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国立国会図書館長(
金森徳次郎君) 図書館の建築はだんだん順序を追ってきておりますが、
説明の便利のために、第一回の工事、第二回の工事、第三回の工事と分けて申し上げたいと思います。
第一回の建築の方の工事は、昭和二十九年度に着手いたしまして、その範囲は構内整地工事、こういうことに重点をおいておりまして、その額はそう大きな額ではございません。四千万ほどでございまするか、これはすでに完成をしております。第二回目の工事といたしましては、これは昭和三十年度の工事でございまして、その
仕事の範囲は、くい打ちと、これに伴う土工事をいたしております。その金額は二千二百六十八万六千円ということになっております。これで大体くい打ちと若干のこれに伴う必要な工事をいたしまして、なおそれに多少の付属する
仕事もございましたが、主としてそういうものでございます。
そこでだんだん移りまして、第三回の建築工事というのが現在やっております工事でございまして、その工事の範囲は、書庫の鉄骨の一番下の階の組立及びそれの基礎盤を築造するというようなことでございます、漸次手続きを進めて参りまして、大成建築株式会社に請負してもらって、そういう三十一年、すなわち昨年の八月七日に着工をいたしまして、そのでき上りまする
予定は三十二年五月三十一日、すなわち本年の五月三十一日という考えでおります。これの請負の金額は二億二千四百五十万円余でございます。で、この工事は書庫の築造方式の最終の掘さくを行いまして、その上に鉄骨、鉄筋コンクリート造りの基礎構造を築造いたしまして、そして一番下の階の鉄骨を組み立てるものでございまして、いろいろ技術上には特殊排水工法も加わっておりますが、これも大成建設株式会社その他指名競争入札の結果、大成建設株式会社に契約をすることになっております。ところが運悪くと申しますか、鉄材鋼材が非常に値上りをいたしまして、いろいろ価額の
計画にもめんどうを生じましたが、しかし幸いにして建値で鋼材を入手することができましたけれども、そういう手続きをしております間に、幾ぶん時日を要しましたので、工事遅延を余儀なくされておりましたが、鉄骨の組立ては三月末にほぼ完了をいたしまするし、コンクリート打ちは五月に完了の見込みでございます。従って二カ月ほど当初の予
予定からみますると、おくれておるのでございますが、しかし現在の準備及び工事も順当に動いておりますので、コンクリート打ちも五月には完了する見込みでございます。
以上が建築物そのものにつきましての
説明でございます。
これに関連して申しますと、多少関連を持ちまして、かつてこの
委員会に申し出でまして、まず申し上げるだけ申し上げたというだけで、別に結論を得ておるというわけではございませんけれども、自治労連の
関係、自治労会館の敷地に当りますところ、いつかは図書館の敷地にしなければならない
状況でございます。今まではのっ引きならぬというところまで行っておりません。従ってその敷地を買収するという方向に進んでいなかったのであります。ただ予算を大蔵省に
要求いたしましても、そのつど拒否されておりましたが、心には心配でございましたが、執行の面から言うと、早急必要とするところでもございませんという調子でございましたが、しかしだんだん問題が複雑になって参りました。二月十二日、自治労組合から
土地に対して文書の提出がございました。要するに、ほんとうに買ってくれるかどうかという確答を求められ、もし買わなければ、将来あそこに堅牢な
建物ができる可能性もあります。そういうふうに紛糾いたしますと、将来
措置がだんだんめんどうになるという
気持を示されたわけでございます。そこで、できるだけ万全の道を講じますために、何とかしてこれを入手する方向に向って
最初考えまして、いろいろ
交渉を進めております。まあ話しそれ自身は内輪話しのことでございまするけれども、順当に何らの抵抗なくして進んでおるように考えておりますけれども、
土地の対価の問題でございますが、これが、大体自治労の組合の持っておりまする
土地は五百十七坪、その上に
建物が百六十六坪でございます。ところで図書館側で持っておる
土地がございまして、これをその交換に用いることのできる
予定のものでございまして、その
土地は三百五十五坪、それから
建物が十坪ございます。そこで、この自治労の持っておる
土地五百十七坪及び百六十六坪の
建物というものと、図書館側の持っておりまする
土地と
建物というものを、ある
程度交換をすることができると思いますが、しかし
土地の面積も違いまするし、
建物の面積も違い、かつまた
土地の値段というものも違うのでございまして、そこに
交渉の余地が相当残っておるわけでございまして、ごくうちうちのことでございますけれども、関東財務局に
土地建物の評価を求めておりましたところが、関東財務局から
土地、
建物の評価の内示がございまして、その評価だけによりますると、自治労会館の方面の受け取るべきものが約五千三百余万円、それから図書館側から出し得る
土地の価格が二千余万円ということになりまして、その差額が三千三百四十九万円ほどになるわけでございまして、実行しようといたしましても、どうしてもこの三千三百万円ほどの金額を支払わなければならぬのでございまするが、これは今までのところ予算の上には計上されておりません。二年間大蔵省に
要求いたしましたけれども拒否せられております。従って、ただいま実行するとすれば、この金を生み出しまするためには、予算の費目を変えることを考えまして、つまり大蔵省側の同意を得まして、これに近い三千三百余万円の差額金を出さなければならないようになっておりまするために、その方向でとにかくやってみようという
気持は持っております。で、この前こちらで御
説明申し上げましたときに、費目をせっかくお骨折りを願って図書館の建設費として盛られました中で、若干の金を
土地交換の費用に出さなければならぬという三とが、はなはだ心苦しい次第でございましたが、とにかく、一応こちらに申し上げておきまして、さらに私どもの手元で、自分たちの責任で大蔵省側にそれを移しかえるように
希望を述べて、手続をするという段階になっております。今そこのところまでまだ行っておりませんし、ただ関東財務局の
土地、
建物の評価の内示を受けたというだけでございまして、それによらなければならぬということもございませんし、それは目下考え中でございます。そういたしますると、もしその方向に進むものといたしますると、来年度の予算として図書館建築費四億を認められそうなことになっておりますけれども、そこの中から相当多量の費目を転換いたしまして、そのために建築費はそれだけよけい減ってくるということになろうと思います。なおそのほかにこまかい予算の問題はございますが、大体の筋はそのようでございまして、今後さらに十分調査いたしまして、また申し出たいと思っておりますけれども、今のところの事情はそのくらいでございます。