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1957-03-14 第26回国会 参議院 議院運営委員会 第21号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年三月十四日(木曜日)    午前十一時三十六分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     石原幹市郎君    理事            寺本 広作君            宮田 重文君            小酒井義男君            藤田  進君            上林 忠次君    委員            大沢 雄一君            小幡 治和君            佐藤清一郎君            白井  勇君            田中 茂穂君            西田 信一君            横川 信夫君            阿部 竹松君            柴谷  要君            椿  繁夫君            成瀬 幡治君            森田 義衞君   —————————————    副議長     寺尾  豊君   —————————————   国務大臣    国 務 大 臣 小滝  彬君   政府委員    調達庁長官   今井  久君   事務局側    事 務 総 長 芥川  治君    参     事    (事務次長)  河野 義克君    参     事    (委員部長)  宮坂 完孝君    参     事    (記録部長)  丹羽 寒月君    参     事    (警務部長)  佐藤 忠雄君    参     事    (庶務部長)  渡辺  猛者   法制局側    法 制 局 長 斎藤 朔郎君   国立国会図書館側    館     長 金森徳次郎君    副  館  長 中根 秀雄君    参     事    (管理部長)  山下 平一君    参     事    (建築部長)  吉田 辰夫君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○議院周辺整備に関する件 ○原水爆の禁止に関する決議案委員  会審査省略要求の件 ○議案の取扱いに関する件 ○国立国会図書館組織規程の一部改正  に関する件 ○国立国会図書館運営に関する件   —————————————
  2. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) ただいまより議院運営委員会を開会いたします。  本日は、まず第一に、議院周辺整備に関する件を議題に供したいと思います。  本件につきましては、去る二月二十八日の本委員会におきまして、調達庁長官出席を求めて質疑を行い、また意見の開陳等も行われたのでありますが、その後、日米合同施設委員会等も持たれたようであります。その後の経過の御報告と、それから先回要求資料も提出されておりまするので、それらについてまず説明を承わりたい。なお、本日は小滝国務大臣出席されておりまするので、国大臣並びに調達庁長官に対する質疑中心に本日の議事を進めて参りたいと思います。
  3. 今井久

    政府委員今井久君) 先般の当委員会におきまして御要望がございました、また御質疑がございました点につきまして、その後の経過を御報告申し上げたいと思います。  先日の御要望に基きまして、この火曜日に、日米合同委員会のもとにありますところの施設委員会が開催せられましたので、私から、国会周辺のこれらの米軍施設につきまして、御要望の点を伝えまして、すみやかに適当なる措置を講じてもらうように要請いたした次第でございます。この点につきましては、要請をいたしますとともに、施設委員会のもとにありますところの極東軍司令部当該係官とは、さらに詳細に説明等も聞きまして、今後のことに備えた次第でございます。米側施設委員会といたしましては、これらの点についてさっそく検討いたしまして、われわれの方に返事をもたらすということでございます。なお、私といたしましては、この問題がきわめて大切である、重大な問題であるというふうに存じましたので、先般、日米合同委員会が開かれました当時、日米合同委員会議長でありますところのパークス少将に対しましても、こういう問題があるので、米側におきましても十分一つ考慮を払うように、私から特に要望いたしておきました次第でございます。  なお、先般御説明申し上げた際には、ジェファーソンハイツ住宅地と、パレスハイツ住宅地区につきましては御説明申し上げました次第でございますが、リンカーンセンター住宅地区、それからチャペルセンター住宅地区につきましては、当時資料を持っておりませんために御説明することができませんでしたが、本日お手元に差し上げました資料のごとく、リンカーンセンターにつきましては国有地のみでございまして、土地におきまして七千九百五十九坪、建物延べ一千六百四十八坪、十五棟、戸数は五十戸であります。チャペルセンター住宅地区は、土地が三千五百七十六坪、建物が百五坪が国有でございます。民有といたしまして、建物延べ六百三坪、住宅棟数民有が八棟、国有が四棟ということになっておりまして、これは教会として使用されている状況でございます。  なお、先般の当委員会におきまして、あき家があるかないか、あいているところがあるかないかという御質問がございました。この点につきましては、極東軍司令部施設委員会の係の方につきまして調べてもらいましたところ、三月八日現在におきまして、ジェファーソンハイツにおきましては、あき家はないのでございます。パレスハイツにおきましては、全戸数が百八十一戸ございますが、そのうち三月八日現在におきまして二十戸あいているのでございます。それからリンカーンセンターにおきましては、全戸数五十戸のうち三戸あいているというのが三月八日現在の状況でございます。この点につきましては詳細に打ち合せをいたしましたところ、この家につきましては、非常に現在の施設の提供の状況が不十分でありますために、なお希望をしている者が千くらいはあるのでありまして、これらは三月八日現在においては、あいているが、その次すぐ入る者がちゃんときまっておって、おのおのこの二十戸なり、三戸あいているところも、そのうちに埋められるであろうという御説明でありました。大局的に見ますと、あいているというのは、ある時期においてとらえます場合に、やはりそういうことが行われるのでありますけれども、むしろ足りないという状況であるという御説明であるのでございました。  以上、簡単でございますが、御報告を申し上げました。
  4. 小滝彬

    国務大臣小滝彬君) 私、防衛庁、調達庁仕事を引き受けましたから、この委員会に出ます機会がございましたので、ごあいさつ申し上げたいと思います。  いろいろ私の仕事の遂行に当りまして、皆さんの御協力をお願いしなければならぬことが多々あると思いますので、何分ともよろしくお願いいたします。  この調達庁仕事につきましては、私かつて外務政務次官をいたしておりまして、一年半ばかり取扱いをいたしておりました関係上、問題は私にとっては、全般といたしまして新しいものではございません。もう数年前から、この東京都内につきましてはなるべく移動させよう、向うの言葉で言うリロケーションをやろうということで、原則としてはなるべく郊外に持って行く、しかし持って行くといっても、民有地民有建物ではいろいろ問題も起るから、なるべく国有財産を使おう、こういう原則でやっているということを、私いろいろの委員会に出まして、関係委員の方に御説明申し上げているつもりでありますが、その後だいぶ状況は、この近辺を除きますならば、よくなりまして、御承知のように、劇場であるとか、あるいは海上ビルディングであるとか、いろいろ民有地を返すということ、また個人住宅を返すということは進捗いたしまして、まあ民有住宅の例をとれば、前田さんのところとか、田島さんのところが残っているというような程度に相当整備されて参っております。しかしながら、今度再び調達庁仕事を引き受けまして様子を見ますると、決して満足な状況ではない。と同時に、本院において、本委員会において御指摘の、東京のどまん中にこういう建物が依然として残っているということは、国民感情から申しましてもよろしくない。そうしてアメリカ側から考えても、当然これを善処することを考えるのが先方の立場から言っても至当のことでありますので、この点につきましては、私も就任いたしまして、ここの委員会がございます前でも、レムニッツァーにも直接申し入れをいたしているのであります。いろいろ困難があるし、またいろいろなところの部隊が入っているので、簡単にはいかないが、とにかく趣旨はよくわかるから、趣旨については同感であるから、一つ参謀長などにも話して善処させたいということを申しているのであります。ただしかし現実の問題として、非常に希望者があるのに場所がないから、何か代換する、これにかわるべき場所があると都合がいい、そういうことを言うたのであります。ところでさっきの原則で、なるべく国有財産……、しかしまた国有財産で家を新しく建てるということになると、相当また予算の関係もありまするし、いろいろ実際上の困難の場合もありまするので、なるべくだんだん軍隊も漸減するというのだから、お前の方はできるだけ中央におるのはあけるようにしろという趣旨で、これまで申し入れをいたしておったものでございます。特に、実はこれは私の誤解であったかもしれませんが、最初この当委員会の御意向として、特に取り急ぐものは、この議会の方で管理をしておる国有財産と申しまするか、行政府では何と申しまするか知りませんが、要するに今こちらの方で両院議長の官舎を予定されておるジェファーソンハイツについて、特に私はその点を強調したのでございます。これは議会との関係もあるし、もちろん全部を一緒に返してもらった方がいいが、この向う閑院宮様のお屋敷のところは特別なる考慮をしないという、国会でもさらに問題が紛糾するというような点を私は率直に申しまして、この善処方要望いたして参ったのでございますが、しかし実情はさっき調達庁長官が申しましたように、まだはっきりとした返事をくれないし、また私が直接参謀長あたりと話しました、これは公式な言明ではございませんけれども、何かかわりのところがあれば、何もあすこに置く必要はないというようなことを申しておりまするので、あるいはそういう点について、調達庁側へ事務的なことを申してくるのではなかろうかとも、これは私の感じでございますけれども、その点をおそれておるものでございますがしかし、もうずいぶん時間がたちまするし、この周辺のことにつきましては、ぜひ一日も早くこちらの希望が達成できるように、そしてまたそれにつきましては、これは全部が全部、ここにおりまする家族数を申しますると、八百名余りになっておりますが、これに対して、全部すぐ代換できないでも、これを急速に実行するためには、場合によっては、これにかわるべき場所も考えなければならない、こういう気持がいたしておりまするが、これはまあ適当なところを見つけるということも相当困難でございますので、問題はございますが、そんな角度からこれを研究いたしまして、できるだけ早く皆さんの御意向に沿うような措置をいたしたい、こういう考えで進んでおる次第でございます。  こういうように説明いたしますと、いつそれじゃ実行できるかわからぬじゃないかというお叱りを受けるかもしれませんが、実情が非常に困難であって、相当家がなくて困っておる面があるし、まあ行政協定の根本的な議論は、皆さんもちろん大いにおありだろうと思いますが、今のアメリカとの協定の建前もありまして、この施設を提供しなければならぬという上から考えまして、さっそく追い出すということは相当困難があるのじゃないか、こういうように感じております。がしかし、さっき申しましたような方法もあわせ考えまして、できるだけ早く実現するように、最大の努力をしたいと考えておる次第でございます。
  5. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) ただいままでの説明に対しまして、御質疑があったらどうぞ。……この前、代替地予定地にどんな所があるかという資料と言いますか、希望がたしかあったと思うのですが、どなたかそういう何がありましたね。
  6. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 いやいや、そうでなくて、都心から都外へということだったから、大体東京都内であるならば、これはどこへ持って行くかというような計画というものが立っているのじゃないか、あるならば、その計画を出してほしいと、こういう資料要求したのです。
  7. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) その点についてはどうですか。
  8. 今井久

    政府委員今井久君) この今の御質問の点につきましては、ただいま小瀧大臣から一部お話がございましたように、数年前に、都心にあります米軍施設というものはできるだけ都心の外に出す、こういうことで計画を作りまして、そしていわゆるリロケーション計画というものをやったのでございます。一つの例を申し上げますと、現在、府中にございます極東空軍司令部関係は、これは昨年の七月ごろまで丸の内のビルにおったのでございますが、府中の方の空軍司令部施設ができましたものでございますから、あの方へ全部移動いたしまして、それに伴います諸部隊が入っておりました施設返還になった。昨年のたしか夏ごろであったと思いますが、あそこの海上ビルでございますとか、あるいはその他生命ビルがあった所ですが、これらが夏に解除になったのであります。そのほか横浜におきましても、現在完成しておりませんけれども、そういうリロケーション計画をやっておりまして、これが完成いたしますれば横浜市内部隊がやはり移動する。それによって横浜市内返還がある程度実現できる。実はこういう計画を数年前からやっておりまして、それが順次完成を見つつあるというような状況であります。
  9. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 今お話しになりました趣旨と少し違うかもしれませんですが、そういう計画を立てておやりになっておることはよくわかるのですが、こういうようなハイツ式のものも大体都心から都外へと、こうなると思うのです。だから、もう数年だというなら、数年前に大体ここは都心から移して行こうというような計画を立てておったのだろうと思います。だからそれの資料と、こう言ったのです。ところが、そういうことでなくして、何か特別な所だけが都心から都外へのスローガンであって、こういうものについては全然今までも立案計画がなかったというふうにしか受け取れないのですが、ここのところをもう少し明確にしていただきたいと思います。
  10. 今井久

    政府委員今井久君) この点は、先ほど申し上げましたりリロケーション計画の際には、これらのただいま御指摘になりましたジェファーソンハイツであるとか、その他のいわゆる住宅地区でございます。こういうもののリロケーション計画はその当時入っておりませんでした。そのために今日まで残っておるという状況になっておるわけでございます。
  11. 小滝彬

    国務大臣小滝彬君) さっき申し上げましたように、また成瀬あたり質問に対して、これまで委員会外務政務次官時代に申し上げたように、二つの原則をなるべくその通り出すということ、そこで、こちらの方はなるほど中心であるけれども、国有財産なんで、民間とのいろいろな問題が比較的起らない。それから風俗とか、いろいろな面で、密集地区であるというと、渋谷の問題なんかも出て御質問があったのでございますが、ああいう所は問題を起すけれども、比較的そういう問題も、国有財産であったということで、私は弁解もしない、とにかく実際をそのまま申し上げると、国有財産のためにおくれたということがあるのですね。そこで、解決策として、これも根本からのここで議論をして、基本的なものを言えば、これはそれも必要だけれども、現実の問題として私がざっくばらんに、なまぬるいとおしかりを受けるかもしらんが、実際的解決として考えており、またそういうふうなことを向うへも、これは文書ではないのですが、口頭で、残っておるのは、ここにおるのは陸軍もあるし、海軍もあるし、空軍もあるし、空軍もあるのだが、空軍で、もちろん羽田関係のようなのはどうか知らぬが、立川、府中の方へ通っておる者があるのです。たとえばキューターという大将、これなんかも、けさ私の家の前でヘリコプターが出たのですが、ははあ、あの先生出動するところだなと思ったのです。そういう関係もあるのですが、ジェファーソンハイツパレスハイツ三つ場所があるのですが、これに相当空軍の将校なり、海軍なりがばらまかれておるから、これをできるだけ何か方法を講じるようにすれば、空軍をだんだん押しのけることによって、特に議会に直接関係のある閑院宮さん跡というようなものをあけるために、それだけの余分を生ずれば、これを元閑院宮さんの跡におる陸軍海軍を、そのあいた所へ押し込むというふうな実際的なやり方をしいなというと、高遠な理想を述べて向うへ言っても、事実問題として解決がしにくいのではないかということを考えまして、そういう方法一つ考えようじゃないかということを、今までしばしば話しておるわけです。
  12. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 委員長から言われたその代替地ということに関連して、実は私は、そういう計画があるならば当然代替地等も指定されておった、こういうふうに考えたから、そういう資料要求したのですが、お聞きしたらわかりました。  それから、大臣お話なんですが、ジェファーソンハイツだけ、そこに議長公邸等があれば、だからそこだけ取り除けば、あとは残ってもいいじゃないかということにも、逆に言えば聞き取れるわけですが、そうでなくて、ここの意思は、さしあたってこの四つを全部取ってもらいたいというのがみんなの意向なんです。ですから、そういう私は一つやり方もあると思いますけれども、そうじゃなくして、いま少し計画的に代替地等を設定をされて、積極的にやっていただかなきゃならぬと思う。単に、何と申しますか、議長公邸の用地さえあければいいというような考え方であなた方が折衝していると、大へん意思が食い違ったことになると思いますから、その点は十分一つ心得てもらいたい。
  13. 小滝彬

    国務大臣小滝彬君) あなたからそういう御議論が出るだろうと思って、前もって断わって申し上げたのですが、家を建てるにしましても、この二百七十八戸はすぐ建つものでもないし、もちろん中央から全部出すということは、それには順を追うてやらなければならないので、やりやすい所から実際的な面を検討しようじゃないかという趣旨なんで、これは最初からお断わり申し上げた通りでございます。おっしゃることはまことにその通りでございまして、その点は私も十分心に銘じておるところでございます。
  14. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 もう少し具体的に聞きますと、全然代替地というものの見通しはないんですか。
  15. 今井久

    政府委員今井久君) この点につきましては、現在のところ代替地というものの見通しは持っておらない次第でございます。
  16. 藤田進

    藤田進君 そうすると、過般、米側に特に重要な問題として、調達庁長官はじかにパークス少尉ですかに話したり、また会議等にも申し入れられて、米側では検討して、これに返事するということになっておったと言われるのですが、米側は検討して返事をすると言っても、今の説明から見ると、代替地なり、日本としての施設提供なり、そういうものが、米側の了解すると思われるものがあるならば、考えてみようということにもこれは当然なりそうにも見えるが、申し入れられる以上は、わが方としても、こういう案があるならある、何かなきゃ、ただ議会の方でやかましく言われると困るから申し入れたことにしておこうというふうにしか見えないのですね、熱意のほどは。それはどうなりますか。米側の方で検討する余地があるのですか、今の御答弁の内容で……。
  17. 小滝彬

    国務大臣小滝彬君) 私の感じとしては、そういうことを要求してきやせぬかということを言ったので、もちろん事務的には検討しなければならないのですが、公式なやり方としては、なるべくお前の方を節約してしなければならぬ。最初から代替地がこっちにあるという弱い態度で、こういう交渉を出すべきものかどうかということについては、多少見解を異にした点があるので、もちろんお説の通り、そういう点も考えなければならないと思います。また最初申し上げたように、そういうことを申し入れることも、私の心の中に感じたのですが、最初から、ここにあるからここに行けということよりも、まず節約をして、苦面しろということが第一段階じゃないかと思うのです。
  18. 藤田進

    藤田進君 それは国費の節減その他から見て、国務大臣としては当然と思うが、先ほど来の説明を聞くと、あき家の数そのほかから見て、少くとも周辺住宅地について考えるときに、これをさらに周辺地区なり、全東京都下の場合は始末をして、何とか作って行くことによって、この四カ所があくだけのスペースがあるというなら、それを始末して、ここにもあるじゃないか、ここをこういうふうに移転すればあくというようなことにすれば、これは全体があくということになりますが、説明を聞くと、それは無理じゃないですか。あき家なり何なりがあって、それに入らないというなら、これに入れという交渉をやれば、施設その他の経費も節減できる、それはわかります。わかるのですが、そういう何というか、交渉技術を考えながら、足元からその理屈というものが向うからはね返されるような実情じゃないですか。
  19. 小滝彬

    国務大臣小滝彬君) 私の気持としては、そういうおそれもあると思ったので、その代替地を大いに検討させなければならないと思うのですが、同時に、これは相当広範な地域を使っておりますけれども、ごらんのような建物なんかも、建物やり方によっては、これは費用等関係もありますから、どういう工合に行くか知らないのですが、この土地の広さの程度から言えば、これは住宅の構造によっては節約されて行くように思います。それでまず場所から考えて行くようになると思いますが。
  20. 藤田進

    藤田進君 どうもあいまいですが、図面はここに示されているのですが、何千坪もあるものを引き寄せて、同じ宅地の中に、どっかのすみっこなんかに引っぱり寄せて行けば、それで空地ができるというふうに聞こえるし、それから高層建築や何かに建てかえるというのだったら、もっと具体案を持ってもらいたい。われわれの全会派が、少くとも与党の方は与党の含みもありましょうが、社会党は申し上げるまでもなく、必ずしも国会周辺でなければいいということではない。しかし当面事実問題として、民主主義のシンボルと言われる国会周辺に、御承知のように毎日何万と全国からくる。こういうような議会周辺に、こういう住宅があることは必ずしも独立過程にある日本として好ましくないのじゃないか、まああわせて若干の院としての予定もある、こういうのですから、もっと真剣に取っ組んでいただいて、今のような答弁でなくて、具体性あるものを持って、アメリカ交渉する機会にもその通りになさるということでないと、どうもお聞きすればするほど不安感を増すのですがね。
  21. 小滝彬

    国務大臣小滝彬君) さっき申しましたように、長官から説明いたしましたように、実はこれだけの代替地というものをはっきりまだ把握していないというような実情でありますので、おっしゃるように、具体的な案を早急に立てまして、そうして向うから、どうしてもかわりを出せというようなことであれば、そうしたものを持った上でこれを実行するようにやって行きたいと思います。
  22. 藤田進

    藤田進君 そうすると、具体的に米側交渉する際に、いろいろ米側日本側に対して、こういう場合はどうする、これをどうしてくれるかという注文もあろうかと思いますが、それにはこたえ得る用意をして、そうして米側との交渉をする、一方その経過議会側にも連絡するということを、大臣としてここに確言されたと解釈してよろしゅうございますか。
  23. 小滝彬

    国務大臣小滝彬君) 先ほど申しましたように、残念ながら今具体的な案を持っておりません。今後検討いたしまして、また必要に応じて皆さまに御報告いたしたいと思います。
  24. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 この前、移転がむずかしいという点は、実は代替地とかそういう問題じゃなくて、あるいは作戦的に言えば、かけ引きの問題で言えば、小滝長官気持はよくわかるわけですが、そこにとどまっている理由を聞いたら、それは通勤上非常に困るからというお話だったのです。だからこれは私代替地等予定しておやりになったり、あるいはどこか適切な場所に入れる、しかしそういうことをあなたが言うと、また反対運動が起って困るから、あえてここであなたはその問題についてはお触れにならぬのだろうと、こういうふうに実は今の説明を聞いておったのですが、聞いてみると、まことはそうじゃなくて、これは通勤ということよりも、むしろ勧めても行く先がないものだから居すわられているというような格好にしかとれない。しかしそれで折衝しているとか、要望しているとか言うけれども、これは結局何にもやっていないということをここでお答えになっているだけで、私は事態は少しも進展せぬと思います。ですから、やはり都心でも都外でもというこの目標は、こういうことについては、私はやはり単に司令部の所在地だけの問題の移動計画ではなくて、住宅関係等、いろいろな問題についてもやはり移動計画をお立てになる、あるいは国有地はそのままでいい、民間だけやればいいというものじゃないのですから、国民感情から申しましても、あるいは受け取り方も、都心から都外へということの受け取り方は、すべてのものを含めているはずだと思いますから、一つ早急にこの問題については立案していただきたいと思います。そうじゃなかったら何べんやっても無駄じゃないですか。私はきょうは実は少しは具体的に進展したことの御答弁というのですか、お話を承われるものと実は非常に期待してここに出席したのです。非常に遺憾だと思います。
  25. 上林忠次

    ○上林忠次君 大体今の御意見と同じことを言うのですが、何千坪という、あのくらい大きな土地代替地を見つけるということは、これは非常にむずかしいのです。実は前回もお願いしたのは、考えていただきたいという希望を出したのは、都心におらぬと困るという向うの意見に対して、それなら果して今入っている人がどういう方向に勤務をしている人が何人おるのか、それを一つ調べて、こういう大きな土地一つのセットとして買うと考えずに、この土地が得られないのですか、民有地ばかりだ、官有地がないのだというなら、行く先、行く先別の戸数を調べて、小さいところを求めるという方向にいかないと、これはできない問題です。大きな土地はまた立川のように問題になるわけでありますから、おのおのの便利な場所に、しかも都心を離れて、適当に何カ所かに分けて離れるということしか考えられない。今もお話のありましたように、なかなかこれは五里霧中の問題で、代替地について今見当もつかぬというようなことでは実現がおそくなるのですから、こまかく分けて、小さい土地ならあちこち取り得るのじゃないかと思いますので、そういうような方向に早くやってもらいたい。またジェファーソンハイツだけじゃなくて、この週辺をすっかり一掃するという方向に、早く代替地を、小さいところでまとまるところを得てもらいたい、そういうふうに御計画をお願いしたいのであります。
  26. 宮田重文

    ○宮田重文君 さっき今井長官がおっしゃったあき家が、三月八日現在であるけれども、これについては希望者も相当多い、それでむしろ千名ぐらいあるから、詰めてももっと不足しているというような状況だというお話なんですが、そうすると、そういう不足者のやつは、どこへどういうふうにするのだという計画があるのですか、希望とか何とか……。
  27. 今井久

    政府委員今井久君) 今の御指摘になりましたあき家へ、こういう施設の中に入れない者ですね、これはあるいは個人の契約等で民家を借りまして入っているというものもあると思います。最近、ことに昨年あたりから移動が非常に激しゅうございまして、東北方面の騎兵第一師団の部隊が移動して参りまして、こちらの方に参ったというようなこともございまして、ところによりますと、非常に急にそういうのがふえておるというような状況もあるのでございます。私どもといたしましては、現在ジェファーソンハイツに入っているものがどういうところへ勤務しておるか、ただいま御指摘のありましたような点も調べまして、大体わかっておりますので、これらの点を具体的に把握いたしまして、そうして具体的な計画を立てて、向うの話に応じて折衝して行きたい。こういうように実は考えておる次第であります。
  28. 宮田重文

    ○宮田重文君 やはり向う側のいろいろなそういう勤務地との状況もありましょうし、そういうものとにらみ合せて、そして代替地を求めるような場合にも、この辺なら都合がいいというようなこともにらみ合せて、できるだけ実行に移せるような方法計画を進めてお考え願わないと、先ほど来も皆さんからお話が出ているように、なかなか向う希望だけは言うておるが、それに対して向うも、実はどういう所を日本があっせんしてくれるかわからぬというようなことでは、実行に移す段階がおくれるという気持がいたしますから、そういう点ももう一段御努力なさって、国有地という御原則があるなら、国有地がどの辺にどういうのがあるだろうということも御検討願って、御計画願えるようにお願いしたらどうか、こういうふうに考えるのです。
  29. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  30. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 速記を始めて。
  31. 藤田進

    藤田進君 皆さんから要望があったように、これは社会党とか、緑風会とかということでなく、本院の全会派が、少くともこの周辺についてすみやかに移転してもらいたいということなのであります。それで、やがてこれは議運でまとまり、形式としては院議の形に統一するという今後の話になると思うわけですが、防衛庁長官並びに調達庁長官の御答弁を聞くと、わが方に何の準備もないままに一応は申し入れをされたように思われる。そうすると、今後、具体案を持って、そして話し合いの軌道に乗せるように伝え、議会側にもそういう意味で答弁をなし得るように準備するということなのですが、今準備がないからけしからんと言っても始まらないから、一歩譲って、先の約束をとりたいのです。いつごろまでおやりになるというめどなのですか、具体案を検討します、検討しますと言ってずらかってしまわれるような気もしますから、これはやはりお役所の仕事として、おのずから仕事の緩急の順序もあるでしょうし、めどというものもなければならぬと思う。ことに米側交渉しなければならぬという複雑な問題であるので、これは今井さんでも、小瀧国務大臣でもけっこうですが、これが軌道に乗るのはいつごろかというめどを御答弁下さい。
  32. 小滝彬

    国務大臣小滝彬君) 先ほどから申し上げておるように、この具体案を作成するということは一日も早くするつもりでおります。ただ、相手もあることでありますので、今ここで確約をするわけには参りません。最善を尽してやります。言いのがれをするわけではございませんが、最初事務総長から話がありましたのを、その後私がレムニッツアーさんに話しましたときには、もちろん全体を動かすことは望ましいけれども、とりあえず、ここの近くの元の閑院官邸の話が出たのでございました。これは私の誤解であったかもしれませんが、私は書面でもいただいた記憶がございますので、探せば私のところにあると思います。そういうことで進んでおりまして、それならば代替地がなくても、ほかの所に落ちつけることもできやしないかと、これは私の見当違いであったかもしれませんが、そういうことを話してみたわけです。ぜひ御趣旨に沿うように、さっそく案を練りまして、御期待に沿うようにいたしたいと思います。
  33. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  34. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 速記をつけて。  本件の取扱いにつきましては、理事会におきましてさらに協議の上、今後の進め方をきめて行きたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  35. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 御異議ないと認め、さよう決します。   —————————————
  36. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 次に、決議案委員会審査省略要求取扱いに関する件を議題に供します。
  37. 芥川治

    ○事務総長(芥川治君) 笹森順造君外九名から、原水爆の禁止に関する決議案が発議されてお手元にお配りいたしております。  同じく笹森順造君外九名から、原水爆の禁止に関する決議案について委員会の審査を省略されたいという御要求が出ておりますことを御報告いたします。
  38. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 本決議案委員会審査を省略することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  39. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 御異議ないと認め、さよう決します。   —————————————
  40. 藤田進

    藤田進君 かねて国民の間でも重大問題として、それぞれの立場から本院においても陳情、請願等を受けておりました健康保険法等の一部を改正する法律案が、昨日衆議院の本会議で議決せられて、同日当院に送付せられたのでありますが、本院、参議院においては、これは継続審議として扱わないということで、いよいよ本審査になってこの審議が始まるわけでありますが、ことの性質上、これは当然重要案件として従来扱ってきたその線に沿って、たとえば本会議における提案理由の説明を受け、質疑のある際は、これは質疑を行うというのが至当だと考えて、実は議運理事会等でいろいろ検討はしましたが、遺憾ながら、本日ただいまの段階ではまだその結論を得るに至っておりません。われわれの会派としては、以上申し上げたような重要案件として、ぜひ本会議説明をお聞きし、質疑を行いたいということでありますが、しかし本日まで、昨日来の交渉、各派間の経過を見ましても、直ちにここで決するということも至難であろうと思うので、この点は、後刻・理事会において慎重に検討をするということでお含みいただきたい。
  41. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) ただいま藤田君から、お聞きのような御発言があったのでありますが、この健康保険法の取扱いにつきましては、理事会で後刻検討することで、結末も御一任を願いたいと思います。
  42. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 今、藤田君から要望のありましたことは、私の方の会派としては非常に強い要望でありますから、ぜひ理事会で社会党の要望通り、本会議説明をさせ、各派の質疑を行うというようにお取り計らいを願うことを一任したいと思います。
  43. 寺本廣作

    ○寺本広作君 この問題につきましては、私の会派といたしましては、前の臨時国会でも、政府から案が出された際は、本会議説明を聞かず、直ちに委員会付託になっている案件であります。それでその前の国会での扱いについては、解釈が社会党さんと食い違うのでありますが、私の会派としては、この法案は昨年の二十四国会で提案趣旨説明を聞き、各会派から代表を出して質問をしたあの案件と幾らも変っておらぬという案で、それを重ねて趣旨説明を聞く必要はないということで、臨時国会に提案された場合には直ちに委員会に付託になったものと、こういうふうに了解しているのであります。なるほど臨時国会委員会付託になったあと、継続審査の決定はいたしませんでしたけれども、今衆議院から回ってきている案は臨時国会に出された案そのものでございます。一部修正にはなっておりますけれども、これは御承知通り、支払機関の審査機構を改めたいという、現行法のままにするというだけでございますので、私の方としては、会期ごとに法案の扱いが二、三になるというのは、これは議会運営上好ましからざる先例であると、こう思いますので、私の方は社会党さんと意見が一致しないで、これについては、今、藤田さんから、なお理事会において話し合いを続けたいということでございましたが、両会派の意見がこういうふうに食い違っている点もありますので、社会党さんの御発言の通りきめることを建前としての御一任は、この際御容赦いただきたい。
  44. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) それでは、後刻持ちまする委員長理事打合会に御一任願いたいと思います。それで、本件は委員会等で、採決だなんということのないように、委員長理事打合会で取りまとめてみたいと思いますから、御了承願います。
  45. 藤田進

    藤田進君 それはいいんですが、ただ与党としてだと思いますが、寺本理事から今の説明がありましたが、これに対してはことごとく左にあらず、当院において今度初めて議題に供せられるわけでありますから、本国会では当然これを聞くのが至当である。その他有力な理由を持っておりますが、しかしこの点は理事会で大いに申し上げたいと思います。
  46. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) それでは暫時休憩いたしまして、一時半から再開いたしたいと思います。休憩いたします。    午後零時三十一分休憩    —————・—————    午後二時五分開会
  47. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) ただいまより議院運営委員会を再開いたします。  まず、国立国会図書館組織規程の一部を改正する規程案を議題に供します。  金森館長から御説明を願います。
  48. 金森徳次郎

    国立国会図書館長(金森徳次郎君) 議案の御説明を申し上げます。  これは図書館の組織規程の一部を改正しようという趣旨でございます。その中身は、科学技術庁に本館の支部になりまする支部図書館を新しく設けようという意味でございまして、従来、支部図書館はずいぶん数たくさんになっておりますが、新しくできますごとに、この規程を変えるというならわしになっております。お手元に写しを差し上げてあるだろうと多分思っておりますが、科学技術庁の方から、同庁の図書館室を支部図書館にしてもらいたいという意味の依頼がございました。調査の結果、昭和三十二年の四月一日から支部図書館として発足できるようにいたしたいという考えでございます。科学技術庁の図書館の蔵書数、設備、予算などは申請書の写しに別途に記載してございますので、それで御承知を願いたいと存じます。  で、蔵書数は、科学技術庁それ自身が発足してまだ古くもないのでございまするから、現在は数の上からは大きなものではございませんが、しかし科学技術面の専門図書館といたしまして充実させて行きたいという念願をしております。予算につきましては、三十二年度の支部図書館の庁費として二十五万円を認められておるという現状でございます。そのほかのこまかいことにつきましてはお手元の資料に書いてございますが、なお御質問がございましたらお答えを申し上げます。  どうぞよろしく御審議の上、御承認をいただきたいと存じます。
  49. 藤田進

    藤田進君 手続的な面で聞いてみたいのですが、従来、政府提出の場合は、いわゆる内閣総理大臣岸信介というような形で出るのですが、こんなときにはどうなるのですか。
  50. 金森徳次郎

    国立国会図書館長(金森徳次郎君) それは法律の案ではございませんので、図書館自身がきめ得る範囲のものでございまして、取扱い規程という、図書館組織規程というものが作ってございまして、これをほかの形で申しますると、政令とか、昔の勅令とか、そういう一段の低いものでございます。ただこれを作りまするときには国会の両院の委員会の御承認を経なければならないということになっておりますので、その形で出しておりますから、いわば国会の内部みたいなもので、図書館長がこれを提出いたしまして、そうして両院の委員会の御承認を得ると、こういう形になっております。
  51. 藤田進

    藤田進君 いや、ですけれども、それはもう当然規程ということもわかっておるのですが、これが議案に準じて扱いをされておるだろうと思うのですが、その根拠法規はどこかにあるだろうが、これはまだ私は……。それを出される場合に、これはまあ写しですからないとしても、一応公式なものとしてはどういう扱いになっておりますか、いきなり図書館長が承認を求めて、こうこられるのか、あるいは議長がなされるのか、理事会でも実はこれは議論をしないできておりますので……。
  52. 金森徳次郎

    国立国会図書館長(金森徳次郎君) 従来の取扱いになれておりまして、あまりそこまでこまかく考えませんでした。これは図書館長が両院に別々に出しまして、同意を求めるという形になっております。第六条です。なお、これと同時に法律が出るのが好ましいのでございまして、これはまた別の手続きになります。
  53. 藤田進

    藤田進君 これは第五条に、「館長は、図書館事務を統理し、所属職員及び雇傭人の職務執行を監督する。」、次に「館長は、事前に、時宜によっては事後に、両議院の議院運営委員会の承認を経て図書館管理上必要な諸規程を定める。前項の規程は公示によって施行される。」、これだと思うのです。こういうものを承認ということになると、修正とか、そういうことはどうなのですか、今までの例もあるでしょうし、もとの規程を作る際のこともいろいろあると思うのですが。
  54. 金森徳次郎

    国立国会図書館長(金森徳次郎君) 従来これは議論が起りますとき、実は図書館の方で案を改めて、そのまま御承認を得ておる、そういう扱いをしております。
  55. 藤田進

    藤田進君 差しかえて。
  56. 金森徳次郎

    国立国会図書館長(金森徳次郎君) 差しかえてです。そんなふうなことでもって……。
  57. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 他に御発言もなければ、本件を承認することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  58. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 御異議ないと認め、承認することに決します。   —————————————
  59. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) なお、この際、図書館長から、最近の図書館の運営状況であるとか、あるいは本館の建築状況等について、せっかくの機会でありますから、一応御説明願いたいと思います。
  60. 金森徳次郎

    国立国会図書館長(金森徳次郎君) 図書館の建築はだんだん順序を追ってきておりますが、説明の便利のために、第一回の工事、第二回の工事、第三回の工事と分けて申し上げたいと思います。  第一回の建築の方の工事は、昭和二十九年度に着手いたしまして、その範囲は構内整地工事、こういうことに重点をおいておりまして、その額はそう大きな額ではございません。四千万ほどでございまするか、これはすでに完成をしております。第二回目の工事といたしましては、これは昭和三十年度の工事でございまして、その仕事の範囲は、くい打ちと、これに伴う土工事をいたしております。その金額は二千二百六十八万六千円ということになっております。これで大体くい打ちと若干のこれに伴う必要な工事をいたしまして、なおそれに多少の付属する仕事もございましたが、主としてそういうものでございます。  そこでだんだん移りまして、第三回の建築工事というのが現在やっております工事でございまして、その工事の範囲は、書庫の鉄骨の一番下の階の組立及びそれの基礎盤を築造するというようなことでございます、漸次手続きを進めて参りまして、大成建築株式会社に請負してもらって、そういう三十一年、すなわち昨年の八月七日に着工をいたしまして、そのでき上りまする予定は三十二年五月三十一日、すなわち本年の五月三十一日という考えでおります。これの請負の金額は二億二千四百五十万円余でございます。で、この工事は書庫の築造方式の最終の掘さくを行いまして、その上に鉄骨、鉄筋コンクリート造りの基礎構造を築造いたしまして、そして一番下の階の鉄骨を組み立てるものでございまして、いろいろ技術上には特殊排水工法も加わっておりますが、これも大成建設株式会社その他指名競争入札の結果、大成建設株式会社に契約をすることになっております。ところが運悪くと申しますか、鉄材鋼材が非常に値上りをいたしまして、いろいろ価額の計画にもめんどうを生じましたが、しかし幸いにして建値で鋼材を入手することができましたけれども、そういう手続きをしております間に、幾ぶん時日を要しましたので、工事遅延を余儀なくされておりましたが、鉄骨の組立ては三月末にほぼ完了をいたしまするし、コンクリート打ちは五月に完了の見込みでございます。従って二カ月ほど当初の予予定からみますると、おくれておるのでございますが、しかし現在の準備及び工事も順当に動いておりますので、コンクリート打ちも五月には完了する見込みでございます。  以上が建築物そのものにつきましての説明でございます。  これに関連して申しますと、多少関連を持ちまして、かつてこの委員会に申し出でまして、まず申し上げるだけ申し上げたというだけで、別に結論を得ておるというわけではございませんけれども、自治労連の関係、自治労会館の敷地に当りますところ、いつかは図書館の敷地にしなければならない状況でございます。今まではのっ引きならぬというところまで行っておりません。従ってその敷地を買収するという方向に進んでいなかったのであります。ただ予算を大蔵省に要求いたしましても、そのつど拒否されておりましたが、心には心配でございましたが、執行の面から言うと、早急必要とするところでもございませんという調子でございましたが、しかしだんだん問題が複雑になって参りました。二月十二日、自治労組合から土地に対して文書の提出がございました。要するに、ほんとうに買ってくれるかどうかという確答を求められ、もし買わなければ、将来あそこに堅牢な建物ができる可能性もあります。そういうふうに紛糾いたしますと、将来措置がだんだんめんどうになるという気持を示されたわけでございます。そこで、できるだけ万全の道を講じますために、何とかしてこれを入手する方向に向って最初考えまして、いろいろ交渉を進めております。まあ話しそれ自身は内輪話しのことでございまするけれども、順当に何らの抵抗なくして進んでおるように考えておりますけれども、土地の対価の問題でございますが、これが、大体自治労の組合の持っておりまする土地は五百十七坪、その上に建物が百六十六坪でございます。ところで図書館側で持っておる土地がございまして、これをその交換に用いることのできる予定のものでございまして、その土地は三百五十五坪、それから建物が十坪ございます。そこで、この自治労の持っておる土地五百十七坪及び百六十六坪の建物というものと、図書館側の持っておりまする土地建物というものを、ある程度交換をすることができると思いますが、しかし土地の面積も違いまするし、建物の面積も違い、かつまた土地の値段というものも違うのでございまして、そこに交渉の余地が相当残っておるわけでございまして、ごくうちうちのことでございますけれども、関東財務局に土地建物の評価を求めておりましたところが、関東財務局から土地建物の評価の内示がございまして、その評価だけによりますると、自治労会館の方面の受け取るべきものが約五千三百余万円、それから図書館側から出し得る土地の価格が二千余万円ということになりまして、その差額が三千三百四十九万円ほどになるわけでございまして、実行しようといたしましても、どうしてもこの三千三百万円ほどの金額を支払わなければならぬのでございまするが、これは今までのところ予算の上には計上されておりません。二年間大蔵省に要求いたしましたけれども拒否せられております。従って、ただいま実行するとすれば、この金を生み出しまするためには、予算の費目を変えることを考えまして、つまり大蔵省側の同意を得まして、これに近い三千三百余万円の差額金を出さなければならないようになっておりまするために、その方向でとにかくやってみようという気持は持っております。で、この前こちらで御説明申し上げましたときに、費目をせっかくお骨折りを願って図書館の建設費として盛られました中で、若干の金を土地交換の費用に出さなければならぬという三とが、はなはだ心苦しい次第でございましたが、とにかく、一応こちらに申し上げておきまして、さらに私どもの手元で、自分たちの責任で大蔵省側にそれを移しかえるように希望を述べて、手続をするという段階になっております。今そこのところまでまだ行っておりませんし、ただ関東財務局の土地建物の評価の内示を受けたというだけでございまして、それによらなければならぬということもございませんし、それは目下考え中でございます。そういたしますると、もしその方向に進むものといたしますると、来年度の予算として図書館建築費四億を認められそうなことになっておりますけれども、そこの中から相当多量の費目を転換いたしまして、そのために建築費はそれだけよけい減ってくるということになろうと思います。なおそのほかにこまかい予算の問題はございますが、大体の筋はそのようでございまして、今後さらに十分調査いたしまして、また申し出たいと思っておりますけれども、今のところの事情はそのくらいでございます。
  61. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) ただいままでの館長の説明に対しまして、何か御質問がありましたら……。
  62. 小酒井義男

    小酒井義男君 今、館長の話を聞いておりますと、予算の費目を変えることの問題であるというような印象を受けるのですが、自治労の方との価格の問題では大体了解点に達しておられるかどうか、その点がちょっとはっきりしないのですが。
  63. 金森徳次郎

    国立国会図書館長(金森徳次郎君) 現在のところは、関東財務局の内示を受けたというところまでしか正式には申し上げられませんが、価格の点は、内々われわれが感知する向うの御希望の額と、それから関東財務局から示されました内示の価格というものが、わずか違っているのでございますが、しかし、それもそんなに問題をこわすほどのものではございませんし、これから研究を進めて行って、大蔵省が費目の転換を承認してくれさえすれば、話はつけられるのじゃないかと思っております。
  64. 藤田進

    藤田進君 これは土地についての内示のように聞くのですが、建物の方はそのほかになるのですか。
  65. 金森徳次郎

    国立国会図書館長(金森徳次郎君) それは私の申し方が少し端折ったきみがありますが、土地につきましては、先ほど申しました五百十七坪、建物は百六十六坪でございましたが、その両方を評価して、そうして五千三百万ということになっておりますが、なお精、密に申しますると、四千九百余万円というのが土地に対する関東財務局の内示の評価でございます。それから建物に対しましては四百万円ちょっとになるようでございます。そのほかに建物以外の工作物がありますようで、それが五十一万四千余円になりまして、結局先ほど申しました金額になるのでございます。それからこれと交換する、こちらから出し得る六番町のごくわずかな土地建物でございます。これはほんのわずかでございまするが、二十万余の建物がございます。そこで建物土地と工作物との合算したもので比較いたしますると、三千三百四十九万円ほど、こちらから持ち出さなけばならぬという一応の考えが出るのでございますけれども、これはもう関東財務局の評価を動かすべからざるものとして考えているのでありまして、どちらにもそれぞれ意見がございましょうし、そう簡単には行きますまいが、それが幸いにしてわれわれの得ている情報によると、そうひどく金額に差がないようでありまして、土地はどんどん値上りして行く傾向にありますから、できるだけいい時期に話をつけるように私ども今思っておりますが、まだいろいろ大蔵省の意見もございまするから、はっきりした意見は申し述べられません。
  66. 藤田進

    藤田進君 この場合に、関東財務局が評価をし、内示を受けるというのは、この種案件の処理の場合には、必ずそういった方面の意見を聴取するというのが例のようでありますが、一応これを権威あるものとして認めて、自治労と交渉するということで、図書館側としては、この内示案を一応の基礎としておやりになるようになっているわけですか、そのような考えですか。
  67. 金森徳次郎

    国立国会図書館長(金森徳次郎君) その心持ちを腹において、事実上連繋をとりつつ交渉を進めたいと思っております。
  68. 藤田進

    藤田進君 予算の流用については、目下当院で予算を審議中でありますが、これは関係の議運理事会でも、他の案件に若干関連したときにも議論がせられまして、この際移流用については、必要があれば承認して行かなければならないということなんですが、今説明があったように、鉄筋コンクリート高層建築ということになると大へんめんどうになるし、残念だけれども、建築費の方を移流用しなければならぬのじゃないか、こういう点については、さして異論はないのですが、今独自の立場でおやりになっているとすれば、まあいずれ予算通過後における執行になるわけですが、今のところ、図書館長のお手元でおやりになっておる一応の見通しがおありでしょうか。
  69. 金森徳次郎

    国立国会図書館長(金森徳次郎君) 何しろ相手があるものでございますから、そうはっきりしたことは言えませんけれども、しかし大体この線に沿って話を進めておりまして、どこかで話を早くつけたい。こういう努力をしております。
  70. 藤田進

    藤田進君 あと一点ですけれども、大蔵省に対して費目の変更の手続をなさなければならぬが、それは図書館の立場でやってみようとおっしゃったように思うのですが、その線に進められてけっこうだと思うのですが、必ずしも楽にそれが行けるかどうか。かなり変更もむずかしいのじゃないかという議論も過般出たものですから、その点で若干打診をしておられれば内意のところを聞きたい。
  71. 金森徳次郎

    国立国会図書館長(金森徳次郎君) どうも図書館としては何か複雑なものの中にはさまっておりまして、今のところそんなにはっきりと言い切れませんけれども、しかし大体こういうふうに数量等につきましても話し合いができそうな範囲になっておりますから、それで話し合いが実質上つくように努力いたしまして、大体この辺でよかろうとなったら大蔵省にこの費目の流用を求めたい、こう思っております。何しろ費目の流用というのは、大蔵省はそう淡白には受け取って下さらないと思いますし、またその金額をあとから変えたり何かされますると、一そう事をめんどうにいたしまするので今万全の策をとってやっておる次第でございまして、その程度しか、あまり思い切ったお答えはできませんが、決して暗い前途ではないものと思っております。
  72. 柴谷要

    ○柴谷要君 この工事概要をいただきまして、書面を見て行きますというと、少し質問しなければならぬ点がある。と言いますのは、第一回工事、第二回工事の文面の中に「著しく低額に落札された。」とか、「予想外の低額をもって落札した。」、こう書いてある。そうなってくると、設計がずさんな設計であったのか、それとも経済変動があったのか、それとも国会図書館であるから請負業者が奉仕的に請け負ったか、こういうことになるわけです。これが設計がずさんであったというと、設計者の責任が大いに追及されるということになってくる。この字句の表現は、非常に思ったより安かったというので、こういう表現を使われたんじゃないかと、こう思うのですが、この点はいかがでしょうか。
  73. 金森徳次郎

    国立国会図書館長(金森徳次郎君) これはそうち密に研究してこしらえた文書でございませんので、そういう立場々々に当っておるものの主観的な判断でできておりまするから、この言い表わし方は不適当かもしれんと思っております。けれども事実現場に当っておりますると、この予算でできるかどうかということの、始終何か情勢判断の上で苦労しておりまして、そのときにとにかく予算内で話がついたということで、その喜びをここに言っておるのだろうと思っております。
  74. 柴谷要

    ○柴谷要君 非常に喜びが追加されたということはけっこうなんですが、これを文面まで表わすということになりますと、議論から議論が発展しますので「著しく」とか、あるいは「予想外」、これだけは削った方がいいと思います。いろいろ問題がありますけれども、お気持はよくわかりますから、これ以上お尋ねしませんが、そういうふうに文面を改められることの方がいいと思います。
  75. 金森徳次郎

    国立国会図書館長(金森徳次郎君) 承知いたしました。これはあまり適当な表現じゃございませんです。
  76. 小酒井義男

    小酒井義男君 工事概要のですね、今年度の予算が通りますと第四次の建築工事になるわけですが、そうすると、請負いをやり直すことになると思うのですが、見ておると一工事ずつ請負者が変っていますね。で、まあ今までの地ならしとか、いろいろなくい打ちの段階と、いよいよ建築にかかる段階と変ってくるのですが、どういうふうに進みそうですが。
  77. 金森徳次郎

    国立国会図書館長(金森徳次郎君) どうもこれは実におかしいと言っては困ることでございますけれども、今の会計の規則によりまして予算の範囲内で契約をする。それも請負をして行くと、競争入札ということになっておりまするので、まあ表向きから申しますると、どうも幾ら変ってもしようがないということになりますが、しかしそこから先はどういうことになりましょうか、これだけいろいろ複雑な工事になってきておりますから、前とは事情が違い得る可能性は大きいのでございますけれども、しかし何ともそれ以上お答えできません。
  78. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 私も関連してちょっと聞きたいのですが、この間あそこの定礎式が行われましたときに、大成建設の幹部の人だったと思うのですが、どこも引受手がなかったので、まあ自分のところがやることになったというような意味のことを言っておられたのですが、これは何ですか、予算にまあ非常に無理があるというようなこと、あるいは非常に込み入ったむずかしい工事であるとか、何かそういうようないきさつ、事情があったのでございますか。建築部長から……。
  79. 吉田辰夫

    国立国会図書館参事(吉田辰夫君) あの当時は鋼材が非常に高騰しておる最中でございまして、入札は落札しなかったわけでございます。それで最低の大成と交渉をした。そういうことで、請負者としては非常につらい時期であったわけであります。たぶんそのことを言ったのだと思います。
  80. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) それから、これはたびたび、私からも言うべきことはあるのですが、三十二年度の予算を折衝した際に、大蔵当局等から、毎年々々いろいろ予算を要求するが、三十一年度の予算もただいまの進行状況から見れば使いこなせないじゃないかという、大蔵当局からの非常な強い発言があっている。われわれはまあ予算穫得に相当苦労をしたわけでありまするが、ここにあるように、鋼材の高騰とか、そういう理由から非常に工事の進捗に支障を来たしたというのか、それともまあこういう工事には、えてして翌年度の継続をうまく考えて行こうというようなことで、故意に少し事業量を残すというようなこともあるやに聞くのでありますが、どういういきさつでそういうことであったのか。予算を残すということは、翌年度の予算卒要求する際に非常にわれわれは支障になるのであります。そこらのいきさつを聞いておきたい。
  81. 吉田辰夫

    国立国会図書館参事(吉田辰夫君) 三十一年度工事につきましては、資材として一番大きなものは鋼材でございます。大部分が鋼材の値段でございます。で、それの請負者が入手する時期が大体十一月ごろに全部入手できるであろうというような想定でございました。ところが鋼材のうちでも特に鉄板関係の入手が非常におくれて参りました。結局一番最後に入手したものが二月になっておる。そういうズレのために現場における鉄骨加工がおくれて参りました。従って現場における組み立てがおくれて参って、大体一月ごろには一応組み立て上るというのが、三月末ということに遅延したわけであります。そうしまして、あとコンクリート打ちが翌年度に繰り越さざるを得なくなった、こういう状況でございます。それで、翌年度の工事の続きのために特に延ばさなければならなかったという、しいて言うような事情ではございません。ただ、現場では絶えず排水をしております。排水をとめるわけには参りませんで、これはずっと継続してやらなければなりません仕事であろうと思っております。以上であります。
  82. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) そういう准行状況だとすれば、すでに三十二年度には五月で完了の見込みであるから、二カ月分が食い込んでくるわけです。三十二年度は四億というような予算を消化して行くわけでありますが、すでにそこで二カ月ずれてきている、それから、今のような物価の変動とか、そういうことはただいまのような経済興の状況ではままあることと考えられるのですが、三十二年度の見通しはどうですか、今の準備状況その他の計画準備からして、三十二年度はりっぱに消化して、三十三年度の予算要求に支障あるような事態を引き起さない確信をもって進んでおられますか。
  83. 金森徳次郎

    国立国会図書館長(金森徳次郎君) どうもまことに年々妙なことになってきまして、あまりたびたび申し上げるということは相済まぬと思っておりますが、今度の今のこの工事にどれだけの金を使えるかということは、三千何百万円の土地の代金を費目変更をしてもらえるかということが、一つの大きな問題に引っかかっおりまして、さっそくそれを大蔵省に交渉すると同時に、四月の上旬に大蔵省に実施計画を提出いたしまして、その承認を求める、こういう手続をとりまして、大蔵省の承認が得られましたら、さっそく建設省にその経費の支出の何をいたしまして、五月中旬から六月の初めごろに工事にかかれるように、建設省と現に協議をしているような状況でございます。そういうような計画を立てておりまするから、その工事は著しい不利な事情が発生しない限りは、年度内に完了できる見込みと信じております。ただ、先ほど申しましたように、費目の変更とかいうことに、私どもの目算では、大蔵省がそうらくらくとそれに応じて下さるかどうかという確信がございませんので、事務的にはもっぱら努力して行くつもりでございますけれども、やはり何か、すがるという気持は私はほんとうに嫌いなんですけれども、どうもいざとなると、議会の方で御援助願いまして、敷地を取り入れるための経費とか、予算ということにお口添えを願いたい、これはちょっと質問に事をかけて、こちらのお願いを言い過ぎますが、そういう段階が必要になってくると思いますが、そのときはどうぞ一つよろしくお願いいたします。
  84. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 館長としては、この図書館を大体何年度に完成したいというような気持で進んでおるのですが、今後は予算の獲得の模様等も睨み合せなければなりませんが、館長としてのただいまのお考え方は……。
  85. 金森徳次郎

    国立国会図書館長(金森徳次郎君)  これは三十二年の大体計画はきまっておりますけれども、その後三十三年と三十四年に大部分の第一期工事が完了いたしまして、三十五年度には少くとも一部の部分的開始をできるようにいたしたいと思いますけれども、目下その目途をもってやっておる次第でございます。
  86. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 問題は変りますが、図書館からいろいろ配付される何に、読書春秋、レファレンス、それから公報とか、いろいろの資料というか、雑誌をもらうのでありますが、これは図書館直接のものですか、あるいは「読書春秋」は財団法人か何かで出ておって、図書館直接にはどういう印刷物をどういう方面に配付されておるかわかりますか。
  87. 金森徳次郎

    国立国会図書館長(金森徳次郎君) 図書館直接に出しており、直接に人に配っておりますものは、かなりたくさんございまして、今ちょっとそらんずることができないくらいでございますが、これは読書春秋の会を通して印刷等をしておるものもございますけれども、本質は図書館自身がやっておるというものがたくさんございまして、今ちょっとここで私は即答できませんけれども、その書類を集めてみると、かなり驚くべき、図書館活動として、ほんとうの図書館の活動として各種の目録やビブリオグラフィートをこしらえておるのでございまして、それがほぼ一応の調査ができておりまするので、適当の時期にお目にかけたいと思いますが、一番大きいのは全国の出版目録でございまして、これは日本で昔から毎年の出版物にどういうものがあったかということの記録が、あったかもしれませんけれども、どうも私の聞くところではなかったのでございまして、大体警察の取締りで出版物というものが規律せられておりますものですから、そういう時代に納本があろうとなかろうと、それは不正確でございまして、かつまたこれを一つに集めて、だれでも見られるようにしておくということは完全には行われておりませんでしたと思っております。ところがこの図書館になりまして、これもいきなり完全になったわけじゃございませんが、最近に至りまして、全国出版物の目録というものを、毎年一回ずつ、かなりりっぱな印刷物として配っております。ただ値段が高いものですから広く売れませんけれども、必要とする面にはかなり役に立っておるのであります。これが図書館全般のものであります。  それから各部分々々の部門といたしましては、一端を申しますると、たとえば日本でできておる学術的雑誌、定期出版、継続に出しております出版物というものが、これもわかったような、わからないようないろいろな部分で目録なんか作っておりますが、これが世界的に非常に注目せられております。日本で学術的雑誌ザーラアネッド・ジャーナルというものがどんなふうになっておるかというようなことは、世界が希望しておりますが、そういうものも定期的というわけに行きませんけれども、一、二年にわたって漸次完成して行くということをしております。  それから私の方で一つの大きな問題にしておるのが、立法考査の仕事として、外国の事情を調べたり、日本の事情を調べたりして、立法等に関係する基礎研究というか、これも中でこしらえております。これはある程度市販しております。  そんなようなふうに、案外数え上げてきますと、いろいろの部分に行きわたっております。私はむしろどっちかと申しますと、こういうことは図書館ができてから間もないことでございますから、図書館が睡眠状態になるよりも、むしろ突進的に勉強する方にと思いまして、各部局の主張に従ってそういう出版物をこしらえておりまして、その結果、中には幾分重複するようなものもないとは言えません。今度はそれを統一して、無理な誤まれる重複が起りませんように、そうしてまた穴があきませんように、網羅的に図書館活動の文献を整理して行きたいという気持で、次第にその方向に向っております。  そのほかいろいろ、図書館の仕事は実に幅が広いのでございますけれども、やっぱり予算その他の関係がございましてうまくは行っておりませんが、そのうちで、世界にもやや注目を引いておりますのは、私の方の図書館の持っております貴重な資料がございまして、それは普通の図書館資料でなくて、私の方の図書館の部分々々に持っておる資料、それは書物であったり、ドキュメントであったりしておりますが、それ自身が学術的価値を持っておりまして、そういうものが見たいとか、ほしいとかいう人がございますれば、それに対しましては部分々々にいろいろな目録をこしらえたり、ものによりましては、それを写真に複製する、多くの場合にはマイクロ・フィルムにとりますが、そういうふうにしてやっておる。これを印刷物と言いますならば、やはり印刷物に入りましょう。いろいろ活動をしておりますが、今それを一ぺんに並べるだけの準備をしておりませんので、また必要に応じて申し上げたいと思います。
  88. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 私の言いたかったことは、特殊の財団法人や何かで出版されているものは別として、図書館の費用から出しておられる出版物であるとすれば、重複しておるようなものがあれば、これはできるだけ整理統合してもらって、まあその印刷を見れば、いろいろなことがわかるというような仕組みのものがほしいという気持がありましたのでお伺いした次第ですが、わかりました。  ほかに……別に御質問がなければ、きょうはこの程度にして、本日はこれにて散会いたします。    午後二時五十一分散会