○
江藤智君 いま
一つ私の感じたことを申し上げますというと、何といっても
輸送力をつけますためには、線路容量がなければいかぬ。線路容量をつけますためには、いろいろ方策もございますが、根本的な解決は線路増設、すなわち単線区間を複線化し、複線区間を四線区間にする、こういうことであります。わが国の
鉄道がいかにそういう面においておくれておるかということは、諸外国
——イギリスやドイツやフランスやアメリカの
鉄道を一目ごらんになった方はよくおわかりなのでございまして、イギリスやフランスあたりはもう半分以上も複線化、全線路延長の半分あるいはそれ以上も複線になっておるのに対して、
日本はまだ十何%ぐらいしか複線区間がない。これではそれらの国に比べて、それ以上の
輸送量を、はるかに大きい
輸送量を要請されておる
日本の
鉄道としては非常におかしな格好になっておる、こういうふうな
気持がするわけでございます。で、この五カ年と申しましても、これは
日本の
鉄道をあるべき姿に踏み出す最初の五カ年でございますからして、そういうような面も十分に
一つお
考え下すって、真に
輸送力を
増強するということを第一の建前において
一つやっていただきたい、こういうふうに希望を申し上げます。
それから第二に、その
態勢を整えてもらいたいということを申したのでありますが、その面で一番、私らが一目見て、これで
態勢が整うかどうかと心配なのは、総
経費がまことに少いものしか認められておらぬ。昨年五百何十億に対しまして約五十億
程度の総
経費である。ことしは倍の一千何十億というような
工事量がふえておるにかかわらず、依然として五十二億、結局二億
程度の総
経費しか増加しておらぬ。言うまでもなく総
経費というものは、ほとんどこれは
人間に対する、すなわち設計
要員あるいは
監督要員に対する
経費なのでございまして、倍にもなるような
工事計画をしておきながら、それに対する
人間というものがほとんど変っていないということは、まず非常におかしく感じられる。また、これをほかの公社の
予算を見ましても、電電公社が来年は六百何十億かの建設費に対しまして、たしか五十六億かの、
国鉄よりも多い総
経費を同じたった一枚のページが違っただけで認められておる。内容的にいきまして、
国鉄がそんなに電電の仕事よりも簡単な仕事とはわれわれはどうしても
考えられない。かりに、パーセンテージで見ますと、
国鉄におきましては、
工事経費に対しまする総
経費の
割合は、四%八であります。ところが、一ページあけまして電電の総
経費の
割合を見ますというと、倍の八・八%になっておる。果してこういうことで
国鉄が真に腹を据えて五カ年
計画を遂行するというお
気持であるのであろうかという点が、私はむしろその決心のほどが疑われるような
気持がするのでございますが、その点におきまして
一つ国鉄の
考えを聞かしていただきたいと思います。