法律案を提出した次第であります。  すなわち、第一点は、建築士業務範囲についてであります。現在一級建築士または二級建築士でなければ設計または工事監理をしてはならない建築物範囲は、鉄筋コンクリート造等にあっては延べ面積が三十平方メートルをこえるもの、木造にあっては延べ面積が百工十平方メートルをこえ、または三階以上の建築物規定されております。さらに土地状況によっては都道府県条例規模制限を変えることができることになっておりますが、最近におきましては、相当数府県におきまして規模の限界を百平方メートルに下げでいる状況にありますので、この際木造建築物の質の向上確保をはかるため、建築士の取り扱う業務範囲を拡張して、木造については延べ面積百平方メートル以上の建築物対象としたことであります。  第二点は、建築士の素質の改善技術進歩向上のため、新たに建築士会に関する規定を設けたことであります。すなわち、現在は建築士の有志が任意に全国都道府県建築士会を設けて、会員相互の親睦、協調、監督官庁との連絡等に努めてきているのにすぎませんので、このたび公的機関としての建築士会を設け、建築士の品位の保持と業務進歩改善を更にはかるようにしたことであります。  なお、第一に申し述べました建築士業務の拡張に伴いまして、この際特例として、一定の学歴または建築に関して一定年数の実務の経験を有する者については、都道府県知事選考を受けて、試験を受けないで二級建築士免許を受けることができるようにし、木造建物設計監理等の需要に対し渋滞を来たさないようにいたしたことであります。  以上が本法提案提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決下さるようお願いいたします。
  9. 中山福藏

    委員長中山福藏君) それでは引き続いて内容の御説明をお聞きいたします。
  10. 田中一

    田中一君 ただいま申し述べました提案理由説明で大体尽きておると思いますので、お手元に差し上げてありますところの法律案要綱について、御質疑に応じて御答弁いたしたいと思いますが、何分とも短かい改正案でございますので、そのようにお取り計らい願いたいと思います。
  11. 中山福藏

    委員長中山福藏君) 本案取り扱いの都合上、質疑のおありの方は一つ質疑をしていただきたいと存じます。
  12. 田中一

    田中一君 現在の建築士法取り扱いにつきます状況につきましては、政府委員が見えておりますから、政府委員に御質疑願いますれば、各委員に御了解願えると思いますから……。
  13. 中山福藏

    委員長中山福藏君) 委員長から提案者にちょっと御質疑申し上げておきたいと思います。ただいま選考によって二級建築士資格を与えられ、なお昭和二十六年ですか、この前は。その当時じく選考の線にのってその資格を与えられた人が業務に従事せられておりまする間に、問題などというものを起したことがございますか、どうですか、その点一つ念を押しておきたいと思いますが。
  14. 田中一

    田中一君 お手元参考資料として出してございますけれども、その点につきましては、住宅局長代理からお聞き取り願いたいと思います。説明してもらいます。
  15. 鬼丸勝之

    政府委員鬼丸勝之君) ただいま正確な数字を、ちょっとここに資料を持ち合せておりませんので、お答えいたしかねますが、選考によりまして建築士になりました者につきましては、ほとんど事故はございません。
  16. 岩沢忠恭

    岩沢忠恭君 これは監督官庁である建設省の方にお伺いするのですが、今度の一部改正で、従来建築士取扱い限度最小限度が百五十平米のやつが、今度は百平米ということについて、監督官庁である建設省はどういうお考えを持っておりますか。
  17. 鬼丸勝之

    政府委員鬼丸勝之君) 今回の建築士業務範囲を拡張される改正内容につきましては、大局的にみますると、私はけっこうじゃないかと考えるのであります。と申します理由は、やはり建築士法のねらいとする建築物の質の向上をはかるということが徹底されるためには、やはり正規建築士おい設計なり、設計監理を扱わせるということが理想でございますから、そういう大きな考えを具体化する意味におきまして、けっこうだろうと思います。それからさらに、百から百五十の間の建築物建築される割合と申しまするものは、お手元に差し上げました参考資料にも書いておきましたように、約一割足らずでございます。全体の建築件数の九・五%というような状態でありまして、いわゆる建築士にあらざる者の設計なり、設計監理仕事を非常に脅かすということには当らないのではないか、むしろ百から百五十までの建築物正規建築士に扱わせる方が妥当であろう、かように考えられるのであります。  なお、現に北海道外十二県におきましては、大体百にされておるという状況でございまして、こういう地方実情もかみ合せますると、今回の改正は妥当であろう。ただ一点懸念される点は、やはり建築士にあらざる大工棟梁等業務範囲を狭めるという点におきまして、私ども実は心配いたしたのでありまするが、幸い今回の改正措置におきまして、これら大工棟梁等の腕に相当実力のある者、あるいは相当事歴のある者等を、経過的にこの際建築士として登用していただくということに相なりますれば、この人たちもかえって責任感を強めまして正規建築士として、しっかりした仕事をやるということが期待されますので、この経過措置をつけ加えることによりまして、私は今回の改正に心から賛成を表したい、かように考えておる次第であります。
  18. 岩沢忠恭

    岩沢忠恭君 そうすると、今の説明で一応は納得したのですが、建設省としては、将来建築は百平米以下でなくて、建築というものについては、すべて建築士でなければ絶対にやらさないというような考えを持っておるのですか。今の話では、これは一種の経過規定だというような説明にとれるのですが、であるから、経過規定ならば、せっかく建築士法というものができたならば、将来は建築というものは、全部建築士の手を経なければできないのだというところまで行って、初めて徹底す一のですが、そこまで持って行くつもりなんですか。
  19. 鬼丸勝之

    政府委員鬼丸勝之君) ただいま岩沢先生お尋ねのように、非常に理想論としては、建築物はすべて建築士にやらせることがいいのじゃないかという議論も立つかと思いまするが、ただ御承知のように建築物と申しましても、ピンからキリまでございまするので、特に技術者設計なり設計監理をやらせるまでもないという軽微な建築物相当あるわけです。こういうものにつきましては、建築士の手をわずらわす必要はないかと考えておりまするが、ただそれかと申しまして、今回の改正の百平米におろしたことにつきまして、これがまあ建築士の扱う絶対的な範囲であるというふうには必ずしも考えられないと思います。今後なおその辺につきましては、十分検討さしていただきたいと思うのであります。
  20. 西田信一

    西田信一君 提案者一つお尋ねをいたしたいのですが、今度の改正案の附則におきまして、二級建築士免許都道府県知事選考によって受けられるということに改正されるようでございますが、この都道府県知事は、いろいろの資格について制限があるようでありまするけれども、これらの資格を有する者の選考方法というのは、具体的にどのようになされるお考え提案されておるのか、この点をお尋ねいたしたいと思います。
  21. 田中一

    田中一君 本法律案が通過した際には、昭和二十六年に一応付則によるところの規定によりまして選考いたしたものでございまして、ところが本年は再びその選考基準によって、この法案が通りますと、同じように都道府県知事選考するわけでございますが、何分とも今日まで入力年経過しておりますので、従来は建設省の公示で、選考基準を二十年以上の経験と定めて選考いたしたものでございます。法律には付則で十年以上としておりましたけれども、そのような措置をとったのでございます。今回の改正によりましては、もはや八年たっておりますので、十年を限度として扱いたい。いわゆる十年というものを一応の基準にいたしまして選考したいというような考えを私は持っております。従って、もしも本法制定のときから見ますと、十八年ということになりますけれども、その際は十年というものを限度として、十年たてば選考に入れる資格がある、かように考えております。なお、このほかに労働省は、あれは終戦後の二十二、三年ごろだったと記憶しておりますが、徒弟制度が廃止されたために、このような大工さんその他の青少年技能を修得することができなくなったのでありまして、その際に労働省幅利課と存じますが、技能者養成の予算を計上いたしまして、労働省として、各徒弟制度技術を習っておりました青少年たち修得措置をはかっておりました。これが全国的な技能者養成機関を持ちまして、技能を修得いたしております。これらの技能を修得した者たちに対しましては、その修業年限に応じて、その修業年月だけを軽減しよう、いわゆるしいて申しますと、経験年数に加えていきたい、かように考えております。政府としても、最近この点につきまして、各技能者養成所を視察しておるように聞いておりますが、大体におきまして、法律、それから学問的な技術、それから実習等、まことに十分な教育をいたしております。従いまして、これらの者たち加算年限経験年月に加算するものは四年と抑えたいというような考えを持っております。あとは大体におきまして、二十六年に施行いたしましたところの選考基準にのっとって行いたいと、かように存じます。
  22. 西田信一

    西田信一君 二十六年当時の選考による免許というのは、こういう建築士法という法律制定に伴ってとられた措置であると考えるのでございますが、今回の付則改正建築士選考の道を開くのは、これで見ますと、「政令で定ある円において次の各号の一に該当する者で、」云々とございまして、今回の政令の定める日におい資格を有する者だけが選考による免許を受けることができるという取扱いになるように思へわけでございますが、法律制定当時においてとられた措置と、今回と同じ扱いになっておるようでございまするけれども、こういうのはいかがでございましょうか、ずっと恒久的にこういう選考の道を開いておくことがむしろ適当ではないか、ただその政令で定める日におい資格を持っておる者だけが今回に限って選考対象になるということは、適当かどうかということについて若干の疑念があるのでありますが、この点どういうお考えでございましょうか。
  23. 田中一

    田中一君 二十六年に選考基準でその有資格者選考を受けたいという申し出を募集したのでございます。ところが何分にも当時は日本経済状態もよくございませんし、試験を受けますと資格料二千円を払う、同時に商売を始めますと千円を払う、また受験料その他経済的な理由でもって、混乱期におけるところの各技能、二級建築士に該当する有資格者は受けなかった者が多々あるのであります。ことにその広報活動が非常に国としても、あるいは道都府県といたしましても徹底しなかったところがたくさんございます。そういう点からかんがみましても、恒久的にこれをやるというよりも、先ほど住宅局長代理説明したように、突如として従来持っておりますところの技能者が、技術家が自分の業務範囲が百五十平米から百平米に制限されるということになりますと、これは資格がなくてもできておったところの業務制限されるのでございますから、せめても資格がある者はこの際に資格を得る機会を与えようという措置こそ望ましいと思うのです。従って今後年々このような選考基準によって選考しよう、資格を与えようという考えはございません。
  24. 西田信一

    西田信一君 こういう選考による免許を今回特に認めようというお考えの根拠が、今の御答弁でやや了解できました。できましたが、そこでもう一点お伺いいたしたいのでありますが、あの昭和二十六年の法律制定当時の選考による免許、これは今のお話のように、いろいろな事情脱落者もあった、その半面に一級、二級ともに相当何といいますか、乱評というと語弊がありますが、若干そういうような軽く扱われたというようなきらいもなかったわけではないと私は思うのでありますが、大いにそういう適格者資格を与えて、建築のために活躍させるということは大へんけっこうでありますが、みだりにいたしますというと、またせっかくのこの法律が逆効果を生むということにもなりますので、そういう点については十分その考査上考慮を加える必要があろうと思うのでありますが、そういう点の配慮についてどのようにお考えになっておられますか。
  25. 田中一

    田中一君 むろん経験年数と申しますものを証明する確かなものがあれば、一応その選考範囲に入るものでございますけれども、だからといってフリー・パスでもってそのままだれかが証明せられたところを全部建築士にするということはいたしません。むろんそれには考査をいたしまして、まあ試験というまでのことはいたしませんが、一応面接なり、あるいは口頭試問と申しますか、持っている教養、技術の点をはかりまして決定することになっております。それも従来二十六年に行なっておりますから、その基準というものがいまのようなむちゃくちゃな、だれでもかれでも何もせずに入れるのだということにはなっておりません。
  26. 西田信一

    西田信一君 もう一点お伺いいたしたいのは、今回のこの選考により免許をされるという措置によって、これは的確なことをお尋ねするのは無理かと思いますが、大体各号に該当する該当者がおよそどのくらいあって、そうしてどのくらいの一級建築士がこの制度によって免許を与えられるというような、何か見当でもございましたら伺っておきたいと思います。
  27. 田中一

    田中一君 まあ大体において今日では耐火建築が主となりましたから、木造建築をやる技術者も老齢な方は除きまして、おおむね他の職に転ずる方が多いと思う。従いまして、的確な数はつかめません、ことに終戦後というものは徒弟制度養成をいたしておりませんから。しかし大体推定いたしますところ、一万人ないし二万人程度のものはこの適格者があるのではなかろうか、かように考えております。
  28. 中山福藏

    委員長中山福藏君) ちょっと私からお尋ねしておきますが、これは建築設計工事監督ということですね、これは客観情勢の変化に伴ってそういう面に関する知識の涵養ということが非常に必要だと思うのですが、ある場合に講習会を開くとか、たとえば毎年講習会を開くとか何とかいう、そういうことはやっておられるのですかどうですか、一つお聞きしておきたいと思います。
  29. 田中一

    田中一君 各府県に現在でもあります建築士会で、常にこのような法律改正の場合にはすぐにこれを集めて講習会をする、新しい技術等も年々講習会を開いております。これは都道府県知事が担当の部局の窓口でやっております。
  30. 中山福藏

    委員長中山福藏君) もう一つお尋ねしておきますが、今度公的性格を帯ばしめるところの建築士会、各府県のこれは結局全国の、全日本連合会ができると思うのですが、これは強制加入ということになるのか、あるいは強制加入しなければいわゆる設計監督に当られないものかどうか、これはどういうふうな性格になさるつもりでおられるのですか、ちょとお伺いしておきます。
  31. 田中一

    田中一君 強制加入はいたしません。ただし、おおむね強制加入しない団体がございましても、ただこれは任意な法律の何ら制約を受けないところの団体があると、これまた非常にこれに当るのに困難を感ずるのです。今度の改正によりましては、必ず法人格を持てということを、そういう程度までは持たしたいという希望を持っております。たとえば社団法人にいたしましても、そういう法人格を持つようにというふうに考えております。強制加入考えておりません。
  32. 中山福藏

    委員長中山福藏君) 将来強制加入に発展する何がありますか。
  33. 田中一

    田中一君 どうもその問題はいろいろな団体について言われておりますが、ただいま衆議院で御審議中の中小企業団体法案にいたしましても、強制加入というものは憲法違反である、あるいは公正取引委員会の方の意見としては、これはあってはならないものであるというような意見も出ておりますので、一応憲法学者意見も聞かなければならないと思いますが、将来も現憲法下おいては強制加入というものは好ましくないのではないか、かように考えております。
  34. 中山福藏

    委員長中山福藏君) ほかに御質疑のある方はございませんか。……御質疑がなければ……。
  35. 田中一

    田中一君 委員長、ちょっと速記をとめて下さい。
  36. 中山福藏

    委員長中山福藏君) 速記をとめて下さい。    〔速記中止
  37. 中山福藏

    委員長中山福藏君) 速記を起して。
  38. 斎藤昇

    斎藤昇君 提案者側でも政府側でもどちらでもけっこうですが、現在各府県で、木造建物については百平方メートルまで下げているという御説明でございますが、何府県ぐらい、大体どこどこが下げておりますか。
  39. 田中一

    田中一君 お手元資料で差し上げてございますが、大体北海道、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、新潟県、静岡県、愛媛県、高知県、大分県、長野県、滋賀県等でございます。
  40. 斎藤昇

    斎藤昇君 これは建物例外なしに、たとえば養蚕小屋とかあるいは家畜の厩舎とか、そういうようなものでも全部例外なしに百平方メートルに下げておりますか。
  41. 田中一

    田中一君 現行法でも、土地状況によりましては百五十平米になっておりますが、これを二百平米あるいは三百平米にすることも可能でございます。というのは、建築士がそのように非常に調子よく全国に分布されておらない、都市偏重の形がございますので、たとえば辺陬な地域で、その建築をしようとする方が一々汽車や電車に乗りまして建築士に頼みに来るということができない場合がございます。その際には、現行法でも条例を作って、この地域ではあるいは延ばすこと、たとえば百五十平米を二百平米に延ばすということをきめております。従って、どこまでも国民の利便のためにということを考えておりまして、その場合にも行政官庁であるところの都道府県は、それに対して十分に設計、届出、その他のものをチェックいたしますから、そういう点の危険はないという実施状態でございます。
  42. 斎藤昇

    斎藤昇君 政府側お尋ねしますが、政府側指導方針とされては、面積規模についてはどういうように御指導になっておられますか。農村の方はどうとか、都市はどうとか、何か指導基準を作っておられますか。
  43. 鬼丸勝之

    政府委員鬼丸勝之君) 特に指導基準というようなものを設けておりませんが、府県条例等を制定いたしまする場合に、一応相談にあずかっているというような場合が今までございますので、それにならって、各地方団体におきまして、条例制定の際に検討いたしておるような状況でございまするが、先ほど田中提案者からお話がありましたように、木造建物一律には、地方おいて一律に百平方メートルあるいは百五十上平方メートルというふうにきめてはおりません。たとえば特殊建築物——危険物貯蔵所でありますとか、あるいは公会堂とか、マーケットとか、市場とか、そういう特殊建築物につきましては、五十平方メートルまで下げておるところもあります。それから用途地域で、たとえば防火地域とか、準防火地域等におきましても、五十平方メートルまで下げております。ただその半面都市計画地域等は、用途地域以外の地域につきましては、百にしておるというのが先ほどの北海道ほか十二県の実情であります。それから、それ以外のいなかの地域につきましては、大体百五十平方メートルのまま、あるいは逆に二百平方メートルというふうに、大工さんから見れば緩和されているというところもございます。
  44. 斎藤昇

    斎藤昇君 条例で上げ下げできるのは、その地域とかあるいは建物の種類とか、そういうもので制限ができるだけで、おれの府県は全体的に二百平米にするとか、そういうことは許されないのでございますか。
  45. 鬼丸勝之

    政府委員鬼丸勝之君) ただいまお説の通り、建物の種類とか地域によって上げ下げするということでございます。
  46. 斎藤昇

    斎藤昇君 この面積がだんだん狭められてくると、建築士でなければやれないという建物が多くなってくるわけですが、現在でも建築士は、ただ看板料だけ取って実質的な仕事はやらぬというようなことはないのかどうか、またこの引き下げによって適用建物が多くなってくると、建築士の数が何といっても、あとで二級建築士の数を増すのでありますけれども、それでも建築士の数は少いというので、実際責任は持たぬけれども、手数料をだいぶ取るというような、そういう弊害は現在ないか、また将来はどうであるか、またこれらに対してどんな監督をやっておられるか、それを一つ……。
  47. 鬼丸勝之

    政府委員鬼丸勝之君) 従来におきましても、名義だけで設計なり設計監理を実質的にやらない者もままあったようでございますが、その点は今後十分に行政措置によりまして指導いたしたいと考えております。今回は経過措置で二級建築士がある程度新たにふえます。この人たちのはっきりした数字的なことは申し上げかねますが、先ほど田中提案者からも御説明がありましたように、相当長年の実務経験を持っておるというような者が多いわけでございますから、こういう人たち建築士になりました場合には、みずから設計なり設計監理をやるというふうに期待されますので、経過措置によって救われる分につきましては、私ども名義だけで実際に仕事をしない者は少いと考えております。しかしながら、お話の点は十分注意いたしまして、今後そういったことのないように指導いたして参りたいと考えております。
  48. 斎藤昇

    斎藤昇君 それらの監督は現実にどんな方法でやっておられますか、そうしていまのような事態に該当した場合にはどんな処分をしておられるのか、また実例等があれば、統計等があればなおいいが、お知らせ願いたい。
  49. 鬼丸勝之

    政府委員鬼丸勝之君) 現在は地方庁の建築基準法の主管課におきまして、この監督をいたしております。基準法とあわせて建築士法上の監督もいたしておるわけでございますが、建築士が法令違反なりその他の事故を起しました場合の処分につきましては、軽いものは戒告処分、それから業務を行なっておる建築士につきまして、情状で相当重いものは業務の停止、さらに免許の取り消しという処分方法がございますが、現在正確な私は数字をちょっと持っておりませんので、これらの処分がどの程度行われたかの実績等につきましては、場合によりましては後ほど資料をもちましてお答えいたしたいと思います。若干免許取り消しの事例もございます。
  50. 斎藤昇

    斎藤昇君 おそらくこの建築士資格のない人は仕事はやりたいが、しかし資格がないから、その資格だけちょっとあなた手数料的にやってくれというのが私は相当あるんじゃないかと思うのです。これはおそらく監督の面から発見しにくいだろう。そういう苦情が高まってきて、そうして県庁の役人の耳にでも入るということになってくれば別ですけれども、まあこんな法律ができて、長いものには巻かれろで、しょうがないのだと、ただ法律を恨んでいる、法律が出たために実際上は何の役にも立たないのだけれども、手数料だけ建築士に取られるというような事例が相当現在あるように私は思うのですけれども、これらの事例は特別に一つそういうことのないようにお願いしたいし、それからこういう法律が出れば、ますますそういうものを増すおそれがないかどうか。
  51. 田中一

    田中一君 まことにごもっともな御質問で、現行法建築士資格と、それから依頼者の依頼を受けて代理行為をするという二つの面を持っているのです。業と資とを持っているために非常にあいまいな点が多々あるのでございます。大体現在の一級建築士と二級建築士の分布状態を見ますと、大部分のものは請負人の番頭さんなんです。この人たち建築士資格は持っておりますが、業務をいたしておりません。それから次に位するものは学校の先生とか、それから国または地方公共団体の役人が多いのです。公務員が多いのです。こういう人たちが主として御指摘のように依頼を受けて、業は営んでいないけれども、資格があるからその届出代理事務ができる。報酬はもらいますと業務になりますから、この法律の業の方の制約を受けますけれども、報酬は受けないのだという前提で代理行為を行い、多少お小づかいをもらっているという点が多々あるのです。法律の盲点はそこにあるのじゃないかと思うのです。現在今度の改正によりまして二級建築士ができることは、これ自体が全部業を営んでおります。従ってこの人たちはむろん自分でおやりになるということになっております。この法律の一番の盲点というのは役人とか、学者とかなどが業を営まないで報酬をもらっているという点があるのではないかというところに問題がありますので、今後ともこの建築士法の全面的な改正ということは、おそらく政府でも考えているのじゃないかと考えておりますが、今回の改正によりますところの適格者が二級建築士になる場合には、おのおの全部自分で業を営んでおりますので、そのように依頼者に迷惑をかけるというような点は絶無であるというように考えて括ります。
  52. 斎藤昇

    斎藤昇君 今お話の二級建築士の増加の問題ですが、一定の学歴または一定年数の実務経験を有する者については云々とありますが、この選考基準というものは全部知事におまかせになるお考えですか。
  53. 田中一

    田中一君 建設大臣が一応選考基準をきめまして、全国一律に実施さしております。これは昭和二十六年の実施のときにそのような措置をとったのでございます。
  54. 斎藤昇

    斎藤昇君 その建設大臣のきめる基準はどのように——もう御質問が前にあったのならよろしゅうございますが、ないなら、建設省としてはどんな基準をおとりになりますか、との法律が通ったとした場合。
  55. 鬼丸勝之

    政府委員鬼丸勝之君) 建築士法が制定当初、やはり二級建築士選考基準というものを大臣の告示で出しておりますが、この内容そのままでも当てはまらない面がございますので、今回はさらに中央に中央建築士審議会というのがございます、それから地方にもございまするが、この建築士審議会の意見を十分聞きまして、具体的な成案を得たいと考えております。現在のところまだそういうわけでございまするから、具体的な案がございません。
  56. 斎藤昇

    斎藤昇君 今のお話地方委員会ですか。
  57. 鬼丸勝之

    政府委員鬼丸勝之君) 失礼しました。この選考または考査基準につきましては、中央建築士審議会に正式に諮りまして、具体的な基準をきめたいと、かように考えております。
  58. 斎藤昇

    斎藤昇君 とにかく、今度は二級建築士相当増そうという、これがまあ提案者の御趣旨だろうと思う。それに合うためには、そうしてまた実情に合うためには大体どの程度のものであるならば、提案者の趣旨あるいは法律の趣旨に沿うだろうという御見当が、正確なものは今すぐには無理かもしれませんが、大体この程度ならば、どのくらいの人が二級建築士として試験を受けないで免許を受けられるという御見当がつきませんか。
  59. 田中一

    田中一君 現行法付則にこうなっております。ちょっとめんどうですが、読み上げます。    二級建築士となるにふさわしい知識及び技能を有すると認められたものは、第四条第二項の試験を受けないで、二級建築士免許を受けることができる。   一 旧大学令による大学において、正規建築又は土木に関する課程を修めて卒業した後、建築に関して一年以上の実務の経験を有する者   二 旧専門学校令による専門学校において、正規建築又は土木に関する課程を修めて卒業した後、建築に関して二年以上の実務の経験を有する者   三 旧中等学校令による中等学校において、正規建築又は土木に関する課程を修めて卒業した後、建築に関して五年以上の実務の経験を有する者   四 前各号に掲げる学校と同等以上又はこれに準ずる学校において、建築又は土木に関する課程を修めて卒業した後、建築に関してそれぞれ前各号に揚げる年数以上の実務の経験を有する者   五 建築に関して十年以上の実務の経験を有する者  4 前二項の規定により、建設大臣又は都道府県知事選考を受けようとする者は、建設大臣の定める業務経歴書を添えて、昭和二十六年四月二十日までに、それぞれ建設大臣又は都道府県知事に申請しなければならない。  この建設大臣と申しますのは、一級建築士の場合でございます。  5 左の各号に掲げる者については、前頭中「昭和二十六年四月三十日までに、」とあるのを「その引揚の日又はその拘禁を解かれた日(これらの日が昭和二十八年八月十四日以前であるときは、同年八月十五日)から一年以内に、」と読み替えて同項の規定を適用する。  これは昭和三十年八月二十二日法第百七十三号で改正されたものでございまして、その内容は、  一 昭和二十年八月十五日以前から引き続きソビエト社会主義共和国連邦、樺太、千島、北緯三十八度以北の朝鮮、関東州、満州又は中国本土の地域に在留していた者であって、昭和二十六年四月一日以後に引き揚げた者  これが特別に三十年に改正されて追加されたものであります。以上が大体において二級建築士選考基準でございます。
  60. 斎藤昇

    斎藤昇君 それは、まあ一つ経過措置みたいなそれを、今後は全般的に経過措置でなくて、その経過措置で救済したものと同じ措置を今後はもうずっと恒常的にやっていこう、こういうお考えですか。
  61. 田中一

    田中一君 このたび提案されておりますところの本法案が少くとも大工さんその他の業務範囲を縮めるものであるから、この際経過措置として、今回だけこの措置をとりたいということでございます。で、毎年引き続きこれをやって行こうという考えは持っておりません。
  62. 斎藤昇

    斎藤昇君 今回だけの経過措置というのはちょっとおかしいような気持がしますがね。こういう一定年数の経歴を持っている、ある一定の学歴があると、今言われるような者があれば、これを恒常的なものにされないで、ただ、今の経過的措置だけだという趣旨はちょっとのみこめませんが、先ほど御説明になったようなものは、今まで本法が適用された当時に日本にいなかった、そういうものを救済する必要があるから、この年だけの経過措置としての必要があると思いますけれども、いやしくも二級建築士としては、今度提案されたような学歴、あるいは一定年数を持っておれば選考免許ができるんだということであれば、これは恒常的なものにされて然るべきじゃないか、経過的なものにされなくちゃならぬ理由はどこにあるのか。これを恒久的なものにするのは非常に無理だが、まあ百平米まで引き下げたからそれで暫定的に不足をきたすかもしれない、これだけの理由であれば、すでに暫定的な引き下げをすること自身が無理をするということになるんじゃないかという感じもするわけです。むしろこれでいいというなら、恒久的なものにされていいんじゃないかと思いますが、それでは何か非常に不安があると提案者考えておられますか。
  63. 田中一

    田中一君 今、斎藤さんの御質問された通りなんですが、私はそう思っているのでございます。私自身としては、もう一定資格があればどんどん建築士にしてしまう。一級建築士または二級建築士の条件があれば資格を与えてしまう。そうして業を営むときに、これは社会に非常に影響のあるものですから、業を営む場合に高度の試験をもって許可条件にするということを考えているのです。現行法ではそうでないようでありますので……。
  64. 石井桂

    ○石井桂君 斎藤先生のただいまの御質問なんですが、建築士法制度がきまりましたときには、大工さんや何かは技能者として実際に家を作るまあレーバーなんです。そのレーバーにまかしておくと、建築の質が向上できないというので、設計とか、工事の監理に相当技能のある者を建築士という資格を与えまして、そうして建築の質をよくして行こう、こういう制度なんでありまして、従って建築士には必要な知識と経験を有する者をまあ規定して、そうして試験をして、ある基準に達した者のみを建築士にしたい、こういう制度なんです。そこで初めから全般的に試験制度を用いまして、試験に合格した者のみを建築士にするということ、これが理想であります。理想でありますが、との制度が突然施行されますと、実際に今まで働いていた建築屋の中で失業する者がずいぶんある。また大工さんを含めた建築屋が失業するものがあるというので、暫定的に建築士法ができたときにその選考基準ができたかと思います。そこで今回は百五十を百におろすのでありまして、できるだけ建築仕事をよくしようと、こういうことにするわけでありますから、そのときに理想を言えば、やはり建築士試験を受けて合格した者のみに建築士仕事をさせるのが理想だと思います。まあ今回百五十から百におろしたことによって、とりあえず困るというものを暫定的に救うという措置を法で講じたわけであります。ですから、建築士法理想からいえば、非常なむずかしい試験なんですが、原則としては暫定的にしたい……。
  65. 田中一

    田中一君 建築士法資格というのは試験制度になっているのでございます。これは原則なんです。一定の学校を出ても試験を受けて建築士となるということになっているのです、これが原則なんです。今回の場合はこれは経過措置としてやったわけです。
  66. 斎藤昇

    斎藤昇君 こういう経過措置をとらないと非常に不便を来たすという、こういうことですか。数的にどういうお見込みでこういう暫定的なものをお作りになったのですか。原則からいえばこんなことはいやなことなんだ、いやなことを今暫定措置として講じなければならぬ、そこまでやって百五十平米を百平米まで切り下げなければならぬ、これは両方とのかね合いだろうと思いますが、まずどのくらいの人数が不足するということから暫定的に救済をしようというお考えなんですか。
  67. 田中一

    田中一君 そのように開き直って御質問受けると、はなはだ答弁に苦しむのですが、大体におい現行法おいても条例おいても、百五十平米を百平米に下げることもできるし、二百平米に上げることもできるのです。大体において傾向として都市計画、その他各新しく町村合併したところも都市計画を施行するというところもたくさんございます。そうなりますと、必然的に坪数は軽減されるということになるのです。傾向としては百五十平米を伸ばすよりも縮めるという傾向が起って参ります。たとえば住宅金融公庫にいたしましても、これは百平米に押えております。百平米の場合は建築士でなくてはならぬ、三十坪は建築士でなければならぬとこうなっております。従来は大工さんが全部できたのでございますけれども、こうして押えますと、今までの大工さんその他が自分の職業を失うということになるのです。しかしその大工さんがどうかといいますと、二級建築士資格を十分持っている、実務の経験もあり、かつ年々歳々変って参りますところの建築基準法、その他の法規というものを勉強しながらやっておるという点では、いわば無資格者業務範囲が減るという点も救はなければならぬということになるわけでございます。しかし今言う通り、そういう条例でそういう伸び縮みができるのだから、何もそういう百五十平米を百平米に縮める必要はないじゃないかということも言えるのでございますのですが、傾向として都市計画の区域に対しては、先ほど政府から答弁がありましたように、百平米に押えているということになりますと、町村合併その他で相当今後とも傾向としては資格がありながら、法の改正によって業務範囲が減るということも見込まれるのでございます。そこでこの際当然そういう傾向ならば、それを明文化して百平米に押え、そうしてその実務もできるという有資格者を、この際選考並びに考査によって資格を与えようという点でございます。先ほども御答弁申し上げたのですが、これは昭和二十六年にこの法の施行がございまして、その際には建築士になりますには、二千円の金と千円の業務開始の資本が必要なんでございます。昭和二十六年のころはまだ経済界も混乱しておりましたし、大工さん等も三千円の金が非常に高い、そこでそういうものを知っていながら申し出をしなかった方々もたくさんいるし、かつまた、政府広報活動も非常に弱くて、自分がそれに該当するかしないかわからんような方々もあったようでございます。そういう点で当然資格がありながら、漏れた方々をこの際救うべきではないかということで、本法案提案になったのでございますので、斎藤さんもそのために御賛成を願ったので、その点は十分御理解を願いたいと思います。
  68. 斎藤昇

    斎藤昇君 私は反対はいたしておりません。しかし、十分やはりこの委員会の権威のためにも審議を尽しておきませんといかぬと思いましたので、御質問申し上げておるのであります。  もう一点だけお伺いいたしますが、提案理由説明によりますと、建築士会公的機関として設けるのだ、こうございますが、この法律の体裁から見ると、公的機関という点がどこにあるのか、その点をお伺いいたしたい。
  69. 田中一

    田中一君 民法三十四条の法人格を持つ団体ということに考えております。従って法人格を持つという点を明らかにしてございます。
  70. 斎藤昇

    斎藤昇君 民法により法人格を持った建築上会というのは、こういう法律がなくても当然できると思うのであります。そこで、民法による法人は公的機関というわけじゃない。むしろ私的機関であって、この法律に得に取り上げられた理由は、何らか公的な性格を持つものだ、提案理由説明には公的機関とありますが、民法によるものであって、そうして特別に作らないで本よい、こんな規定がなくても当然作り得るも一のだと思うのです。昔のような、昔といいますか、結社なんかの自由がない、これがなければできないというならば別ですよ。今の日本の憲法を見れば、こんな規定は何の必要があって置かれるのだろうという感じを一般に持つだろうと思います。
  71. 田中一

    田中一君 まことにその通りでございます。私もその点非常に心配しまして、あってもなくてもいいものでございますが、しかしながら、現在でもほかのこうした司法業法にもそういう形の立法例がございますので、ほかの団体にそういう立法例があるにかかわらず、建築士だけがなくてもいいというわけにもいきませんので、これは率直に申しますと、建築士会の方の御希望によってほかの立法例と同じように明記をしたという点でございます。一つ御了承願いたいと存じます。
  72. 斎藤昇

    斎藤昇君 少くとも田中先生のような進歩的な考を持たれる人が、しかも、建築士会相当リードしておられる方が、そんなものはあってもなくても同じじゃないか、これは法律万能というか、法律に書いてもらったらそれだけ権威があるのだというような考え方は昔の考え方で、今の考え方はそんなものじゃないのだ、こういうように御指導をされる立場におられるのじゃないかと思っておったわけなんです。それについて……。
  73. 田中一

    田中一君 これは率直に言って私はあなたと同様なんですよ。しかし、そういうことがどうしても必要だという建築士会の方の御意向があったので、それではほかの立法例にならってしょうという点でございます。従って、どうも斎藤さんは痛いところばかり質問されるので答弁に窮してしまうのですが、あなたの御質問と全く私全部同感でございます。そこで今の第三項の経過規定をもって一切の問題を解決したいということになったのでございますので、御了承願います。
  74. 石井桂

    ○石井桂君 委員長ちょっと。提案者の一人といたしまして、斎藤先生の疑問を解くのに少し足しになるかと思って申し上げます。  建築士会法律に明記いたしますことは、これに権威を持たせるというふうな考え方ははなはだ民主的でないようなお言葉ですが、今実際に建築士会に入っている人間が二万五千人くらいございます。登録済みの人が七万数千人ございまして、実際に建築士のお互いの向上のために三分の一の人が会費を払って、一生懸命で全体の技術向上に、建築の質の向上に努力しております。それで一般会員の大部分は、やはり建築士会法律上明定されることが非常に権威を持たしめるゆえんだと考えておるわけです。現状がそうでありますので、一つこれは蛇足かもしれませんが、そういうことによってまあ建築士会が健全に発達していって、そうして建築文化活動がなお伸長するということは望ましいのじゃないかと、こういうふうに考えまして、提案者の一人として自分の考えていたことを申し上げて御参考に供したいと思います。
  75. 斎藤昇

    斎藤昇君 現状がそうだということで私も了承いたしますが、ただ法律にあれば権威があるのだというような考え方は、もうできるだけ払拭していって、そうしてもっと民主的運営のできるように今後一つ指導をお願いいたしたい。これで私の質問を終ります。
  76. 坂本昭

    ○坂本昭君 田中委員に三つほどお伺いしたい点がございます。第一は、改正法の付則の第一に「第三条の二第一項第二号の改正規定は、昭和三十三年一月一日から施行する。」というふうになっておりますけれども、これは考査に対する準備などのことを考えまして、三月三十一日からにしてはいかがかと思うのでありますが、その点について田中委員お尋ねいたしたいのでございます。
  77. 田中一

    田中一君 まことに、この法律案がもし通過いたしましたならば、資格を持っておる方々を全部選考並びに何といいますか、考査によって救い上げたいというのが前提でございます。ただ三十三年一月一日から施行するということにいたしましたのも、別に他意はございません。まずこの辺でよいのではないかという点でございます。従って実情が実際に三月三十一日……、ちょっともう三月程度延ばした方が法律改正の趣旨、いわゆる有資格者資格を与える機会を完全に与えられるのだという点になりますならば、提案者といたしましても三月三十一日に延ばすことに対しては、その御修正は喜んで受けるつもりでおります。ただ一言申し上げておきたいのは、坂本先生も賛成者の一名になっておられるので、まことにきょうここの委員会で皆さん方が先ほど……、北先生だけが賛成者じゃございませんので、その点もし御意向がそのようでございますならば、北先生から修正案をお出し願えればよろしいのではないかと思うわけでございます。その点は今申し上げたように、一向御修正になりましても、私どもはかえって法律の実を結ぶことになりますから、御質問のような結論になりましても差しつかえないと存じます。
  78. 中山福藏

    委員長中山福藏君) 田中先生、北先生は賛成者になっておられるのですがね。
  79. 田中一

    田中一君 おられないでしょう。
  80. 中山福藏

    委員長中山福藏君) いや、なっておられるのです。
  81. 田中一

    田中一君 それではこの趣旨を十分に衆議院の方に通じまして、衆議院の方で御修正していただけるような措置がとられれば幸いと存じます。
  82. 石井桂

    ○石井桂君 今の坂本先生の御質問は、三条の二の第一項第二号の改正規定というのは、百五十平方メートルを百平方メートルにすることは三十三年一月一日でございますから、二級建築士試験の期日には関係ないんでございますがね。それをちょっと参考に申し上げておきます。
  83. 田中一

    田中一君 ちょっと石井さん、あなたこっちへきて下さいよ。
  84. 石井桂

    ○石井桂君 参考に申し上げたんです。
  85. 田中一

    田中一君 参考じゃ困る。それはやはり三月三十一日は三月三十一日にいたしませんと不都合がございます。やはり明年の一月一日実施になりますと、すっかり試験をおえなければならぬ。従って、今石井さんの言っていることは答弁の食い違いがございますが……。君、提案者だから参考じゃ困る。そのような御要求ならば、そのようにすることもやぶさかでございませんということで御了解を願いたいと思います。
  86. 坂本昭

    ○坂本昭君 私もそれは、やはり今の石井先生の参考というのはわかりますが、やはりこの建築士資格についての期日だと思いますので、一応今田中委員の御説明もありましたが、政府委員の方の御意見もお伺いしておきたいと思います。
  87. 鬼丸勝之

    政府委員鬼丸勝之君) ただいま坂本委員から御質疑の、付則の一項の一月一日を三月末に改めるという点は、私どもとしては差しつかえございません。ただこの改正案で一月一日から施行するということになりましても、選考なり考査を終るのには十分間に合うのじゃないかというふうに考えておりまして、二項に「政令で定める日」というのがそれぞれございますので、三項にもございますが、これは大体今年の八月三十一日までに選考申請を受け付けまして、そうしてその後年内に選考なり考査を終りたいというふうな考え方でこの改正案ができていると思います。
  88. 中山福藏

    委員長中山福藏君) 速記をとめて。    〔速記中止
  89. 中山福藏

    委員長中山福藏君) 速記を始めて。
  90. 坂本昭

    ○坂本昭君 次にもう一つ、これは少しこまかい点になりますけれども、技能者養成指導員の免許を持っている人、こういう人が二級建築士試験を受ける場合に、これは実際の実情をお伺いしますというと、この指導員の免許をとるためには国家検定を受けなくちゃならぬ。その検定試験内容というものは、二級建築士試験よりももっとむずかしくて、言わば建築士試験を受ける場合にダブるような科目が出てくるようなんです。もうすでに指導員の検定を受ける場合に受験した科目というものは、これは建築士試験を受験する場合に免除されてもいいのじゃないか、こういう点施行規則で改正される御意図はないか、この辺についての田中委員並びに政府委員の御見解を承わりたいと思います。
  91. 田中一

    田中一君 労働省がそういうような資格を与えているのでございますが、当然専門の知識、技術を持っている方でございますから、年限の短縮は望ましいと存じます。従って、提案者としては一向差しつかえございませんが、労働省並びに建設省の関係でございますから、政府の方で労働省と話し合いの上、経験年限数をいわゆる加算する措置をとってもらえるならば提案者としては賛成でございます。
  92. 坂本昭

    ○坂本昭君 今の受験の科目を、技能者養成指導員の資格を持っている人の場合には、その技能者養成指導員になるときの受験科目はもう建築士を受けるときに免除してもらってはどうかという点でございます。
  93. 田中一

    田中一君 御提案の趣旨ごもっともでございますので、私はそのような措置労働省並びに建設省がとって、打ち合わせの上で審議会にも審議をしていただき、当然そういうことになろうと考えております。
  94. 鬼丸勝之

    政府委員鬼丸勝之君) ただいま坂本委員お尋ねの事につきましては、指導員の経験と申しますか、その経歴を学歴としてある程度見るかどうかということによって年限の短縮の問題が出てくると思いまするが、この点よく一つ労働省とも相談をいたしまして、善処いたしたいと考えております。
  95. 坂本昭

    ○坂本昭君 もう一つ。やはり今の技能者養成に関することですけれども、その今の技養の修得期間がすでに済んでしまった人が建築士試験を受ける場合に、こういう場合に、これは先ほど田中委員説明のときに若干触れたかもしれませんけれども、こういう技養修得期間終了者の受験資格は、終了後四年にしていただけないだろうか、どうだろうか……。
  96. 田中一

    田中一君 四年とか五年とかというそういう年数の点は、ちょっと私もどれが妥当性があるかはちょっとここでもって御答弁はできませんが、当然専門の学術、技術を修得した者でございますから、そのような措置政府としては当然とるべきであるという考えを持っております。
  97. 重盛壽治

    ○重盛壽治君 ちょっとお聞きしますがね、先ほどの二級にする資格について、学校出についてはそれぞれ学校を出てから何年という問題があったんだが、古い大工さんだと、いわゆるもう徒弟制度のうちにたたき上げられて、今りっぱに大学を出たりあるいは高等学校、専門学校を出た以上の技術をもってやっている人たちがいるんですが、こういう人たちについてはどういうふうに考えておられますか。
  98. 田中一

    田中一君 先ほどるる御説明を申し上げたんですが、大体提案者考えといたしましては十年以内、本法律案改正によりまして十年の経験年数を持っておる者、ただ二十六年のときには二十年を実施しております。法律には十年以上になっておりますが、実際やったのは二十年でございます。今回の改正によりまして、十年を経験年数といたしまして、それからたとえば先ほど坂本委員からの御質問のあったような技養で修得をした方々はその年数だけを加算する、いわゆるその年数から経験年数を差し引くというような措置をとりまして、そういう優秀な技術を持った方々が全部網羅して二級建築士資格をとれるというような方法に持っていきたいと存じております。またそうなるものと確信しております。
  99. 重盛壽治

    ○重盛壽治君 もう一点、この建築士会ですが、今御説明によると、だいぶたくさんの人々が入っておると、ところが建築士会にかりに入らなければ、そういう資格がとれるかとれないのかということと、それからどうしても入らなければいかぬと、いわゆる強制加入的なものであるかどうかと、その点をちょっとお聞きいたします。
  100. 田中一

    田中一君 その点も先ほど斎藤さんからも御質問があったので、るる御説明を申し上げましたが、強制加入の意図は全然持ってございません。  それからもう一点、建築士資格を持ちませんと、建築士会の入会はできないようになろうかと思います。しかしながら建築士会というものは全国組織が一つあろうと二つあろうと、地方に、都道府県おい一つあろうと二つあろうと、一向その点は制限をいたしておりません。従って全国組織が二つのものができようと、三つのものができようと、そういう点は自由でございます。
  101. 重盛壽治

    ○重盛壽治君 建築士会に人らぬと、やはりその二級建築士としての資格がもらえないということになると、これもまた斎藤さんの御質問とダブるだろうけれどもそういうことになると、やはり強制加入はさせないんだが、現実には加入しなければその資格はもらえないと、そうするとやはり建築士監督していくということになると、現実に今までやってきたのだが、その資格をとることの方が対外的な信頼性云々というようなものが出てくるので、やはり強制加入的なもののにおいが若干するということと、それから幾らできてもいいとおっしゃるけれども、それじゃ何人以上ならばそういう建築士会というものを認めるかどうかという規定があるかどうか。  それからもう一つ、どうせついでだからお聞きしておきますが、「会員の指導及び連絡に関する事務」、連絡はいいが、指導をするのはどういう人が指導の任に当り、どういう選び方によってこの会員の役員というものができ上るのか、その点、まあ合計してお考えを聞かして下さい。
  102. 田中一

    田中一君 現在でも任意団体として建築士会がございます。これはございますが、これに入会していない者が相当ございます。従って建築士会というものが明文化されましても、入らぬでも自由でございます。  それから役員その他はむろん定款によりまして民主的な運営をしておるものと信じております。  この指導の点は、建築士会という法人格指導をして、そうしてそれに属する建築士がその指導を受けるということになりますので、団体があった方が的確な指導機関としての性格を持てるものではなかろうかというふうに考えております。
  103. 重盛壽治

    ○重盛壽治君 そこは大体よくわかりますが、従来資格のない人に資格を与え、そうして品位の保持、それから業務の進歩のためにやるということですから、趣旨には賛成でありますけれども、ただそういうことのために何か特に地方などに行くと考えられることがあるが、何かここに入らないと別な圧力があったりいろいろなものがあって、仕事がしにくくなるというようなことのないようにだけは一つ考えて、それこそ民主的にやられるようにしてもらいたいと思います。
  104. 田中一

    田中一君 むろんそのようになろうと考えております。また政府としてもそのような指導をするものと確信いたしております。
  105. 中山福藏

    委員長中山福藏君) それでは質疑はこの程度にいたします。   —————————————
  106. 中山福藏

    委員長中山福藏君) 次に駐車場法案議題に供します。まず本案逐条の御説明政府委員からお願いいたします。
  107. 町田稔

    政府委員(町田稔君) 駐車場法案の各条につきまして、概略の御説明を申し上げます。  まず第一章は総則でありまして、この法律の目的及び用語の定義についての規定を設けております。  第一条はこの法律の目的を規定したものでありまして、都市における自動車の駐車のための施設の整備に関し必要な事項、すなわち駐車場整備地区の指定、路上駐屯場及び路外の設置及び維持管理並びに大規模建築物における駐車施設の付置に関する事項を定めることにより、道路交通の円滑化をはかり、公衆の利便に資するとともに都市の政治、経済、文化等の機能の維持及び増進に寄与することが、この法律の目的である旨を明確にしたものであります。  第二条は、この法律で用いられております路上駐車場、路外駐車場、道路、自動車及び駐車の意義を定義したものでありますが、そのうち特に重要な路上駐車場より路外駐車場について御説明いたします。  路上駐車場とは、駐車場整備地区内にある道路法の道路の路面に区画を明確に表示して設置される自動車の駐車のための施設でありまして、広く一般の利用に供されるものであります。また路外駐車場とは、道路の路面外、すなわち道路外の場所または道路の地下に設置される自動車の駐車のための施設でありまして、一般の利用に供されるものをいうのであります。  次に第二章におきましては、駐車場整備地区の指定に関し規定をしております。すなわち第三条におきましては、駐車場整備地区は都道府県知事の申し出に基いて建設大臣が都市計画法の定める手続によって指定するものとし、建築基準法第四十八条第一項に規定する商業地域内で自動車交通が著しく輻湊する地区について、道路の効用を保持し、円滑な道路交通を確保するための必要があると認められる場合に指定する旨を定めたものであります。なお駐車場整備地区の指定に際しては、道路交通取締りと密接な関係がございますので、建設大臣または都道府県知事は、それぞれ国家公安委員会または都道府県公安委員会意見を聞かなければならないものとしたのであります。  次に第三章は、路上駐車場に関して必要な事項を規定したものであります。第四条は、路上駐車場設置計画の決定及びその変更について規定したものでありまして、都道府県知事政令で定める基準に従って、建設大臣の承認を得て決定し、変更するものとしております。この路上駐車場設置計画は、駐車場整備地区における路外駐車場に収容することのできない自動車の駐車需要に応ずる路上駐車場の配置及び規模に関する計画でありまして、路上駐車場の設置が路上駐車の禁止または制限と密接な関係があり、設置の主体が道路管理者たる地方公共団体でありますので、都道府県知事はあらかじめ都道府県公安委員会及び関係道路管理者の意見を聞いてこの計画を決定しなければならないものと規定しております。また建設大臣が路上駐車場設置計画を承認しようとするときは、陸上運送との調整をはかるため、あらかじめ運輸大臣の意見を聞かなければならないものとしております。  第五条は路上駐車場の設置及び廃止に関する規定でありまして、路上駐車場は道路管理者である地方公共団体が、前条の規定により建設大臣の承認を受けた路上駐市場設置計画に基いて設置する旨を規定いたしますとともに、路上駐車場は格外駐車場によっては満たされない自動車の駐車需要に応ずるためのものでありますので、路外駐車場の整備に応じて逐次廃止されるものと定めております。  第六条は、通路管理者である地方公共団体は、路上駐車場に自動車を駐車させる者から、条例で定めるところにより駐車料金を徴収することができる旨を規定しております。ただし駐車料金は消防自動車、救急自動車等の緊急自動車及び公務に従事する自動車で、政令で定める自動車が駐車する場合、及び深夜その他自動車交通の少い時間内に駐車する場合には、これを徴収することができないものとしております。また駐車料金の額については、政令で定める額をこえてはならないものとするとともに、政令で定める額も駐車一時間につき五十円をこえることができないものとしております。なお不法に駐車料金を支払わずに駐車している者については、定められた駐車料金のほかに、その二倍に相当する額の割増金を徴収することができるものとして、違反行為を防止するために必要な措置を講じているのであります。  第七条は、前条の規定により徴収した駐車料金及び割増金の使途を限定したものでありまして、路上駐車場の管理に要する費用に充当するほか、駐車場整備地区内の地方公共団体の設置する路外駐車場の整備に要する費用に充てるように努めなければならないものとして、所要の路外駐車場をできる限りすみやかに整備し、その整備に応じて路上駐車場を逐次廃止し、もって道路交通の円滑化をより一そうはかることができますような措置を講じた次第であります。  第八条は、路上駐車場の位置を明確に表示するため、道路管理者が道路法の規定による道路標識及び区画線を設置しなければならない旨、並びに駐車料金の額の表示その他路上駐車場の利用に必要な事項を表示するため、道路管理者である地方公共団体が標識を設けなければならない旨を規定しております。  第九条は、以上各条に規定するもののほか、路上駐車場の設置その他路上駐屯場に関し必要な事項を政令で定めるものといたしたのであります、  次に第四章におきましては、路外駐車場に関し必要な事項を定めておりましす。  第十条は、建設大臣に対し、駐車場整備地区の指定に伴う路外駐車場の配置及び規模についての都市計画決定の義務を課するとともに、地方公共団体に対し、都市計画に基く路外駐車場の整備に努力義務を課したものであります。  第十一条は、路外駐車場の構造及び設備の基準に関する規定でありまして、建築基準法その他の法令のほか、新たに技術基準を定めることとし、自動車の駐車の用に供する部分の面積が五百平方メートル以上であるものの路外駐屯場の構造及び設備は、この技術基準に関する政令に上らなければならない旨を規定したものであります。  第十二条は、都市計画法第二条の規定により定められておる都市計画区域内において、有料の路外駐車場で自動車の駐車の用に供する部分の面積が五百平方メートル以上のものを建設し、管理しようする者は、あらかじめ都道府県知事に路外駐車場の位置及び規模、構造、設備その他必要な事項を届け出なければならない旨を規定したものであります。  第十三条は、駐車場管理者がその路外駐車場を一般の利用者の利用に供しようとするときは、あらかじめその業務の運営の基準である管理規程を定めて都道府県知事に届け出なければならないこと、並びに管理規程の必要的記載事項及び駐車料金の額の基準政令で定める旨の規定であります。  第十四条は、届け出にかかる路外駐車場の休廃止及び休止しておる路外駐車場の再開に際しては、前条と同様にあらかじめ都道府県知事に届け出なければならない旨を定めたものであります。  第十五条及び第十六条は、駐車場管理者の責務について規定したものでありまして、第十五条は、路外駐車場の公開の義務及び管理規定に従って業務を運営すべき旨、並びに構造及び設備の適法維持義務を規定したものであります。第十六条は、自動車の保管に関し善良な管理者の注意義務を尽すべき旨を規定したものであります。  第十七条は、都市計画として決定された道路または公園の地下の路外駐車場の建設について必要な道路法または都市公園法の規定による占用の許可の特例を規定したものであります。  第十八条は、都道府県知事の駐車場の管理者に対する報告の聴取及び資料の提出要求権、並びに立ち入り及び検査の権限を規定したものであります。これらはいずれもこの法律を施行するために必要な限度おいて認められる旨を一規定したものであります。  第十九条は、都道府県知事の、駐車場管理者の違法行為に対し是正命令を発する権限を規定したものでありまして、特に路外駐車場の構造及び設備が利用上著しく危険であるときは、駐車場管理者がそれを是正するまでの間は、その路外駐車場の供用停止を命ずることができるものとして、利用者の安全が脅かされることがないようにいたしております。  次に、第五章におきましては、大規模建築物における駐車施設の付置について規定いたしております。すなわち第二十条においては、地方公共団体が駐車場整備地区内及びその周辺の条例で確める区域内において、延べ面積が三千平方メートル以上の大規模建築物の新築または増築をする者に対し、その建築物またはその建築物の敷地内に駐車施設を設けることを義務づける条例を制定することができる根拠を与えたものであります。ごく大規模の建設物は駐車需要の著しい増加をもたらすものでありますから、その建築物に適当な駐車施設がないときは路上駐車の増加を来たし、道路交通をさらに悪化させることになりますので、大規模建築物を新築または増築する場合には、一定規模の自動車駐車施設の付置を義務づける旨の条例を制定できるものとしたものであります。  第六章におきましては、この法律の施行を担保するために必要な罰則規定を設けております。すなわち路外駐車場に関してその設置及び管理の届出、または是正命令の違反について罰金刑を課し得る旨を定めたものであります。  なお法律案付則におきましては、この法律の施行期日、経過規定及びこの法律の施行のために必要な関係法律に所要の改正を行うための規定を設けております。  以上で簡単でございますが、この法律案の各条についての概略の御説明を終ります。
  108. 中山福藏

    委員長中山福藏君) それでは、質疑は次回に譲りまして、本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十二分散会    —————・—————