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説明員(
北島武雄君)
長官から大体の御
説明がございましたが、さらに事務的見地から手続を申し上げますと、
防衛庁の調達の機構は調達実施本部がございますが、調達実施本部は、各幕僚監部等の要求書に基いて調達するということになっておりまして、要求元と実施機関とは厳格に分れておるわけです。そこで調達を要求いたします場合には、その責任は、要求がいいかどうかという最終の責任は各幕僚監部ということになっておりますが、これを調整いたしますために、ある物資を調達したいという場合におきましては、まず
予算の示達要求が経理局にございます。そこで経理局におきまして装備局に相談いたしまして、装備局にはそれぞれの担当の課がございます。そういうものを果して必要かどうか、過大購入でないかどうかというような点を
検討いたしまして、それでいいということになりますと、
予算が調達実施本部に示達されます。そういたしますと、いよいよ
予算が実際についたのでございますから、いわゆる幕僚監部におきまして調達要求というものを調達実施本部に出します。調達実施本部は、この調達要求に基きまして予定価格を作成し、契約の相手方を選び契約する、こういう段取りになっております。
従いまして、今度の
検査院の
指摘事項の中にも、中央調達につきましては
防衛庁調達実施本部においてと書いてございますが、果してそういうものを買う必要があったかどうかという問題につきましては、要求元の責任であるというふうに私
ども考えております。調達実施本部におきまして責任をとらなければならない部面といたしましては、たとえば予定価格の作成が悪かったとか、簡単に言えば高いものを買ったとか、契約の方法が悪いというようなこと、その検収が悪いというようなことにつきましては調達実施本部の責任なのでございます。ただいま申しましたチェックの、中央におけるチェックの機構といたしましては、私
どもの経理局と装備局があるのでございますが、その点の活動は、実は昨年の夏ごろまでは、ほんとうに
反省いたしますと、必ずしも満足なものとは言えなかったと思います。従来からも重要な調達につきまして、たとえば艦船とか
航空機などにつきましては、そのつど各幕僚監部におきまして庁議に持ち出しまして、次長主宰の庁議の席において
関係担当官が
出席いたしまして、こういう調達をすべきかどうかということをきめておりましたが、ただルールとして、どの程度のものについては一々内局でチェックするかという点において実は欠ける点があったかと思います。そこで昨年の夏以降でございますが、ただいま
長官からお話がありましたように、経理局に
予算の示達要求がございますと、その段階におきまして装備局においてよく
検討し、経理局と一緒になってその購入の是非を考えまして、そうして、もし必要であるということになりますれば
予算を示達する、こういうふうにいたした次第でございまして、今後におきましては、まあ比較的これは多くのことでございますから、私
どもの目が必ずしも完全に届くわけでもないと思います。従いまして、年に五千件ないし七千件というような調達の件数でございますから、中にはあとでおしかりをいただくようなものが絶無とは私
ども申し上げ
かねますが、従来と比較いたしまして、確かに最近の調達のやり方は非常に慎重になってきた、こういうふうに考えます。
昭和三十一
年度におきまして、先般おしかりをこうむるようなことがございましたが、当初私
どもが二百億程度の繰り越しを予定いたしておりましたのが二百三十六億となりましたのも、一つの大きな
原因は、調達が非常に慎重になったということでございます。これはもちろん、昨
年度における会計
検査院の御
指摘の結果もございますし、
国会におきまする御
審議により、われわれが
反省した点もございます。そういう点で非常に調達が慎重になった、悪く言えば、場合によりますと憶病になった点もあると思います。各幕僚監部において要求いたします場合において憶病になったという点も、悪い面から言えばあると思います。しかし全体におきまして慎重になったということは、私
ども非常にいいことだと思います。前
年度に比べまして繰り越しが八億ふえたことは、非常に申しわけない次第でございますが、その結果中身につきましては、前年に比べておそらくやはりよくなっているのじゃなかろうかという気がいたします。現に昨年、今のようなチェック・システムを
採用いたしましてから、中途におきましてこれは購入する必要がないのじゃないかといいまして、内局におきまして抑制した事例がございます。従来に比べますればよくなっているのじゃなかろうか、こういうふうに考えている次第でございます。