○石黒忠篤君 私は
日本の
立場としての
主張でなくして、全人類の将来の運命に関する問題として御
主張あらんことを希望するのであります。また
世界の学者がこれを認めて、そうして学者の職務以外においても、これをすみやかに
禁止するように訴えなきゃならぬということを言っておるのであります。でありますからその
意味において、唯一の被害国であった
日本が全人類のためにこれを唱道するという見地で、御
主張あらんことを私は希望いたすのであります。
これのためには、科学的の実証の材料になるところの研究の資料の完備ということが、一刻もすみやかにできることが必要だと思うのであります。この点に関しまして
日本は特殊の研究資材を持っておると思います。それは蚕であります。ショウジョウバエだのハツカネズミだので、外国の学者が遺伝に悪い影響のあるのを、どのような実際が示すのであるかということを試験しておるのでありますが、それよりもある点においては非常にましな、実際の結果をすみやかに認め得る供試動物、蚕というものがあって、それの研究は
日本が非常に進んでいる。優種を選び出すためにこれを研究している人が非常にたくさんそろっている。その目が非常に発達している。数万の生物の中から一、二の変体を見出すという、科学的知識と観察の目がそろっている。これを利用いたしまして、
日本がすみやかに遺伝の上の悪影響のはっきりした実態を示して、そして
政治家の人類将来に対しまする
責任ということを、痛切に
感じさせるようにするということが、私は最後の手段であろうと思う。こういうことにいたしまして、
一つ供試動物及び試験機関のいいものを持っておるのでありますから、
政府はこれを十分に督励なさって、そしてその材料を
世界に提供なさるということにお進みになられることを私は希望するのであります。
そこで期間を限っての
禁止を御
主張になるかどうかということをお尋ね申し上げましたが、私は期間を限るということは理想的でない。絶対
禁止でなくちゃいかぬと思いますが、実際の
政治に合わせるために、しばらくの間
禁止をしていくということも
一つのいき方だと思います。ただしそれはその間においてただいま申し上げましたような材料をそろえて、これは絶対
禁止に進まなければならぬということの確信を
国際政治家に持たせるということのために、これを利用をいたして、そしてこれを永久に続ける、絶対のものにするという
考えでお進みあらんことを願うのであります。はっきり御
提案の内容を親しく伺うこともできなかったのでありますが、これはやむを得ぬことと思います。
そこで最後に伺いたいのは、先般
政府が
登録制の問題をこれに関してお
出しになって、これは実行性の多いものであるから
提案した、こういう実際上の見地からの御説明があったのであります。それも実行になっておらないのであります。これは引っ込め方をどうなさるかということが御苦心のことだと私は思うのでありますが、体裁の悪くないように引っ込め願うことを希望いたして私の
質問を終ります。