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説明員(
山本三郎君) 過般の
台風五号を伴う梅雨前線によりまする豪雨の災害の概況につきまして、ただいままでに集りました資料をもとにいたしまして御
報告申し上げます。お
手元に差し上げました資料によりまして御
説明申し上げます。
この資料にあります
通り、目次がありますが、気象概況、それから直轄
河川、大きな
河川の概略の出水
状況、
被害の多かった中小
河川等の出水
状況、それから全国の雨量の
状況、五番目といたしましては、公共土木施設の現在までに
報告のありました
被害額の調べ、それから第六番目といたしましては、それ以外のおもなる
被害の調べにつきまして御
報告申し上げます。
第一番目は気象の概況でございますが、今回の豪雨は
台風の第五号が本州を縦断いたしました梅雨前線に沿いまして、九州から関東に縦断いたした、そういう結果豪雨をもたらしたものでございます。
第二番目は直轄
河川、大きな
河川の出水の概況でございますが、近畿、中部、関東地区にありまする大きな
河川におきまして、警戒水位
程度の出水を見たわけでございます。これは山地部に大きな雨が降りますると、直轄
河川、大きな
河川につきましては、大きな出水があるのでございますが、今回の雨は低地部に主として大きな雨が降ったために大きな
河川におきましては、ここに示しまするように、警戒水位をちょっと越したぐらいの
程度の水が大きな洪水の方でございました。ここにありますように、淀川におきましては警戒水位が大体枚方におきまして四メートル五十でございますが、三メートル九十四が最大である。大和川におきましてもその
程度でございます。猪名川、由良川におきましてもその
程度でございましたが、この中で大きいと児られまするのは、中部
地方の天龍川の上流でございまして、市田というところで警戒水位が三メートル四十でございますが、今回の出水は四メートル七十五になっております。それから山梨県から静岡県に流れまする富士川が、警戒水位が三メートル四十が四メートル十六、鶴見川が三メートル五十が四メートル十五、こういうふうな
程度になっております。
それから低地部の中小
河川に相当大きな出水があったわけでございますが、一番大きなものは「3」という大きな項目のところに書いてありますが、「a」といたしまして寝屋川水系というのがございますが、これは大阪市の東大阪一帯の水を集めまして、旧淀川に出ておる川が寝屋川でございますが、これが一番ひどい
被害を与えたわけでございます。降雨の中心が東大阪にありまして、二十七口の朝までに二百五十ミリの雨がありました。さらに二十七日の夜までに五十ないし七十ミリの降雨がさらに加わったために、寝屋川水系の本川、楠根川、恩智川、平野川等がいずれもはんらんいたしまして、はんらん面積は、千八百町歩、人家の密集地帯でありますために九万戸の浸水を生じたわけでございます。これは降雨の出水によるほか、高潮——ちょうど潮が高いときにぶつかりましたために、非常に困難だったという問題が重なりまして、こういうふうな
被害を及ぼしたのでございまして、浸水の一番深い深さが五尺
程度に及んだということでございます。それから表六甲の
河川がございますが、これの東の方の小ちゃい川がやはり大阪の付近の
台風の
影響もございまして、
被害を受けております。神戸では二十七日の四時から五時の間に一時間八十ミリというふうな大きな雨が降りまして、これは昭和十三年にこういう記録がございますが、それと同じような
程度の時間雨量がございまして、宮川とか都賀川が
被害を生じております。
次は第四番目といたしまして、御参考に全国の主要地点の雨量表が掲げてございます。これでごらんいただきますとおわかりのことと思いますが、平地部に割と多かったわけでございまして、千葉県の銚子におきまして百六十六ミリ、東京におきましても百五十二ミリでありまして、これは昭和十三年の六月、七月に雨がございましたが、それに匹敵するような雨でございました。それから長野県の飯田におきましても二百六ミリ、それからずっと参りまして、一番多かったのがやはり大阪の二百九十三ミリ、二十六日から二十八日にかけまして二百九十三ミリというのは、一番大阪といたしましてもこれは記録的な雨になっております。その他高知県高知で二百五十三ミリ、それから長崎県厳原で三百二ミリというふうな記録が
報告されております。
次は第五番目といたしまして、公共土木施設の
被害額の
報告が来ておりますが、これも的確な数字ではございませんが、そのうちに推定というような数字がございますが、これらの点はまだ不的確なものでございますが、現在までの
報告額は十五億三千七百万円と相なっております。このうちでやはり多いのは長野県、岐阜県、大阪府、兵庫県、それに続きまして奈良県というふうになっております。これらの実情につきましては、県ともよく連絡をいたしておりますが、取りあえず長野県及び岐阜県につきましては、一人の寺岡という技官を現地に派遣いたしました。それから大阪、兵庫につきましても、係官を派遣いたしまして、実情を調査中でございます。
次は一般の土木施設以外の主なる
被害額の調べを提出しておきましたが、これによってごらんになっていただけるように、大阪府におきましては、床上浸水が二万二千五百六十三戸、床下浸水が七万四千戸というふうになっておりまして、これは先ほど御
説明申し上げました東大阪の寝屋川水系の八尾市、寝屋川市等の部分の浸水でございます。それから次に大きいのはいわゆる東京、一枚めくっていただきまして、東京でございますが、床下浸水が九千戸
程度に相なっておりまして、先ほども御
説明を申し上げましたように、低地部の雨が多かったために市街地の浸水が多いために、普通の出水と異なりまして、人家の浸水
被害が相当大きかったということでございます。土木施設の
被害につきましては、緊急を要するものにつきましては、県で急いで調査をいたしまして、その計画を作るわけでございますが、その申請がございますならば、すぐそれを現地で調査をいたしまして、
建設省から係員を派遣いたしまして調査をし、施設の復旧に遺憾なきを期したいというふうに考えております。