○
中村正雄君 言葉の上の答弁としては、一応どんなことでも言えると思うのですが、私は常識的に不審を
感じますのは、
輸送力が四割近くふえて人は一人、もふやさない、いわゆる各部門においてはふえる人もできるが、現在の四十四万によって何とか内部操作でやっていきたい、こういう全体の構想のように聞くわけなんです。一般の民間の生産
企業であれば、これは機械の新設によって三割も四割も人を全然ふやさなくても生産は上る場合もあると思います。ところが、
国鉄のようなところで、幾ら機械化を採用しましても、いわゆるそれによって浮く人の数というものは、僕は局限されたものだと思うのです。たとえば四割近い
輸送力の
増強をやるのであるとすれば、やはり
輸送力増強の根本は、列車の増発だと思うのです。列車をふやすのであれば、動力車の乗務員と列車の乗務員は必ず要るわけなんですが、四割やはりふやすとすれば、そればかり見ても要ると思うのです。特に私が
考えますのは、本
年度から五カ年
計画で、いわゆる
工事関係でも二千何百億という金を五カ年間に使うわけです。こういう金は、これは一般の民間が請け負ってやるのかもしれませんが、立案し、企画するだけでも
相当な人も要ると思うのです。
国鉄自体もやはり内部において実施する仕事もあると思うのですね。こういう
関係にも
相当人が要ると思うのです。
輸送力増強に伴います人の面が、機械化その他によって浮きまする人によってまかなうことは、私は常識じゃ
考えられないと思うのです。従って、私は初めから
感じております点は、この
国鉄のお出しになっております五カ年
計画は、私は人の面からくずれていくと、この
計画には人の面については全然
考えておらない、金の面と仕事の面、これは
相当徹底的に詳しい
資料に基いてお
考えになっておりますが、裏づけする人の面については、端的にいえば全然
考えておらない、現在の人を酷使することによって五カ年
計画を達成しようとしか
考えておらないと、こういうふうにしかとれないわけなんです。これはここで幾ら
議論しても仕方ありませんが、具体的な問題については後刻また御質問するとして、この五カ年
計画については、もう一度人の面から再検討されたいという点だけを要望しておきたいと思うのです。
もう
一つ、今の
予算に関連して、来年便
予算ですが、非常に心配いたしておりますのは、今度の五カ年
計画の修正によりますと、特に出されておりまする
政府の
資料の冒頭に、
工事費の一割を
節約して九百五十億の修正部門の一部に充てたい、こういうことを書いているわけなんですが、果して
工事費の一割、
計算によりますと約三百億以上の金になると思いますが、これが
節約できるのかどうか。これはまあ言葉の上、
数字の上では
節約できると思うのですが、実際上、これ
節約ができるのであれば、なぜ今まで
節約しなかったか。これから
節約できるのであれば、言いかえれば今まではむだな金を使っておった、こういうそしりを免かれないと思うのですが、その実現の自信については、副
総裁、どういうふうにお
考えになっておりますか。