○柴谷要君 五カ年
計画は資金の裏づけがあればできる、このような簡単な御答弁がありましたが、実際に
一つの例を申し上げてみたい。これは東京工事局の問題ですけれ
ども、これは工事局の要員なり、組織の拡大をはかってやはり五カ年
計画の態勢に即するような
状態を作り上げないで、工事を
計画しておるところに無理がある。そこで、現在の東京工事局が年間どのくらい工事を受けられるかというと、三十億せいぜい、用地買収が五億なんだ、三十五億の年間消費しかできない。そこへもってきて、五カ年間の総工事は幾らかというと、五百十五億円あてがわれる。しかも、その中から用地に百三十二億、これを差っ引いた金額を、年間三十億しか消化できないというなら、年間三十億で割ってごらんなさい、数字は明確に出てくる、十二年七カ月という。私は、数字がちゃんとものを言っておる。決してうそじゃない。それに対して五カ年
計画であるから二・五倍の工事遅延の問題を何とか五カ年で仕上げようということでいろいろと
要求しておる。その
要求の内容はすでに
国鉄当局は御存じだと思います。当面最も必要とするところは、
調査計画の推進が当面の緊急な問題であるので、これに全力をあげておる。ところが、
調査計画の推進というものに対して、陣容が整っておらないから、そのような
状態に行っておらぬ。
続いて要員なり組織その他の問題は十分
整備してもらいたいという
要求をすれば、要員はちっともふやさない、設備はそのままだ、こうなってくるというと、現行の工事局の工事担当量というものは三十億なら三十億にきまってしまい、年間を通じて用地を引いた金額を割れば十二年七カ月が出るのだから、これは口先だけでごまかしても、五年後にその結果が出るのですから、そのような態勢を作り上げていかなければこれはできない。これを正直に
国鉄は、もっと
運輸省なりあるいは
政府にこの
実情を訴えて、そうして早く態勢をしいていかなければ、これはどうにも私はならぬと思います。これは最後にいってですよ、副
総裁、
総裁が五カ年ででき上りませんでした。
責任を感じてなんということで事足れりと思ったら大間違いである。そこに問題がある。こういう問題を真剣に
考えておられる皆さん方ばかりでなしに、職員全体もこういうことを
考えておる。しかも、最近の新しい事例でありますけれ
ども、五カ年
計画を遂行するためには全力をあげて協力します。工事局職員が打って一丸となって協力いたしたいと当局に申し入れをしたではありませんか。しかしながら、現在の陣容ではこの
計画に乗っての仕事はできません。最小限度の要員を確保してもらいたいということを当局に陳情したところが、当局は何と言っておる。現在の陣容で工事がおくれるならばやむを得ませんと
責任ある
局長が答えておるではありませんか。七年、八年もかかってやむを得ませんと、ばかげた発言が常々と流れておるということは、これは明らかになっておる。ちゃんと私のところに全部
資料が来ておる。名前を申し上げませんけれ
ども、辞任ある
立場の人が、少くともそういう言葉を述べておるということについて、五カ年
計画をいかように
考えておられるか、その真意を聞きたいと思う。それが今のような答弁であるとするならば、少くともこういう問題については、労使一体となって真剣に
考えて遂行しなければ私はならぬと思います。ところが、今日果して労働者に対するあなた方の態度というものはどういう態度でありますか。真に
国鉄の五カ年
計画を遂行するためには力をたくわえておる、ために職員が全力をあげてあなた方に協力するという言葉を述べておる。それにもかかわらず、現在どうにもなりません。それで工事が遅延するならやむを得ませんということを
責任ある人が言っておる。そんなことで五カ年
計画を国民に公約をし、しかも、
政府の政策として五カ年
計画を遂行すると国民に公約しておきながら、こういうことが一体現在の
国鉄の幹部の中にありとするならば、これは大いに糾弾しなければならぬと思う。しかし、この人の言葉もたまたま話のついでにそういう言葉になったかもしまれせんけれ
ども、これが陰に潜んでおるところのあなた方の悩みであると思う。その悩みを十分ぶちまけて、これは
運輸省なり、
政府なりにやらせなければならぬと思います。このことを私は言いたいために、きょうは発言の機会をいただいておる。どうかそういう意味で、五カ年
計画は、私が申し上げたのは、これは組合で作った
資料ならいざ知らず、れっきとしたあなた方の機関が作られた
資料ですよ、これは。こういう材料を私の方によこして、こうしてわれわれにも検討してくれという熱意のある幹部があなた方の中にはたくさんおられる。しかし、その熱意のある人が国会を通じてわれわれにやられるけれ
ども、果して
運輸当局なり、
政府なりにこういう強い態度で臨んでおられるか、私は臨んでおらないと思う。それはなぜかといえば、ややもすると労使間の問題が
政府にたたかれ、あるいは外郭団体の問題がたたかれ、内部から汚職が発生し、そういう中においてあなた方が苦しい
経営に携わっていることもよくわかる。であるからこそ、五カ年
計画遂行に当っては強い決意を持って、
政府なり当局に当るべきだと私は思う。この決意ありやいなや、
一つ明らかに見解を聞きたいと思う。これに対して、また
運輸大臣はあまりのんきなことばかり言っておるのが能じゃありません。
国鉄の実態をもっと詳細に調べられて、こういう事実の上に立って私は議論をしておりますから、陸運事務所の実態はきのうも私はとうとうと申し上げ、大村
政務次官は、真剣に取り上げてやりますということを約束されたから、私はあえて申し上げませんけれ
ども、陸運事務所の実態は、数字をもって私は昨日申し上げた。きょうになってみれば、
大臣も陸運事務所の実態は大いに調べなければならぬ、どうもまことにひどい仕事をしておる、そんなことじゃいけませんね。あなたが、少くとも
大臣に就任せられてから、何カ月か期間があるわけです。その間において
運輸省の実態はどうなっておるか、
国鉄の五カ年
計画はどうなっておるか、そのくらいのことはあなたが十分お調べを願って、そうして打つべき手は打ってもらいませんことには、今言ったように、
政府として国民に公約した五カ年
計画である以上は、れっきとしてあなたは
責任のある
立場にあるのですから、明確にこれを遂行するだけの準備と、
国鉄に用意をさせなければならぬと思う。そういう意味において、特段の
運輸大臣の
努力を要望しておきたいと思う。これに対する御意見がありましたら、
一つ述べていただきたい。