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久保等君 一言、私この
機会に、時間がございませんから、結論的な点で
大臣に強く御反省を願い、また
一つきわめて明確な措置をとっていただきたい、このことを申し上げたいのです。それは実は
本件についても、前の
多久島
事件についてもそうでありますが、さらにはまたひいて、当
決算委員会が年々歳々
決算報告を
審査して、
農林省の一般的な
農林行政に対する
指摘事項、
会計検査院の
指摘事項、これに対する善後措置の問題等を見ましても、全く改善の実は、実績を認めることはできないわけです。先般も二十九年度の
決算報告に対して、特に
農林省に対しまして警告決議を再度にわたって実は満場一致で決定をした
経緯もあるのです。
ところで先ほど
大臣の御答弁にもありましたように、こういう具体的な
不正事件が起きた場合に、それに対する
責任の所在というものが常に問題になるわけです。
大臣も言われておりますように、
責任態勢を
明確化したいという
お話があったのですが、私はもちろんそういろ態勢を各般の面について
考えていただく必要があると思うのですが、今回のこの問題、具体的なこの全
購連事件に対する問題についても、ぜひ
一つ私は
国民の納得のいく
責任の所在を明確にしてもらいたい。言葉をかえて言いますならば、厳罰ないしは厳正なやはり処分の措置をとってもらいたい、このことを強く申し上げたいと思うのです。それは時間がございませんから、具体的ないろいろ
指摘したい
事項があるのですが、たとえば今回の
事件にいたしましても、先ほど
数字であげられましたように、補助金が全
購連に少くとも出されておるのです。金額の多寡は別として、また元利をつけて返す返さないは別として、とにかく国家
予算の中から補助金を出しておる、
ところが現実は、
内容をあげてみると、五億円に上る含み資産を持っておったというようなことについては、私はこれは
農林行政、ことに
肥料行政については、
農林当局の怠慢ないしは
農林当局そのものが一体どういう
検査を行なっておったか、こういうことについて非常に大きな疑惑を持たなければならない。従って
指導監督という
立場における
農林当局の非常にきわめて大きな
責任において、これを回避することは許されないということと、同時に
農林省そのものの公務員である
海内課長補佐が現実に一汚職問題を起しておる。これは
農林当局そのものの問題なんです。こういう私は二つの観点から
考えてみると、
農林当局そのものが非常に重大な
責任をとらなければならないということだけは明確ではないか、最近とかく汚職問題が出ますと、その
捜査過程において自殺者が出る、非常に何か悲壮感に襲われるような、自殺者が出るのですが、この自殺者の心境なり
経緯を
考えてみると、常に何かこの不正問題に関する渦中にあると目される
人間が、その不正問題が明るみに出て拡大していくことをおそれて、火消し役を勤めて、みずから生命を断つという
経過が、いろんな事犯の場合において見られるのです。私は
国民にとってこれほど人をばかにしたことはないと思う。みずから
責任があると感じて、みずからの
責任をわびる
意味において命を断つという形においては、これは命を断てということは決して申しませんけれども、しかしこういう
責任の取り方ではなくて、その
捜査当局の対象人物になっておる
人間が、上司をかばうというか、つまらない義理人情という観点から、あるいはまた汚職問題をできるだけ不拡大にしようという
意味から、とかく自殺者が出るという
事件が非常に多いのです。私は、自分の部下が不正をやった、従ってそれに対する
責任を感じて、みずからは何らやましい
ところが個人的にはなかったが、しかし
責任者の
立場において、
責任をとるという
意味で、自殺者が出たということは、寡聞にして実は聞かないのです。私はここらに日本の今の官庁
組織、また政府
関係機関の
責任問題というものに対して、きわめてこれは
責任観念が地を払っているという現実を見のがすことができないと思う。私は特に
大臣がここに御
出席ですから、
大臣に要望したいと同時に、先般も岸総理がこの
委員会に
出席されたときにも強調しておいたのです。一体今の岸内閣そのものが汚職、疑獄問題について、どういう
責任をとろうとしているのか。またそういう問題について、今後どういう一体善処をしようという決意を持っているかという点について、総理にも御
質問申し上げたのですが、確たる御答弁がない。いわばその場限りの適当な御答弁で、その場を過ごしている。私はここらに今日の汚職が続出してくる根本的な
原因があるのじゃないかと思います。少くとも今度のこの
事件についても、私はいろいろ
原因をとってみれば、一事ならざる多数の
原因があると思う。しかし問題は、今後も再びこういう問題が起らないという最も有効なる方法は、先ほど片岡
委員からもあった全
購連の機構あるいはそれに対しての
監査、そういった問題もありましょう。ありましょうが、しかしながら今度の出た問題については、私はやはり厳正に
国民の納得のゆく形で、
責任者に対する措置をとる、処分を行うという問題がある。これはきわめて端的である。私は一罰百戒という点から言っても、ぜひ必要ではないかと思う。私は特に従来から、
決算委員会における諸般の何千件に上る不正不当
事項を扱ってみて、つくづく感ずることは、
責任が結局雲散霧消した形になってとられておらない。すでに先般国鉄問題あるいは運輸当局の問題について、むしろ汚職、疑獄をやった
人間は、結果的には依願免職でやめた。そうしてこう横すべりして、政府
関係機関に近いような
会社に就職しているという措置がとられているような心がまえでは、こういう問題を未然に防ぐということは断じて私はできないと思う。従ってそういう点についての綱紀粛正という
立場からも、本
事件は、私はそういう
意味で、雨降って地固まるという
立場で、
本件の処理に当っていただきたい、かように
考えて、かつその点を特に強く
大臣に要望しておきたいと思うのです。それに対する御所見を伺って、今日の私の
質問を終りたいと思います。