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1957-09-10 第26回国会 参議院 議院運営委員会 閉会後第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年九月十日(火曜日)    午前十一時五十分開会   —————————————   委員異動 本日委員秋山俊一郎辞任につき、そ の補欠として西田信一君を議長におい て指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     石原幹市郎君    理事            宮田 重文君            小酒井義男君            小林 孝平君    委員            小幡 治和君            木島 虎藏君            小西 英雄君            斎藤  昇君            佐野  廣君            田中 茂穂君            西田 信一君            横川 信夫君            阿部 竹松君            坂本  昭君            柴谷  要君            田畑 金光君            光村 甚助君   委員外議員            小柳 牧衞君         —————    議長      松野 鶴平君    副議長     寺尾  豊君         —————   事務局側    参     事    (事務次長)  河野 義克君    参     事    (委員部長)  宮坂 完孝君    参     事    (警務部長)  佐藤 忠雄君    参     事    (庶務部長)  渡辺  猛君         —————    前事務総長   芥川  治君         —————   法制局側    法 制 局 長 斎藤 朔郎君   国立国会図書館側    館     長 金森徳次郎君    副  館  長 中根 秀雄君    参     事    (管理部長)  山下 平一君   説明員    内閣官房長官  愛知 揆一君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事辞任及び補欠互選事務総長辞任の件 ○臨時国会の召集に関する件 ○国立国会図書館法第二十六条の規定  に基き、金銭の寄贈を受ける件 ○派遣議員報告   —————————————
  2. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) ただいまより、議院運営委員会開会いたします。  本委員会委員異動がありましたので、御報告をいたします。
  3. 宮坂完孝

    参事宮坂完孝君) 本日付をもちまして秋山俊一郎君が辞任され、西田信一君が選任されました。   —————————————
  4. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 次に、理事辞任及び補欠に関する件を議題に供します。
  5. 宮坂完孝

    参事宮坂完孝君) 緑風会から、理事上林忠次君が辞任されまして、その補欠として河野謙三君が推薦されております。
  6. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) ただいま報告通り決することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぼ者あり〕
  7. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 御異議ないと認め、さよう決します。
  8. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 次に、議長から発言を求められております。
  9. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 過日の事務総長辞任に関しまして、皆さんの御了解を願いたいと思います。  私も、事務総長国会役員でもあり、初め議運の御了解のもとに事務総長に就任になったのでありますから、その辞任に対しても皆さんの御了解を得て、そうしてしかるべく自後の辞任に関することをやるべきだと、こういうことは考えておりましたが、たまたま閉会中でありますし、それから事がきわめてとっさに起った問題であります。二十日の閣議に、事務総長があるいは検査官に選任せられるかもわからない、そういうことがある場合は、議長としてはどういう計らいをしてくれるかと、こういうことでありましたから、本人意思確めましたら、本人は、その場合は自分は辞表を出して、その選任に幸いになればなりたいのだと、こういうことでありまして、十九日の夜、辞表を私の手元に届けて参りました。それで、もし閣議がしかるべく決定するならば、その閣議決定後の取り扱いは、支障なく議長責任において運ぶようにするからと、こういうことを内閣の方には返事をいたした次第でございます。  二十日の日、閣議芥川事務総長検査官決定した、こういうことの通知を受けましたから、議運を開くいとまもありませず、そういうことの先例を考えてみますと、各派代表に御参集を願って、そうして御了解を求めるの方法ありと、まあこういうことで、とりあえず、その日の閣議決定後、すぐに各派代表にお集まりを願って、そのことを御了解を得べく御相談申し上げた次第であります。社会党は、在京議員総会を開いた上で、翌二十一日に返事をすると、こういうことでお引き取り願いましたが、二十一日に在京議員総会を開かれました結果、こういうことは事前になるべく了解を求めるべきものじゃないか、決定してからではどうもというようなお話でありましたけれども、今回のことは、すでに閣議決定しておるから了承するが、この後は、こういうことは事前相談してもらいたい、こういうことを付記して御了承を得たわけであります。  そこで、議長は、その社会党の二十一日の回答を待って翌二十二日に許可をいたしまして、内閣は二十三日に認証式をいたしました。認証官でありますから、閣議決定いたしましても、認証式によって初めてその身分がそこに確定するわけでありますから、それから、とりあえず議運理事諸君委員長には、ともかく電報でその事柄だけを報告してあると、こういう、いま申しましたような次第で、まず、議会機関としての議運ですべて諮った上で、今回の問題になる、事務総長でありますから。事が閉会中であると同時に、そのときは委員長もちょうど郷里の方に行かれて、おられないことも明らかになっておったのと、十九日の夜の事柄で、二十日の閣議にかけられたらかけると、こういうふうのことでありましたために、事前には何人にも諮ることができませんでしたが、むろん与党とか、野党とか、そういうことがあろうはずはありませんし、全く議長責任のもとにおいて、閣議決定後、各派代表にお寄り願って御了解を求めたような次第であります。  その点に対しまして、一つ了解願いたいと思って発言を求めた次第であります。
  10. 小林孝平

    小林孝平君 この問題は、議院運営につきまして非常に重要な問題でございますので、若干お尋ねいたしたいと思います。  ただいま議長の御説明によると、十九日に総長から辞表提出をせられ、二十日に閣議にかかったと、こういう話でございましたけれども、われわれは新聞等で、その数日前からへそういうことになるのではないかということを知っておったわけです。それで、いずれ近く議運理事会の招集があるのではないかと、こういうふうに考えておりましたところ、何も連絡がなく、何か私非常に内容不鮮明でございますけれども、電報をいただきまして、やめられたということは承知しましたけれども、そういうふうな点から考えまして、事前に何か議運に御連絡あってしかるべきではないか、こう思うのですが、その点はどうですか。
  11. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 小林君のただいまの御質疑、なるほど新聞には、芥川事務総長がなるのじゃないかとか、それから他の人がなるのじゃないか、こういうことはうわさされ、また記事には出ておったわけであります。けれども閣議決定までは、果してだれがなり得るやということは、やはり新聞が一番各方面を通じて見て、そうじゃないかということの何に対しては、新聞の方がむしろ想像的に、一番早いのでありまして、私の方では、芥川君の友人等であるいは、まあその地位が幸いに閣議の認めるところになれば、芥川君にとって非常にけっこうだと、こういう内々の動きはあったと承知いたしますけれども、それが果していけるかいけないか、見込みがあるかないかと、こういうことに対しては、全く内部のいろいろな動きでありますから、十九日になって、やや確実になって、議長はそういう場合があった場合はということで、それで芥川事務総長は、もしそういう場合があれば行きたいから辞表をお預けいたしますと、こういうことで、全く閣議決定するまでは。新聞では、いよいよ間違いなかろうと、こういうことは十九日の晩、二十日の朝くらいの新聞はそうでありましたけれども、以前はほかの人だと、こういうことがほとんど確定的だと報道せられておったようなわけでありますが、これは、こちらでもって政府が間違いないから、もし希望があればこの人間をやるから、お前の方でどうこ  うというようなことを、事前には何もそういうことの意向を明かし得ないような経過の状況でありましたから、決して、日ちにもあるし、間違いないことを事前皆さんに御了解を願うという、そういうことをことさらにしなかったというようなことは、もう断じてないわけであります。その点を御了解願いたいと思います。
  12. 小林孝平

    小林孝平君 私はこの問題は、先ほど議長は御了解を得たいと、こうおっしゃって御説明になりましたけれども、これは了解しょうが、しまいが、きまったことであります。また、法的に考えても何ら違法な点はなかったろうと思いますから、私は今議長責任を追及したり、あるいはその怠慢を責めようというのでお話し申し上げているわけじゃないのです。これは非常に今後の問題に関連がありますので、はっきりしたいと思いまして、お尋ねしているのですから、議長もそういう立場で御答弁を一つ願いたい。  そこで、非常に急なことだと、こうおっしゃいますけれども、事務総長国会役員であって、われわれが選挙してこれは任命されたものです。ところが、政府が一方的にこれをどこかの方へ持って行こうと、こういう話があったときは、議長は、まあ政府でそういう話があれば、いつでもよろしゅうございますということでおやりになるのですか。どうも今のお話を聞いておりますと、何か政府の方で、閣議でほかの方にこれを回す、動かそう、こういう話があるから、それはよかろうというので辞表提出を求めた、こうおっしゃいましたけれども、今後も、政府参議院事務総長はどこか今度ほかの方にやりたいと思うという話があった場合は、いつもこういう形でおやりになるのですか。
  13. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) この後の問題に対しましては、議会閉会中の人事の問題というものは、やはり皆様にお諮りし得るときは十分にお諮りをするし、お諮りする時間がなくて、本人辞表提出する、そういう場合には、やはり議長としては、本人のためにも、それはなるほどようはないか、こういうことを思った場合は、できる限り国会役員でありますから、皆様にお諮りをするという建前で、その時間がない場合は、申し上げるように、やはり各派代表にでもお集まり願って、議長議長としての責任の範囲内において、できる限りその人の希望を有利に実現させてやりたいと、こういう気持でおります。
  14. 河野義克

    参事河野義克君) 議長のお気持は、今お話しされた通りだと思いますが、事がやや法律的あるいは手続的な点もあるかと思いますので、その点に触れて議長の御説明を補足して申し上げます。  国会役員でありますから、開会中でありますれば、本会議辞任許可がなければ、当然辞任はできないわけでありまして、そういうことを仮定して考えますと、開会中の国会役員について、政府の方でこれをしかるべき地位に充てたいというようなことがありましても、それは議長その他一人の意思で実現するわけでありませんから、参議院意思決定される、つまり院議の許可があって、事務総長たるべき人、あるいは役員たるべき人が自由な立場に立って、それから後に政府閣議決定がなされるというようなことが開会中は当然考えられるわけであります。閉会中は、国会法規定によりまして、役員辞任議長である方一人の意思決定し得る法律上の建前になっておりまするので、本人からの辞表提出、それから内閣から、その辞任許可の権限を持つ議長に対して、それを許可する意向なりやということの内意問い合せがあって、議長がそれに対して内意として承諾されている、そういう状況においては、閉会中に、法的な形としては閣議決定することがあり得る。これは法律的、手続的な問題であります。いずれにしろ、それは実際的、実質的につきましては、議長が再々申されるように、皆様意向で選任されている国会役員進退でありますから、できるだけ議院運営理事会、あるいは各派交渉会、そういうものにおかれて、皆様の御了解を得てから進退について決定して行きたい、こういうことであるのですが、法律的、手続的の点については、さっき申し上げた通りであると思います。
  15. 小林孝平

    小林孝平君 次長の言われましたことはわかっておるんです。私は休会中において、今言われたような手続のもとにおいて辞任が認められるということになっておるから、これは今後の問題として重大であるからお尋ねしておるのです。それからこの時間の余裕がないからといっても、電話はあるのですからね。これは議運委員長なり、あるいは理事なりに電話で御連絡なさってもいいんです。  議運委員長にお尋ねいたしますが、あなたは、こういうことになりましたが、これでいいとお考えになっておるんですか、委員長として。
  16. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 私は、先ほど議長からもちょっとお話ございましたが、ちょうど福島県におきまして、知事選挙であるとか、衆議院の再選挙とか、いろいろなことがありまして、あいにく八月十日前後ころから向うの方へ帰っておりまして、しかもあちこち動き回って、その事実も議長は承知されておったのであります。そういう関係で、まことに工合悪い事態であったのでありますが、不在をいたしておりました関係上、正式に御連絡を受ける機会がなかったのであります。この点、私が不在であったということも非常に遺憾であったと思います。在京しておりましたならば、おそらく、登院しておりまするので、お目にかかっていろいろお話があったと思いますが、不在であったということのために、連絡が不十分であったということを私としても残念に思っております。
  17. 小林孝平

    小林孝平君 今あなたは正式には御連絡なかったというけれども、非公式に何かあったのですか、非公式くらいにはあったのでしょうね。
  18. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 閣議の終ったあとでしたか、その前後でありましたか、事務局の方から電報がありまして、たしか電話があったかとも思うのですが、それよりずっと前は、お話しましたように飛び回っておりまして、正式の連絡はございませんでした。
  19. 小林孝平

    小林孝平君 そうすると、今の、あとから電報をいただいたのは、私たちもいただきました。それは各派の、先ほど議長も言われたのですけれども、各派代表了解を求めたところが、これは党には連絡があったかしれませんけれども、われわれは議院運営委員会として、これは党に了解があったのとは別に、やっぱり十分審議する必要があると思うのです。だから、そういうことは承知しましたけれども、議運理事として、あるいは委員長として、何ら相談にあずかったものではないと思います。その結末を報告いただいただけだと思のです。そこで、今、委員長がおっしゃった通り、公式にも非公式にも、要するに委員長には連絡ない、理事にもない。こういう状況だったのです。  そこで、今後の議会運営立場から議長にお尋ねいたしたいのですけれども、議長は非常に国会運営正常化には努力されまして、私たちも敬意を表しております。今後といえども、それは変らないと思うのですけれども、こういう重要な問題について、議運委員長あるいは理事、特に委員長くらいには電話連絡するというくらいのことをおやりにならぬのは、何かこの程度の問題は、今後といえども相談はしない。こういうお考えなんですか。
  20. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) こういう程度の問題は相談せないと、こういう気持のもとにやったのではないのであります。実際問題として、そのときの状況をまず申し上げますと、閣議で果して芥川事務総長にきまるやいなやということが、きわめてまだ不明瞭でありました。ほかにも候補者はある。こういうことを承知しておりました。そこで辞表は持ってきましたけれども、これも公けにする必要はない。本人意思がもしそこになければ、それは政府できめてもだめだ、こういうけれども、本人は、もし閣議決定するならば何してもらいたいという意思がきわめて明瞭で、辞表を持ってきましたから、今度は閣議前に委員長連絡をとって議運を開いてもらって、そうして議運ではよろしいと、かりに議運でよろしいといった場合に、政府閣議都合で、これは成立しない、こうなったならば、立法府の方では、これを行政府にやってもらいたい、こういうことを正式の機関を経てやったものが、閣議都合でできない、こういうことになると、これは全く私は対立になる問題だと思います。それで、これは全く議院役員身分を、軽々に議長専断でやるという意思は毛頭ありません。これは国会の重要な人事でありますから、議運を経て本会議の決議を経ておりますから、それで今度のような場合はどうするのが最善かと考えました場合に、これはどうしても閣議できめなければ公けにするわけにはいかない。で、その場合どうするかといったら、それは慣例もあるし、こういう問題は、議会閉会中は、各派代表者にお集まりを願って、そうしてそこで了解を得て、いよいよ正式のものにする、こういうことが、今までもこういう問題に対して慣例があるわけです。で、私が決して各派を無視する意思はないことは、これは私の平生に照らしても、小林君の言われる通り、御承知の通り国会運営はきわめて円滑なる了解のもとにやらなければならぬことは当然であります。それで行政府人間国会の重要な事務総長がなるということは、どちらかというと、立法府を軽くしているかと、こういうお気持もあるいはあるかもわからない。それは決してそういう意味じゃない。立法府人間も重大であることは当然、行政府もまた今度の検査官の方も、これはおのおのその地位において重要なポストであります。私の偽わりなき真意を言えば、やはり事務総長は、議長がかわるたびにこの人は辞表を出さなければならぬ人なんです。そうすると、ある一定の期間というものがくれば、事務総長辞表を出さなければならぬ時期がくるわけです。そうすると、今度ついた認証官は七年という身分を保証された地位でありますから、幸いに政府事務総長検査官に選任されるならば、事務総長の一身はそこに七年という安定した地位になる。そうしてみるというと、本人意思がそこにあるならば、政府が幸いにこの人を適任として閣議決定してくれるならば、私は非常に幸いなことだと、これは私のほんとうの真情であったわけです。で、事前に正式にあなた方と諮って、もしそれが閣議でいれられなかったならば、立法府が一致して推したものを閣議がいれなかったじゃないか、閣議できまるまでは、むしろそういうことまでやらぬ方がよくはなかったか、私はそういうことが出てくると思う。  そこで私は、決してこの重大なる機関を軽視もしなければ、あるいは専断もしないけれども、そのときの状況は、まず私のとったことは、これは私の責任において、これは仕方ない。そこで各派のお寄りを願って了解を求め、そうして議運も開かれたならば、議運の重要なるあなた方にお諮りしなかったことに対しては、つつしんで了解を求める、こういう意味でありますから、どうぞよろしく願いたいと思います。
  21. 小林孝平

    小林孝平君 私はこんな問題で長くやる気持はないのですけれども、これは非常に重大です。これは松野さんのような方が議長になっておられれば問題はないのです。今後といえども、松野さんが長く議長になっておられれば、私ども何ら心配はないけれども、ときにどういう議長がなるものかもわからない。こういうことを考えるというと、かりに、どうも今の事務総長はおもしろくない、これは一つやめさせよう。国会開会中はいろいろうるさいから、休会中に、君一つどこかへやってやるから辞表を出しなさい、こういうことでやり得るわけなんです。それはあなたに私が今申し上げていることは、あなたを追及するために言っているのではなく、今後、そういう前例があるからやったということで、これは今、次長が言ったように、合法的である。御了解を得たいとおっしゃいますけれども、了解を得ますも得ないもなく、きまったことであって、報告されれば、それでいいことになったら非常に問題ですから、私はこの機会に、特に松野さんのような方が議長になっておられる今確めておく必要がある。  そこで、委員長にもう一度お尋ねいたしますが、あなたは、要するに公式、非公式を問わず、一度も御連絡を得なかった、しかも議院運営委員長議長と一体になって議院運営をやられる方なんです。これが何らお話にあずからないということは、あなたは委員長としてどういうふうにお考えになるか、これでいいとお考えになっているか。
  22. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 先ほど申し上げましたように、これはたまたま私が不在であり、しかも向うにおきましても、居所も始終動いておったというような、そういう事態にたまたま私は遭遇しておったので、まあこういうことになったと思うのでありますが、在京しておれば、もちろん毎日登院しておりますし、議長ともしばしば顔を合わしている機会もあるのであります。在京しておればこんなことは、あるいは先ほどお話のように、新聞にもいろいろ出ておったということであれば、私からもいろいろお伺いする機会もありましょうし、こういうことはなかったと思うのです。たまたまこういう事態であったということと、それから議長が先ほど言われましたように、人事の問題で、しかも今回の人選についてはいろいろ対立候補があったりして、非常に微妙な段階であったというような、こういう事態のことでありましたので、普通の普段の場合であれば、あるいはもう少し違った形になったかと思うのであります。この点も小林君が言われましたように、われわれ普段きわめて密接な連絡をとっている人ですから、むしろ私の方からも積極的に連絡をとってやるべきだったかもしれないと存じます。そういういろいろのたまたまの事態に遭遇したということが、御指摘のような結果になったと残念に思っております。
  23. 小林孝平

    小林孝平君 あなたは、いなかに行っておられたということを非常に理由にされるのであります。もっとも今回は福島県の知事選挙もあって、非常にあなたも御多忙であり、あなたの政治的生命にも関係ある問題として奔走されておったのだから、それはよくわかりますけれども、それとこれは違います。電話があるのですよ。東京にいなかったということは、これは理由になりませんよ。今近い例では、先般、憲法調査会委員を選ぶ際に、無所属の割当の一名を緑風会に回すという際に、千田君が郷里に帰っていた。直ちに電話連絡せいということは、あなたが次長に言われたのです。次長もこれはつい一カ月ぐらい前のことです。あなたはそのことを……、次長にちょっと尋ねますが、あなたは電話連絡するくらいのことは気がつかなかったのですか。
  24. 河野義克

    参事河野義克君) いろいろ御指摘の点は、議長なり、委員長なりにお尋ねがあるわけでございますが、私としてお答えをいたしたいと思います。まあ事柄は、電話連絡なり、いろいろ事務上のあるいは手続上の面が多いと思いますが、事務局の最高の責任地位にあられた事務総長が当事者であられるわけで、御指摘のように、そういう点において配慮し、指示するものは、私であったかと思いますが、その際において、電話連絡をしなかったという点の御指摘を受けますれば、現在においては、まさにそうするのがよかったと申し上げるほかないわけでありまして、すべて事務上、手続連絡をもう少し密にすればよかったと、私として考えておるということを申し上げます。
  25. 小林孝平

    小林孝平君 次長にもう一回尋ねます。今私が指摘して気がついたと言われるけれども、電話連絡するくらいのことは、その当事気がつかなかったのですか。これは私は次長の職責として重大だと思うのです。電話というものは、今、会って話しするよりも、むしろ電話でやる方が便利でもあり、必要なんです。私、次長に……。
  26. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) そのことに対して私発言したいと思います。お許しを願いたいと思います。私は法規上の問題のごときは不なれでありますから、事務総長には、こういう場合はどうなるか、こういう場合はこうなるか、こういうことを聞きますし、また本人辞表に対しての処置も、政府に迷惑をかけちゃいかぬし、違法なことは、もちろん立法府としては、してはいかぬけれども、最後のときは議長責任においてやり得る、こういうことをはっきり確めまして、申し上げましたように、議運を無視する意思は毛頭もないけれども、そのときの事情は、議運を開いて御了承願った上で、政府に異存ないということを返事するということが果してでき得るやいなや、これが実際問題においてなし得なかった状況でございます。  それから、事務次長が各議運理事諸君連絡いたしましたのは、決定後、私が議運理事諸君には電報をもってこのことを御通知申し上げておけと、こう言ったので、事務次長事務上の動きからきたのじゃなかったので、私が議長責任において、事務総長はすでに検査官になった、事務総長の代理は自然に、法規上、事務次長であるから、事務次長に、そのことを議運の諸公に一つ電報をもって申し上げてくれ、こういうことを命じたのであります。事務次長が自発的に動かなければならぬことを怠ったわけではありません。その点に対しては、事務次長の取扱いのいわゆる怠慢とか、こういうことは私はない、こういうことを一つ了解を願いたいと思います。
  27. 小林孝平

    小林孝平君 あまり長くなりますからよしますが、最後に、正式な議運を開いて相談すれば、それはそうでしょうけれども、こういう問題があると、しかしこれはきまらないのだから、一つこのことを考えてくれというくらいのことは、議運委員長議長の間にあってしかるべきだと思う。そのくらいのことも委員長が信用ができないようでは困るのじゃないかと思うのです、今後の議院運営上。また理事としても、私たち社会党から出ておりますけれども、議長から、こういうことになっておるのだけれども、まだこれはいろいろ問題があるから黙っていてくれとおっしゃれば、われわれといえども御協力いたします。その程度の信用をしていただかないということになると、われわれもちょっと今後の国会運営に御協力するのに考えようがあるのじゃないか、こういうふうに私思うのです。  それから最後に申し上げますが、これはもう仕方がないことでありますけれども、先ほど申し上げたように、私が申し上げるのは、何もあげ足とったりするわけじゃない。松野さんのような名議長のもとならばいいけれども、どういう方が議長になるかわからない。気にいらない総長休会中に勝手に首にせい、こういうことをやられては非常に困ります。これは今、議長が、これは合法的なんだとおっしゃったけれども、そういう議長は合法だということでおやりになるかもしれない。そこで、こういう点は明かにして、今後ないようにしなければならぬと思って申し上げているのです。  もう一つは、事務総長の職責は非常に重要なんです。それを事務総長の栄進を考え辞表を受理された、こういうことでありますけれども、これは事務総長個人にとっては非常にそれはおめでたいことでもあり、いいことでありましょう。松野さんのいかに人情に厚いかということも、これをもってもわかるのです。ところが人情におぼれられた結果、事務総長はやめさせたが、あと事務総長の後任がないということになったら大へんです。こういうことをおやりになるところをみると、議長は、もう事務総長はだれかに適任があるのだ、もうそれをするのだということで、一人合点されておやりになったのではありませんか。念のためこれを申し上げておきます。
  28. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) お答えいたします。私は後任のないはずはないと思います。芥川事務総長がやめて、これを認可したらあとは後任はない、こういうことは考えない。この適任を皆さんと御相談して、そうして適任者を事務総長になすべきものなり、こう考えております。  それから小林君の言われることは、全くこれは今の議運をいかに円滑に運営するかに対しては、お互いに十分に理解し合って行かなければならぬのじゃないか、その点に対して、今回のそれは何らの連絡もないということは、議運の性格と議長関係、その点に対して十分に一つ注意をして円滑に行くようにしてもらいたい。決して自分は事柄に対してのみ、いわゆる非難するのじゃないけれども、議運議長、この一体の精神に遺憾ないようにしろ、この根本から御発言になったことだと思いますから、その御発言の趣意は私も十分に尊重いたしまして、そうしてお互いに、決してこのことに行き違いのないように努めたいと思います。
  29. 小林孝平

    小林孝平君 今、議長のおっしゃったことをわれわれも考えて申しております。そこで議長のおっしゃった点を要約すれば、今後はこういうことのないようにということでありますから、私は今回のこの例は先例にしないように、これは明らかに記録にとどめておいていただきたいと思います。  それからもう一つは、同時に後任はないはずはない。それは皆さんの十分納得の行くように御相談の上きめる、こうおっしゃったのですが、この点については、十分一つ各人が完全に納得するように、また全部がその人を推薦できるような立場において選考に当るようにされたいと思うのです。その点は特に議長に申し上げておきます。
  30. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) それでは、ただいまの問題は、大体これで終りましたが、たまたま芥川君がきょう見えておりますので、ちょっと皆さんにごあいさつ申し上げたいということであります。  芥川君から辞任のごあいさつがあります。
  31. 芥川治

    ○前事務総長芥川治君) 私は八月二十二日付をもって事務総長辞任させていただきました。本院の事務局在任八カ年の間、格別の御支援、御指導を賜わりまして、ここにつつしんで厚くお礼を申し上げます。  なお、今後とも、どうぞよろしく御指導、御鞭撻のほどをお願い申し上げまして、ごあいさつにかえたいと思います。   —————————————
  32. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) それでは愛知官房長官から発言を求められております。
  33. 愛知揆一

    説明員(愛知揆一君) 過般、七月の十日の内閣改造に際しまして、不肖私、内閣官房長官に就任いたしました、まことに行き届かぬ者でございますが、特に当委員会におかれましては、いろいろと政府側としてもお願いをいたし、御協力をいたさなければならないことが非常に多いと存じますので、何とぞよろしくお引き回しのほど、切にお願い申し上げる次第でございます。就任以来、大へん時間が経過いたしましてごあいさつを申し上げることは、まことに恐縮でございますが、どうぞ一つよろしくお願いいたします。
  34. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 官房長官に御質疑のある方は御発言を願います。
  35. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 官房長官に、社会党臨時国会召集について御要請申し上げておるのですが、国会法によると、これは第三条になるのですが、「臨時会の召集の決定を要求するには、いずれかの議院の総議員の四分の一以上の議員が連名で、議長を経由して内閣に要求書を提出しなければならない。」、こういうのがございますね。しかし私は社会党の今回要求しておるのは、この法律に該当するとは思いません。しかしながら、この法律を作った趣旨というものは、民主的な議会であるから、四分の一の議員の意向といえども国会に反映する、こういうことがこの法律の精神に入っておるわけです。そうしますと、現在の国会の衆参両院において、いずれも三分の一を占めておる社会党が、とにかく経済界の問題とか、あるいは消費米価の問題とか、あるいは災害の問題、こういう幾つかの問題で国会開催を要求しておるのに、あなた方の方は一向開催するという意向がない、こういうことを承わっておるのですが、この点まず一つお伺いしたいと思います。
  36. 愛知揆一

    説明員(愛知揆一君) ただいまお話通り政府といたしましては、成規の手続による臨時国会の召集の御要求に接しております。政府の準備その他が完了いたしましたならば、臨時国会を召集いたしたいと考えております。
  37. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 大体、端的にお伺いいたしますと、準備期間は大体いつごろ完了されるのですか。どうも総理大臣以下ゴルフに行かれたり、それぞれあちらこちらにおいでになっておるようですが、そういうことをやっておったら、一年たっても二年たっても準備ができぬ、こういうことになりますので、もう少しまじめに準備をしていただくというわけにはいかぬのですか。
  38. 愛知揆一

    説明員(愛知揆一君) 実は非常にまじめに準備をいたしておるつもりでございますが、大体、来月いっぱい御猶予を願いましたならば、十一月初旬には召集をいたしたいと思います。
  39. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 そうしますと、まだ五十日間準備しなければならぬという計算になるわけですが、大体どういうような法案をお出しになると同時に、何件ぐらい出されるか、こういう御計画がもし承われれば、お伺いしたいと思うのであります。
  40. 愛知揆一

    説明員(愛知揆一君) この臨時国会につきましては、政府考え方といたしましては、実は通常国会を待たずして、緊急にどうしてもお願いしなければならない法律案、あるいは予算の補正というものが、率直に申しまして、実はございませんのであります。しかしながら、先ほど申しましたように、臨時国会は召集しなければなりません。また召集いたしました場合に、どういうものの御審議を願おうかということを、法律案その他にしぼって考えますると、一つは、新らたに御審議を願いたいと考えておりますのは、現在の経済情勢から申しまして、輸出の振興については、あらゆる努力を傾注したいと考えておるわけでございまして、輸出促進のために税制上の特別の措置をやらせていただきたい。これはもちろん法律案の形でございまするし、また、ただいま考えておりますところでは、実は八月一日に遡及いたしまして効力ができるようなものを考えてはいかがかと、実は存じておるわけでございます。そういう場合には、国会に対しましても、最近の国会にこれを御審議いただくのが至当であると考えますので、この法律案は臨時国会に提案をいたしたいと考えて、準備を進めておるわけでございます。  それからマラヤ連邦というのが、御承知のように最近建国されたわけでございますが、マラヤに対しましては、日本国としても大使の派遣、その他を当然いたさなければなりませんから、在外公館の名称、位置等について一部変更を加えるような法律案を、やはり臨時国会には提案をいたしと考えておるわけでございます。  ほかには、実は今のところ考えております案件はございません。ただ、従来から継続審議になっておりまする案件がございまして、そのうちで政府希望を申し上げますならば、中小企業の組織に関する法律案の御審議をいただきたいということを、ただいまのところ考えておるわけでございまして、ほかには、これといって臨時国会に提案をしなければならない、また、提案することが適当であると考えておるものはないのが、実は実情でございます。
  41. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 今、官房長官の御説明を承わった法案の内容はわかりませんけれども、しかし想像してみても、五十日もかかるような準備期間を要する法案は一つもないと思う。それと同時に、中小企業団体法案を政府が通していただきたいということになれば、これは別に政府が準備する必要がないと、こういうふうに考えますので、なおかつ一刻も早く召集しなければならぬ、こういう理由になってくるのではないかと思うのですが、この点は官房長官いかがですか。
  42. 愛知揆一

    説明員(愛知揆一君) 私どもといたしましては、臨時国会を召集いたしますることについての考え方として、そう緊急にお願いするような案件はない。従って案件は、今申しましたような程度にしぼられるわけです。しかし同時に、われわれといたしましては、お開きをいただきます場合には、政府としても、先ほど御指摘もございましたが、総合経済対策を初め、いろいろと改造後におきましても検討いたしておりまするいろいろの政策の関係がございまするので、それらもできるならば、その機会にいろいろお尋ねもございましょうし、お答えをいたし、御説明をいたしますために、十分の一つ準備期間をちょうだいさせていただきたい、こういう考え方なのでございます。
  43. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 そういうことであれば、箱根の山に立てこもったり、全国遊説をやっておれば、官房長官の言うお話と違ってくると思うのですが、それはさておいて、たとえば中小企業団体法案は、御承知のように、これは百十七条もあるのですから、十分審議しなければならぬということで継続審議になっておる。そうしますると、相当日数が要するということになってくるのですが、これは別に官房長官のお考えというよりも、政府のお考えとしては、別にあわてて国会を通過させなくてもよろしいと、こういうことですか。
  44. 愛知揆一

    説明員(愛知揆一君) これは、すみやかに継続審議になっておりますものの御審議をいただいて、決着をしていただきたいという気持は持っておりまするが、しかしここに二十日なり、あるいは一月の間に、どうしてもというほどの緊急性はないのじゃなかろうか。臨時国会が幸いにして開かれます場合には、ぜひこれの御審議の促進をお願いしたい、こういう気持なんです。
  45. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 そうしますと、ここにすみやかに、一月も、あるいは一月半も早くというお考えがないということになれば、たとえば中小企業団体法案は、臨時国会のあわてた中でやらなくても、通常国会でもよろしいという結論になりますね。
  46. 愛知揆一

    説明員(愛知揆一君) それは実は率直に申し上げるのでありますが、すでに相当程度、先国会でも御審議が進んでおるように思いまするし、継続審議中の案件でもございますから、何とかこれは次の機会におきましては、結論がつけていただけるのではなかろうかと、こういうまあ私どもとしては御期待を申し上げて、さように考えておるわけでございます。
  47. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 そうしますと、会期は何日くらい現在ではお考えになっているわけですか。
  48. 愛知揆一

    説明員(愛知揆一君) 臨時国会の会期につきましては、これは両院でおきめいただくべきものであると思いますので、召集の時期については、政府考え方を先ほどお答えいたしたわけでございますが、会期については適当に両院でおきめいただくのであって、私どもから、ただいまの段階においてとやかく申し上げるべきものではないと思うのであります。ただ、しいて政府希望なり、期待なりを申し上げれば、案件も非常に少いことでございますから、きわめて短期に了していただけるのではなかろうかと、こういうふうな私どもとしては気持を持っておるわけでございます。
  49. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 ただいま官房長官の御答弁の通り、会期は確かに両院で話し合ってきめるべきであるということは御承知の通りです。しかしながら、新聞、ラジオによって私は知ったのですが、会期は五日だとか、一週間だとかいうことが報道されておる、そうすると、新聞社がでたらめを書いたということになるのですか、それとも官房長官がほかの閣僚にお漏らしになったということなんですか、この点を一つお伺いしたいと思います。
  50. 愛知揆一

    説明員(愛知揆一君) ただいま申し上げましたように、私どもはきわめて短期にお願いをして、お願いをしてというか、御期待をひそかに申し上げておるわけなんです。それから自民党の方の立場も、おそらく政党内閣でございますから、われわれと同じような気持を持っておるのではないかと思うのでありますが、そういったような気持が、何となしにしみ出してきておるということかと思うのでありまして、私の口から五日間あるいは一週間というようなことを申したことはないのであります。
  51. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 それじゃ次にもう一つ、二つお伺いいたしますが、消費者米価の問題ですね、これは国会等を全然通じないで、ばすばすやってしまうのかどうか。もう一つは、きのうラジオで、日本放送であったか、ラジオ東京であったか、記憶しておりませんが、何日に放送されたかはこれは別ですが、官房長官のラジオ放送がございました。私は愛知官房長官は前に経済閣僚をやっておられたこともあるので、全閣僚の中では有数の経済閣僚だということを信じておったのでありますが、ところがあなたは、手持ち外貨その他の問題に触れて、たとえば八億数千万ドルあるということを端的に表明されておりました。この八億数千万ドルの内容ですね、これは相当問題があるということは、これは通産大臣が御承知だと思うのですが、私きのうの放送を承わっておりますと、私はあげ足をとるわけではありませんが、非常に楽観論です。ところが実情はあなたのおっしゃるような楽観論ではない。たとえば手形の交換を見ても、ことしの春から神武以来の景気ということで非常に喧伝されてきたのですが、不渡手形などは神武以来の件数に上っておって、黒字倒産が次から次と起きておる、こういう状態ですから、一刻も早く国会を開いて、国会を通じて現在の経済状態を国民の前に明らかにしていただく必要があると私は考えておる。たとえば五月の二十日まで、国会でようやく審議をやってきめた予算が、三カ月もたたぬうちに、これは法的に何ら違法でないと、二〇%も一五%もばすばすと大なたを入れて切ってしまった。何のために私どもが六カ月審議したかわからない。こういうような状態は、与党とか、野党とかいうことを抜きにして、国民の前に、日本の経済状態はこうですよと明らかにする必要があると思う。それをもう五日間も準備をしなければならぬという根拠がどこにあるかということを、もう少し明確にお聞きしたいわけです。
  52. 愛知揆一

    説明員(愛知揆一君) 私の申し上げましたことについてお尋ねがございましたから、そこからお答えをいたしたいと思いますが、実は六月の中旬に、改造前の内閣におきまして国際収支改善の緊急対策を決定されたのであります。これは現内閣においても再確認して、その後いろいろと、政府責任におきまして各般の手を打っておるわけでございますが、この数日中の状況を見ましても、今後、たとえば下半期におきまして国際収支改善の具体策が効を奏する場合においては、常識的に申しまして、日本の手持ち外貨は八億ドルを下ることはなかろうと、ようやくそういう見通しがついて参りましたので、今しばらくこの状態のもとにおいて、十分の手を打ちつつ、将来の態勢を固めたいと考えておるわけでございまして、できるならば臨時国会におきましても、そういう点についての政府のやり方あるいは考え方というものを、今少しく安定した基礎の上において国会を通して国民に訴えたい、こういうように考えておりますので、五十日と言われますと非常に長いようにも考えられますが、その辺のところを、もう少し政府の方に勉強さしていただく余裕を与えていただきたい、こういうのが私どもの切なる希望なんでございます。
  53. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 まあ経済界の見通しについてですね、官房長官と私どもと見解を異にするかもしれません。しかし私は、これは水かけ論になるかもしれませんが、官房長官のように安易に日本の経済状態を見ておりません。また長崎で水害が起きても、内閣総理大臣の岸さんが飛行機で行って、岸信介というビラをまいたことによって諌早が助かるとは夢にも思っておりません。あるいはまた消費者米価についても、これは重大な問題ですから、当然、国会において、われわれの責任において十分論議して決定しなければならない、こういうように考えておるわけですが、これ以上あなたと論争しても始まりませんので、最後は党同士の話になるかもしれませんが、私どもの気持としては、一刻も早く国会を開いて、論議すべきものは論議し、ただすべきものはただすべきだということを要望して私の質問を終ります。
  54. 田畑金光

    ○田畑金光君 短期の国会希望されておるというお話でありますが、そうしてまた法律案等についても、輸出振興特別措置法案等を臨時国会でぜひとも政府としては通したい、こういうような御意向のようでありますが、そうしますと、今度の臨時国会政府の提案される問題は、たとえば岸総理が外務大臣として東南アジア、あるいはアメリカを旅行してこられましたが、こういう外交の報告、あいはまた経済危機突破の総合政策を練っておられますが、そういう政府のとられようとする緊急政策の報告、こういうようなことが今度の臨時国会に対する政府の主たる提案の内容であるのかどうか、あるいはまた、国会が終りましてから、すでにいろいろな面において急激な変化がきておりますが、当然新しい政治、経済、社会情勢の上に立って、総理の施政方針演説、あるいは外交に関する外務大臣の方針演説、あるいは大蔵大臣の財政経済に関する方針の演説、こういうような形を組まれて、次期の臨時国会を予定されておるのかどうか、この点に関しまして、もう少し政府考えておられる内容について、具体的な方針を承わりたいと思います。
  55. 愛知揆一

    説明員(愛知揆一君) こういうふうにただいまのところ考えておるのでありますが、それは、やはり今御指摘通り、前回の通常国会後において、たとえば総理は東南アジア、あるいはアメリカ等に参りました。そういうことについての御報告ももちろんいたさなければならないと思います。それから先ほど申しましたように、その後の経済界の変動等についてどういうふうな気持で対処してきたか、あるいは今後どういう気持でおるかということも、所信として総理大臣は当然臨時国会のときに表明をいたすべきものと考えておるわけです。ただ臨時国会でございますと、政府としての提案の件数は、先ほど申しましたようなふうに、しぼって考えておりますので、大蔵大臣等から、いわゆる財政演説的なものは私どもは必要はあるまい、御質疑に対してお答えをするというふうに運営していただきたい、こういうふうにただいまのところは考えております。
  56. 田畑金光

    ○田畑金光君 来月一ぱいの準備期間がさらに必要であるというのは、特に経済の見通し等について、あるいは国際収支の見通し、外貨の動き等に関する見通しが、まだ現在の段階においては十分把握できないから、来月一ばいの準備期間が必要であるという考え方に立っているのか。あるいはまた聞くところによりますと、これは党務に関する問題でありますが、与党といたしまして、今月の下旬ごろから全国遊説に出られる、総理以下全国遊説に出られる、こういうふうな党勢拡大のいわゆる党務の面からきて、臨時国会の召集がおくれているのも、これは客観的に眺めて否定できないと思いますが、そのいずれの事情によって臨時国会の召集を十一月上旬でなければ持てない、こういう工合に延ばしておられるのか、その辺の事情を承わりたいと考えております。
  57. 愛知揆一

    説明員(愛知揆一君) 大体、前段にお話のありました点が、一つの私どもの十一月召集ということにお願いしたい根拠でございます。それから後段の方は、実はこれは党の方の関係でございますが、恒例によりまして、秋にはそれぞれの地方等におきまして、党の、たとえば北海道大会とか、あるいは東北地方大会というのがございますので、その場合に政務の合間をみて総理も出張いたしたい。またいろいろの経済その他の現実の状況等について、地方の事情も十分に承わりたい、こういう気持でございますので、ただいまのお尋ねに対しましては、主として前段に御指摘になったような点が根拠であると考えておるわけでございます。
  58. 田畑金光

    ○田畑金光君 総理は十一月の十八日にさらに東南アジアの方、あるいは、豪州、ニュージーランドの方に訪問されるという方針を決定されているようでありますが、この外遊と今回の臨時国会の会期決定との間に、相当の外遊のために会期決定が制約される、こういうことは非常に遺憾だと思いますが、国会会期の問題と外遊との関係については、政府としてはどのようなお考えをお持ちになっているのですか。
  59. 愛知揆一

    説明員(愛知揆一君) さきに申し上げましたように、召集の時期が十一月ということに考えましたのは、主として準備の関係でございます。同時に政府気持とすれば、これは短期で御審議が願えるのではなかろうかという御期待を申し上げておるわけでございまして、その臨時国会の召集並びに会期の問題と、第二次の外遊ということには、直接関係を持って考えておるのではないのでございます。なお、大体出発は十一月の十八日で、帰って参りますのが十二月八日ということに大体きまりかかっておりますが、まだ訪問先の所で一、二カ所、最終的に何と申しますかフィクスされていないところがございますので、はっきりこのことをここで申し上げ得ないのでありますが、大体十一月の十八日から十二月の八日までということにきまる見込みでございます。
  60. 田畑金光

    ○田畑金光君 先ほど阿部君の質問で大体明確になされたわけでありますが、今度の臨時国会には、官房長官からの今までの御答弁にもありますように、特別の法律、案件等については考えていない。そういたしますと、現在特に与党の政調会等において各般の政策立案を急いでいるわけです。またこれに呼応して各省ともそれぞれの担当部門に関する立法措置あるいは来年度予算要求の検討を急いでいるようでありますが、改造岸内閣が重点をおこうとしている労働政策、文教政策、特にこの労働政策の面等において、いわゆる総評の今度の秋季年末闘争に関連して、政府与党といたしましては、立法措置等においても相当の準備を急いでおるように見ているわけであります。そういたしますと、今度の臨時国会には、こういう労働立法、あるいは労働問題に伴う関係立法の整備、あるいは改訂、こういうような点については臨時国会には全然これを考えていないのかどうか。
  61. 愛知揆一

    説明員(愛知揆一君) 先ほど申しましたように、今のところ労働関係、教育関係等につきましても、いかなる法律案や予算案ができるかということは、全くただいまのところ未定なのでございまして、また同時に、従ってと申すことができるかもしれませんが、かりにそういうものを考えるといたしましても、これは通常国会でじっくり一つ御審議をお願いしたい、それまでに十分な準備と研究をさせていただきたい、こういうふうに考えておりますので、従って臨時国会において、法律案の形、あるいは予算補正というような形では、新しい政策というものは御審議を願わないというふうに、ただいまは考えておるわけであります。
  62. 田畑金光

    ○田畑金光君 さらに念を押しておきたいと思うのですが、中小企業団体の組織に関する法律案、これの取扱い方でありますが、先ほどの阿部君に対する御答弁で、一応、政府考え方というものはわかりましたけれども、ただ官房長官のお話の中にありましたように、前国会でも十分審議を尽されている、こういうようなお話がありましたが、参議院の商工委員会において、この法律案が現実に委員会の爼上に乗せられて審議に上ったのは、会期が一日延長された五月十九日でありまして、従ってあの膨大な法律案が参議院において十分審議を尽された、こういうようなことは毛頭われわれは考えていないし、またそれは客観的に見てもそうだと、こう思うのです。閉会中、関係委員会においてそれぞれ審議を継続されたとは思っておりますけれども、しかし閉会中のことでありますし、この法律案が審議を尽されて、しかも次の臨時国会の短期の期間で打ち上げるというようなことは、とうていこれは望めないことだと、こう考えますが、この点に関しましては、臨時国会において、この法律案の審議促進は政府として当然希望されるでしょうが、十分審議を尽して、そうしてまた審議の段階において、当然通常国会にこれがさらに継続審議に発展する、こういうようなことは政府としても約束されておるものと考えるわけでありますが、この点に関しましてもう一度一つ政府考え方を承わっておきたいと思います。
  63. 愛知揆一

    説明員(愛知揆一君) 先ほど私の申し方が少し行き過ぎた点があったかと思いますが、まあ率直にこれはお願い申しているわけでございますが、なるべくすみやかに御審議をお願いして結論を出していただきたいと、こういうお願いを申し上げるわけであります。
  64. 田畑金光

    ○田畑金光君 すでにわが党からも、政府のいわゆる希望、あるいは期待されておる会期五日間、こういう点については再考慮を求めておると考えております。また、申し入れも官房長官あてにやっているわけであります。官房長官は、努めてこの会期で御協力願いたい、こういう希望を表明されたと承わっておりますが、しかし前国会から臨時国会の間における政治的な、あるいは経済的な、あるいはまたその他社会的な面における諸般の著しい変動を見ましたとき、またその間における災害等の発生を見ましたときに、当然臨時国会の会期の問題は、政府希望され、あるいは与党の希望されておるがごとく、短期でこれを片づけるということは、非常に私たちとしては遺憾なことだと思うし、また国民もこのことを慎重に取り扱うように希望を持っておるものと考えておるわけであります。この点は、まだ相当準備期間もあることでありますので、十分一つ政府当局におきましても、慎重に顧慮されることを強く希望を申し上げておきます。
  65. 小酒井義男

    小酒井義男君 一つだけ。官房長官の答弁の中で、総理が十一月十八日に出て十二月八日に帰られる予定だと、こういうことだったのですが、そうしますと、次の通常国会はいつごろ召集されることになるか、そういう点について何か政府としてのお考えがありましたら、一つ承わりたいと思います。
  66. 愛知揆一

    説明員(愛知揆一君) この点につきましては、十二月に通常国会を開いていただきたいということは当然でございますが、まあ最近の前例等から見ますると、十二月二十日召集というのが最近二年間の例でもあったようでございますから、ただいまのところは、常識的に考えまして、さようなところに一つの目安はおいておりますが、まだ政府として、通常国会を十二月の何日に召集したらいいかということについては、明確な態度をきめておらないわけでございます。
  67. 小酒井義男

    小酒井義男君 皆さんから質問の中にもあったように、この臨時国会の召集については、通常国会の前に開けばいいのだという考えで、従来やってこられたようにわれわれは受取っておるのですが、そういうふうではなしに、やはりできるだけ早期に一つ準備をして、総理の出発の時期等がきまっておれば、そういう点にも特に関係がありますから、できるだけ早い時期に、一つ臨時国会を召集するように政府の方として再検討していただきたい、このことを一つ要望を申し上げておきます。   —————————————
  68. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) それでは次に、国立国会図書館が金銭の寄贈を受けるにつき、本委員会の承認を求めるの件を議題に供します。  国立国会図書館法第二十六条の規定によれば、図書館の奉仕または収集資料に関連して金銭の寄贈を受ける場合には、両議院議院運営委員会の承認を得なければならないことになっておりますが、このたび館長から、インド、太平洋地域の出版物の国際交換に関するセミナー開催に関し、ユネスコ及びアジア文化財団から金銭の寄贈を受けることについて承認を求められましたので、これを議題といたします。  館長の御説明を願います。
  69. 金森徳次郎

    ○国立国会図書館長(金森徳次郎君)  ただいま議題になっておりまする内容を大略御説明を申し上げます。  本年の十一月に、太平洋地域の出版物国際交換に関するセミナーというものを開催する予定をいたしておりまするが、このセミナーは、従来いろいろの変化をたどっておりまするが、昨年あたりから、ユネスコの関係におきまして、日本でこの地域のかようなセミナーを開いてもらいたいという希望が強かったのでございます。ところが、予算の関係におきまして思うように至りませんで、だんだんおくれておったのでございまするが、本年度におきまして、実際使用し得る可能の予算金額四十万円ほどが認められておるわけでございまして、これだけでは、十分かような国際的なセミナーを開くことはできませんので、勢い外部からの援助によるほかいたし方のないような事情でございまするが、前からの関係によりまして、このセミナーの開催を支援しておりまするところのユネスコ及びアジア文化財団から、それぞれ百八十万円と七十九万八千円の寄贈を申し出てきておるわけでございます。そこで、この寄贈の金額、合計いたしまして約二百五十数万円でございまするが、この寄贈の金額を受けたいと存じておりまするが、かような金額を受けることにつきましては、国立国会図書館法第二十六条によりまして、両院の運営委員会の承認を必要といたしております。そこで、その御承認をお願いする次第でございまして、これに関しましてのいろいろの事情を示しまする参考資料は添付しておるわけでございまするが、どうぞよろしく御審議下さいますようお願いいたします。
  70. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 別に御発言もなければ、本件は承認を与えることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  71. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 御異議ないものと認め、承認を与えることに決します。   —————————————
  72. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 次に、先に本委員会の議を経まして、議長において、九州地方の水害状況調査のため議員六名を派遣いたしましたが、その結果につきまして、派遣議員団を代表して小柳牧衞君から御報告を伺うことにいたします。
  73. 小柳牧衞

    委員外議員(小柳牧衞君) 去る七月下旬、九州地方に発生いたしました大水害に対し、議院運営委員会決定に基きまして、自由民主党の稲浦鹿藏君、重政庸徳君、社会党の大倉精一君、永岡光治君、緑風会の森田義衞君と私の一行六名は、現地の慰問及び被害状況調査のため、七月三十一日より八月六日までの七日間、現地に派遣せられましたので、一行を代表いたじまして、その調査の概要を私から御報告申し上げます。  一行は、七月三十一日、東京を出発いたしまして、第一日目は佐賀県、第二日目、第三日目は長崎県、第四日目、第五日目は熊本県、第六日目は鹿児島県という日程の順序に従って、被害状況の調査を行なったのでありますが、各県におもむきました際は、本院を代表いたしまして見舞金を贈呈いたしました。また、災害の各現地は、日程と時間の許す限り、広範かつ詳細に、災害の実情とその原因並びに復旧対策等について調査を行いながら、一方、罹災者に対しては慰問の言葉を申し述べて参ったのであります。これに対して、各県においては衷心より感謝の意を表明され、旺盛なる災害復興の決意を示されましたので、一行は深く感銘をいたした次第であります。  各県の被害状況の概要その他につきましては、ここに詳細な報告を用意いたしておりますが、お許しを得まして、これは一切会議録に掲載きしていただきまして、会議録によってごらん願いたいと存じます。ただ、ここではごく簡単に、今次の災害の調査により感じました諸点について申し上げたいと存じます。  まず、今回の豪雨災の特徴と思われました点は、第一に、時間降雨量がきわめて多く、局部的に集中して、三百ミリから八百ミリという多量の雨を降らせたということであります。第二に、これらの多量の時間降雨量は、治山治水の不十分な山岳部地方の各所に多数の山くずれを続発せしめたということであります。第三に、しかも電気は停電し、電信電話は途絶した夜半の寝込みに不意をつかれましたために、避難する余裕を与えなかったということの三点でありました。そして、これらの原因によりまして予想以上の人的大被害を与えたのでありまして、その惨状きわめて深刻なものがあったのであります。  しこうして、各県の災害は、そのほとんどが山くずれ、あるいは地すべり等、大規模な災害を招いているという現状にかんがみますと、今後は、国土一の総合開発の棄として、壷調査等に科学力を動員して、緊急砂防、森林砂防、ダム建設等の促進をはかり、あわせて地すべり、山くずれ等の防止のための立法措置によって、治山治水の適切なる対策をとられることが必要であると深く感じさせられました。  さらに、各県はいずれも台風常襲地帯であるために、各河川の堤防決壊、道路破損個所等は、僅少な雨量によっても、再び浸水決壊する危険にさらされておる現状であるので、これが復旧については特別に高率国家補助を行い、また、治山治水上重要視せられる河川及び堤防については、国の直轄工事として、すみやかなる着工が必要であることを感じました。また、大災害の裏に、小規模の災害地域がきわめて多く、その総額も相当大きな損害額を示しており、これらは乏しい市町村財政をますます逼迫せしめて、災害復旧をいよいよ困難ならしめている実情でありました。これらの小災害地域に対しては、国庫補助の適用に当り、再検討の必要があるように思われました。  最後に、気象通報について一言申しますと、今次豪雨の気象通報は、その警報発令が非常におくれ、かつまた一般民衆は、大雨注意報、大雨警報等の豪雨警報につき、どれくらいの雨量で、どの程度の被害が予想されるのか、百ミリ、三百ミリ、五百ミリ等の雨量数字は、どの程度の降雨量であるかということについて、十分なる認識を持っていなかったのであります。気象観測に当っては、科学陣を動員して、近代的設備により、きわめてすみやかに、かつ的確に観測して、予想される豪雨地域に対して、わかりやすい気象通報を報道して、事前に万全の予防対策を措置させる必要性を痛切に感じさせられました。そうして、特に災害常襲地帯に対しては、台風期を目前に控えておりますので、緊急に適切なる措置を行うべきであると認めました。  なお、自衛隊の災害現地に対する出動でございますが、その活動は、罹災者の救い出し、死体の捜査、避難所の設置、食糧、被服、寝具等の生活必需品並びに稲の苗等の緊急輸送の応急救援に引き続いて、主要河川、道路、堤防等の応急復旧工事を献身的に着々完了せしめて、緊急災害復旧対策に相当の成果をあげておりました。  以上をもちまして御報告を終りますが、今次災害は、何といっても予想以上の大被害を発生せしめたのでありまして、多数の尊い人命を失いましたことは、まことに胸迫る思いでありまして、一行は心からお悔みを申し上げるとともに、その復旧対策に万全の措置がなされるよう、そうしてその復旧の一日も早からんことを切望いたしております。どうか各位の絶大なる御協力をお願いいたす次第であります。  以上をもって終ります。
  74. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) ただいまの御報告のうち、省略された部分は、これを会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  75. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 御異議ないと認め、さよう決します。別に御質疑も……。
  76. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 今の報告の最後ですが、そういうような惨たんたる状態ですから、国会でも開いて十分なる対策を立てるという結論は出なかったですか、ただここに報告して終りですか。
  77. 小柳牧衞

    委員外議員(小柳牧衞君) ただいまの御質問にお答えいたしますが、この報告は、同時に各委員会等を通しまして報告しておりますので、政府におきましても直接調査もいたしておりましょうし、またわれわれといたしましても、見るところを報告してありまするから、それによって適切なる措置をとられるものと思いまするが、一面、われわれといたしましても、立法措置をやらなければならぬ財政上の措置であるとか、あるいはここにもちょっと触れましたが、この地すべりに対する法的の措置とか、そういうようなものは、ぜひ講じてもらいたいということに、団員一同の意見が一致した次第でございまして、そのことはそれぞれの方に報告してある次第であります。
  78. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) それでは本日はこれにて散会いたします。    午後一時十八分散会    ——————————