○
政府委員(
井上清一君)
お答えを申し上げます。現在
中共におきまするこの
引き揚げ問題の要点は、以下申し上げるような点であると考えます。
ただいま
戦犯として拘禁されております者が約四十四名、このうち数名が最近釈放されまして帰るというような
連絡が
日赤にございまして、これが
帰国につきましては、他の
帰国者の人数が判明次第
配船計画を立てまして、すぐその方をお迎えしたいという考えで、このほかに次に
残留者が約六千名ございます。この多くは
中国人と結婚をした
帰人でありまして、この
人たちが一時
帰国、いわゆる里帰りをするにつきまして、
政府が経費を負担すべしというような問題も起っておるのであります。この件は
厚生省の御
関係で私から申し上げる
筋合いでないと思いますが、
厚生省の方でいろいろこれについては御研究のようでございます。そのほかに御
質問にございました、つまり
状況不明者が約三万人ございます。先般までは約四万人と言われておったのでありますが、その中でその後
資料によりまして判明いたしました者約一万名を除きまして、現在は状況不明の者は約三万名ということでございます。なおそのほかに
在中共邦人遺骨の
収拾方につきましては、各
方面から御要望があるわけでありまして、これらの諸問題がいわゆる
中共地区における
引揚問題と総括して申し上げることができるかと思うのでございます。
それでこれらの問題はいずれも
人道的な問題であり、
わが国といたしましてもできるだけ
解決をすみやかにしなければならぬ問題であると考えておるわけでございますが、現在のような
中共との
国交の
関係でございまするので、
政府といたしましてはこれを
ジュネーブにおいて、
ジュネーブに駐在いたしております
わが国の
総領事と
中共の
総領事との間に、いろいろこれらの問題について
折衝をいたさせておりますることは御承知の
通りでございます。それで先般来
衆議院の
引揚対策特別委員会におかれまして、ぜひ今後
一つ、こうした諸問題を
解決するために、
議員の
方方を
中共に渡航さして、そうして今の問題の
促進をはかると同時に、これらのいろいろな問題についての
調査を、
中共側と
連絡の上進めたい、かような御
意見であったわけであります。
それで
政府といたしましては、今後ともやはり
両国政府の
ジュネーブにおける
機関を通じ、これらの問題をさらに一そう
促進をいたして参りますることにつきましては、もとよりでございますが、これらの
折衝と並行いたしまして
議員の
方々が
中共に渡航されまして、そうしてこれらの問題を、つまり独自の
方法で、またこれらの
政府がやっておりまする
方法を鞭撻していただく、という
意味におきまして
国会からおいでいただきまして、これらの
促進方をおはかり願うということは、
政府としましてまことにけっこうなことである、かように考えておるような次第でございます。先般
閣議におきまするところの
お話の
趣旨も、また昨日
引揚特別委員会におきまして
総理大臣から
答弁いたしましたことも、私がただいま申し上げましたような
趣旨と存じておる次第でございます。