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説明員(
木田繁君) オットセイの
関係漁
業者といいますか、今までに、このオットセイを前にとっておりました者に、
昭和十七年から戦争の終ります時期まで、
日本といたしましてはこれに許可をいたしておったのでございますが、その後それを司令部の指令等によりましてずっと
禁止の姿できております。
現況におきましては、
日本の国内法といたしましては、一応許可ができることになっております。しかしながら省令の方ではそういう許可のことにつきましては、取り扱わないといいますか
禁止をするという建前でございます。それでオットセイが
現実にきましたときに、ほかの漁業と関連をいたしましてとれるという可能性がありますのは、鉄砲を利用いたしましてイルカをとる漁業がございます。これが一番多いのが岩手県でございますが、岩手その他太平洋岸におきます諸県におきます、その
関係漁船が百七十一隻でございます。この百七十一隻のものにつきましては、どうしてもオットセイをとらした方がいいというふうな考えのもとに、この
条約の商議に臨んだわけでございますけれども、
現状におきますオットセイに関する知識が非常に不十分であるから、その知識を十分にしてから後に海上でとるのをいいか悪いかを判定したい、こういう趣旨のもとに
現況におきます
保存の
条約ということで、海上における商業的猟獲は解除しない、かようになっております。他方この生物科学的な調査を十分に行いたい。そういう趣旨から
委員会を設けて、毎年これを検討することにいたしておりますが、この科学的な結果を精密に得ますためには、どういたしましても違反でありますとか、あるいは過失によってとられるようなものでも、とにかくオットセイの海上におきます普通申します密猟というようなことを撲滅いたしたい。この点につきましてはイルカの漁
業者もその趣旨には全く賛同であり、できるだけすみやかにわれわれとしてはこの海上における猟獲というものが自由になることを望むということから、自粛的にそういうふうな違反なり密猟のあることを防ぎたいということで、今までの漁業をやめたい。で、ただやめるだけではどうしても困るから、そこで
政府に対しては、新しく漁業転換をしたいから、その転換の方の手当について応分の考慮をしていただきたいというような話がございまして、そこで現在このオットセイの百七十一隻のイルカの漁船のうち、三十トン未満のものにつきましてはこれを廃船いたします。そして新しく三十トン以上の船を作りまして、その船によりましてモウカザメのはえなわに転換をさせる、かような考えをいたしております。そのために三十トン未満の船につきましては、これを廃船いたしましたものに対する交付する金といたしまして、大体一億五千万円
程度、それから新しく三十トン以上の船を作ります場合の建造のために二億五千万円
程度、それからさらにモウカザメのはえなわに転換をいたしますので、その漁具の
関係といたしまして、約一億円の予算を三十三年度に計上いたします。それで転換を促進さしたい、かように考えておるわけでございます。