○
説明員(
石渡達夫君) 百一ページの七百三十一号について御
説明します。
「
経理のびん乱しているもの」、これは、
関東信越地区麻薬取締官事務所で、三十年四月から三十一年九月の間に、
正規の
手続によらないで不当に
支出した
金額で、それを別途
経理しまして、その
現金で
旅費、
捜査費、
報償費等に充当したものが二百八十九万五千円あった。この
役所は、御承知のように、
麻薬の取締りをしておるのでありまして、この法律に反した者を検挙する
司法警察権を持っておる
役所であります。それで、いろいろの
捜査の
経費が要るにもかかわらず、
予算においてそうした
経費が十分でなかったと、そういうので、やむを得ずに
正規の
手続によらないで
経理をして、便宜的な
方法で金を使ったという点も認められます。ここにあげました二百八十九万五千円、これは
旅費、
捜査費、
報償費等、この
役所の
経費として
予算があれば、
正規に
支出できたであろうと思われるような
経費であります。そのほかに
適正を欠くと認められるものが十四万八千五百五十一円、これはかりに
予算があっても認められない
経費であると思うのであります。残余の二万二千六十一円につきましては、全く
使途がわからない。さっきも申し上げましたように、
予算の組み方が、こうした
役所についてぴったり当てはまるようにいっていなかった。やむを得ず不当に
経理をしたという恕すべき点もあるのでありますが、それにしましても、
適正を欠くと認められる
経費も相当額含んでおり、また、
使途が全くわからない
経費も中にはあるというので非常に
経理が乱れておるのは、まことに遺憾であります。
なお、三十一年十一月に、前記の不
適正経費及び
使途不明分を合せた十七万六百十二円、これは
全額国庫に返納されました。
次に、七百三十二号から八百十六号までの「
国庫補助金等の
経理当を得ないもの」、これについて御
説明します。
まず第一に、七百三十二号から七百六十号までの
公衆衛生の
補助に関する点であります。これは
保健所法、あるいはその他の
公衆衛生関係の
法令によりまして
国庫補助金を
交付するものでありまして、
厚生省におきましては、
厚生省所管国庫補助金等交付規則という非常に厳格な
規則を作られまして、これに基いて
交付をしておられます。
検査院も、
厚生省が作られましたその
国庫補助金等交付規則を
ものさしにしまして、それを当てがって
検査をしたのでありますが、以下、各
番号がふってありますような
補助金の
不正額が発見されましたことは、まことに遺憾であります。こうした
経理がありましたおもな
原因は、
国庫補助金の
国庫補助基本額に、
補助の
対象とならない
経費を含めていたもの、
事業に伴う
収入を過小に算出したり、または
算定基準額の誤算があったもの、こうしたような
原因によりまして、すでに提出した
精算書では
補助金が不足になっておりますものが、かえって
超過になりましたり、また
超過として
精算しておりましても、その
超過額がさらにふえて返納を要するものが、一
事項ニ十万円以上のものをあげますと二十九件、千九百六十四万四千円ございます。このような
事態につきまてしは、二十七
年度以降、毎年
検査報告に
指摘しておるところでありますが、なおこのような事例が見受けられますことは、前に申し上げました
補助金等交付規則が定められ、これを
補助条件としているのに、これについての
厚生省の
指導監督が適切を欠いていた。かつ
精算の
審査が不十分な点があった。また
補助団体におきましても、
財政困窮等のために、
正当交付額以上に
補助金を受けようとする傾向があるものによると認められます。
なお、ここに
各項別に
保健所費補助金、
結核予防費補助金、
性病予防費補助金、
精神衛生費補助金、
各項別に
番号をふっておるのでございますが、
各項の御
説明は省略いたします。
ここに
合計二十九件、千九百六十四万四千円あがっておりますが、二十九
年度と比べて見ますと、二十九
年度はこれが二十件、九百二十八万円、二十八
年度は二十九件、二千百十六万円、こういう数字になっております。
それから、次に百六ページの七百六十一号について御
説明します。
「
結核療養所整備費補助金の
経理当を得ないもの」、これは
青森県で二十九
年度に施行した
結核療養所整備事業に対しまして、
国庫補助金八百五十七万四千七百円を
交付しておりますが、
対象外の
工事費を含めておりましたために、
補助金が四十四万四千四百五十三円
超過交付になっておる
事態でございます。
これは
青森県立の
青森療養所の
結核病床百床を増設する
工事に対する
補助でありますが、この
設計の中には、
炊事とうの
工事費は含まれていなかったのでありますが、県において
申請外の
炊事という七五・五坪、この
建築費二百八十六万九千円を含めて、
全額補助の
対象に含めて
精算をしているのであります。ところが同
療養所は、
結核病床だけではなくて、ほかの
病床もありまして、このほかの
病床のための
炊事という、これは少くも除かなければ工合が悪い。初めの
申請にはありませんでしたけれども、一歩譲って、
結核病床に対応する
炊事場の
工事は認めるものとして、その分の
工事は、
ベッド数によって按分比例しますと百九十万二千三百七円、これに対する
補助金を認めまして、そのほかの九十六万六千九百三十五円の分に対する
補助は、
結核病床以外に対応するところの
炊事とう
工事の分ですから、
補助から除かなければならない。この分を除いたものが、先ほど申しました四十四万四千四百五十三円になります。
次は、七百六十二号、「
簡易水道整備費補助金の
経理当を得ないもの」、これは新潟県の
刈羽郡
刈羽村、これが二十九年、三十
年度に施行した
簡易水道工事六百二万五千二百七十円に対して百五十万円の
補助を
交付してありまして、四分の一の
補助です。ところが、実際に要した
工事ははるかに少いのに
付け増ししまして
精算したために、六十三万八千九百二十円
超過交付になっております。これは、当初は大きな
設計を持っていたのでありますが、同村が財源に窮したため、
設計を変更しまして、
鋳鉄管の一部をエタニット・パイプにする、また
管経、管長の一部を変更する、こうした
設計変更をしまして、
請け負い分が三百四十万円、
直営施行分が四万四千、これの
合計三百四十四万四千三百二十円で
工事を完成しているのに、
付け増しをしまして、六百二万五千二百七十円かかったような
精算書を提出し、
厚生省は、そのままそれを信用して
補助を
交付したという
事態でございます。
次に、「
生活保護費負担金の
経理当を得ないもの」、七百六十三号から七百八十九号まであがっておりますが、これは、二十九
年度も同じ
事態につきまして
検査報告があがっておりまして、詳しく審議していただいたのでありますが、それと同様の
事態につきまして、二十九
年度には見なかった
青森県ほか三十府県、それから
北海道は二十九
年度と重複して、もう一度見たのでありますが、見たところが、やはり
結核で長い間入院している気の毒な家庭ではありますが、その家族の働ける
収入を低目に見たために、
保護が行き過ぎているというものが、やはり二十九
年度と同
程度に出ております。
件数としまして千九百四十三
調査しました中で九百九十三が不
適正で、この
比率が五一%になっております。二十九
年度は千三百七十三見まして、そのうち不
適正が八百十二、この
比率が五九鬼になっております。従って
パーセンテージからいいますと、二十九
年度が五九で、三十
年度が五一と、やや
改善の跡が見られます。
厚生省におかれましても、二十九
年度にああした
検査報告が出た
関係もありまして、非常に徹底した
指導監督をしておられるのでありますが、なおこうした
事態が生じまして、この問題は、前の当
委員会におきましても、非常に同情的な御
意見も出ておりまして、われわれとしましても、きのうまで相当な俸給をもらって
生活していた
世帯が、一朝その
世帯主が病に倒れるというと、あくる日からもう
生活保護を受ける
世帯になるという、非常に気の毒な
事態でありまして、同情を持って
検査をしているのでありますが、しかし、
ほんとうに
保護をする相手に、真に公平に
保護が均窮するという、大乗的な見地からこうした
検査をしたのであります。
次に(五)の「
児童保護費負担金の
経理当を得ないもの」、七百九十から七百九十六、これは
児童保護法に基く
児童福祉施設の
児童保護に要した
経費として、都道府県または
市町村が、
昭和二十九
年度に支弁した
金額に対する
国庫負担金でありますが、
厚生省におきましては、この
国庫負担基本額の
限度をきめておりまして、実際に県なり
市町村が支弁した
金額がこの
限度を上回る場合には、上回った
金額によらないで
限度額による。また下回る場合には、
限度額によらないで実際の
支弁額による、こういう
基本を定めておられます。
検査院におきましても、この
厚生省のきめた
ものさしをそのまま
ものさしに使って当てがって
検査をしたのであります。ところがこの七百九十から七百九十六にあがっておりますような
事態がありまして、七件五百二十二万二千二百七十一円が、
国庫負担が行き過ぎて、返還を要するという
事態となっております。こうした
事態となりました
原因は、まず第一に、実
支弁額が右の
限度額をこえているのに、実
支弁額をそのまま
補助の
対象とした。また実
支弁額が
限度額以下である場合に、実
支弁額を過大に計上して、
限度額まで達するように過大につけ増しして計上したものを、そのまま認めて
国庫負担の
基本額とした。また
徴収金を控除する場合には、
厚生省の今の
基準によりまして、
徴収決定済み額によらなければならないのに、
現金の
収納済み額によっておる。だから過小に少く
収納金を控除しておるというような
原因によっております。
次に、(六)の「
国民健康保険助成交付金の
経理当を得ないもの」、これは七百九十七号から八百十六号までにあがっております。
国民健康保険助成交付金の
経理状況につきまして、三十一年中に施行した
会計実地検査において、二十九
年度に
助成交付金を
交付した五千二百八十一
保険者のうち、その八%に当る四百四十五
保険者について
調査をした結果、次にあがっておりますように、一
事項ニ十万円以上のものが二十件、一千十四万二千円、これが
超過交付額になっております。この四百四十五
保険者を見たうちの二十件という
比率は四・五%になっております。二十九
年度に
検査報告にあがっておりますものは六・六%になっております。それから見まして、
厚生省におきましても、
補助金の
適正な
交付について
指導監督に
努力をしておられる跡がうかがえるように存じます。このような
事態につきましては、毎年
検査報告にあげているのでありますが、なお、こうした
補助金の
交付超過が生じます
原因は、現在の
交付方式が非常に複雑になっている。この
交付の
方法は、前
年度の実績を
基礎としまして、
条件を三つくらいきめて、その三
条件を満たした者に
交付する。この
条件が欠けますと、この
検査報告にあげておりますように、この
北海道の七百九十七のように、三
条件を欠いているために、
正当交付額がゼロになって、まことにお気の毒なことになっているのであります。この
条件を充当しなければ全然問題にならない、この三
条件を充当したものにつきまして、四つの
方式を当てはめて
計算する。こういう非常に複雑な形式になっているので、つい
補助金を受ける方が間違った
計算をするという場合もございます。それからまた、本
年度非常に多いケースとして、摘要にずっと
原因が書いてありますが、この
原因の中に、
一般会計繰入金が相違しているものが、ほとんど各
県ごとにあがっております。これは、
一般会計の
繰入金についての範囲が解釈上はっきりしない点もある、こういう点について
厚生省の
指導監督がなお足りない点がある、こういうような
原因で、なお
交付超過の問題が跡を絶たないように思われます。
次に、
厚生保険特別会計、
昭和三十年における
健康勘定の
損益計算書によりますと、
利益の部が四百六十七億八千百余万円、
損失の部が四百七十三億五千六百余万円、差引五億七千四百余万円の
損失となっておりますが、この
損益計算には、
一般会計繰入金の十億、それから土地、
建物等の
評価差益七億四千九百余万円、これが
利益の部に入っておりますから、こうしたものを除いて、
ほんとうの
会計自体の
損益をはじいてみますと、本
年度は
損失二十三億二千三百余万円となりまして、二十九
年度の
損失四十億五千八百余万円であったのに比べましてだいぶ
損失が減少しております。このように
損失が減少しましたのは、
収入面において、三十年六月から
保険料率が上りまして、従来の千分の六十から千分の六十五に上ったのであります。こういう
保険料の引き上げ、それから前
年度に比べまして、被
保険者数が一・二%、それから
標準報酬月額が四・六%
増加したことなどによりまして、
保険料収入が前
年度に比べまして一三・八%の五十四億二千七百余万円も
増加しておる。ところが一方、
支出面におきましては、
診療報酬請求明細書を
支払基金におきまして厳重に
調査をするようになってきた。従来も厳重でしたけれども、非常にまあ厳重になってきた。それから、そのために不正な
請求を排除するのがふえてきた。それから被
保険者の
受診率の
上昇が、従来非常な
勢いで上っておりましたが、この
年あたりから
上昇が鈍化してきた。そのために
保険給付の
増加が前
年度に比べまして三十七億、
パーセンテージにして八・八%の
増加にとどまっておる。一三・八%
収入がふえまして、一方
支出が八・八%の
増加にとどまっておる、こういう点が大きな
原因になっております。
参考に、二十九
年度の二十八
年度に対する
給付の
増加をちょっと書いてありますが、それは百二十四億、猛烈な
勢いで二十九
年度は二十八
年度に対してふえております。これがまあ四十億というような赤字の大きな
原因になっておると思います。この百二十四億円と申しますのは、
パーセンテージにしまして、前年から見て四〇%の
増加になっております。こういうふうに
損失程度が著しく減ってきたということは、
保険の運営上非常に望ましい姿でありますが、しかしながら、
貸借対照表における
未収金三十八億八千万円あがっておりますが、その中には、二十八
年度以前の分が十四億九千百余万円も含まれております。で、この
保険料は、
時効が二年になっておりますから、
時効中断の
手続を怠るというと、これは
不納欠損にならざるを得ない。こういうような次第でありまして、こうした点を考慮しますと、なお
損失は大きく、実質上の
損失はもっと大きくなるんじゃないか、二十三億プラス・アルファになるんじゃないかという点も考えられまして、留意を要するところであります、それでこうしたような一般的な
状況でありますが、本院におきましては、まあ
法令の問題はもうさることながら、
現行法におきまして、なお
保険料徴収に
努力をすれば、もっと
改善の余地があるんじゃないかということに留意しまして、
保険料の
徴収というこの
行政上の
執行面に主力を注いで
検査をしたのでありますが、
保険料算定の
基礎になる
標準報酬月額の実態の把握が不十分で、
標準報酬月額を少く見ておる。
定時決定の際に、当然
標準報酬を改めるべきを改めてない。また、
随時改定の場合にも、
随時改定すべき
事態に当りましても
随時改定をしていない、あるいは
適用漏れがあるというようなものも、個々に非常に細密な
調査をしまして、この
標準報酬月額の過少を
指摘しまして、それによって
徴収をするというふうに決定しましたものが一億六千六百万円に達しております。こういうような
事態は、主として
事業主におきまして
届出の義務を怠ったり、
届出に不実の点があったことによりますが、一方、
実施機関側におきましても、
事業主についての
調査及び
指導監督が不十分なことによってこのような
事態が生じたものと思われます。また、
保険料の
収納にもう少し
努力をすればいい、
徴収決定をしたが、なお
収納に至らないというものが、三十
年度分で十五億三千九百余万円ありまして、前
年度に比べて
改善の跡はうかがわれますが、この十五億三千九百余万円と申すのは、今
年度分の調定額に対する三・四%となっております。三・四%と少々未済があった。前
年度はこの
収納未済が四・五%
程度でありまして、まあ
努力の跡はうかがわれますが、なお今
年度分十五億三千九百余万円を、先ほど申し上げました末収金三十八億から引きまして、二十三億というものが既往
年度の
未収金がございますので、当
年度分の十億の
収納について
努力されるのはもちろんでありますが、既往
年度分の二十三億についても、できるだけ
収納についての
努力が望ましい次第であります。
次に八百十七号から九百二十二号まで、今御
説明しました
事態をこまかく、歳入
徴収官の所在しますところの
保険出張所、あるいは県の
保険課と、これを別にずっと一覧表にしてあげてございます。
次に、百二十二ページの船員
保険特別会計についてでございます。船員
保険特別会計の
損益状況は、
利益が四十三億三千三百余万円、
損失が三十三億千七百余万円、差引十億千六百余万円の
利益となっております。この
保険は、御承知のように健康
保険とか労災
保険とかいう区別でなしに、健康、年金、労災、失業と、こうした
保険を全部一括して、一括
経理しておりまして、各
保険に相当した勘定区分を付しておりませんが、
損益計算を見ますと、健康及び労災部門、それから全体の
保険料のうち、健康及び労災
保険に対応する部分の
保険料、こういうものが
損益計算上はっきりと出ております。これによって健康及び労災部門の
給付と
収入と両方を比べてみますと、この部門におきましては二億千三百余万円の
損失となっております。このように健康、労災部門が
損失となりましたおもな
原因は、主として漁船部門におきまして、漁船が非常に大きなウエートを占めておりますが、この漁船船員の報酬と申しますのが歩合制になっておりまして、非常につかまえにくい。また、
厚生省におきましても、従来確たる
計算方式を示していなかったという実情がありまして、県においてまちまちにやっておる。中にはよくわからないから、船主協会と申しますか、船主団体との協議によってきめておるという
事態もあります。また、汽船船員につきましても、報酬の範囲について、取扱いが実際に即さないと認められるような傾向もありまして、
保険料の
徴収不足を来たしておるためと思われます。また、
保険料収納率が、この
保険は非常に低いのでありまして、九〇・七%、これは漁船の部門におきまして非常にとりにくいという
事態もありますが、それにしましても、ほかの社会
保険が大体九五から九七%にいっておりますので、もう少し
努力が望ましい。こうしたように
保険料の
徴収不足あるいは
収納未済というようなために、健康部門及び労災部門に
現金の不足を来たしまして、本来積み立てるべきところの厚生年金の部門から、一億七千七百余万円ばかりを労災部門の資金に充当しておるというような資金の苦しい事情もございます。こういうように船員
保険は一見こじんまりとまとまっておりまして、小さいスケールから見ますと、相当大きい益金が出ておりまして、非常に安泰のように思えますが、この中を健康、労災と、すなわち疾病
給付に対する部門だけを抜いて収支を勘案しますというと、やはり赤字になっておりまして、健康
保険で申し上げましたと同じような一つの問題が伏在している次第であります。
それから国立病院特別会計、九百二十三号、「
経理の紊乱しておるもの」、これは国立鯖江病院で、診療料金の一部を、病院の運営上必要な
経費に充てるという、そういう方針をきめまして、これは二十七年五月に病院管理
会議というものを開きまして、病院長、庶務
課長、幹部がみな集まって、どうも病院の運営上そうした金がないというと工合が悪い、病院の運営がやりにくいから、一つ別途資金を作ろうじゃないかというので、最高幹部の
会議を開きまして、それによって、患者から納入された診療料金の一部を、歳入に納付しないで、五十五万八千円の資金を別途に保有して、これを医者の住宅の借上料、
会議費等に充当したものがありまして、残額三万九千七百九十五円で、これを
現金で保有しておりましたが、三十一年六月に歳入に納付されました。
なお、これに関連しまして、次の不正行為というところの九百二十四号に、国立鯖江病院というのがありますが、ここに不正行為の
金額九十四万七千三百十三円、これがあがっております。これは、今申しました
経理の紊乱と関連したところの一連の事案でありまして、これは病院長と庶務
課長が、大体こうした
経理のイニシアチブをとりまして、そうしてその命を受けまして、この庶務課の医事主任、これが実際のこうした
経理の運用に当ったのであります。それで、さっき申しました病院の管理
会議の方針のように、五十五万八千円につきましては、この相馬医事主任は、その通りに資金を出しまして、その用途に充当しましたが、それにサバを読んで、さらに吹っかけてとりまして、この九十四万七千円は着服してしまった事案であります。
それから次に、不正行為、九百二十四号から九百二十七号まででありますが、九百二十五号は、中津
療養所の七十八万二千円の不正行為であります。これは杉本某が庶務課歳入係として勤務中に、入院患者の診療費を
収入官吏に引き継がないで領得したものであります。
それから次の高知県厚生労働部
保険課井上某、これは八十七万八千七百四十円、これは同人が分任
収入官吏として
保険課に勤務中、
事業主から領収した健康
保険料及び厚生年金
保険料を国庫に払い込まないで領得したものであります。
次に、熱田社会
保険出張所、丸岡某外四名、これは丸岡雇が出納員として
徴収課に勤務中、
事業主から領収した健康
保険料等を
収入官吏に引き継がないで領得したり、また、別に丸岡が単独で、あるいはほかの者と共謀して、資金前渡官吏をだまして、架空の脱退
手当請求書を作成して、前渡資金から領得したものであります。
以上をもちまして……。