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1957-06-10 第26回国会 参議院 決算委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年六月十日(月曜日)    午後一時三十一分開会   —————————————   委員の異動 五月十五日委員榊原亨辞任につき、 その補欠として大谷贇雄君議長にお いて指名した。 同日議長において岡崎真一君を委員指名した。 五月二十一日委員大谷贇雄君谷口弥 三郎君及び大谷藤之助辞任につき、 その補欠として川口爲之助君、林屋亀 次郎君及び近藤鶴代君を議長において 指名した。 本日委員岡崎真一辞任につき、その 補欠として大谷贇雄君議長において 指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     三浦 義男君    理事            中野 文門君            西岡 ハル君            平島 敏夫君            久保  等君            鈴木  一君            奥 むめお君    委員            大谷 贇雄君            永野  護君            堀本 宜実君            松岡 平市君            吉江 勝保君            相澤 重明君            阿具根 登君            大倉 清一君            片岡 文重君            島   清君            岸  良一君            杉山 昌作君            大竹平八郎君            岩間 正男君   国務大臣    国 務 大 臣 小滝  彬君   事務局側    常任委員会専門    員       池田 修藏君   説明員    防衛庁経理局長 北島 武雄君    防衛庁装備局長 小山 雄二君    防衛庁建設本部    長       山田  誠君    会計検査院事務    総局第二局長  保岡  豐君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○本委員会の運営に関する件 ○昭和三十年度一般会計歳入歳出決算  (内閣提出) ○昭和三十年度特別会計歳入歳出決算  (内閣提出) ○昭和三十年度国税収納金整理資金受  払計算書内閣提出) ○昭和三十年度政府関係機関決算書  (内閣提出)   —————————————
  2. 三浦義男

    委員長三浦義男君) ただいまから第二十六回国会閉会中、第一回決算委員会を開会いたします。  まず委員変更を御報告申し上げます。  去る五月十五日、榊原亨君の辞任に伴いまして、大谷贇雄君補欠として選任されました。また同日、白川一雄君の逝去に伴いまして、岡崎真一君が補欠として選任されました。  五月二十一日、大谷贇雄君大谷藤之助君、谷口弥三郎君の辞任に伴いまして、川口爲之助君、近藤鶴代君、林屋亀次郎君が補欠として選任されました。  六月十日、岡崎真一君の辞任に伴いまして、大谷贇雄君補欠として選任されました。   —————————————
  3. 三浦義男

    委員長三浦義男君) 本日の理事会におきまして申し合せた事項について御報告申し上げます。  中国、四国班委員派遣に関する件でありますが、過般の委員会で、江藤智君、大倉清一君、杉山昌作君のお三方の予定でありましたが、杉山委員が御都合が悪くて取り消しになりましたので、補欠としてどなたが行っていただくことになりますか、緑風会さんの方と今、打ち合せ中でございます。  出発の期日は、大体六月の十六ないし十七日にお願い申し上げたいと思っております。  次は、今週中の日程でございますが、本日から十二日までの間、防衛庁関係を審議いたしたいと思います。それから十三日から十四日までの間は、大蔵省関係を審議いたしたいと思いますが、まず、十三日におきましては、主として租税の関係、十四日におきましては主として管財の関係を審議していただきたいと存じます。  次は、二十四日から二十八日に至る審議の日程でありますが、これは今週中の委員会のうちで理事会を開きまして、決定いたしたいと存じます。  以上、御報告申し上げましたが、理事会の申し合せ通り決定することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 三浦義男

    委員長三浦義男君) ではさよう決定いたします。   —————————————
  5. 三浦義男

    委員長三浦義男君) 昭和三十年度一般会計歳入歳出決算  昭和三十年度特別会計歳入歳出決算  昭和三十年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和三十年度政府関係機関決算書を議題といたします。  速記をとめて。    〔速記中止
  6. 三浦義男

    委員長三浦義男君) 速記を入れて。  防衛庁の部を審議いたします。検査報告批難事項は、第三十三号から第四十八号までであります。  本件に関し御出席の方は、小瀧防衛庁長官北島経理局長小山装備局長加藤人事局長山田建設本部長武内調達実施本部長会計検査院からは保岡第二局長の諸君であります。  まず、会計検査院から概要説明をお願いいたします。
  7. 保岡豐

    説明員保岡豐君) 三十六ページから説明いたします。  三十年度防衛庁支出済み総額八百二十六億で、前年度より約百億多くなっております。これに対して繰越額不用額は前年とほぼ同額の二百二十八億と四十八億となっております。  不当事項の件数は前年より減っておりますが、依然物資調達にしろ、工事施行にしろ、調査検討の不十分のまま取り急いで実施に移すことにより発生するものが多いように思われます。なお、供与される器材購入いたしまして、重複している事態は、その間の調整に一そう努力が望まれるのであります。  不当事項に入りまして、三十三号以下四件は、八十九億の工事のうち、実地検査を約二五%行なったうちであります。  まず三十三号は、霞ケ浦の終戦後使っていなかった燃料タンクを利用するための漏洩防止溶接工事をいたしましたところが、工事監督竣工検査が不十分であったため、燃料を入れたらにじみ出したもので、手直しするにももう発火の危険があって、設計通り溶接を行うことができず、ポリエステルを塗りまして漏りをとめている。溶接工事の慎重さが足らなかったものであります。  次の三十四号は、浜松飛行場滑走路延長増設設計に当りまして、その調査が不十分であり、検討不足のためまずい設計となって、結局工事費よけいにかかったものです。当初、既設滑走路をそのまま使用し、新たに作る滑走路と一連に使うための設計がまずかったため、続いて既設滑走路改修したときにすき取りが多量になったものであります。  次の三十五号は、築城飛行場滑走路を補修するに当りまして、仕事のしにくい冬の寒い時期にシールコートを施工したものですが、そのシールコート設計として、五ミリから十ミリの砕石を二層にして、しかも全体を二ミリに仕上げるまことに無理な設計であったため、舗装面砕石が落ち着かないででこぼこになって、航空機タイヤ損耗にも影響しているように思料されるものであります。  次の三十六号は、大分の弾薬支処電力引込線工事需要者負担金概算払いをしまして、九州電力が工事をしました。電力会社は別の供給に充てる工事用臨時供給電線を架設していたのに、精算してしまったものであります。なお、電圧が三千から六千に変っていますので、電線が細くて差しつかえないので、これも注意しまして変更させ、差額を回収いたしました。  次、三十七号からは物件でありますが、三十七号は、搬送電話端局装置を十三台購入いたしました件につきまして、この装置構成品である搬送電話端局は三台供与されて手持ちがあり、発電機は五十六台も過剰在庫となっております。これらを活用しないで新たに購入したのは不当と考えます。端局三台で五百八十万円、発電機二台ずつつきますので、二十六台で四百九十万円、合計一千万円節減できるものであります。  次の三十八号は、不急のトラック六トン・トラクター購入している件でありまして、トレーラーを牽引いたしますトラクターを三十二両分よけいに買った。その三十二両分に対するトレーラーはまだ購入するのにもその規格がきまっていないという場合に、それに対する三十二両分トラクターを買ったものであります。そのため、今日に至ってもまだこの三十二両分トレーラーはできておりません。一億四千九百万円が完全に二年ぐらい遊休するものであります。  三十九号は、航空輸送用の容器でありますコンテナーを購入するに当りまして、実情の調査が不十分で、無定見に示達予算全部を使って購入したもので、適正所要量を正確につかんで着実な購入をなすべきであるというものであります。  次の四十号は、航空自衛隊、松島、築城、防府各基地用通信機器類購入しましたけれども、基地返還されもしないので、通信所建設工事の着工もされていないうちに購入したため、むなしく保管されているものでありまして、温湿度の影響の心配もあり、発注から納入まで長くかからないものでありますので、購入を急ぐ必要のないものであります。  四十一号は、C—46輸送機機体部品購入するに当りまして、台湾のシビル・エア・トランスポート会社の資料をもととして品目決定いたしました。各機種別適用、区分を示している技術命令書によるのが至当であるのに、これによらなかったため、うち四十六品目四百万円分は使用できないものであり、三十八品目七百万円分は使用可能とされていますけれども、技術命令書にはないものであります。  四十二号は、高周波焼装置購入に当りまして、三会社指名競争させることができるのに一会社随意契約とし、予定価格材料費など過大に算入されていて高価購入となっております。当局は、材料費は高いけれども、この会社一般管理費が三八・五%必要なのに普通の一三%にしたためで、全体からいえば適当である。材料費の方にしわ寄せがいっているんだという説明でありますが、たとい一般管理費が三八・五%必要だといたしましても、そんなにまでしてこの会社随意契約をする必要はないと認めます。  四十三号は、テープ・レコーダーの機械を輸入購入するに当りまして、CIFまたはC&F価格は、各製作会社価格表価格より値引きされるのが普通であるのに、価格表通り価格CIF、C&Fとして予定価格作成したため高価購入となったものであります。  次の四十四号は、地上管制進入装置(G・C・A)、これを米国から輸入いたしました件であります。この装置総合試験を行わない不十分な検収でその代金の支払いを完了いたしました。検査院注意により初めて総合試験をしてみたところ、無線機の出力が下足であったり、リレーの接触が悪かったり、そのほか種々欠陥が現われましたので、検収を批難したものであります。  次の五十三ページになお書きで申しておりますのは、三十年二月、米軍事顧問団からG・C・A二台を供与する文書を受けておりますので、その確保に努めれば本件購入しないでもよかったのではないかというのであります。  次の四十五号は、航空ガソリン納入後四ヵ月たってから防衛庁で試験してみたところ、ガムと四エチル鉛とが規格限界点を著しく超過しておりました。注意深く行われた十六時間の酸化安定度試験に合格した上で納入したものでありますれば、実際の貯蔵期間にこういう結果は現われませんので、その検収試験が不十分であったと認めるほかないものであります。  次の四十六から四十八、三件は不正行為でありますが、この三件は五十万円以上でありまして、五万円以上は六件であります。この六件のうち三件は伊丹駐屯部隊で、あと一件は姫路、あと一件は米子、もう一つ浜松航空基地隊であります。いずれも自衛隊員に対する給与をつけ増しするなどの方法により領得したものであります。  以上、要点だけ御説明いたしました。
  8. 三浦義男

    委員長三浦義男君) 次に、防衛庁から概要説明を願います。
  9. 小滝彬

    国務大臣小滝彬君) 昭和三十年度の防衛庁費決算概要について御説明申し上げます。  昭和三十年度の防衛庁費歳出予算額は八百六十八億百万円でありまして、これに前年度から繰り越し金額二百三十四億七千九百十五万四千円、大蔵省所管より移管を受けた金額三千四百一万二千円、この二つを加えますと、歳出予算現額は千百三億千四百十六万六千円となるのであります。この歳出予算現額のうち、支出済み歳出額は八百二十六億二千三百十五万五千円でありまして、これを歳出予算現額に比較いたしますれば二百七十六億九千百一万千円の減少となっております。右の減少額のうち、翌年度へ繰り越し金額は、財政法第十四条の三の規定による明許繰り越しのもの二百三億五千二百四十五万二千円、財政法第四十二条ただし書きの規定による事故繰り越しのもの二十四億五千二百六十万九千円、計二百二十八億五百六万千円でありまして、不用となった金額は四十八億八千五百九十五万円であります。右の繰り越し額のうち、おもなものは、器材費百三億九千五百八十五万千円、施設整備費五十三億二十三万四千円、艦船建造費六十四億四千四百二十五万五千円などであります。  この繰り越しを生じました理由概要を申し上げますれば、器材費につきましては、装備品の大部分は、一般市販品と異なり、特殊の規格性能が要求されており、従来わが国での製作経験が乏しいため、調達に際しては規格決定仕様書の調製に慎重を期するとともに、少数の試作による性能試験の結果を見て発注するように努めて参りましたので、従って発注までの準備段階予想外日子を要するため、契約が遅延したものであります。また、輸入品につきましては、航空機修理部品電子関係部品計器類等があり、これらは輸出国側生産事情輸入手続等に意外の日子を要したことによるのであります。  次に、施設整備費につきましては、演習場弾薬庫航空基地等用地取得に当っては、短期間に地元民の納得を得ることが困難な場合が多く、またその納得を得たあとにおいても補償価格の折衝に意外の時日を要したためであり、また米軍施設返還を受けて、その活用を計画していたものが、米軍側事情により返還が遅延し、従って工事の着手が遅延することが多いためであります。  さらに艦船建造費につきましては、戦後の空白期間における技術的おくれはいなみがたく、さらに艦種艦形性能等の重要諸要因が逐次改良される関係もあって、要求性能決定及び基本設計作成に意外の日子を要したこと、また新造船の搭載武器の入手が遅延したため、船体等細目設計作成に不測の時日を要したこと等に基くものであります。  また、不用額のおもなものは、人件費十五億九百二十五万五千円、器材費十六億八千八十九万円、糧食費四億四千九百二万六千円、施設費四億千二百四十二万七千円、運搬費五億三千四百十七万円などでありますが、この不用額を出しました理由を申し上げますれば、人件費につきましては、予算編成の前提とした定員充足計画に対して、その実行が若干遅延したためであり、糧食費につきましては、右の定員充足遅延に伴うものであり、器材費につきましては、米国よりの航空機供与が当初計画よりもズレて、これに伴い当該航空機維持費不用額を生じたことと及び航空機用燃料費節減、その他実際の契約に伴って生ずる契約残額があったためであり、施設費につきましては、計画の一部変更等によるものであり、また運搬費につきましては、米国からの供与物資運搬について、日本側負担によるものが予定よりも少かったためであります。  次に、会計検査院昭和三十年度決算検査報告におきまして御指摘を受けましたものは、第三十三番以下第四十八番に至る十六件であります。  これを大別いたしますれば、工事施行に当り処置が当を得ないというもの、また不急物資購入したというもの、物資購入に当り処置当を得ないというもの等のほか、職員不正行為により国に損害を与えたものというようになっております。これらの案件につきましては、それぞれの政府委員及び説明員から十分御説明申し上げるつもりであります。  昭和三十年度における防衛庁決算実績を精査いたしまするときに、関係職員努力によって、改善の跡も見受けられるかとも考えられますが、なおこのような御指摘を受けましたことは、まことに遺憾に存じます。私といたしましては、防衛庁における物資調達予算経理につきましては、一般国民から重大なる関心を寄せられておりますので、特にこれが執行に当っては諸法規を順守することはもちろん、最も効果的に使用して、一銭一厘たりともゆるがせにすることなく、もって国民の負託と信椅にこたえたい所存でございますが、今回会計検査院の御指摘の次第もありますので、今後はさらに一そうの反省を加え、この趣旨をよく部下に徹底せしめ、将来再びこのような過誤を繰り返さぬよう万全の措置を講ずる所存でございます。  なお、このたびの会計検査院指摘事項につきましては、十分にその事実を究明いたしまして、厳正な処分をいたした次第であります。  以上をもちまして御説明を終ります。
  10. 三浦義男

    委員長三浦義男君) なお、補足説明がありますれば、お願いいたします。
  11. 北島武雄

    説明員北島武雄君) 昭和三十年度の防衛庁の決算につきまして、会計検査院から御指摘を受けました事項につきまして、一応私より御説明申し上げたいと存ずるのであります。  今回の御指摘は、不当事項といたしまして三十三番から四十五番までの十三件、不正事項といたしまして四十六番から四十八番までの三件、計十六件でございまして、さらに不当事項として指摘されました十三件につきましては、工事の施行に当り、処置当を得ないというものが四件、物件の購入にかかるものが九件となっておるのであります。  まず三十三番、タンク工事の施行に当って処置当を得ないというものがあります。会計検査院の御指摘は、一度修理されたタンクを検収した後に油がしみ出たというのは、業者の選定がまず適切でなかったのではないか、それから作業に従事する者に不適格者が入っているのではないか、それから竣工検査は一つのタンクについて行ったにすぎない。それからまた、現場検査に当りまして、漏洩個所の有無を発見するために使用いたしました粉石けん液の張力、粘度等の重要な部分について明らかにされていないなど、結局工事の監督、検収に当りまして適切を欠いたため、工事施行目的を達しているとは言いがたい、というふうにされているものであります。  これらにつきましては、まず業者の選定の問題でございますが、この点につきましては、この道に経験ある業者六名を指名いたしまして、その指名競争の結果、問題になりましたトキコ油器株式会社が落札したものでございますが、会社を指名に加えましたのは、この会社は当時、本件工事に関連するパイピング工事をこの地区において施行いたしておりましたので、本件工事に必要な電力引き込みその他の架設物をすでに持っておりましたので、これを入札に参加させた方が防衛庁にとって有利であると一応考えたからでございます。それからまた、作業に従事する者は、当初一級溶接工七名、中途からこれを九名に増加いたしておりますが、このほか一級溶接工の資格を認められない者につきましては、単に一級溶接工補助者としてこれを山型鋼の取りはずしとか、みぞ型鋼仮り付け等補助的作業に従事せしめた程度でございます。また竣工検査に当りまして、工事施行途上現場検査の際に四回ないし六回繰り返し入念に検査いたしておりますので、おもに竣工検査に当りましては、施行途上の検査の記録等の実績を調査確認いたしまして、抜き取り検査としては多少足りなかったかとも思われるのでありますが、溶接個所の総延長一万六千三百二十メートルに及ぶ中から、約四百八メートルについて行いましたところ、その結果は良好でございましたので、他のタンクも良好なものであると、こういうふうに考えたのでありまして、それからまた、現場検査に当りまして使用いたしました粉石けん液の張力とか粘度等の規格につきましては、タンクメーカー等の実態を調査いたしましたところ、これらを数字的に規制したものが見当りませんので、一般の例により検査をおこなうことといたしたのであります。  以上、御指摘の諸点につきましては、防衛庁といたしましては、一応事情やむを得ないものがあったかと思われるのでありますが、しかもなお貯油を開始するに及びまして、実際に一つのタンクにピンで突っついた程度の小さな穴が数個所ずつございましたために、油のしみ出る結果に至りましたことはまことに遺憾でありまして、この点非常に申しわけなく存じております。どうしてこのような結果を来たしたのであろうという原因を、私どもあとで慎重に反省いたしたのでございますが、本件の工事につきましては、何と申しましても、最も重要な部分は現場検査でございまして、さきに述べましたように四回ないし六回粉石けん液を溶接の個所に塗りまして、漏洩個所の発見に努めたのではございますが、さらに入念に現場検査を行なっていたならば、このようなことにはならなかったかと思われます。また竣工検査につきましても、さらに抜き取り検査の数を増加しておったならば、竣工検査の際に瑕疵を発見できたのではないかと考えております。この意味におきまして、結果的に考えまして、何と申しましても現場検査竣工検査の際に、さらにさらに細心の注意が必要ではなかったかと思われるのでございます。この点、今後この種の工事につきましては、さらに一そう慎重を期しまして、このようなことを繰り返さないようにいたしたいと考えております。  次は三十四番の浜松の航空基地滑走路工事の問題でございます。本件は会計検査院の御指摘の通りでございまして、まことに遺憾と考えております。ただ当時の事情を、ちょっと弁解になりますが申し上げてみますれば、防衛庁におきましては、当初滑走路の延長の工事だけでなくて、既設の滑走路の部分の改修をも一緒に行いたいというふうに考えまして、大蔵省予算実行上の協議をいたしたのでございましたが、その結果、従来からある既設の滑走路はできるだけ現状のままで数年間使用し、とりあえずとしては滑走路延長のみにとどめるということになりましたので、設計者といたしましては、滑走路の延長のみを考えました場合に、当面最も経済的にということにのみ頭が向けられておりましたので、この方針で計画し着工いたしましたところ、その後、大蔵省との再協議の結果、これは米国におきましてF86ジェット機の訓練を受けた者が帰朝いたしまして、実際にその人たちの意見を聞きましたところ、やはり既設滑走路の改修を行うのが必要であるということになりましたので、大蔵省にさらに再協議いたしまして、結局既設滑走路の改修まで行うことになりました。そこで結果におきまして御指摘のような次第になったのであります。もし当初から既設滑走路の改修を考慮に入れて設計いたしますれば、確かに会計検査院の御指摘のように全体といたしまして約四百五十万円節減になるのではございますが、このような設計をいたしました場合には、当初の滑走路延長工事におきましては約一千万円高くなる計算になりますので、当初滑走路の延長だけをいかに経済的に施工するかということにつきましてだけ考えておりました設計者としましては、実はそこまで考慮が回らなかったということであります。この点まことに遺憾に存ずる次第でございます。  次は三十五番の築城飛行場滑走路の問題でございます。本件につきましては、会計検査院ではアスファルトの舗装に使用いたしましたこまかい石——チップと申しますが、チップが比較的大きいために滑走路が平滑を欠き、航空機タイヤの損耗がはなはだしくなっておって、結局不経済になっているという御指摘でございます。実は本件の工事につきましては、使用いたしまする飛行機が何分にもジェット機でございますので、もし滑走路面が、これはアスファルトでございますから、もし滑走路面が剥離でもいたしますれば、ジェットの噴射を受けた場合にきわめて危険でございますので、圧入——地面に転圧して入れることでありますが、圧入効果が少くて、かつ、夏になりますと高温によって軟化しやすいこまかい石をできるだけ避けまして、特に粒度五ミリメートルないし十ミリメートルのチップを使用いたしまして、できるだけ路面に深く圧入しようと考えたのであります。ちょうど小さなくぎを打つよりも大きなくぎを打ち込んだ方が全体しっかり持つ、こんなふうな考え方であります。ごく平易に申し上げますと。しかしながら、飛行訓練の都合上、冬期の温度の最も低い時期におきまして、しかも夜間に工事をしなければなりませんでしたために、会計検査院実地検査の当時におきましては、遺憾ながら御指摘のあったように舗装面が若干平滑を欠いていたのでございますので、冬の期間のアスファルト工事といたしましては、これ以上の仕上げは実際は困難でございました。かつF—86ジェット戦闘機の使用も間近に迫っておりましたので、その手直しはアスファルト舗装の軟化する時期を待って行うことといたしまして、とりあえずとしては、そのままの状態で訓練を実施しておったのであります。その後、業者をいたしまして手直しをいたさせました結果、使用上何ら差しつかえない状況になっておるのであります。  なお、検査院が御指摘になっております手直し前に航空機タイヤの損粍が従来に比して大きくなっているという点につきましては、当時手直し前でございますので、滑走路が若干平滑を欠いていたということも確かに一つの原因かと考えられますが、それ以外に、この工事は飛行訓練と並行して実施しなければならなかったために、かりの誘導路を設けることといたしまして、これにスチール・マットを使用したこと、それから工事のために滑走路の使用部分が短縮されましたので、急ブレーキによるところの損傷が生じたということ、それからまた、この期間におきましては訓練度の低い新人が訓練を受けていたことなどの原因が重なり合ったものと考えております。また手直し後においても、会計検査院タイヤの損粍が補修前に回復していない、こうおっしゃっておりますが、なるほど手直しいたしましてからタイヤの損粍が補修前に回復しない時期が若干ございました。これは昨年の十一月の上旬まででございまして、どうしてその期間におきましては、滑走路の改修前の程度までタイヤの持ちがよく向上しておらなかったかと申しますと、当時F—86ジェット戦闘機が築城にT—33の訓練と一緒に同居いたしておりまして、十一月の上旬にこのF—86ジェット戦闘機が浜松に移動したのであります。その当時までエプロンが狭隘のためにスチール・マットによるところの仮設エプロンを使用いたしましたので、その関係の損耗かと考えております。現にF—86ジェット戦闘機が築城から浜松に移動しました十一月の上旬以後におきましてはタイヤの損耗はいちじるしく減少いたしておりまして、その後十一月、十二月今年の三月あたりまでタイヤ一本当りの降着回数は改修前の約倍に及んでおる状況であります。  次は三十六番の大分弾薬支処電力引込線工事需要者負担金の精算が当を得ないという問題であります。本件の工事におきましては、三十八平方ミリメートルの硬銅線を架設するという契約で需要者負担金概算払いを行なったのでございますが、九州電力におきましてはこれよりも太い六十平方ミリメートルの硬銅線を架設いたしまして、防衛庁といたしましては、安全側の送電線と考えられましたので、年度末に際し概算払いと同額の精算をいたしたのであります。元来契約通りの工事になっていなければ精算すべきものではございませんが、担当者といたしましては、会計法規上の年度末には精算の手続をしなければならぬものと思い込んでおりましたので、結局概算払いと同額の精算でございますので、実質的には追及するわけでもなく、国の損害にもならないという頭もございましたのでございましょう。かえって無用な精算をいたしたのでございます。事務整理上の手続が当を得なかったことはまことに遺憾であると考えております。  次は三十七番の搬送電話端局装置の購入に当り在庫品の活用をはからなかったというものであります。本件のおもなる問題は、米国からの供与物品を国内調達物品の構成部分として組みかえいたしますれば節約できるのに、なぜこの在庫品の活用をはからなかったかという点にあるのであります。米国からの供与品につきましては、日米相互防衛援助協定に基く装備品の返還に関する取りきめによりまして、防衛目的達成のため必要がなくなったものにつきましては返還を要求されることもあり、また廃品とかくずにつきましては、米国政府に通報して、その処分について協議することになっておりますので、国内調達品とは明確に分別経理する必要があるのであります。供与品を国内調達品と相亙に組みかえるということは、理論的に必ずしも不可能なことではございませんが、実際問題といたしましては、これらの物品の分別経理——はっきり分けて経理することは、こういたしますと著しく困難となりまして、この取りきめの確実な履行が困難となるおそれがありますので、供与物品を国内物品の構成部分としての組みかえ使用を行わなかったものでありますが、しかしながら、この点につきましては、会計検査院の御指摘の趣旨はまことにごもっともでございますので、今後は事務処理上可能な限りその御趣旨を十分尊重いたしまして、これらの供与物品の活用について一そう留意いたしたいと考えます。  次は、三十八番の不急のトラック6トン・トラクターを購入しているというものであります。本件につきましては、昭和三十年の九月に道路運送車両の保安基準が改正されたのでありますが、この際6トン・トラクターにつきましては、構造を変更する必要がなく、20トン・セミトレーラーの方を若干改良することによって保安基準の要件を充足できるものと考えまして、引っ張る方のトラクターの調達要件と歩調を合わせて引っ張られる方のトレーラーの方の改良した仕様によりまして調達要求をしたのでございますが、最後の段階におきまして、セミトレーラーにつきましては、なお慎重に改良型を試作した上で調達した方がよいということになりまして、その調達を取りやめたのでございますが、そのときはすでにおそく、6トン・トラクターの契約締結後二ヵ月余を経過いたしておりまして、その発注を取りやめることができない状況でありましたので、結果といたしまして、検査院御指摘のような跛行購入となりましたことは、まことに遺憾であると考えております。  次に、三十九番の購入計画が当を得なかったために航空輸送用のコンテナーを過大に購入しているというものでありますが、本件につきましては、購入数量の算定に当りまして、確かに検査院御指摘のような計算上不備がありましたことはまことに遺憾でございます。このような品は、会計検査院御指摘のように初めて採用したのでございまして、その適正な所要量の把握ということはなかなか困難なものではございますけれども、購入に当りましては、今後実績を勘案し、逐次追加購入するという方法によるのが適当と考えております。今後御指摘の趣旨に沿いまして、再びこのようなことのないよう十分注意いたしたいと考えております。  次は四十番の不急の通信機器等を購入しているというものであります。問題となりました通信機器は、いわゆる航空通信に使う施設でありまして、この種の施設は、申すまでもなく航空基地の使用開始と同時に使用できるように万般の準備をいたしますことがきわめて肝要でございますので、米軍からの基地返還の申し入れ等に基きまして調達いたしたものではございますが、その後、基地の返還が延期されましたなどのために、会計検査院実地検査の当時におきまして御指摘のように未使用の状況になりましたことは、まことに遺憾であります。現在はすでにこれらの物品のほとんど大部分は使用いたしておりますが、今後はこのような御指摘を受けることがないよう十分に注意いたしたいと考えております。  次は、四十一番の航空機部品の購入に当り処置当を得ないというものであります。本件につきましては、当初購入の計画を立てました際、在日米軍事顧問団に資料の提供方を申し入れたのでございますが、軍事顧問団では、C—46D型輸送機の運用と整備に最も深い経験を持っておるところのシビル・エア・トランスポート会社の資料によることが適当であろうというふうに推薦して参りましたので、担当官を台湾に派遣いたしまして、同会社について実地調査いたしました上、同会社の提出資料に信憑性十分ありと考えまして、その資料によったものでございまして、何分にも当時技術命令書及び補給型録が十分に整備されておらなかった当時といたしましては、やむを得なかったかと考えるのでありますが、本件の購入品目中にC—46D型輸送機に適用されないものが若干含まれておりましたことはまことに遺憾でございます。なお、購入いたしました品目の中で三十八品目につきましては、部隊内部で改修いたします一品目のほかは、すべて米空軍の補給型録等によりまして、C—46D型輸送機に適用される部品であると確認されております。残りの四十六品目についても、比較的早い時期に、——これは会計検査院で御指摘があったからではございますけれども、早い時期に無償交換あるいは契約解除、あるいはまた部隊内部における改修等の措置をとることができましたので、まあ最終的には不適格品は皆無になっていると考えます。  次に、四十二番の高周波焼入装置の購入額が高価となっているというものでありますけれども、会計検査院の御指摘は、調達要求者である陸上幕僚監部が三会社による指名競争を希望していたのに、一会社による随意契約によったのは当を得ないということ、それからまたその予定価格の積算について過大に計算されているという点にあるのでありますが、本件につきましては、結局要求者側でありますところの陸上幕僚監部を含めまして、部内でその調達の方式について慎重に検討いたしたのでありますが、その結果、結局契約の完全な履行を客観的に期待できるのは、問題になりました日本電子光学研究所であると認定いたしまして、陸上幕僚監部も合せまして、結局この日本電子光学研究所による随意契約によることと決定いたしたのでございます。  次に予定価格の算定につきまして、日本電子光学研室所から提出されました見積書及び財務諸表を検討いたしましたところ、本契約前一カ年間における一般管理費の実績は、製造原価に対しまして約四二%であることが確認されたのであります。これは実は防衛庁におきまして、通常この種器材に適用いたしておりました一般管理費率を大幅に上回ったものでありまして、本品のように、何分にも一般の需要の少い特殊の製品のみを取り扱う会社におきましては、その製品の販売高はおのずから制限される半面におきまして、相当多額の経費を必要とするなどのやむを得ない事情に基くものであることが明らかになりました。しかしながら、この実績による一般管理費率約四二%の中で、交際費とか広告費など一部の費目につきましてはなお節減の余地があると考えられましたので、これを三八・五%に査定いたしました。その結果八百五十九万円が適正な予定価格と判定し、この価格に基いて再三業者とネゴシエーションを行いまして、ようやく妥結を見るに至ったのであります。しかしながら、この予定価格調書を作成する場合におきまして、その計算の内訳をありのままに記載しない、表現形式を整えたために、製造原価中の材料部品価格の一部に高価と見られるものがある、そのために価格全体が高価であるかのような印象を与えたのでございまして、この点まことに遺憾でございます。実際にその会社と契約しなければならぬ、しかもどうしても一般管理費率が三八・五%が適当であるならば、それをありのまま記載して、材料その他にしわ寄せしない予定価格調書を作るのが本筋でございますが、内容を整えたという点に疑惑を招いた点があるかと考えております。今後はこのようなことのないよう十分注意いたしたいと考えております。  次は四十三番、輸入機械の購入に当り処置当を得ないというものであります。輸入機械類の製造会社の価格表は、ある場合には卸売価格を表示する場合もございます。またある場合には小売価格を表示していることもございます。必ずしも一定していないのであります。従って業者から提示された価格から、果して値引があるかどうかということはなかなか判断しがたいので、この種の物件の調達に当りましては、調達実施本部ですでにやっておりましたように、値引きに関する特約条項をつけるのが望ましいのでありますが、本件の場合、技術研究所におきましてこのような配慮が欠けておりましたことはまことに遺憾でございます。今後は再びこのようなことのないよう十分注意いたしたいと考えております。なお、会計検査院の御指摘になりました高価に購入した金額約二百三十八万円のうち、半ばをこえる約百二十六万八千九百円は、業者との折衝または契約変更の結果、回収いたした次第であります。  次は、四十四番の地上管制進入装置の購入に当り処置当を得ないというものであります。会計検査院の御指摘は、G・C・Aの研究が適切に行われなかった等のために、昭和三十一年六月に購入されたものが、同年十一月に至っても使用するに至っていないとされておりまして、暗にまあこの装置の品質に疑問を持たれたかのように私ども見受けられる。それからなお、在日米軍事顧問団から、ほかにG・C・Aを供与される旨の文書の交付を受けているので、本件装置の購入の必要はなかったのではないかというふうにお考えになっているようであります。しかしながら、この装置は、米国の空軍が、ギルフランブラザース会社に発注し製造さしております最新式、かつきわめて複雑精巧な装置でございまして、従ってこれを購入するに当りましては、米空軍発行の検査合格書に基いて検収するのが最も実際的であるという見地のもとに契約を締結いたしたのであります。このため検査に当りましては、ギルフランブラザース会社から提出されました梱包明細書を点検しながら、米空軍発行の検査合格証明書と、検査成績書を慎重に審査確認の上検収を行い、本装置の組立調整契約が締結されるまで浜松基地に保管していたのであります。会計検査院の御指摘では、検査合格証明書が発行された当時、本件装置の構成品の中で通信関係器材が欠品しており、総会試験が行われていないというふうにされておりますが、この点につきましては互換性——互いにかえる互換性でありますが、互換性のある同種の器材によりまして、本件装置の総合試験が行われており、またこの通信関係器材も、その後米空軍の検査に合格したものが補備されましたことは、米空軍の検査証によって明らかであります。  次に、本件装置は、組立調整契約の第一回の検査におきましては、残念ながら調整不良のため、その機能を発揮することができなかったのでありますが、これは組立調整契約の相手方が、本件装置を取り扱ったことが初めてでございますので、その取扱い不なれによるものでございます。その後予備品を補充いたしました上、組立調整を完了いたしまして、その機能を十分発揮するに至りましたので、これを受領いたしまして、目下浜松基地において使用中でございます。  なおG・C・Aについては、本来主要飛行場には一台設置することが必要でございますので、米国からの供与品のうち一機は築城基地に設置し、また他の一基は浜松通信学校の教育用に使用中でございまして、これによって本件装置の購入を不必要とするものとは考えておりません。  また、在日米軍軍事援助顧問団からさらに二基追加供与の通知を受けているではないかということにつきましては、まだ実際には供与を受けておりませんが、これは将来接収解除さるべき航空基地において現在使用されておるものを、そのまま日本側に供与されるやに承知いたしておるのであります。  次は四十五番の不適格な航空ガソリンを検収したというものであります。本件は、従来大部分輸入に依存いたしておりました航空ガソリンを大協石油株式会社が初めて国内生産を開始するに至りましたので、同社を新たに指名競争契約に参加させまして、入札の結果、同社が落札して納入いたしたのでありますが、航空自衛隊及び陸上自衛隊におきまして、そのガソリンの使用中品質の変化が認められましたので、契約条項に基き良品との交換を行わせたものであります。  この検収の試験に当りましては、国内生産最初の分解ガソリンであります関係上、特に注意して検査を実施し、当時においては十分手を尽したと考えていたのでありますが、その後品質の変化を来たしまして、会計検査院の御指摘のような結果となりましたことはまことに遺憾に存じます。  本件につきまして、果して検査官の検収に手落ちがなかったかどうかという点につきまして、しさいに検討を加えたのでございますが、検査官といたしましては定められた手順によりまして厳密に立会い検査を実施しており、その検査の結果は、まあ比較的規格の限界に近いものではございましたけれども、合格の条件内に入っておりましたので、どうしても合格にせざるを得ない事情にあったということが判明いたしました。従ってこの場合検査官の検収の手落ちと認定することはできなかったのでございますが、しからばどうしてこのような結果になったのであろうという原因をしさいに探求いたしますれば、元来ガソリンのようなものにつきましては、単にでき上った製品を検査するということだけでは不十分でございまして、個々のガソリンを検収する前に、あらかじめ工場認定の制度を作りまして、工場の品質管理の面まで実は立ち入っていかなければならないのに、その制度ができていなかったということにやはり根本の原因はあるのじゃないかと考えております。この点にかんがみまして、昨年春以来検討を加えまして、昨年十一月燃料及び潤滑油類の工場認定に関する暫定措置要領を定めまして、その方法を採用するに至ったのであります。このような措置によりまして、今後この種航空ガソリンの調達に当って再び同じようなことを繰り返さないようにいたしたいと考えております。  次は四十六番から四十八番までの職員の不正行為により国に損害を与えたというものであります。  本件につきましては、全く会計検査院の御指摘の通りでありまして、まことに遺憾千万に考えております。このような事故が発生いたしました原因を各部隊について調査いたしましたところ、問題を起しましたこれらの部隊におきましては、おおむね給与事務の処理について、あるいは上司が下僚にまかせ切りであったり、しかも部下の把握不十分な点などが見受けられましたので、それぞれ不正行為を行いました職員の刑事責任を追及し、懲戒免職にしましたことはもちろんでありますが、そのほか監督者につきましてもそれぞれ厳重な処分を行ったのであります。この種の事故の発生防止につきましては、事務取扱いの改善、内部監査の励行等によりまして、その絶滅を期しているのでありますが、今後さらに一そう努力いたしたいと思います。  以上の会計検査院の御指摘に対しましては、それぞれ厳密にその真相を探求いたしまして、責任者につきましては厳正な処分をいたした次第であります。すなわち、以上の十六件に対しまして、免職三人、停職一人、減給十五人、戒告十一人、訓戒十三人、注意四人、計四十七人を処分いたしましたほか、退職のため不問処分に付した者四人があるのであります。  以上をもちまして、会計検査院の御指摘に対する一応の御説明を終ります。なお詳細につきましては、御質問によりましてお答え申し上げます。
  12. 三浦義男

    委員長三浦義男君) 以上をもって説明は終りました。  御質疑のある方は順次御発言を願います。
  13. 相澤重明

    ○相澤重明君 今いろいろ指摘事項並びにそれらについて御説明があったのですが、私一つ防衛庁長官にお尋ねをいたしたいと思うのですが、ちょうど二十六国会が終ったあと浜松基地から北海道ですか、輸送機の移動があったと思うのですが、その事故が新聞に報道されておったのですが、きょうは一応そういうことも御報告があるかと思ったのですが、ないのですが、あれはどういうことで事故が起きたのか、また事故に対してはどういうふうな処置をとっておいでになるのか、ちょっと御説明をいただきたいと思います。
  14. 小滝彬

    国務大臣小滝彬君) 今、決算の御説明を申し上げましたので、この点をまだ申し上げておらないのでありますが、五月の二十日にああいう事故を起しましたことは非常に遺憾であります。さっそく現地にも調査委員会を設けさせまして、そこでいろいろ取り調べをさせましたし、またその後、これに指揮をとっておりました源田空将にもさらに来てもらっていろいろ調査いたしたのでございますが、当日はこちらの方では非常に天候が悪かったのでありまするが、浜松基地の方か千歳の方へ連絡いたしますると、向うの方は快晴であり、少くとも三時間はこの天気はもつということでありましたので、かねての計画通り移動を開始させたのであります。ところがその後だんだん天候が悪くなりまして、墜落しました飛行機、またそれを指揮しておりました、不時着いたしましたと申しますか、ベール・アウトいたしました飛行機が着きまするところは、相当天候が悪くなっておりまして、この千歳の滑走路に入ろうとする際に、一方の——二機編隊で来ましたのが、一方のついてきた方の姿が見えない。そこで入ろうとした際にも、滑走路の前にあるフオーマーのところで少し方向を誤まりまして、もう一度これをやり直さなければならぬということになったわけであります。ところが、その指揮しておりました方の伊黒三佐の乗っておりました方の飛行機の方も、僚機が見えなくなったので、普通でいえば四千フィートの下において旋回してもう一度入るべきのを、相当精神的なショックも受けたでありましょうが、ぜひ探さなければならぬというので、二万フィートの高さに上って、これは普通ジェットでありますと三万フィート以上で走りますが、先般は大体三万七千フィートのところを飛んできたわけであります。その上の方へ相当上ったが、どうしても見つからないので、さらにこちらへおりて参りました際は、燃料が非常に欠乏いたしまして、結局、落下傘降下をせざるを得なくなったようであります。御承知のように、非常に高いところを飛んでおりまする際の燃料はそれほど要らないけれども、これが低くなりまするに従って空気の抵抗もありまして、燃料の消費も多いというような関係で、ついにこの問題になりました第一機の方は、燃料がなくなったためにああいう始末になった次第であります。燃料の方は大体千ガロンを積んでおりまして、これは正常にいけば浜松と千歳の間の方で五百ガロン余り要るわけでありますが、ほとんどその倍程度は積んでおったわけであります。これは補助的に普通のタンクに入れましたほかに、ドロップ・タンクというものを四つつけまして、十分燃料の方は注意して行ったのでありますが、今のような状態になったわけであります。ところが一方の方の、飛行機についてきて見えなくなりましたものについては、率直に申しましてまだはっきりとした原因がわかりません。がしかし、この伊黒機、その第一機の方が相当長く飛行して落ちたところを見ますと、それより前に落ちておりまするので、山にひっかかっておりまするので、この方は燃料の不足というわけではなかっただろうと思います。ただ第一機の方に指導されるものは、始終二機の方は第一機の方を見守って、それについていきますので、急に指導しておる機の方を見失うというと、計器の方に切りかえなければならぬ、いろいろ操作を、いろいろな機械を調整しなければならぬというようなことで、相当ろうばいしたのではないかというように思われますので、その辺もいろいろ調査いたしておりまするが、何としても片方はなくなりましたので、果してどういう状況であったかということは、確定的には申されませんけれども、全部を想像して、専門家、特に源田空将以下の意見を聞いてみまするというと、やはり総合的能力と申しますか、ジェット機を操縦するようになって一年余り、昭和三十一年度からやっておりまするが、何分にもこういう今までに、危機に際してはいろいろな判断を必要とする際に、そうした面に対して、全般的に見て、こういう天候の異変に対する処置という面についての能力が十分でなかったというように言わざるを得ないのではないかと思います。  日本で航空事故は、最近しきりにございまして、皆様に御心配をかけて申しわけございませんが、これは何としても、天候というものが非常に大きな理由、原因をなしておるようでございます。たとえば米軍にいたしましても、米本国の方では、テキサスあたりをとれば、ほとんど一年間天気のいいところであって事故がない。ところが第五空軍、日本の方におりますのは、非常に事故が多くて、最近は少しよくなっておりまするが、なおかつ米空軍全体としては日本におる空軍が一番成績が悪いという実情であります。御参考までに申し上げますというと、十万飛行時間に対して、第五空軍は一九五五年、おととしにおいては大きな事故を三十四程度起しておる。ところが米軍全体といたしましては、一九五五年においては十七件。大きな事故と申しますると、メイジョア・アクシデントとかいうそうでありますが、相当なる修理を要するというような事件が十万飛行時間に対して米軍全体としては十七件であったのに対して、日本におります第五空軍は三十四件。それが昨年になりまして、だいぶ改善されて二十四件程度に落ちておる。日本の最近におけるジェット機を含めての事故は、十万飛行時間に対して三十四件でありまするから、ちょうど米第五空軍の一昨年における程度ということでございまして、もちろんこれからさらによくしなければならない。それにはいろいろまた検討を要する点もあろうかと思いまするが、今申しましたように、ジェット機になりますると、これまでのただプロペラによりますものと違いまして、どうしても事故が多くなりがちでございます。この点は十分注意しなければならないというので、今委員会を設けて、いろいろ検討しておりまするし、さらに総合訓練というような点についても、十分今後検討して、これまでよりも成績をよくし、そうして少くとも米軍程度に減らしたいというので、せっかく努力いたしておるところであります。  なお、これは弁解のために申すのでは、ございませんが、戦前の実績もいろいろ調べてみましたが、陸軍の方はまだはっきりとした資料を持っておりませんが、戦前海軍におきましては、これはもちろんジェット機のような危険な飛行機ではなかったのでありますけれども、十万飛行時間に対して百二十件くらいあったようでございます。大体それくらいだったと思いまするが、そういたしますると、現在のパイロットも決して特に成績が悪いというわけではないので、これをさらによくするように努力いたしたい、気持でいろいろ方法について今検討を加え、そうしてそれをいろいろ決定いたしましたならば、各部隊にも通達いたしまして、一そうこの事故を少くするようにする、こういう方向で進んでいる次第でございます。
  15. 相澤重明

    ○相澤重明君 先ほどの説明で、指摘事項の四十四から四十五の説明の中にもあるように、通信関係の設備とかあるいは総合検査が十分行われておらなかったのではないか、こういうようなことが説明の中にも言われておるが、現在では、組み立ても調整も完了している、先ほどこういう御答弁があったのですね。その御答弁があったことをみると、すでに空軍の問題については、相当飛行機等については知識も発達しているし、技術も進歩している、こういうことをわれわれは知らされたわけなんです。ところが国会が終ってしまったら、あまり国会で問題にならなかったという印象も受けるのですが、少くとも五月二十日に浜松から輸送されたものは十二機と私どもは聞いておった。この十二機のうち六機が、いわゆる四機が墜落して、二機が悪くなったとか何とかと言っております。そういうことになると、少くとも十二機のうちの半分がだめだということは、一体天候の悪いためだ、天候だけだとこういうことで片づけてしまわれるかどうかということが非常に私は問題だと思う。国会の答弁では、一応そういう問題が起きると、いや一生懸命やって、指摘されたことについては、十分調査もし、先ほどのように調整も完了している、完了しているけれども飛ばすと落っこちてしまう。一体なぜ落ちるのだということになってくるわけですね。こういうことでは、自衛隊の飛行機については、多くの国民の感じとしては、自衛隊の飛行機というものは危ないのではないか。自衛隊の飛行機は落ちるのが当り前じゃないか、こういう印象を受けるわけです。私は一つ防衛庁長官に、一体それでは、ことしになってから、自衛隊の飛行機は幾つ落ちたのだ、そうしてパイロットはどのくらい犠牲者が出ているのか、こういうことも一つもしわかったら御答弁願いたいと思う。
  16. 小滝彬

    国務大臣小滝彬君) 何分あれだけのスピードをもって、あれだけの高いところを飛ぶものでありますからして、人間わざとして、依然として現在の段階では事故がこれは世界的にあるわけでありまして、日本だけでないということは今申し上げた通りでございます。また、戦前は、そういうことは新聞に出せない。近ごろは自衛隊のことであれば、もう何でも悪い方に持ち出される。(笑声)こういう風潮も影響しているということを賢明な議員の方には一つ御理解を願いたいと思うのであります。  本年度に起りました事故を申し上げますと、三十二年の一月F86Fが浜松において事故を起しまして一名死亡しております。それからC46これは国会でもいろいろ御指摘を受けましたが、これで十七人、それから四月十九日にF86これは米人が操縦しておりましたのが落ちてしまいましたが、これは犠牲者はございません。それから四月十九日にPV2というのが岩国で学生を積んでこれは八人、五月の二十日に今お話申し上げました千歳の事故のために一人、それから五月二十三日にT6が白河で事故を起こしましたが、これは犠牲者はございません。それから六月の四日にT33というのが浜松で事故を起しまして二人死亡いたしております。合計で二十九名の犠牲者を出しております。これが今年度における飛行機事故であります。
  17. 相澤重明

    ○相澤重明君 防衛庁長官はまあ最高の指導者だから、兵隊が少しぐらいと、こう思うかもしれないけれども、これは大へんな、十何人、二十何人、三十人というような死亡、犠牲者の出るということは、これは非常な問題だとう思うのですよ。やはりこれは、どうなんですか、先ほどの御説明では在日米軍顧問団にいろいろ御相談をされておるようでありまして、しかも、資材機具等の問題については、先ほどの御説明では米軍の発行した検査合格書というのですか、そういうものによっていろいろ機械等も扱っておるようでありますが、そういうところに、日本人のまだ十分な取扱いとかあるいはそういった能力、能力といいますか、勉強しておるとかおらぬとか、こういうようなこともあると思いますが、そういうようなところが関係をしておるのですか。何か先ほどの長官のお話でも、千歳の飛行場で、おりるときに何か機械の調整がどうとかこうとかいうお話があったのですが、そういった点は、一体教育面と機械を扱う面については、どういうことになっておるのか。そういうところが問題で、ああいうふうな大きな犠牲者を出しておるのか、こういうことなんですか。
  18. 小滝彬

    国務大臣小滝彬君) この指摘事項についての説明は、アメリカから受け取る際に、向うへわざわざ人を出すことも困難であるから、一応向うには係官も大ぜいいることだからして、そちらの検査合格をもって一応の検査合格とするという趣旨で、経理局長が御説明いたしたと思うのであります。日本におきましては、もちろん戦後の日本の自衛隊の発達というものは、まだ時もたっておりませんので、アメリカのいろいろの規則を参考にしておるということは事実でございます。しかし、たとえばエンジンにいたしましても、アメリカでは二千時間飛んだらそれをオーバー・ホールするというようになっておるにもかかわらず、日本では七百時間でオーバー・ホールをいたしますということも、このC46の事項に関連して国会で申し上げてきたことでありまして、日本は日本として、外国と違いまして、徴兵制度でもない自衛官を募集いたしましてやる際に、御婦人方が心配されても困るので、できるだけそういう点は入念にやろうというので、オーバー・ホールの規則も日本の方がより厳格になっておるわけであります。ただ、さっきから申しまするように、そういうふうにいたしましても、いろいろの機械のことでありまして、問題の起ることもあるし、何としても訓練を経ている時間が少いので、浜松の上空でやっておるときはうまくいっても、こういう危機に臨んでは、操作が必ずしも十分な経験者のようにいかないというような点もありまして、こういう犠牲が出ておるということは、まことに遺憾でございますがしかし、これにつきましては、私は非常に注意しなければならないと思いまするので、たとえば、皆さん方から、こう申し上げるとまたおしかりを受けると思いますが、日本の飛行機は遊んでおるやつがずいぶん多いじゃないか。三十機あるのに十六機しか動いていない。それかといって、それを全部動かすようにすれば部品が十分でないという御指摘もあるかと思うのであります。一部部品のできもよくないから、不完全なもの、十分でないものは少し休ませておく、向うから供与されたようなものが大部分でありますから、それだから資産を寝かしておくとかいろいろ文句も出るでありましょう。しかし私といたしましては、人命の尊重という点を十分にしないと、そうでなくても非難されるのが、もっとひどくなるから、皆さん方が十八機あるやつを五機しか動かないじゃないかというおしかりを受けても、私はそれをやって、十分調査してやらした方がいいという考えのもとで、航空幕僚長に対しましても、その稼働数が少いという非難は自分が引き受けるから、一つ十分整備をしてやるようにということを指示しているような次第でございます。
  19. 相澤重明

    ○相澤重明君 今あなたのお話しの中で米軍の場合は二千時間、日本の場合は七百時間というお話しですが、これは日本人の技術がそこまでいっておらないから七百時間ということであって、この前の議会でも非常に問題になった中古エンジンが七万円が千二百何万円になったということで、機械がいけないから飛べない、こういうことでなくて、いわゆるできるだけ、今まだ研究中、あるいは技術の修練をしている、こういう建前で米国と同じようにはいかないのだ、こういうお考えなんですか、その点はいかがですか、機材、施設等の問題がそこに二千時間と七百時間というものを持ったのか、それともあなたの言う最終的に人命尊重ということで、あまり無理をしないということが優先的になってそうなっているのか、その点はいずれなんですか。
  20. 小滝彬

    国務大臣小滝彬君) これはもちろん製作の古いものについても、アメリカでも現に使っているし、46でも何でも使っているわけでありまして、向うとしてはそういう標準でオーバー・ホールすればいいということを考えている。また、事実専門家はそう思っておりまするけれども、しかし、とかくこれは古いものを使っているからよけい落ちるじゃないかというような御非難もありまするので、十分用心をする、こういう意味でありまして、指令書などを見ますというと、ほんとうは二千時間でもいい、これは一例でありますけれども、それも七百時間でやらせるというふうにいたしまして、必要以上の御心配を父兄にかけないようにという趣旨で、そういうふうにいたしているわけであります。
  21. 相澤重明

    ○相澤重明君 そうしますと、先ほどの長官のお話しですと、とにかく部品等があまり違ったものをやるようではかえって事故を起す、従って、若干批判はあっても、とにかく飛行機の台数を全部飛ばすというようなことをしない、若干は休ませてもよろしい、こういう考え方でおいでになるようですが、現在自衛隊としては何台飛行機があって、そうして何台動ける態勢にあるのか、その点ちょっとお答え願いたいです。
  22. 小山雄二

    説明員小山雄二君) すべての飛行機でございますれば、今資料を出しますが、今問題になっておりますF86ジェット戦闘機について申し上げますと、百九十四台持っております。これは実は供与関係、生産の関係、それからパイロットの養成の関係等がありまして、実は飛行機の方が多いのであります。パイロットの方が少いような現状であります。移駐をいたします途中に問題を起しました第二航空団は、飛行機を三十九機持っております。これは定数は少し欠ますが、それ以上に、パイロットの数が実は十五名ばかりしかおりませんので、そういう関係でこれは配属します機数も定数よりは少し欠けております。定数だと約五十機くらいになりますが、五十機持つべきところを三十九機持って、それに対して。パイロットが十五機程度、そうして全体の余った飛行機は木更津の補給しょうに、主として供与関係で、時期的に早くきました関係で、余ったものを木更津の補給しょうに格納いたしております。そういうことで、86ジェット戦闘機について申しますと、そういう物の整備、人の整備その他のバランスが、今飛行隊形成の途中でございまして、多少アンバランスになっておりまして、そういう稼働状況になっております。  それからもう一つ、事故の人数、犠牲者が多くございました関係で、C46という輸送機について申し上げますと、これは二十九機持っております。そのうち十七機動いております。あとは整備学校に教材に使いましたり、飛行隊あるいは飛行隊の整備中隊でもって整備中のものということになっておりまして、二十九機のうちの十五機、約五五%くらいの稼働率になっております。  おもな飛行機につきまして持ち数と稼働上の関連を申し上げますと以上の通りであります。
  23. 相澤重明

    ○相澤重明君 それから長官、これはいかがですか、飛行機の種類とか、そういう機材とか、そういうものはすべて米国の在日軍事顧問団の方々と相談をされると思うのですが、米国からほとんど購入しておるのか、それとも日本でも、少しは自衛隊でそういうものも今後は作らなくちゃいけない、こういうことで、国内でも生産を考えておるのか、現在どういうふうにやっておるのか、そういう点おわかりになったら……。
  24. 小滝彬

    国務大臣小滝彬君) 今装備局長から申しましたF86というのは、第一次協定、第二次協定、今度は第三次協定をいたしまして、全部で三百機、それからT33、これもジエツト機でありますが、これも第三次協定を終えると全部で二百十機日本で生産するということになっております。そのほかに練習機も日本で作るものがあります。
  25. 相澤重明

    ○相澤重明君 きょうはできるだけ実は浜松の航空隊の北海道における事故の問題につきましては、事故の結果を、どういうふうにしたら今後は直すことができるかというようなことをお調べになって、できたら資料として教えてもらいたいと思うのです。それからこれはなかなかむずかしいかもしれませんが、第三次協定で、そういうふうにたくさんの飛行機が入るということになると、それに対する教育というものが相当行わなければいけないのじゃないかと思うのですが、さきほどはパイロット自身についても相当定員が少い、こういうことを言われているのですね。だからそういう点はどういうふうにお考えになっておるのか、何か基本的な構想があったら、自衛隊のそういう基本的な構想についても、資料として御提出を願いたいと思います。こまかい点もたくさんありますが、それは一つそれで終りたいと思うのですが。  いま一つこの際お尋ねしておきたいのは、神奈川県の茅ケ崎における米軍の演習場について、自衛隊が調達庁を通じて演習を行うというようなことを申し入れを行ったということが聞かれたのでありますが、これはどういうふうになっておるのかちょっとお尋ねしたいと思うのです。
  26. 北島武雄

    説明員北島武雄君) ただいまお尋ねのありました茅ケ崎における海上自衛隊の演習の件でございますが、この点につきましては、防衛庁海上自衛隊より神奈川県に申し入れておりまして、今地元とお話し合いを申し上げておる最中であります。おそらくこれに伴いまして、地元におきましては漁業補償の問題とかいう御要求がただいま出ておることと存じております。最近の状況、ちょっと私承知いたしておりません。
  27. 相澤重明

    ○相澤重明君 その演習の目約はどういうことですか、普通の今までの演習なんですか。それとも少し変った科学的な演習をこれからやろうという考え方なのですか、それはどういうことなんですか。
  28. 北島武雄

    説明員北島武雄君) たしか私の記憶によりますれば、海上自衛隊におきましては、飛行機の射撃訓練だ、こういうふうに了承いたしております。飛行機で曳航いたしまして、それに対して海上から射撃する、こういう訓練であるように承知いたしております。
  29. 相澤重明

    ○相澤重明君 米軍の辻堂、茅ケ崎の演習場の使用協定はどういうふうになっておりますか。今あなたのおっしゃった日本の自衛隊が曳航する飛行機の射撃演習をやるというようなことが米軍の場合に入っておりますか、米軍と日本の協定の場合どうなっておりますか。
  30. 北島武雄

    説明員北島武雄君) たしか米軍の場合にはそのような射撃訓練の項目はなかったかのように存じます。そこで海上自衛隊におきまして、そのような訓練を行いたいという希望を神奈川県に申し入れまして、地元と御交渉申し上げておる「こういう最中であります。
  31. 相澤重明

    ○相澤重明君 米軍の演習についてさえ、あそこのかぶと岩のかぶとがなくなってしまうというくらい、やはり漁民はほとんど生業に支障を来たす——あそこは御承知でしょう、防衛庁長官も知ってると思うのですが、あのかぶと岩を目標にして演習するわけです。ところがそれがために、ほとんどもう魚が逃げちゃって、あそこの漁民は困っていると、こういうことを言っているわけです。いま一つは、ここの奥さん連中が、あそこの町の人たちが、非常に米軍の演習で実は苦労している。こういうこともあって、現地では強い反対があるわけであります。そういう米軍の演習について反対がある。その中でも米軍は今飛行機に対する射撃をやっていないというのですね。ところが日本の自衛隊の方が米軍の協定にもないものを、さらにそれ以上のものを、今度は使用してやりたいのだというようなことをやるということは、一体何かほかに考えがあるのじゃないかと、こういうことが言われているのですが、一体何ですか、それは。
  32. 北島武雄

    説明員北島武雄君) 特別に異なった特別の意思をもって訓練するというものではありません。こういう海上自衛隊におきましても、御承知の通りに海上護衛をいたします場合におきましては、航空機に対する襲撃の点についても訓練いたさなければならぬわけであります。こういう関係におきまして、あの方面が一応適地と考えまして、茅ケ崎の海岸において、そういう訓練をいたしたい、こういう考えであります。
  33. 相澤重明

    ○相澤重明君 防衛庁にお尋ねしたいのですが、あれですか、茅ケ崎でなければそういう適地がないと、こういうことですか。
  34. 北島武雄

    説明員北島武雄君) 実はちょっとこの問題に最近しばらくタッチしておりませんのであれですが、これは横須賀地方総監部に所属する自衛隊の警備艦の訓練と承知しております。何分にも横須賀近辺でございますと、適当な場所としてはあの辺が一番よかろう、こういうことに実は考えております。
  35. 相澤重明

    ○相澤重明君 このことについては、神奈川県も、また土地の茅ケ崎市も、実はあまり歓迎をしておらないのですよ。これはあなたの方で調達庁を通じて申し入れを行なった際に、防衛庁長官の方にお話があったと思う。あまり無理をして、もう土地の人がいやだというものを、ほかに適地が見つからぬ、こういうことでお話しのようでありますが、まあ横須賀ですが、旧横須賀軍港というのは、御承知のように軍にとっては絶好の軍港だと言われておったところなんですね。だからそういうところで、これは考えれば考えられないはずはないわけなんです。あるいはまたそういうことを、無理にそのロケットなり何かやるというようなことでもって、あそこでさっきのように十二機の飛行機のうちで半分も落ちる。その半分が茅ケ崎の市民の頭の上に落ちるということになったら、これは大へんなものですよ。だからこれはやはり小瀧さん、あれですね、あまり県や市が反対するものを、無理にやる必要はないと思う。むしろ私はこの際はそういうものならほかに……。そこでなければ絶対にできない問題であるならば、私はそれを出してもらいたいと思う。なぜ茅ケ崎のあのかぶと岩を中心にした辻堂のあそこの演習場でなければできない問題であるか、こういうことに、特徴のあるものであるなら、これはぜひ私はお示し願いたい。そうして私、その神奈川県や茅ケ崎の市民の反対の人たち納得するかどうか、それは聞いてもいいと思う。しかし特別のものでなくて、一つの演習だ、こういうことになれば、これはかなり日本の土地狭しといえどもあるわけです。そういう点について、もう長官の方で、どうしてもあそこでなければできない演習の目標を一つあげてもらいたいと思う。どういうことです。
  36. 北島武雄

    説明員北島武雄君) この点につきましては、ただいま突然の御質問でございまして、よく調べてございません。実は明日も明後日もあることでありますので、この二日間におきまして、十分に御説明申し上げまして、御納得いただきたいと思います。
  37. 相澤重明

    ○相澤重明君 それではそのことは私は質問やめますが、とにかく特別に茅ケ崎でなければいけないのだと、茅ケ崎はこういう問題があるのだ、あそこでなければ、どうしてもあの飛行機の演習はできぬ、こういうことを私は資料として提出を願いたい。
  38. 岩間正男

    ○岩間正男君 今の問題ですが、米軍時代に非常にあそこの地元の反対が激しかったと思うのです。どのような一体反対運動が展開されたか、これは防衛庁としてつかんでおられると思うのですが、この点お伺いしたい。
  39. 北島武雄

    説明員北島武雄君) 地元といたしましては、またどこでもそうでございますが、自衛隊それから米軍、こういうものの訓練につきましては双手をあげて歓迎というところは実は今までございません。それでいろいろ自衛隊といたしましても、訓練の必要な状況を十分地元に御説明申し上げまして、その御納得を得た上で今までいたしておるわけでございます。ただいまの茅ケ崎の案件につきましては、目下極力折衝いたしていることと存じております。できるだけ地元の円満なる御了解をいただけますことをこいねがっておるような次第でございます。
  40. 岩間正男

    ○岩間正男君 私の聞いていることにはお答えがないようですが、どんな具体的な反対があったか、そのことをお聞きしているのです。私たちは——あれは四、五年前でしたね、たしか岡崎さんの代だと思うのです。これは風聞ですけれども、岡崎さん落選の重要な一因をなしたと世間で言われたように聞いておるのですが、網をずたずたにジープでやられるとか、今のかぶと岩なんか、これについてものすごい地元の反撃にあった。自衛隊の時代になって、あえてそれを押し切って、もらったままの飛行機を押し込んでやるということになると、これはただではおさまるまいと思うのです。こういう実態をつかんでおられるのかどうか。それはあしたでけっこうです。そういう資料を一つ持ってきて下さい。これをはっきりしないと、これは重大問題です。いいですね。
  41. 大倉清一

    大倉清一君 今の相澤君の飛行機事故に関連して、ちょうど批難事項の四十一というのがあるのですが、この四十一によるというとC—46Dの輸送機部分品に関する批難事項、これはどうなんでしょうかね。C—46Dはアメリカから供与されたものだということなんですが、この兵器その他の供与については、やはり日本の自衛隊としては、その性能なりあるいはその他の要件というものを参酌をして、そうして供与を受けるべきかどうかということを決定なさるのか。あるいは何でも貸してやるというなら一つ借りておこうじゃないかという工合にお考えになるのか、その辺について、一つ方針についてまず説明をしていただきたいと思います。
  42. 小滝彬

    国務大臣小滝彬君) 米国から供与を受けます際は、日本側からリストを——デフィシェンシイ・リストというものを出しまして要求するわけなんです。それには日本の航空自衛隊というものの歴史が浅くて、結局その際にはアメリカ側の経験等も十分参酌しなければならない必要もありまするが、少くとも日本側で考えて、輸送関係であればこういうタイプの飛行機がよかろう、日本に対する敵性攻撃等も検討いたしまして要求するわけであります。ただしかし、それかといって、先方の方で分けることができないというようなものについては、これは要求いたしましてもなかなかその通りにも参りませんので、話し合いの必要がありまするが、しかし私どもとしては、あくまで日本側の立場から考える、こういう考えであります。あるいは新聞などでときどき出ますから、おきづきかと思いまするが、F86というものを三百機、できたら一応もう少し新しいものにしなければならないじゃないかというので、100とか104というものも検討されております。しかしそれはアメリカから決して104にするといいから使えというのでなしに、日本で作ろうというのでありますけれども、そういう場合には、十分欧米における経験に徴し、かつまた日本の操縦士も先方へ行って、いろいろそれを現地についても調査をするというような方法によって、できるだけ効率的な、日本にとって経済的にもいいし、また安全度も十分あるというようなものを選定するという態度で進んでおるものでありまして、ただ向うで要らないからそれじゃ何でもいい、訓練のためだからもらおうというような考えではなく、あくまでそうした点は、言葉が大きいかもしれませんが、自主的に十分検討をしてやっていこう、こういう方針で進んでおります。
  43. 大倉清一

    大倉清一君 言葉の上では自主的ということを表明されるのですが、私は元来こういうものは一切要らぬと思うのです。こういう飛行機とか潜水艦なんというものは要らぬと思うのですが、それは別にしまして、少くともあなた方がおっしゃっておる急迫不正の外国の侵入に対して国を防衛するのだと、大へんな任務なんですね、とするならば、まずその目的に合致することが大事だと思う、私がもし再軍備に賛成なら。ところがC—46Dなんというものは、これはすでに事故を起しておる札つきの飛行機で、しかもアメリカではもう使いものにならぬということでもって部品の製造を停止しておる、やめておる。こういうものをなぜ日本が供与を受けてそれを使わなければならぬか、それが急迫不正の外国軍の侵入を防ぐことができるか。しかも今外国の軍備というものは非常に長足の進歩をしておる。こういうものを受けて、そうしてこれでもって国の防衛をすると、あなたは今自主的とおっしゃるけれども、私は日本の自衛隊には自主的なものはないと断言いたします。アメリカの兵器を借りて、アメリカの技術を借り学んで、アメリカの援助を受けて、そうしてアメリカの防衛の一端をになっているというような軍隊に自主性があろうはずがありません。これは私はそういう意味から飛行機事故も、大いにこれは関連があるのじゃないかと思うのです。それで、たとえば四十一であなたの方の答弁書を見て、非常に私は不審に思うことは、こういうことを言われておるのですね。顧問一団に対しまして資料の交付を申し入れたところ、その交付にかえて、経験を有するシビル・エア・トランスポートの資料によりなさい。こういうことを言っておるというのです。ところが日本のそういう大事な資料を得る場合に信頼できるのはおそらくアメリカの軍隊だと思うのです、軍だと思うのです。そこから推薦を受けたからといって、民間の一商事会社の資料に日本の自衛隊、日本の国の防衛をする重要な任務を持つところの自衛隊が、そういう民間の資料だけに頼ったということは、私は非常にここに割り切れぬものがある。民間会社ですよ、これは……アメリカの顧問団の責任ある資料あるいはデータというものをなぜ要求されなかったか。こういうところにもわれわれ国民として非常に疑惑をもつわけです。こういうところからも、さっき相澤君がいう飛行機事故にも関連する一つの要素があるのじゃないかという工合に私は考えるのですが、このときに日本の自衛隊は責任ある、顧問団としての責任ある資料と、それから例の何といいますか、技術命令書ですか、こういうものをなぜ要求をしなかったか。何かその辺に事情があったらお聞かせを願いたいと思います。
  44. 小滝彬

    国務大臣小滝彬君) これは経理局長説明したかと思いまするが、当時顧問団の方にも技術命令書の新しく更新したのが備わっておらなかったわけで、その意味で一つC・A・Tの方のカタログを参照してやるように向うの方から勧告いたしたわけであります。C・A・Tの方はこれを使っておりますから、大体部品は、これは消耗率はこれぐらい、こういう部品はこれだという経験もあるので、それによるより当時の状況としてはしようがなかった。その後、整備した技術命令書もまあ顧問団を通じてとることにいたしたのでありますが、当時においては、そういう状況であったために、向うの方から技術命令書にかわるような意味において、こうしたC・A・Tのカタログを利用するように申してきたわけでありまして、われわれの方から要求したけれども、当時はそういうものが——修正した、更新されたものが備わっておらなかったという実情から来たわけであります。
  45. 大倉清一

    大倉清一君 そういう事情があった、こういう事情があったと言いますけれども、そんならば一体その技術命令書というものは備わっていなかった、更新されていなかったならば新しいものを作って出して下さい、出してもらうまで待てぬ状況ではなかったと思うのですね、国際情勢は。それほど急迫不正でないと私は思う。このような大事ないわゆる輸送機というような戦術上にもあるいは戦略上にも非常に大事なものを扱うのに、民間の資料によって、きわめて不確実な資料によって、こういうものを整備していく、整えていく、そうしてこういう批難事項が出ておる。これは昔でいえば日本の軍隊はこれでいいものかどうか、こうなりますよ。軍隊というものはそういうようなあやふやなもので——ほんとうに自分の国の運命をかけるようなものを整備していくので——こういうものでいいものかということになるのですが、なぜここでアメリカの顧問団それも民間のものでは困るから、あなたの方の責任を持つた指令書、資料を出して下さい、今なかったら待ちましょうと、なぜ言わなかったか、ここに日本国民としては何か割り切れぬものがある。あなたはその当時の事情としては、この通り事情でしたとおっしゃるけれども、あの当時の事情は何も問題になりません。そういうところに私は非常に不明朗のものがあるのではないかと考えます。と同時に、さらにこの批難事項に関連しまして、ガソリンの購入にしても、ガソリンは航空機にとっては生命です。この生命たるべきガソリンを買うのに、買ったところが役に立たなかった、これでは日本の自衛隊は信ずるに足りぬということになる。日にちがたったからどうやらこうやらと書いてあるが、私はガソリンにはしろうとです、しろうとですが、少くとも検収をしてそうして調べて、よろしいという限りにおいては、どういう工合に貯蔵して、どのくらいの期間は使える、これくらいたったらだめだ、こういうところまで検査していかなければ、ガソリンというものは危くて使えません。飛行機が飛ぶたびにタンクに入れていいかどうか、その都度検査をしなければならぬということに相なると思うのです。四十一とも関連し、ガソリンの購入とも関連して、非常に防衛庁の何といいますか上層部においては、こういう問題についてはきわめて無責任だと思う。これは単にほかの問題と違いまして、ほかの各省の問題と違って、批難事項に出たから、これから気をつけますというだけでは済まされない要素が私はあると思うのであります。そういう点について、もう少し私は今の釈明にしろ、あるいは答弁にしろ、ほんとうに日本の自衛隊、昔でいえば国軍ですね、そういう権威のある責任のある答弁を求めたいと期待しておったのですが、ほかの運輸省や大蔵省の批難事項と同じように、これから気をつけますというような答弁で済ましておられる、ここに私は大きな問題があるように思う。あるいはさっき長官は航空機は稼働機数が少い、これは僕がそう言ってやらしておるのだとおっしゃるけれども、当り前のことだ、航空機の専門家なら……。大体耐用年数がきまっておる、ある一定の時期使えば、故障が起らなくても、何の事故が起らなくても、オーバーホールして整備したり解体する、これは当り前のことだ。それをもしあなたがそういうふうにおっしゃるなら、たとえば大蔵省あたりに対しても、もっと圧力をかける必要がある。たとえば耐用年数が過ぎておる、だから整備予算をよこしなさいと言ったときに、大蔵省の方から故障の起っていないものはやれぬじゃないかと言われて、ああそうですがと引き下るこれではしょうがないではないか。そういうものを総合いたしますというと、事故の原因というものは私はそう簡単なものじゃないと思うのです。ですから、私はこのガソリンの問題にしても、あるいはこういうような問題にしましても、あなたは自主性とおっしゃいますけれども、もう少し基本的な、根本的なあなたの方針なり構想なりについて一つ聞かしてもらいたいと思います。
  46. 小滝彬

    国務大臣小滝彬君) 私の考え方はもうすでに相澤さんに申し述べた通りであります。それならば具体的にどうするかという問題になるならば、さっき申しましたように、これまでの経験に徴し、またいろいろの方面から検討いたしまして、しかもただ単に防衛庁の上の方で考えるだけではなしに、各部隊は部隊として毎日飛行機を使っている、この点をこうしてもらいたいという意見もあるでしょう。それを総合して、今度中央でまとめて新しい指令を授けるようにしよう、こうした方針のもとに進んでおるわけであります。これもまた言いわけのようになるかもしれませんが、何としても飛行機を使ってこうした訓練をするのは最近のことでありますので、これをよくしていく、そう一日にしてそれはできないかもしれませんがとにかく、そうした方向で、今までの尊い経験をただそれだけに終らせることなく、これを貴重な材料としてぜひよくしていこう、それにはただ頭の上で考えるとか、一部の航空幕僚長が考えるというのでは足りないので、すべて。パイロットやいろいろな整備員というような方面の意見も聞いて、一つそうした実際的な具体的な措置をとりたい、こういう気持で進み、またそうした組織も設けるように今いたしておるところでございます。
  47. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 前年度の、二十九年度の決算の審議のときに問題になりました例の繰越額の問題でありますが、三十年度は前年度に比較いたしまするというと、幾らか少くはなっておるのであります。それでも歳出額八百二十六億に対しまして二百二十八億余、大体まあ三割強にもなっておるのでありますが、先ほど来から大臣並びに経理局長から、これについての器材費あるいは施設整備費あるいは艦船建造費、こういうような一連の問題につきましてお話があったのでありますが、私どもは全面的にこれについてとかく言うものではないのでありますが、とにかく支出の三割以上のものが繰り越されておるということは、われわれといたしましても非常な大きな関心を持って見ておるわけなんでありますが、それについて、一つこれは経理局長でけっこうなのでありますが、特に明細に重要な点につきまして、繰り延べたことについての一つ説明を願いたいと思います。重要な点だけでいいです。
  48. 北島武雄

    説明員北島武雄君) 重要な点につきましては、繰り越しの順は先ほど長官から概略御説明ございました。結局これを要するに、防衛庁繰り越しを生ずる原因となるところの経費は大きなものは三つございます。一つ器材費でございます。それから一つ施設整備費でございます。一つ艦船建造費、この三つでございます。  器材費は自衛隊の使用いたしまする庁用備品以外のほとんどすべての器材についての経費でございますが、御承知のごとく目下建設途上にございますし、しかも自衛隊が使用いたしますものは、一般の市販品と規格が違っておりますので、新しく規格を定めたりいたしますのに相当時間がかかる、そのために注文いたしましても年度内に必ずしも納まらないで繰り越しになるということであります。それからあるいはまた輸入品も相当ございますので、輸入品につきましても、国外の、注文先の会社の生産の事情あるいは輸入関係のいろいろな手続等のためにおくれる場合もございます。それからまた器材費につきましては米国からの供与品に関連するものが相当ございますので、供与を受けましてから、それと相照応して調達すべきものも相当にあります。ところが供与がおくれるというようなこともあって、繰越額になる場合もございます。  それから施設整備費につきましては、これは御承知の通りに、自衛隊の不動産の取得、基地の建設等に必要な経費でございますが、ただいまのような情勢でございまして、防衛庁がたとえばある場所に飛行場を作りたいと考えましても、直ちに地元で納得するということが非常に少いのでございまして、御納得いただくまでに相当時間がかかり、しかも値段の交渉になりましても、やはりなかなか意見の一致を見ることがむずかしいというような状況で、繰り延べ、繰り越しになることが非常に多うございます。  艦船につきましては、十年間の空白ということが再三申されるのでありますが、一艦ごとに新しい方針を慎重に考究いたしまして、昔と違った設計をしなければならぬというようなことがあります。設計に相当手間取る。あるいはまたこれも米国からの供与を受ける武器に関連する部分が相当ございまして、その武器の供与がおくれると、それに関連する艦船のこまかい設計がございます。こんなふうな状況で繰り越しを生じているのであります。  ただ、先ほどちょっとお話がございました整備その他に対しまして繰越額が三割か何とかと言われますと、非常に私ども恐縮するのでありますが、繰越予算は御承知の通り、翌年の成立予算と合体されまして、その中から繰越しが出てくるのでございますので、御比較願います場合には、当該年度の成立予算ではなく、当該年度の成立予算プラス前年度の繰越額を加えました予算金額というものと御比較願うのが一番いいのでございます。それにしましても相当な割合の繰越額になっております。このことにつきましてはまことに私ども恐縮に感じております。ただ昭和三十二年度の予算の編成に当りましては、従来のような繰り越し実績を考えまして、相当成立予算につきまして削減いたしておりますので、三十二年度は従来に比べて著しく改善されると、こういうふうに考えております。
  49. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 私の質問が悪かったのかもしれませんが、今お話のことは先ほど大臣から申されたので、その大体概要は私もわかっておるのでありますが、私のお尋ねしたいのは、これだけの大きなもののうちに、重点的にその明細なものをお聞きしたいと、こういうのでありますから、しかしこれは時間の関係もありましょうから、すぐに御答弁が願えなければ資料として御提出を願ってもいいのであります。またごく大きなものだけでもつかんで、ここで御答弁ができれば御説明を願いたいと思います。
  50. 北島武雄

    説明員北島武雄君) 昭和三十年度に繰越しました二百二十八億円の内訳でございまするが、これは器材費におきまして百三億九千五百万円でありますが、そのおもな内容を申しますと、これは非常に物品ごとに千差万別でございますが、たとえば陸上自衛隊の編成装備費におきまして、契約未済の繰り越しは十三億五千万円程度でございます。それから契約済みの繰越額におきまして二十五億三千万円、その内容はたとえば六トン・レッカーであるとか、レーダー装置だとか、一五五ミリの榴弾砲の試作であるとか、あるいはクレーン・クローラーとか、防護用セット、音源標定機、タンク車、地雷探知器、車両無線機、落下傘こういったようなものでございます。
  51. 相澤重明

    ○相澤重明君 それは総計で幾らでございますか。
  52. 北島武雄

    説明員北島武雄君) 陸上自衛隊の編成装備費におきまして、契約未済の繰越額が十三億五千万円、契約繰越額におきまして二十五億、合せまして陸上自衛隊の編成装備費におきまして約三十九億近くの数字でございます。  それから海上幕僚監部におきまして、航空関係の備品それから武器関係の備品、訓練用の備品、通信機器の購入費、油の購入費等の契約未済繰り越しのほか、リンク・トレーナー等の航空受信費、武器及び武器関係備品等の契約繰越額がございます。  それから航空自衛隊におきましては、契約未済の繰越額において、訓練用の備品費といたしまして五億三千万円程度、車両費として約二億円、契約繰越額航空機購入におきまして四億六千三百万円、訓練用備品におきまして三億二千八百万円、通信機器におきまして三億一百万円、航空備品において三億八百万円等でございます。  以上申しましたように、きわめて種種雑多なアイテムがございます。もし御必要でございましたら、資料を提出申し上げます。
  53. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 今の問題につきまして、委員長から資料を一つ提出するように要望願いたいと思います。
  54. 三浦義男

    委員長三浦義男君) 経理局長、よろしゅうございますね。
  55. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 今大体内容についての御説明があったのでありますが、これは三十一年度に引き続いて、これは契約履行の処理をとられておるのでありますが、どうでありますか。
  56. 北島武雄

    説明員北島武雄君) 先ほど申しました額のうち、契約繰り越しと申しますのは、すでに契約済んだものでございまして、その支出がおくれております。従いましてこれが三十一年度において購入されますれば、その際に金額が支払われるのでありまして、ほとんどすべてが支出済みとなっておるのでございます。ただ契約未済繰り越しにつきましては、翌年度におきましてその大部分契約済みになっておりますが、中には契約に至らないで不用額となったものもございます。
  57. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 それからこの点につきましていま一点お尋ねいたしたいのは、これはほとんど国内への発注、これは器材関係とかその他でありますが、注文は外国商社でなくほとんどこれは日本国内の商社と解してよろしいのですか。
  58. 北島武雄

    説明員北島武雄君) 大部分が国内品でございますが、ただ三十年度に調達いたしました金額の中で、二十六億円が輸入品でございます。この二十六億円のうち何割程度繰り越しになりましたか、ちょっと今手元にございません。三十年度における全体の調達額が、調達実施本部で契約いたしましたのが三百四十八億円見当でございます。そのうちで二十六億円が輸入品でございます。
  59. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 これは前回の委員会のときにも、特に私から大臣の所見を質したのでありますが、御承知の通り、最近の日本の産業界は非常に発達をいたしておるのでありまして、よほど特殊なものでない限りは、大体国産によってまかなうことができるのであります。経理局長のお考えといたしまして、飛行機が日本でできなければならぬ。それからその他器材が相当これはアメリカのシステムで日本でやるというような傾向に大分なってきておるのでありますが、できるだけわれわれの要望といたしましては、中小企業を動員をいたしまして、国産品を使ってもらうということを非常に念願しておるのでありますが、この実情は一体どうなっておるのでしょうか、この点前回にもお尋ねしたのですが……。
  60. 小山雄二

    説明員小山雄二君) ただいま経理局長からお答えしましたように、三十年度約二十六億程度の輸入をやっております。この大部分航空機関の機体あるいは発動機の部分品でございまして、こういうものは先ほどいろいろお話もございましたが、一がいに航空機関係の備品と申しましても、一般的なものはほとんど国産化しておりますが、一つ例にとりますと、C46その他機数の少いものの備品につきましては、国産化いたしますについても、採算その他の問題もありまして、国内にも企業を植えつけるわけに経済的にも参らぬということもありますので、そういう種類の備品はやむなく輸入する、大体航空機関係、それから特殊の電子器関係で、これは技術的に日本で調達するまでにこなしていくことができなかったという種類のものが大部分でございまして、その他のものはできるだけ国産品でまかなうという方針でございます。
  61. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 次に質問を変えましてお尋ねをいたしたいことは、例の日本とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定によりまして、年々莫大な物資を日本が調達をしてもらっておるわけなんでありますが、先ほど経理局長の御説明の中にありましたが、非常に莫大のものがくるので、その調節が必ずしも円満にいっていないというような説明があったのでありますが、これはアメリカは七月から会計が始るので、会計年度になるのでありますが、どういう形で、日本側予算が編成をされた場合に、アメリカ側に対してどういうような順序を踏んで御交渉をせられるのか、その点を一つ伺いたい。
  62. 小山雄二

    説明員小山雄二君) 御存じのように、警察予備隊が初めてできまして自衛隊を整備して参りますときは、まだはっきりしたルールができておりませんで、SFRPと申しまして、向うの極東軍のサープラスの物資を一時借りていたという形で、初め陸上警察予備隊を中心といたしまして装備を間に合せるといいますか、さしあたり装備をまかなっていったという形になっております。これはその後MSA法の改正によりまして供与、MDAPによる供与ということに切りかえております。MSA法の改正が昭和三十年度にございまして、それ以後は毎年度こちらからリクエストを出しまして、それに基きまして陸、海、空別に向うの予算の中に、MSA予算の中に当てはめていって、それで供与がきまります段取りになっております。昨年は七月ごろリクエストを閣議の了承を得まして出しました。これはこちらの三十二年度分に当るわけであります。向うの会計年度としては一九五八会計年度分になっております。ことしも六月あるいは七月ごろこちらの三十三年度分、向うの一九五九年度分を出すことになっております。まあ相当先のことでありますし、毎年度のわれわれで申します業務計画というものもはっきりきまらないで、非常にがたがたするのでありますが、一応向うの了承を得て大ざっぱなところできめていただきまして、それで一応事務的にはやっていく。その程度にいたしませんと、向うは全世界のものを集めましてMSA予算を割り当てる関係上間に合わない、こういう関係になっております。大体そういう仕組でやっております。
  63. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 これは昨年度にもだいぶ問題になったのであります。それから三十年度にも指摘をせられております通り、その交付を待たないで購入して、結局供与品と重複したという問題もたくさんあるのであります。まず三十年度中に日本が供与を受けました重要な物資について資料を一つ御提出を願いたいと思うのであります。  それから指摘をせられた事項を中心にいたしましてお尋ねをいたしたいのでありますが、これは毎年こういうことは問題になるのでありますが、特に三十年度につきましては、この点について特別の考慮を払って、そして米国側と交渉をせられたのか、またそのいきさつ等がどういう工合になっていたのか、その点を一つお尋ねをしたい。
  64. 小山雄二

    説明員小山雄二君) 三十年度で供与を受けました物資の資料は作りまして御提出いたします。なお、先ほどただリストをこちらが出しまして、向うの軍事顧問団からいろいろの機関を経まして本国にいってワクがきまる。ワクがきまりましたら、またそのブレークダウンをして各物資がきまるというように申しましたが、軍事顧問団の方も、向うの情勢、こちらの編成の状況等もある程度わかっておりますので、われわれが手ぶらでリストを出しましたものを、そのまま取り次ぐわけではないわけでありまして、こちらと相談しながら、向うとしても供与可能性のあるもの、しかもこちらの編成と合うものということを調整いたしまして、軍事顧問団はそれを本国に送ることにしております。こういう手続も初めのころはうまくいかなかったわけですが、最近はだんだん両方なれまして、そう食い違いはないと思います。ただ現物が来る時期がときどきその予想に反して非常におくれるということがありますので、三十年度等におきましても、会計検査院指摘のような結果があるのでございまして、現物関係ではこういうことは今後とも全然ないというふうにはわれわれも考えないわけでございますが、だんだんそういう点は逐次改善せられつつあると、われわれも確信しております。
  65. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 具体的の問題はまだ二日間ありますから後日にいたしまして、あと一、二点お尋ねしたいのでありますが、この建設工事の支出額中におきまして、三十億円余が、これは建設省並びに北海道開発局に委託施工さしたということなんでありますが、この建設省並びに北海道開発局にやらしたものについて、その後防衛庁はどういう検査をしたか、この点についてお尋ねしたいと思います。ただやり放しであるのかどうか。
  66. 山田誠

    説明員山田誠君) 防衛庁の仕事の一部を建設省及び北海道開発局に委託施工してもらっております。その竣工までは建設省及び開発局で竣工検査をしていただきます。完了しましてそれをこちらに引き継ぐときに、立ち会いでもう一度それを見まして、こちらに引き取るようにしております。
  67. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 会計検査院にお尋ねいたしたいのでありますが、ここの中にも大分出て参るのでありますが、滑走路の問題なんでありますが、非常に凹凸が激しいとか、それから露出が激しいとかいうようなことも指摘の中にあるのでありますが、それからまたこれは滑走路だけでなく、日本の舗装自体というものが、われわれがもう日常車に乗ってちょっと出ましても、毎日のように目の中に入っているのでありますが、ことに防衛庁関係滑走路については特別の技術的な一つ規格というものを立てられてむろんおるのだと思いますが、これは技術者でないとあるいは御答弁しにくいかもしれませんが、この点について一つ、もしわからなかったらこれは後日でよろしいのですけれども、お尋ねしたいと思います。これは非常に数が多くてまた今後もたくさん出て来る問題だものですから、ちょっとこれをお尋ねしたいと思います。
  68. 保岡豐

    説明員保岡豐君) 大体のことを申しますと、道路の舗装滑走路舗装とは施工としては同種でありますけれども、それを使うものが違いますので、おのずからそこに設計の違いがあるわけでありますから、それですからその設計の材料であるとか施工の方法とかは違います。しかし道路にいたしましても、非常に今おっしゃいましたようにうまくいっておるものもありますけれども、相当うまくいっていないのがあるわけです。飛行機の滑走路におきましても、今このような状態でありますが、これはやはり非常に飛行機の滑走路専門の技術者が数少いのではないか。防衛庁に数少いのではないかと見られるわけであります。それですからこの問題に対する照会に対する回答においても、土木の標準仕様書を見た、しかしそれには道路のことだけ書いてあって、滑走路のことは書いてなかったというようなことが書いてあるわけでございます。そういうわけで、まだ道路のことを応用しておるということはわれわれちょっと頼りない、こう思っております。もっと今までの実績をよく、ごらんになりまして、それで防衛庁の方で改良を重ねていかれることが必要であると、こういうふうに考えます。
  69. 久保等

    ○久保等君 ちょっと参考のためにお伺いしたいのですが、三十一年度の決算については、大体全貌について把握をせられておると思うのですが、もしここへいただいたような三十年度の防衛庁決算不用額及び繰越額という一枚のプリントをいただいたのですが、こういう科目で分けてお知らせ願えるなら、ここに一つ説明願いたい。ここで数字的にちょっと御説明いただけなければ、明日でも資科を出していただきたいと思うのですが、三十一年度がどんなふうになっておりますか、不用額繰越額と。
  70. 北島武雄

    説明員北島武雄君) 昭和三十一年度の決算につきましては、実は目下、最終的の数字の締め切りをやっておりまして、六月十五日までに確定をしまして、大蔵大臣に報告することになっております。従いまして、ただいま申し上げますことは、あるいは場合によりましては若干の異同を生ずることあるべしということで一つ御了解願いたいと思います。  ただいままでの見込みにおきましては、昭和三十一年度の繰越見込額は約二百三十六億円、この数字は前年度は二百二十八億でございますので、約八億円の遺憾ながら増加ということになっております。それからその内訳は、ただいままでのところでは、器材費におきまして約百十四億、それから施設整備費におきまして六十一億、鑑船建造費におきまして約五十四億、残額はその他の科目でございます。大体こんなふうに考えております。  それから不用額でございますが、不用額はただいまのところは約六十億、その内訳は、器材費が約四十六億円、施設整備費が二億五千五百万円、艦船建造費が約三億八千八百万円、こういうふうに一応見込まれております。
  71. 久保等

    ○久保等君 ちょっとただいまのことでお尋ねしたいと思うのですが、不用額が六十億、三十一年度で出たというお話なんですが、これはこの前、当決算委員会でも、三月の半ばごろですが、三十二年度の予算の問題と関連して私もお尋ねをして、北島経理局長からも御答弁があったのですが、三十一年度においては非常に激減をした、従ってほとんどないとは言えぬけれども、少くとも三十年度と比較するならば、半分あるいはそれ以下になるだろう、それから一般繰越額はせいぜいいっても二百億円であろうというお話だったのですが、ところが、これを見てみますと、ただいまの御説明で初めて私もわかったのですが、三十一年度においては、三十年度以上に繰り越し並びに不用額が非常に莫大な金額が出たということになっておるのですが、これについてどういう御説明がなされますか、御説明を承わりたいと思います。
  72. 北島武雄

    説明員北島武雄君) 年度の途中におきまして繰越額不用額を実は推算はしょっちゅういたしておりますが、これは非常に変動がございます。と申しますのは、はなはだ残念なことではございますが、防衛庁の従来の仕事におきましては、仕事の後半年に非常に大きなウエートがかかっておるわけでございます。従いまして年度末の三月あるいは整理期間の四月に支出されるのが非常に多いのでございまして、そのために三月あたりのときの推算と、実際にまとまりましたものと食い違いが生ずるのでございまして、この点、見込み違いではございますが、大へん申しわけなく存じます。ただ久保先生がおっしゃいました、二百億と申しましたが、あるいは三月の初めごろだったかと思いますが……
  73. 久保等

    ○久保等君 十六日です。
  74. 北島武雄

    説明員北島武雄君) その後、内閣委員会におきまして御質問を受けました際は、多分二百三十億円くらいになるだろう、前年度と同額程度というふうにあらためてお答え申したことが、四月になりましたが、お答え申し上げたことがあります。それがさらに締めてみましたところ二百三十六億見当ということでございまして、見込み違いではございますが、大へん申しわけなく存じます。  それから不用額でございますが、不用額は前に、久保先生のお尋ねの前には、高田なほ子先生から非常に前年度の不用額について御質問がございまして、従来の不用額は、防衛庁はほとんど全部人件費が非常に大きな不用額でございました。そのあとを受けてのお尋ねでございましたので、実は私は人件費不用ということだけが頭にありまして、非常に減るということを申し上げたのではないかと記憶いたしております。事実、人件費につきましては、昭和三十一年度も、ただいままでの見込みにおきましては、人件費は約一億四千万円程度不用額がございまして、これは糧食費を合せましても、二億二千万円程度ということになりますが、これが昭和二十九年度でございますと、狭義の人件費がつまり十五、六億、三十年度は狭い意味の人件費が約十五億、広義におきましては約二十一億の人件費不用額、前の年におきましては、人件費だけで約四十億近い、広義のものを入れまして約四十億近い不用だと思っております。そういうような関係で、人件費について非常に御追及がありましたので、そのあとを受けて申し上げましたので、あるいは人件費不用額ばかり頭にこびりついて申し上げたのではないかと思います。実は締めてみますと、前年度は四十八億八千万円でございまして、約十一億円強という増加になっておりますので、非常に申しわけないと考えております。
  75. 久保等

    ○久保等君 もう少し的確な御答弁を願いたいと思うのですが、それは私のこの前の御答弁をいただいたときは、実は私が御質問をいたしまして、それに対する御答弁があったのが三月十六日に、私もちょっと速記録を調べてみたところによりますと、その当時の御答弁で、ほとんど不用額についてはないであろうというようなお話、それから、かりにあるとしても激減するであろうというお話だったのですが、一体こういう当時の推測と結果的に金額に大きな開きが出たのは、三月ももうほとんど終ろうとするときの判断として、もう少し契約等で器材購入なんかは入ると思っておったら、年度内に入らなかった、従ってそれに対する支払いは年度を越さざるを得なくなった、従って繰越額が非常に多くなった、あるいは事実、契約をして三十一年一ぱいぐらいに入る予定だったが、それを納入できなくなったので、これを解約してしまったのだ、従ってその問題については、三十二年度で事新しく購入するにも及ばなくなったので、不用額になったのだ、何か金額が大きな金額ですから、二、三億程度の差ならば別として、少くとも不用額についても六十億、あるいは繰越額にいたしましても、前年度よりも金額が非常に多くなっておるということについては、少くとも五、六十億、七、八十億、これは総額にすると二百九十六億程度になるのじゃないかと思いますが、要するに三百億を三十一年度から三十二年度に繰り越し、あるいは不用額になるというような、非常に莫大な金額なんです。私はこの前から予算委員会でも、決算委員会でも指摘しておりますように、予算というものが過大予算になっておるのじゃないか、過大見積りになっておるのじゃないかということを常に強く主張し、ぜひ一つ今度の三十二年度予算の中には、そういうことがないようにという実は御注文を申し上げたのですが、確かに、ある程度のそういうことに対する措置が、三十二年度予算は三十一年度予算と比べると、そのあとが見られないでもない。しかし小瀧防衛庁長官もおいでになりますが、予算委員会でも、三十二年度については、もうとにかくほとんどそういう事態はございません、もしあっても四、五十億という程度の御答弁をいただいておる。これは速記録をごらんになっても、とにかくそういう御答弁をされておるが、とにかくかりに四、五十億としても、私はその四、五十億は実は二百億のことだったなどというような答弁をせられては困るのです。実はそのことと関連してお尋ねしたいのは、ここ数日後には岸総理がアメリカへ行かれるということになっておりますが、そのことに関連して、長期防衛計画の問題を携行せられるということも新聞等ですでに伝えられておるところです。その場合に、早くも私ども非常に国民としても心配をするのは、もう少し防衛予算の面においても、防衛費の問題についても、金額をふやさなければならぬ、防衛計画をもう少し拡充しなければならぬというようなことが伝えられて、国民所得に対する。パーセンテージも、いや〇・二%程度は引き上げなければならぬというようなことも伝えられておる。私はこういう今決算の現状と、それから三十三年度以降の防衛計画というものを一体どういうように考えておられるか。この三十一年度の実績を徴した場合には、ますますそこに大きなギャップというものがあるのじゃないか。何かアメリカへ行って色よい交渉ができるように、あるいはまたアメリカとの今後の国交調整とか何とかいうようなことに、簡単に私は防衛計画等を携行せられるんじゃないかというような非常に危惧を持つのですが、このことに対する三十一年度のたまたま全貌が今日明確になった以上、三十二年度の一体防衛庁の庁費がどういう形で使われるか、あるいはまたどの程度の形で計画が進められるかということについては、もうすでに三十二年度になっておるのですから、私は相当な、予算を編成する当時とは違った見通しなり実行計画というものがあろうと思うのです。そういう点を考え合せ、一体三十三年度以降の長期防衛計画というものが、新聞等で伝えられるような形で一体スムーズに遂行できるというふうに今の内閣なりあるいは防衛庁としてもお考えになっておるのかどうか。これはスムーズという言葉は、私ども、もちろん別個の立場に立っておりまするが、政府の立場として考えた場合に、こういう三百億になんなんとする不用額なりあるいは繰越額を三十一年度から現に三十二年度に繰り越しておるという情勢の中に、それで三十二年度の予算も確かに継続費を金額の面においてふやし、あるいは国庫債務負担行為という形でふやしたなどして、少くとも過去におけることの若干でも是正を行なおうという措置がとられておることは、私ども認められるのですが、しかし、なおかつ少くとも一千十億という、継続費と、それから債務負担行為を除いた本予算だけで一千十億、それにプラスただいま申し上げた二百三十六億円という繰越額があるわけですから、それにプラスされること約二百五十億、それに継続費あるいは国庫債務負担行為のごときも二百億というように非常に莫大な実はワクをきめておるのですが、それでなおかつ三十三年度には思い切って、従来よりも国民所得の面と比べるならばせめて二%程度にはぜひしたいのだというようなことを言われておる。一体そのことにどういう御説明をされるのか。防衛庁長官、こういう三十一年度の決算の実情等を考え合せてみた場合の三十三年度以降の、そういう立場から見た三十三年度以降の一体防衛計画というものをどういうふうにお考えになっておるのか。私は政治的な立場やイデオロギー的な立場を別にして、予算という問題だけを見つめた場合の三十三年度以降の防衛計画というものをどうお考えになっておるのか。この点を一つ御答弁願いたいと思うのです。
  76. 小滝彬

    国務大臣小滝彬君) 国防会議関係で長期計画を検討しておるのでありますが、しかし予算面についてどれだけにしようというような計画が進んでおるわけではございません。久保さん御指摘通り予算の消化能力というものはもちろん重要な要素でありまするので、この点も十分考慮いたしまして今後の計画を進めていかなければならないと思っております。  三十一年度のこの繰り越しは予想以上に非常に大きかったことは、まことに遺憾しごくでございまして、本年度は今御指摘のように、国としてはぜひこういう姿でなしに、せめて四、五十億というところにとどめたいという気持で、今もその点に努力しているわけでございます。今後の計画につきましては、今までの実績等も十分考えまして、こういう指弾を受けることのないような計画を立てたい、こうした気持で進んでおるわけであります。
  77. 久保等

    ○久保等君 きわめて抽象的な、こういう批判がないようにという程度の御答弁では、ちょっと実は納得できないのですが、まあ三百億の繰り越しをかかえた三十二年度予算の執行という問題を、具体的にどういうようにお考えになっておるか、そのことそのものについても、これは非常に問題があろうと思うのです。従って、まあ納得のいくような御説明を実は願いたいのですが、少くとも三十二年度の予算は、先ほど来私が指摘申し上げておるような、三月ごろの御答弁の上に立って予算というものが審議されて予算決定したと思うのです。そうだとすれば、私は四、五億円と聞いた御答弁が四、五十億だったというような、適当な言葉の先で三、四十億という数字がふくらんだり縮まったりするような、そういうような御答弁で予算がきまるとすると重要な問題だと思う。少くとも三百億という金が三十一年度においては消化できなかったのだ、しかもそれほどの予算消化ができない中において、すでにこの三十年度に指摘されておるようなことが、私はいまだ三十一年度の実情については具体的には知るべくもないのですけれども、やはり相等な問題があるだろうと思うのです。ただ予算を消化さえすればいいのだという考えが、先ほど提出してもらった三十年度の資料の中でも、契約済みではあるが、実はその支払いが三十一年度に繰り越されたというような形で出ている金額は相当な金額になっておるのですが、これなんかも見方によっては年度末に大急ぎでとにかく契約したという、従って品物が入るか入らないか、器材が入るか入らないかは別として、とにかく契約だけは早くして、何とか予算の面だけは消化しなければならぬという一つの手として使われたのじゃないかという危惧も見方の上では成り立つと思う。従って非常に、私ども決算委員会でこういうことを申し上げると、予算の消化が、使い方が足りないのだ、大いに予算を使えというような叱咤激励でも受けたような感情でも持たれるととんでもないので、そうではないので、一銭一厘といえども、先ほどから経理局長の言われておるように、それから防衛庁長官の言われておるように、国民のとにかく血税を有効的確に使ってもらわなければならぬと思う。ところがこういう形で三百億という金額は、とにかくこの三月三十一日現在で金額が出て、三十二年度に繰り越されておるという状況の中に、しかも来年度のことを考えると、何か大きなラッパを吹いて、この際、三十三年度から陸上自衛隊をもう一万名ふやすのだ、三十四年度も一万名ふやすのだ、従って国民所得に対するパーセンテージももう少し引き上げなければならぬというような、何か先へ先へと、国民の実態と、予算決算との実情を無視した形で防衛計画が進められておるということについては、これはもう非常に私決算のこの審査の立場から見て、まことにこう遺憾千万に思うのですが、もう少し私は三十二年度の今日すでに予算の執行が行われつつある段階に立って、もう少し現実的な、それこそ防衛計画というもの、しかも国民に、全く防衛庁予算の使い方については非の打ちどころがないという信頼をやはり植えることが、私は今日において防衛計画を進める上において一番先行しなければならぬ大きな問題だと思う。何か金額をふやして、人員を多くふやしさえすれば、国民がどう思うかこう思うかは別にして、対アメリカ関係は外交調整ができるのだというような考え方が非常に強いのじゃないかという実は疑念を持つのです。アメリカへ特に総理は行かれようとする直前にあるだけに、本来からいえば総理に直接申し上げたいと思うのですが、きょうはおいでにならぬから、防衛庁長官にこの点を厳に私は申げておきたいと思うのですが、この現状を忘れないで対米折衝をやってもらいたい。この前総理がお見えになったときも私は申し上げたのですが、アメリカへ行かれる際には、毎年莫大な不用額であるとか、また繰越額があるという現状について、総理としては十分に一つ考慮を願いたいというお話を申し上げたのですが、しかし、そのときは三十一年度の決算がどうなるか、先ほどのような適当な数字のお話でお茶を濁したような形になっておったのですが、的確な数字を私は申し上げることができなかったのですが、今お聞きしたところによると、総額だけは大体的確なもうすでに私は数字が出ていると思います。ぜひ一つこういう根拠なり現状の上に立って、三十三年度以降のやはり防衛計画というものは、問題を数字的にやはり私は考えていかなければならぬのじゃないか。あまりどうもPR運動的に宣伝戦をアメリカに向ってやることを一つ慎しんでいただきたい。こういう国内的に、特に国民の税金を払う立場に立りて、その予算防衛庁でどう使われているかという立場の上に立って考えていただかなければならぬと思う。御批判がないようにしたいと言うのだけれども、それならば、ここ一日、二日来新聞等で報道されておるような非常に上昇線をたどるような防衛計画は考えておらないのだというように理解してよろしいですか。
  78. 小滝彬

    国務大臣小滝彬君) 私どもはもちろん必要最小限度の自衛力を持とうとしておるものでありまして、急を要しないもの、あるいは必要のないようなものを要請するのではございません。ただ、先ほども御説明申し上げましたような理由によりまして、繰り越しが大きく出ましたことは遺憾でございますので、本年度の予算編成に当りましては、できるだけそういうことのないように、今久保さんの御指摘のような方法で、これは継続でいかなければ、国庫債務負担行為というような方面に、本年度中に支出し得ないようなものは回したわけであります。今おっしゃったことはまことにごもっともでありまして、そういう感じを与えるような必要以上のものを作ろうとしているかのようなことのないように、私どもは実際の自衛力増強の私どもの立場から考えまして、必要の限度間において、かつまたいろいろの事情からして消化がおくれるようなものについては、そういうものは後年度に回すようにいたしまして、さっきも申しましたごとく、一つみんなの納得できるような線において自衛力を漸増いたしたい、こういう考えでございます。
  79. 岩間正男

    ○岩間正男君 まあ昨今伝えられる情勢、それからまあ岸総理の渡米に関連して、そして防衛計画をこれはアメリカに示さざるを得ない、こういう情勢になっておるだろうと思うのですが、今度の渡米に当って、どういうような計画をお持ちになっておるのですか、この点長官に伺いたい。
  80. 小滝彬

    国務大臣小滝彬君) 私ども防衛庁といたしましての試案なり、またその後の検討いたしておることは、すでに国会で再三申し上げた通りであります。しかし、政府としてこれを決定いたしますのには、国防会議にもかけなければならないし、閣議の了解も得なければならないというのでありまして、この点については目下審議中でございますので、結論がどうなるということをここで申し上げる段階に至っておりません。しかし、今度総理が米国に行かれましても、必ずその際には防衛計画を提示しなければならないというような必要があろうとは私どもは思っておるのではなくして、総理はもちろん、日本の総理として日本の防衛について大綱を、どういうふうな考え方を持っておるということはあるいは示されることはあるかもしれませんが、しかし、今度米国との間に、世界の情勢をよく検討し、かつまた相互の理解を深め、そして全般的な話をしようとしておる総理として、一々こまかな防衛計画をこうであると詳細先方に申し述べるなり、あるいは提示するというような必要はなかろうかと、私は考えております。
  81. 岩間正男

    ○岩間正男君 そういうことはアメリカ側からの要求されておるのじゃないのですか。防衛計画の内容なり大綱なりについて、このたびの渡米に当って国民はそう判断しているし、あるいはそういうことがしばしば伝えられていると思うのですが、どうですか。
  82. 小滝彬

    国務大臣小滝彬君) 私の知っている限り、絶対にそういうものを要求されておるのではございません。
  83. 久保等

    ○久保等君 それで、ただいまの問題については、およそ防衛庁内部の資料、報告等はお集めになっておると思うのですが、私、従ってこの程度の科目でけっこうですから分けて、三十一年度のものについての数字的なものをお出し願いたいと思いますが、もちろん、一億円や二億円の数字は後ほど訂正されても大した数字にそれこそならぬと思うのでありますが、相当正確なものがお出し願えると思いますが、一つお出しを願いたいと思います。
  84. 片岡文重

    ○片岡文重君 少し質問したいのですけれども、だいぶきょうは打ち切りという要望が強いから、遺憾ながら打ち切りますが、繰越額を見ると、昭和二十八年からずっと見ると、総額において二十八年度では二百五十七億、二十九年度で二百三十五億、三十年度で二百二十八億、だんだん減ってはきておりますけれども、大差はない。ところが、この内容を、先ほど局長説明なされた器材費施設整備費艦船建造費等について見ると、器材費昭和二十九年度は大体六十七億に減っている。減ると、今度は施設整備費なり艦船建造費の方でその分がちゃんとふえている。これはもちろん項目が違うのですから、流用することもできないでしょうし、やり繰りということもできないと思うから、あまり勘ぐることはどうかと思うけれども、二十九年度ではそういうやり繰りをしているかと思うと、今度は三十年度の内容を見ると、器材費で百四億になっている。ところが施設整備費艦船建造費の方では若干手心を加えている。総額はやはり二百二十六億をこえている、三百億近くなる。こういうことを見ると、どうも予算繰り越しというものについてはすなおに私たちは受け取りにくい点もさらに生まれてくるわけであります。今、久保君から注文があったようですが、私はさらにこの繰越額の内容について、大体繰越額とは、先ほど御説明があったように、翌年度に支払いをしなければならない性質のものだと思うから、当然契約がされているものと思う。従ってその契約をされた先と、金額と、契約の月日を明確に出してほしい。それは全部は出ないというのならば大ざっぱなものでもけっこうです。これはぜひ出してほしい。
  85. 島清

    ○島清君 ちょっと久保委員の質問に関連して一点だけ聞きたいのですが、いいですか。
  86. 三浦義男

    委員長三浦義男君) 簡単に。
  87. 島清

    ○島清君 長官の御答弁の中で、岸総理の渡米の問題と関連をして、さらに久保委員その他の諸君から、日本の防衛計画に対して何らかの要求がなされているのじゃないか、こういうまあ質問でございましたが、それでまあ必要最小限度の防衛力を漸増していかれる、こういうことですが、岸内閣において必要最小限度の防衛力の漸増ということは、どういうことを意味されるか。岸総理は、本院の法務委員会でしたか、内閣委員会でしたか、そこで原子兵器が持てるんだというような御答弁をされて、たしか物議をかもしたことがあることを記憶しておりまするが、必要最小限度の中にはこういった原子兵器を含んでの表現であられるのか。  さらにこれと、今三十三年度の予算編成の問題と関連をして御答弁がなされたようですが、もし、かりに必要最小限度の防衛力の中に原子兵器が入るということになりますと、予算関係からはどういうような変更をもたらしてくるのか、こういう説明をいただきたいと思いますことが二点。  さらにもう一点は、沖縄ですが、沖縄は、あれは日本の潜在主権が認められているところでございまして、さらに日米安全保障条約ですか、それに基きますると、当然にこの沖縄を含みまする日米安全保障ということも、主権が認められておる建前からいたしますと、当然にそれも包含するように考えられる。こういたしますると、かりに日本の海外派兵をしないでも、アメリカの方から沖縄の方に日本の自衛隊をよこしてもらいたいという場合があった場合には、沖縄はこれは外国としてみなすのか、それとも日本の国内としてそういう場合には見られるのか、どういうふうな見解にお立ちになるのか、これをお聞きしたいと思いますことと、さらに沖縄に伝えるところによりまするというと、おそるべきナイキの基地が八ケ所できると伝えられておりますが、これは考えようによりまして、私は決算委員会でございまするから、決算委員会の問題の範囲内にとどめまするけれども、考えようによりますると、非常に大きな問題だと思いまするので、いわゆる沖縄に米軍がナイキを持ち込みまする場合に、その建設しようといたしまする場合に、日本の防衛庁当局に対して何か事前にお話があったかどうか、この点について御説明をいただきたいと思います。
  88. 小滝彬

    国務大臣小滝彬君) ただいまの島さんの御質問は、大体これまで岸総理みずから国会において答弁しておる通りであります。まず第一に、憲法論についていろいろ議論はありましたが、岸総理は、日本は核兵器を持たないのみならず、アメリカから持ってくるということも絶対承認しないということを言っておる。この方針のもとに私どもは進んでおるわけでありまして、来年度の防衛計画などに、最小限度という中にそういうものを入れるか、そうなった場合にはその費用をどう見るかとおっしゃいますが、そういうことは考えておりませんので、それによる予算上の変化などということは検討したことはございません。そういうことは考えておりません。  それから沖縄につきましては、島さんの御意見は、少し私と違うようでありますが、私どもの知っておるところでは、これは外務省の主管でありますけれども、なるほど潜在主権はあるかもしれないけれども、立法、司法、行政の権利というものはアメリカの方が持っておる。従いまして、行政協定の適用範囲というものは、沖縄を除く日本の地域に適用されるという解釈であります。そうしてまた、ナイキの基地云々とおっしゃいましたが、これについては、あるいは情報という意味においてかりにそういうことがあるといたしました際、アメリカから通報することがあるかもしれません。しかし今そういうことの通報も受けておりませんし、またそういう七ヵ所にナイキの基地を設けるというようなことは、私どもは全然承知いたしておらないのでございます。
  89. 島清

    ○島清君 そういたしますると兵隊が移動いたしまする場合に、かりに日本の防衛隊が向うへ行きまする場合には、絶対に海外だからあり得ない、こういうことなんでございますか。
  90. 小滝彬

    国務大臣小滝彬君) 自衛隊は日本の自衛のための最小限度の必要を満たすために設けられたものであり、かつまた国会において、海外派兵はこれを禁止すべきであるという全会一致の決議もありますので、私どもは今、日本の立法、司法、行政の及んでおらない沖縄へ日本の自衛隊を派遣するというような意図は全然持っておりません。
  91. 岩間正男

    ○岩間正男君 私も簡単にお聞きをしたいんですが、それは、さっきの繰越金との関連の問題で、日本の防衛生産の問題がこれは当然問題になると思う。防衛生産の国内の能力ですね、それからそういう計画、これは防衛庁でつかんでおられると思いますが、このような資料を出していただきたい。どうですか。
  92. 小滝彬

    国務大臣小滝彬君) あなたの満足のゆく程度に出るかどうかしらぬけれども、一番詳しいのは通産省です。防衛庁としてつかんでおる程度のものは言えるけれども……。
  93. 岩間正男

    ○岩間正男君 今のやつをやはり陸海空に分けて、そうしてやってもらいたい。飛行機生産ではこういうふうになる、それから鑑船の建造ではどうなるか、それから陸上の兵器の生産の能力、計画、こういうようなものをつかめたら、その数字を出していただきたい。
  94. 相澤重明

    ○相澤重明君 さっきの資料のことですが、さっき長官に私が申し上げた出していただくやつですが、北海道の事故の概要、それから飛行機の購入した時期とか、それから価格ですね、それから事故対策、今後はどういうふうに事故をなくするようにやるのか、こういうこともあわせて出していただきたい。それから茅ケ崎の演習場の問題については、特別に茅ケ崎でなければならぬというその理由を出していただきたい。
  95. 三浦義男

    委員長三浦義男君) 速記をとめて。    〔速記中止
  96. 三浦義男

    委員長三浦義男君) 速記を始めて。  本日の審議は、これをもって終了いたします。次回は、明六月十一日火曜日午後一時から、同じく防衛庁の部の審議を続行いたします。  これをもって委員会は散会いたします。    午後四時二十七分散会