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笹森順造君 今の国際結婚の問題は、いろいろ問題がありますが、
向うに参りまする前に、できるだけ
向うへ行ってりっぱな市民となり得る予備的な何かの指導、補導ができるようなことについて、民間の運動がほしいということは、私も同意でありますが、そういうことはないようでありますから、特に今後婦人団体等について強く呼びかげをしていただくということは、これはこの点について希望して、その点はそれで
質問を打ち切ります。
さらに大きな問題は、今後に属する問題として、三年間を予定しておりまする短期農業労務者の問題であります。これは御承知の通りに、すでに昨年から千人の予定で
向うに参っておるわけで、相当な成績を上げておる、至る所で
向うに歓迎せられておるということを、私
どもは仄聞しておる次第でございます。さらにまた、今いろいろな交渉が始まっておって、新しい年度に
おいて千人行くでしょう、三千名は行くということになっておる。ところが、ここで私は特に
外務大臣にお願いをし、その
構想についてお聞きをしておきたいことは、初め毎年千人、三年続いて三千人、それを三年たって帰してよこす、しかも、その者が将来営農
資金を百万円というものを三年後には必ず持って帰れるというような
構想で始まっておるようであります。これもまたいろいろな制限なり、条件がありましょうが、そのこまかい内容については論議はいたしませんが、とにかくそういう
一つの
構想、大体うまくいきそうです。しかし、そこで問題になって参りまするのは、所得がありましても彼らの支出が非常に多いということが問題になっている。そのうち一番大きな問題は、何としても税金の問題であります。そこでこの税金の問題をどう取り扱うかということについては、これまた必ず
両国の間に起ってくる問題でなかろうか。伝え聞くところによりますと、四十万から入っておりますメキシコ労働者は税金を払っておらぬということを聞いておるのです。で、これらの点は十分に
一つ御
検討なされていただかなければ、せっかく百万円持って帰ろうというのが、所得税を
向うで二割も取られるということになると、彼らの期待ははずれてくることになるのです。しかし、これは
両国の間の納税の問題にも
関係して参りましょうが、しかし、彼らとしては非常に大きな関心の問題でありますから、ここで御返答いただきませんけれ
ども、十分に御
検討なされて、他の国に与えておる最大の
援助を彼らも得るようにしていただきたい。千人が百万円ずつ持ってくると十億円になりますか、そういうようなことになる。それは金の問題。
ところがもう
一つの大きな問題は、単に三千人ではない、四万人くらい入れたらいいじゃないか、メキシコが四十万人で、
日本の労働者はメキシコの労働者よりもなになので、四万人入れたらいいじゃないかという話が起っておった。試みに三千人になっているが、これがうまくいきますると、将来は
日本の農業労働者が
米国の農業の上に非常に貢献するものとして認められておる。そしてその問題が、先ほど申しましたように、
日本からは
向うの移民法に従って自由に行き得るということになりはしないか。そこに先ほど申し上げましたゼントルマン・アグリーメントというものはもうなくなっていいのじゃないか。そうするとカナダにも、あるいはメキシコにも、遠慮して移民を出さないということはなくなるのじゃないか。すでに
外務大臣も
米国に対する新しい
構想なり関心があるのであるから、これについて根本的な、そういうことで短期労働移民をふやすということについて、せっかく移民行政の
関係に深い者がこちらに
おいでになるということであるから、それを十分お
話し合いをしていただけないだろうか。そしてこの
構想が結局日米の新しい
状態を強める、移民によって、しかも平和移民として
日本の大きな問題に貢献する、それゆえに
世界各地が
日本の移住者を歓迎するという
方向に行かなければならない。この問題が案外大きく取り上げられておらない感じがする。
私はこれで
質問を終りますが、将来の数に対する
考え方と、現在補導を与えると言っておりながら、どれだけのことをやっておるかというと、伝え聞くところによりますと、この派米協会に対する配慮がはなはだ少いように考えておる。従って、今年千人、今度二千人というものに対して手当がなされていない。このような点について、思い切って
向うに対する在外公館なり、派米協会なりに強力な指導を与えなければ、せっかくの問題がここで水泡に帰する、画餅になってしまう。そうすると、このせっかく開かれたよい機会が何もならないということになりはせぬか。この問題に対する
外務大臣としてどういう
構想を持って臨むか。これを処置するのにいい試金石なので、現在行われておるのでありますから、これについての御熱意と将来に対するどういう派米協会等に
援助の手を伸べて満足させるかという点をお答えを願って、私の
質問をやめます。