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参考人(鈴木敬一君) 私からお答えしてよろしいかどうかと思いまするが、現在総裁についての規定が第十条の一項にございまして、すぐ二項に、
理事についての
職務権限が規定してございます。
理事は、総裁の定むるところによって公庫を代表し、それから総裁を補佐して公庫業務を掌理する、でしたか、ということが
職務権限になっておりますので、
理事でも公庫を代表し、あるいは総裁を補佐して業務を掌理するということはできない限りではないんでありまして、まあいわば現在内部規定だけで一人の
理事を指名しまして、いわゆる副総裁にしておったというのもまあその条文から出ておる次第であります。ただこれが内部規定でその十条の現在の第二項に足場を置いて、内部規定だけでやっておるという場合と、
法律上副総裁そのものをはっきり選任及び
職務権限をお定めになりまして、それによって副総裁が任用されるという場合とは、やはり外部に対する何といいますか、
法律上どちらかというと、それは一そう
法律上の力がはっきり明確に加わる、公庫を副総裁として代表し、あるいはまた総裁を補佐して業務を掌理するというようなことがはっきりして重みが加わる。それからまた外に対しまして、副総裁の
法律上の行為ということはめったにはないと思います。正式の
法律行為は、ただまあ総裁が欠員であるとか事故があった場合に総裁の名においてすべきものを副総裁がかわって
法律行為を営む、契約をするというようなことはもちろん大いにあり得るかと思います。現在までのは内部規定の副総裁でありまするから、
法律行為、すなわちこの公正契約でありますとか、他の人格者と契約を結ぶとか、そういうことには副総裁名で処理いたしたことがございません。たまたま私が総裁の任を受けまして、現実
職務を離れたことがなかったものですから、そういう場面も実は出てこなかったかと思いまするけれ
ども、現実ありませんかったけれ
ども、内部規定だけの、かりに副総裁ということでは、そういうことは実践上遠慮すべきものだ、少くも
法律上はあるいは無効だという
議論は成り立つかもしれません。少くも実践上は遠慮すべきものだというふうに
考えておりますけれ
ども、これを
法律ではっきり明定されますならば、そういう場合に当りましても、堂々と実は総裁の代行ということが有効に成り立ち得るかと思います。
それからもう
一つは、内部の役職員に対する取りまとめというようなことが、やはり内部規定だけでよりも、
法律に基く副総裁としての
職務権限ということが明定されますならば、たとえば今まで、またこの改正後も
理事及び副総裁加えて五名出すことは変らないのでありまするが、この五名がそれぞれ前歴なりそれからいろんな
関係が複雑と申しまするか、なっておりまして、その意味でも総裁がこれを統轄掌理するということは当然でありまするけれ
ども、その下を受けて副総裁が一応の統合的掌理をするということがきわめて内部に対しても明瞭に、しかもたやすく行えるかと、かように
考えた次第でございます。こういうことは、前から実は実現を私としてせいぜい希望しておりましたが、今日ようやく初めてこういう提案になりまして、非常に私としても多年の本懐を満たしていただけると、こういうことで非常に喜んでおるような次第でございます。一応ごあいさつ申し上げます。