○
吉田(賢)
委員 綱紀を粛正するということは、言うはやすくして行うはかたい。ことに実をあげということは容易ならぬことであります。(「もういいよ」と呼ぶ者あり)ちょっとお待ち下さい、もう一点だけ聞いておきたいのです。実はこういう問題があるのです。外郭団体にあなたの統率しておられる自民党の国
会議員がおるのです。これは、あなたがもう退席なさるなら、私はこの問題をもっと暴露しますよ。けれども私は同僚のことだから多少遠慮しておったのです。けれどもあなたは綱紀問題に忠実に取り組んで下さるものと思って私は
あと申し上げようとするのです。(「約束があるのです」と呼あり)約束があろうとも重大なことですから……。だから、あなたが綱紀問題に耳をかさぬというならば、私はこれは徹底的に申します。実は、国鉄の綱紀の粛正は、ただに国鉄内部の職員、役員だけではありません。旧役員だけではありません。財界人、一般部外人だけの問題じゃありませんよ。政治の圧力が加わっているのです。ようございますか。はっきり申しますよ。自民党の国
会議員が加わっているのですよ。よろしゅうございますか。これは速記録に明らかになっております。私は登記簿でも見せてあげる。名前はちゃんと書いてある。書いてあります。やはりこれは呼吸を合してもらいたいのです。きょうは私はあなたの
言葉の答弁を求めようとするのではないのです。国鉄の副総裁は、暴力で粛正ができぬということさえ発言しておるのですよ。これはよくよくのことです。こんなことは言えることじゃありません。よくよくです。それほど真剣に粛正のために戦おうとしておるのですよ。
財政の粛正ですよ。
立て直しは粛正からなんだ。これと戦おうとしておるのです。私はその真剣さを思うのです。そこで、
ほんとうに自己の立場を離れてこの粛正をするということは国政振作の根本であります。どんな大きな看板を出しましても、政策を羅列しましても、粛正の実が上らなかったらこれはだめであります。そこで、あなたには
言葉の答弁は要らぬのですよ。
ほんとうに粛正に向って私とあうんの呼吸が一致するという、それがなければいかぬのです。それで私は申し上げるのです。ようございますか。その国
会議員といえども私は何の恩も恨みもありません。けれども、政治の触手があったら大へんだというのであります。あなたはこういうことにつきましても断固として適当な
方法をとってもらわねばいかぬということなんです。きょうは名前を言いましょう。名前を言いますが、現に参議院の決算
委員長をしておる君であります。この君は鉄友会の初代からの法律上の監査役でありまして、最近、
委員会の関係か、これを辞任して、これは明らかにしておきますが、衆議院のあなたの方の国
会議員と入れかわっておる。ただし、その衆議院の君は株主ではないのであります。(「はっきりせよ」「明らかにしたらいい」と呼ぶ者あり)速記録を見せてやる、速記録があるから。そこで、この会社は、大きいとき月に百三十万円も中間利益を取っておって、自分は何をする会社かといえば、登記簿によれば、その百貨店を見回っておるくらいしか何もやっていないというような状態であります。しかも、その最近の結果を見ますと、株は四倍半に値売りいたしまして百貨店に売っております。その株の行方は私は存じません。そこで、これではいかぬというので、少くとも年間五、五六百万円くらいは国鉄はよけい収入を取らなければいかぬというのが今度の国鉄の態度であります。少くとも従来は五、六百万円くらいは取りそこなっておったのであります。そういうような中間搾取はできないのです。又貸しはもちろんできないのです。又貸しをするということは禁止してあります。禁止しておるのを破ってやっていた。これは大目に見ておった。大目に見ておったのもいかぬし、禁止を破ったのもいけませんし、そうしてまた国鉄にそんなに損をかけることはなおさらいけません。それが国鉄のもとの職員であり、あるいはまた国
会議員が大株主であるし、そしてまた監査役をしておったというのでありますから、こういうことはもってのほかなんです。いささかでも国鉄の
財政の粛正に向ってそれを妨害するために政治の手が伸びるということであるならば、それは大へんであります。私はそれをおそれます。
そういうわけでありますので、国鉄のあらゆる問題につきまして政治の手が不当に干渉、圧迫、妨害というふうになっていくということをおそれます。これはやはり断固として粛正する以外に道はないのであります。そういうことであります。でありますので、この点はあまり露骨にいろいろなことを言うと若干やぼになりますから申しませんけれども、実際にたとい少額でも月々何万円でもそんな
方面からおこぼれを取るということがもしあったら大へんでありますので、この
方面に向ってもあなたの力強い粛正の努力はしてもらわなければいかぬのです。私はあなたに申し上げたいのです。たとえば資材購入の面とか、あるいは工事の面とか、あるいは固定資産の管理の面とかで、こんな醜い汚職とか疑獄とか、あるいは綱紀の頽廃とか紊乱とか暴力とか腕力とか、こういういろいろなものがあります際、この問題をもっともっと究明して、明るくして、そうして
収支の関係を改善できるようにして、その上で、国鉄の
計画はこういうふうにあらねばならぬ、国鉄の老朽取りかえはこうしなければならぬということで、あらためて出直して運賃値上げの問題を国会に問うということがものの順序だろうと思うし、みんな国民はこれを考えておると思います。これを知らなければ、生活費に〇・何%の
影響があるんだと言われると、そうかいな、今日の
経済界の状況から見ていろいろな過程においてそれを吸収してしまうのである、ああそうかいな、十円、二十円上っても別に家計上大きな
影響がないというふうに考えて、国民は漫然とついてくるかもわかりませんけれども、少くとも心ある者は、こういう事実を知りましたならば、やはりこれが先に
解決されて、その上で運賃問題を
一つ論議して国会に出してもらうのが順序ではないか、こういうふうに思うのです。この点について
一つあなたのお考えをはっきり聞いておきたい。綱紀問題を先に
解決すべし、粛正を先にやるべし、そうすればやはり国鉄の
財政関係は明瞭になりますから、その上で運賃問題を国会に問うということがものの順序で、国民は納得する。国民を納得させないような政治は民主主義ではございません。納得させなければいけません。その点についてあなたのはっきりとしたお考えを聞いておきたい。