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1957-03-20 第26回国会 参議院 建設委員会 第16号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年三月二十日(水曜日)    午後二時十六分開会     —————————————   委員の異動 本日委員坂本昭君辞任につき、その補 欠と一て松澤靖介君を議長において指 名した。     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     中山 福藏君    理事            石井  桂君            岩沢 忠恭君            西田 信一君            田中  一君            稲浦 鹿藏君            斎藤  昇君            中野 文門君            武藤 常介君            大河原一次君            北 勝太郎君   政府委員    建設政務次官  小沢久太郎君    建設省計画局長 町田  稔君    建設省住宅局長    事務取扱    鬼丸 勝之君   事務局側    常任委員会専門    員       武井  篤君   説明員    建設省計画局総    務課長     志村 清一君   参考人    日本住宅公団総    裁       加納 久朗君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○日本住宅公団法の一部を改正する法  律案内閣送付予備審査)     —————————————
  2. 田中一

    理事田中一君) ただいまより委員会を開会いたします。  委員変更の件を御報告いたします。三月二十日坂本昭君が辞任され、その補欠として松澤靖介君が指名されました。     —————————————
  3. 田中一

    理事田中一君) 日本住宅公団法の一部を改正する法律案を議題に供します。御質疑を願います。小澤政務次官町田計画局長鬼丸住宅事務取扱い、日本住宅公団総裁加納久朗君が出席しております。順次御発言を願います。
  4. 石井桂

    石井桂君 今度の公団法の一部改正によりまして、水面埋立地をやることになるわけでありますが、その埋立地の今年度予算単価というものがどのくらい見込んであって、そのうちに漁業補償はどのくらい見込んであるか、御説明願いたい。政府の方から一つ……。
  5. 町田稔

    政府委員町田稔君) 埋め立てにつきましては、単価を申し上げますと、大体坪当り三千七百五十円と考えておるのでございまして、ほかに漁業補償費といたしまして千円を予定いたしております。
  6. 石井桂

    石井桂君 千円でもって補償が十分でしょうかしら、今までの経験上……。
  7. 町田稔

    政府委員町田稔君) その千円につきましては、従来の漁業補償の実例を調べまして一応予定をいたしたのでございまして、従来は五百円から最高千円程度、千円より少し出ておる場合もございますが、一応五百円から千円程度補償がなされております。
  8. 石井桂

    石井桂君 そうすると、水面補償というのは、たとえば東京湾に例をとると、ノリだとか、カキだとか、ハマグリだとか、そういうもののほかに魚だとか、そういうものを全部入れてですか。
  9. 町田稔

    政府委員町田稔君) 全部入れてでございます。
  10. 石井桂

    石井桂君 そうすると、大体坪当り四千七百五十円が埋め立てに要する費用だと、こういうふうに考えていいわけですね。
  11. 町田稔

    政府委員町田稔君) 漁業補償及び埋め立て後の各種の工事をしまして、ただいま先生のおっしゃった数字になります。
  12. 石井桂

    石井桂君 この三千七百五十円というのは、非常に私は少いように思うのですが、これはあくまで——たとえば満潮になっても水深が二メートルとか、一メートル半という遠浅のところだけを対象としておるのですか、それとも非常に深い三メートルとか四メートルあるようなところまでも入れてあるのですか。
  13. 町田稔

    政府委員町田稔君) 大体埋立地といたしましては、埋め立ての深さが五メートルといたしまして、計算をいたしてございます。
  14. 石井桂

    石井桂君 そうすると、五メートルというのは平均でありますか。
  15. 町田稔

    政府委員町田稔君) 平均でございます。
  16. 石井桂

    石井桂君 そういたしますと、今計画しておるのは何坪になっておるのですか。
  17. 町田稔

    政府委員町田稔君) 第一期計画といたしましては、埋め立ては三十万坪です。
  18. 石井桂

    石井桂君 これによっていろいろ今度は実際宅地を作りますと、関係の道路でありますとか、いろいろな施設が要るわけですね、その区域の中で。純粋に建築物に利用できるところの宅地の面積は三十万坪のうち何坪ですか。
  19. 町田稔

    政府委員町田稔君) 率は実際にやります場所によりましていろいろ違いますので、正確なことを申し上げる数字を持っておりませんけれども、大体公共減歩としては二割前後を普通考えるのが実情に合っているのではないかと思います。
  20. 石井桂

    石井桂君 これは区画整理のような要領でおそらく埋立地、あるいは宅地造成をやると思うのですが、そうすると二割前後は街路などに当るのじゃないか。そのほかにこの前話題になりましたように、学校用地とか、商店用地とか、あるいは病院用地とか、そういうものを含ませると、もっと三十万坪がそのまま使えなくて、それの七掛とか、あるいは六掛半とかいうことになるのじゃないかと思うのです。そういう何割くらい使えるかということは、長い間の区画整理なり都市計画の何といいますか、統計からひとりでに出てくる数ですから、別に具体的に地図を引かなくても出てくるはずなんです。そこで町田さんはその事務をおやりにならないから、局長はすぐお返事できないでしょうから、うしろにいる説明員なら何割とすぐ出て来ましょうから、説明員お答えでもいいですから、お聞かせ願いたい。
  21. 志村清一

    説明員志村清一君) ただいまの御質問公共減歩のほかに商店病院、その他のものにどのくらい割かれるかというような御質問でございましたが、埋立地につきましては、過日委員会でもお話がございましたように、すでに工業が盛んになった近辺で、住宅用埋め立ても考えられますし、あるいは新たに埋め立てをして、その宅地を作るということも考えられます。場所よりまして、おのおの様子が変ってくるのです。一がいになかなか申し上げにくいというふうに考えております。
  22. 石井桂

    石井桂君 私が質問しましたのを取り違えてお答えになっているように思うのです。この前私があまり正確にお答えになっては困りはしないかという趣旨のことを言ったのが頭に残っていて、用心して言っておられる。しかし田中さんの質問と僕の質問とは出所が違うわけなんです。結局学校に使うとか、商店に使うとか、まあティピカルな区画整理、あるいは都市計画の形態としては何割くらいが宅地でなく、付属する施設街路とか、そういうものに使われるのか、ティピカルな例を聞いておる、標準を聞いておるのです。それをとっつかまえてあとのものさしにしようという考えはないのですよ。   〔理事田中一君退席、委員長着席
  23. 町田稔

    政府委員町田稔君) 公共用減歩につきましては、大体二〇%前後になっておりますが、これにつきましては、数字あとから調べまして御返事申し上げたいと思います。  なお、ただいま御質問のございました住宅用地以外の、たとえば学校病院等にどのくらいのパーセンテージを当てているとかいうことにつきましても、モデル的な都市につきまして数字を整えまして、御返事申し上げたいと思います。
  24. 石井桂

    石井桂君 それではその埋立地の問題はそれくらいにしまして、今度の改正の中で、外国の方々のために公団住宅を作って貸すように規定があるんです。このことは私は必要でないとは申さないんですが、日本日本国民住宅もまかなえないくせに、進んで外国からくる方のお世話ができる余裕があるかどうか、どうしてこうなってきたか、その事情と、一体自分の頭のハエも追えないくせに何なんだということの御答弁一つ伺いたい。
  25. 鬼丸勝之

    政府委員鬼丸勝之君) 今回付則の三条二項におきまして、新たに外国からの技術研修生のために、住宅建設なり、賃貸、管理なりを公団業務として追加いたしましたのは、御承知と思いますが、近年技術研修生として外国から受け入れる国際約束というものが、わが国国連なりアメリカの当局との間に結ばれておりまして、そのわが国が参加しておる国際約束、大体今コロンボ計画国連技術援助拡大計画アメリカ技術協力局研修計画等でございまするが、これに基いてすでに研修生が近年、毎年二、三百名ずつ参っております。来年度におきましては、延べ七百人程度この種の研修生が入るという見込みでございますが、そこでこの相当研修生がふえてきますと、中には長期に滞在する者がだんだんふえて参る。そこで長期に滞在する者のためには、どうしても安い居住施設を提供してやらなければいかぬ、これは国際道義上もそういう便宜を供与してやる必要があるということが政府部内で取り上げられまして、そこでこれをどうやって供給するかと、ただで供給する必要もないわけですが、政府としては適当な機関にこの貸家業をやらせまして、家賃を取って収容したらどうか、ところが、七百名と申しましても、長期滞在の者について考えますると、大体二百名足らずだということであります。そこで戸数といたしましても、二百戸程度あれば十分だ、来年度は百戸程度をとりあえず建てれば何とかまかなえる。こういうような話なもんですから、わざわざ別の建設管理機構を作る必要もないのじゃないか、そこで公団建設させまして、ただ管理の面になりますと相手が、相手というと悪いのですが、外国人の住居でございますから、適当な管理団体にやらした方が適切であろう、そこで、今外務省といたしまして考えておることは、適当なそういう団体を設立いたしまして、管理家賃取り立て、その他いろいろの仕事は団体にやらせる、公団は百戸程度のものを建てまして、この団体特定分譲という形で譲渡をいたしたい、かように考えておるわけであります。法文の形はいろいろできるようになっておりまするが、これは他の条文とのつり合いもありまして、少し広く業務をやれるような形になっておりますけれども実情はそういうことから出発いたしまして、実際の運用は公団建設して、特定分譲をやる、こういうふうに考えております。
  26. 石井桂

    石井桂君 その外国留学生というのは、みんな世帯持や何かで、独身者じゃないのですか。
  27. 鬼丸勝之

    政府委員鬼丸勝之君) 私も詳細には承知しておりませんが、独身者も相当おるように聞いております。
  28. 石井桂

    石井桂君 住宅計画をするのに、独身者世帯持かによって住宅計画が違うと思うのですよ、独身者ならば、宿舎程度のものでいいのじゃないかと思います。世帯持なら、やはり普通の住宅をあてがわなければならぬ、そういうことで違うのですね。そこで私ども話をみな聞いてみますと、日本人で留学した人も大がい独身で、そうして宿舎みたいなところに入っていたりなんかしますね、そういう施設で事足りるのじゃないかと思う。日本ではずいぶん家族持の人が家がなくて、四畳半あるいは六畳に何家族も入って、赤ん坊を踏みつぶしたり何かしておる状況なんですね、そういうめんどうも見切れないのに、鬼丸さんのお話はよくわからぬことはないのだけれども、どうも少し手を延ばしすぎるような気もしないことはない。あなたの御説明だけれども、ああそうですかといって、引っ込めないような感じなんですが、もうちっと事情があれば……。結局何ですか、やはり国際情義に基いてこっちがやらなければならぬ、だから自分の身を切っても向うにさかなければならぬ、こういうことですか。
  29. 鬼丸勝之

    政府委員鬼丸勝之君) まずお尋ねの中に、初めの方の独身者が多いのじゃないかという点は、私もまだ正確にはつかんでおりませんが、妻帯者も来ているということは聞いておりますし、この辺はもう少し過去の実情なり、今後の見通しも外務省と十分検討いたしまして、実情に合うような間取り、設計を今後検討していきたいと思います。実はまだ具体的なそういう検討がなされておりません。そこで居住施設住宅を提供するのは、なるほどお話のように公団予算で、この中から百戸程度といえども国民のための住宅予算の中からさくということは筋が通らぬじゃないかというような御懸念かと思いますが、その点はまことにごもっともなんです。で、私どもも本来ならば外務省予算にでも計上してもらうか、それを移しかえでもして、そうして実質的な委託というような形でやるというような方法も考えられないことはございません。しかしながら、百戸程度のものであるから、三十二年度においてはやむを得ずこれをお引き受けしたというようなことでございまして、将来もう少しこの建設戸数をふやす場合には、公団がやるといたしましても、別途の資金を別のワクで計上するように努力いたしたいと考えておる次第でございます。どうか一つ御了承を願います。
  30. 田中一

    田中一君 今この技術研修生宿舎の問題、予算上の問題で御説明があったのですが、あえて聞きませんけれども、少くとも本国会で、どうして受け入れる役所が外務省ならば、外務省でそういう予算を計上しなかったかと言うんです。今鬼丸さんは、質問の前に先に御答弁があったようですが、今後ともにじゃなくて、こんなものは現在でもまだ予算が通ってないんですから、参議院の場合は。何らかの形でもって住宅公団の方に、何と言いますか組みかえというよりも、向うのやつを移しかえをしてやるようなことにしなかったら筋が通らないのですよ。国民大衆のために住宅建設するのだといって、どこの講演会でも大きなというよりも大言壮語なすっておる加納さんが、住宅公団加納さんがよくまあこれを承知したものだと思うのです。これはどこまでも国民のための住宅なんです。それをですね、私は研修生に家を貸すということを、外国人に家を貸すことを非難するわけじゃないのです。これはあり得ることなんです。われわれも外国に行って、そういうような所があれば非常にいいと思うのですがね。加納さんが、公団総裁がよくそういうものを承知したということになりますと、これははなはだ総裁として一言なかるべからざる問題だろうと思うのですがね。来年もこういう問題があった場合には、喜んで国民のために、国民のために予算を計上しているところのこの公団住宅というものを流用して、国民以外の者のために提供するという心境を一つ率直に、今まで政府から押えつけられたでしょう、きっと。あなたが喜んでしたわけではないんです。もし喜んでしたのならば国民の敵であります。従って、そういう点を御了解願って……。
  31. 加納久朗

    参考人加納久朗君) 私は喜んで引き受けましたけれども国民の敵ではないと思っております。何となれば、これは非常に必要なことだと思うのでございます。と申しますのは、第一に、これを作らなければ日本人の家がまた不足してしまう。これを受けないでいいかというと、日本のアジアにおける地位からしまして、研修生のために便宜をはかるということは、これは当然のことであります。これをするから日本の産業が栄える、日本の品物が外国へ出ていく、そうして日本の国が富むということになるのであって、どうしても日本の国としては研修生を大事にしなきゃならぬ。ところが家がない。家がなくって日本人の家へ入り込むといっても、なかなか生活態度が変っておりまして、暑いところから大体来るものですから、日本の家では寒くって住まれない。ホテルへ住めば高くていられない。こういうわけでございますから、住宅公団がこれをお手伝いをするということは、すなわちやはり日本住宅の緩和になる、そして日本の国を富ますと、こういうことから非常に大切なことだ思って、私はむしろ喜んでこれをお引き受けいたしたと、こういうわけでございます。  それからもう一つ、先ほど住宅ということで石井さんから御質問がございましたのですが、これは大部分独身者でございます。それでございますから、建てるにいたしましても、単身者のアパートを作る。つまり小さい部屋を、まあ六畳、八畳くらいの部屋をたくさん建てていくというふうにしなきゃならぬ、こういうふうに私は考えております。
  32. 田中一

    田中一君 公団総裁というよりも、加納久朗さん個人の御意見のように伺えるのです。で実はこの国会というものは、一銭一厘であっても、国の財政というものは一銭一厘であってもこの国会で、両院で議決をいたしまして使っていただいているわけなんです。従ってこの金は、今三十二年度予算の上におきましても、あなたに今度使っていただこうというこの金というものはですよ、国民のための住宅資金なんであります。従って、個人加納久朗さんがですよ、今言う国家的見地から喜んでやったということに対しては、私も同感であります。
  33. 加納久朗

    参考人加納久朗君) ありがとうございます。
  34. 田中一

    田中一君 しかしながら、国民のために醵出しておりますところの資金というものは、これはやはり国民のために使っていただかなければならぬのです。これは間接じゃない、直接に使っていただくのです。そこで、もしもそうした研修生を受け入れる窓口というものは外務省であるならば、外務省があなたの御意思を体しまして、日本の将来の繁栄のために外国留学生を優遇し、また不便のないようにするために、この親心で、そうしてそういう別個の家を建てる予算をわれわれの協賛を得、すなわち、国民の納得する形の金を計上して、あなたの方に委託をして、建設だけをお願いしたならば、あるいは管理までもお願いしたならば、これ日本往宅公団総裁としての正しいあり方であろうかと考えているのであります。そこで、明年度ももしも、国民のために往宅供給をするというこの資金を、法律改正したからといって外国人のために建てるのは私は反対でございます。あなたが反対なさらなければなりません。当然それは外国人のためにこういう理由があって建てるのだから、こういう予算は別途に計上していただきたいという要求を、あなたがなさるのが日本住宅公団総裁としての態度であろうかと思うのです。本年度ももしそういう措置をとられたならば、これは個人加納さんじゃなくて、住宅公団総裁としておやりになられたのだろうと思うのですね。その点はどうですか。
  35. 加納久朗

    参考人加納久朗君) 私は、政府から命ぜられた総裁でございまして、政府が、外務省の方がお取りになる予算がお取りになれない、まあお取りになるのがほんとうだろうと思いますけれども、お取りになれないで、今度は建設省予算の中にこれが入った以上は、私はこれを喜んでお引き受けする。これは私の義務だと思っております。
  36. 田中一

    田中一君 小沢政務次官に伺いますが、三十二年度予算書の中の公団に融資するこの資金、この説明には、この百戸か二百戸の外国人のために住宅供給をするのだという説明がございますか。
  37. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) 文書の上でははっきりしておりませんが、予算接衝のときに、大蔵省ではその意味は了承しているわけでございます。
  38. 田中一

    田中一君 私は今予算委員をしていないものですから、大蔵大臣から直接伺っていません。ただ大蔵大臣予算説明の中にはそういう言葉がなかったと思うのです。どこまでも日本住宅公団建設するものというものは、国民のための住宅資金であるというように私は了解しておるのですが、もしも予算書の中に、あるいは言葉の上において、公団の持っております資金ワク内から百戸あるいは二百戸というものを建てて貸すのだというものがあるならば、一つ説明を願いたい。どこにあるか御説明を願いたいと思います。
  39. 加納久朗

    参考人加納久朗君) もう一つお答え申し上げておきますが、政府公団使命云々とはございましたが、資金の面では大部分民間資金、すなわち八〇%は民間資金を使い、政府から拝借する部分は六分五厘が二割、そういうわけでございます。それだけちょっとつけ加えておきます。
  40. 田中一

    田中一君 加納総裁は、これは国と申しますか、政府と申しますか、国でございますね、国が命じた総裁でありますから、民間資金を導入してそれをもって住宅建設するということも、やはり国民が納得する上に使える。導入し、使えるわけでありますから、それはやはり国会議決というものがなければならぬはずであります。従って国民の納得がなければならぬはずでございます。だから、どこからどういう金を使おうとも、あなた加納久朗さん個人の資格で資金をおやりになるならば、それはもうたくさんお金を持ってきて下さい。それは勝手でございます。あなた御自由におやりになればいい。少くとも日本住宅公団総裁として国会の承認を得て使う資金というものは、私はどこまでも国民大衆のための住宅資金であろうと考える。で、前段に今鬼丸君が説明しちゃったから何も言いませんけれども、また小澤君に質問したのも多少いやがらせの質問になるかと思いますが、まあすぐに答弁はできぬと思いますが、大体三十三年度はどういう措置をするかという点を御答弁願いたいと思います。もし二百戸ぐらい必要なところは、本年度は百戸ぐらい建てようというような御説明でありましたから、百戸あたりは残っておるはずでございます。それは三十三年度予算で計上するとするならば、どういう形をとるのか。
  41. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) ただいま石井さんあるいは田中さんが言われました住宅公団日本住宅が足りない、その中から出すということはいろいろ問題がございますが、とにかく外国から来ました技術研修生住宅を供給するということは、日本の国策としてもぜひ必要でございますが、今年は大蔵省の了解を得てそうしたのでございますが、その翌年、つまり三十三年度につきましては、たとえば外務省の  ワクで取るとか、そういうふうな別個のようにわれわれはしたい、そういうふうに思っておる次第でございます。
  42. 田中一

    田中一君 まことに正しい御答弁でありまして、けっこうでございます。そこでもう一歩一つ前進していただきたい。本年度は、やむを得ず国民のために供給する住宅資金というものを流用したけれども明年度は、もしこれが分譲住宅に入るとするならば、外務省がその本年度の百戸分をお買い取りになりまして、あるいはその分の資金というものを明年度外務省に本年度百戸にするならば二百戸分を計上して、やはり筋を通した、外国研修生の家だ、特定なる家である、国が施設した家であるということを明確にしていただきたい、こう思うのでございますが、その点はどうでございますか。
  43. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) その点は、外務省あるいはその他関係機関とも相談しまして、公団ワクの中にそういうワクを別にとる、そういうふうにして処理したい、そう思っております。
  44. 田中一

    田中一君 大へん満足する答弁ですから、どうか次年度はそのように処置していただきたいと思います。  そこでもう一つ続いて伺いたいのは、先ほど石井君からも質問があったのですが、この法律案の要綱を御説明になるときに、今度の水面埋め立て計画は三十二年度から三十四年度まで三カ年計画をもって実施したい。そして本年度土地区画整理事業費として五億、これは土地の分、陸上の分ですが、これは六十万坪、それから水面埋立事業費としては五億、これが三十万坪、そうして、この水面埋め立て分に対する五億というものは、主として用地買収に充てるのだというように伺っておったのです。そこで区画整理事業には用地買収というものは、区画整理事業をした後でなければこれは必要ございませんから、水面埋め立ての分だと解釈しておるのですが、町田君が先ほど説明したように、埋立費坪当り三千七百五十円、補償費が従来は五百円から一千円といいますけれども、大体補償費として坪当り千円を計上している。従って、これがまあ四千七百五十円になりますけれども、五千円と見ても、三カ年計画で十五億、大体三カ年計画としての計画が立ったと思うんですが、その際に、加納さんも言っておるように、本年度が三十万坪を埋め立てするんだというならば、三カ年計画で幾らの埋め立てをするのか、それを一つ説明願いたいと思います。
  45. 町田稔

    政府委員町田稔君) 公団といたしましては、宅地造成につきまして、現在やっております三百万坪と並行いたしまして第二期事業を考えておるのでございまして、まず三十二年度より第二期事業として百二十五万坪の土地区画整理事業による住宅宅地造成事業と、それから先刻申し上げました埋め立て三十万坪を含みまする九十万坪の各種用地宅地造成事業に着手することにいたしておりまして、これらに要しまする事業費は約六十六億円を予定いたしておるのでございます。この六十六億円のうち、昭和三十二年度におきましては、公団がこの宅地造成事業事業費は、第二期事業につきましては約二十億円を予定いたしております。ただいまお話のございましたように、二十億円のうち五億円は埋め立て、それから五億円は区画整理区画整理による工業用地造成費、それからあとの十億円が一般の住宅用宅地造成分というように予定をいたしております。
  46. 田中一

    田中一君 水面埋め立てをやった土地をあらためて土地区画整理事業として指定するわけですね。そして宅地造成をやるわけですね。
  47. 町田稔

    政府委員町田稔君) 埋め立てをいたしました所につきましては、区画整理事業でなくて、直接街路施設だとか排水施設とか、それらの工事を実施いたします。
  48. 田中一

    田中一君 そうしますと、埋め立て事業費の中の五億というものは、せんだっての説明では、主として用地買収ということをおっしゃっておったんです。そうしますとですね、結局坪当り三千七百五十円、補償を入れて四千七百五十円でございますと、二百五十円でもってそうしたものをやるというのか、あるいはまた、埋立費の中にはすっかり区画整理も含んでいるんだというように了解していいんですか、どちらです。
  49. 町田稔

    政府委員町田稔君) 今お話のございました補償費とそれから工事費、全部を含んでおります。
  50. 田中一

    田中一君 第二の問題の、利益及び損失の処理並びに納付金の問題ですが、三十年度には、政府出資六十億、それから地方都道府県の出資が十六億、三十一年度は、産業投資十五億ですか、地方が四億、三十二年度は、産業投資九十五億となっておるのが本日までの現状だそうでありますが、そこでこの場合、政令で基準をきめようというのですから、どういう基準になるか存じませんが、大体平均して今まで借金していた所へ返そうというお考え方なのか、あるいは地方財政が非常に窮迫しているから、地方財政の方を先に余分に返してやろうかというような考えを持っておるのか、また、国に納付するというようなものがあっても、私はほかの本国会に提案されておる数数の法律を見ますと、たとえば多目的ダムの資金などを、やはり地方の債務というものは特別会計に投入しておる。特別会計に投入しておるというような形が盛られて、そうして事業の刷新をはかったという現状から見ても、住宅公団のようにこういう逼迫した住宅難というものを解消するには、やはり民間のものに対しては契約によって返還するでしょうが、少くともその国または都道府県に返還納付するというような金は、もう一ぺん住宅公団の方に再投資してやるような措置はとれないものですか。
  51. 鬼丸勝之

    政府委員鬼丸勝之君) 今回改正案で 「(利益及び損失の処理並びに納付金)」ということで新しく納付金の制度を規定いたしましたのは、実は産業投資特別会計の趣旨といいますか、建前からいたしまして、これは産業投資したものをさらに一ぺん入れまして、さら  に投資に向けるというような趣旨でございますから、一応将来利益が生じました場合には、一定の基準でこれを投資会計の方に入れる御趣旨のように、さらに正式には公団として出資の増額を要求することになると思いまするが、なお、念のために申し上げますると、積み立てをいたしましたり、それから損失繰り入れをいたしまして、なおかつ利益が生ずるという場合は、当分は考えられない状況でございます。なお、御質問の中に、地方公共団体と国に納付する場合の基準、割合等につきましてのお尋ねもあったと思いまするが、この点につきましては、政令で規定する予定にいたしております。
  52. 田中一

    田中一君 総裁に伺いますが、民間からの投資の契約ですね、これはどうなっております。それからもう一つは、地方公共団体の投資ですね、これに対してはどういう扱いをするように約束されましたか。二点を一つ説明願います。
  53. 加納久朗

    参考人加納久朗君) あとの方からお答え申し上げます。地方公共団体の方の御出資でありますが、これは三十年度と三十一年度に二十億円いただくことになっております。しかし、実際には五億円以上入っておりません。これを将来どういうふうにこれに対して報ゆべきかということは、いまだ考えておりません。ただし、その地方団体が払われたのは、大体その地方に賃貸住宅を建てます戸数の一戸に対して九万円ということから割り出しておるわけであります。ところで三十年と三十一年度はこれを九万円といたしまして二十億円というのが当っておるのでありますが、それが五億円以上入っておらないということ、こういうわけです。そういたしますと、今度は地方出資がなくなっております。三十二年度はそうして賃貸を住宅建てますのが二万四千戸でございます、三万五千戸のうち。そうしますと、ほんとうは地方出資を二十二億円いただかねばならないのであります。それにもかかわらずいただかずにやっておるというわけでありまして、まだ地方出資に対するどういうふうにして将来お返しするかとか、あるいは解散するときは別でございますが、そういうことはまだ考えておりません。  それから借入金が二百七十億円になっておりまして、そのうちで百二十億円が預金部のお金を借りる、あとの百五十億円のうち、五十億円を公団債、百億円を生命保険から借り入れる、こういうことになっております。そうして公団債は利回りが七分二厘程度公団の利回りになっております。これを買います方のシンジケートの方は七分一厘というふうになっております。  それから生保に対しましては、特に大蔵省から生保の何か契約に対する特別の免除をしてやるという、ある程度以上のものは税金をかけないというような何か特例がしかれたために、特に百億円を公団に融通するということに対しては七分ということになっております。
  54. 田中一

    田中一君 三十年度にも借りておりましたね、民間から。
  55. 加納久朗

    参考人加納久朗君) 三十年度にも民間から借りております。
  56. 田中一

    田中一君 どのくらい借りておりますか。それはまたどういう契約で……。
  57. 加納久朗

    参考人加納久朗君) 五十億円借りております。そうして初めのときはこれは金利が高いときだったものですから、一昨年の八月でございましたか、借りたときにはこれが九分近くになっております。当時のそれが利息でありました。今日だんだんそれが低下したわけでございます。
  58. 田中一

    田中一君 その契約は何ヵ年償還の契約でやっておりましたか。
  59. 加納久朗

    参考人加納久朗君) 七ヵ年でございます。
  60. 田中一

    田中一君 今度は百億借りるという生命保険からのものと、それから公団債が五十億、これの期限は何年ですか。
  61. 加納久朗

    参考人加納久朗君) やはり同様七年でございます。
  62. 田中一

    田中一君 公団債の募集はいつ発表しまして、どこが主として持っておりますか。
  63. 加納久朗

    参考人加納久朗君) 公団債は第一回を初めて今年三月二十何日か、忘れましたが、二十七、八日ころに十億円発行いたします。
  64. 田中一

    田中一君 あなたはこの法律案が通って、総裁に就任なさって国会においでになって、資金のことは心配ございません、私がやりますと言って、胸をたたいてわれわれに向ったことが御記憶にあると思います。しかし今日ようやく十億の公団債を発行する段階になった。同時にまた地方団体資金も二十億予定したが、たった五億にしかならぬ。そうして現在、これはあなたが専門家でありますからよくおわかりでしょうと思いますが、今日では金融界は相当梗塞をきたしておるのじゃないかというふうに新聞などで散見いたしますが、そういう点の見通しは、ここでかって胸をたたいて私に教えて下さった総裁の心境と、それから今日のあり方と、将来の見通しというものを率直に一つ御披瀝願って、われわれを安心させていただきたいと思います。
  65. 加納久朗

    参考人加納久朗君) 私はこの前に来て、別に胸をたたいていばったわけではないのでありますが、なぜ公団債が第一回がようやく今月にできたかと申しますると、それだけお金を使わなかったのであります、使えなかったのです。実際コンクリートの家だもんでございますから、初めに契約したときに三割出し、それから事業が進むに従ってその費用を一月ずつ計算して出していきましても、やはり次年度に繰り下ってくるのでありますから、できるだけ公団債という高いものを使わずに、政府の低利の六分五厘ということで泳いでいきたいということでやってきて、いよいよ今度は公団債の発行というふうになりました。   ついでに申し上げますが、三十一年度のお金でまだ借りずにございます分が九十億円ございます。それはこの七、八月までの間に全部借りて三十一年度建設を全部終了する、そして同時にそれをやりながら四月一日から三十二年度建設にかかっていく、こういうわけでございます。
  66. 田中一

    田中一君 総裁御就任の当時は、もう二万戸必ず完成して見せるといって、あなたが豪語なさったのが議事録にちゃんとのっております。心配じゃないか、大丈夫か、大丈夫でございます、資金も心配ございませんというあなたの御説明でありました。今日になりまして将来を考えまして、あなた自身がどういう御心境であるか、鉄筋コンクリートの建築物がどのくらいの速度でできるかよく存じております。存じておりますから、心配してあなたに今まで質問しておった。従ってもうわれわれに約束したことが実現できなかった面が多々あると思います。従ってもう三年たちまして、あなたも三年目になりまして、相当自己批判をなさっていらっしゃるものと思います。またせねばなりません。そうして三十二年度事業を遂行するに当りまして、謙虚な態度でもって、あなたはわれわれ参議院の建設委員会に対して過去を反省し、同時に将来に対するところの考え方を率直に御披瀝になるのが妥当だろうと思うのですが、もしあなたの心境が答弁しようという御意思があるならば、ここで伺いたいと思います。
  67. 加納久朗

    参考人加納久朗君) 反省することは多々ございます。もちろん公団が発足いたしまして、住宅公団というのは初めてのことでありますし、私がしろうとであり、あとから来た方も皆役所から見えた方で、企業ということを考えておらない、金利のついているお金を使うということを考えておりませんから、私の統率が悪かったのですけれども、ややもすればセクショナリズムになって、そうして地面は買ってしまって、それからあと設計する、今度は設計はしたが、それは主体工事だけだった、家はできてみたが、水道は出なかった、道路ができない、道路ができなければそれだけ金利が損してしまったというようなことが多々ございまして、これはどうしても反省いたしまして、公団全体に対する企業体であるという趣旨が徹底するように大いに努力しておりまして、お金は土地を買ってから入居までというものを工事の工程と考えて、そうしてやっていかなければいけない。それから工程までは、その工程が終るまではお金を出す方を急がなければ損する。作ってしまってから、今度は公団の方に家賃も分譲の価額も入るように急ぐのだ、こういうことでやっておりますが、それは田中委員のお察しの通り、非常にむずかしい仕事でありまして、むしろ精神的な方面の方がむずかしい。しかし、二年に近くなりましたたために漸次企業体であるという自覚ができて参りました。私はこの参議院の方々に御安心いただいていいと思います。公団の基礎は十分固まってきて、そうして将来これが三万五千戸ことし引き受けますが、それがまた五万戸になり、六万戸になってもやり得るだけの態勢をとっておる、私はこういうように存じております。
  68. 田中一

    田中一君 加納総裁は、昨年は世界の住宅事情を知るために外国に回ったことは承知しております。新聞で見ますと、今度は住宅の問題でない役目をお持ちになって、これは財界の重要メンバーとしてのお役目かと思うのですが、また外国に行かれるということを新聞で散見しておりますけれども、これはあなたがおらなくても十分に公団は運営できるのだという前提から行かれるのか、外相にかわって、建設相にかわって、外国の青年を住まわすための住居を与えるのだというそうした大きな理想からお出かけになるのか、その点を一つこの際御答弁願いたいと思います。
  69. 加納久朗

    参考人加納久朗君) 私は昨年、国際商業会議所のアジア極東の委員委員長としてバンドン会議に出かけました。四月に出かけました。またその次にパリの委員会がございまして、それにも出て参りました。しかしこれは公団以外の用事で参りましたので、公団のお金を使っているわけではありません。そのついでに実は住宅を見てきたので、私はむしろおつりを公団の方からちょうだいしてもいい次第と思うております。(笑声)
  70. 田中一

    田中一君 最近またお出かけになるように新聞で散見しておりますが、その点はどうですか。
  71. 加納久朗

    参考人加納久朗君) 四月二十七日にたちまして、五月二十日に帰って参ります。しかし私がおりませんでも十分働くようにしてございます。
  72. 田中一

    田中一君 先ほどもあなたは企業体として採算の合う事業をやってもらうのだ、これは相当徹底したということでございます。従って間違いはないと思うのです、あなたの心境と信念と実行されることは。しかしそのためにますます公団住宅というものが高家賃になっているという実態は、これはむろんあなただけの責任じゃない、政治の貧困からくるものも多々あると思いますが、こういう点はまた相当御考慮にならなければならぬと思うのです。低家賃に持っていくための研究はむろん建設省の付属機関として建設研究所もございます。また各大学におきましても、ロー・コスト住宅というようなことに対しましては真剣にとっ組んでおります。また私自身もロー・コスト住宅のために真剣にとっ組んでおる一人でありますけれども、少くとも、もしかりに悪い法律が出たために、そのためにこの公団住宅というものが高家賃になるというならば、これは国民の期待に反するものでありますから、そういうときには、あなたが日本の岸さんより以上に期待されるところのお人柄として、岸総理以上です。(笑声)政府に十分に注文をつけられて、どうか三十二年度からは低家賃政策に向って進まれるような意思はございますか。
  73. 加納久朗

    参考人加納久朗君) 与えられました資金でもって、できるだけ安いコストにしたいということに努力いたしております。まあつまらないことでございますけれども、たとえば鍵の類にいたしましても、それから台所に流しのようなものにいたしましても、ひさしのようなものにいたしましても、できるだけマス・プロダクションで安く作っていく。であるから、公団の家はなるほど値段は相当下げてはおらぬけれども、内容はよくなってきた、こういうふうに言われるようにしたいと努力いたしておる次第でございます。  それから、ロー・コストの家賃にしなければならないという問題は、これは私ども非常に努力しておりますが、公団としては、これは私ども非常に努力しておりますが、公団としてのなすべきことはできるだけ経費を節約いたしますことと、同時に、今のようにマス・プロによって安く作っていくという二つの道しかございません。さらに家賃を下げて行くというなら、政府の出資の九十五億をさらに多くしていただければ、ひとりでに下ってくる、こういうことでただいま非常に経営がむずかしいのは、余りいい点をとって及第してもいけない。ただし落第をしてはならぬというので、ビリで及第をして行こうというところに追い詰められているということは、非常に企業体としてはつらいところでございます。今申し上げたように、できるだけコストを下げることに努力をいたしております。それで昨年度までは実は建設費に対する事務費というものは四・二%でございましたのですが、三十二年度から仕事が大きくなりますけれども事務費を上げないで、三・八のところで押えるということで予算を組んでいるわけでございます。
  74. 田中一

    田中一君 役員の給料はどういう段階をもって幾らになっておりますか。
  75. 加納久朗

    参考人加納久朗君) 総裁十五万円で、大へん少いんでございます。その次が十二万円で、これも大へん少い。総裁が十五万円ですけれども、手取り七万円しかございません。それからあと理事が十万円ずつ、これも実にお気の毒であって、大阪とか、あるいは東京都からこられた方は実収入がかえって減っているという状態でございます。それにもかかわらず喜んで働いていただいている、そういうわけでございます。
  76. 田中一

    田中一君 その他自動車とか、それから会議費とかいうものは大体何パーセントぐらい見ておりますか。というのは、すべての企業体にやはり非常に税金が高い現状からいって、生活ができない。楽な生活ができなければ、まともな仕事ができるもんじゃないのです。従って相当世故にたけてらっしゃるところの総裁ですから、そうした含みを相当持ってらっしゃるんでございましょう。従ってそういうものが実際の生活費に準ずるものとして計上される予算というものをどのくらい持っておりますか。
  77. 加納久朗

    参考人加納久朗君) 自動車がどのくらいか、会議費がどのくらいかということを、今ちょっと私ここではっきりした数字を申し上げることができません。ただ自動車につきましては、非常に日本全体に悪いくせだと思うのですが、自動車を持つと運転手を持つのです。それで私は公団の人間が自動車を運転することを奨励して、そうして自動車を買う場合運転手は雇わぬ。どこの団地へ行くのにも、できるだけ自分公団の自動車を運転して行ってもらいたい、こういうことを奨励して、そういうような点からコストを下げて、できるだけ近代的に経営したい、こう考えております。
  78. 田中一

    田中一君 事務費、この経常費はやはり政府機関の方の産業投融資の方面からきたもの、その地方公共団体、あるいはその他の団体からきた金をどこかの銀行に預金する。その預金は、結局入居者、あるいは分譲住宅の契約をした、方々が最後に払わなければならなくなったというような資金、たとえば政府から三十億の無利息の金が出ますというと、それをどこかの銀行に預託、預金するそうするとそれは預金なら六分つきますから、三十億で一億八千万円というものが預金とされる。そうしたなら、これは当然その分だけ家賃が軽減されるはずです。結局家賃は永続するものですから、何十年か後には一カ年分の経費というものが出るのです。そういう金利も事業費としてやっている。住宅公団、金融公庫、その他の団体でそういうことをやっているように聞いておりますが、そういう形も事業費と見ておりますか、あるいは全体の事業費の中から経常費として幾らと見ておるかということなんです。
  79. 加納久朗

    参考人加納久朗君) 今の第一の点でございますが、政府の無利子の金を取って、それを預金しておるというだけの余裕はございませんし、そんな甘い日本大蔵省ではございません。政府資金を出すためには、一体お前の状態はどうなっておるかというので、税金の方から出してくれるわけでありまして、預金をする余裕よりは、むしろ金融が困ってきていて、できなくなったときに、早く政府出資を出していただきたい、こういうふうにやっておるような状態でございますので、預けた金でどうこうという余裕が全然ございません。のみならず、あと政府出資のほかに二百七十億円これは全部個金でございますから、できるだけ借りないようにしております。公団債の発行もけちですけれども、十億くらい必要に応じて出しておる。こういうようなことでやりくりをやっておるわけであります。
  80. 田中一

    田中一君 従って経常費は、年次計画の中の何を財源とする経常費を盛っておるか、伺いたいのですよ。これは事業費——経常費を含んだ事業費という見方なのか、たとえば国から国会が承認をした資金が百億きた、百億の中から経常費というものをとって計画しておるのか、百億そのものは全部建設計画住宅を建てるという経費にかかっておるのか、その点はどうなっておりますか。
  81. 加納久朗

    参考人加納久朗君) それは政府の出資金も、それから民間の借入金も、それから公団の受け取ります家賃も、そういうものを全部プールして建設に当てる、そうして建設費に対して、今のような事務費三・八というような状態で事務費が出ております。
  82. 田中一

    田中一君 鬼丸君に要求しますが、住宅公団事業計画書、それから三十年度の収支決算書ですね、これを資料として御提出願いたい。
  83. 鬼丸勝之

    政府委員鬼丸勝之君) 承知いたしました。
  84. 中山福藏

    委員長(中山福藏君) ちょっと鬼丸さんに尋ねておきますが、研修生の滞在に対して便宜をはかろうという住宅の提供は、大体どういう地方に重点を置いておられるですか、それをちょっと聞いておきたい。
  85. 鬼丸勝之

    政府委員鬼丸勝之君) 大部分は東京に相なると思います。
  86. 中山福藏

    委員長(中山福藏君) 現在は東京だけという大体の見込みですか。将来他の方面に延ばしていくというお考えですか。
  87. 鬼丸勝之

    政府委員鬼丸勝之君) この点は外務省となお具体的に打ち合せを要する問題でありますが、今までいろいろ話し合った結果によりますと、将来は若干名古屋あるいは関西方面にも考えられると思っております。
  88. 中山福藏

    委員長(中山福藏君) それからもう一つ総裁にお聞きしておきますがね、大体アパートとか、いろいろな住宅公団建築物は、画一せられておるように私見受けるのでありますが、ある意味において非常に単純で非文化的な構造だという感が深いのですけれども、これはもう少し何とか一つ安心感と申しますか、そういう点を御研究になる必要はあるのじゃないかと思うのですが、どういうお考えを持っておりますか。
  89. 加納久朗

    参考人加納久朗君) これは公団におきましても、できるだけ十二坪、初めは十二坪以内、次は十三坪以内、今度は十四坪以内に入るような設計を考えておる、それをつまりはめ込んでいってアパートメントを作っていく、こういうわけですから、いろいろの企画を作りまして、一部屋のもの、二部屋のもの、三部屋のものというふうにして、今三十何種類の企画を持っております。それで今までは、ことに特定分譲でございますと、自分の方は十五坪にしてもらいたい、十七坪にしてもらいたい、部屋はこうしてもらいたい、間取りはこうしてもらいたいたいという注文が多かったのでありますが、最近は間取りが多くなりましても、大体小さいスペースの中に入れます。どこに便所を置いて、どこにふろを置いてということになりますと……。大体ことしは公団の規格の中でできるだけ急いでやれ、特定分譲について注文を受ける場合でも、大体公団の標準で一つしんぼうしてもらいたいというふうに努力いたしておる次第でございます。  それからあまり環境が単調になりませんように、できるだけその団地の樹木をそこに置くようにして、それからむずかしい言葉ですが、隣棟間隔と申しまして、各棟と各棟の間の距離を相当広げまして、そうして光線が当るというふうに努力しておるわけであります。話によりますと、青戸の団地ではあそこに四千何百人の人が入った、千二百戸でありますが、初め意地の悪い人がいて、公団の方では四時間以上日が当らないことはないと言ったんだがというので、二人ばかりの人が時計を用意して毎日々々やったんですが、結局四時間以上当っていて及第したような次第であります。
  90. 中山福藏

    委員長(中山福藏君) 内容、外観とも改善されることについて相当の努力を払われる必要があると思う。そういう研究はどういう方面でやっていらっしゃいますか。
  91. 加納久朗

    参考人加納久朗君) これは調査研究室というものを設けまして、そうしてテクニシャンは優秀な人が私どもの方におるものですから、その人たちができるだけいろいろな工夫をこらしております。同時に大きい団地、大きい家になりますと、外部にもこちらで設計したものを一ぺん見せて直してもらいます。大阪の場合には大学の先生に頼んだ場合もございますし、東京の場合には建築事務所に頼んだ場合もございまして、できるだけそういう点は改善していくつもりでおります。
  92. 中山福藏

    委員長(中山福藏君) それからもう一点聞いておきますが、火事のとき、現在の構造では逃げる道に非常に難渋するのじゃないかと思いますが、いかがですか。
  93. 加納久朗

    参考人加納久朗君) 今公団の方で建てております家は、火事がありましても一軒だけで済むという構造になっております。天井から横から下までコンクリートになっておりますから、火事がありましても一つのアパートメントだけで済む。それから外の方はすべてスチール・ドアにいたしておりまして、火事があっても外に火が出ないような構造にはなっております。幸いにして今まで火事が起ったことがないのであります。
  94. 中山福藏

    委員長(中山福藏君) もう一点聞いておきますが、新聞によると、あちらこちらで三階から落ちた、二階落ちた、幼児の落ちる場合が多い。大阪なんかでも二回ほどあったでしたか。あの窓なんかの構造がやはり非常に不十分だと考えられるのですが、この間一人は途中で木の枝にひっかかって助かったというのがあります。これはつまり画一するということじゃなくて、段階に従ってそういう点に対する考慮を払われた方がいいのじゃないかという気がいたしますが。
  95. 加納久朗

    参考人加納久朗君) 全くお説の通りでありまして、日に日に研究を積んでそういうことのないようにしていきたい、こう存じております。
  96. 西田信一

    ○西田信一君 先ほど住宅局長から、今度の利益処分と納付金の関係について、当分の間納付金をするような経営状態にはなるまいということでございましたが、最近の一年間の事業年度の損益関係はどんなふうになっておりますか、聞いておきたいと思います。
  97. 加納久朗

    参考人加納久朗君) 損益なしということでございます。
  98. 西田信一

    ○西田信一君 そこで、利益が生じた場合のことを今度法律で定めるわけでありますが、これは法律の形を整える意味においてあるいは考えられたかとも思いますけれども、利益がかりに生じたという場合、むしろ私は賃貸価格の引き下げであるとか、あるいはまたその利益の生じた理由によっては、すでに契約されている分譲価格の改訂、引き下げというようなことが当然考えられてしかるべきだと思うのですけれども、そういうことがまず優先して考えられるべきじゃないかと思うのですが、それに対するお考えはいかがなものでしょうか。
  99. 加納久朗

    参考人加納久朗君) もしそういう場合があれば、建設省の方にも御相談いたしまして、そういう国家の御方針に沿うようにしたいと思っております。しかし今日までの計算はもうぎりぎり一ぱいというところで計算しておるわけでございます。
  100. 西田信一

    ○西田信一君 予想されないことをお尋ねするのはちょっとどうかと思いますが、この条文の上からは利益が生じた場合の処分についてうたっておるわけでございまして、この積立金につきましては政令で基準を定めるということになっておりますが、大体どういうような基準を定めるお考えであるか。
  101. 鬼丸勝之

    政府委員鬼丸勝之君) この積立金の基準でございますが、実は産業投資特別会計から出資されておりまする他の類似機関で、すでに先輩がありますので、たとえば輸出入銀行でありますとか、あるいは日本開発銀行、あるいは農林漁業金融公庫というようなものがありますが、こういうものの事例を参考にいたしまして、適当な基準を定めたいと思っております。一例を申しますると、日本開発銀行におきましては、利益金の百分の二十に相当する額、または毎事業年度末の貸付金の残高の千分の七に相当する額のいずれか多い方の額というようなきめ方をいたしております。
  102. 西田信一

    ○西田信一君 最後に一点伺いたいのは、今度納付金の制度を設けるのは産投特別会計からの出資にこたえておる、こういうことでありますが、そこで一般会計からの出資金もあり、さらに産投特別会計の出資、これに地方公共団体の出資等があるわけでございますが、先ほども田中委員の御質問もあったようでございまするが、明確でなかったのですが、これらが産投特別会計からの出資にこたえてこういう制度を設けるという趣旨から考えて、これらを同列に考えるのであるか、あるいはまた順位差等を設けて考えるのであるか、これも政令にゆだねられている問題でありますが、どのようなお考えであるかお伺いをしたい。
  103. 鬼丸勝之

    政府委員鬼丸勝之君) おっしゃる通り政令で具体的に規定いたしたいと思っておりまするが、大体は産投会計から出されたものと、地方公共団体から出資したものは、それぞれの出資額に応じて按分的に考えて参りたいと思っております。
  104. 石井桂

    石井桂君 先ほどちょっと聞き漏らしたのですが、水面埋立事業で四千七百五十円で埋め立てたものを分譲しなければならぬ、そういう場合には幾らで分譲するのですか、大体。分譲する場合が起ると思うのです。
  105. 町田稔

    政府委員町田稔君) 埋立事業造成いたしました宅地につきましては、大体時価等を参酌いたしまして、原価、それからその他用途、たとえば埋め立ていたしましたところが工場用地に使われる場合とか、あるいは学校に使われるとか、それらの用途をも考慮して定めて参りたい。
  106. 石井桂

    石井桂君 結局四千七百五十円かけて一坪埋め立てますね。そうすると、それより安く分譲することはないと思います。しかし時価とにらみ合せると、近所がたとえば坪五万円なら五万円取るのですか。そうすると十倍くらいもうかってしまう。そういうこともやるのですか。
  107. 町田稔

    政府委員町田稔君) 公団造成いたしました宅地は、全体としましては、あくまでも原価主義でいくべきだと思います。ただ工場に売ります場合等は必ずしも原価にこだわらず、時価をも参酌いたしまして、処分価格をきめていいんではないかと思っております。それから学校病院等に売ります場合等につきまして、これは例でございますが、場合によりましては、原価よりも安く処分してもいいんじゃないか、全体としましては原価主義でいくというように考えております。
  108. 田中一

    田中一君 関連して。私はどこまでも国の持っている財産というものはことに新しく造成するような土地は売ってはならぬということを考えているのです。売るべきではないのです。これは一番総裁が経済事情に明るいですからおわかりの通り、かりに正しい公共性あるものに売ったとします。これは善意な動機から出発したものであっても、その方が売る場合ですね、買う人がまたそれよりも安くは大体買わないのです。安くないわけなんです、結局。それをまたその人が売った場合ということを考えますと、結局結論としては国民の負担が増大する。土地というものに対する経済価値というものは変動するから、国がもしそれを売らなければ原価でもって十分なわけです。売ることによってのみそれが高騰するわけなんですから、こういう点を私はしてはならぬと思うのです。今別に大蔵委員会の方にかかっております法案でも、宅地造成をするために国有地を払い下げるというようなことを今法律できめようとしているのです。特別会計でやろうということをやっているのですが、これは政府としても今分譲ということをうたっておりますけれども、何も使用料をもらえば工場にだって貸せばいいんです。こういう点については、私はこの法律案に対しては賛成したいのです。賛成したいけれども、どうもその点が納得できないという点があるのです。そこで譲渡というこの目的を削除するということになると、立案したところの建設省としては非常に困るような問題がございますか。今石井君が質問しているように五千円のものが五万円になった場合でも、これはもうかったから売るのだということなのか、もう売らないという前提のもとにおいてもその土地の利用というものは十分はかられるのです。こういう点を考えて、これはイデオロギーの相違がございますけれども、私はどこまでも国の持っている土地というものは、ことに新しく造成した土地宅地なんというものは売買の対象にしてはならぬということを考えているのですけれども、今の譲渡というものを引っ込めるということになっては、住宅公団が与えられた事業を遂行するために支障があるかないかの問題をまず伺いたいと思うのです。これは政府並びに総裁から伺いたいと思うのです。
  109. 中山福藏

    委員長(中山福藏君) それは一つ小澤政務次官から御答弁していただくのが適当でしょう。それから総裁からも一つお願いしたいと思います。
  110. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) これは必ずしも分譲だけではございませんので、やはり賃貸、分譲ですね、両方できるように法律では書いてございます。それから分譲しないではどうかということでございますけれども資金の回転とか、いろいろな面から見てやはり分譲ということも必要じゃないか。たとえばほかの住宅公団でやっている宅地もやはりこの分譲、賃貸というものがございますが、同じような趣旨でやはりそういうふうに規定すべきじゃないか、そういうふうに考えております。
  111. 加納久朗

    参考人加納久朗君) 住宅公団の立場から申しますというと、これを分譲いたします場合には、それが日本経済に寄与するようなやはり工業、企業というものに分譲をしていくというのがこれが当り前だと思っております。それからもう一つはもしその分譲を受けた人が、あるいは会社が違った用途にそれを使うという場合には、初めの分譲いたしましたときの約束でそれを取り上げる、取り消す、あるいは公団は買い戻しをする約束をつけてやるべきだ、こう思っております。
  112. 田中一

    田中一君 まことに総裁から、せめても私が納得するような御答弁をいただいたので非常にうれしいのです。実際、できるならば公共のために、あるいは日本経済のプラスになるための産業に、あるいは相手方に譲渡するならこれは正しいと思います。同時にまた目的が変更された場合、別の用途に転売された場合は公団が買い戻して、また同じような公共のために売るという形をとっていただきたいと思うのですよ。しかしこれは民法の上から言って非常に大きな問題があると思うので、その点は今後この運営に当りまして、政府は、総裁が率直に非常にいい答弁をしてくれたので、非常に僕はうれしいのですが、そういう措置をとるようなことをあらゆる法規からお調べになってですよ、そういう形で運営していただくことが望ましいと思うのです。その一点が今総裁が言っておられたような形の運営をするならば、私はこの法律案に対してはもう賛成してもいいと思うのです。ただその一点だけがどうしてもやり切れなくなった。そしてこれが、少し言い過ぎになるかもしれませんけれども、政治的な圧迫によって、圧迫というか、その影響によって妙な形に払い下げをされたり、転売されたということになりますと、これまた汚職の温床を作るようなものではなかろうかと思われるような点が多分にあるのです。しかしこの問題につきましても、相当いろいろ関係法規の上から言っても私自身も疑問があると思うのです。従ってこういう点は今後とも十分に御検討なさって、今の総裁の考えておられるような意図のような措置をとってほしいと思うのですが、この点について政務次官はどういうお考えですか。
  113. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) たとえば分譲地の場合、不当の利益を得るということのないように措置するということをきのう申し上げましたが、それはたとえばそういう場合には買い戻す権利を保留する、そういうことは政府としては十分考えている、そういうつもりでございます。
  114. 中山福藏

    委員長(中山福藏君) ちょっと速記をやめて下さい。   〔速記中止〕
  115. 中山福藏

    委員長(中山福藏君) 速記を起して。
  116. 西田信一

    ○西田信一君 計画局長にお尋ねいたしたいのですが、先ほどの石井委員質問に対して、あなたの御答弁で譲渡の場合、分譲の場合ですね、水面埋め立てによる土地の分譲、譲渡の場合に、学校病院等にはあるいは原価よりも安くする、それから工場等には高く売ってもいいかと思うというお答えがあったようだが、そこで来年度指摘されておるものは四千七百五十円という目途のようですが、私はどうもその住宅と工場のその価格の差を住宅は安くして、これは住宅公団事業ですからそういうねらいもけっこうだと思いますけれども、工場用地を高く売ってもいいという考え方では、この新市街地の造成というようなことに私は必ずしもいい結果はこないじゃないか。むしろ工場用地は逆に考えても、場合によってはいい場合もあるのではないかと思うのです。そこで一体四千七百五十円で埋め立てをやるという、これはどれを予定しておるかわかりませんが、工場用地とあなた方考えておられるところで、工場用地としてどれくらいまでならば工場用地として価格が適当であるかというようなことについて、何かお考えがございますか。価格の面から。
  117. 町田稔

    政府委員町田稔君) ただいま工場用地として考えておるような土地について、どの程度の現実には地価を考えておるかということについての御質問でございましたが、たとえば埋め立てにつきましては、千葉、四日市等にいろいろな例がございます。これらでは付近の類地の価格が七千三百円あるいは一万一千円という程度になっておるのでございまして、公団埋め立てをいたしました場合にも、工場敷地等につきましては、もちろん原則としては原価主義でいくべきだと思いますけれども、近傍類地の価格もやはり参酌して具体的に価格をきめるべきではないか。こういうように考えます。
  118. 西田信一

    ○西田信一君 その近隣の地価を参考にして地価を定めるという、分譲価格を定めるというお考え方のようですが、私のお尋ねしているほんとうのその趣旨は、要するに安い工場用地を提供することによってそういうその新市街もでき上るのだ、そこでむしろその工場用地を安く作ってやるということもこのねらいのうちの一つであっていいんじゃないか、こういうふうに考えましてお尋ねしておるわけですが、この法律案住宅用地とあわせて云々とございまするけれども、実際新市街地の造成というようなことは、たとえば工場が誘致されて初めてそこに新市街の住宅も必要になってくるという場合も多いと思うのです。ことに埋め立ての場合なんかそうだと思うのです。ですからそういうようなことを考えます場合に、必ずしも工場用地は近隣の地価を考えて、そうしてそれに匹敵するような、相当するような価格で売るという考え方でなく、むしろ安い工場用地を提供するということによって、一つ積極的な工場誘致を考えるという面も中に含めて考えられていいのじゃないか。従ってむしろ私は、場合によっては工場用地というものは住宅よりは非常に何と言いますか、広く使ってむだなところもありますが、集約的に使えるのが住宅用地であるから、そういう面ではむしろそういうふうなしいて差をつけるという考えを持たなくてもいいんじゃないか、こういう気持でお尋ねをしておるわけです。そして一体坪どのくらいまでは普通あなたが考えられている工場用地として適当な限度の価格であるかということについてのお考えがあるだろうか、こういうことをお尋ねしておるわけです。
  119. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) 今西田さんからお話がありました工場用地の値段の問題ですが、これは工場用地はそう高い値段であったら、なかなか工場の採算が合いませんから、この埋め立てをして新市街地を発展させるその一翼として工場用地を作るということは、なるべく安い工場用地を作る、そして発展させるというような趣旨がもとでございます。ただ先ほど計画局長がおっしゃいましたが、付近のあれを参酌するだけでございまして、あくまでもやはり安い用地を提供するという趣旨には変りございません。私どもそういうふうにやっていきたいと思っております。
  120. 中山福藏

    委員長(中山福藏君) それでは本日の質疑はこの程度にとどめます。
  121. 中山福藏

    委員長(中山福藏君) ちょっと皆さま方にお諮りいたします。委員会の開会の日時を今までのを若干変更いたしまして、今後原則として毎週火、木の午前十時及び金曜日午後一時開会とすることに決定したいと思います。ただし、次回明後日の金曜日は一応十時に開会いたすことといたします。  次に、国土開発縦貫自動車道建設法案については、提示されました修正案を各会派にお持ち帰りを願って御協議をわずらわし、金曜日の午前なかぐらいまでに結論を出していただきたいと、かように存じます。差しつかえございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  122. 中山福藏

    委員長(中山福藏君) それでは本日はこれをもって散会いたします。    午後三時五十三分散会