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千田正君 ただいま
農林省の
永野官房長から御
説明がありましたが、さようなわけで皮の
配分をめぐる問題も
あとから出てきますが、
アメリカとしましてはわれわれの
考え方からいいますると、皮の独占をやろう、モノポリーをやろう、こういうのが当時から
一貫して流れた
考えであるとわれわれは想像するのであります。なぜならば
ラッコ、
オットセイの皮は世界の市場において、いわゆる
毛皮としては最高のものとして、
アメリカとしてはあくまで維持したい、
アメリカにおいては単なるわずかの一社、これを取り扱う
会社は
一つの
毛皮会社一社だけがあるのであります。そしてソビエトロシヤの分も、
カナダの分も、
イギリスの分も、
日本の分もその一社が取り扱っておるという、そういう関連からいうとわれわれは
アメリカの一社の
皮会社の
ために、
国内におけるところのわれわれの
漁業者の
漁業というものも拘束して、こういう
国内法を作らなければならないのかということにも、われわれは非常な
矛盾を感じておったのです。今後といえども、この間の日・米・カ・ソのこの
ラッコ、
オットセイに関する
会議におきましても、
アメリカ側が強く
主張しているのは陸上猟獲である。皮は全部
アメリカ側が寄託を受けて、そしてそれを販売して、そしてその
配分の金をあなた方に分けるからだまってついて来い、これが今までの
会議の
内容であります。こういうことにわれわれはだまって追従していくのかという点に、残念ながらわれわれはあまり賛意を表したくない。なぜならばさっきも言いました
通り、
日本の
国内に
生息しない
動物に対してまで、われわれは
国内の
漁民を圧迫して、しかもとったならば財産を没収する懲役は何ヶ月だ、こういうような過酷な
法律を
国内において取り締りをしてまでも、
アメリカの
一皮会社をもうけさせなければならないというそういうことに対して、私は非常にこの
国際法に対する
矛盾を感じているのです。
総理大臣としてはこういう問題に対してどういうふうにお
考えになりますか。かりにこの問題については、かつてわれわれ
委員会のこの席上においても盛んに論じたのでありますが、それならば、アフリカのライオンでもあるいはインドの象でも
日本には
生息していないのだが、やむを得なく海外からの圧迫の場合においては、そういうものをとってはいけないという
法律を
国内でやらなければならない。飛躍した論理になりますけれども、そういうようなはなはだ
矛盾した
法律だと私は思いますので、この点をはっきり
一つ総理大臣から、
日本の国は
自主的外交でいかなければならない、しかも
国内がせばめられて、いわゆる
食糧資源を持っているにすぎない今日において、あくまで
農民漁民というようなこの
原始産業に携わる
人たちに対しては、
国内的に
保護していかなければならない。こういうような観点で少くともわれわれ
農林水産委員は毎日論議しているのでありますから、その点について私の方としましてはどうしても
納得いかん点がありますので、この
矛盾に対する明快なる回答をお願いしたいと思うのであります。