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柴谷要君 どうも
内容を十分知っている方でないと、副
総裁の
答弁は全然おわかりにならないと思う。そこで、まあ
皆さん方におわかりになるように端的に申し上げたいと思うのですが、今
国鉄の
労働者が平均ならして一万八千六百円ほどの
ベースになっておるわけです。ところが、これに千二百円を足して、そうして一万九千八百円ですか、この
ベースにするというのが
仲裁案の
内容だと思っていた。ところが、一万八千六百円というのは、これは
実行単価、今日
職員に
支給をしておる
単価です。ところが、
政府の認めたところの
予算単価というものは一万八千何十円ですか、そこらになっておる、この上に千二百円を足せと、こういうことになっておる。ですから、今これに千二百円を足しますと一万九千二、三百円になる、このうちから
実行単価一万八千六百円、これはすでに
支給しておりますから、差し引く、そうすると六百四十五円残る、この六百四十五円がすぐ
ベース・
アップになっていけば問題はない。ところが、五百二十円という第二次のやつが問題になって、この三分の二しか認めないと、こういう形になってきますると、今度は千二百円の
ベース・
アップをするように世間ではみんな
考えておるけれ
ども、実質的にはそういう形になってこない、こういうのが
実態なんです。そこで、まあ私の聞きたいのは、実はその五言二十円の第二次のいわゆる
確定賃金をどうして三分の一引くのか、この問題は
仲裁の中に問題として、将来こういうことについては解消していかなければならぬ、こういう字句があるわけです。その将来というのを利用して、今回これを差っ引いてしまおう、こういう
考え方なんです。ここに私は間違いがあると思う。そこで、まあ
衆議院の方では
社会労働でも
藤林委員長のおいでをいただいていろいろ聞いたところが、将来は今日この場ではない、将来ということはあくまで将来だ、こういう
答弁をされておるわけだ。そうすると今回やった
政府の
処置というのは、これは
仲裁裁定に完全に一致した
見解のもとにやっておられる行為ではないと思う。そこにやはり
国鉄当局あたりは、
組合と
団体交渉の上ではっきり出た
内容ですから、それはもう
政府に
——仲裁裁定の出された
藤林先生が言われたことですから、強く要求されて、まあ三分の一も復活してもらう、こういうことにしないと、実は名目的な千二百円であって、実質的には
幾らも上っておらない、こういうことになろうかと思う。そこをやはり
国鉄当局としては十分
一つ考えられて、
運輸大臣に十分これは
努力してもらうようにまあ働きかけてもらいたい、こういうふうに思うのです。そのことがかえって筋が通る
仲裁裁定であり、
藤林委員長が言明された
内容に沿うものと思う。これが歪曲されて
仲裁裁定が完全に
実施されないということになりますと、またまた
公労協一丸となったところのまあ問題が発生してくるような気がするのです。私
どもは、
仲裁裁定を完全に
実施をしてそうして
政府がいくならば、今日のような
公労協を
中心にし、あるいは
官公労を
中心にしたところの
闘争というものも、相当私は質的に変化をしてくるのではないか。とにかく、
政府が守らずしてここにごまかしの
仲裁裁定を
実施するようなことがあるとするならば、これは今日を境にして、非常に
公労協の状態なりあるいは
官公労、ひいては全
労働者階級に悪い影響を与える。それのみか、それがひいては激しい
労働運動となって現われてくるような気がしてなりません。そこで、まあ
国鉄当局としても、とにかく
調停案の
趣旨を了として、しかも、
団体交渉で
結論を出したものをこの際認めていかぬというような形ではなしに、完全に認めていく、こういう態度を明らかにして
一つやっていただきたい、こう思うわけです。それから
実行単価と
予算単価、これを近づけていく、こういう
努力は今後大いにやっていただかなければならぬと思うのですけれ
ども、果して、
政府が今日のような
実態の中で、これはもう
予算単価と
実行単価を合していく、
ほんとうにぴったり合していくということは、私はまあ運用の上からいっても至難な問題ではないかと思う。こういう問題を
一つまあ十分お
考え願って、
裁定の問題についてはやっていただきたい。
それから今回
補正予算の中に組まれております
内容を見ますと、いわゆる
国鉄自体がですよ、
基準内と
基準外を合せて、まあ何といいますか、流用、あるいはこの中で操作をやっておったことが、今度は
基準内は
基準内、
基準外は
基準外と明確に分けられて、
国鉄の
自由裁量を全然施す余地がないようにあの
補正予算の
内容を見ますると思われるのですが、この点のお
考え方はどういうふうにお
考えになっておられるか、この
見解をちょっと
お尋ねいたしたい。