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1957-02-12 第26回国会 衆議院 予算委員会第四分科会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年二月十二日(火曜日)    午前十時二十八分開議  出席分科員    主査 宇都宮徳馬君       江崎 真澄君    上林山榮吉君       小泉 純也君    河野 金昇君       小坂善太郎君    山本 猛夫君       井手 以誠君    小松  幹君       森 三樹二君    横錢 重吉君  出席国務大臣         建 設 大 臣 南條 徳男君  出席政府委員         建設事務官         (大臣官房長) 柴田 達夫君         建設事務官         (大臣官房会計         課長)     關盛 吉雄君         建設事務官         (計画局長)  町田  稔君         建 設 技 官         (河川局長)  山本 三郎君         建 設 技 官         (道路局長)  富樫 凱一君         建 設 技 官         (営繕局長)  小島 新吾君  分科員外出席者         大蔵事務官         (財務調査官) 市川  晃君         建設事務官         (住宅局住宅総         務課長)    鮎川 幸雄君     ――――――――――――― 二月十二日  分科員森三樹二君辞任につき、その補欠として  横錢重吉君が委員長の指名で分科員に選任され  た。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  昭和三十二年度一般会計予算建設省所管  昭和三十二年度特別会計予算建設省所管     ―――――――――――――
  2. 宇都宮徳馬

    宇都宮主査 これより予算委員会第四分科会を開会いたします。  本日は昭和三十二年度一般会計及び特別会計予算建設省所管について質疑を行います。  質疑通告順にこれを許します。小松幹君。
  3. 小松幹

    小松分科員 最初に大臣にお問いします。本年は建設省関係予算は大へん恵まれたような形になってけっこうだと思いますが、その使い方がやはり問題になると思います。それについて特に一つ道路からお伺いしたいと思いますが、この前ちょっと建設委員会に出ましたときも、中島君からお尋ねになっておりました道路で一番問題になっておる中央縦貫高速自動車道路の問題であります。これを、大臣は、この前御答弁のときに、まだやるかやらないかはっきりしないんだけれども、とにかく調査費だけは組んだんだというように発言されて、中島君もそれにだめを押しておられた。その点は、やるかやらないかはっきりしないという御答弁なんですか、そこのところをもう一回はっきり御答弁願います。
  4. 南條徳男

    南條国務大臣 この前中島委員に対して私もその問題について御答弁申し上げたのでありますが、今のお説のやるかやらないかということは、誤解があると思います。国土縦貫自動車道については御承知通り当院で継続審議中なものでありまして、これをやるということについては国会できまっている問題だと思います。ただ、今までこれの所管とかいろいろな法律上の問題について運輸省内、建設省、特に国会における委員会等においていろいろ問題がありましたために進捗しないでおったので、これをこの国会中において進捗させるようなことにしたいと思いまして、両省間の協定をつけまして、これについての高速自動車国道法案というものをこの国会に提案する運びに今なっております。この御審議を願えれば、おのずから今までの継続審議国土縦貫道路との間の調整をいたしまして、そして高速自動車道というものを明確にして今後促進したい、こういう考えでありますから、やるかやらぬかじゃない、はっきりと縦貫道というものをやるという方向で進みたいという考え建設省はおるのであります。その一つの行き方として、今年度の予算に、名古屋-神戸間の高速自動車道を一部着手することにいたしまして、予算を計上いたしております。なお、今まで調査をいたしておりませんので、それについても十分調査をしたいという意味で、調査費を四千万円計上いたした、こういうことを申し上げておるわけであります。真相はそういうことであります。
  5. 小松幹

    小松分科員 そこで、本年ば名古屋-神戸間に着工すると言っておりますが、もう一つ重大なのは、東京名古屋間の路線設定地ですね。これは、すでに国会で議決しておる線路というものは、中央線路決定した格好で進んできておる。それによりますと、最近運輸省建設省で調整した所管事務的なものははっきりしておりますが、路線がまだあやふやというようにも聞いておるのです。それというのは、中央の、いわゆる今まで田中案とかいろいろ出た――この前の運輸委員になっておった大臣が提案した問題等中央を通るのですが、ところが寒冷地を通るゆえに相当凍ってスリップがひどくてスピードがそれほど上らないのじゃないかというような意見等もあって、また道路のコースについても決定的なものじゃないというようにも聞いておるのです。その辺どういうようなところなんですか。神戸名古屋間は一応わかっている。東京-名古屋間あたりが一番問題になるところだと思いますが、その辺はいかがですか。
  6. 南條徳男

    南條国務大臣 路線決定というような問題につきましては、今度御提案いたしまする法案のうちに、高速自動車国道審議会というものを作りまして、この審議会で慎重に路線の選定をしていただく、そういうことになっておりますから、その路線については、その審議会の議を経なければ最終的な決定でないと思うのです。それまではいろいろ調査をいたしまして、そして資料を審議会に出して審議会に御決定願うという運びになると存じます。従って、今はその最終的なものはできておらぬというのが実情であります。
  7. 小松幹

    小松分科員 それでまだはっきりしない点は、いわゆる小さな紆余曲折路線決定がその審議会にまかされているのか、大きく言ったら東海道を通る今の国鉄並行線でいく線か、あるいは全く新しい線を通る線か、そこのところがまだきまらないというのか、大方の中央のいわゆる山林開発をやってこう抜ける線ばきまっておるけれども、あとの小さな紆余曲折の、どこの村を通っていくという、そこがわからないというのか、どこがはっきりしてないのか、それをちょっと伺いたい。
  8. 南條徳男

    南條国務大臣 その点は、今度の法案では大体国土縦貫道路の方をやろうという方向できめるのであります。そこで、その面の調査をする調査費も入っているのですから、従って、その審議会できめます路線については、その中のいろいろな路線決定もございますが、もしそれが不可能だという場合には、審議会において別な大きな面の路線決定ということにもなると思いますけれども、今のところは、国土縦貫道路の方を一応想定いたしまして、それによって審議会の方ではいろいろな路線をきめることになっております。
  9. 小松幹

    小松分科員 それでは、最後にその点についてお伺いしますが、高速自動車縦貫道路を作るという御決定になっているのか、それとも中央高速自動車縦貫道路ですか、中央と名がつくのか、つかないでただ高速自動車道を作る予定になっておるのか、その辺を、しろうとわかりのいくように御説明いただきたい。
  10. 南條徳男

    南條国務大臣 今度の法案の名称は、高速自動車国道法案ということになります。
  11. 小松幹

    小松分科員 それでは、神戸名古屋間の資金関係について、竹山建設大臣の当時から、その以後馬場建設大臣に至って、外資導入というようなことが言われておったのですが、その辺はどうですか。
  12. 南條徳男

    南條国務大臣 ただいまのところは、外資の問題は考えておりません。
  13. 小松幹

    小松分科員 これは、前の大臣、その前の大臣のときから、名古屋神戸の間の局速縦貫道路については外資導入をしてやると、ほとんど具体化しているように聞いておるのですが、立ち消えになったわけなんですか。あらためて方針を違えたわけなんですか。その辺どうぞもう少し、今までの歴代の建設大臣発言等とだいぶ違ってきていますので……。
  14. 南條徳男

    南條国務大臣 これは前の関係がありますから、局長から説明いたさせます。
  15. 富樫凱一

    富樫政府委員 お話のように、前には外資導入するという考えもございました。その後経済の情勢が変って参りまして、国内の資金で間に合うということになってきておりますので、現在は外資導入考えておりません。
  16. 河野金昇

    河野(金)分科員 関連して。名古屋神戸間の道路のことですが、これはことしの予算にも三十八億が組まれておるのですが、実はちょうど私の選挙区を通るのですよ。しかし、私は賛成する立場をとって押えておるわけなんです。また、地方にもわかっておらないが、小牧の飛行場というのがあるのですが、一体あの付近からくるのか、それとももっと名古屋のあれから起点が――どこが起点になりますか。大体できておりましょうか。名古屋神戸間、名古屋はどの辺を中心にしてやるのか、もう予算が組んであるのですから、大体きまっておると思うのですが、その点わかっておりましたら一つ知らせていただきたい。
  17. 富樫凱一

    富樫政府委員 今までの計画一宮付近から大垣の方に抜ける計画をいたしておったのでございますが、名古屋との結びつきにつきましては新たな線を考えなければなりませんので、今のところは小牧の方に延ばしまして、小牧名古屋市をつなぐという方針を持っております。
  18. 河野金昇

    河野(金)分科員 小牧名古屋とをつなぐということになりますと、小牧付近が結局名古屋-神戸間の道路起点になるだろうと思いますが、そうしますと、すぐ木曽川にかかるわけなんです。木曽川は、富樫さん御承知のように、笠松に橋がかかっており、そのまた少し下の方に昨年ですか橋が竣工したわけなんです。そして今度高速度道路予定されておるものはそのもうちょっと下になると思うのです。そうすると、同じようなところに橋が三つかかるとなると、いわゆる木曽川の水のことですね、洪水のことなんかを考えると、上流の方が非常に心配にたえないわけなんです。昨年橋が一つできただけでも水位が一尺ぐらい違ってきておるそうですが、もう一つ、それとおそらく半道と隔たらないところに今度の高速度道路の橋がかかるということになると思うのです。そうすると、道路はそれでいいかもしれぬが、川の方が大へんなことになるので、そっちの関係をどういうふうに考えておられるのか、いっそのこと橋がなしにトンネル式のようなことも考えてもいいのじゃないかと思うのですが、そういう具体的なことはまだできておりませんか。
  19. 富樫凱一

    富樫政府委員 具体的には、架橋地点の地質の調査などを進めておるわけでございますが、まだ設計がきまったわけではございません。お話のように、橋を作りますと上流水位の上昇を見るわけでありますが、そのために影響があるのでは困りますから、その点は十分考慮に入れたいと考えております。ただ、トンネルにいたしますと水底トンネルということになりますし、将来とも維持に非常な金を要することになりますので、この点につきましては慎重な検討をいたしまして企画いたしたいと考えます。
  20. 小松幹

    小松分科員 今度は道路のことを全般的にお伺いします。  今まで道路整備五カ年計画を持っておられたのですが、まだこの道路整備五カ年計画建設途上の、たしか四年目にかかっておるのではないかと思います。それであるのに、今度新しく十年計画を立てて、三十二年度が十年計画初年度になっておる。計画変更を余儀なくされた理由としてどういう理由があるかをお伺いするわけですが、五年計画をやっておってもいまだに三分の二もできていない。そして今度は四年目にほごにして新しく十年計画を出してきて、またそれがやれるのかやれないのかどうも疑問になってきた。何年計画何年計画といって景気のいいことを言って出すけれども、中途で三分の一か三分の二くらいやって投げ出してしまう。そしてその責任はだれもとるべき者もなくして次の計画に移行していく。これは発展過程でやむを得ないと言えばそれまでですが、その点について、どういう意味で五カ年計画中途にして新しく十カ年計画に乗り出すか、今まで三分の二しかやれなかった最大の原因は何であったかということをお伺いしたい。
  21. 富樫凱一

    富樫政府委員 お話のように、五カ年計画は三十二年度で第四期に入るわけであります。第三年目までに四五%を進めたわけでございますが、最近の道路交通実情から申し上げますと、従来の五カ年計画規模では足りないということから考えまして、従来の五カ年計画の残りを含めまして十カ年計画というものを立てて要求いたしたのでございますが、十カ年計画につきましてはなお検討すべき点がございますので、現在の予算編成は従来の五カ年計画というものに基いて要求しておるわけでございます。まだ、最近の道路交通の状況も変ってきておりますので、従来の五カ年計画のような考え方ではいくまいということで、相当長期計画考えまして、それによりまして三十二年度の予算規模考えておるわけでございます。
  22. 小松幹

    小松分科員 従来の規模でやり足りないから大幅に規模を大きくした、-規模は確かに大きくなったと思っております。そこで、問題は、その規模を太らすための道路を一体どういう考え方に立って拡大するのか。わかりやすく言えば、道路といってもいろいろ種類がございますから、例としてもっと極端な話をすれば、山林開発のために林道を大幅につけようとする計画を持っておるのだ、あるいは奥地産業開発のために産業開発道路に力を入れるのだ、あるいは変な例ですけれども観光事業をしたいために観光地にうんと道をつけたいのだ、こういうような一つ方針がある。その例から言いましたならば、規模を拡大したという建設省考えておる今年度の主たる道路というものは一体どこに求めておるのかを一つお伺いしておきたい。
  23. 富樫凱一

    富樫政府委員 昭和三十二年度の予算につきましては、路線的に申し上げますと、幹線道路、すなわち一級国道、二級国道に力を入れております。また、地域的に申し上げますと、鉱工業地帯の最近の輸送の隘路が目立っておりますので、そういう地点重点を置きます。また、補助事業におきましては、橋梁、舗装等重点を置いておるわけでございますが、全体的には交通隘路になっておるところの解決策ということで幹線重点を置いておるわけでございます。
  24. 小松幹

    小松分科員 幹線に持っていくという考え方でございますが、道路公団が今までやっており、またやりつつある道路というのは、ほとんどこれは観光道路なのです。これは採算が上るためにやむを得ぬとはいうけれども、道路公団有料道路を作るというけれども、あけてみたら観光道路を作っておったのだ。今日本が要求しておるのは観光道路幹線道路かという問題になると思う。私は少くとも幹線道路に力を入れて、あるいは産業開発道路に力を入れてしたいと思うのですが、それはとにかくとしても、観光道路公団が力を入れるという理由はどこにあるのか、一つお伺いしたい。
  25. 富樫凱一

    富樫政府委員 従来よりの実績を見ますると、なるほど観光的な道路になっております。しかし、これも純粋に観光というものではなくて、産業の面にも役立っておるものでございますが、観光地に設けられた道路が多いのでございますけれども、今後考えていきますのは、産業重点を置いて路線を選んで行きたい、有料道路産業重点を置いて選んで行きたいという考えでございます。
  26. 小松幹

    小松分科員 有料道路というのが問題になると思うのです。有料道路というのは、とにかく元をなんぼか取っていって、いつかは減価償却をするという考え方があると思うのです。そうすれば、人通りの多いところは幹線道路でやる、それじゃ、割合に幹線道路でないで人通りの多いところ、観光地日光街道とか湘南街道とかいうところを選ぶほかにないと思うのですが、それに今年も公団で百四億も金を注ぎ込んで、そうして観光道路に力を入れたのじゃどうにもならぬと思っているのですが、有料道路減価償却限界線、今後の指導というものは、一体どういうふうに考えておるのか、もう少し承わりたい。
  27. 富樫凱一

    富樫政府委員 三十二年度におきましては、従来継続してやっておりますもの、現に工事中のものに重点を置きまして、これをできるだけ多く完成するようにいたしております。新規につきましては、まだ決定いたしておりませんが、このうちで一番大きなものは名古屋-神戸間の局速道路でございまして、これに重点を置くことになろうと思います。
  28. 小松幹

    小松分科員 有料道路で特に幹線道路計画しておる点については異議ないですけれども、やはりどうしても観光道路重点がいきやすくなるので、この点、建設省の計算として、今言うた高速自動車道路償還は別として、そういうおもなものをのけた他のいわゆる道路通行料金ですか、償還という面から考えて、どの程度に考えておるのか。その料金を算定するときの基本ですね。
  29. 富樫凱一

    富樫政府委員 現在料金は受益の範囲内できめられておりますが、もう一つには、二十年くらいに償還するということを考えまして、その範囲料金をきめておるわけでございます。
  30. 小松幹

    小松分科員 幹線道路改修工事をやっておるのに、局部的に食うていくような格好でやっております。たとえば、今後十年計画にもなりまして飛び飛びに改修をやっていく場合には、そこに十年間たたなければ一本の路線改修できないという結果になる。そのために、一つのところばうまくいったけれども、ある一つの局地が狭かったならば、その一本の道路というものは、全体は十年待たなければうまい交通ができない。ただ一点、だけの落度があることによって、あとはりっぱになったけれども、何年間かかる、こういう結果になるが、その辺の度合いは、やはり十年間に引き延ばして道路改修していくのか、あるいは一本の道路を、一級国道何号線を三年なら三年でやるというのか、五年でやるのか、十年計画だから十年に分けてやるのか、その辺はどういう考えですか。
  31. 富樫凱一

    富樫政府委員 十年計画を立てました際には、この十年計画一級国道を全部改良、舗装するという計画を立てたのでございます。今お話しのように、飛び飛びになっているところも現在ではございますが、飛び飛びにやりましても、やった道路が使えるようには努力いたしておるわけでありまして、その途中に県道なり市町村道なりがあって、その工事をした道がすぐに一年たてば使えるというように努めておるわけであります。
  32. 小松幹

    小松分科員 これは絶対的なものじゃないと思いますけれども、建設省が三年計画を立てると大体三年に引き延ばす、五年計画を立てると五年に引き延ばして、継ぎ足していくような傾向がある。十年計画を立てたら、一本の道路を十年間で作るような設計になるのじゃないかということを私は心配しているわけです。今まで大てい、道路整備五カ年計画でやったときには、初年度がこれだけ、次年度はこれだけ、五年間にこうやる、こうしてあっちからこっちから食いかけて改修していくから、五年後でなければ一本の道路がさっといかないということになっておったのに、十年計画を立てられると、これはたまらぬ。十年間あそここことネズミが食うように改修されたのではたまらぬ。総体は十年計画であっても、一本の道路は少くとも三年計画で突き抜くとか、あるいは改修していこうとかいうピッチを上げてもらわなければならぬと思うが、その点の計画進行度というものは、十年計画内容になるかわかりませんが、今どういう構想でありますか。
  33. 富樫凱一

    富樫政府委員 十年計画というような長期計画を立てることにいたしますと、その年次別計画を立てなければならないわけでございます。そういう際には、御懸念もごもっともと思いますが、できるだけやったところが役に立つというような方針で選んでいきたいと考えております。
  34. 小松幹

    小松分科員 できるだけ役に立つようにやってもらわなければならぬのですけれども、今十年計画内容一つ具体的に聞いたわけです。その十年計画は十年に配分してやっていくのですけれども、幹線道路、たとえば国道三号なら三号線を改修するといったときに、三号線を十年間に改修していくのか、あるいは五年間に改修するのか、三年間でいくのか、およその目標というものは十年計画でどう立っておりますか。
  35. 富樫凱一

    富樫政府委員 路線別にそれぞれ一級国道におきましては計画を立てるわけでございます。その路線のうちでも区間をきめまして、それによって実施するわけでございますから、ある区間は三年でやる、ある区間は三年後から着手して二年でやるというような計画に持っていくわけであります。
  36. 小松幹

    小松分科員 昨年も私はそのことを要望しておったのですが、いわゆる高速度自動車縦貫道路のねらいとしている中央道路産業開発が相当あるということを言われて、一つの新しい道路のポイントになっておると思うのです。それと同じように、地方のいわゆる産業振興開発道路というものも御計画があるのかどうか、また全くもうこういうものについては考えておらないのかということをちょっとお聞きしたいと思います。
  37. 富樫凱一

    富樫政府委員 長期計画におきましては、むろん産業開発道路をあわせて計画していく考えでございます。
  38. 小松幹

    小松分科員 今年の予算にはそういう意味道路というものは計画がないのでありますか。
  39. 富樫凱一

    富樫政府委員 予算の項には出ておりませんですが、補助というのがある。この地方道補助につきましては、産業開発の面を取り入れまして計画いたしており、それによって実行するつもりであります。
  40. 小松幹

    小松分科員 これはもう一切地方にまかせておるという意味になるわけですね。補助事業の中としてやられる、そういうことにお伺いしていいのですか。
  41. 富樫凱一

    富樫政府委員 産業開発道路は主として地方道に多うございます。地方道をやりますのは道路管理者がやるわけでございますので、府県の事業になりますが、それに対して補助するのでございますから、国の見方として必要なものに補助していくという考え方でやっております。
  42. 小松幹

    小松分科員 これは私は希望になるかもわかりませんけれども、産業開発道路地方補助事業にゆだねるという建設省考え方基本――そう割り切っていないでしょうけれども、そういう考え方、そういうことだけでは産業開発道路というものはほんとうは進歩せないのだ、やはり有料道路公団にも作らせるがごとく、思い切って産業開発道路というものを作って、新しいいわゆる国土総合開発の線に道路を進めていかなければならないのじゃないかと思います。そこまで建設省が追いつかぬのだといえばそれまででありますけれども、そういう考えに行っていただきたいと思いますが、これは意見てすから、質問範囲外としてお聞き取り願いたい。  さらに、最近新聞でちょっと見たんですけれども、立体交差一級国道全部にやる、それから永久橋に全部切りかえる。一級国道はほとんど永久橋になっておると思いますけれども、立体交差の問題は相当難事業だと思いますが、何カ年計画立体交差をやるのですか。
  43. 富樫凱一

    富樫政府委員 十カ年計画におきましては一級国道を全部完成するといっておりますので、その立体交差も含めて十カ年計画で完成したい考えでございます。
  44. 小松幹

    小松分科員 立体交差は十年計画で全部やろうというお考えははっきりしているわけですね。
  45. 富樫凱一

    富樫政府委員 それははっきりいたしておるわけでございますけれども、その十カ年計画がまだオーソライズされておらないというのは、さっき申し上げた通りでございます。
  46. 小松幹

    小松分科員 それでは、二級国道まで永久橋に切りかえるという、これは確実ですか。一級国道はもちろんでしょうが、二級まで全部木橋永久橋にかけかえるという計画が十カ年計画内容である、こういうふうに承わっておるのですが、ほんとうですか。
  47. 富樫凱一

    富樫政府委員 木橋のかけかえにつきましては、一級国道は全部やる計画にいたしおります。
  48. 小松幹

    小松分科員 二級国道も全部永久橋にかけかえるのですか。
  49. 富樫凱一

    富樫政府委員 二級も全部永久橋にかけかえる予定であります。
  50. 小松幹

    小松分科員 それでは、道路問題は一応これで終りまして、住宅問題でお尋ねしたいと思いますが、もしどなたか道路関連質問がおありになれば……。
  51. 上林山榮吉

    上林分科員 道路局長がほかの委員会に呼ばれているそうで、便宜ここでお尋ねをいたしておきたいのであります。ただいま道路整備の問題についていろいろ質疑があるようでございますが、私もこれについて少しくお尋ねいたしておきたいのであります。  今お聞きいたしますと、一級国道は十カ年計画で舗装が全部完備する見通しである、こういう御答弁でありますが、そのお言葉の通り受け取って差しつかえございませんか。
  52. 富樫凱一

    富樫政府委員 われわれの立てました十カ年計画におきましては、一級国道は全部完成するという計画にいたしておりますが、この十カ年計画はまだオーソライズされておりません。
  53. 上林山榮吉

    上林分科員 おそらくその辺であろうと私も御推察いたしたので申し上げるわけでございますが、そこで、さらに話を進めまして、十カ年計画を立ててみても完全にこれが実施できる見通しでないとするならば、私は、計画を立て直す必要が起きてくるんではないか、こういうように考えます。そこで、その重点をどこに置くかといえば、言うまでもな一級国道に置かなければならぬだろうけれども、その場合にどちらかといえば、利用価値の多いところ、たとえば大都市と大都市をつなぐようなところ、そういうような場合は一級国道重点を置いていいと考えますけれども、大都市と大都市をつながない、たとえば二級国道のごときものについては、私は中小都市をできるだけ重点に置いて道路の舗装なり整備計画を立てる必要があるんではないか。どうも道路計画の立て方が、第一次的な目的だけに一切を投入しようという考え方はこれは私は決して予算の分取り主義で申し上げているのではないが、全国的ないわゆる道路網を一日も早く実用に供する、こういう観点から言いますと、今言ったような感覚を取り入れる必要があるのではないか、こういうふうに考えますが、この点をどういうようにお考えになりますか。
  54. 富樫凱一

    富樫政府委員 前申し上げました十カ年計画では一級国道だけが全部完成ということに計画されておりましたので、一級国道と申し上げたわけでございますが、その他の道路についても計画を立てているわけでございまして、二級国道につきましては、お話のような線で計画いたしたいと考えます。
  55. 上林山榮吉

    上林分科員 二級国道は、ただいまあなた方が御計画になっているのは何年計画でございますか。五年計画の整備では九牛の一毛にも一これは言一葉が過ぎるかもわからぬが、足りない計画であるというくらいに私は考えるのでありますが、どの程度の実現性のある御計画を持っておられるか、その点を伺いたいと思います。
  56. 富樫凱一

    富樫政府委員 二級国道まで全部完成することにいたしますと、二十年計画くらいで持っていかなければならないような十年計画規模でございます。
  57. 上林山榮吉

    上林分科員 ちょっとはっきりしないんですが、二十年計画くらいに持っていかなければならない十年計画というのは、十年計画というものを一応立ててはいるが、実際はそれは予算その他の都合で実現不可能のものである、だから、結局は二級国道については二十年くらいにならなければ舗装その他整備が完成できない、こういうふうに受け取っていいのですか。
  58. 富樫凱一

    富樫政府委員 二級国道につきましては、十カ年計画規模で参りますと、全体を完成いたしますのに二十年くらいかかるということでございます。それでは、なぜ二級国道について二十年にするかということになりますと、これは一応財源のことも頭に置きながら計画しなければなりませんし、また施工能力なども考えなければならぬわけでございます。十カ年計画におきましては、二級国道は約六〇%完成するという計画になっているわけでございます。
  59. 上林山榮吉

    上林分科員 材料の点その他から制約を受けておるということは一応われわれもわかるわけでございますけれども、たとえば例をセメントにとってみましても、セメントの増産量というものは、あなたが御承知通り、年々増産の一途をたどっておるわけでございます。こういう点から考えまして、よほど計画というものを時代の趨勢に応じた計画に変更してもらわなければ、先ほど質問が出ておったようでございますが、道路は一体どこを改修したのか、どこを整備したのか、歩いてみてわからない。私ども地方の一級道路あるいは二級国道を歩いたり自動車で通ったりしてみますが、これが一体国の道路であろうかとも思うようなところが非面に多いのです。ただ大都市周辺の方面の道路だけがやや完備しかけておる、こういうふうに見られるだけでありまして、私は先ほど御答弁計画内容を聞いて実に悲観をしておるわけでございます。しかし答弁の抽象的な言葉を承わりますと、先ほど私が指摘したように、大都市と大都市をつなぐ場合は一級国道重点を置く、しかし、中小都市の場合を考えて、二級国道というものにも今まで以上に一つ力を入れて整備計画を立てたい、この熱意はわかるのですけれども、その裏づけとなる予算なりその他の計画なりはもう少し一つ飛躍した御計画を立ててもらわなければ、これは全国的な道路網ということから考えてみないと効果を上げる整備計画ではない、こういうふうに私は考えます。ただ予算のセクショナリズムでわれわれがいろいろ申し上げておるわけではないのであって、そういう意味で、私はこれは要望するわけでございますが、時間の関係もあるようでございますから、一つ極力要望いたしまして、この点はこの程度で終ります。  これは計画局長でもけっこうだと思いますけれども、あなたと関連がある仕事でございますのでお尋ねいたしておきたいことは、市街地の舗装です。これは大都市、中小都市に限らず市街地の舗装のことでございますが、これが大都市にしても中小都市にしてもなかなか舗装ということが思うように至っておりません。建設省所管である一級国道、二級国道にいたしましてもその通り。ましてや、あなた方御指導になっておる府県道にいたしましても、市街地を通っておる場所だけを見ましても、なかなか計画が進んでいない。せっかく都市によっては戦災復興と関連いたしまして新たな都市計画を立てたが、道路だけが広くなっていて、結局道路のまん中は草がはえておる、あるいはほこりや塵芥が一ぱい立っている、こういうような状態で、ことに雨の降るときなどは、これが町のまん中にある道路かというふうに疑われるところが多いのです。だから、私は、建設省は幸いにしてことしは今までよりも予算が多くとれた、これはけっこうなことでございます。この際に、こういうような方面にも効率的に予算の活用をしていただくというような意味で、この市街地の舗装道路というものにもう少し重点を置いてもらわぬと困ったものだと思います。これはもう年々歳々あらゆる機会にあらゆる方面の人々が国会その他でも督励をしておる問題でありますけれども、進んでいない。これは一つ建設大臣としてもお考え願いたい問題であると私は考えます。この点について御答弁を願いたいと思います。
  60. 富樫凱一

    富樫政府委員 舗装につきましてのお話は、まことにその通りでございます。三十二年度におきましては、特に舗装に重点を置きまして、人家連櫓のところを優先的に実施いたしたいと考えております。
  61. 上林山榮吉

    上林分科員 経済効果の上るところをばことしは一生懸命やる、こういうお考えのようでありますが、さらに、ことしに限らず来年度も、建設省方針をこの大中小都市の市街地の舗装道路というものにもう一段と善処願いたいという要望にとどめておきたいと思います。  次に、道路整備に関連いたしまして申し上げたいことは、これは数年来主として議会方面の強い要望がございまして、私どもその一メンバーでございましたが、防火帯地帯の道路整備、こういうようなことが考えられたようでございます。これは道路というよりも防火帯でございますから、都市計画の要素が強いかもわかりませんが、この際計画局長も来ておればお答え願ってもかまいませんが、道路局長でけっこうだと思いますのでお答え願いたいと思います。これは三、四年前の状態と同じ考えで相変らず予算を組んでおるように思いますが、その点はどうなっておりましょうか。
  62. 宇都宮徳馬

    宇都宮主査 上林分科員道路局長だけに対する質問に制限願いたいのです。
  63. 上林山榮吉

    上林分科員 道路局長に対する質問はこれで終りますが、局長、答えられますか。
  64. 富樫凱一

    富樫政府委員 ちょっとお答えできませんので……。
  65. 上林山榮吉

    上林分科員 それならば、適当な政府委員からお答えを願うことにいたしまして、私は道路局長に対する質問だけを終って、小坂委員から関連質問があるようでございますから、譲りたいと思います。
  66. 小坂善太郎

    ○小坂分科員 簡単に伺っておきます。今年度から積寒地帯に対しての道路の整備について特別の御考慮を願ったのでありますが、これは本院の超党派の要望でありまして、これに基いての積寒地帯に対する道路保全に関する法律というものが制定されまして、その初年度予算の裏づけとしましては若干僅少であるような感じがいたすのであります。これまた初年度のことでありますから、多分に調査、研究の意味を含めてのことだと思います。そこで、一言伺っておきたいのは、これの対象として重点をどこへ置いてこの予算を施行せられようと考えておられるかという点について、御説明を願っておきたいと思います。
  67. 富樫凱一

    富樫政府委員 積寒地帯の豪雪あるいは凍雪害を予防するための工事を実施するために、機械を含めて十億、三十二年度に組まれておりますが、これは、主として積雪寒冷地帯の交通量の多い路線につきまして、その路盤の改良をやり、また防雪の施設を作るということを計画されているわけでございますが、なお、除雪につきましては、除雪用の機械に対して補助をせられますので、その機械によって除雪するという考え方でございます。
  68. 小坂善太郎

    ○小坂分科員 どの程度の機械を購入する計画でありますか。
  69. 富樫凱一

    富樫政府委員 金にいたしまして、この十億のうち二億四千万ほどが除雪用の機械に対する補助費でございます。
  70. 小坂善太郎

    ○小坂分科員 対象は、何カ所くらい除雪機械が出動し得るという対象ですか。
  71. 柴田達夫

    ○柴田政府委員 機械の方は官房でやっておりますので、便宜私からお答えいたします。  積寒地域の機械費は、先ほど道路局長からお答えいたしました十億のうちで、内地に一億六千四百万円、北海道に一億八千万円、これは事業費としての額でございます。内地に対しては二分の一の補助になっておりますので、国費といたしましては約八千万円、北海道は御承知のように直轄になっておりますので、直轄分が一億四千万円と、道に対する補助の分が二分の一の補助で二千万円、従いまして、冒頭に申しましたように、内地は一億六千万円、北海道は一億八千万円分の機械が除雪用に買えることに相なるわけでございます。  大体、機械の種類についてのお尋ねでございますが、補助分といたしまして、ブルドーザー、モーター・グレーダー、こういうものを除雪用の機械に購入いたしたい、かように考えております。北海道の方の直轄分につきましては、機械の種類は、ブルドーザー、モーター・グレーダーのほかに、除雪用のトラック等を購入いたす、こういう予定考えている次第でございます。
  72. 小坂善太郎

    ○小坂分科員 そうすると、一般的な路盤の改修工事としまして、十カ年計画国道を全部舗装するというお話を伺ったのでありますが、豪雪地帯に対する路盤の改良というものは、これは別に考えておられるのだと思います。とすると、どういう基準でこれを分けて――これは十カ年計画に入っているところもやはり早急に路盤の改修を要望しているところが多いと思いますが、そういう点をどういう基準でお分けになっておるのでございますか。
  73. 富樫凱一

    富樫政府委員 改良全般は、十カ年計画と申しますか、長期計画考えておるわけでございますが、この積寒関係の路盤改良と申しますのは、現在改良されておる、あるいは未改良でございましても、バス等が通る路盤がいたんで交通ができないというようなところをやっていきたいと考えております。
  74. 小松幹

    小松分科員 住宅局の方にちょっとお尋ねしますが……。
  75. 宇都宮徳馬

    宇都宮主査 住宅局長は病気で休んでおります。鮎川総務課長が来ております。
  76. 小松幹

    小松分科員 公営住宅を今度は少し減しておるわけです。それはどういう根拠か。もう一つは、何がゆえに地方が積極的に公営住宅というものに飛びついてこなかったのか。おそらく私はただ単にあなたたちが公営住宅を減したわけではないと思う。過去の実績から見ると、公営住宅の伸びが期待していたようにはいかなかったという点もあるのじゃないかと思います。その点の隘路をお尋ねします。
  77. 鮎川幸雄

    ○鮎川説明員 昭和三十二年度の予算におきましては、公営住宅は四万六千戸、それに対して資金は百六億を計上しております。昨年度は四万六千戸で百三億円を予定しておるわけでございまして、資金面においては約三億ほどの増加をいたしておるわけでございます。戸数においては昨年同様でございまして、また資金面においては三億程度の増加をいたしておりますが、昨年よりも内容的に減っておるということはないわけでございます。
  78. 小松幹

    小松分科員 私はもう少し伸びがきそうなものだという予想を持っておった。特に第二種の公営住宅の方は相当伸びていいのじゃないかという期待を持っておった。いわゆる住宅といえば、庶民住宅、特に小さな公営住宅の伸びに大きな期待を持っておった。ところが、期待するほど伸びていない。むしろ公団住宅とかいうものに伸びが大きいというその隘路はどこにあるか。ただ数字の上で伸びが少かったのか、それとも何かの原因があったのかということです。
  79. 鮎川幸雄

    ○鮎川説明員 ただいま政府の援助によりまして住宅を建設いたしております中には、公営住宅と公庫融資住宅、公団住宅の三種類が主たる内容になっておるわけでございます。その全部を通じて、特に住宅の不足のはなはだしい勤労庶民階層に住宅を供給するわけでございますが、それぞれ、それにつきましては、やり方は多少は異なっておりますが、その目的とするところは、やはり公営住宅とほぼ同じような低額所得者その他を中心として住宅を供給いたしておるわけでございます。全体としては、今年度においても公営住宅はほぼ昨年と同じようでございますが、公団住宅あるいは公庫融資等を増加して、住宅不足の困窮者に対する住宅は増加をして供給いたしたい。ただ、公営住宅については、地方財政その他の点を考えて、ほぼ昨年並みに実施することが適当であると考えられるのでありまして、今年度は昨年度と同様な戸数で実施することになっておるわけでございます。
  80. 小松幹

    小松分科員 私の数字では、第一種公営住宅は昨年よりも減っておると見ておるのですが、第一種は減っておりませんか。
  81. 鮎川幸雄

    ○鮎川説明員 昭和三十一年度におきましては四万六千戸の公営住宅、そのうち第一種公営住宅は二万六千戸、第二種公営住宅は一万九千戸でございます。今年度は四万六千戸、そのうち昭和三十二年度におきまして第一種公営住宅は二万一千戸と、約五千戸少くなっております。第二種公営住宅は五千戸ほど増加いたしておりまして、総体においては変りませんが、第二種公営住宅の方の戸数が増加しております。なお、資料で、あるいは先ほどからお話のように私が御説明いたしましたものと多少内容に変った点があるかと思いますので、その点をちょっと補足して申し上げますと、昭和三十一年度あるいは計画戸数が四万八千戸というような資料になっておるかと思いますが、これは実は昭和三十年度の五万戸の建設計画のうちの二千戸程度を繰り越して仕事をしたものがございまして、その二千戸分が三十一年度の四万六千戸に一緒になっておりまして四万八千戸にあげておるというような資料もありますが、実質的に、昭和三十二年度の戸数は四万六千戸というふうになっておりまして、戸数そのものは減っておるわけではないのであります。
  82. 上林山榮吉

    上林分科員 今のあなたの説明を伺っておりますと四万六千戸にならないのです。私どもは昭和三十二年度予算の説明、大蔵省主計局の資料によってお話しておるのです。それによりますと、総計は三十一年度も三十二年度もおっしゃるように四万六千戸ですけれども、しかし、第二種は三十二年度二万五千戸、三十一年度は二万戸となっております。あなたは一万九千戸とおっしゃったように記憶しておるのですが、数字が違っておるようですが、いかがですか。
  83. 鮎川幸雄

    ○鮎川説明員 私は先ほど三十二年度の四万六千戸の戸数の中に第一種公営住宅が二万一千戸、第二種公営住宅が二万五千戸というふうに申し上げたのであります。
  84. 上林山榮吉

    上林分科員 あなたは三十一年度分は第一種が二万六千戸、第二種が一万九千戸と説明しておる。これには二万戸となっておる。どっちが間違いか、訂正を願いたい。
  85. 鮎川幸雄

    ○鮎川説明員 昭和三十一年度の四万六千戸の内容は、実は端数がございまして、私が先ほど申し上げましたのは端数を切り捨てて申し上げたわけでございまして、第一種公営住宅は二万六千三百九十八戸、第二種公営住宅は一万九千五百九十九戸、これは先ほど五百九十九戸を切り捨てて一万九千戸と申し上げたわけでございます。なお、こういうような端数は、実施その他によって多少出た数字でございます。
  86. 小松幹

    小松分科員 あなたは、公営住宅は去年よりもことしの方が多いと言ったけれども、三十二年度の予算の説明の中の住宅対策費のところで、第一種、二種合せたものが、金額は本年度の方が少いのですが、これはやはり多いのですか。
  87. 鮎川幸雄

    ○鮎川説明員 戸数は同じでございますが、金額ば先ほど申し上げましたように三億ほど多くなっております。
  88. 小松幹

    小松分科員 政府提出の予算書の二十八ページを見ると、第一種、二種合せて戸数は三十二年度が四万六千戸、金額が百五億ですか。三十一年の方が多いんですがね。
  89. 鮎川幸雄

    ○鮎川説明員 この二十八ページの資料によりましても、三十一年度は、戸数が四万七千戸、百三億、それから、三十二年度は、戸数が四万七千戸で、金額が百六億、三億ほどふえておるわけであります。
  90. 小松幹

    小松分科員 どこを見ればいいのですか。二十八ページでいいのですか。
  91. 鮎川幸雄

    ○鮎川説明員 二十八ページの一番上の段でございます。
  92. 小松幹

    小松分科員 私はトータルを聞いたのじゃないのですよ。第一種、二種の公営住宅で本年度の方が少いでしょうと言ったのですよ。あなたは災害住宅まで入れて説明しているのじゃないですか。
  93. 鮎川幸雄

    ○鮎川説明員 ただいまの資料の中で、第一種は、三十一年度が二万六千戸、三十二年度が二万一千戸で、第一種は減っております。
  94. 小松幹

    小松分科員 そこで、伸びの点を言いましたが、公営住宅より公庫住宅がずいぶん多くなっているのですが、これは建設省の方でどういう見解ですか。公庫住宅の方が借り手が多いからその伸びが大きいのか。公営住宅に対する伸びとだいぶ違うと思うのです。その辺のところは、公庫住宅に力を入れるのか公営住宅に力を入れるのかという一つの見解になるのです。その辺のところを一つ……。
  95. 鮎川幸雄

    ○鮎川説明員 公庫融資住宅は昭和三十一年度は七万七土日三十二年度は八万八千戸になって一万一千戸増加いたしております。それから、公団住宅は二万三千戸に対しまして三万五千戸と、一万二千戸ほど増加いたしております。先ほども申し上げましたように政府の援助による住宅につきましては、全体としてその戸数が増加いたしておるわけでございまして、特に公団住宅あるいは公庫融資住宅におきましては、政府の出資金のほかに、政府の低利資金あるいは借入金等も入っておりますが、こういうような資金等を入れまして、特にこういう戸数が増加いたしております。しかし、家賃などの面から見ますと、公営住宅あるいは公団、公庫住宅を通じまして、ほぼ一般の勤労庶民階層が入れるような家賃に「なっておりまして、特に公営住宅だけを少くするというふうなことではなく、全体を通じて住宅不足の緩和に役立つという考え方でやっておるわけであります。
  96. 小松幹

    小松分科員 私はそれを聞いておるのではないのです。伸びの点において公庫住宅と公団住宅の方がたくさんふやしてある。私たちの観点ですれば、公営住宅の方がもっと必要だ、伸びが大きくなければならぬ、こう思っておるのに、あけてその数字を見ると、住宅金融公庫住宅と公団住宅の方が伸びが大きい。予算をたくさんつけてある。その点についての見解を聞いておるわけです。それはみなちびちび上っただろうが、そのうち特にたくさん予算がふえた、戸数もふえたという公庫住宅と、公営住宅を比較したときの考え方をお伺いしたい。
  97. 鮎川幸雄

    ○鮎川説明員 公営住宅におきましても特に第二種公営住宅――一万六千円程度の収入以下の人がその対象になる、そういう第二種の公営住宅を対象とします戸数は、先ほど申しましたように大幅に増額いたしておりますが、特に住宅の困窮のはなはだしいという階層に対しましては、住宅の月数を昨年度よりも大幅に増加いたしておるわけであります。それ以上の収入階層と申しますと、二万円、三万円、あるいは四万円というふうな階層になるわけでございますが、その人々に対しましては、全体を通じて今度の予算においてはふやしてあるようにいたしておるわけであります。
  98. 小松幹

    小松分科員 それ以上の収入の二万円、三万円、四万円の人についてはふやしてある、こう言われるのですね。それがちょっとわからないのです。そういう多額をとる人の住宅をえらいふやしたというところはどことどこですか。高額所得者に対する住宅がふえたということを今言われた。その辺は……。
  99. 鮎川幸雄

    ○鮎川説明員 住宅不足の状況を全体で見ましても、この二万円あるいは三万円あるいは四万円その他全部を通じまして、二、三万円台の方々の住宅不足が非常に多くなっておるわけであります。従いまして、そういう一番不足の多いところに住宅の供給がされるようにというふうに考えられておるわけでございます。
  100. 小松幹

    小松分科員 そこで、御質問しますが、三万円、四万円の高額所得者が住宅がえらい不足しておるから、そこに持っていって住宅を建ててやるのだ、だから公庫住宅はふえ、公団住宅がふえたのだという言い方をされる。あなたはどういう資料でそういうことを言われるのですか。一万五千円以下の人の住宅が少うてもいいから、三万円、四万円の高額所得者の住宅不足が目立って大きいと言われるのだが、その資料はどこから出たか。
  101. 井手以誠

    ○井手分科員 小松委員の質問に関連してお伺いしますが、所得階層別に、たとえば二万円前後の人がどのくらい家屋をほしがっておるか、あるいは三万円前後の人がどのくらい家屋をほしがっておるのか、その所得階層別に住宅を必要とする人々の数字を一つお示しを願いたい。先般私は予算委員会で所得階層を質問いたしましたが、私どもの調査では、月二万円以下の所得者は国民の大体八割近いと私どもは数字を握っておるのであります。電気洗たく機を持ったような家庭の人は、そう政府が無理して家を建てるほどのことはないと私は思う。それがやはり小松委員の質問だろうと思いますが、その数字を一つ所得階層別にお示しを願いたい。
  102. 鮎川幸雄

    ○鮎川説明員 私が先ほど申し上げましたのは、現在の住宅不足二百七十万戸と申しております。が、この二百七十万戸の不足につきまして、さらに一般的に総理府統計局の資料等によりまして計算いたしますと、大体そういうふうになるのではないかというようなことによって、先ほどのようなことを申し上げたわけでございますが、先ほど御質問のような的確な資料はただいまのところ持っていないわけでございます。
  103. 小松幹

    小松分科員 あなたは今重大な発言をしている。本年度は公営住宅が割合伸びが少くて公団住宅や公庫住宅の方がたくさんふえておる、その論拠に、あなたは、二万円、三万円、四万円の高額所得者の住宅不足が目立って大きいからそこに持っていったんだと言われたんだから、それはそれでいいでしょう。だから、二万円、三万円、四万円の高額所得者が住宅不足をしておるというならば、一万五千円以下の所得者の住宅不足をしている資料を見せてくれと、こう聞いているのです。その根拠がなくしてそういうことを言うわけはないし、また予算に盛るとぎには根拠があるはずだから、高額所得者の方が住宅不足をしておるというれっきとした数字をあげて示していただきたい。
  104. 鮎川幸雄

    ○鮎川説明員 ただいまの資料は後ほど提出いたしたいと思います。
  105. 小松幹

    小松分科員 そういう重大な資料が一これだけある住宅予算を第二種公営住宅に持っていくか公庫住宅に持っていくかという分れ目のときに、一つのポイントになるところだ。それは今あなたが言うたポイント、高額所得者の方が家をほしがっておるからそこべ持っていったと言うのだから、その資料がなければこういう数字は出てこないはずなんだ。だから、あるはずなんだから、一つその資料を出していただきたい。今持たぬですか。いつ出しますか。――緊急に出してもらいたい。いいですか。  私は資料を持たぬですよ。資料を持たぬから、俗的な考え方ですると、一万五千円以下くらいな低額所得者が住宅をほしがっているであろうと思うておるんだ。ところが、あにはからんや、建設省では、二万円、三万円、四万円の高額所得者が住宅をほしがっていると言うのだから、その証拠が出ない限りはちょっと先に進まれない。
  106. 上林山榮吉

    上林分科員 住宅問題に関連して少しお尋ねをいたしておきたいのでございますが、公営住宅が戸数においては去年と同じである。第二種住宅が増加されたことは、これは庶民住宅の方向を示したものとして私は賛意を表しますが、そこで、第一種住宅が去年より減ったということ、この問題は、私は小松委員と同様、私ももう少し聞いてみたい点であります。  昨年の申し込みあるいはことしの申し込み予想、こうしたものを勘案いたしまして、第一種住宅は二万一千戸くらいでいい、こういうふうにおきめになったのではなくて、大蔵省などとの折衝の関係上やむなくこういう数字に建設当局としては妥協されたんではなかろうか、こういうように思うんですが、そういう点はどうか。もっと具体的に言うならば、三十二年度に地方公共団体から申し込みを受けた第一種住宅の戸数は幾らであったか、それに対して、二万一千戸というのは、その申し込みの需要にどの程度応ずることのできる数字であるか、この点です。この点をまず聞いておきたいと思います。
  107. 鮎川幸雄

    ○鮎川説明員 公営住宅におきましては、先ほど申し上げましたように、全戸数は昨年度と同様でございます。ただ、第一種につきましては昨年よりも少くなっている点は、先ほども申し上げた通りでございますが、これは、先ほどから申し上げております通り昭和三十年以来公営住宅のほかに公団住宅の制度等も設けられまして、またそのほかに公庫融資住宅等もあるわけでございます。従いまして、現在の住宅供給はこの三本立で総合的にやっております。このような建前から、公営住宅は昨年と同様といたしまして、公団住宅その他において多少戸数がふえたということにいたしているわけであります。
  108. 上林山榮吉

    上林分科員 どうもまくら言葉が多くて、われわれのわかっていることの御説明を繰り返しているようでございますが、私の聞いているのはそこではない。第二種公営住宅がふえたことは私は大賛成なんです。しかし、第一種住宅が減ったことは私も不可解であるから、そこで、地方の公共団体が、財政の関係から、作りたいけれども作れない、こういう消極的な要求であるのか、あるいは、たくさん申し込みがあったが、大蔵省やその他の予算関係でやむなく建設省が妥協してこういう数字になったのか。なるほど、これ以外に、おっしゃるように融資住宅なり公団住宅なりのあることは私も知っている。その方にも手を伸ばしたことはけっこうだが、私の言いたいことは、第一種公営住宅というものは、今私が言ったような意味で大蔵省などとあなた方がやむなく妥協した数字ではないのか、もっとはっきり言うならば、地方の公共団体の申し込みは一体何万何千戸であったのか、それに対して二万一千戸の割合は、その地方の要求のどれだけを満たしたのか、これを聞いているのですよ。(井手分科員「与党的な質問だよ」と呼ぶ)与党的な質問でもあり、建設的な質問でもあるのだ。
  109. 鮎川幸雄

    ○鮎川説明員 昭和三十一年度は四万六千戸の公営住宅の建設計画になっておりましたが、これに対します実施状況は一その四万六千戸を消化するにほぼ大体見合う程度の消化状況を示しているわけでございます。特にそのうちに地方財政等の関係から少しは負担が重いというものもありますし、もう少しやりたいというものもございますが、全体を通じまして四万六千戸程度が今年度に比しまして大体いいような数字になっているわけでございます。
  110. 上林山榮吉

    上林分科員 ただいまのお話では、地方の要求とほとんどとんとんに第一種公営住宅もなったのだ、こういうように承知していいのですか。
  111. 鮎川幸雄

    ○鮎川説明員 第一種公営住宅につきましては、先ほど申しました数字よりも多少上回った要望はあるわけでございますが、全体を通じましては、先ほど申し上げましたように、大体この四万六千戸程度で要望とほぼ近いものと考えているわけでございます。
  112. 上林山榮吉

    上林分科員 私はあなたのその答弁は正確な答弁でないと思っております。なぜかというと、私どもは地方公共団体からの要望というものを知っているのです。もっと積極的な要望を持っております。しかし、これはそれ以上は私は追及しません。  そこで、これは建設大臣に伺いたいのですが、政府は下層階級のいろいろな施設について国と地方の負担分を最近はぼつぼつ変えつつあります。これは私は一つの進歩だと考えておりますが、今第二種公営住宅の需要が多いのは、国庫負担が三分の二、地方の負担が三分の一であるから、第二種公営住宅の要望が多いのだと思う。そこで、第一種公営住宅の国の負担分が二分の一、地方の負担分が二分の一ですが、これを、地方財政の苦境もあることでありますから、五分の三くらいにして今後せめて来年度、三十三年度からこれを改革するくらいの熱意がなくちゃ、これはほんとうにだめだと私は思う。一つ大臣からこの点については御答弁願いたい。これは実施したところでそう何千億とかかる問題じゃない。だから、この問題は御研究の上ぜひ一つ熱意を持って実施してもらいたいと私は思うが、この一点について大臣の御答弁を伺いたい。
  113. 南條徳男

    南條国務大臣 公営住宅と一般住宅との比率の問題につきまして、皆さんからの御意見、ごもっともだと存ずるのであります。建設省におきましても、公営住宅につきましては、地方の要望も強いのでありますから、できるだけ増加したいという意味で、今年度の予算編成についても折衝いたしておったのでありますが、国の財政との関係もございまして、特に公営住宅につきましては国費が大部分でございまして、他の住宅につきましては民間資金産業投資などの資金がある関係から、資金ワクの点で他の住宅の方がどうしても多くなるわけであります。さような関係で、公営住宅が昨年よりも、内容においては第二種は伸びておりますけれども、昨年以上大幅にいかなかったといううらみがあるわけであります。今の上林山委員の御指摘のように、補助率という点をもう少し変更いたしますならば、もちろん地方の財政等の関係もありまして、要望がさらにふえると考えているのであります。この点につきましては、明年度予算等におきましてとくと大蔵省と折衝いたしたいと考えております。
  114. 上林山榮吉

    上林分科員 この問題について大臣の熱意ある御答弁を得たので、私は期待をいたしておりますが、ぜひ御善処を願いたいと思っております。  そこで、お尋ねいたしたいのは、厚生年金融資住宅と公務員住宅を合せて三万戸作ることになっておりまして、これもけっこうなことだと思いますが、三万戸のうちの内訳はどういうふうになっておるか、その点を聞いてから少し質問してみたいと思います。
  115. 鮎川幸雄

    ○鮎川説明員 三万戸の詳細な資料はただいま持ち合せておりませんが、大体を申し上げますと、これは建設省所管外の、ほかの各省が所管している住宅でございます。持にただいまお話がございました厚生省関係の厚生年金融資住宅、これが七、八千戸程度になるかと思います。この詳細な数字はただいま持ち合せておりませんので、大体のことでございます。そのほかに農林省関係の入植者住宅、これがやはり七、八千戸程度になるかと思います。それから国家公務員住宅、またそのほかには災害住宅はすべてこのその他の住宅に入っておるわけでございます。なお、このほかに電電公社、国鉄等の建てます住宅等も含まれておるわけでございます。
  116. 上林山榮吉

    上林分科員 大蔵省の管財局の方がお見えになっておりますか。――今便宜上建設省から厚生年金融資住宅と公務員住宅の比率その他について御説明がありましたが、あなたの方で詳しくわかっておりますか。
  117. 市川晃

    ○市川説明員 私の方でわかっておりますのは公務員住宅の部・分でございまして、これは六千百五十八戸予定いたしております。
  118. 上林山榮吉

    上林分科員 便宜上建設省所管をしておるから、こういう説明をここにしておられると思うので、お伺いしなければならぬわけでございますが、この厚生年金融資住宅の一坪の賃貸料は幾らであるか、それから公務員住宅に対して月収三万円以上くらいの人が何パーセント入っておるか、この点をまずお尋ねいたしておきたいと思います。
  119. 鮎川幸雄

    ○鮎川説明員 厚生年金融資住宅は、先ほど申し上げましたように厚生省所管でございまして、ただいま詳細な資料はございませんが、私どもの聞いておるところを申し上げますと、これは厚生省の厚生年金に加入しておりまする事業者に貸し付けておるわけでございまして、社宅の融資になっておるわけでございます。この社宅は、単に建設費だけから割り出した賃貸料のほかに、会社等もいろいろと負担をいたしておるわけで、ございまして、私どもの聞いておるところによりますと、月に大体二千五百円以下の一戸当りの家賃になっておるということでございます。
  120. 上林山榮吉

    上林分科員 公務員住宅に入っておる月収三万円程度以上の者が何。パーセントになっておるか、この点をお知らせ願いたいと思います。
  121. 市川晃

    ○市川説明員 ただいまの御質問に対して直ちにお答えする資料がございませんので、正確でございませんけれども、月収一万五千円以上――三万円でございませんで一万五千円以上、しかも三十一年度、ただいまの年度の実績によりますと、二千八百七十戸のうち千四百四十二戸が一万五千円以上の者であります。ただいま御質問の三万円以上というような資料は手元にございませんので、後ほど至急……。
  122. 上林山榮吉

    上林分科員 私の聞きたいのは、公務員住宅に三万円以上の者が何パーセントくらい入っておるかということをぜひ承知いたしたいのです。あとで資料をお願いいたしたいと思います。ただいまいただいた資料によりましても、二千八百七十戸のうち千四百四十二戸が一万五千円以上の者である、こういうことがわかったので、非常に参考になりましたが、そうすると、大蔵省が公務員住宅を所管しておられるようですが、この中で公務員住宅に入ることのできなくなった、いわゆる資格を失った人、この人たちが現在何戸数入っておるものか、これを承知したいのです。
  123. 市川晃

    ○市川説明員 資格を失いました場合には原則として六カ月で立ちのくように建前ができておりますので、ただいま御質問のように六カ月を経過いたしましてなお住んでおる者を全国的に把握することは非常に困難でございまして、正確につかみがねております。ただ、中央官庁における三万円以上、課長以上の分を選んで調査いたしましたところでは、二十名の者が六カ月の期間を経過してもなお居住しておるという結果が出ております。
  124. 上林山榮吉

    上林分科員 きのう公務員住宅の坪当りの賃貸料を聞いたのですが、大体坪百円ですね。これは第一種公営住宅の賃貸料と比較してどうなりますか。一万五千円以上の収入のある人々、これが大体第一種公営住宅に相当すると思うが、その賃貸料はどうなっておりますか。
  125. 鮎川幸雄

    ○鮎川説明員 第一種公営住宅の、昭和三十二年度の予算において考えている家賃を平均的に申しますと、大体十坪半で二千二百円、坪当りで二百円程度でございます。
  126. 宇都宮徳馬

    宇都宮主査 上林山委員、先順の質問者の住宅に関する質問が残っていますから……。
  127. 上林山榮吉

    上林分科員 もっと聞きたいのですが、また午後からお尋ねすることにいたしまして、一言だけにいたします。  大蔵省の管財局に申し上げたいのですが、公務員の住宅だけを考えても、賃貸料があまりに安いわけなんです。また、政府関係機関、たとえば国鉄、専売公社あるいは電電公社、こうした方面を見ましても、家賃があまりに安過ぎるのです。相当の常識もあり相当の収入もありながら、資格を失った者が六カ月の猶予期間を置いてもなお占拠しておるというのは、どう考えても不可解だと思う。しかも、大蔵省は、いろんな資料についてはなかなかこまかく調べておられるのに、この問題については、中央の一部のものはわかるけれども地方のものはよくわからぬ、資料も知っておりませんとおっしゃるのは、管財局として一体どういうものかと思うが、この点をどういうふうにお考えになるか。これは大へんなことだろうと思うので、あなた一人をお責め申し上げてもどうかと思うが、しかし、これは責任を持って――ここには役所の相当な人が入っておる。中には国会議員になっておる人も入っておるのですよ。これはどういう点から考えても遺憾なことだと思う。ぜひ入りたいという人がたくさんおるんだから、これを入れてやるということを、大蔵省がもっと大局的に、自分の所管のものはもちろんのこと、やってもらわなければならぬと考えておりますが、どういうふうにお考えになっておりますか。
  128. 市川晃

    ○市川説明員 ただいまのお話、ごもっともでございまして、第一点は家賃の安いという問題でございます。これにつきましては、一応国設宿舎に関しましての法律に基きまして、ある基準がきめられております。それに基きまして、建物の建築費、土地の代金、これにしかるべき乗率をかけて得ました数字を出しておるのでございますが、それに対しまして、公務員の特色としまして、常に転勤をいたしますほかに、ただいま問題になっておりますように、その資格を失いました場合に、通常の貸家に入っている人と違いまして、ある意味で居住する保護というものが薄められて、立ちのきをする、こう形に建前ができておりますので、そのように計算いたして参りました数字を、さらに居住権が不安定であるという理論から三割下げてできておるのでございます。それが一つの点でございます。  もう一つ上林山先生のおっしゃいました資格を失って長々とおるという点、仰せごもっともでございまして、いろいろ努力はいたしてございます。昨年来、御承知でもございましょうが、監査官制度を設けて、それぞれ調べるような形をとり、督促も一生懸命やって参りまして、逐次改善をしておるのでございますが、仰せの通り、その改善と申しましても、必ずしもはかばかしいものではございませんので、なおなお努力いたしたいと思います。先ほど申し上げました二十名の方々につきましても、極力連絡をつけまして、この三月未までにいずれも明け渡しをする見込みを持っているという返事をもらっておるような形でございます。
  129. 上林山榮吉

    上林分科員 何とかやろうというお考えだけはわかりました。しかし、あなたの説明を聞いておって、私はとてもたよりない気がします。今六カ月の猶予期間を置いて、まあ二、三カ月延びるくらいは常識としてよいとしても、三年以上、あるいは長い人は四、五年おるのです。もう常識のある相当収入の多い人です。それでよいものかどうか、これはよくお考えを願いたいと思う。
  130. 小松幹

    小松分科員 大へん長くなりましたが、あとで井手君から関連質問がありますから、先ほどのことだけちょっと大臣にただしまして、私の住宅に対する質問を終りたいと思います。  実は、私は最初から公営住宅と公庫住宅、公団住宅についての割り振りの点を質問しておった。公営住宅ならば一種、二種を通して家賃が割と少いから、そういう家賃の家をたくさん建てるべきではないかという考え方に立っておるわけです。ところが、政府が出したのは、そういうのももちろん建てて一おりますけれども、それよりも公庫住宅、公団住宅――公団住宅といっても、最近では地方税等の関係もありますから相当家賃が高いが、そちらの方に重点とまでは行かなくとも力を入れて予算をつけられているので、それについて質問を展開しておったわけなんですが、これについては大臣もやはりそういうお考えなのか。二万円、二万五千円以上の収入のある人の方が家を持っていないで、低額所得者の方が家をよけい持っておるんだ、こういうような説明を説明員からされたわけなんです。資料の点は別にして、大臣は数字を知らないと思いますが、どうお考えですか。やはり公営住宅のようなのに入る人の方が、ほんとう東京の町を見ても多いのだと思う。高額所得者の方が家を持つのがえらい多いだろうか、その点に疑問を持ったわけです。大臣はその点どうお考えですか。
  131. 南條徳男

    南條国務大臣 ただいまの御指摘の点はごもっともだと存じますが、資料がありませんからはっきりしたことを申し上げかねますけれども、大体低額所得者の住宅難が相当多かろうということは、私どもも常識的にわかるのであります。ただ、このたびの予算の面で公営住宅がほかの公団その他の住宅に比較して少いということはどうかという御質問でありますが、これは、先ほど他の委員からも御質問あったように、補助地方の公営住宅を進めるわけでありますので、地方の要求の補助等の程度の問題からして、昨年度に比べてそれほど多くもなかったというようなことで、大体この辺で地方の要求に応ぜられるということで、今年はかようなことにしたのであります。しかし、一種よりも、今申し上げる通り二種の方がなおよけいにある方がよかろうという意味で、二種をよけいにしたようなわけであります。また、政府の財政の関係もあり、全体の予算関係もあるものですから、その方を増額するということも、大蔵省との折衝においてなかなか困難な事情もありまして、他の公団住宅とかあるいは公庫住宅の方は、民間資金も流用できるという関係で、できるだけよけいに住宅難を緩和したいという意味で、その方をふやすことに相なったものと考えます。
  132. 小松幹

    小松分科員 私が考えたのに、そういう地方の要求が多いが、負担率の問題で公営住宅の方に力点が行かなかったんだという大臣の説明で、それもあったであろうと思います。しかし、もう一つの要素としては、数にとらわれておるんじゃないかという一つの見方もあるわけです。公団住宅、公庫住宅だったら、要った金に頭金は自分がつけて出すんですから数がふえてくる、こういう点もあると思いますが、特にまた公庫住宅では四坪半の増築まで二戸に数えておるわけです。一部屋増すことを増築に数えておる点あたりは、相当数字にこだわっておるのじゃないかと思う。私は住宅政策というものはあまり数字にこだわる必要はないと思う。昨年鳩山内閣のときに四十五万戸、今度は石橋内閣で五十万戸とかいうように、数字をはね上げると、変なところに力が入り過ぎる。今の所得からすれば、大衆の、いわゆる低額所得者の方が住宅をほしがっておる率も数が多いのです。数が多いから、そういう意味で公営住宅の方に力点を置くべきであるのに、公団住宅等に力を注がざるを得なかったということは、私は数にとらわれているの、だろうと思うのです。二の点大臣の御所悠々二つお伺いしまして、私の住宅に関する質問を終りたいと思います。
  133. 南條徳男

    南條国務大臣 その点は、先ほども申し上げた通りでありまして、決して数にとらわれるわけではございませんが、政府の財政の関係で、公営住宅については一応制約を受けるわけでありますので、本年度はこの程度にせざるを得なかったようなわけであります。
  134. 井手以誠

    ○井手分科員 関連して伺いますが、住宅問題は予算もずっとふえておりますし、重要政策の一つでありますので、先刻上林山君は先手を打って結論を出されたようでありますけれども、私はもう少し実態を明らかにしておきたいと思います。  そこで、お尋ねしますが、私どもの聞いたところでは、家賃は大体所得の一割くらいが適正であると政府からも承わっておりますが、その点はいかがでございましょうか。
  135. 鮎川幸雄

    ○鮎川説明員 家賃と収入の関係はどう考えているかという御質問だと思いますが、これのはっきりした結論的一な、あるいはこれで間違いないというような数字を出すことは、いろいろな考え方その他によって困難かと思いますが、私どもがいろいろと家賃問題その他を考えますときには、大体一割から一割五分程度が妥当ではないかというふうに考えております。
  136. 井手以誠

    ○井手分科員 まあ一割というのが定説でありまして、精一ぱい一割五分くらいで、あなたのおっしゃる通りです。そこでお尋ねいたしますが、今三本建で行われている住宅建設について、公団住宅の家賃は幾ら、公営住宅の家賃は第一種、第二種別に幾らということを、一つ数字を上げて御説明をいたたきたいと思います。
  137. 鮎川幸雄

    ○鮎川説明員 昭和三十二年度の予算において考えております各種住宅の家賃を申し上げますと、これは平均の数字でございますが、公営住宅第一種は、十・五坪で平均して二千二百円、それから第二種は、公営住宅は平均八・二坪で千三百円、公庫の融資住宅の中に賃貸住宅、いわゆる公共団体が出資して協会などが建てます賃貸住宅がございますが、その家賃が十三坪で四千二百十円、それから、公団住宅が、十三坪で申し上げますと四千百五十円でございます。
  138. 井手以誠

    ○井手分科員 さらにお尋ねいたします。固定資産税の関係があるようでありますが、その点の見通しと、さらに公団住宅などには敷金のお話もあるようですが、その実情を、概略でけっこうですから、はっきりおっしゃっていただきたい。
  139. 鮎川幸雄

    ○鮎川説明員 まず固定資産税でございますが、ただいま申し上げました家賃の中には、固定資産税は含まれておりません。  それから、敷金と申されたのは、ちょっと意味が取りかねましたが、地代がどのくらい含まれているかという御質問でございましょうか。
  140. 井手以誠

    ○井手分科員 固定資産税はこれに含まっておらぬとおっしゃいましたけれども、私の聞いておりますのは、固定資産税の見通しということでお尋ねしているわけでありますから、そういうことをよくお聞きになってから御答弁を願いたいと思います。もちろん入っているなら入っている、入っておらねば、今後どのくらい加えられるというようなことを御答弁願いたい。  それから、もう一つは敷金のことで、先般横浜でございましたか、公団住宅には三十万円を要求されたとかいろいろな問題が起っておりますが、私は一々申し上げません。先刻もほかの委員から御注意がありましたけれども、大体のことは知っております。だから、急所々々をお尋ねしておりますので、的確なお答えを願いたいと思います。先般横浜その他で問題のあった敷金の問題は、実際はどうなっているのか、その点の概略を御説明願いたい。
  141. 鮎川幸雄

    ○鮎川説明員 公営住宅の家賃の中には、先ほど申し上げましたように固定資産税は含まれておりませんが、昨年四月から実施されております国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律という法律がございまして、この法律によりますと、府県がその公営住宅の所在の市町村に対して交付金を交付するようになっております。その交付金の相当額程度を公営住宅の家賃の中に含めてもよろしいというようなことに相なっているわけでございます。これにつきましては、実は昨年度におきましては、国会の附帯決議等もございまして、できるだけこの交付金による増額分を公営住宅等の家賃に転嫁されないようにというようなことがございまして、この点につきましては、建設省と自治庁当局と御相談をいたしまして、昨年度は固定資産税が公営住宅の家賃に転嫁されないようにというような申し合せをいたして実施をしておるわけでございます。今年度は、実はその措置は昨年度限りでございましたが、今年度も同様な問題が発生しておるわけでございまして、今年度におきましても、ただいま自治庁当局と相談中でございますが、大体昨昭和三十年度同様昭和三十一年度におきましても公営住宅の家賃にはね返らないようにというようなことを措置する考えでございます。  次に、公団住宅の敷金の問題でございますが、公団住宅におきましては、公団の規則によりまして、大体三カ月分くらいの敷金は徴収いたすようになっておりますが、それ以外に特に公団の入居者等から敷金等を徴収するというようなことは考えてないわけでございます。
  142. 井手以誠

    ○井手分科員 交付金のはね返りが来ないように措置するということはけっこうであります。ぜひそうしてもらわなくちゃなりませんが、原則としては、相当部分は家賃に含めてもいいというような話でありました。そういたしますと、大体してはならないことでございますが、家賃の何割くらいにその固定資産税がはね返る見込みでございますか。実現してはならないという問題は別でございますよ。
  143. 鮎川幸雄

    ○鮎川説明員 額で申し上げますと、公営住宅の中には小さい八坪程度から十二坪程度のもの、さらに終戦直後に建てられた程度の非常によくないものから、最近建てております程度のいいもの、いろいろ内容が異なっておりまして、一律には申し上げかねます。またその中には木造住宅とか耐火構造住宅等もございますので、一律には申し上げかねますが、先ほど申し上げました法律によってはね返るだろうと考えられる幅だけを申し上げますと、八十円程度から五百円程度になる予定でございます。
  144. 井手以誠

    ○井手分科員 さらにお尋ねをいたしますが、先刻あなたは全国で二百七十万戸の住宅が足りないとおっしゃったわけであります。そこで、これは仮定の話ですが、民間自力建設の分は別にいたしまして、この不足する二百七十万戸、三十二年度に予定しておりまする公営、公団、公庫住宅、これを今日のままずっと毎年同じように建設をしていって、その間火災その他の災害による滅失住宅の従来の実績を差し引いて参りますと、どのような計算になって参りますか、何年かかるのでございますか。その点をお尋ねいたします。
  145. 鮎川幸雄

    ○鮎川説明員 現在の住宅不足は現在の程度で建てていたらどの程度で解消するかという御質問と承わったわけでございますが、これは最終的な決定というような数字ではございませんが、大体私どもが考えております考え方を申しますと、昭和三十二年度におきます住宅不足、これは、先ほど二百七十万戸の住宅不足と申し上げましたのは、昭和三十年の四月の数字でございます。その後二カ年を経過いたしておりまして、昭和三十二年におきましてはその数字にかわるべき数字は大体二百四十万戸程度というふうに考えておるわけであります。このほかに、毎年人口の増加、あるいは災害による滅失、または毎年の老朽化による住宅の損耗、こういうものがございまして、こういうものを合せますと、毎年恒常的に大体二十万戸程度の住宅の需要が新たに発生するというように考えられるわけでありまして、これを合計いたしますと、昭和三十年におきましては二百六十万戸程度の住宅の不足があったわけでございます。この住宅不足は、今年度は政府計画住宅が約二十万戸程度、民間自力建設による住宅が三十万戸、合計五十万戸程度になるわけでありまして、さらにこの五十万戸程度の住宅を、今後の経済の発展や財政の進展等を勘案しまして相当数伸ばしていくという仮定のもとに計算いたしてみますと、昭和三十六年、五年後になりますと、大体現在の住宅不足と考えられるのは四十四、五万戸程度になるわけであります。この数字は、さらにその後の民間自力建設等によっても、六年後の民間自力建設が大体四十万戸程度あると考えられますので、ほぼこの数字はその後には解消される、従いまして、今の速度と申しますか、三十二年度に考えております住宅不足は、さらに一定の増加割合をもって建設しますならば、ほぼ五カ年後には住宅不足は大体解消の見通しがつくというふうに考えておるわけでございます。
  146. 井手以誠

    ○井手分科員 ただいまの御答弁の是非についてはあらためてお尋ねをいたします。そんな甘い話ではございません。またそういうふうに将来の財政の伸びであるとか何とかということの政治的発言を聞こうとは私は考えておりません。数字について的確な資料をほしいのです。  そこで、先刻もお尋ねいたしましたが、二百七十万戸、ただいまは二百四十万戸と御訂正になりましたが、その中に自分の力では建てきれない人々――五百万戸の中の自力建設以外ですよ。政府でめんどうを見ている公団住宅であるとか公庫住宅であるとか、あるい特に大事な公営住宅、こういう人々の家屋の需要がどのくらいであるか、これが第一点。それから、先刻も所得階層別にお尋ねいたしました。家計費から考えて適正な家賃から逆算をいたしまして、どの程度の需要か、どのくらいの家賃の住宅が二百四十万戸の中にどのくらい必要であるか、――今後景気がよくなり、神武景気が天照らす景気になるかもしれません。そういうようなことを聞いておるわけではございません。二百四十万戸の中に、自分の力で建てきれない、政府がめんどうを見たくてはならない数字がどのくらいあろか。これは非常に大事な点ですから聞いておいて下さい。  それから、おそらくあなたの方では詳細御調査になったと思いますが、地方から要望されておる住宅はどういうふうな数字になっておるのか、第一種が幾ら、第二種が幾ら、公庫が幾ら、公団が幾ら、それにあわせて所得階層別に二万円前後の所得者はどのくらい家屋を必要としておるか、四万円前後の所得者はどのくらい家屋を必要としておるか、八万円ぐらいの所得者はどのくらいの家屋を必要としておるか、そういう所得階層別に一つお示しをいただきたい。  もしここで御答弁ができないならば、きょう昼食中にお帰りになって、午後劈頭私はその点をお尋ねしてもいいと思っております。これは住宅政策の大事な点ですよ。だから、おわかりの分だけでもけっこうですから、お伺いいたしたいと思います。
  147. 鮎川幸雄

    ○鮎川説明員 後刻ただいまお述べになりました資料を整えて提出したいと思います。
  148. 井手以誠

    ○井手分科員 全然今のところはわかりませんか。
  149. 鮎川幸雄

    ○鮎川説明員 今的確にちょっと申しかねますので、後ほど資料を持って参りましたときに御説明いたしたいと思います。
  150. 井手以誠

    ○井手分科員 それでは、私は無理は申し上げません。住宅問題についてはさらにお尋ねしたいと思いますが、二百四十万戸のうちに、政府がめんどうを見なければならぬ数字――特に最近は各都道府県市町村から低額所得者に対する住宅建設がしきりに要望されておると思います。私のところにも、他の委員の方も同様だと思いますが、たくさん陳情書が参っております。そういう事情もありますので、どういう方面に今日住宅を建設しなければならないのか、またその方面に隘路があるとするならば、これは先刻上林山委員からも御質問がありましたが、隘路があるとするならばどういうふうにこれを打開していかなければならないかというところに私は住宅政策の基本があると考えております。それでは、午後でけっこうですから、お待ちします。主査においても一つ午後劈頭に質問ができますようにお取り計らいを願いまして、一応質問を保留いたします。
  151. 宇都宮徳馬

    宇都宮主査 森三樹二君。
  152. 森三樹二

    ○森(三)分科員 私は建設大臣一つ根本的な点をお聞きしたいと思います。北海道同士だから、意地の悪い質問はいたしません。(笑声)  今各委員から非常に御熱心な質疑がありましたが、まず冒頭に、政府が今年の施策として十九万九千戸を建てると言っておる。ところが、新聞その他には、はなばなしく政策として五十万戸の住宅を建設すると言う。実際上政府の施策として建てるものは十九万九千戸、それをあたかも人の力を自分の力のように住宅は五十万戸作ると言っておる。昨年は四十二万戸建てると言った。これは何も今年始まったことではありませんけれども、こういうことはやはり率直に十九万九千戸を政府施策によってやるのだというような、国民に納得さすことが必要じゃないかと思います。これは南條大臣が初めてやったことではなくて、昨年も四十二万戸建てるというような表題において政府は国民に一応発表したわけです。こういう発表の仕方は国民に誤解をさすのではないか。国民が自分の力で建てるものは幾ら、政府施策で建てるものは十九万九千戸である、こういうことはやはりはっきりした施策を発表されることが当然ではないかと思いますが、いかがですか。
  153. 南條徳男

    南條国務大臣 ただいまの御質問につきましては、今年度の建設省の発表の仕方も、政府資金の建設が十九万九千、自力建設、民間によるものがほぼ三十万戸、これは三十一年度、三十二年度の実績にしても自力民間建設が約三十万戸は可能であるという発表のやり方をいたしておりまして、つまり合計において五十万戸になるのだ、こういうことで、住宅不足は先ほど申したように二百四十万くらいありますから、これらの不安を解消するのに何年くらいかかればできるのだという国民の懸念もありますので、大体五十万戸ずつやれば五カ年くらいで解消できるという国民に対して希望を持たせる意味でそういう発表をいたしましたが、内容ははっきりいたしております。
  154. 森三樹二

    ○森(三)分科員 内容は検討すればわかりますが、とにかく本年度は五十万戸建てるのだと言って、あたかも政府が自分の力で建てるような発表をする。これはあなただけの責任というわけではないが、すでにそういうような発表の仕方をされていることは、かえって国民に自力建設というか、国民が力を発揮する上において誤解を生ずるのではないかと思うので、この点は十分御考慮願いたいと思います。  そこで、今日都会に非常に人口が集中しておる。これは農村の過剰労働力その他が都会に集中してくる点もありましょうが、非常に人口が密集しておる。そういう意味から言っても、先ほど来われわれの同僚議員が市町村の公営住宅を重点を置いて建設するのだということを盛んに要求されておったが、これは当然だと思う。地方にそういうような安い賃料の住宅を建てれば、そこに住みつくということも可能である。都会に職を求めて出てきても、おるところがないのにかかわらず、ますます都会に集中してくる。ですから、そういうことから言っても、市町村の公営住宅という問題は、人口の分布というか分散というか、そういう意味から言っても大事だと思いますが、それについて大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
  155. 南條徳男

    南條国務大臣 その点はごもっともだと思いますので、明年度の公営住宅の内容につきましても、一種、二種の、二種は多いのでありますが、特に東京都における割当は前年度よりも減らしてもらって、地方の方をふやすという方向に施策をいたしております。
  156. 森三樹二

    ○森(三)分科員 大へん私の考えている点と一致した御答弁で満足であります。  さらに進んで、東京都というものは現在ニューヨークに次ぐ大都市になっているのですが、世界各国の都市の建築と東京都を比べますならば、ニューヨークは別ですが、ここは一階、二階で、高くても東京のセンターでもって十階くらいのものは高層建築ですが、とにかく非常に平面的に都市が伸びていっているために、土地の価格は高騰しているわけです。たとえば、五、六年前には郊外の土地は千円か二千円で買えたものが、一万円、二万円している。ここへもってきて、こういう政府の施策等によるところの公団あるいは金融公庫の融資の住宅等ができるために、それを当て込んでブローカーが暗躍して、なおさら郊外のものを高騰させている。こういう点は非常に住宅政策を不明朗にしている。農地は一応農地改革をしたわけですが、都市の住宅地問題についてもそういうような政策がとられるならばよいのだと思いますが、とにかく現在では住宅地も自由売買に放任してある。従って、これでは地価が暴騰する一途であります。たとえば、百坪の土地に十階の家を建てれば、その地価は十分の一になるわけです。平家で建てれば、百坪のものがたとえば坪一万円の地価で百万円ですが、十階のものを建てれば千円の地代というような計算になると思います。そういうことに関して、住宅を建てるためにはどうしても土地が必要ですから、住宅政策の根幹をなすところの土地という問題について、欧米のように立体的な建物ばかりにするわけにもいかぬでしょうが、――現在アパートは西ドイツのベルリンにしてもその他ヨーロッパ諸国の都市を見ましても大体高層建築になっている。日本でも大体そういうような形式をとっておりますが、民間の場合にはまさかそういう高層建築を公庫等で建てるわけにもいかぬでしょうが、これらに対しては、土地の需要度に対して土地の価格を高騰させないような一つの政策、つまりことしこれだけの公団の住宅が建つということを見込んで、そうして業者はこれの買い占めをやる、あるいはあらかじめ金融業者と結託して、そして公団等に売り込む、そういうことが相当行われておる。これはゆゆしい問題だと思うのですが、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
  157. 南條徳男

    南條国務大臣 ただいまの土地の値上りの制約ということについての御趣旨でありますが、何人もこれは考えますもっともなことだと思うのです。みな憂慮すべきことでありますが、しかし、これを法的にどう制約するかということは、立法措置としてはなかなか困難な事情もありまして、罰則その他今までの法律だけでいくということが容易ではない点もありますので、これはやはりいろいろな面で民間人、各方面の人々に御協力を願うほかはないと思うのです。土地収用法などの問題もありまして、これらについても、余談になりますが、道路など建設しましても、あるいは住宅につきましても、土地収用法でやる場合でも、立ちのきその他の問題も多いような次第でありますので、今のお説の点は、十分いろいろな点を考えまして、さようなことのないように考慮したいと思います。ただ、土地の値上りばかりでなく、平家よりも高層建築の方がいいじゃないかというお説ですが、私どもも、さような見地に立ちまして、明年度における公団及び金融公庫の金融も高層建築を今度は思い切って奨励したいというので、都会地内における非常に高価な土地の場所などにつきましては、できるだけ不燃化の高層建築を奨励する趣旨から、今までは、上に住宅がありまして、アパートを建てた場合、下の商店などは金融を認めなかったのを、明年度の予算におきましては、いわゆる足貸しという制度を設けまして、下は商店を作って、そうして鉄筋で上をアパートにした場合には七割五分の融資をするというような措置をとりまして、今の高層建築の奨励をどんどん進めるような措置をとるようにいたしたのであります。もちろん、土地があって、全部上に住宅を建てる場合には、土地及びその家屋に全貸しするという方法は従来通り進めていきたい、こういう考えでおります。
  158. 森三樹二

    ○森(三)分科員 そこで、大蔵省当局  におきましても、ビジネス・センターが、相当高層の建築でもって合同庁舎ができておるわけですが、不用な国有地の処分をするというような考えを大蔵当局が持っているらしいということをわれわれは聞いておるのです。あるいはまた、明治神宮外苑とか、あるいは新宿御苑なんかのああしたものも、一部国有地の処分をするというようなことも私は聞いておるのですが、これらについて大臣は積極的なお考えを持っておるのかどうか。
  159. 南條徳男

    南條国務大臣 まことにごもっともなお問いでありまして、この点は、今回の施策が大幅な住宅の増設となるものでありますから、土地問題が一番大事だというので、さっそく当時大蔵省と予算編成のときに折衝いたしまして、この用地の面において一般国有財産の処分を考慮してもらいたいというので、管財局においてもこのたびは宅地造成については十分協力するということになりまして、特に大蔵省においては特別会計を作ってでもこの管財局が国有地の処分を大幅にするという所信を披瀝してもらっておるわけであります。
  160. 森三樹二

    ○森(三)分科員 ただいまの大臣の御答弁をもっと明確化して、どれくらいのものが、東京初め全国の住宅用として国有財産の開放を行う計画があるのか、大蔵当局が説明ができればしてもらいたいし、今できなければあとでもいいのですが、そういう計画について一つ答弁願いたい。
  161. 市川晃

    ○市川説明員 正確なことは後ほどにさしていただきたいと思いますが、私どもの方で住宅に適するものであろうという意味で選びましたものが全国で九十九万坪ばかりございます。約百万坪と見込んでおりまして、これを住宅公団の理事者また事務当局と相談いたしまして、そのうちそれぞれ事情を異にいたしておりますので、公団側の計画と突き合せまして、公団がほしいと思う部分を、時期を適切に選びながら出資をいたしたい、こういう作業をいたしております。もう少し固まりましたところでお見せすることができるかと思います。
  162. 森三樹二

    ○森(三)分科員 ただいまの御答弁は、これは国有財産であって国有の建物などがあったのを取りこわしたあとのことを言うのか、あるいは、戦後財産税として金で納めることができないものは不動産で直接財産税を納めたが、そういう旧民間地主の財産税として納めたものを含むのか、あるいは、それを含まないものであって、国有財産として木造建物のバラックなどをこわした敷地あるいは空地になっておるものをさすのか、その区分をもっと明確にお願いしたいと思います。
  163. 宇都宮徳馬

    宇都宮主査 森委員に御相談しますが、建設大臣にまだいてもらわなければいけませんか。何か所用があるそうです。
  164. 森三樹二

    ○森(三)分科員 建設大臣はもうちょっといて下さい。
  165. 市川晃

    ○市川説明員 ただいまの御質問のうち、はっきり入っておりませんのは、物納関係などは入っておりません。それから、大体九十九万坪と申しますのは、いわゆる住宅適地として、整地費をかけたりいたしまして建てられるようになる、そういう部類に属するものでございます。  それから、もう一つ、九十九万坪とは別に、先ほどのお話にもありましたように、官庁庁舎などが非常に平面的にだだっ広くできておる傾向がございまして、全国平均いたしますと現在の官庁庁舎は大体二階建でございます。これをロケーションを変更いたしまして、余剰の部分というものをそれぞれ適当に協議いたしまして工夫をして出しますと、九十九万坪以外にさらにそれが加わる可能性があるわけであります。
  166. 森三樹二

    ○森(三)分科員 もう二、三問で済みます。  そこで、今御説明がありましたが、詳細な資料はあとでもって提出願うことにして、私は、もう少し大臣にお聞きしたり、またそういうような問題が起きないようにしていた、たきたいと思うのは、先ほど私がちょっと触れました明治神宮外苑あるいは新宿御苑の開放をする、これにからんで、相当、これは直接建設省がやっておるわけではないが、間接にあとの責任も起きる場合もないとも言えないと思うのですが、いろいろ公団あるいは住宅金融公庫あたりが住宅用地として土地を買っている例もあるわけですね。それを開放するについていろいろな問題があるらしいのです。これについて大臣は御存じかどうか。御存じなければ、もう少し調査をして、また後ほど報告をしていただきたいと思います。明治神宮外苑あるいは新宿御苑の開放はどういうふうに具体的になってきているのか。私らとすれば、ああした都市の中心部にああいう一つの空地のあることは、やはりいろいろな問題上、これは将来の地震とかその他の災害を防止する上においても、避難する場所としては私は非常にいいと思うのですけれども、しかし、現実にはそういう問題が相当深刻化して、すでに何か涜職問題といえばはなはだ具体化しますが、いろいろな問題があるというように聞いておるわけです。現に私昨今そういう話を具体的に聞いておりますが、それについて大臣はどの程度お知りか、知らなければあと調査の上報告を願いたいと思います。
  167. 南條徳男

    南條国務大臣 ただいまのお問いの件は、全く私どもの所管と違いますので、存じあげておりません。なおさような問題について公団等の方も調査してみたいと思います。
  168. 森三樹二

    ○森(三)分科員 大臣は知らないと言われたんだが、これは大蔵省の方々で明治神宮外苑の処分という問題は具体化しているんじゃないですか。
  169. 市川晃

    ○市川説明員 明治神宮外苑は仰せの通り具体化いたしておりまして、これは、社寺等に無償で貸し付けてある国有財産の処分に関する法律がございまして、その法律によりますと、それぞれ全国各地の社寺におきまして、その神社等のお祭その他に必要であるという形のものを、一部分は直接必要なものは無償で譲与するようになっております。その他のものは半額で譲与するような法律ができておりまして、これに基きまして各地それぞれ全部処理されて参りまして、一番最後に残りましたのが明治神宮であったわけでございます。昨年来いわば明治神宮側が外苑を半額で買い取る形になっておりまして、国有財産審議会等におきまして討議の結果、それぞれ適正な値段をはじきまして神宮に譲与するようになっております。
  170. 森三樹二

    ○森(三)分科員 今の御説明によりますと、半額でもって神宮に払い下げをするというのですが、そうしますと、神宮という一つの団体はそれをまた住宅公団か何かに売り払うというような形式になるのか、――住宅の用に供されるのじゃないのですか。私の聞いておるところでは、住宅を建設するために払い下げされるんだということを聞いておるのですが、その辺は、目的はどういう目的なんですか。
  171. 市川晃

    ○市川説明員 払い下げをいたしますにつきまして、明治神宮本来の目的を遂行するための外苑であり、すなわち明治陛下の偉業をしのぶ形であれはできているものでございますから、ただいま御質問のような住宅等に転売するとか転貸しするということについては、それは絶対にいけないと厳重に注意をいたしておるわけでございまして、明治神宮側といたしましても、私どもの方との連絡におきましては、全然さような気配も予想されておらない次第でございます。
  172. 森三樹二

    ○森(三)分科員 あなたの御説明によりますと、住宅の建設等には使わないというのですが、しかし、そういう払い下げをした場合には、あるいは一部関係者その他によって、その趣旨、目的等に沿って相当の住宅が建設されることも予想されるんじゃないかと思うのです。それからまた、新宿御苑の開放等についても、これはやはり住宅対策として、ここに南條大臣がおられるのですが、相当御検討なさって、もし住宅の敷地としてこれを応用するというようなお考えがあるならば、御答弁を願いたいと同時に、今御答弁が願えなければ、また後ほどでよろしいのですが、その点をちょっと大臣から承わりたいと思います。
  173. 南條徳男

    南條国務大臣 先ほど申し上げた通りで、建設省としては所管が違いますので、今のところ全然関知しないのであります。それが住宅公団等に転売されるやいなやという御懸念もありますれば、大蔵省としてはさようなことをさせないという今の御意見でありますが、私どもにおいてもその点を含みまして十分注意したいと思います。
  174. 森三樹二

    ○森(三)分科員 私の言うのは、都市の災害の発生するような場合を予想して、あるいは国民の健康を保持する上から考えるならば、ああした空地も必要かと思うんです。だけれども、その程度の問題であって、こういう住宅が非常に困難なときでありますから、これを開放すべきものがどれくらいのパーセンテージあるか、そういうことも十分検討して、たとえば新宿御苑を半分住宅地にしてアパートを建設するとか、明治神宮の敷地を半分開放してアパートを建てるとか、そういうようなことを建設大臣としてはむしろ考えることがいいのじゃないかと私は思うんですが、いかがですか。
  175. 南條徳男

    南條国務大臣 将来の問題としては御意見は承わっておきますが、今のところさような計画はまだありません。
  176. 森三樹二

    ○森(三)分科員 先ほど来公営住宅の問題でいろいろ質問がありました、が、住宅公庫の建設の構想というものは八万八千戸で、政府が一般公営住宅として建てるものの倍近くあるわけですが、これは、建設する場合においてもやはり土地の問題で行き詰まっておる。せっかく公庫の金を借り受けて建設したいといっても、土地がない。そのためにほとんど第一の手がかりができない。土地がないために建てられない。こういう者に対してどういう工合にやっておられるか。
  177. 鮎川幸雄

    ○鮎川説明員 ただいま御指摘がござ  いましたように、住宅建設の当面する第一の隘路は宅地の問題でございますが、特に住宅金融公庫の問題に限って申し上げますと、住宅金融公庫におきましても、各個人で建てます場合も、あるいは賃貸住宅を建てます場合におきましても、その問題に当面いたして  おるわけでございます。そのために、宅地の対策といたしましては、まずできるだけ安い土地を供給する。特にそういうのは山林原野などでまだ住宅に使い得るところも残っておりますので、そういうところのものをできるだけ開発したり造成いたしまして、個人一に分譲するとか、あるいは住宅建設用に使用するということをやっておりますが、今年度もそういう点にも力を注ぎたいと考えております。なお、このほかに、先ほど大臣からも御説明ございましたように、土地を有効に利用するというようなことから、住宅金融公庫におきまして、今年度から中高層の住宅、三階建以上の鉄筋住宅、耐火不燃の建物でございますが、そういうものを建てます場合には、従来の制度と変えて、そういうものが建てやすいような条件に、ただいまそういう法案等も検討いたしておるわけでございます。都心部をできるだけ高くするというような措置と、宅地開発をやって宅地の面積を増大するというような点が、ただいま考えているおもな点でございます。
  178. 森三樹二

    ○森(三)分科員 住宅公庫の金で建てる場合に、たとえば五十万、六十万程度の家を建てるのでも、その土地のほかに頭金が十五、六万要るわけですな。この頭金という問題、これも行き詰まる問題ですから、貸す金額の率をもっと引き上げてやる。とにかく現に十五万程度の金がなければ最小限度の住宅も建てられない。それが第二の隘路と申しますか、これをもう少し、個人手持ちの資金が少額であっても、その実情をよく調査して、それを建設する者の収入が明確に出るならば、あえて手持ち資金にこだわらないで融資をしてやるという方向に持っていくべきであると思うのですが、いかがですか。
  179. 鮎川幸雄

    ○鮎川説明員 建設費とか地価の騰貴によりまして、個人の負担する頭金が非常に大きくなっております。これについては本年度も従来通り七割五分程度の貸付になっておりますが、今後においては御趣旨の点をよく検討して善処いたすように考えたいと思います。
  180. 宇都宮徳馬

    宇都宮主査 午前中はこの程度にとどめ、午後は本会議終了後直ちに再開することにいたします。  休憩いたします。    午後一時一分休憩      ――――◇―――――    午後二時二十五分開議
  181. 宇都宮徳馬

    宇都宮主査 休憩前に引き続き会議を開きます。  上林山榮吉君。
  182. 上林山榮吉

    上林分科員 住宅政策について各員からの熱心な論議がかわされているわけですが、私はこの際大臣に一言お尋ねし、また要望したいと思います。それは、先ほどの質疑応答をお聞きになってもわかる通り、便宜建設省でこういうような予算説明をしているわけでありますけれども、実際は厚生省の所管になっておる住宅があり、農林省の所管になっているものもあり、あるいは運営面については大蔵省が運営管理しておる、こういうような点もあって、住宅政策としてこれをながめてみるときにばらばらである、こういうように考えるのです。だから、住宅政策を一貫して、秩序ある、しかも効果を上げるやり方としては、建設省が建設から管理、運営まで一括して将来やることが日本の住宅政策を能率的に遂行していくのに都合がいいのではないか、こういうふうに考えるのです。なるほど、大臣答弁はもうわかっております。考え方としてはいいが、ほかの所管にはそれぞれの目的もあることだから簡単にはいかぬけれども善処しよう、これくらいのお話だろうと思う。これもまた一面私は現段階では無理からぬことだともお察しできるのです。しかし、そういうことにこだわっておっては、私は住宅政策の一貫性というものはないと思うのです。一つ関係閣僚とも御相談になり、あるいは党の政調会あたりともよく御連絡になって、一つこの際抜本的にこれを考えてみようじゃないかという熱意を持っておられるかどうか、お尋ねいたしておきたいと思います。
  183. 南條徳男

    南條国務大臣 御質問の点は、一貫した住宅政策を立てろという御説でありますが、ごもっともな次第であります。ただ、特別会計でやるわけじゃないものですから、そこで大蔵省との一般財源の折衝等がありまして、先ほど申しましたように、公営住宅、公団住宅その他の比率がなかなか一貫しない面がありますが、これはしかし、お説のように党の政調などに案を立ててもらいまして、十分善処したいと考えます。
  184. 上林山榮吉

    上林分科員 ただいまの点については積極的に御善処願いたいと思っておりますが、さらに引き続いてお尋ねいたしたいことは、建設機械に二十億六千三百余万円、それから機械整備費に六億八千余万円、こういうふうに説明が出ておりますが、私は、建設行政を能率的にするためには、できるだけ近代化せる機械を積極的に導入してもらわなければならぬと思っております。その観点から、この点については賛意を表するにやぶさかでないのでございますが、この予算のうちでどういう種類の機械を購入する御計画であるか、二十億何がしと六億何がしのうちの内訳をまずお示し願いたいと思います。
  185. 柴田達夫

    ○柴田政府委員 お尋ねがございましたように、三十二年度の予算におきましては、建設機械費が二十七億四千四百万円というふうに、前年の十九億一千七百万円に比較いたしまして八億二千七百万円増加をいたしているわけでございます。建設省におきましては、昭和二十三年度から機械整備費を設けまして、一般の河川事業、土木事業というものの中に使います機械ではございますが、整備費を独立いたしまして、建設機械の力によりまして、人力施工に比べて能率の高い、事業の能率的な施行をはかるために努力いたして参っております。昭和二十三年の時代におきましては四億でございましたけれども、これは年々、今お一話がございましたように、機械の重要性にかんがみまして、公共事業費の増額と同時に機械の額もふえて参っておるのでございます。  三十二年度におきましては、河川の事業には六億八千万円を機械整備費として予定をいたしておるわけでございます。先ほどお尋ねに六億八千万円とございましたのは、治水、河川事業に使いまする機械の額が六億八千万円あるのでございます。そのほか、予算で御説明申し上げておりまするように、三十二年度におきましては道路整備の緊要性にかんがみまして、道路整備費を相当大幅に増額いたしておりますので、このふえます道路整備を能率的にやりますためには、機械もその事業費に見合いましてやはり相当購入をいたし、これを使いませんと、事業の遂行ができないわけでございまして、道路整備関係におきましては二十億六千四百万円を予定いたしているわけでございます。繰り返しますと、河川関係が六億八千万円、道路関係が二十億六千四百万円でございまして、合計二十七億四千四百万円の機械整備費を新たに設けまして、そのうち必要な更新すべきものにつきましては機械を購入いたします。老朽して期限が来ておりまする機械につきましては、修繕と申しますか整備を行いまして、機械の効果が上るようにいたして参る考え方でございます。  どういうものを買うかというお尋ねでございますが、購入費に充てます分は、そのうちの、内地で十四億、それから北海道で二億八千万、これが二十七億のうちで購入に充てる機械費でございまして その種類といたしましては、パワー・シャベル、ブルドーザー、ダンプ・トラック、こういう大型機械を初めといたしまして、必要な道路、河川関係に用います機械を購入いたす予定でございます。  なお、午前中ちょっとお尋ねが別の委員からございましたように、積雪寒冷特別地域に対しましては、除雪の機械を購入いたす、あるいは府県地方団体の事業に対しまして助成をいたすことにいたしておりまして、その積雪寒冷地域に対しまする除雪機械費は、内地、北海道合計いたしまして二億四千万円に当っている次第でございます。
  186. 上林山榮吉

    上林分科員 これは、資料を精密に調査する時間がないので、あるいは私の言っていることが言い過ぎになるかもわかりませんが、私がそれぞれの専門家から少し聞いたところによりますと、民間の大会社の機械の購入に比べて、建設省の機械は、一部を除いてはそう大していいものではないのだ、こういうような話もあるし、一面、建設省のが一、二は民間のものよりいいのもあるのだと、それぞれ話が違うようでございます。まあそういうこともなかろうけれども、できるだけこれは、日本の民間の事業も、建設省がりっぱな機械を購入することによって、半ば間接的指導といいましょうか、そうしたような強い意欲を持って注文もしなければならぬし、あるいは日本内地で作るものもそういうような設計のもとにいいものを作らしていく、こういうお考えを持っていなければならぬと私は思うが、そういうことについてどんな考えを持っておられるか、お尋ねいたします。
  187. 柴田達夫

    ○柴田政府委員 建設省が、ただいま申し上げましたように、整備費で使っております機械が民間に比べて遜色があると言われる場合もあるということでございます。そうでないという場合もあるというお話でございますが、現在におきましては、決して遜色はない、中には非常に自慢することができるような機械も使っているということが真相であると、あえて自負いたすのでございます。しかし、お話のございましたように、建設省が直轄事業に機械を用いますのには、やはり歴史的な経過がありまして、当初の時代におきましては、お話のように非常に貧弱であったという時代もございます。しかし、今日におきましては、機械費も年年増額をいたしてきておりますし、その質におきましても改良されてきている。これはやはり戦後建設機械が戦前の状況で非常に日本全体の水準が低かったということでございまして、戦後国産建設機械が非常に改良を見まして、これにつきましては、建設省におきましてもそれぞれ関係の団体、民間とも十分連絡をいたしまして、国産の建設技術、機械をりっぱにするということにつきまして努力をして参っているわけでございます。その結果といたしまして、現在ではごく一部の輸入するものを除きまして、この建設機械の分野におきましても、国産の建設機械が相当改良されまして、諸外国に比べて遜色のないものになってきているような次第でございます。
  188. 上林山榮吉

    上林分科員 ただいま答弁をいただいて、私の考えていることが杞憂であったことを非常に力強く思います。そこで、今おっしゃったように、民間の機械よりもいいものを外国に注文し、あるいは日本で作る場合もそういう考えで注文をする。ひいて間接的に民間企業の能率を高めるような考え方で、今後の機械設備あるいは購入に対して考える。これは私は単に簡単に聞いているのではないのです。これは非常に大事な問題なんです。私は、まだもっと機械を活用すれば、今のこの予算を効率的に活用するばかりでなしに、もっとよけいにこの予算をもって道路なら道路の補修もあるいは一割ぐらいは増加し得るんた、これぐらいに考えているのです。しかし、八億円事業分量の増加に比例して増加されているから、まあまあというところで妥協いたしますけれども、ほんとうはどうです、もう少し機械の整備費なりあるいは購入費がよけいにあれば、この予算範囲内においてもっと効率的に能率を上げることができるとお思いになりませんか。予算がふくれたから八億円ふやしたが、これでいいのだ、こう言う自信はないでしょう。できるならば、やはり今秋が言ったように、もっと力を入れてもいい問題だ、あるいは予算の節約もいい意味でできるのだ、こういうことをお考えになりませんか。
  189. 柴田達夫

    ○柴田政府委員 建設機械の使用につきまして非常に御理解のあるお話を承わりまして、ありがたく存ずる次第でございます。実際申しまして、事業費が増加するに伴いまして、明年も八億ふえております。また、質としても、お尋ねがございましたように、民間に負けないつもりでありますけれども、なお、この機械の内容におきましては、何と申しましても、老朽化してくる機械に対しまして新しく取りかえていかなければ、機械が十分実働しなければ役に立たないわけでございまして、その点につきましては、まだまだ不十分であるというふうに考えておる次第でございます。
  190. 上林山榮吉

    上林分科員 そこで、建設省が末端に血の通うような考えのもとに行政をやっておる非常にいい面があるので、さらにこれを積極的にやってもらいたいという意図を含んで質問申し上げるわけですが、それは、建設省が持っておる機械を府県の土木部あたりに転貸して使用させておるということでございますが、現在どれくらい地方の公共団体へ建設省あるいは地方建設局の機械を貸し付け、ておりますか、あるいは今年はまたこれを強化するような施策を持っておられるかどうか、この点を一つお尋ねいたしておきたいと思います。
  191. 柴田達夫

    ○柴田政府委員 この建設機械整備費の機械は、原則的には、予算の建前は建設省がみずから仕事をいたします直轄事業に使う機械であることを建前といたしておりますけれども、お話のように、公共団体等に対しまして貸付の制度がございまして、本来の自分の仕事に差しつかえない範囲におきまして、極力これをお貸しいたしまして事業に使っていただくようにいたしておるのでございます。一番新しい統計はございませんけれども、年々千四、五百台、これは延べ数でございますが、現在におきましてもこの関係で貸付をいたしております。建設省で持っております機械整備費で二千五百台、事業費で一万四千台の中で延べの数でございますが、二十九年、三十年度に千五、六百台のものを貸し付けておるというふうに御承知願いたいと思います。
  192. 上林山榮吉

    上林分科員 この貸付は言うまでもなく無料でしょう。同時に、府県当局から申請があれば適当な機械を貸してもらえるということになっておるのでございますか、なおまた、契約は一年間というふうになっておるかどうか、その点を承知したいと思います。
  193. 柴田達夫

    ○柴田政府委員 契約はそのときどき期間を定めまして約束をいたしております。それから、貸付につきましては、無料ではございませんので、最低限におきまして機械の貸付料をちょうだいいたしておるわけであります。
  194. 上林山榮吉

    上林分科員 この問題は非常にいい行政のやり方だと思いますので、今後さらに御推進を願いたいと思います。  次にお尋ねいたしたいのは、午前中質問をしつつあったわけですが、主査お話もありましたので、午後に回したわけでございますが、防火帯造成事業に関する問題でございます。ここに一般会計よりわずか一億五千余万円の予算を計上してございますが、私ども、この防火帯を作ることや防火建築を奨励することについては、数年前から建設省に強く要望してきた問題でありますので、どうも申しわけ的のやり方のように今日感ずるのであります。なぜもっと力を入れることにならないのか、この点をまずお尋ねいたします。  さらに、引き続いてお答え願いたいことは、この防火帯地域の指定に対して、県とか当該市とかが相当負担をしなければならぬ。またその負担率が高い。こういうことなどから、一面この事業が進まぬのではないか。残念ながら全国的にわが国は火災があまりにも多過ぎる。これは、防火帯地域とか、水利の便とか、消防車の整備とかいろいろありましょうけれども、都市計画上一番大きな問題としては、この防火帯地域を広げることが先決であるというように考えておるわけですが、これについてお答えを願っておきたいと思います。
  195. 町田稔

    ○町田政府委員 ただいまお尋ねのございました防火帯予算の問題は、住宅局関係予算でございますので、住宅局から後刻お答え申し上げることにいたしたいと思います。  なお、防火地域の指定は、ただいまお話のございましたように、都市計画として地域指定をいたしておりまして、中小都市等におきまして相次いで大きな火災が起っておりますこの際、従来指定をしておりました防火地域に加えて、そういう点をも考慮いたしまして、地域、地区指定の再検討もいたしたいと考えている次第であります。
  196. 上林山榮吉

    上林分科員 この防火帯造成事業のことは住宅局長からお答えになるのですか。ほかの方ではできませんか。そう追及するわけではないから、大体おわかりの方でけっこうでありますが、お答え願えませんか。
  197. 柴田達夫

    ○柴田政府委員 住宅局長がおりませんので、専門でございませんので不十分だと存じますが、防火建築帯についてまだまだこの程度では足りないであろうというお話に拝聴いたしました。日本の火災と建築物の関係考えますと、この防火帯の設定は非常に必要なことでございまして、もちろん予算として十分であるとは考えておりません。しかし、この関係におきましては、三十二年度は、従来五千三百万円でありましたのを、特にお話のようなことからいたしまして一億五千万円に、前年度に比しましては飛躍的に増額をいたしておるのでございます。これは、またまた及ばすなから防火建築帯に対して必要であるということを政府が認めましてこのような措置をとったものである、かように考える次第でございます。
  198. 上林山榮吉

    上林分科員 これは建設大臣一つお聞き願っておきたいのですが、この問題は、住宅局並びに都市計画局の二つの局が総合的に考えてもらわなければならぬ重大な問題だと思います。火災が起って後初めて、いや水道の問題がどう、あるいは防火帯の問題がどう、こういうふうに常にあとの祭になっているのが実情なんです。何だかよけいな仕事をしているようですけれども、これを十年間、二十年間と考えてみますと、大へんな国の経済というものに貢献するわけなんですから、一つこの防火帯地域の造成ということをもっと考えなければなりませんが、これの隘路はやっぱり地方の負担が相当重いということなんです。これも国の財政の都合もあることで、思うようにいかぬことはわかるのですが、多少とも率を変更いたしまして、地方の負担を軽くして、この防火帯地域並びに防火帯地域の不燃焼住宅の奨励、こうしたものを総合的に一つ考えにならなければならぬ。これも大きな問題なんです。何だか、道路と河川さえ作っておれば、あるいは住宅政策さえやっておれば、建設省の仕事は済んだと思いがちの向きもあるいはあるかもしれませんけれども、これはそれと匹敵する大きな問題だということをお考え願っておきたい。これは要望ですからお答えにならぬでもけっこうです。  質問はこれで終ります。
  199. 宇都宮徳馬

  200. 横錢重吉

    横錢分科員 国道の整備計画について若干お伺いしたいと思います。  これによりますと、二十九年度以降の五カ年計画によって国道を大体整備される、こういうふうに見られるのでありますが、しかしながら、これを予算面から見ました場合には、道路に費されている費用がわずかに四百五十八億でありまして、また、われわれが現実に見ております国道のひどいありさまというものは、これをもって果して計画通り整備が届くものかどうかはなはだ危ぶんでおる次第でありますが、今当局としてどの程度考えられておるのか、この点をお伺いいたしたい。
  201. 富樫凱一

    富樫政府委員 道路の整備につきましては、お話のように、五カ年計画を立てまして、それを推進しておるわけでございますが、最近の道路の情勢を見ますと、非常に自動車の交通がふえて参りまして、従来のような規模で進んで参りますのでは、ふえる交通量に追いつけませんので、三十二年度からはもっと事業量を大きくして道路の整備を進めたいと考えて、予算の要求をいたしておるわけでございますが、なお従来の五カ年計画では規模が小さ過ぎますし、また交通の情勢等にも変化がございますので、再検討いたしまして、新しい長期計画を立てることに考えておるわけでございます。  三十二年度の予算の要求は道路事業だけでは四百二十四億でございますが、道路関係事業そのほか街路事業、機械整備等を含めまして五百四十七億になるわけでございますが、これを従来実施しております五カ年計画の線で申し上げますと、五カ年計画の残量を完全に三十二、三十三でやるという規模のものでございます。
  202. 横錢重吉

    横錢分科員 国道には一級と二級との区分がありますが、この一級国道の延長キロ数、二級国道の延長キロ数並びにこれに舗装されているキロ数、されていないキロ数一さらにはまた、二級国道は各府県との費用負担もしておると思うのですが、この費用分担の率についても一応お伺いいたしたいと思います。
  203. 富樫凱一

    富樫政府委員 国道の種別ごとに改良済みの延長、舗装済みの延長を三十一年度末の現在で申し上げます。一級国道は現在九千二百二十五キロございますが、三十一年末までに改良済みの延長は四千二百六十三キロでございまして全体の四六・二%に当ります。また、舗装は二千八百五十六キロで、三一%に当ります。二級国道につきましては、全体の延長が一万五千六百八十二キロで、三十一年度末で改良済みが二七・四%、舗装済みが一二・三%。主要地方道は、二万七千五百十九キロありますが、改良済みが三四・八%、舗装済みが八・四%。都道府県道におきましては、九万二千三百四十七キロございますが、改良済みが一六・六%、舗装済みが三・六%でございます。都道府県道以上を総じて見ますと、全体が十四万四千七百七十三キロでございますが、改良済みが二三・一%、舗装済みが七・二%という状況でございます。  また、地方道に対します国の補助率の関係でございますが、地方道に対しましては国が三分の二の補助をいたしまして、一級国道、二級国道につきましては補助の場合には国が四分の三を補助いたします。また、一級国道につきましては直轄で施行しておる箇所もありますが、直轄施行の場合には国が四分の三を負担いたしております。
  204. 横錢重吉

    横錢分科員 今示されたこれらのキロ数によりまして見るときに、五年間で一級国道が全部舗装される、こういうような計画でございますか。
  205. 富樫凱一

    富樫政府委員 十年計画というのを立てました際には、一級国道を全部改良、舗装するということでございます。そこで、一級国道についてまだ整備されない部分が残っているわけでございますが、これを十年間に整備いたしまして、十年後には一〇〇%の整備率にいたしたいという計画であります。
  206. 横錢重吉

    横錢分科員 新国道が生まれた合に、今度は旧国道が廃道のような格好になっておる。この旧国道の今日の破損状況というものはかなりひどいものがある。これに対しては一体どういうふうな対策をとられておるか。
  207. 富樫凱一

    富樫政府委員 この改良計画は、原道を利用するものもございますし、また原道から離れて計画されておるものもございます。原道から離れます場合には、現在の道路は他の県道なり市町村道なりになるわけでございますが、原道につきましては、その一級国道が別に線を定められて改良されます場合には、その改良が終るまでは現在の一級国道の補修を国道として進めていく考えでございます。
  208. 横錢重吉

    横錢分科員 それならば伺いますが、たとえば国道六号線に沿った旧国道がある。この旧国道の破損状況というものは自動車が通れない程度まで破損をしておる。こういうのはこの五カ年計画の中には入っておるのか、あるいはまた国道の整備計画の中に入っておるのか。
  209. 富樫凱一

    富樫政府委員 十カ年計画の中にはこれらの道路についての補修も含めて計画いたしております。
  210. 横錢重吉

    横錢分科員 補修計画の中に入っておるというけれども、現実には、私が見ておる限りでは、数年間というものこれは全然修繕がされておらない。舗装の穴はあくまま、また危険な個所もそのままに放置されており、何度でもここで事故が発生しておる。そういうような事故の多発地帯になっておるのが、主として道路に条件がある、あるいはまた破損をして通れないようなひどいところもそのままに放置されておる。これが整備計画の中に入っているとは了承しかねるのだが、もう一度確認の意味でお伺いしたい。
  211. 富樫凱一

    富樫政府委員 六号線は水戸まで行く街道でございますが、最近特にいたみがはなはだしくなって参っております。また、数年来雨季等には交通に支障を与えるほどにいたんだことも承知しておるわけであります。これにつきましては、ただいま、改良を一方に進めると同時に、補修の方の補助も出しまして、県の方に補修をやってもらっておるわけでありますが、予算関係でなかなか御満足のいくようには従来参っておりませんが、これらにつきましては、今後一そう努力いたしまして、交通の迷惑にならないようにいたしたいと考えております。
  212. 横錢重吉

    横錢分科員 それでは、ついでに伺っておきますが、六号線の水戸までの完成の時期は一体いつごろとお考えになっておりますか。
  213. 富樫凱一

    富樫政府委員 十年計画を立てましたが、これらの計画におきましては、水戸までは五年くらいで改良を済ませたいという計画で載せておるわけでございます。
  214. 横錢重吉

    横錢分科員 道路改修していく場合には、特に都市の地帯においては地下に埋没する施設との関係があると思います。電纜であるとか、ガスであるとか、あるいは上下水道であるとか、こういうふうなものとの関係がきわめて密接なのでありますが、今日までのいろいろな道路政策を進めていくのを見ておるときには、地下埋没の施設とはあまり関係なしに道路をやっておるのではないか、その間に十分なる連絡がとれていないのではないか、こういうような節がたくさんあるわけです。というのは、国道を少し自動車で走ったならば、至るところに、今作ったばかりの道路を掘り返して工事を行なっておる。これは至るところに見る現況であって、こういうふうなことは、埋没施設が先に済まなければならないのに、連絡の密を欠いておるのではないか、こういうとかうに思うのだが、この間の協議あるいは連絡、そういうふうなことはどういうふうにやっておるか、その点伺っておきます。
  215. 富樫凱一

    富樫政府委員 道路の改良を実施いたします際には、それぞれ、電電公社でありますとか、あるいは水道、下水の方に連絡いたしまして、埋設するものもあわせて計画いたすわけであります。この計画が間々そごいたしまして、御指摘のような事態も起しておるのでございますが、これは大へん申しわけないことでございます。今後一そうその辺の連絡を密にいたしまして、でき上った道路を掘り返してまた埋設するというようなことのないようにいたしたいと考えております。
  216. 横錢重吉

    横錢分科員 今の局長答弁の中に五カ年計画あるいは十カ年計画ということが言われておるのですが、こういうような計画を立案するに当っては、これに先行して電電ならば電纜の計画、あるいは厚生省ならば上下水道あるいはまたガスの施設、こういうようなものと密接に連絡をとって、その方の五カ年計画なり十カ年計画なりを見た上で道路計画を立てておるのか、道路計画というものを立ててしまって、それから折衝しておるのか。これは、われわれが思うのには、おそらく建設省では建設省道路計画を立ててしまって、その上で折衝しておるのではないか。でなかったならば、今日見られるような、道路を舗装したと思うと、もう一カ月か二カ月の後にはそこをめちゃくちゃに掘り返している、こういうような現況は起るはずはないと思う。この間については、私は各省間の連絡の不備ということが非常につかれるのではないかと思う。しかも、これは、今私が新しく言う問題ではなしに、およそ道路の問題を論ずるときには、長い間論ぜられてきた問題だろうと思う。にもかかわらず、各省間の連絡はうまくいっていない。従って、これには、単に計画を立ててから話し合うというのではなく、常設的な連絡機関か何かを持って、立案に当って、立案に先だってこれをやらなければならないと思うのですが、この間に対するもう少し突っ込んだ御意見を承わりたい。
  217. 富樫凱一

    富樫政府委員 御承知のように、従来は、道路の方で計画を立てまして実施に当り、関係機関と連絡するという方法が多かったのでございますが、今後道路計画的にやるということになりますと、お話のように、計画を立てたならば、それぞれ一般に連絡するということが必要であろうと思いますので、具体的な機関等について今後検討をいたして、そのような機関を設けるように努めたいと考えます。
  218. 横錢重吉

    横錢分科員 道路の舗装を実施していく場合には、自動車数の増加を一体どの程度見込むかということは一つの問題であると思う。自動車数とともに、大型化、重量化の見込み、同時にまた、現在実施しつつある舗装の耐久力、これらに対する対策を承わりたい。
  219. 富樫凱一

    富樫政府委員 お話のように、道路は自動車を交通せしめることを主目的にいたして整備いたしておるわけでございますが、この自動車交通がどのように増加するかは非常にむずかしい問題でございます。これらにつきましては、経済企画庁等と連絡いたしまして、将来の見通しをまず立てまして、それによって交通台数も予想し、交通台数に応じてこの整備計画も立てるというように作業を進めております。お話のように、自動車の中でも重量自動車あるいは大型自動車が道路には大きな負担となりますので、それぞれの増加率については関係各省と折衝いたしまして、この十年計画を立てるに当りましても、各省と連絡の上に、それぞれの増加の見込みを立てまして、それによって計画を立てた次第でございます。
  220. 横錢重吉

    横錢分科員 現在の国道において、具体的に耐久力はどの程度に押えているか。
  221. 富樫凱一

    富樫政府委員 耐久力と申しますと、自動車の重さはどれだかということにもなろうかと思いますが、現在は二十トン・トラックを標準トラックとしてとっております。二十トン・トラックと申しますと、これは標準のトラックでありまして、そのトラックでたとえば舗装を設計いたしますと、そのほかの五十トン、六十トンの車が来ても大丈夫であるというようなことを想定いたしまして、その車によって設計を進めておる次第でございます。
  222. 横錢重吉

    横錢分科員 舗装に要している費用は、この重量化に伴って相当変化しておると思うのですが、また舗装の基盤やその他に応じていろいろ変化があると思うのですが、現在どういうふうな方法でやっておるか、あるいはまた、平米当りの費用はどの程度かけておるか。
  223. 富樫凱一

    富樫政府委員 舗装の厚さについて申し上げますと、従来戦前は十五センチないし十七センチ程度でよかったのでありますが、その後荷重が大きくなって参りましたので、最近実施いたしておりまするのは二十センチから二十三センチ程度の舗装の厚さを採用いたしております。これで平米あたりの単価をただいまお尋ねでございましたが、コンクリート舗装で申しますと、約二十三センチ程度のもので二千円程度でございます。
  224. 横錢重吉

    横錢分科員 二十ないし二十三センチ程度の舗装の厚さで耐えられるところの重量はどのくらいに見られておりますか。
  225. 富樫凱一

    富樫政府委員 先ほど申し上げました二十トン・トラック、これが通りましても十分耐えられるという厚さでございます。
  226. 横錢重吉

    横錢分科員 新国道等が生まれても、あるいはまた現在の国道等を見ても、建設省の耐久力、あるいはまた荷の重さの判断、こういうふうなものはきわめて甘いのではないか。従って、十分なる舗装の厚さを行なっていないから、国道ができたと思うと、じきにずたずたになる。これは、東京から各方面に通ずる道路を見ても、至るところの破損状況を見れば言えるのである。従って、この計画というものはその通り行われていないのではないか、あるいはまたこの計画というものは今日の自動車輸送に対して軽く見過ぎておるのではないか、こういうふうな感を持っておるのです。大体、この二十ないし二十三センチ程度のもので十分であるというような自信を持っておいでになるのであるか。
  227. 富樫凱一

    富樫政府委員 ただいま舗装の厚さを申し上げましたが、この厚さの舗装をいたしまするには、その路盤の支持力が問題になるわけでございます。今後舗装いたします路盤につきましては、その支持力も規定していきたいと考えるのでございますが、この十年計画に用いました支持力は、一立方センチあたり十一キログラムという路盤支持力係数を用いておるわけでございます。こういう支持力を持つ路盤の上には、先ほど申し上げましたような舗装の厚さで十分であろうと考えておるわけでございます。
  228. 横錢重吉

    横錢分科員 道路公団を新設されてから、道路公団によって道を作っていく、こういうふうな考え方が非常に重視をされてきておるのではないか。一般会計道路整備の方が四百五十八億程度であるのに、道路公団に本年度は百三十億もかけておる。従って、重要な幹線道路産業道路というものがおろそかにされて、本来ならば好ましくないところの公団有料道路、こういうふうな方面にどうも力が入れられ過ぎておるのではないか、こういうふうに考える。その考え方には、先般鎌倉等においても市内を通過する道路有料道路になったとかで非常に騒がれたのでありますが、本来これは観光地やその他の特殊な地帯に限定されるべきものであろうと思う。ところが、最近においては、千葉県の船橋から東京都の小松川に通ずる道路、こういうような首都に直接入る産業道路、基幹道路、こういうふうなところにまでも公団が出て有料道路を作ろうとするというような話を聞くのでありますが、これは計画通り実施をされるのですか。
  229. 富樫凱一

    富樫政府委員 有料道路につきましては、わが国の道路整備がなかなか進まない状態から、民間資金を入れて道路を整備しようということで道路公団ができたわけでございます。一般公共事業の方の財源としては揮発油税が主財源になっておりますが、この財源だけでは道路の進みがなかなか悪いのでございますから、有料道路の方法もあわせて道路整備の一翼として考えておるわけでございます。お話小松川から船橋に参ります道路、これは有料道路として計画いたしておりますが、三十二年度から実施に着手いたしたい考えでございます。
  230. 横錢重吉

    横錢分科員 今の船橋-小松川の道路というものは、市にとっても首都にとっても重要な幹線なのです。ここに道路ができたならば、この方面においては全部ここを通る、こう予想されるほどの重要な幹線道路有料道路であるということは、これは相当問題であろう。従って、できるまではこういうような方法で作ることも考えられるが、できたあとにおいてもこれは問題が起ってくる。大体、道路の無料公開の原則にも反しておる。これは、一般の通っても通らなくてもいい道路であるとか、あるいは並行線があるとか、いろいろな意味があるのならばともかくとして、こういうような産業道路として行われなければならないものか、道路政策の貧困の上から有料道路に渡されておる、こういうふうなことはそもそも間違いではないか、こう考えるのですが、当局としては、これはやはり有料道路として適当なものだ、こういうふうにお考えになっておるのですか。
  231. 富樫凱一

    富樫政府委員 有料道路として実施いたすことはやむを得ないと考えておるわけでございますが、それは、公共事業費でありますとか、ああいうものでは何年かかってできるか見当もつかないということでございますので、有料道路で一気に完成するという方策をとったらどうかという考えのもとに取り上げたわけでございます。今の千葉に行きます街道は、直轄で改良したところでありまして、一応改良済みになっておる道路でございます。そういった関係もございまして、今後できる新しい道路については、早く完成して使うという意味から、有料道路でも適当と考えておるわけでございます。
  232. 横錢重吉

    横錢分科員 最後にもう一つ伺いますが、今埼玉の川口の方面から千葉県の野田、柏、千葉等に至るところの二級国道考えられておる、また実際に実施に移されておる、こういうふうに聞くのでありますが、この二級国道を新設するという意味は一体どういうところにその価値を求めておられるのですか。
  233. 富樫凱一

    富樫政府委員 今お話しの線は、東京大環状とも称しておるわけでございまして、東京-川口方面から野田の弁に大きく環状線として考えておるわけでございます。自動車の行動半径も大きくなって参りましたので、東京都に関してはこの程度の環状線が必要があろうということから計画いたしておるわけであります。
  234. 横錢重吉

    横錢分科員 そのほかには意味がないのでありますか。東京と衛星都市とを結んでおる線というものは、これは五分間でも早く東京に入る線をみな選んでおる。こういう東京を横に見ながら走る線は無用なんだ。東京を少し離れた線では、今計画している二級国道、こういうふうな線は全部通らない線になっている。そうして東京に対して直接放射線状になっておる線のみが使われている。こういうふうな現況のときに、相当の田畑山林、耕地をつぶして作るだけの価値があるかどうかというと、これは一般の人から見て疑問視されておる。何がゆえにこんな道路を作るのだろう、この道路を作るだけの費用があるならば既設の道路を早く舗装してもらいたい、完成をしてもらいたい、こういうようなことが一般の国民感情なんです。にもかかわらず、こういうものを作るからには、これは他に何らかの意味があるのではないか、こういうふうに考えておるわけですが、これは一体いつごろ着手をして、いつごろ完成をするのか、あるいはまた、これに要する費用はどのくらい見積っておるのか、この点もついでに伺っておきたい。
  235. 富樫凱一

    富樫政府委員 お話のように、東京に入るというためには必要のない道路になるわけでございますが、ただ、東京を抜けて南から北へ、あるいは東から西へと、一々東京を抜けなければならないようでも、都内の交通が現在かように幅湊しておりますから、一々入れるよりは、もし東から北へ、あるいは西から南へというような交通があれば、それを環状線を通してさばいていったらどうかという考えでこの整備を取り上げておるわけでございます。ただ、お話のように、この計画を何年計画でどれだけの金で入れておるかというお尋ねでございますが、この予算一に対しますおのおのの個所の計画はこれから立てるわけでございますので、現在のところ、まだはっきりいたしておりません。
  236. 宇都宮徳馬

    宇都宮主査 山本猛夫君。
  237. 山本猛夫

    山本(猛)分科員 まず建設大臣にお尋ねをいたしますが、建設省予算面、それからさらに前年度から開始せられました日本道路公団などの予算面で拝見をいたしておりますと、産業道路計画はほとんど東京から西の方にばかり重点が置かれているようでございます。そこで、私はきわめて端的にお尋ねを申し上げますが、北海道の開発の、あるいは東北開発のと言っておりますけれども、その根幹となりますものは何といったって産業路線の整備強化にあることは言うを待ちませんが、本州と北海道をつなぐ、これを縦断する産業交通路線となる道路計画大臣はお考えになっておりませんかどうか、しかもその場合に海峡をトンネルでいくといったようなことを根幹とした考えをお持ちになっておりませんかどうか、それを伺います。
  238. 南條徳男

    南條国務大臣 ただいまの質問でありますが、将来、国土縦貫道路というようなものが、国会でも取り上げられて、その計画に入るわけであります。さような場合には、この東北から北海道にのぞく縦貫道路というようなものも想定されるわけであります。その場合に青函トンネルを通るかどうかという問題でありますが、先行き相当また――今国鉄の方の海底トンネル調査は大体進んでおるようでございますが、自動車道としての海底トンネルはまだ調査できておりません。予算等の関係もありますし、将来国の発展、予算の状況等を考えまして、将来の問題かと思いますが、ただいまは考えておりません。
  239. 山本猛夫

    山本(猛)分科員 さらにお尋ねをいたしますが、建設大臣が御在任中にこの案件に対するお考えを進めるために、たとえば調査機関をお設けになる御意思がございますかどうか。
  240. 南條徳男

    南條国務大臣 今度の国会でできまする自動車国道法案の中で審議会ができますが、この審議会路線審議していただくことに相なっておりますので、この審議会等でこれらの問題を取り上げられますれば、さようなことになると思うのであります。
  241. 山本猛夫

    山本(猛)分科員 それでは、大臣建設大臣御在任中に本件に対する調査のためのお考えをお進めになるという御意思と解釈してよろしゅうございますか。
  242. 南條徳男

    南條国務大臣 私、在任中にということは、ちょっとここで申し上げかねます。
  243. 山本猛夫

    山本(猛)分科員 道路局長さんにお尋ね申し上げます。道路局長さんは一番御承知でございましょうけれども、たとえば今東京から自動車に乗りまして青森まで参りまする国道というものは、地方の県道よりもひどいのです。ことに三月の雪解けになりますと、バスが道路をこわしましたり、荷物を積んで歩く大型のトラックが雪解けの道路をこわしたりしまして、おそらくトラックが一つ入り込んでしまうというような穴が各所に毎年できております。これに対しまして、道路局長さんは今どういうお考えでその対策をお立てになっておりますか、具体的に伺いたい。
  244. 富樫凱一

    富樫政府委員 東京から青森に参ります国道、これは、冬季雪が降り、凍るために、お話のような状態に毎年一回はなるようでございます。そのために東北地方道路の改良には相当多額の費用を要するわけでございますが、現在各省にわたりまして直轄で工事を進めておるわけであります。これも十年ぐらいには完成せしめたい考えで進めておる次第でございます。
  245. 山本猛夫

    山本(猛)分科員 もう一つ東京から青森までの国道を見ますと、広がっているところも所々に少しずつできておりますけれども、おそらくその大多数は、道路局長承知のように、トラックがようやく一台ずつすれ違うような細い道路が多いのです。これをその十年間で道路整備計画を進めておられるとしますと、幅員どれくらいの道路をお考えになっていますか。
  246. 富樫凱一

    富樫政府委員 幅員の問題につきましては、交通量を予想いたしまして、その交通量に合うように定めていく考えでおるわけでございますが、大体において、狭いところで、国道におきましては七メートル、それから市街地では十一メートルというような幅員をとることになろうと思います。
  247. 山本猛夫

    山本(猛)分科員 それでは、もう一つだけ簡単にお尋ねをいたしておきたいと思います。東北の道路を見ますと、比較的に鉄道の本線と交錯しまして、はなはだしいところでは百メートルないし二、三百メートル置きに国道と鉄道路線とが踏み切りで交差いたしております。そのためにひんぴんとして事故が起っておりますことは、これも御承知通りだと思うのでございます。ことに、盛岡を出まして沼宮内から一戸ないし福岡の周辺というものは、全くそういうように百メートルないし二百メートル、三百メートル、多くて五百メートルも行かないうちに、なわのごとく道路と鉄道路線が交錯をしております。それをどういうふうになさろうというお考えでありますか、その時期もあわせて伺いたい。
  248. 富樫凱一

    富樫政府委員 お話の盛岡から青森県境に至ります国道につきましては、平面交差が非常に多うございます。ただいまそれを改良すべく直轄で進めているわけでございますが、三十二年度からはもう少し規模を大きくして事業の促進をはかりたい考えでございます。何年であそこを完成するかは、今ちょっと宙に覚えておりませんので、調べましてお答え申し上げます。
  249. 山本猛夫

    山本(猛)分科員 問題はきわめて明瞭な事実でございますので、これ以上御追及申し上げるような質問のいたし方はしませんけれども、東北開発の問題がやかましく言われ、北海道開発の問題がやかましく言われて参っておりますことは御承知通りでありまして、結局は、今のおやりになっていることを考えますと、土台を作る前に屋根の方ばかり気にしておいでになるとしか考えられないのでございます。いろいろと施策もお持ちでございましょうけれども、まず土台の問題としての交通路線の整備をできるだけ早急におやりになっていただきますようにお願いを申し上げまして、質問を打ち切っておきます。
  250. 宇都宮徳馬

    宇都宮主査 井手以誠君。
  251. 井手以誠

    ○井手分科員 道路について、すでに時間もだいぶん経過しておりますので、一点だけお尋ねしておきたいと思います。それは有料道路の問題ですが、各地で開設されました有料道路のその後の収支の状況はどうであるか、予定よりも順調にいっているのか、そうでないのか、この点だけお伺いしておきます。
  252. 富樫凱一

    富樫政府委員 現在料金を徴収しておりますところは十七カ所でございます。これの料金の上り高を見ますと、いいところもあり、悪いところもあるわけでございますが、全般的に申しますと、料金は年々増加して参ってきております。料金収入の実績を申し上げますと、三十年度は一億六千五百余万円でございましたのが、三十二年一月まででございますが、二億五千五百万円となってきております。これを三十一年度末を予想して数字で増加率を申し上げますと、約二一%の増でございまして、前年度に対比いたしますと収入の六五%が増してきております。
  253. 井手以誠

    ○井手分科員 ただいまの御答弁で大体わかりました。  そこで、大臣に一言だけ御注意を兼ねてお願いたしたいのですが、幸いと申しますか、有料道路は非常にその後の利用率が高くなりまして、予定よりも早く償却ができるだろうと存じております。けっこうな話です。しかしまた、これを反面から考えて参りますと、ところによりますと相当高い料金を取っておるのであります。自転車十円であるとか、あるいは三輪車三十円とか五十円とか、ダットサンも四輪車で百円とか、相当高い料金を取っております。あまり高いために昔の渡船が復活するという事例も筑後川には起きておるのであります。そういうことを考えて参りますと、何も営利事業ではございませんし、十年の計画を五年で仕上げなければならぬ理由もないわけであります。最近渡船が復活したというのも、やはり高過ぎるという事例にもなろうと思うのであります。私は佐賀県でございまして、二カ所ございますが、何も私のところだけ申し上げているわけではございませんが、道路という性質から考えまして、そのように六五%も予定を上回るという状態でありますなら、料金を引き下げて、また、かりに償還期限が延びましても、公衆の利便のためには料金について再検討の必要があると考えております。ここで具体的にお答えをいただくわけには参りませんけれども、方針だけ大臣から承わりたいと思います。
  254. 南條徳男

    南條国務大臣 有料道路料金につきましては、大体自動車については一キロ十円ということで実施しております。公団は御承知のように昨年から各府県等の有料道路などを肩がわりしたのでありますが、私先般視察しました三重県の伊勢-松阪間の例をとりますと、十キロありまして、最初県営の場合は料金は高かったそうであります。それが公団になりましてから一キロ十円に下、げまして、十キロ百円ですが、最近は非常に利用率が多くなりまして、最初は十五年償還計画のものが、この調子ならば十三年くらいで償還ができるだろうと言っておるような状態で、他の横浜のそばの戸塚方面の道路などにつきましても、大体一キロ十円で成績が上るというような傾向であります。そこで、今のお話の自転車というようなものにつきましては十円のものをもう少し安くしたらどうかというようなことは、フール計算等をいたしまして、将来相当考慮させるというようなことも私ども考えていいと思います。
  255. 井手以誠

    ○井手分科員 これ以上申し上げません。私は先刻から橋梁のことを道路と間違えたところもあるかと思いますが、橋梁で十円です。短かい橋をちょっと渡るだけで自転車が十円、かついでいけば無料でございます。何も早く償還してしまわなければならぬものでございませんので、どうぞ一つお願いをいたします。十分再検討のほどをお願いいたします。  そこで、この機会に委員長にお願いいたしますが、午前中の私の質問に対する住宅関係の御答弁をいただきたいと思います。そのように取り計らいを願います。
  256. 宇都宮徳馬

    宇都宮主査 鮎川住宅総務課長
  257. 鮎川幸雄

    ○鮎川説明員 先ほど御質問がございました中で、現在の住宅不足戸数の中の収入階層別の分布はどのようになっておるかというような御質問がございましたが、これについてお答え申し上げます。ただいま印刷ができ次第皆さんにも配付いたす予定でありますが、ちょっとおくれておりますので、私からとりあえず御説明申し上げます。  この調査昭和三十年の八月に建設省が全国的に調査をいたしましたその調査の際に調べた資料でございまして、二年前のものでありますし、多少日時がございますので内容も変っておるかと思うのでありますが、これによって申し上げますと、一万六千円以下の収入のある者以下の者が約三〇%の不足を示しております。それから、一万六千円から二万五千円、これが約三〇%、二万五千円から三万二千円の者が一〇%、三万二千円から四万円程度の者が二〇%、四万円以上の者が一〇%、大体このような数字になっておるわけでございます。
  258. 井手以誠

    ○井手分科員 この数字で大体わかって参りました。時間がありませんので、別の機会に譲ってもいいと思いますが、二万五千円までの低額所得層、いわゆる減税の恩典にも浴しないこれらの人々が六〇%になっておるのであります。先刻あなたがおっしゃった、生計費から見た適正な家賃というものは所得の一割から一割五分までだということになりますると、やはり公営住宅でなくてはならぬという結論になってくると私は思います。また、その要求が、需要が一番多いと思う。公庫の住宅なりあるいは公団の住宅によりますると四千二百円、中には五千円のものもあるでありましょう。そういう方方はやはり少くとも年間五十万くらいの所得がなくてはならぬはずであります。月に四万円以上の所得がなくては入り切れないと私は思う。そういうことを考えて参りますと、どうも現在の住宅政策というものは実情に沿わない。もっと下層階級に重点を置かなければならないものが、高額所得者ということが当るかどうか知りませんけれども、年間五十万くらいの所得者を対象になさっているような気がいたすのであります。大臣はあるいは御存じかどうか知りませんけれども、私などの近くに参りますと、戦後引き揚げてきた人々は、まだバラック建にたくさん住まっておりまして、近所の川に流れてきた古材木なりそういうものを突っぱりにしてやっと雨露をしのいでいるような状態であります。おそらく地方からの要望はこういう住宅の建設要求が非常に多いことと思っております。その点について一つ特段の御検討を私は願いたいと思う。千円の住宅にも入れないようなこういう人々に対して、もっと簡易に入られるような工夫をしてもらいたい。もちろん耐火住宅の必要であるとか、いろいろの点はあるでありましょう。しかし、今困っておる、雨が降ればどんどん漏ってくるような住宅に住まっておる人々、こういう人々に特に一つ御配慮が願いたいのであります。この点はあらためて別の機会に申し上げます。  そこで、もう一点お尋ねいたしておきますが、二百四十万戸ないし二百七十万戸の不足住宅というもの、これは、私の考えによりますると、現に自分の力ではできない、どうしても政府の施策によって建ててもらわなくてはならない住宅、そういうものの希望であろうかと考えております。農家があるいは柑橘類その他の豊作によって家を改築するとか、あるいはそうでなくてもだいぶん古くなったので建て直そうという、いわゆる自分の力で建てるという数字は、この二百数十万戸という数字には入っていないはずであります。その点はいかがでありますか。
  259. 鮎川幸雄

    ○鮎川説明員 二百七十万戸の住宅不足は、その内容を申し上げますと、第一は老朽住宅で建てかえを要するもの、あるいは同居をいたしておるような世帯、あるいは狭小過密の住宅その他の非住宅居住、こういうものが全部入っているわけでございます。
  260. 井手以誠

    ○井手分科員 そうなって参りますと、農家や中小企業者、そういった大体自分の力で建てられる――それは簡単に建てられるものじゃございませんけれども、長年かかって蓄積したもので建てるのでございましょうけれども、そういったいわゆる自分の力で建てられる数字はこの二百七十万戸あるいは二百四十万戸という数字には入っていないと思うのですが、いかがでございますか。
  261. 鮎川幸雄

    ○鮎川説明員 二百七十万戸の不足の中で、自分で建て得るものがあるかどうかというお尋ねでございますが、これにつきましては正確な調査はないわけでございます。先ほど申し上げました調査をいたしました際に、希望調査、要するに自分で建てる力があるかどうか、あるいは政府の施策によって建ててもらいたいかどうか、こういうような聞き取り的な調査をいたしております。従いまして、その内容は多少正確度を欠きますが、それによって申し上げますと、この中で大体約三〇%程度は自力でできる、このような答えをいたした者が出ておるわけでございます。
  262. 井手以誠

    ○井手分科員 二百七十万戸のうち三〇%と申しますと八十一万戸でございますか、百九十万戸ばかりはやはり政府の施策によって何らかのお力添えがなくては住宅が得られないものだと私は考えるのであります。そういたしますと、本年度は十九万九千戸の住宅を建設するという石橋内閣のこの大きな政策をもってしても、なかなか簡単には建たないではございませんか。あなたは、経済が好況になる、自力建設もどんどんやっていくというようなことで五年後には住宅不足も解消するようなお話でございますが、毎年々々災害によるもの、火事で燃えたりあるいはつぶれたり、そういうことを考えますと、簡単なものではございません。  そこでお尋ねいたしますが、このように政府のお世話をしなくてはならないような住宅が毎年どのくらいずつつぶれて参りますか、今までの実績によってお答えをいただきたいと思います。
  263. 鮎川幸雄

    ○鮎川説明員 政府の計画によって建ちましたもので、つぶれたと申しますか、滅失したものの数字はちょっとございませんが、毎年どのくらい滅失または損耗するかということで申し上げますと、大体、先ほど申し上げましたのは恒常需要というものが二十万戸ございますが、その中には人口増加による世帯増加、これが入っております。なおそのほかに老朽化によって五万戸程度、なお災害等によりまして二万数千戸の滅失戸数があるわけでございます。
  264. 井手以誠

    ○井手分科員 ただいまおっしゃった毎年滅失するものが二十万戸、老朽で改築を要するものが五万戸、災害によるものが大体二万戸予定される、すると二十七万戸でございますか、そのうち政府でめんどうを見なくてはならぬものがどのくらいでありましょうか。やはり七掛くらいでございましょうか。
  265. 鮎川幸雄

    ○鮎川説明員 先ほど私が御説明いたしましたのは、二十万戸の中の内訳で申し上げたのでございまして、災害等によりまして、二万戸、人口増加による戸数増加はこの二十万戸の中に含まれておるわけでございます。そこで、そういうような毎年の恒常的な需要の中で政府の援助によらなければならないものはどのくらいかということは、これも的確な調査をいたしたものがございませんが、先ほど申し上げた住宅不足のもの等を参考として考えなければならないかというふうに考えておるわけでございます。
  266. 井手以誠

    ○井手分科員 大体これで大臣もおわかりだろうと思うのですが、そう簡単に住宅難が解消されるものではございません。もちろん内閣としては国民に対して大きなふろしきを広げられる必要もあるでしょうけれども、この二百七十万戸近く、あるいは二百四十万戸であるかもしれませんけれども、その七割がやはり政府でめんどうを見なくてはならない、こういうことになるわけです。ところが、一方滅失であるとか何とかいう理由によって毎年二十万戸はそれにかわるものを建てなくてはならぬ。前者の場合でも後者の場合でも、ともに大体七割くらいは政府でお世話しなければならぬであろう、こういう事務当局の御答弁です。そうなりますと、十九万九千戸――予定通り建っても十九万九千戸、これを今の状態でずっとやって参りましても、五年、六年で二百七十万戸に上る住宅難が解消されるとは思えませんが、いかがでございましょうか。
  267. 南條徳男

    南條国務大臣 お説の通りかとも考えますが、しかし、一昨年、昨年の実績等を見ますと、大体民間自力で建てました戸数が、全体が四十二万戸に対しまして二十八万戸くらい建っておるわけでありますから、そこで、その実績等に比べて、今年等の好況に見まして、大体二十万戸以上三十万戸くらいは建つだろうという想定をしておるわけでございます。それから、政府出資によります分につきましても、大幅に約二十万戸くらいに、昨年、一昨年に此べますと約二万戸くらいふやす予定でありますので、決してこれをもって十分とは申されませんが、国の財政等の関係もありますので、政府のほかの施策に比べれば、住宅についてはよほど重点を置いて予算を組んだという点において、何とか一つごかんべんを願いたいと思っておるわけでございます。
  268. 井手以誠

    ○井手分科員 よろしゅうございます。
  269. 宇都宮徳馬

  270. 小松幹

    小松分科員 今のちょっと二百七十五月の摘出の方法をまずお尋ねします。その次に、それは何カ年計画でやるというお考えを立てたのか、計画年度数をお願いしたいと思います。
  271. 鮎川幸雄

    ○鮎川説明員 二百七十万戸の住宅不足は、昭和三十年の八月に二千万円くらいの予算建設省が全国的に調査をいたしたわけでございます。これはもちろんその中に地域別あるいは都市別に抽出いたしまして、たしか四、五十万程度の世帯が対象になったかと思いますが、全国的な調査を実施した結果によったものでございます。  それから、何カ年計画でやるつもりかというお尋ねでございますが、二百七十万戸と申しましたのは、大体先ほども申し上げましたように昭和三十年の八月の不足数でございまして、現在、昭和三十二年になりますと、その数字は、大体二百四十万戸程度になっておるわけでございます。従いまして、この住宅不足数と先ほど申し上げました毎年の恒常的な需要を合せまして、私どもは毎年五十万戸と、さらにそれに国民の所得の伸び等を考えまして、またさらに財政の増加等を考えまして、ことしを基礎として考えますと、大体五年後にはほぼ先ほど申しました二百四十万戸の大部分は解消できるんじゃないかというふうに考えておるわけでございます。
  272. 小松幹

    小松分科員 昭和三十年八月の統計というのは、去年もそれを言われました。二百七十万戸の摘出方法というのは、いろいろ計算はあるけれども、大体似たようなものが出てくると思いますが、私は五カ年計画を遂行しようという建設省が三十年八月から数字を変更していないというのがおかしいと思う。これらは去年、おととしの建設委員会でもこういう数字が出てきたんです。それを数字の調整もしないで、二百七十万戸を二年前のままにいまだにそう言っていること、そのことから五カ年計画の基礎が実にあやふやだということを言われるのです。その点はどうなんですか。
  273. 鮎川幸雄

    ○鮎川説明員 調査は別に三十年以後実施いたしておりませんが、その後三十年に四十二万戸の建設計画が立ち、  これに対しまして四十万戸の実績が出ております。それから、三十一年度は四十三万戸の計画を立てまして、その実績はまだ最終的には出ておりませんが、ほぼ計画通り行くというふうに考えておるわけでございます。この二カ年の実績を基礎といたしまして、先ほどの住宅の不足数から差し引いて三十二年の住宅不足数を出したわけでございます。
  274. 小松幹

    小松分科員 そこのところがまだあいまいなんです。二百七十万戸、二百八十何万という数字はもう二年前に出ている。それから割引いた、いわゆる補正したところの今年度の住宅不足数というものをちゃんとぴしゃっと出しておりそうなものだと思ったところが、出していないということは、きわめていいかげんな数字を扱っているのだなという印象を私は受けるわけです。同時に、先ほどの問題で、かりに二百七十万戸をとった場合に、三〇%は民間のを当てにする。そうしていけば、あとは七〇%が残るわけなんですが、その残った七〇%のうちで老朽が二十万あるというのですね。そうですが、違うのですか。
  275. 鮎川幸雄

    ○鮎川説明員 老朽滅失は五万戸程度で、そのほかに災害と見合って二万戸程度があるわけであります。
  276. 小松幹

    小松分科員 そうすると、一万六千円以下の者が三〇%で、二万五千円台のが一〇%で、(「三〇%」と呼ぶ者あり)――そこをもう一回はっきりして下さい。
  277. 鮎川幸雄

    ○鮎川説明員 一万六千円以下が三〇%、一万六千円から二万五千円までが三〇%、二万五千円から三万二千円以下が一〇%、三万二千円から四万円以下が二〇%、四万円以上が一〇%、こういうふうになっております。
  278. 小松幹

    小松分科員 そうしたら、パーセントが多いじゃないですか。自力建設しようというのが三〇%あるとさっき言ったでしょう。そうするとパーセントが多うなる。
  279. 鮎川幸雄

    ○鮎川説明員 今申し上げました数字は、住宅不足と考えられます二百七十万戸のうちに、収入の別によって分布状況を申し上げた数字が先ほど申し上げた数字になるわけでございます。そのほかに民間自力云々と申しました民間自力でできるという三〇%は、全然別個の問題でございまして、同じ調査にはよったわけでございますが、先ほど申し上げました調査を実施した際に聞き取り調査と申しますか、希望的な意見を世論調査的に実施いたしたわけでございまして、自分で建てる意思があるか、力があるかというようなことを世論調査的にやったわけでございまして、必ずしも正確度は期しがたい点もあるわけでございますが、そういう聞き取り調査をやって、自力で建て得るかどうかということを調査したら、それが大体三〇%あった、こういうことになっているわけでございます。
  280. 小松幹

    小松分科員 それではさっき言うたパーセンテージというのは根底から狂っておる。一〇〇%を当てにして、そのうちに一万六千円以下が三〇%、あとが三〇%、一〇%……と言ったが、自力建設まで考えてのパーセントが中に含まれておるとするならば、これは私がさっき言った公営住宅か公庫住宅かあるいは公団住宅かの政府がやるというワク内のパーセンテージではない。いわゆる民間自力建設まで加えたところのパーセンテージをあなたは出してきた。だから、ちょっと立論の根拠がずれてきたと思う。その辺どうですか。
  281. 鮎川幸雄

    ○鮎川説明員 先ほど申し上げました数字は、不足した面の収入階層別な分布状況でございますが、これに対して、それでは建設計画はどういうふうなパーセントになっておるか、これを申し上げたいと思います。これは十九万九千戸の内訳になるわけでございますが、この十九万九千戸のうちに公営住宅、公庫住宅それから公団住宅というものがございます。なおそのほかに厚生年金の融資住宅あるいは国家公務員住宅等があることは先ほども申し上げた通りでございますが、この全体の中で、まず家賃等から考えまして、一万六千円程度までの人に当るものはどのくらいか、それから一万六千円から三万二千円程度のものはどのくらいかというようなことで計算してみますと、大体一万六千円以下の人に対しては、第二種公営住宅、それに公庫融資によります産業労働者住宅がございますが、これはきわめて家賃が低いものになっております。そのほかに公団の分譲住宅というものがございますが、これも社宅等に利用されまして家賃はきわめて低くなっておるわけでございます。こういうものを合せますと、大体二八、九%程度。それから、一万六千円から三万二千円の人については、公営の第一種公営住宅、公庫の住宅、及び、公庫住宅のうちの一部でございますが、さらに産業労働者住宅の一部、またその他の住宅あるいは公団の賃貸住宅の一部、こういうものを合せますと大体四〇%程度になるわけでございます。それから、三万二千円以上の者に対しては、公庫の住宅の一部と公団住宅の一部が入りまして、これが二八、九%というようなことになっておるわけでございます。
  282. 小松幹

    小松分科員 公営住宅の伸びと公庫住宅、公団住宅の伸びを多くしたというものの基礎的な数字の根拠がはっきり納得できませんが、これは、数字を出していただけましたら、その出した数字で検討したいと思います。  これで一応そのことは終って、次は治山治水の方に参ります。  災害の関係で見ますと、二十五年災は一応本年度で完了しておると思います。二十六年災以降がまだ残っていると思いますが、残事業量のパーセンテージは私は調べておりますけれども、パーセンテージでなくして金で言っていただきたいのです。二十六年災、二十七年災、二十八年災――二十八年災が一番多くて、二十九、三十、三十一と逐次パーセンテージは減っておりますけれども、残事業量の金目がわかっていません。
  283. 山本三郎

    山本政府委員 建設省所管の公共土木施設災害復旧事業費の二十六年度ないし三十一年度の過年災の残国費を年災別に申し上げます。  その前に、総計といたしまして五百四十九億八千五百万円、そのうち二十六年災が四十七億四千六百万円、――百万円未満は切り捨てております。二十七年度が二十九億九千百万円、二十八年度が三百億六百万円、二十九年災が八十八億六千八百万円、三十年災が三十億九千四百万円、三十一年災が五十二億七千八百万円ということになっております。
  284. 小松幹

    小松分科員 三十年のときに災害復旧を三、五、二の比率で三カ年計画で一応解消するというのが法律的に制定されたのですが、三十年から三十一年度災害は三、五、二の復旧でやるともう少し復旧していなければならぬはずですが、これはどういうわけですか。三、五、二の比率でいっていませんが。
  285. 山本三郎

    山本政府委員 三十年災害は三十一年度末までに約六五%いっております。三十一年災害が約三〇%でございまして、法律は災害のうち緊急のものは三、五、二という規定になっておりますから、その他のものは法律には明らかに規定されておりません。従いまして、この率でいきまして、緊急工事はその法律の規定通りいっているわけでございます。
  286. 小松幹

    小松分科員 緊急とか緊急でない災害復旧というのは、どういう判定を下しておりますか。
  287. 山本三郎

    山本政府委員 それは現地へ査定に参りまして判定を下しておるのでありますが、その内容については政令にありまして、たとえば「破堤」、「堤防の欠壊で破堤のおそれがあるもの」、「河川法第一条に規定する河川又は同法第五条の規定によって同法が準用される水流、水面若しくは河川の堤防の脚部の深掘れで根固めをする必要があるもの」、「河川の埋そくで流水のそ通を著しく阻害するもの」、「護岸、床止、水門、ひ門、ひ管又は天然の河岸の全壊又は欠壊で、これを放置するときは、著しい被害を生ずるおそれがあるもの」というふうな基準で緊要工事をきめております。
  288. 小松幹

    小松分科員 私の残事業量の点からすると、三十年度災害が六〇%残っておるようになっておるのですが、あなたは逆に六〇%進んでおるとお答えになった。それは事実ですか。
  289. 山本三郎

    山本政府委員 三十年災は、三十一年度末においては約六五%の進捗に相なるわけでございます。
  290. 小松幹

    小松分科員 私の調べたのでは、三十一年災の進捗度が二五・一%で、三十年災害が三一・二%の進行度のようになっておるのですが、これは間違いですか。
  291. 山本三郎

    山本政府委員 私どもの災害についてはもちろん府県災害でございますが、三十一年度の事業を行いますと、三十年災の進捗率は六四・六%、三十一年災が二九・七ということになっておりまして、先生の教字とは違います。
  292. 小松幹

    小松分科員 これは数字が違えば私の調査が間違いかもしれませんので、またあとで調べます。  そこで、本年度、二十八年災害が大体三百億からの事業量の残となっておりますが、これをどのように解消する予算を組んだか。
  293. 山本三郎

    山本政府委員 二十八年災害については、災害が非常に多いので、早く解消いたさなければなりませんが、目下二十九年以前の災害について各年災をどういうふうに処理するか検討いたしておるわけでございますが、大体二十六ないし二十九年災を三十二年度末において八一%強復旧したいと考えております。
  294. 小松幹

    小松分科員 二十八年災を本年末までに三百億縮めたいというのですか、二十八年災にはそういう予算を盛ってあるというのですね。
  295. 山本三郎

    山本政府委員 二十八年災について具体的に確定した数字をまだ出しておりませんで、検討中でございますが、二十八年災はもちろん含めて二十九年災までのものを八一・二%程度に復旧したい、そして特に二十八年災につきましては緊要な工事が多いものでありますから、そういうものを選んで特に推進したいというふうに考えております。
  296. 小松幹

    小松分科員 三十年、三十一年の災害は、一応三、五、二の比率的にいっておれば、ほぼそういうような数字に復旧がなっておると一応仮定しましても、二十八年災、二十九年災がずいぶんたくさん残っておるわけなのです。これの復旧計画というものがはっきりしたものが出ていないというならば、これは相当考えなくてはならぬと思っております。三十二年度を終って八一・二%の回復を考えておるというわけですか。
  297. 山本三郎

    山本政府委員 三十二年度を終りまして、二十六年災ないし二十九年災を総括いたしまして八一・二%程度に復旧したい。
  298. 小松幹

    小松分科員 二十六年から二十九年まで一括してそれだけいくというのですね。
  299. 山本三郎

    山本政府委員 そうでございます。
  300. 井手以誠

    ○井手分科員 ちょっと違いますよ。予算説明によりますと、三十二年度末における復旧の割合、二十六年災は九五%、二十七年災は九〇%、二十八年災は八五%、二十九年災は八五%というふうになっておるのに、ただいまの御答弁では、三十二年度末には八一・二%になるのだというようなお話です。私はこの数字について少し疑問がありますのであとでお尋ねしますけれども、ちょっと今数字の間違いがあったようですから……。
  301. 山本三郎

    山本政府委員 ただいまのお答え、ちょっと訂正さしていただきますが、二十六年ないし二十九年災につきましては八一・五でございます。
  302. 井手以誠

    ○井手分科員 数字がこの予算説明と違うのですよ。あるいはあなたのおっしゃる数字が私はほんとうだと思っております。私が各地を回っておりますと、建設省のこの数字のようで、大蔵省の見ておるような数字には実際いっておりません。三十年末で半分しかできておりません。実際はこれはもう河川局の方がよく御存じだと思う。大蔵省だけが工事が進んだようになっていますが、この表には、二十九年災までは三十二年度末に八五%ないし九五%完成するようになっておる。ところが、ただいまあなたの御答弁では、八一・二%が訂正になって八一・五%に上っておる。それでもなおずいぶん違うじゃございませんか。
  303. 山本三郎

    山本政府委員 この説明書は二つ問題があるのでございますが、一つは、これは農林省、運輸省を含めました三省分の復旧。パーセンテージになっております。
  304. 小松幹

    小松分科員 それから、海岸の護岸のことですが、河川の護岸は一応理論的にもはっきりしておると思いますが、河川護岸と違って海岸の護岸は、目的はただ単に国土保全だけなのですか、その辺のところをはっきりしていただきたい。
  305. 山本三郎

    山本政府委員 海岸の機能といたしましては、もちろん港湾、漁港等の問題も目的にあるわけでございます。そのほかにまた海岸地帯を守る施設の目的もあるわけでございまして、単に海岸を保全する、だけの目的以上のものもたくさんあるわけでございます。
  306. 小松幹

    小松分科員 これは、具体的な例をあげますとこういう例なんですが、海岸護岸をしたために、今までは自然海岸でいわゆる石ころを積み上げた護岸であったので、そのそばにある水田は何らの――何らのというこは語弊がありますけれども、塩害というものをこうむらなかった。潮のしぶきを浴びなかった。ところが、近代的な護岸をしたゆえに、その護岸の仕方はえらいりっぱな護岸をしたけれども、国土保全はできるけれども、逆にそばにある近所の水田は塩害をこうむって不毛の地になっておるという傾向がある。この点について海岸護岸の意見を聞きたいのです。
  307. 山本三郎

    山本政府委員 ただいまお話しのように、海岸に施設をしますが、施設をいたしましても、非常に波が強く当ると上を越してしぶきが入るという点でありますが、これは施設がない場合にはもちろん海水は全部入ったわけでありますけれども、施設をいたしましても、しぶきが入ってその付近は非常に被害を受ける、そういうお話でございます。これにつきましては、それを海岸の堤防と一緒に全般的に入らないようにするには非常に事業費もかかるわけであります。それを防ぐためには、従来におきましては、その付近に林を作ったり、あるいは大きな草を植えたりというようなことで防いでおったのでありますが、今のようながんじょうな工作物で、しぶきの全然入らぬようにするというのには非常に金がかかるわけでありまして、そういう施設は別個な方法で考えなければいかぬというふうに考えます。
  308. 小松幹

    小松分科員 別途の方法というても、これは建設省としても海岸護岸というのが昨年ごろから非常に進行度を持っておるわけです。自然海岸から建設された海岸になっていくことはけっこうなことですが、その進行とともに、塩害ですか、別な農産物被害というものが相当できてきている。それが、そばが道路であるとか、あるいはあき地であるならば何も被害はないけれども、水田であった場合には被害が大きいわけです。その被害に対する配慮がなされていないと思うのです。この点についても、どうもまだ海岸護岸に対する一つ計画の水準がはっきしないのじゃないかと思うがその辺はどうなんです。
  309. 山本三郎

    山本政府委員 今の点も非常に考えまして、波が参りました場合に逆に返るように工夫をいたしまして、波よけというふうなものを施設しております。従いまして小規模の高潮のときにはもちろん防げるのでありますが、非常に大きな場合には、どうしても多少のしぶきは入るというふうな場合も想定されます。ただ、今の波よけというふうなものがまだ全般的にできておりませんので、あるいは、今構築中の堤防につきましても、しぶきが入って被害を受けておるというような場所があると考えられますので、波よけなどを早く作るし、また、しぶきもなるべく入らぬように考えていきたい、こういうふうに考えます。
  310. 小松幹

    小松分科員 技術的には波よけというふうな形のものを御計画中だと思うが、私は、海岸護岸はこの方式だけではいかないと思っておるのです。というのは、自然海岸は傾斜がついて、必ずそこには捨て石か、あるいは自然の砂浜というものが傾斜的にできておる。どころが、それを海岸護岸に切りかえると、傾斜がとれて直角になってしまうという技術的なものが出てくると思う。だから、いくら一メートルなり八十センチの波よけをしても、その波よけよりも、捨て石の傾斜、あるいは自然の浜の方がはるかにこの波よけ以上の力を持っておる。そういうことを実際的に考えてみますと、海岸護岸については私は一つの疑義を持っているわけです。自然海岸をかえって不自然な海岸にしてしまって、科学的のようにやって、合理的のようにやって不合理な海岸を作っておる。それがゆえに、付近の住宅なりあるいは水田なりの被害は、護岸をしない前よりも大きな被害を作っておる。そういうことが現にあるわけなんですが、この点についての海岸護岸の設計を今後御研究なさる意思があるかないか。
  311. 山本三郎

    山本政府委員 今申し上げましたように、なるべくしぶきも入らぬような施設を作ることに現在においても努力いたしておりますが、今後におきましても、そういう点につきましていろいろと実験等を行いまして、計画を確立していきたい、こういうふうに考えております。
  312. 小松幹

    小松分科員 これは研究課題になると私は思っておるのです。  河川護岸は相当年月を経ておりますから、いろいろな形で研究されておると思いますが、海岸護岸は、まだそういう点について、ただ金が足らぬからできないのだというわけにはいかぬと思いますから、この点は研究していただきたいと思います。  私、昨年東北方面の直轄河川の災害を視察したときに、問題は中流にある。直轄河川は、上流は砂防工事とかあるいはこの数年前の災害復旧でやられた。また川のごく下流の方は相当整備されておるけれども、河川の中流が自然河川になっておる率が多いと思う。そのために秋田とか山形等の災害は中流の方に大きな被害を及ぼしておる。この点について本年度なりの予算的に見て、総体的に見て、すでに中流河川の護岸に手をつけたか、いまだに上流あるいは下流の護岸に重点が置かれておるか、いわゆる直轄河川だけでもいいですから、その護岸の中心点がどこに移っているかを御説明願いたい。
  313. 山本三郎

    山本政府委員 お説の通り、東北の河川等におきまして、河川の途中川幅の狭いところがありまして、上流地域と下流地域が分れておるような川が想定されます場合に、下流の方は早く改修する、それから上流の方も引き続いて改修するというようなことに相なりまして、その狭い部分の直上流が放置されておったというように考えられます。確かに、山形県の最上川にいたしましても、また秋田県の雄物川にいたしましても、また岩手県の北上川にいたしましても、そういう点が残されておったのであります。これはどういうわけで残されたかという点ですが、技術的の問題がそこにあるのです。改修の場合に非常に水位が高くなる。従いまして、これを処置するのに非常にむずかしい。金もかかる点もございますし、またこれを処置するのが技術的にも非常に困難であるというふうな問題で取り残されて参ったわけでございますが、最近におきましては、そういうものを処置するために、上流にダムを考えまして、洪水時の水を貯留いたしまして、狭窄部の上流の処置をしやすくするという方法を考えております。従いまして、最上川にいたしましても、また北上川にいたしましても、その部分をどういうふうに処置するかという計画が大体でき上りまして、今後におきまして、できるだけそのうちから効果的な部分を拾いまして事業をやっていきたいというふうに考えております。
  314. 小松幹

    小松分科員 今の問題は、ダム、遊水池を計画なさっているというわけだろうと思いますが、今後の河川改修一つ方向として、そういうダムとかあるいは遊水池というようなものを多く考えなくちゃならぬという段階であるか、あるいはそれほど重要視せないでもいいという考え方であるか、その辺を承わりたい。
  315. 山本三郎

    山本政府委員 できるだけ貯水をいたしまするダムとかあるいは土地が許すならば遊水池というようなものを作りまして、合理的な治水工事を行なっていきたいというふうに考えております。
  316. 小松幹

    小松分科員 砂防事業調査費等は予算が減ってきているのではないかという気もするのです。ちょっとこれを見てもそういうふうな感じが数字的にするのですが、いわゆる治水関係の砂防関係、これに数年前は非常に力を入れた時代がありますが、最近は砂防の方は手を抜いているのかどうか、その点を伺いたい。
  317. 山本三郎

    山本政府委員 本年度の砂防事業費が減っておるではないかというお話のようでございますが、前年度の予算の中には、例の昭和二十八年六月及び七月の大水害による公共土木施設についての災害復旧等に関する特別措置法というものがございましたが、それによりまして地すべり等の事業に対する補助率の差額の交付金が昨年度三千六百万ばかり含まれております。従いまして、本年度の砂防事業費は、その表によりますと三千万円の減額になっておりますが、実質的には昨年度より、ほんのわずかでございますが上回っておるというふうな結果になっております。
  318. 小松幹

    小松分科員 数字的にはそういう結果が出ておると思いますが、総体的に見て、砂防関係は、これは私の感じでありますれどけも、もうでき上ったという既成事実の上に立っておるのかどうかわかりませんけれども、少し手を抜いているのか、あるいは力点を変えておるのではないかという感じがするのです。この点は、力点を変えて砂防の方に力が入らなくなったのか、あるいはすでに砂防は完成したのか、――完成まではいかぬ、未完成でしょうけれども、ほぼある一定の水準まで達し得る実績を持ったのかどうか、その点を承わりたい。
  319. 山本三郎

    山本政府委員 砂防につきましても、まだまだたくさんやらなけばばならぬものが多いわけでございまして、決して砂防に力を入れないとか、あるいは砂防がもうこれでいいというふうに考えておるわけではありませんのでございまして、今後におきましても砂防事業は強力にやっていかなければならぬ、こういうふうに考えております。
  320. 小松幹

    小松分科員 その意気込みはわかりますが、数字で見るとそういう私の感じがするのですが、その感じは間違っていますかどうか。砂防事業は最近ここ両三年来ちょっと手を抜いたのではないかという感じがしますが、それは間違いですか。
  321. 山本三郎

    山本政府委員 三十二年度の予算につきましては先ほど御説明申し上げましたが、三十年におきましても三十一年の予算におきましても、決してその前に比べて減ったというような事実はございません。
  322. 小松幹

    小松分科員 それから、今年はダム特別会計を特別設定してやっておりますが、これは電気事業関係資金も入れておるようであります。ダムというのはあの総合多目的ダムになると思います。ほとんどが電気事業というものを伴っているものと思いますが、電気事業を伴わないただ単なるいわゆる遊水ダムというようなものだけでやるのですか、必ずダム工事には電気関係が伴うようになっていますか。
  323. 山本三郎

    山本政府委員 この特別会計で三十二年度で施工いたしたいというものにつきましては、全部電気事業が伴っております。それではダムはそういうふうな利水設備は必ず加えるのかというお話でございますが、すでに補助事業等では洪水調節だけやる穴をあけておるダムも、工事中のもありますし、でき上ったのもございます。
  324. 小松幹

    小松分科員 直轄でやる場合の多目的ダムの電気と並行してやる場合の事業関係は、今までもまた将来もはっきり区別してやっておるのかどうか。いわゆる電気方面の建設費と、ただ単なるいわゆる建設省の直轄でやるところのダムの費用とは、はっきり区別しておるかどうか。
  325. 山本三郎

    山本政府委員 お説の通り一つのダムを作ります場合に、公共事業費と電気事業者の負担が一緒になりまして一つのダムを作るわけでございますが、その費用をはっきり区別いたしまして今まではやっております。
  326. 小松幹

    小松分科員 そうすると、発電をされる初期にあっての売電料金問題等はどこが所管して、どこでやるようなかっこうになっていますか。
  327. 山本三郎

    山本政府委員 売電料金につきましては、発電を行う事業者と、それから電気を買う配電業者、言いかえますると大部分は九電力でございますが、その間で話し合いをいたしまして、電気料金は通産省の方で許可いたしますような手順になっております。
  328. 小松幹

    小松分科員 それはわかっておるのですけれども、いわゆるその電気事業を伴う一貫した多目的ダムの成功した場合に売電ということが必ず起ってくると思うのです。その売電に関する限りは、建設省としてはさらに関知しないのか、あるいは、電気を含めて、ダムを含めて全部の権益というものを建設省が握っておるのかどうか。
  329. 山本三郎

    山本政府委員 その点に関しましては、この特別会計で考えておりますものは、ダムだけを特別会計を作りまして、発電の、たとえば発電所であるとか、水路等は電気事業者が行うことになっております。
  330. 小松幹

    小松分科員 それでは、電気事業者が電気の原価コストをきめる場合には、建設省が出したところの、いわゆる直轄で出したダムの建設費というものは全然原価コストの中に入っていないのかどうか、その辺はどうでしょうか。
  331. 山本三郎

    山本政府委員 この特別会計の内容といたしまして、電気事業者等の負担金というのがございます。そのうちに電気事業者が出したものは、もちろん電力料金をきめる場合の原価に入るわけでございます。言いかえますると、ダムに出した負担金と、電気プロパーの発電所なりあるいは水路等に要した金等を合せまして、それを原価にいたすわけであります。
  332. 小松幹

    小松分科員 地方自治団体が公共事業としてやる場合には、電気関係の建設資金と、プラス、ダム工業に要った必要な補助を受けたものをのけた、自前で前ぼか地元負担のようなかっこうで出したダム建設費まで加えた上での建設費からはじき出して原価コストをきめておるのですか。建設省の方のは、全部国営でやっておりますから、そういう意味では全く電気事業のコストにダム工事の費用は加わっていないのかどうか。
  333. 山本三郎

    山本政府委員 今の電気事業者等の負担金は、この特別会計の収入になりますが、それは電気事業者から納付させることになっております。従って、電気事業者の負担でございます。ですから、今おっしゃられました県営の分と同じでございます。
  334. 小松幹

    小松分科員 今度初めてこういう特別会計を出したのですが、実は私は、今まで特別会計でなかった時代に、やはり電気事業関係建設省のダムとの、いわゆる対民間関係、国と民間とが一本になって電気事業になった場合の体系というものがはっきり今までわからなかったのです。そうすると、今度初めて特別会計にしたというのは、どういう原因とどういう意味があって特別会計に今度新しくしたのか、その辺を承わりたい。
  335. 山本三郎

    山本政府委員 この多目的ダムの特別会計を設置しましたおもな理由は、第一番目といたしまして、多目的ダム事業の建設を促進しようということが第一でございます。第二番目は、今おっしゃられました従来の多目的ダム事業は治水工事を担当いたします建設省と電気事業者等との共同事業として一つのダムを作っております。従いまして、それに要する資金計画や、これらの経理や、事業用施設の管理等が非常に複雑になっております。そのために事業施行が非常にやりにくかったという点がございましたので、これらの経理を合理化する必要がありまして、どうしても特別会計を作るのが一番合理的であるという観点に立ちまして、この制度を採用しようと考えているわけであります。
  336. 小松幹

    小松分科員 とにかく、そういうふうになると私は思うのですが、問題は、既往の対民間電気会社との建設費の振り割り、あるいはその関係というものを、過去にはどういう整理の仕方をしておったか、ちょっと説明していただきたい。
  337. 山本三郎

    山本政府委員 まず、ダムを作りました場合に、公共事業で幾ら持つか、あるいは電気事業者が幾ら持つかという費用の分担をきめなければいかぬわけです。これにつきましては、電源開発促進法にその費用をきめる政令がございます。この政令を使いまして負担の割合をきめます。そうして、その電気事業者の持つ分は、従来におきましては、それを建設省に委託いたしまして、委託工事でやっておりました。従いまして、一つのダムを作るのに、建設省の直轄工事費と電気事業者の委託した委託金をもって一つのダムを作っておったわけであります。今度は、それを、特別会計によりまして、電気事業者等の金は特別会計に納まって参りますから、特別会計で公共事業と合わせて一つの経理のもとに仕事がやっていかれる、こういうことに相なるわけであります。
  338. 小松幹

    小松分科員 そうすると、こう認識をしてもいいですか。日本の電気を起す電気事業考えた場合には、電源開発会社は一本作る、それから九電力会社自身がそれを作る、建設省と一緒になったこの特別会計で一本作る、さらに府県が公共事業の中として作る、そのほか自前で作るでしょうし、さらに自家発電もあるでしょうが、一応電力会社との関係のあるのは、これら大きく分けて四つになるのですか。そういう認識でいいですか。
  339. 山本三郎

    山本政府委員 その点は、建設省がダムを作りますけれども、電気事業をやるわけでございません。従いまして、今の四つの事業者がございますが、その中に建設省一つ加わるということではなくて、ダムだけを建設省が作って、電気を起す方は、今おっしゃられた電力会社なり、あるいは県なり、あるいは自家用なりが電気を起す、ただダムに対して費用を分担するという形になるわけであります。
  340. 小松幹

    小松分科員 そうなると、いわゆるイニシアのとり方、発起の仕方というのが問題になると思います。電力会社の完全なる下請を建設省がやるのか、それとも建設省自体でイニシアをとってやって、あとは建設会社を引っぱってくる、こういう考え方に立つのか、その辺はどうなんです。
  341. 山本三郎

    山本政府委員 建設省計画をいたしまして、電気を担当いたしまする通産省等に相談いたしましてダムの計画をきめる、そのダムを使って発電がどのくらいできるということがわかりますると、やりたいという者が出てくるわけでございます。そうすると、その人から金を納めさせて、ダムを使う権利を与えようというふうに考えておるわけでございます。
  342. 小松幹

    小松分科員 そこで、やはり問題になるのは対民間との関係で、私は建設省がその面だけから考えて民間会社から利用されるという考え方にも立つわけです。利用されてもいい場合もありますけれども、いい悪いは抜きにしまして、そうした場合にはっきりした話し合いというものは今までどなたがそういうことをやっておったのか、所管ですね、それはどうなんですか。
  343. 山本三郎

    山本政府委員 今までにおきましては、電気事業者と建設省が、事業費の負担であるとか、金の出し方であるとかいう点について契約をいたしております。ただ、今度は、それを事前に話し合いをつけまして、そして負担金をきめて納付金を国に納めさして、一つの経理のもとにやっていこうという形になりますが、その電気事業者に利益を得させるとか、あるいは国が利益をするとかいうふうな点につきましては、従来と全然変らないと考えております。
  344. 小松幹

    小松分科員 今まで建設委員会等でもここまで突っ込んだ質問もなかったわけなんです。特別会計にしたから特に目立ったんですけれども、特別会計にしなかったときに、一体どういうふうにだれが所管して、だれが電力会社と売電等の問題にわたって交渉しておったかということに疑義を持っておったんですが、過去のところは建設大臣あたりも御存じの上で、委員会あたりも一つもそういう質問はなかったし、報告もされていなかったのですが、河川局長だけの所管でやられておったのかどうか、これはどうでございますか。
  345. 山本三郎

    山本政府委員 もちろん、河川局だけの所管でやっておったわけじゃございませんで、建設省として処理していただいていたわけでございます。しかも、先ほど申し上げました費用の分担等につきましては、経済企画庁や通産省等と相談いたしまして、結論を待って分担等はきめております。もちろん大蔵省とも相談いたしまして、分担等につきましてはきめて参ったわけでありまして、決して河川局だけがひとりで独走していたということではないのでございます。
  346. 小松幹

    小松分科員 建設省がやる限りは目的が電気開発のためではないから、その点では他の電源開発会社あるいは電力会社とはかち合わないと思いますが、もはや水力の必要なる河川というものはわかっておるのですね。電気事業に変え得る河川というものはもうわかっておるが、そうすると、そういうところは電源開発会社がやる、特に大きなのは電源開発会社がやる、さらに九電力会社がおのおの自分の資力でやるとした場合に、建設省が多目的ダムを考えておる地点と交錯するか、あるいは全然別途な、全く交錯しない地点というものがどのくらいあるのか、その点を言っていただきたい。
  347. 山本三郎

    山本政府委員 ただいまお話がありましたように、只見川であるとかあるいは熊野川のような大きな電源につきましては、すでに電発が開発しようという計画を持っております。建設省といたしまして、それではどういう計画でおるかということでございますが、建設省といたしましては、一番初めには、特に治水のために必要な地点をまず計画しようということで出発いたすわけでございまして、目下大体考えられている地点は、十カ年計画というのをダムにつきまして私どもの内部で作ってみましたが、大小含めますと大体百方地点ぐらいは考えられるというふうに思っております。
  348. 小松幹

    小松分科員 百地点というと相当大きいのですが、これは計画地点の資料がありますか。あればまたいっか出していただきたいと思います。
  349. 山本三郎

    山本政府委員 その内容は、あるいは五万分の一というようなものでやったものもございますし、先ほどお話のありましたように、ただ単に電気を考えない洪水の調節だけやるというダムもありまして、非常に雑多でございますが、もしお入用ならお出ししてもけっこうです。
  350. 小松幹

    小松分科員 それじゃ特別会計にしました多目的ダムは今後相当複雑になっていくであろうと私は想像しているのです。しかも継続的な関係がある  から混乱もすると思いますから、その点については一つ建設委員会等におきましても時々に報告をしていただければけっこうだと思います。さしあたり本年の三十二年度の計画はどことどこを考えているか、ちょっと言っていただきたい。
  351. 山本三郎

    山本政府委員 特別会計で施工いたそうとしておりますダムは直轄施工のダムでございまして、三十二年度で完成いたしますものは除外してありまして、残りの十二ダムを考えております。具体的に申し上げますと、長野県の天龍川、青森県の岩木川、岩手県の和賀川、埼玉県の荒川、京都府の由良川、愛媛県の肱川、熊本県の球磨川、宮城県の名取川、京都府の淀川、天ケ瀬という地点でございます。十二カ地点のうち以上申しました九カ地点事業を施行するものでございまして、あと申し上げます三本は計画調査をいたすことになっております。残りの三本は、秋田県の雄物川、栃木県の鬼怒川、これは五十里ダムの反対の鬼怒川本川の方でございます。それから岐阜県の揖斐川、木曽川の支流になっております揖斐川であります。以上でございます。
  352. 井手以誠

    ○井手分科員 関連して簡単にお願いします。従来農林省でやっておりましたダム建設は、三十二年度からはこの特別会計の方に移されるわけでございますか。その分はその分で引き続いて農林省がやる、今後は新規なものは全部建設省が受け持つということになるのでございますか。
  353. 山本三郎

    山本政府委員 農林省のやっておる部分は別にこれに含ましめないわけでございます。今後におきましても農林省がやるダムは別にあるものと考えます。
  354. 井手以誠

    ○井手分科員 私は一元化されたものかと思っておりましたが、そうではなかったのですね。  そこで、お尋ねしますが、電力会社の負担金はどの款項に入っておりますか。諸収入のうちであれば、その金額をお示しいただきたいと思います。
  355. 山本三郎

    山本政府委員 これは、もちろん電力会社だけではないのでありまして、大部分は県営のものが多いのでございます。電気の資料が今ちょっと見つかりませんが、ほとんど十億以上が電気でございます。
  356. 井手以誠

    ○井手分科員 三十二年度の予算で組まれておる電力会社関係の負担金は、この三十二年度計画によって、一カ年でできるわけでございませんが、大体この計画で何キロ発電して、一キロ当りの負担金は幾らの納入を予定されておりますか。
  357. 山本三郎

    山本政府委員 この十二カ所のダムにつきまして、電気事業者及び上下水道が多少含まれておりますが、ダムに分担いたします金額は約七十億でございます。それによりまして、最大の発電力が約二十一万キロ、発生の電力量が九億五千八百万キロワット・アワーということになっております。
  358. 井手以誠

    ○井手分科員 お尋ねしたいことは、一カ年単年度では出て参りませんでしょうけれども、今予定されておるダム建設について二十一万キロの発電を予定されておる、そういたしますと、電力会社の負担金の納入はキロ当り幾ら予定されておりますか。同時に、一般の電力会社自身が建設いたします場合のキロ当りの建設費もお願いいたします。
  359. 山本三郎

    山本政府委員 今概算いたしますとキロワット当り三万五千円ということに相なりまして、各地点別にはむらがあると思います。なぜかと申しますと、電力施設の方の発電所だとか水路の方に金がむらでございますので、各地点別には非常にむらがあると思いますが、平均いたしますとそんなところであります。これは負担金であります。
  360. 井手以誠

    ○井手分科員 そういたしますと、ダムを作る電力会社自身が発電計画をやります場合に、ほかの費用は別ですが、ダム建設の費用は一キロワット当り幾らでございますか。
  361. 山本三郎

    山本政府委員 ダムだけに限定いたしますと、非常にむらがありますが、これをきめる場合には、そこに電力会社が自分で発電所を作った場合に幾らかかるかという計算をいたしまして、少くともそれより安くするという計算の方法をとっておりますから、その地点に電力会社が自分でやりましたよりも少い勘定になっておるわけでございます。先ほど申し上げました費用を分担するときにそういう方法を使っております。
  362. 井手以誠

    ○井手分科員 ここでは、資料として、電力会社自身が計画した場合のキロ当りのダムの建設費、それから、あなたの方の多目的ダム建設に便乗と申しますか一緒にやる場合の負担金、この資料を一つお出し願いたいと思います。それから、ただいまお示しになった十何カ所の分は電発その他で計画の中に入っておるかどうか。要するに、単価が安くできるところは電力会社がやって、そして非常に複雑な費用のかかるようなものは国と一緒になってやろうというような資本家らしい考えも出てくる場合があると思うのです。だから、私が聞いているのは、今までもあったでしょうけれども、あとでいろいろなことが起きないように申し上げているわけでありまして、あとで資料を提出願いたいと思います。  それで、もう一つ考えておかねばならない問題ですが、発電する場合に、隧道が要りますが、隧道によって河川の水温が低下して参ります。そうすると水稲の作況に著しい影響を及ぼすことは、あるいはあなた方は御存じないかもしれませんが、これは北海道なんかになると大へんな凶作になってしまいます。一度でも下ると大へんなものです。これは最近農民運動でも取り上げられておりますが、たとい九州あたりのあの暖かいところにあっても、温度が隧道メートル当り幾ら下るという計算も出ておりますけれども、当然それはこの費用の中には含まれなければならぬと思う。その費用はどのくらい組んであるか、お示し願いたいと思います。
  363. 山本三郎

    山本政府委員 この中に費用が具体的にどれだけということは、今資料がありませんから詳しく申し上げられませんが、水温低下の問題につきましては、農作に対する影響が非常に大きいというので、今まで行いましたダムにおきましては、なるべく上の水を取るようにしようということで、貯水池の中に取水道を作らせて、上水だけを灌漑用水に取るというような方法をとっております。また、導水路につきましてもなるべく隧道を使わないで、水をあたためて下に持ってくるような方法を講じておりまして、いろいろな処置はいたしております。なお、この水温の問題につきましては、各省合同でいろいろなことを調べたり、あるいはそれに対する具体的方策もいろいろ研究しているところでございますので、それらの結論も待ちまして、いろいろな具体的な方法もさらに進めていきたいと考えております。
  364. 井手以誠

    ○井手分科員 これがいよいよダム建設から発電の方の設備になって参りますと、あなたの方の監督ばかりでは及ばないことが採算上起きて参ります。隧道を建設する場合に、あなたの意向によって電力会社がやるとは思われない。そうなって参りますと、水温の問題あるいは農地補償の問題等について非常にめんどうなことが起って参るのであります。最近幸いにして若干水温低下の問題が発電所建設の場合に取り上げられつつあるが、なおまだ非常に少い。私はこの点をこれ以上申し上げませんが、電力発電設備を建設する場合でもあなたの方が監督なさるだろうと思いますので、あなたの方の責任によって、水温低下の補償をも一つ含めていただきたい。これは大臣に御約束願います。
  365. 南條徳男

    南條国務大臣 ただいまのことはごもっともだと思いますから、よく研究いたします。
  366. 小松幹

    小松分科員 次に、営繕の方ですが、総体的に建設省で官庁営繕だけでなくして地方道路なら道路あるいは建設に業者指名をやる場合に、これは官房でやられておるのか、その所管でやられておるのかしらぬが、どういう観点で業者指名がやられておるのか。
  367. 柴田達夫

    ○柴田政府委員 直轄事業として建設省がやります場合の業者指名は、建設省の各地方建設局におきまして行なっておる次第でございます。
  368. 小松幹

    小松分科員 官庁営繕の場合は。
  369. 小島新吾

    ○小島政府委員 業者の工事の種別あるいは工事高その他を勘案いたしまして、あらかじめ業者選定規定というのがありまして、それによりまして、適当な者、工事と合う能力のある者の中から数名選定して入札さすというやり方をしております。
  370. 小松幹

    小松分科員 工事の能力のある者と言われるが、ときどき指名に工事の能力のない者が入っておるときがあるが、それはどういうことになりますか。
  371. 小島新吾

    ○小島政府委員 業者のいろいろ金融状態あるいは技術者の数その他いろいろな条件からして、あらかじめ点数別によりまして業者の順位的なものを作っておるわけであります。それで、その中から選ぶのでございまするが、特に能力のない者が選ばれるということはないはずだと思っております。
  372. 小松幹

    小松分科員 それは御答弁でいいのですが、われわれから見て、どうもあまりおもしろくないような者もときどき入っておるようなこともありますけれども、これは見解の相違ですからいいでしょう。最近の傾向として、官庁営繕の入札は、完全に指名者の競争入札によって行われておるか、あるいはそうでないで一応談合というものが成立した格好で落されておるか、最近の傾向を伺いたい。
  373. 小島新吾

    ○小島政府委員 私の承知しているところだけでは、完全な入札になっているだろうと存じます。
  374. 小松幹

    小松分科員 官庁営繕の場合のそうした所管は、あなたの方なんですか。
  375. 小島新吾

    ○小島政府委員 そうでございます。
  376. 小松幹

    小松分科員 昭和二十四年か五年に、特別法に基いて建設されておる都市があると思いますが、それの都市計画予算というものが組んであるかどうか、それを伺いたい。
  377. 町田稔

    ○町田政府委員 特別な都市につきまして特別法が制定されておりますが、これらの都市につきまして特別な予算としてのワクはきめられておりません。一般都市計画事業費の中から、これらの都市につきましても各必要な補助をいたしております。
  378. 小松幹

    小松分科員 ワクがきまっていないで、その予算の裏づけのない特別立法だとは思いますが、優先して都市計画をされる意思があるかないか、その辺を一つ
  379. 町田稔

    ○町田政府委員 御承知のように、計画関係で各都市につきまして補助をいたします際には、各都市にそれぞれ都市計画を立てさせまして、その計画の実施に必要な予算補助をいたしておるわけでございます。それで、ただいま御指摘になりましたような特別法の制定されております都市につきましては、この法律の趣旨に沿いました計画を立てさせまして、それに基いて補助をいたしておるのでございまして、将来も特別法の趣旨に沿った計画を実施するのに必要な予算の配賦をいたして参りたいと思っております。
  380. 小松幹

    小松分科員 当時は非常な勢いで、広島、長崎が戦災で、あれは予算の一応裏づけがあってできたものでありまして、その後それに似通った各市が特別法のワクをこしらえて、立法の精神から言えば予算の裏づけはなかったけれども、そういう趣旨で発足したのでありますから、できるだけそれを計画年度をきめてやっていただかなければならない。のべつまくなしに特別法が未来永劫に伝わって、それへ優先権をとることもできないと思うのです。だから、あの特別法の趣旨を、一応何年かのもとに優先するというのをきめてかからなければ、私は有名無実だろうと思うのであります。この点、計画年度を持っての一応の予算の裏づけをするという態勢があるのかないのか、その辺をお伺いします。
  381. 町田稔

    ○町田政府委員 都市計画につきましては、すべての都市につきまして一応計画達成のための目標年度を定めることが必要でございますが、特に特別都市につきましては、法律制定の趣旨もございますので、今後早急に目標年度を定めまして実施をいたして参りますように進めたいと存じます。
  382. 小松幹

    小松分科員 ここにもこういう名前が出ておるが、きのう私文部委員会にちょっと出ましたときにも、戦災復興ための学校建設費というのが出ておる。戦後十二年になってまだ予算面に戦災復興の校舎建設費が出なければならない。いささか戦災の時期は過ぎたと思っておったところが、やはり建設委員会に来ても戦災復興の都市計画ができておる。これに一体いつまで戦災復興の予算を計上していくのか、計画年度があるのかないのか、これをお伺いします。
  383. 町田稔

    ○町田政府委員 戦災復興につきましては、昭和三十三年度をもって当初計画いたしました事業量を全部終了する予定になっております。今後二カ年で完了の予定になっております。
  384. 小松幹

    小松分科員 ここに盛られておる二分の一補助の戦災復興の金は、どこの戦災復興に充てるのか。
  385. 町田稔

    ○町田政府委員 現在三十二年度までに戦災都市といたしまして復興事業を継続実施いたしますものが五十一都市ございます。三十二年度末に十五都市完成の予定でございますから、三十三年度にはそれ以外の都市の事業が完成いたしますように実施して参りたいと思っております。
  386. 小松幹

    小松分科員 これは大臣一つ申し上げておかねばならぬと思いますが、官庁というのはよくこういうものがあることを喜んでおる場合があるのです。何らかの名目をつけておけば予算がとれる。都市計画をするのにいまだに戦災復興で都市計画をしなければならぬというような格好で、文部省だったら老朽校舎に飛びつくか、寒冷地帯に飛びつくか、六・三制に食いつくかして、何か少しでも名目の違ったようなものをとっておかないと予算がとれないというような形なんですけれども、それにしても、戦後十二年を経過していまだに戦災復興というような格好予算名目でとっておる。これは何とかならないかということを考えておるのですが、これは一つ大臣の手で御配慮になれるところかなれないところかをちょっとお伺いしたい。
  387. 南條徳男

    南條国務大臣 その点は、ただいま計画局長から御説明申し上げたように、当初戦災後計画を立てまして、逐次それを実行して参ったのでありますが、その残余が二年残っておるので、それが予算の面に残っておる、こう考えます。別段建設省が仕事に何らかの名目をつけて、架空と申しては語弊がありますが、さような意味の名目によって予算を獲得しようというような趣旨のものでは絶対にございません。
  388. 小松幹

    小松分科員 そうであろうと思いますけれども、私の観点から言えば、早く戦災復興というような都市計画の費用をもらわないでいいように進捗しなければ、神武以来の景気だなんて言うて予算を出しながら、予算の中にはいまだに戦災の復旧も来年度までやろうというようなことでは、神武以来の景気、拡大予算と言うてもちょっとおかしいと思う。神武以来の景気で拡大予算でやるならば、戦災予算ぐらいはもう一気にぽんと片づけてしまって乗り出していくような考え方に立たなければ、品で言うことと予算で盛っていることとは私は違うかと考えます。大臣、その点はどうなんですか。
  389. 南條徳男

    南條国務大臣 ごもっともだと思いますが、実際問題として、さような戦災後にまだ復旧できない面も多少ありますので、やむを得ずさようなことになっておると思いますが、現に横浜などはまだ戦災後の始末がつかぬ。先般も予算要求の際に、横浜地区を特別に願いたいというようなことがございました。あるいは広島などもそうかと思いますが、まださような点も多少あるのではないかと思いますが、それはできるだけ早く完成しまして、これを払拭したいと思っております。
  390. 小松幹

    小松分科員 残っておることもあると思いますが、もうそろそろ戦災復興について思い切った予算を出して、復興させるならさせる、打ち切るなら打ち切るという段階を計画しておかなければ、のべつまくなしに戦災復興が続いては困るという観点で申し上げたわけであります。  残された問題は住宅公団の問題でありますが……。
  391. 宇都宮徳馬

    宇都宮主査 住宅公団からは来ていたのですが、住宅の問題は一応済んだというので、帰したのです。
  392. 小松幹

    小松分科員 それでは、私の質問は、住宅公団だけを残して、あと終りたいと思います。
  393. 井手以誠

    ○井手分科員 時間がおそうございますから、ごく簡単に鉱害復旧のことでお尋ねいたしたいと思います。予算の説明によりますると、長い間の懸案でありました家屋等の復旧にも若干補助費が計上されておるようでありますが、これはどういうふうにして、またどのような内容補助されるのか、その点をお伺いしたいと思います。
  394. 鮎川幸雄

    ○鮎川説明員 鉱害によりまして地盤が沈下します場合に、道路及び敷地に合せまして住宅などが相当影響を受けることがあるわけですが、これにつきましては、単に家屋の復旧だけではなくして、道路、敷地を含めた全体としての立場から、それの復旧を講じなければならない面があるわけです。復旧対策につきましては、従来通産省が一元的に実施しておりまして、その中の一環として考えられておったかと思うわけでございます。
  395. 井手以誠

    ○井手分科員 そうしますと、家屋の復旧については、あなたの方は関係は全然ないわけですね。
  396. 鮎川幸雄

    ○鮎川説明員 災害によりまして家屋が滅失いたしました場合には一般的には火災その他暴風雨等によりまして住宅が滅失いたしました場合には、住宅対策の一環として公営住宅の建設あるいは住宅金融公庫の融資等を実施いたしておるわけであります。これが住宅だけを切り離して考えますならば、そういう従来の災害対策の一環といたしましての住宅の面の対策もできるわけでございますが、この場合は多少趣きを異にしておるわけでありまして、従って、これは通産省の方で取り扱っておるわけであります。
  397. 井手以誠

    ○井手分科員 結論だけでいいのです、時間がかかりますから。鉱害関係の住宅は通産省の方で、建設省は取り扱っていないということですから、それでよろしゅうございます。  なお若干ありますけれども、時間が大へんおそくなっておりますから、私もこの程度で打ち切ります。
  398. 宇都宮徳馬

    宇都宮主査 他に質問もないようでありますから、建設省所管についての質疑は一応終了いたしました。本日はこの程度にとどめ、明十三日午前十時より開会することといたします。  本日はこれにて散会いたします。   午後五時十九分散会